JP2003145684A - 積層樹脂部材とこれを用いたパネル、操作パネル並びに調理機器 - Google Patents

積層樹脂部材とこれを用いたパネル、操作パネル並びに調理機器

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JP2003145684A
JP2003145684A JP2001344155A JP2001344155A JP2003145684A JP 2003145684 A JP2003145684 A JP 2003145684A JP 2001344155 A JP2001344155 A JP 2001344155A JP 2001344155 A JP2001344155 A JP 2001344155A JP 2003145684 A JP2003145684 A JP 2003145684A
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Takashi Nishida
西田  隆
Hideyuki Ohashi
大橋  秀行
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂よりなる基材に積層材を積層した積
層樹脂部材とこれを用いたパネル、操作パネル並びに調
理機器において、最表面の積層材に異物が付着して汚染
されたり、傷つきにより外観が悪化した場合、最表層の
積層材を剥離することにより、清浄な表面を有する下層
積層材を露出させ、使用初期と同等の表面状態にできる
ようにし、長期間にわたり機器を清潔に保つようにし、
しかも、傷つきによる外観悪化も防止する。 【解決手段】 合成樹脂よりなる基材3の片面にこの基
材3よりも薄い合成樹脂よりなる第1層目の積層材1、
第2層目の積層材21、第3層目の積層材を積層し、基
材3の反対面に必要に応じ一層以上の印刷層4を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂よりなる
基材に積層材を積層した積層樹脂部材とこれを用いたパ
ネル、操作パネル並びに調理機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家庭または業務用に使用され
る機器は、清潔で、かつ良好な外観が重要視されてきて
いる。この種の清潔で、かつ良好な外観が重要視される
機器の一例として炊飯器を例にとって説明する。
【0003】炊飯器は、開閉自在の蓋体と筐体とで構成
され、筐体の内部に出し入れ可能な鍋を備え、鍋の下部
にはヒーターまたは誘導加熱コイル等の鍋加熱手段の
他、鍋の温度を検知する温度センサー等を有し、筐体の
内部には加熱を制御する回路基板等を備えている。ま
た、蓋体や筐体の少なくとも一方の一部分には炊飯ボタ
ン、保温ボタン等の操作ボタンを有する操作部を備え、
さらに、その操作状況や調理工程、現在時刻等を表示す
るディスプレイ部を有するものもある。
【0004】これらの構成要素を有する炊飯器の外面を
構成する蓋体と筐体は、ステンレス鋼板などの金属材料
で構成されたものもあるが、生産性、機械的強度、耐久
性、コストの低さといった総合的な観点より、汎用的な
合成樹脂が使用されることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】炊飯器、ジャーポッ
ト、ミキサー等の調理機器の外面を構成する材料として
は、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS(アクリ
ルニトリル=ブタジエン=スチレン)、ナイロン等の汎
用合成樹脂に顔料等の添加物を加えて使用されるのが一
般的である。
【0006】しかしながら、これらの合成樹脂は汚れや
埃が付着し易く、調理機器として、家庭の台所やレスト
ラン等での使用中に、さまざまな調味料や油等の異物に
よる汚れが表面に付着し易く、商品の外観を悪化させる
とともに、衛生的にも好ましくない状況になり得る他、
商品を陳列販売する際においても、陳列中に機器の表面
に埃が付着し、外観を悪化させる事態を生じ、さらに、
衛生的にも好ましくない状況になる上、特に実使用時に
操作部ではボタンやレバー操作による傷の発生があり、
外観を悪化させることも頻繁に生じる。
【0007】同様に、洗濯機、冷蔵庫、コピーマシン等
の機器についても、さまざまな汚れや埃が機器の外面に
付着し、美観を損ね、不衛生な状況になり得る。
【0008】このように、炊飯器を始めとする機器の筐
体や蓋体の外面を構成する汎用合成樹脂には、埃、また
は調味料、油等をはじめとするさまざまな異物による汚
れが付着しやすく、また異物付着後は外観表面にこびり
付きやすいため、布巾等で容易にこれらを除去するのが
