JP2003146798A - 表面処理方法、光学素子、露光装置、デバイス製造方法及びデバイス - Google Patents

表面処理方法、光学素子、露光装置、デバイス製造方法及びデバイス

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JP2003146798A
JP2003146798A JP2001343146A JP2001343146A JP2003146798A JP 2003146798 A JP2003146798 A JP 2003146798A JP 2001343146 A JP2001343146 A JP 2001343146A JP 2001343146 A JP2001343146 A JP 2001343146A JP 2003146798 A JP2003146798 A JP 2003146798A
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treatment method
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calcium fluoride
optical element
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Hideo Kato
日出夫 加藤
Keita Sakai
啓太 酒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弗化カルシウムに発生するカラーセンターを
除去すると共に表面に所望の形状を形成することができ
る表面処理方法、光学素子、露光装置、デバイス製造方
法及びデバイスを提供する。 【解決手段】 表面が改質された弗化カルシウム基板の
表面処理方法であって、前記基板に苛性アルカリ溶液を
作用させるステップと、前記苛性アルカリ溶液が作用さ
れた前記基板に塩酸溶液を作用させるステップとを有す
る表面処理方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空紫外域から遠
赤外域までの広い波長範囲から選ばれた所定の波長の光
のために用いられる各種光学素子、レンズ、窓材、プリ
ズム等に好適である弗化物結晶の表面処理方法に係る。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型及び薄型化の要請
から、電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要
求はますます高くなり、それに伴って半導体露光装置に
使用される露光光源の短波長化が進んでいる。最近で
は、露光光源はKrFエキシマレーザー(波長約248
nm)からArFエキシマレーザー(波長約193n
m)になろうとしており、Fレーザー(波長約157
nm)の実用化も進んでいる。
【0003】弗化カルシウム(蛍石)、弗化バリウム、
弗化マグネシウムなどの弗化金属結晶は、かかる波長域
の透過率(即ち、内部透過率)が硝材の中では高いため
に光学系に使用されるレンズや回折格子などの光学素子
の光学材料として最適である。特に、弗化カルシウム
は、最も光学特性に優れていることから量産化が進み、
大量の供給が可能になろうとしている。
【0004】レンズ等の光学材料の光学特性を評価する
パラメータとしては、内部透過率に加え、レーザー光を
継続的に受光した場合の透過率変化を表すレーザー耐久
性、レンズの屈折率が場所によって一定であることを表
す屈折率均質性(ホモジニティー)、複屈折率及び加工
(又は研磨)精度などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、弗化カルシウ
ムは、エキシマレーザーのように短波長で高出力の光に
対しては、レーザー耐久性が低く、屈折率均質性及び複
屈折率が大きく、研磨加工時の面精度が得にくい等、未
だ満足のいく光学特性を示すに至っていない。
【0006】短波長で高出力の光の照射は、弗化カルシ
ウムにダメージを与えると共に高温状態にする。かかる
ダメージは、弗化カルシウムの結晶性を損なわせたりし
て光学素子の光学的性能を劣化させてしまう。つまり、
弗化カルシウムはイオン化結晶のためCa2+とF
電気的結合によって構成されているが、Fが抜けてい
る、電気的に不安定且つ高温状態の場合において、e
(エレクトロン)が存在すると、電気的安定を求めてe
がFの抜けている箇所に入ってしまう。すると、光
を吸収するカラーセンターが発生し、電気的には安定す
るが光が透過しにくくなり、透過率が減少する。特に、
300nm以下の光の波長域において光学的吸収が顕著
に表れ、透過型の光学素子は透過率が減少し、所望の光
学特性が得られないという問題を生じる。
【0007】また、表面処理によってカラーセンターを
除去するにも弗化カルシウムに所望の形状を形成するの
は非常に困難であり、機械的な研磨は硬度が低いため研
磨傷、研磨剤の残存及び割れ等を引き起こし、ドライエ
ッチングは上述と同様の原理でダメージを与えてしま
う。
【0008】そこで、本発明は、弗化カルシウムに発生
するカラーセンターを除去すると共に表面に所望の形状
を形成することができる表面処理方法、光学素子、露光
装置、デバイス製造方法及びデバイスを提供することを
例示的目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一側面としての表面処理方法は、表面が改
質された弗化カルシウム基板の表面処理方法であって、
前記基板に苛性アルカリ溶液を作用させるステップと、
