JP2003144155A - Notch遺伝子の導入を用いて骨髄間質細胞を神経細胞及び骨格筋細胞に分化・誘導する方法 - Google Patents

Notch遺伝子の導入を用いて骨髄間質細胞を神経細胞及び骨格筋細胞に分化・誘導する方法

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JP2003144155A JP2002030003A JP2002030003A JP2003144155A JP 2003144155 A JP2003144155 A JP 2003144155A JP 2002030003 A JP2002030003 A JP 2002030003A JP 2002030003 A JP2002030003 A JP 2002030003A JP 2003144155 A JP2003144155 A JP 2003144155A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Notch遺伝子の導入を用いて骨髄間質細
胞を神経細胞及び骨格筋細胞に分化・誘導する方法の提
供。 【解決手段】 本願発明は、骨髄間質細胞をインビトロ
において神経細胞又は骨格筋細胞に分化・誘導する方法
であって、上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はN
otchシグナリング関連遺伝子を導入することを含
み、ここで、最終的に得られた分化・誘導された細胞
が、上記のNotch遺伝子及び/又はNotchシグ
ナリング関連遺伝子が導入された骨髄間質細胞が細胞分
裂した結果として得られたものである、前記分化・誘導
方法を提供する。上記分化・誘導された神経細胞を、さ
らにドーパミン作動性ニューロン、及びアセチルコリン
作動性ニューロンに分化・誘導する方法、並びにこのよ
うにして得られたドーパミン作動性ニューロンを含む、
パーキンソン病治療用医薬組成物をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Notch遺伝子
の導入を含む多段階から成る操作を加えることによって
骨髄間質細胞を神経細胞又は骨格筋細胞にインビトロに
おいて分化・誘導する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病、パーキンソン病、A
LS(筋萎縮性側索硬化症)などの、病状の進行した神
経変性疾患を対象にする場合、細胞死によって失われた
神経細胞そのものを補充しなくては神経機能再建が実現
しない。神経細胞移植に対して動物実験レベルで試みら
れているとしては胎児及び成体由来の神経幹細胞、ES細
胞又は胎児由来の神経細胞などである。しかしながら、
いずれもヒトヘの応用において大きなハードルがある。
胎児由来の幹細胞又は神経細胞の使用に対しては倫理的
な問題があり、安定した供給性が得られるか不安があ
る。またES細胞はその多分化能という点において現在
多くの注目を集めているが、やはり倫理問題を大きく含
み、特定の細胞への分化・誘導に対して費用と労力がか
かること、さらに移植後奇形腫を形成する危険性がある
ことなども不安定要素として挙げられる。また成体由来
の神経幹細胞を用いる場合、中枢神経系の極く限られた
中心部分に存在するため開頭して採取しなくてはなら
ず、再生治療と引き換えに受ける患者の危険と負担は多
大なものである。
【0003】インビトロで中枢神経系幹細胞が分離され
てから約10年程たつが、今のところ一般に受け入れら
れたプロトコルでは、神経幹細胞を分化させ、機能しう
るドーパミン作動性又はコリン作動性ニューロンを大量
に得ることはできていない(Lorenz Stude
r,nature biotechnology 12
月号P.1117(2001))。
【0004】また、カルガリー大学(Calgary、
カナダ)のワイス・サミュエル、新郷哲郎教授らの研究
グループは、複数のチロシン水酸化酵素誘導因子の混合
液(THカクテル)をマウス脳内に投与し、ドーパミン
産生神経細胞を高効率で分化・誘導することに成功して
いるようであるが、本願発明におけるように骨髄間質細
胞からドーパミン作動性ニューロン及びコリン作動性ニ
ューロンを分化・誘導した例は全くない。