困難となる。
【0009】また、さまざまな機器の外面部には、人が
触れたり、何かを当てたりして傷が付き、外観を損ねる
場合が頻繁に発生する。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、最表面の積層材に何らかの事由で異物が付着して汚
染されたり、傷つきにより外観が悪化した場合、最表層
の積層材を剥離することにより、清浄な表面を有する下
層積層材を露出させ、使用初期と同等の表面状態にでき
るようにし、長期間にわたり清潔に保つようにし、しか
も、傷つきによる外観悪化も防止することを第1の目的
としている。
【0011】また、長期間にわたり衛生的で、外観品位
の高いパネルまたは操作パネルを提供することを第2の
目的としている。
【0012】また、長期間にわたり衛生的で、外観品位
の調理機器を提供することを第3の目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明は、合成樹脂よりなる基材の片面にこの
基材よりも薄い合成樹脂よりなる積層材を2層以上積層
し、基材の反対面に必要に応じ一層以上の印刷層を有す
る積層樹脂部材である。
【0014】これにより、最表面の積層材に何らかの事
由で異物が付着して汚染されたり、傷つきにより外観が
悪化した場合、最表層の積層材を剥離することにより、
清浄な表面を有する下層積層材を露出させ、使用初期と
同等の表面状態にすることができ、長期間にわたり清潔
に保つことができ、しかも、傷つきによる外観悪化も防
止することができる。
【0015】また、上記第2の目的を達成するために本
発明は、上記積層樹脂部材を他の樹脂材料と一体成形し
たパネルまたは操作パネルである。
【0016】これにより、パネルまたは操作パネルの表
面の積層樹脂部材に異物付着あるいは傷つきがあり、外
観が悪化した場合、最上層の積層材を引き剥がすことに
より、清浄な表面を有する下層積層材を露出させること
ができ、長期間にわたり衛生的で、外観品位の高いパネ
ルまたは操作パネルを提供することができる。
【0017】また、上記第3の目的を達成するために本
発明は、上記積層樹脂部材、パネルまたは操作パネルを
操作部あるいは筐体外面に用いた調理機器である。
【0018】これにより、調理機器の外面に、上記積層
樹脂部材を用いることにより、長期間にわたり衛生的
で、外観品位の高い調理機器を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、合成樹脂よりなる基材の片面にこの基材よりも薄い
合成樹脂よりなる積層材を2層以上積層し、前記基材の
反対面に必要に応じ一層以上の印刷層を有する積層樹脂
部材であり、最表面の積層材に何らかの事由で異物が付
着して汚染されたり、傷つきにより外観が悪化した場
合、最表層の積層材を剥離することにより、清浄な表面
を有する下層積層材を露出させ、使用初期と同等の表面
状態にすることができ、長期間にわたり清潔に保つこと
ができ、しかも、傷つきによる外観悪化も防止すること
ができる。
【0020】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、2層以上積層される積層材は、そ
れぞれの下面に接着層を有し、上層にある積層材の接着
層の接着力はそれより下層にある積層材の接着層の接着
力と同等、またはそれ以下とした積層樹脂部材であり、
異物付着あるいは傷つきにより積層材の外観が悪化した
場合、最上層の積層材を引き剥がすことにより、清浄な
表面を有する下層積層材を露出させる際、上層にある積
層材の接着層の接着力はそれより下層にある積層材の接
着層の接着力と同等、またはそれ以下とすることで、上
層より順番に1枚づつ引き剥がすことができる。
【0021】請求項3に記載の発明は、上記請求項1ま
たは2に記載の発明において、2層以上積層される積層
材は、基材よりも表面エネルギーを小さくした積層樹脂
部材であり、表面エネルギーの低い物質は一般に反応性
が低く、汚染物質が付きにくく、また、汚染物質が表面
に付着したとしても容易に除去でき得る性質を有してい
る。ここで、汎用合成樹脂を基材とし、これに防汚性を
有する積層材を2層以上積層することで、基材単独時よ
りも高い防汚性を発揮できるとともに、異物付着あるい
は傷つきにより積層樹脂部材の外観が悪化した場合、最
上層の積層材を引き剥がすことにより、清浄な表面を有
する下層積層材を露出させることができる。
【0022】請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜
3に記載の発明において、基材と基材に積層される2層
以上の積層材の可視光透過率は60%以上である積層樹