前記苛性アルカリ溶液が作用された前記基板に塩酸溶液
を作用させるステップとを有する。かかる表面処理方法
によれば、例えば、カラーセンター生成層の形成により
表面が改質された弗化カルシウム基板に、苛性アルカリ
溶液を作用させることによって水酸化カルシウムの粒子
層を形成し、更に、塩酸溶液を作用させることによって
粒子層を溶解除去して、カラーセンター生成層を除去し
た弗化カルシウム基板の表面を得ることができる。前記
基板に苛性アルカリ溶液を作用させる前に、当該基板に
ビームを照射するステップを有する。これにより、弗化
カルシウムに意図的にカラーセンター生成層を発生させ
て、かかる領域を溶解除去することによって、弗化カル
シウム基板を所望の形状にすることが可能となる。前記
所望の形状は、球面又は非球面である。前記ビームは、
紫外線、X線、イオンビーム、エレクトロンビームの一
である。前記苛性アルカリ溶液は、NaOH又はKOH
である。前記苛性アルカリ溶液は、濃度が20乃至50
wtパーセントである。前記塩酸溶液は、濃度が0.1
乃至10wtパーセントである。
【0010】本発明の別の側面としての光学素子は、上
述の表面処理方法が施されている。かかる光学素子によ
れば、カラーセンター生成層が除去され、優れた光学特
性(透過率)を示すことができる。また、所望の形状を
作りこむことができる。かかる光学素子は、レンズ、マ
ルチレンズ、レンズアレイ、レンチキュラーレンズ、ハ
エの目レンズ、非球面レンズ、回折格子、バイナリーオ
プティックス素子及びそれらの複合体を含む。また、か
かる光学素子は、遠紫外線領域又は真空紫外線領域の光
に使用されてもよい。
【0011】本発明の更に別の側面としての光学装置
は、上述の光学素子を有する。かかる光学装置は、上述
の光学素子と同様の作用を奏する。また、かかる光学素
子は、使用中に発生したカラーセンター生成層を除去し
て使用することができるので経済的である。前記光学装
置は、露光装置、照明装置、測定装置の一つである。
【0012】本発明の更に別の側面としてのデバイス製
造方法は、上述の光学素子を有する露光装置を用いて被
処理体を投影露光するステップと、前記投影露光された
前記被処理体に所定のプロセスを行なうステップとを有
する。上述の露光装置の作用と同様の作用を奏するデバ
イス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデ
バイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイス
は、LSIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、L
CD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0013】本発明の更なる目的又はその他の特徴は、
以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によ
って明らかにされるであろう。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者は、弗化カルシウム(C
aF)に発生する光を吸収する、即ち、透過率の減少
を招くカラーセンターの除去方法を鋭意検討した結果、
苛性アルカリ溶液を作用させることによりカラーセンタ
ーを選択的に除去する方法を発見した。
【0015】かかる方法は、カラーセンターが発生した
面(以下、カラーセンター生成層とする)を水酸化カル
シウム(Ca(OH))に変換し、更に塩酸溶液を作
用させることによって水溶性の塩化カルシウム(CaC
)に転換して溶解除去するものである。
【0016】また、カラーセンターを意図的に発生させ
て、かかる方法を適用することにより弗化カルシウムに
所望の形状、特に球面や非球面を形成することができ
る。これは弗化カルシウムの加工における下処理、前処
理として重要な意味を持ち、特に、弗化カルシウムの表
面加工において従来から問題であった研磨傷、砥粒の食
い込み、残存の防止に大きな効果が期待できる。
【0017】以下、添付図面を参照して、本発明の一側
面である表面処理方法1000について説明する。図1
は、本発明の表面処理方法1000が施された弗化カル
シウム基板100の概略断面図であって、図1(a)
は、処理前の弗化カルシウム基板100の断面図、図1
(b)は、ビーム照射時の弗化カルシウム基板100の
断面図、図1(c)は、カラーセンター生成層110が
形成された(表面が改質された)弗化カルシウム基板1
00の断面図、図1(d)は、苛性アルカリ溶液を作用
させることによって粒子層(水酸化カルシウムの粒子
層)120が形成された弗化カルシウム基板100の断
面図、図1(e)は、塩酸溶液を作用させることによっ
て粒子層120を除去した弗化カルシウム基板100の
断面図であり、図2は、本発明の一側面である表面処理
方法1000を示すフローチャートである。
【0018】本発明の表面処理方法1000は、典型的
に、弗化カルシウムのカラーセンター生成層に苛性アル
カリ溶液を作用させるステップ(ステップ1004)
と、更に、塩酸溶液を作用させるステップ(ステップ1
006)を有することを特徴とする。かかる表面処理方
法によれば、弗化カルシウムに発生したカラーセンター
を除去することができる。更に、ステップ1004の前
に、弗化カルシウムにビームを照射するステップ(ステ
ップ1002)を行い、弗化カルシウムに意図的にカラ
ーセンター生成層を発生させて、ステップ1004及び
1006を適用することにより所望の形状を形成するこ
とも可能である。
【0019】図1及び図2を参照するに、まず、弗化カ
