JP2003146984A - 3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドの精製方法 - Google Patents

3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドの精製方法

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JP2003146984A
JP2003146984A JP2001346479A JP2001346479A JP2003146984A JP 2003146984 A JP2003146984 A JP 2003146984A JP 2001346479 A JP2001346479 A JP 2001346479A JP 2001346479 A JP2001346479 A JP 2001346479A JP 2003146984 A JP2003146984 A JP 2003146984A
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methylthiophene
carbaldehyde
hydrazine
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ylmethylene
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Inventor
Shuzo Satake
秀三 佐竹
Tokuyuki Hayashisaka
徳之 林坂
Hirokazu Kagano
宏和 加賀野
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒ
ドと3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒドの混
合物から3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒド
を、工業的に有利に、かつ高純度に精製する方法を提供
する。 【解決手段】 3−メチルチオフェン−2−カルボアル
デヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒド
の混合物とヒドラジンとを反応させてヒドラジン誘導体
の混合物となす工程Aと、得られたヒドラジン誘導体の
混合物からN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2
−イルメチレン)ヒドラジンを分離する工程Bと、得ら
れたN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イル
メチレン)ヒドラジンを酸の存在下、加水分解する工程
Cと、を含むことを特徴とする3−メチルチオフェン−
2−カルボアルデヒドの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドの精製方法に関する。さらに詳
しくは、反応性が高く、種々の医薬、農薬および機能材
等の製造中間体として有用な3−メチルチオフェン−2
−カルボアルデヒドの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−メチルチオフェン−2−カルボアル
デヒドの製造方法としては、オキシ塩化リンとN、N−
ジメチルホルムアミドとから調製されるビルスマイヤー
試薬に3−メチルチオフェンを反応させる方法(Journa
l of American Chemical Society:第75巻、989
頁、1953年)等が知られている。しかしながら、上
記の方法では、異性体である3−メチルチオフェン−5
−カルボアルデヒドが約10モル%の割合で副生する。
【0003】しかしながら、3−メチルチオフェン−2
−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−カル
ボアルデヒドは、物性が類似しているため、両者を蒸留
等の通常の分離手段によって分離することは非常に困難
である。したがって、3−メチルチオフェン−2−カル
ボアルデヒドを高純度に精製する方法が求められてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、3−メチル
チオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフ
ェン−5−カルボアルデヒドの混合物から3−メチルチ
オフェン−2−カルボアルデヒドを、工業的に有利に、
かつ高純度に精製する方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式
(1);
【0006】
【化5】
【0007】で表される3−メチルチオフェン−2−カ
ルボアルデヒドと下記式(2);
【0008】
【化6】
【0009】で表される3−メチルチオフェン−5−カ
ルボアルデヒドの混合物とヒドラジンとを反応させて下
記式(3−a)、(3−b)および(3−c);
【0010】
【化7】
【0011】で表されるヒドラジン誘導体の混合物とな
す工程Aと得られたヒドラジン誘導体の混合物から下記
式(3−a);
【0012】
【化8】
【0013】で表されるN,N’−ビス(3−メチルチ
オフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンを分離する工
程Bと、得られたN,N’−ビス(3−メチルチオフェ
ン−2−イルメチレン)ヒドラジンを酸の存在下、加水
分解する工程Cと、を含むことを特徴とする3−メチル
チオフェン−2−カルボアルデヒドの精製方法に関す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の3−メチルチオフェン−
2−カルボアルデヒドの精製方法は、3−メチルチオフ
ェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−