【0005】運動性ニューロンは、アセチルコリン作動
性であり、この細胞はALS(筋萎縮性側索硬化症)と
いう難病への適用が考えられる。ALSは何らかの理由
で脊髄の運動性ニューロンが細胞死に陥り、筋肉を動か
す神経が無くなるために呼吸筋にいたるまで全身の筋肉
を動かすことができなくなり発病2〜3年で死亡に至る
疾患である。現在有効な治療法は無いが、ラットにおい
てALSモデル動物が作成されつつある。筋ジストロフ
ィーなどの変性性筋肉疾患の多くは進行性であり、やは
り骨格筋細胞の移植が解決となりうる。正常人において
は筋組織に存在する衛星細胞(satellite c
ell)が再生能力を持ち失われた骨格筋の補充に働く
が、進行性の筋疾患の場合、細胞数も減少しており再生
能力も低くなっている。したがって骨格筋又はその前駆
細胞の移植が治療となり得るが現在有効な手段は存在し
ない。
【0006】脳神経系の発生過程では、比較的均一な神
経前駆細胞(神経幹細胞neural stem ce
ll)から、ニューロンやグリア細胞が分化・誘導され
る。前駆細胞群の一部の細胞は分化シグナルに反応して
さるサブタイプの細胞に分化するが、残りの細胞は未分
化のままで留まる機構が存在している。つまり、先に分
化した細胞が周りにあるシグナルを出して自分と同じ細
胞に分化するのを防ぐメカニズムが存在する。これを側
方制御(lateral inhibition)とい
う。ショウジョウバエでは先に神経に分化した細胞がD
eltaというリガンドを発現し、その周りの細胞がD
eltaの受容体であるNotchを発現し、それらは
神経細胞にならない(Notchシグナリング)。この
Delta−Notch系は、脊椎細胞においても働い
ているようである(例えば、Chitnis, A., Henrique,
D., Lewis, J., Ish-Horowicz, D., Kintner, C.: Natu
re,375, 761-766 (1995)を参照のこと)。
【0007】このように均一なものから多様なものを生
み出す発生過程においては、膜タンパク質Notchを
介した細胞間相互作用が重要な役割を担っていること、
すなわち、Notchは隣接細胞からリガンド刺激を受
けると、Mash1、Math1、ニューロゲニン(N
eurogenin)に代表されるbHLH(basi
c helix−loop−helix)型神経分化因
子を阻害するHES1やHES5の発現を誘導すること
により隣接細胞と同じ種類の細胞への分化を抑制すると
考えられている(例えば、影山ら、細胞工学Vol.18, N
o.9, 1301-1306(1999)を参照のこと)。
【0008】Notchの細胞内経路は以下のように考
えられている。Notchは、まず隣接細胞の表面に存
在するリガンド(Delta,Serrate,Jag
ged)によって活性化されるとその細胞内ドメインが
切り出される(Artavanis-Tsakonas S, et al: Science
(1999) 284: 770-776、及び影山ら、細胞工学Vol.18,
No.9, 1301-1306 (1999)を参照のこと)。Notchの
細胞内ドメインが切り出された後、核移行シグナル(N
LS)によって細胞膜から核に移行して核内でRBP−
JκというDNA結合タンパク質と複合体を形成する
(Honjo T: GenesCells (1996) 1: 1-9、及び影山ら、
細胞工学Vol.18, No.9, 1301-1306 (1999)を参照のこ
と)。RBP−Jκそのものは、DNAに結合して転写
を抑制するレプレッサーで、Notchが不活性のとき
には分化抑制因子であるHES1遺伝子のプロモーター
に結合してその発現を制御しているが、RBP−Jκと
Notchの細胞内ドメインが複合体を形成すると、こ
の複合体が逆にHES1遺伝子の転写を活性化する(jar
riault S, et al: Nature (1995) 377: 355-358、Kagey
ama R, et al: Curr Opin Genet Dev (1997) 7: 659-66
5、及び影山ら、細胞工学Vol.18, No.9, 1301-1306 (19
99)を参照のこと)。その結果、HES1の発現が誘導さ