ルシウム基板100の表面、即ち、弗化カルシウム基板
100を所望の形状にするために除去したい領域にビー
ムを照射して(ステップ1002)、表面を改質する。
ここで、弗化カルシウム基板100の表面は、青紫〜紫
色に着色する。かかる着色は、カラーセンター生成層1
10の発生によるものであり、弗化カルシウムの遠紫外
線領域の光透過率を著しく低下させる。即ち、強力なエ
ネルギーを有するビーム、例えば、紫外線、X線、イオ
ンビーム、エレクトロンビームを弗化カルシウム結晶表
面に与えることによって、結晶表面の弗素(F)原子が
結合から外れ、表面が疎水性から親水性に変わったと推
測できる。このことは、水に対する接触角が著しく低下
したことでも証明できる。上述したように、既に発生し
ているカラーセンター生成層110を除去する場合に
は、弗化カルシウム基板100にビームを照射する必要
はない。
【0020】次に、弗化カルシウム基板100のカラー
センター生成層110に苛性アルカリ溶液を作用させて
(ステップ1004)、水酸化カルシウムの粒子層12
0を形成する。この状態では光の散乱を生じさせるの
で、弗化カルシウム基板100の表面は白色を呈する。
例えば、弗化カルシウム基板100のカラーセンター生
成層110だけでなく、弗化カルシウム基板100全体
に苛性アルカリ溶液を作用させてもビームの非照射領域
である弗化カルシウム基板100の裏面にはカラーセン
ター生成層110がないので反応は起こらず水酸化カル
シウムの粒子層120は形成されない。なお、苛性アル
カリ溶液は、濃度が20乃至50wtパーセントのNa
OH又はKOHを用いる。
【0021】更に、水酸化カルシウムの粒子層120
(即ち、苛性アルカリ溶液が作用されたカラーセンター
生成層110)に塩酸溶液を作用させて(ステップ10
06)、溶解除去する。これによりカラーセンター生成
層110が除去された透明な弗化カルシウム100の表
面を得ることができる。また、意図的にカラーセンター
生成層110を発生させ、かかる領域を除去すること
で、弗化カルシウム基板100を所望の形状にすること
ができる。但し、ドライエッチングで所望の形状の形成
を行い、その際に発生したカラーセンター生成層110
を除去して所望の形状を得ることも可能である。なお、
塩酸溶液は、濃度が0.1乃至10wtパーセントのも
のを用いる。作用させる時間は、濃度が1wtパーセン
ト程度の塩酸溶液の場合、数分間で十分である。高濃度
の塩酸溶液処理は、反って弗化カルシウム結晶の壁塊析
出が見られるので問題がある。
【0022】本発明者は、表面処理条件を変えて数多く
の弗化カルシウム基板に上述の表面処理方法1000を
行なった。
【0023】
【実施例】
【実施例1】アネルバ製DEM451型のRIEドライ
エッチング装置を用いて、弗化カルシウム基板にイオン
ビームの照射を行なった。イオンビームの照射は、窒素
ガスを作用ガスとして入力パワー100Wで20分間行
なった。この場合、弗化カルシウム基板上ではエッチン
グ作用は行なわれなかったが、表面が薄い青紫色に着色
した。
【0024】次に、弗化カルシウム基板に苛性アルカリ
溶液の一例として濃度33wtパーセントの苛性ソーダ
溶液を作用させると着色表面は白色不透明に変化した。
苛性ソーダ溶液の浸漬は、常温で100分間行なった。
顕微鏡で弗化カルシウム基板を観察したところ約1μm
径の粒子の集合体(水酸化カルシウムの粒子層)が形成
されていた。イオンビームが照射されていない弗化カル
シウム基板の裏面は反応せず変化は見られなかった。
【0025】続いて、濃度2wtパーセントの塩酸溶液
を作用させて水酸化カルシウムの粒子層の溶解除去を行
なった。塩酸溶液の浸漬は、常温で2分間である。仕上
がった弗化カルシウム基板の表面は粒子層が除去され透
明な様相を示した。これにより、弗化カルシウムに発生
したカラーセンターを除去することが可能なことが確認
できた。また、意図的にカラーセンター生成層を発生さ
せて、かかる生成層を除去することで所望の形状を得る
ことが可能なことが確認できた。
【0026】
【実施例2】アネルバ製DEM451型のRIEドライ
エッチング装置を用いて、弗化カルシウム基板にイオン
ビームの照射を行なった。イオンビームの照射は、アル
ゴンとCFの混合ガスを作用ガスとして入力パワー1
00W、1Paで20分間行なった。この場合、弗化カ
ルシウム基板は0.2μmほどエッチングされ、表面が
紫色に着色した。
【0027】次に、弗化カルシウム基板に苛性アルカリ
溶液の一例として濃度40wtパーセントの水酸化カリ
ウム溶液を作用させると着色表面(エッチング表面)は
白色不透明に変化した。水酸化カリウム溶液の浸漬は、
常温で80分間行なった。顕微鏡でエッチング表面を観
察したところ約1μm径の粒子の集合体(水酸化カルシ
ウムの粒子層)が形成されていた。
【0028】続いて、濃度5wtパーセントの塩酸溶液
を作用させて水酸化カルシウムの粒子層の溶解除去を行
なった。塩酸溶液の浸漬は、常温で1分間である。仕上
がった弗化カルシウム基板の表面は粒子層が除去され透
明な様相を示した。
【0029】これにより、例えば、エッチングによって
弗化カルシウム基板を所望の形状にし、その際に発生し
たカラーセンターを除去することが可能なことが確認で
きた。
【0030】
【実施例3】アネルバ製DEM451型のRIEドライ
エッチング装置を用いて、弗化カルシウム基板にイオン
ビームの照射を行なった。イオンビームの照射は、アル
ゴンガスを作用ガスとして入力パワー200W、3Pa
で20分間行なった。この場合、弗化カルシウム基板は
0.3μmほどエッチングされ、表面が青紫色に着色し
た。