5−カルボアルデヒドの混合物とヒドラジンとを反応さ
せてヒドラジン誘導体の混合物となす工程Aと、得られ
たヒドラジン誘導体の混合物からN,N’−ビス(3−
メチルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンを分
離する工程Bと、次いで、得られたN,N’−ビス(3
−メチルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンを
酸の存在下、加水分解して3−メチルチオフェン−2−
カルボアルデヒドとする工程Cを含むものである。以
下、本発明の精製方法を各工程毎に具体的に説明する。
【0015】(工程A)この工程では、下記式(1);
【0016】
【化9】
【0017】で表される3−メチルチオフェン−2−カ
ルボアルデヒドと下記式(2);
【0018】
【化10】
【0019】で表される3−メチルチオフェン−5−カ
ルボアルデヒドの混合物とヒドラジンとを反応させて下
記式(3−a)、(3−b)および(3−c);
【0020】
【化11】
【0021】で表されるヒドラジン誘導体の混合物を製
造する。
【0022】ここで、3−メチルチオフェン−2−カル
ボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボアル
デヒドとの混合物は、オキシ塩化リンとN、N−ジメチ
ルホルムアミドとから調製されるビルスマイヤー試薬に
3−メチルチオフェンを反応させることにより製造する
ことができる。
【0023】ヒドラジンの使用量は、3−メチルチオフ
ェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−
5−カルボアルデヒドとの混合物に対して0.4〜2倍
モル、好ましくは0.5〜0.8倍モルであることが望
ましい。ヒドラジンの使用量が0.4倍モル未満の場
合、十分に反応が進行しにくく、収率が低下するおそれ
がある。また、ヒドラジンの使用量が2倍モルを超える
場合、使用量に見合う効果がなく、経済的でない。
【0024】反応溶媒は、特に限定されないが、例え
ば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、
リグロイン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;メタノール、エタノール等の一価アルコール
類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル
類;トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、
エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコール
類等が挙げられる。中でも、3−メチルチオフェン−2
−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−カル
ボアルデヒドとの混合物の溶解度が高く、目的物である
N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチ
レン)ヒドラジンが難溶性である観点からヘキサン、ヘ
プタン、トルエンが好適に用いられ、とりわけトルエン
がより好適に用いられる。
【0025】反応溶媒の使用量は、3−メチルチオフェ
ン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5
−カルボアルデヒドの混合物に対して0.05〜20倍
重量、好ましくは1〜15倍重量であることが望まし
い。反応溶媒の使用量が0.05倍重量未満の場合、反
応が円滑に進行しにくくなるおそれがある。また、反応
溶媒の使用量が20倍重量を超える場合、容積効率が悪
化するおそれがある。
【0026】反応温度は、0〜100℃、好ましくは1
0〜80℃であることが望ましい。反応温度が0℃未満
の場合、十分に反応が進行せず、収率が低下するおそれ
がある。また、反応温度が100℃を超える場合、生成
したヒドラジン誘導体が分解するおそれがある。反応時
間は、反応温度により異なるが、通常、10分〜10時
間である。
【0027】かくして得られたヒドラジン誘導体は、下
記式(3−a)、(3−b)および(3−c);
【0028】
【化12】
【0029】で表される化合物の混合物である。
【0030】(工程B)この工程では、工程Aにより得
られたヒドラジン誘導体の混合物から下記式(3−
a);
【0031】
【化13】
【0032】で表されるN,N’−ビス(3−メチルチ
オフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンを分離する。
【0033】なお、本発明におけるN,N’−ビス(3
−メチルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンと
は、(E,E)−N,N’−ビス(3−メチルチオフェ
ン−2−イルメチレン)ヒドラジン、(E,Z)−N,
N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチレ
ン)ヒドラジン、(Z,Z)−N,N’−ビス(3−メ
チルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンの3種
の異性体の混合物であるが、これら異性体を分離するこ
となく本発明の目的を達成することができる。
【0034】本発明においては、このヒドラジン誘導体
の混合物から、目的とするN,N’−ビス(3−メチル
チオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンを容易に選
択的に分離できる点に最大の特徴を有する。
【0035】ヒドラジン誘導体の混合物から、N,N’
−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチレン)ヒ
ドラジンを分離する方法としては、特に限定されない