脂部材であり、基材および積層材がともに60%以上の
可視光透過率を有することにより、基材の片面に印刷し
た模様や文字が表面側より容易に認識することができ
る。さらに、この積層樹脂部材を機器の操作部に用いた
場合に、その下部に配置された発光素子や液晶表示素子
などの表示を直接読み取ることができる。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4記
載の積層樹脂部材の一部に起伏部を設け、前記起伏部を
操作ボタンとした操作パネルであり、積層樹脂部材の一
部に起伏部を設けることによりその部位が周囲よりも突
出し、操作ボタンであることを容易にその機器の操作者
に認識させることができるとともに、操作ボタンを有す
る操作部は人による操作に伴い汚れが付着したり、傷が
ついたりする機会が多いが、異物付着あるいは傷つきに
より積層樹脂部材の外観が悪化した場合、最上層の積層
材を引き剥がすことにより、清浄な表面を有する下層積
層材を露出させることができる。
【0024】請求項6に記載の発明は、請求項1〜4記
載の積層樹脂部材を他の樹脂材料と一体成形したパネル
または操作パネルであり、パネルまたは操作パネルの表
面の積層樹脂部材に異物付着あるいは傷つきがあり、外
観が悪化した場合、最上層の積層材を引き剥がすことに
より、清浄な表面を有する下層積層材を露出させること
ができ、長期間にわたり衛生的で、外観品位の高いパネ
ルまたは操作パネルを提供することができる。ここで、
操作パネルとは、パネルの1つの形態であり、パネルを
操作部に用いた場合をいう。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6に
記載の積層樹脂部材、パネルまたは操作パネルを操作部
あるいは筐体外面に用いた調理機器であり、調理機器の
外面に、請求項1〜6に記載の積層樹脂部材を用いるこ
とにより、長期間にわたり衛生的で、外観品位の高い調
理機器を提供することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0027】(実施例1)図1に示すように、基材3
は、可視光透過率90%以上で、無色透明の100μm
厚のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとい
う)で構成し、この基材3の表面に、約5μm厚の透明
な接着層2を有する第1層目の積層材1を貼り合わせ
る。第1層目の積層材1は、可視光透過率80%以上
で、無色透明の25μm厚の四ふっ化エチレン・エチレ
ン共重合樹脂(以下、ETFEという)で構成してい
る。
【0028】第1層目の積層材1の上層に、接着層22
を有する25μm厚さのETFEを第2層目の積層材2
1として積層し、さらにその上層に接着層24を有する
25μm厚さのETFEを第3層目の積層材23として
積層している。
【0029】ここで、第1層目の積層材1の接着層2は
ポリエステル系の接着剤を用い、基材3との密着力は1
80°方向剥離試験において、4.0N/10mm幅で
あり、第2層目の積層材21の接着層22は同様にポリ
エステル系の接着剤を用い、密着力は、2.5N/10
mm幅となっている。
【0030】本実施例では、第1層目の積層材1の接着
層2と、第2層目の積層材21の接着層22に同じ接着
剤を用いたが、第1層目の接着層2は比較的表面エネル
ギーの高いPETで構成した基材3に接着するのに対
し、第2層目の接着層22は比較的表面エネルギーの低
いETFEに接着するために、第2層目の方が接着力は
低くなっている。
【0031】第3層目の積層材23の接着層24はアク
リル系接着剤を用いており、第2層目の積層材21との
接着力は1.3N/10mm幅となっている。
【0032】基材3の裏面には、スクリーン印刷による
複数色の印刷を施し、さらに、この印刷層4の外面に接
着層5を設けている。また、基材3の裏面には印刷層4
の接着が良好となるようにコロナ処理やプラズマ処理
層、あるいはプライマ層を設けている。
【0033】ここで、PETで構成した基材3、ETF
Eで構成した積層材1、21、23および接着層2、2
2、24は、すべて無色透明であり、高い可視光透過率
(60%以上)を有するために、基材3の裏面に印刷さ
れた文字や模様を表面側より視認することが容易な構成
となっている。
【0034】さらに、印刷層4の外層には接着層5を設
けているために、炊飯器等の機器の筐体や蓋体外面に用
意に貼り付けることができる。
【0035】上記構成において、表面を形成する第3層
目の積層材23には、比較的防汚性の高いETFEを使
用しているために、汚れが付着したとしても除去が容易
になっている。一方、長期間の保管、店頭展示、または
実使用において異物が表面に付着したり、表面に傷が発