【0031】次に、弗化カルシウム基板に苛性アルカリ
溶液の一例として濃度35wtパーセントの苛性ソーダ
溶液を作用させると着色表面(エッチング表面)は白色
不透明に変化した。苛性ソーダ溶液の浸漬は、常温で1
00分間行なった。顕微鏡でエッチング表面を観察した
ところ約1μm径の粒子の集合体(水酸化カルシウムの
粒子層)が形成されていた。
【0032】続いて、濃度5wtパーセントの塩酸溶液
を作用させて水酸化カルシウムの粒子層の溶解除去を行
なった。塩酸溶液の浸漬は、常温で1分間である。仕上
がった弗化カルシウム基板の表面は粒子層が除去され透
明な様相を示した。
【0033】
【実施例4】弗化カルシウム基板にX線の照射を行なっ
た。X線の線源にはロジウム(Rh)管球を用いて、真
空雰囲気で印加電圧20kV、距離20cm、30分の
照射を行なうと弗化カルシウム基板の表面は青紫色に着
色した。
【0034】次に、弗化カルシウム基板に苛性アルカリ
溶液の一例として濃度33wtパーセントの苛性ソーダ
溶液を作用させると着色表面は白色不透明に変化した。
苛性ソーダ溶液の浸漬は、常温で100分間行なった。
顕微鏡で弗化カルシウム基板を観察したところ約1μm
径の粒子の集合体(水酸化カルシウムの粒子層)が形成
されていた。イオンビームが照射されていない弗化カル
シウム基板の裏面は反応せず変化は見られなかった。
【0035】続いて、濃度2wtパーセントの塩酸溶液
を作用させて水酸化カルシウムの粒子層の溶解除去を行
なった。塩酸溶液の浸漬は、常温で2分間である。更
に、流水で洗浄して着色層が除去され透明な様相を示す
弗化カルシウムの表面を得た。
【0036】
【実施例5】弗化カルシウム基板にエレクトロンビーム
(EB)の照射を行なうと弗化カルシウム基板の表面は
青紫色に着色した。次に、弗化カルシウム基板に、同様
に、苛性アルカリ溶液を作用させて白色の水酸化カルシ
ウムの粒子層を形成、更に、塩酸溶液を作用させて粒子
層を溶解除去した。仕上がった弗化カルシウム基板の表
面は着色層が除去され透明な様相を示した。
【0037】
【実施例6】真空チャンバー内に弗化カルシウム基板を
設置して重水素ランプによる極短波長の紫外線の照射を
至近距離から2時間行なった。紫外線が照射された弗化
カルシウム基板表面に着色は見られなかったが、濃度3
5wtパーセントの苛性カリ溶液を作用させると表面に
白色不透明の水酸化カルシウムの粒子層が形成された。
苛性カリ溶液の浸漬は、常温で120分間行なった。続
いて、濃度10wtパーセントの塩酸溶液を作用させて
水酸化カルシウムの粒子層の溶解除去を行なった。塩酸
溶液の浸漬は、常温で30秒間である。更に、流水での
洗浄、アルコール仕上げ処理により仕上がった弗化カル
シウム基板の表面は透明な様相を示した。即ち、着色層
(カラーセンター)を生じない程度の少ないビーム照射
であっても苛性アルカリ溶液を作用させる処理が適応可
能なことが確認できた。
【0038】かかる表面処理方法1000が施された光
学素子も本発明の一部として機能する。かかる光学素子
によれば、上述した表面処理方法1000により弗化カ
ルシウムに発生したカラーセンターを除去され、又は所
望の形状に形成され、優れた光学特性を示す光学素子を
提供することができる。なお、かかる光学素子は、レン
ズ、回折格子、光学膜体及びそれらの複合体の一つであ
る。
【0039】以下、図3を参照して、本発明の表面処理
方法1000が施された光学素子を有する光学装置の一
例としての露光装置300について説明する。但し、本
発明の表面処理方法1000が施された光学素子を有す
る光学装置は、露光装置に限るものではなく、照明装
置、測定装置等も含む。
【0040】ここで、図3は、露光装置300の概略ブ
ロック図である。露光装置300は、図3に示すよう
に、回路パターンが形成されたマスク又はレチクル(本
出願ではこれらの用語を交換可能に使用する)320を
照明する照明装置310と、プレートを支持するステー
ジ345と、照明されたマスクパターンから生じる回折
光をプレート340に投影する投影光学系330とを有
する。
【0041】露光装置300は、例えば、ステップアン
ドリピート方式やステップアンドスキャン方式でマスク
320に形成された回路パターンをプレート340に露
光する投影露光装置である。かかる露光装置は、サブミ
クロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィ工程に
好適であり、以下、本実施形態ではステップアンドスキ
ャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる)を
例に説明する。ここで、「ステップアンドスキャン方
式」は、マスクに対してウェハを連続的にスキャンして
マスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショット
の露光終了後ウェハをステップ移動して、次のショット
の露光領域に移動する露光方法である。「ステップアン
ドリピート方式」は、ウェハのショットの一括露光ごと
にウェハをステップ移動して次のショットを露光領域に
移動する露光方法である。
【0042】照明装置310は、転写用の回路パターン
が形成されたマスク320を照明し、光源部312と照
明光学系314とを有する。
【0043】光源部312は、例えば、光源としてレー
ザーを使用する。レーザーは、波長約193nmのAr
Fエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシ
マレーザー、波長約153nmのFエキシマレーザー
などを使用することができるが、レーザーの種類はエキ
シマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを
使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されな
い。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用
すれば固体レーザー間相互のコヒーレンスはなく、コヒ
ーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さら
にスペックルを低減するために光学系を直線的又は回転
的に揺動させてもよい。また、光源部312にレーザー
が使用される場合、レーザー光源からの平行光束を所望
のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレント
なレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレ
ント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部
312に使用可能な光源はレーザーに限定されるもので
はなく、一又は複数の水銀ランプやキセノンランプなど
のランプも使用可能である。
【0044】照明光学系314は、マスク320を照明
する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレ
ーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、
ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリ
ット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系
314は、軸上光、軸外光を問わず使用することができ
る。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズや2組
のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレ
ンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレー
ター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場
合もある。かかる照明光学系314のレンズなどの光学
素子に本発明の表面処理方法が施され優れた光学特性を
有する光学素子を使用することができる。
【0045】マスク320は、例えば、石英製で、その
上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成さ
れ、図示しないマスクステージに支持及び駆動される。
マスク320から発せられた回折光は投影光学系330
を通りプレート340上に投影される。プレート340
は、ウェハや液晶基板などの被処理体でありレジストが
塗布されている。マスク320とプレート340とは共
役の関係にある。スキャナーの場合は、マスク320と
プレート340を走査することによりマスク320のパ
ターンをプレート340上に転写する。ステッパーの場
合は、マスク320とプレート340を静止させた状態
で露光が行われる。
【0046】投影光学系330は、複数のレンズ素子の
みからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚
の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学
系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォー
ムなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の
光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要
な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス
材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素
子をレンズ素子と逆方法の分散が生じるように構成した
りする。かかる投影光学系330のレンズなどの光学素
子に本発明の表面処理方法が施され優れた光学特性を有
する光学素子を使用することができる。
【0047】プレート340にはフォトレジストが塗布
されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密
着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プ
リベーク処理とを含む。前処理は、洗浄、乾燥などを含
む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地と
の密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗
布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexam
ethyl−disilazane)などの有機膜をコ
ート又は蒸気処理する。プリベークは、ベーキング(焼
成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶
剤を除去する。
【0048】ステージ345は、プレート340を支持