が、例えば、反応液を濃縮した残査を蒸留する方法、溶
解度の差を利用して反応液から晶析する方法、クロマト
グラフィーを用いる方法等が挙げられる。本発明におい
ては、工業的に実施しやすく、高収率である観点から溶
解度の差を利用して反応液から晶析する方法が好適に用
いられる。
【0036】具体的には、3−メチルチオフェン−2−
カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボ
アルデヒドの混合物とヒドラジンとを反応する際に、生
成物の式(3−a)で表されるN,N’−ビス(3−メ
チルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンは難溶
性であるが、式(3−b)で表されるN−(4−メチル
チオフェン−2−イルメチレン)−N’−(3−メチル
チオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンと式(3−
c)で表されるN,N’−ビス(4−メチルチオフェン
−2−イルメチレン)ヒドラジンは易溶性であるような
溶媒を用いると、反応後、得られた反応液を冷却するこ
とにより、N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2
−イルメチレン)ヒドラジンのみを容易に晶析させるこ
とができる。
【0037】晶析温度は、使用する溶媒により異なる
が、−10〜50℃、好ましくは0〜30℃であること
が望ましい。晶析温度が−10℃未満の場合、特別な設
備が必要となり工業的に不利である。また、晶析温度が
50℃を超える場合、晶析しにくく、収率が低下するお
それがある。晶析時間は、溶媒により異なるが、通常1
〜50時間である。
【0038】かくして得られたN,N'−ビス(3−メ
チルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンは、通
常、濾過、遠心分離等の方法により単離することができ
る。
【0039】(工程C)この工程では、工程Bにより得
られたN,N’−ビス(3−メチル−チオフェン−2−
イルメチレン)ヒドラジンを酸の存在下、加水分解する
ことにより3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒ
ドを製造する。
【0040】本発明で用いられる酸としては、特に限定
されないが、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヘキサフルオ
ロリン酸、過塩素酸、過ヨウ素酸等の鉱酸;メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、ロリフルオロメタンスルホン酸等の有
機スルホン酸等が挙げられる。中でも、3−メチルチオ
フェン−2−カルボアルデヒドの安定性の観点から塩酸
が好適に用いられる。なお、酸は、通常、水溶液として
用いられるが、その濃度は、5〜10重量%であること
が望ましい。水溶液濃度が5重量%未満の場合、容積効
率が悪化するおそれがある。また、水溶液濃度が10重
量%を超える場合、目的物である3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドが分解するおそれがある。
【0041】酸の使用量は、N,N’−ビス(3−メチ
ルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンに対して
1〜15倍モル、好ましくは2〜10倍モルであること
が望ましい。酸の使用量が1倍モル未満の場合、十分に
反応が進行しにくく、収率が低下するおそれがある。ま
た、酸の使用量が15倍モルを超える場合、目的物であ
る3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドが分解
するおそれがある。
【0042】加水分解する際に用いられる水の量は、
N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチ
レン)ヒドラジンに対して1〜10倍量、好ましくは4
〜8倍量であることが望ましい。水の量が1倍重量未満
の場合、加水分解反応が十分進行しにくくなるおそれが
ある。また、水の量が10倍量を超える場合、使用量に
見合う効果がないばかりか、容積効率が悪化するおそれ
がある。なお、加水分解する際に用いられる水は、上記
酸の水溶液中の水を利用してもよい。
【0043】反応溶媒としては、特に限定されないが、
例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、リグロイン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;メタノール、エタノール等の一価アルコー
ル類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類;トリエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、エチレングリコール、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ト
リエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコ
ール類等が挙げられる。中でも、3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドが溶解しやすい観点から、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族
炭化水素が好適に用いられ、とりわけトルエン、クロロ
ベンゼンがより好適に用いられる。
【0044】反応溶媒の使用量は、N,N’−ビス(3
−メチルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンに
対して1〜20倍重量、好ましくは3〜10倍重量であ