生して外観が悪化した場合には、最外層の第3層目の積
層材23を剥離して第2層目の積層材21の表面を露出
させ、使用初期と同等の外観品質を復元することができ
る。
【0036】また、本実施例では、積層材1、21、2
3を3層としているため、再び外観が悪化しても、さら
に2回同様の操作を行い、清浄な表面を得ることが可能
である上、各積層材の下面の接着層の接着強度は上層ほ
ど弱く設計してあるため、上層から順番に1層づつ剥離
していくことができる。
【0037】なお、本実施例では、積層材を3層とした
が、その積層材の数は任意であり、各機器の使用実態や
保管実態等を考慮して決定されればよいとともに、積層
材およびその接着剤の種類は特に限定されるものではな
い。
【0038】(実施例2)図1に示す第1層目の積層材
1、第2層目の積層材21、第3層目の積層材23は、
基材3よりも表面エネルギーが小さい材料で構成してい
る。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0039】表面エネルギーが小さい物質は、一般に反
応性が低く、汚染物質が付きにくく、また、汚染物質が
表面に付着したとしても容易に除去でき得る性質を有し
ている。表面エネルギーの大小を表す尺度としては、そ
の材料表面における水や油の接触角があり、接触角が高
いほどその材料の表面エネルギーは小さく、汚染物質が
表面に付着しにくい。
【0040】表面エネルギーが小さく、水や油の接触角
が比較的高い材料としては、四ふっ化エチレン樹脂(P
TFE)、四ふっ化エチレン・パーフルオロアルコキシ
エチレン共重合樹脂(PFA)、四ふっ化エチレン・6
ふっ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四ふっ化エチ
レン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、クロロトリフ
ルオロエチレン樹脂(CTFE)、ビニリデンフルオラ
イド樹脂(PVDF)、エチレン−クロロトリフルオロ
エチレン樹脂(ECTFE)などのフッ素樹脂系統の材
料やポリジメチルシロキサンを始めとする各種シリコー
ン樹脂系統の材料が挙げられる他、ポリエチレンテレフ
タレート等の各種汎用樹脂にフッ素樹脂あるいはシリコ
ーン樹脂系統の材料を塗装、あるいはフッ素系やシリコ
ーン系物質を含浸、混練させた材料なども含まれる。
【0041】接触角についての測定例を挙げると、例え
ば、ポリエチレン表面での水の接触角は88°、ポリプ
ロピレンでは90°、ナイロンでは77°程度の値が得
られる。一方、表面エネルギーが低く、防汚性の高い材
料として知られるPTFEでは114°、FEPでは1
15°、ETFEでは100°程度の値を示すが、防汚
性を十分に得るには、水の接触角が90度を越える低表
面エネルギーの材料を用いることが望ましい。
【0042】また、同様に、市販のサラダ油(日清精油
株式会社製)の接触角についても、例えば、ポリエチレ
ン上での油の接触角は20°、ポリプロピレンでは25
°、ナイロンでは13°程度の値が得られる一方、PT
FEでは53°、FEPでは55°、ETFEでは49
°程度の値を示すが、十分な防汚性を得るには、サラダ
油の接触角が40度を越える低表面エネルギーの材料を
用いることが望ましい。
【0043】本実施例では、基材3をポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ABS(アクリルニトリル=ブタジエン=スチレ
ン)、ナイロンなどのの汎用合成樹脂で構成し、この基
材3に、上述のように防汚性を有するフッ素樹脂系材料
やシリコーン樹脂系材料を貼り合せるか、あるいは、フ
ッ素樹脂系の塗装やシリコーン樹脂系の塗装をした防汚
性材料、または、フッ素樹脂系材料やシリコーン樹脂系
材料を添加して作製した防汚性材料で構成した第1層目
の積層材1、第2層目の積層材21、第3層目の積層材
23を積層している。
【0044】これにより、基材3の単独時よりも高い防
汚性を発揮できるとともに、異物付着あるいは傷つきに
より、外観が悪化した場合、上記実施例1と同様に、最
上層の積層材を引き剥がすことにより、清浄な表面を有
する下層積層材を露出することができる。
【0045】(実施例3)図2に示すように、積層樹脂
部材16は、上記実施例1で説明したように、基材3の
表面に、接着層2を有する第1層目の積層材1を貼り合
わせ、第1層目の積層材1の上層に、接着層22を有す
る第2層目の積層材21を積層し、さらにその上層に接
着層24を有する第3層目の積層材23を積層し、基材
3の裏面には、スクリーン印刷による複数色の印刷を施
し、さらに、この印刷層4の外面に接着層5を設けてい