する。ステージ345は、当業界で周知のいかなる構成
をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及
び動作の説明は省略する。例えば、ステージ345は、
リニアモーターを利用してXY方向にプレート340を
移動することができる。マスク320とプレート340
は、例えば、同期走査され、ステージ345と図示しな
いマスクステージの位置は、例えば、レーザー干渉計な
どにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動され
る。ステージ345は、例えば、ダンパを介して床等の
上に支持されるステージ定盤上に設けられ、マスクステ
ージ及び投影光学系330は、例えば、鏡筒定盤は床等
に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持
される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0049】露光において、光源部312から発せられ
た光束は、照明光学系314によりマスク320を、例
えば、ケーラー照明する。マスク320を通過してマス
クパターンを反映する光は投影光学系330によりプレ
ート340に結像される。露光装置300が使用する照
明光学系314及び投影光学系330は、本発明の表面
処理方法が施され優れた光学特性を有する光学素子を含
んで紫外光、遠赤外光及び真空紫外光を高い透過率で透
過するので、高いスループットで経済性よくデバイス
(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、
薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0050】次に、図4及び図5を参照して、上述の露
光装置300を利用したデバイス製造方法の実施例を説
明する。図4は、デバイス(ICやLSIなどの半導体
チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフ
ローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を
例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイス
の回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ス
テップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用
いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)
は、前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラ
フィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ス
テップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4
によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する
工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディ
ング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を
含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成され
た半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなど
の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが
完成し、それが出荷(ステップ7)される。
【0051】図5は、ステップ4のウェハプロセスの詳
細なフローチャートである。ステップ11(酸化)で
は、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CV
D)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ
13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによ
って形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、
ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処
理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16
(露光)では、露光装置300によってマスクの回路パ
ターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)で
は、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチ
ング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取
る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが
済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステ
ップを繰り返し行なうことによってウェハ上に多重に回
路パターンが形成される。本実施例の製造方法によれ