る。反応溶媒の使用量が1倍重量未満の場合、反応が円
滑に進行しにくくなる。また、反応溶媒の使用量が20
倍重量を超える場合、容積効率が悪化する。
【0045】反応温度は、0〜100℃、好ましくは4
0〜80℃であることが望ましい。反応温度が0℃未満
の場合、十分に反応が進行せず、収率が低下するおそれ
がある。また、反応温度が100℃を超える場合、N,
N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチレ
ン)ヒドラジンが分解するおそれがある。反応時間は、
反応温度により異なるが、通常、10分〜10時間であ
る。
【0046】かくして得られた3−メチルチオフェン−
2−カルボアルデヒドは、反応性が高く、種々の医薬、
農薬および機能材等の製造中間体として有用である。
【0047】
【実施例】以下に、製造例および実施例により本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に何
ら限定されるものではない。
【0048】製造例 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備え付けた
500mL容の四つ口フラスコに、N,N−ジメチルホ
ルムアミド24.7g(0.338モル)を仕込み、オ
キシ塩化リン51.83g(0.338モル)を25℃
で1時間を要して滴下し、ビルスマイヤー試薬を調製し
た。
【0049】次いで、得られたビルスマイヤー試薬に3
−メチルチオフェン26g(0.26モル)を20〜2
5℃で2時間を要して滴下した。滴下終了後、同温度で
さらに21時間反応させた。
【0050】反応終了後、トルエン50gを添加し、水
150gを25℃で1時間を要して滴下した。さらに、
30重量%水酸化ナトリウム水溶液25gを添加した
後、分液して有機層85gを得た。
【0051】得られた有機層を4×10−3MPaの減
圧下、70℃の留分を取得することにより、3−メチル
チオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフ
ェン−5−カルボアルデヒドの混合物30g(0.23
8モル)を得た。得られた混合物中の3−メチルチオフ
ェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−
5−カルボアルデヒドのモル比は、高速液体クロマトグ
ラフィーで測定した結果9:1であった。
【0052】実施例1 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備え付けた
500mL容の四つ口フラスコに、製造例で得られた3
−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチ
ルチオフェン−5−カルボアルデヒドの混合物30g
(0.238モル)、トルエン300gを仕込み、ヒド
ラジン1水和物5.95g(0.119モル)を60℃
で、1時間を要して滴下した。滴下終了後、同温度で2
時間反応させた。
【0053】反応終了後、5℃まで冷却し、同温度で5
時間撹拌し、析出した結晶を濾過した。得られた結晶を
5℃のトルエン50gで洗浄した後、減圧乾燥すること
によりN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イ
ルメチレン)ヒドラジン16.3g(0.0655モ
ル)を得た。3−メチルチオフェン−2−カルボアルデ
ヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒドの
混合物に対する収率は55%であった。
【0054】次いで、攪拌機、温度計および冷却管を備
え付けた500mL容の四つ口フラスコに、得られた
N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチ
レン)ヒドラジン16.3g(0.0655モル)、水
100g、36重量%塩酸19.9g(0.1965モ
ル)、トルエン40gを仕込み、60℃で4時間反応さ
せた。
【0055】反応終了後、分液して有機層を得た。得ら
れた有機層を水30gで洗浄した後、有機層を500m
L容のガラス製の蒸留装置に仕込み、3.9×10−4
MPaの減圧下、70℃の留分を取得することにより、
3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒド14.9
g(0.1178モル)を得た。3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−
カルボアルデヒドの混合物に対する収率は49.5%で
あった。得られた3−メチルチオフェン−2−カルボア
ルデヒドの純度は、高速液体クロマトグラフィーで測定
した結果99.4%であった。
【0056】実施例2 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備え付けた
500mL容の四つ口フラスコに、製造例で得られた3
−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチ
ルチオフェン−5−カルボアルデヒドの混合物30g
(0.238モル)、トルエン300gを仕込み、ヒド
ラジン1水和物7.15g(0.1428モル)を60
℃で、1時間を要して滴下した。滴下終了後、同温度で
2時間反応させた。
【0057】反応終了後、5℃まで冷却し、同温度で5
時間撹拌し、析出した結晶を濾過した。得られた結晶を
5℃のトルエン50gで洗浄した後、減圧乾燥すること
によりN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イ
ルメチレン)ヒドラジン16.0g(0.0643モ
ル)を得た。3−メチルチオフェン−2−カルボアルデ
ヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒドの
混合物に対する収率は54%であった。
【0058】次いで、攪拌機、温度計および冷却管を備