る。
【0046】この積層樹脂部材16を基材15であるア
クリル樹脂材に一体に貼り付けて、図3に示すような炊
飯器の操作パネル8を構成している。
【0047】操作パネル8は、筐体7の上部を開閉自在
に覆い、蒸気筒13を有する蓋体6に設け、炊飯開始ボ
タン9、切りボタン10、保温ボタン11などの操作ボ
タンを設けるとともに、操作部の内部に格納した操作基
板(図示せず)上に配置した液晶ディスプレイ(図示せ
ず)の透視窓部12を設けている。さらに、さまざまな
文字、数字、デザイン等が表示されている。
【0048】これら文字、数字、デザイン等は、積層樹
脂部材16の印刷層4に印刷されており、その印刷層4
の上層のETFE、接着層およびPETは透明性の高い
ものを使用しているために充分に使用者にとって外面よ
り認識することができる。
【0049】また、操作パネル8の下に配置した液晶デ
ィスプレイが視認可能なように、積層樹脂部材の液晶デ
ィスプレイの透視窓部12には印刷が施されていない。
【0050】さらに、図4に示すように、積層樹脂部材
部16に、最大で外部に0.5〜2mm程度突出させて
起伏部20を形成し、この起伏部20により炊飯開始ボ
タン9、切りボタン10、保温ボタン11などの操作ボ
タンを構成し、使用者に操作ボタンであることを認識さ
せるとともに、使用者が起伏部20(操作ボタン)を押
すときのクリック感を出すようにしている。
【0051】ここで、起伏部20を設けた箇所の基材1
5は通し穴となっており、使用者が起伏部20(操作ボ
タン)を押すと、起伏部20の裏面に配置したキートッ
プ19を介して、操作基板17に実装したスイッチ18
を操作することができる。
【0052】このように、積層樹脂部材16を基材15
に一体に貼り付けて構成した操作パネル8は、炊飯器の
操作部に組み込んで使用した場合、使用者が頻繁に触れ
て汚れや傷が発生しやすい。このように表面が汚染され
たり、傷つきにより外観が悪化した場合、最表層の積層
材を剥離することにより、清浄な表面を有する下層積層
材を露出させ、使用初期と同等の表面状態にすることが
でき、長期間にわたり機器を清潔に保つことができ、し
かも、傷つきによる外観悪化も防止することができる。
【0053】なお、本実施例では、積層樹脂部材16を
基材15に貼り付けて操作パネル8を構成しているが、
パネルを構成してもよい。なお、操作パネル8は、パネ
ルの1つの形態であり、パネルを操作部に用いた場合で
ある。
【0054】また、本実施例では、炊飯器を例として、
積層樹脂部材を使用する例を示したが、洗濯機、ジャー
ポット、冷蔵庫、ミキサー、電子レンジ、オーブントー
スター、コピーマシン、掃除機等、さまざまな機器に使
用することができることはいうまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、合成樹脂よりなる基材の片面にこの基材
よりも薄い合成樹脂よりなる積層材を2層以上積層し、
前記基材の反対面に必要に応じ一層以上の印刷層を有す
る積層樹脂部材であるから、最表面の積層材に異物が付
着して汚染されたり、傷つきにより外観が悪化した場合
には、最表層の積層材を剥離することにより、清浄な表
面を有する下層積層材を露出させ、使用初期と同等の表
面状態にすることができ、長期間にわたり清潔に保つこ
とができ、しかも、傷つきによる外観悪化も防止するこ
とができる。
【0056】また、請求項2に記載の発明によれば、2
層以上積層される積層材は、それぞれの下面に接着層を
有し、上層にある積層材の接着層の接着力はそれより下
層にある積層材の接着層の接着力と同等、またはそれ以
下とした積層樹脂部材であるから、上層の積層材を引き
剥がすことにより、清浄な表面を有する下層積層材を露
出させる際、上層より順番に1枚づつ引き剥がすことが
できる。
【0057】また、請求項3に記載の発明によれば、2
層以上積層される積層材は、基材よりも表面エネルギー
を小さくした積層樹脂部材であるから、表面エネルギー
の低い物質は一般に反応性が低く、汚染物質が付きにく
く、また、汚染物質が表面に付着したとしても容易に除
去することができ、基材単独時よりも高い防汚性を発揮
することができる。
【0058】また、請求項4に記載の発明によれば、基
材と基材に積層される2層以上の積層材の可視光透過率
は60%以上である積層樹脂部材であるから、基材の片
面に印刷した模様や文字が表面側より容易に認識するこ
とができる。さらに、この積層樹脂部材を機器の操作部
に用いた場合に、その下部に配置された発光素子や液晶
表示素子などの表示を直接読み取ることができる。
【0059】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項1〜4記載の積層樹脂部材の一部に起伏部を設け、