ば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができ
る。
【0052】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様
々な変形や変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明の表面処理方法によれば、弗化カ
ルシウムに発生するカラーセンターを除去すると共に表
面に所望の形状を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面処理方法が施された弗化カルシ
ウム基板の概略断面図である。
【図2】 本発明の一側面である表面処理方法を示すフ
ローチャートである。
【図3】 本発明の例示的な露光装置の概略ブロック図
である。
【図4】 本発明の露光装置を有するデバイス製造方法
を説明するためのフローチャートである。
【図5】 図4に示すステップ4の詳細なフローチャー
トである。
【符号の説明】
100 弗化カルシウム基板 110 カラーセンター生成層 120 水酸化カルシウムの粒子層 300 露光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 515D Fターム(参考) 2H049 AA31 AA44 AA64 2K009 BB01 DD05 DD12 4G077 AA02 BE02 FG05 FH05 5F046 BA03 CA08 CB12 CB23 CB25

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が改質された弗化カルシウム基板の
    表面処理方法であって、 前記基板に苛性アルカリ溶液を作用させるステップと、 前記苛性アルカリ溶液が作用された前記基板に塩酸溶液
    を作用させるステップとを有する表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記基板に苛性アルカリ溶液を作用させ
    る前に、当該基板にビームを照射するステップを有する
    請求項1記載の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記改質は、光を吸収するカラーセンタ
    ーであり、 前記表面処理は、前記カラーセンターを除去する請求項
    1記載の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記表面処理は、前記基板に所望の形状
    を形成する請求項2記載の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記所望の形状は、球面又は非球面であ
    る請求項4記載の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記ビームは、紫外線、X線、イオンビ
    ーム、エレクトロンビームの一である請求項2記載の表
    面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記苛性アルカリ溶液は、NaOH又は
    KOHである請求項1記載の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記苛性アルカリ溶液は、濃度が20乃
    至50wtパーセントである請求項1記載の表面処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記塩酸溶液は、濃度が0.1乃至10
    wtパーセントである請求項1記載の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のうちいずれか一項記
    載の表面処理方法が施された光学素子。
  11. 【請求項11】 レンズ、回折格子、光学膜体及びそれ
    らの複合体の一である請求項10記載の光学素子。
  12. 【請求項12】遠紫外線領域又は真空紫外線領域の光に
    使用される請求項10又は11記載の光学素子。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至12のうちいずれか一
    項記載の光学素子を有する光学装置。
  14. 【請求項14】 前記光学装置は、露光装置、照明装
    置、測定装置の一つである請求項13記載の光学装置。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至12のうちいずれか一
    項記載の光学素子を有する露光装置を用いて被処理体を
    投影露光するステップと、前記投影露光された前記被処
    理体に所定のプロセスを行なうステップとを有するデバ
    イス製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項10乃至12のうちいずれか一
    項記載の光学素子を有する露光装置を用いて投影露光さ
    れた被処理体より製造されるデバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009001443A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Murata Mfg Co Ltd 透光性セラミックの着色改善方法、およびセラミックハイブリッドレンズの製造方法

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