え付けた500mL容の四つ口フラスコに、得られた
N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチ
レン)ヒドラジン16.0g(0.0643モル)、水
100g、36重量%塩酸19.9g(0.1608モ
ル)、クロロベンゼン50gを仕込み、60℃で4時間
反応させた。
【0059】反応終了後、分液して有機層を得た。得ら
れた有機層を水25gで洗浄した後、有機層を500m
L容のガラス製の蒸留装置に仕込み、3.9×10−4
MPaの減圧下、70℃の留分を取得することにより、
3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒド14.4
g(0.1145モル)を得た。3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−
カルボアルデヒドの混合物に対する収率は48.1%で
あった。得られた3−メチルチオフェン−2−カルボア
ルデヒドの純度は、高速液体クロマトグラフィーで測定
した結果99.5%であった。
【0060】実施例3 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備え付けた
500mL容の四つ口フラスコに、製造例で得られた3
−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチ
ルチオフェン−5−カルボアルデヒドの混合物30g
(0.238モル)、トルエン300gを仕込み、ヒド
ラジン1水和物5.95g(0.119モル)を60℃
で、1時間を要して滴下した。滴下終了後、同温度で2
時間反応させた。
【0061】反応終了後、5℃まで冷却し、同温度で5
時間撹拌し、析出した結晶を濾過した。得られた結晶を
5℃のトルエン50gで洗浄した後、減圧乾燥すること
によりN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イ
ルメチレン)ヒドラジン16.3g(0.0655モ
ル)を得た。3−メチルチオフェン−2−カルボアルデ
ヒドと3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒドの
混合物に対する収率は55%であった。
【0062】次いで、攪拌機、温度計および冷却管を備
え付けた500mL容の四つ口フラスコに、得られた
N,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イルメチ
レン)ヒドラジン16.3g(0.0655モル)、水
100g、36重量%塩酸46.49g(0.4585
モル)、トルエン40gを仕込み、60℃で4時間反応
させた。
【0063】反応終了後、分液して有機層を得た。得ら
れた有機層を水30gで洗浄した後、有機層を500m
L容のガラス製の蒸留装置に仕込み、3.9×10−4
MPaの減圧下、70℃の留分を取得することにより、
3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒド15.0
5g(0.119モル)を得た。3−メチルチオフェン
−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−5−
カルボアルデヒドの混合物に対する収率は50.1%で
あった。得られた3−メチルチオフェン−2−カルボア
ルデヒドの純度は、高速液体クロマトグラフィーで測定
した結果99.3%であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によると、反応性が高く、種々の
医薬、農薬および機能材等の製造中間体として有用な3
−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドを、3−メ
チルチオフェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチ
オフェン−5−カルボアルデヒドの混合物から、工業的
に有利に、かつ高純度で精製することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1); 【化1】 で表される3−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒ
    ドと下記式(2); 【化2】 で表される3−メチルチオフェン−5−カルボアルデヒ
    ドの混合物とヒドラジンとを反応させて下記式(3−
    a)、(3−b)および(3−c); 【化3】 で表されるヒドラジン誘導体の混合物となす工程Aと得
    られたヒドラジン誘導体の混合物から下記式(3−
    a); 【化4】 で表されるN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2
    −イルメチレン)ヒドラジンを分離する工程Bと、得ら
    れたN,N’−ビス(3−メチルチオフェン−2−イル
    メチレン)ヒドラジンを酸の存在下、加水分解する工程
    Cと、を含むことを特徴とする3−メチルチオフェン−
    2−カルボアルデヒドの精製方法。
  2. 【請求項2】ヒドラジンの使用量が、3−メチルチオフ
    ェン−2−カルボアルデヒドと3−メチルチオフェン−
    2−カルボアルデヒドの混合物に対して0.4〜2倍モ
    ルである請求項1記載の3−メチルチオフェン−2−カ
    ルボアルデヒドの精製方法。
  3. 【請求項3】酸が、塩酸である請求項1記載の3−メチ
    ルチオフェン−2−カルボアルデヒドの精製方法。
  4. 【請求項4】酸の使用量が、N,N’−ビス(3−メチ
    ルチオフェン−2−イルメチレン)ヒドラジンに対して
    1〜15倍モルである請求項1記載の3−メチルチオフ
    ェン−2−カルボアルデヒドの精製方法。
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