前記起伏部を操作ボタンとした操作パネルであるから、
積層樹脂部材の一部に起伏部を設けることによりその部
位が周囲よりも突出し、操作ボタンであることを容易に
その機器の操作者に認識させることができるとともに、
操作ボタンを有する操作部は人による操作に伴い汚れが
付着したり、傷がついたりする機会が多いが、異物付着
あるいは傷つきにより積層樹脂部材の外観が悪化した場
合、最上層の積層材を引き剥がすことにより、清浄な表
面を有する下層積層材を露出させることができる。
【0060】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項1〜4記載の積層樹脂部材を他の樹脂材料と一体成
形したパネルまたは操作パネルであるから、パネルまた
は操作パネルの表面の積層樹脂部材に異物付着あるいは
傷つきがあり、外観が悪化した場合、最上層の積層材を
引き剥がすことにより、清浄な表面を有する下層積層材
を露出させることができ、長期間にわたり衛生的で、外
観品位の高いパネルまたは操作パネルを提供することが
できる。
【0061】また、請求項7に記載の発明によれば、請
求項1〜6に記載の積層樹脂部材、パネルまたは操作パ
ネルを操作部あるいは筐体外面に用いた調理機器である
から、長期間にわたり衛生的で、外観品位の高い調理機
器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の積層樹脂部材の断面図
【図2】本発明の第3の実施例の操作パネルの断面図
【図3】(a)同操作パネルを用いた炊飯器の斜視図 (b)同操作パネルの正面図
【図4】同操作パネルを用いた炊飯器の要部断面図
【符号の説明】
1 第1層目の積層材 3 基材 4 印刷層 21 第2層目の積層材 23 第3層目の積層材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B055 AA01 BA52 BA57 CA65 CB16 4F100 AK01A AK01B AK01C AK01D AK17 AK25G AK41G AK42 AL01 AT00A BA04 BA05 BA07 BA10D BA10E CB00 HB31E JL06 JN01A JN01B JN01C JN01D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂よりなる基材の片面にこの基材
    よりも薄い合成樹脂よりなる積層材を2層以上積層し、
    前記基材の反対面に必要に応じ一層以上の印刷層を有す
    る積層樹脂部材。
  2. 【請求項2】 2層以上積層される積層材は、それぞれ
    の下面に接着層を有し、上層にある積層材の接着層の接
    着力はそれより下層にある積層材の接着層の接着力と同
    等、またはそれ以下とした請求項1記載の積層樹脂部
    材。
  3. 【請求項3】 2層以上積層される積層材は、基材より
    も表面エネルギーを小さくした請求項1または2記載の
    積層樹脂部材。
  4. 【請求項4】 基材と基材に積層される2層以上の積層
    材の可視光透過率は60%以上である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の積層樹脂部材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の積層樹脂部材の一部
    に起伏部を設け、前記起伏部を操作ボタンとした操作パ
    ネル。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4記載の積層樹脂部材を他の
    樹脂材料と一体成形したパネルまたは操作パネル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の積層樹脂部材、パネ
    ルまたは操作パネルを操作部あるいは筐体外面に用いた
    調理機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007135883A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 炊飯器

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JP2007135883A (ja) * 2005-11-18 2007-06-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 炊飯器

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