れ、さらにHES1により分化が抑制される。すなわ
ち、NotchはHES1を介して分化を抑制している
と考えられている(影山ら、細胞工学Vol.18, No.9, 13
01-1306 (1999)を参照のこと)。
【0009】哺乳動物においても、神経前駆細胞(神経
幹細胞)の維持や多様性に富んだニューロンの分化過程
に、Notchを介した遺伝子発現制御が重要であるこ
と、また、Notch経路は神経系以外の細胞分化にも
必須であることがわかってきている(Tomita K, et al:
Genes Dev (1999) 13: 1203-1210、及び影山ら、細胞工
学Vol.18, No.9, 1301-1306 (1999)を参照のこと)。さ
らに、HESが関わらないNotch経路の存在、No
tchシグナリングの転写レベルでの負の調節、タンパ
ク質レベルでの負の相互作用の存在なども予想されてい
る(郷 正博、細胞工学Vol.18, No.9, 1291-1300 (199
9)を参照のこと)。しかしながら、上記いずれの文献
も、Notchシグナリングは分化を抑制する方向に働
くということを示唆・教示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】再建が不可能とされて
いる中枢神経疾患は、外傷による脊髄損傷や脳血管障
害、失明に至る緑内症からパーキンソン氏病などの変性
疾患まで実に多種多様の疾患が含まれ、罹患人口は多い
ものと思われる。従ってこれらの疾患に対する神経再生
法の研究は社会的急務であり、我々の研究結果は実際の
人への応用の突破になるものと思われる。骨髄間質細胞
であれば骨髄穿刺によって病院の外来レベルでの採取が
容易であり、非常に旺盛な増殖能を持つので大量培養が
比較的短い時間で可能である。さらに自分の骨髄間質細
胞から神経が作成できれば自家移植が可能であり、これ
は大変大きな利点であると思われる。免疫拒絶反応が起
きないので免疫抑制剤の投与が不必要であり、安全な治
療を与えることが可能と思われる。また、骨髄バンクか
らも骨髄間質細胞を得ることが可能であるため、供給面
からは現実的な対応が可能である。これらの細胞を用い
て現在有効な手段のない神経細胞を誘導することができ
れば再生医学において大きな効果が期待される。
【0011】また、ALS(筋萎縮性側索硬化症)は何
らかの理由で脊髄の運動ニューロンが細胞死に陥り、筋
肉を動かす神経が無くなるために呼吸筋にいたるまで全
身の筋肉を動かすことができなくなり発病2〜3年で死
に至る疾患であるが、現在有効な治療法は無い。自分の
骨髄間質細胞からアセチルコリン作動性ニューロンを作
成することができれば自家移植が可能であり、これは大
変大きな利点であり、ALSの治療法となるかもしれな
い。
【0012】また、筋疾患、とくに骨格筋の変性疾患で
ある筋ジストロフィーなどに対しては現時点では有効な
治療手段が無い。自分の骨髄間質細胞から骨格筋細胞を
作成することができれば自家移植が可能であり、これは
大変大きな利点であると思われる。これらの細胞を用い
て現在有効な手段のない骨格筋細胞を誘導することがで
きれば再生医学において大きな効果が期待できる。上記
の臨床治療の面だけてはなく、今後開発が予想される人
工臓器などの工学的な方面においても応用が考えられ
る。培養レベルで神経細胞や筋肉細胞が容易に作成でき
ることから、ハイブリッド型の人工臓器などの作成にお
いて使用も考えられる。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の現状を鑑み、比較
的容易に採取できる細胞を用いて人為的操作を加え、神
経細胞や骨格筋などを作成することが出来るかどうか検
討した。発明者らは骨髄間質細胞に対して形態形成の初
期において中心的な役割を果たす遺伝子の導入が骨髄間
質細胞をなんらかの形で刺激し、この刺激が骨髄間質細
胞の分化・誘導に及ぼす影響について調べてみた。すな
わち、特に神経系の発生分化において重要な役割を果た
しており、前駆細胞が神経細胞とグリア細胞とに分かれ
る時点で運命決定に作用しているとされているNotc
h遺伝子及びNotchシグナリング遺伝子を導入する
ことによって骨髄間質細胞をリセット(初期設定)する
ことができるかもしれないと期待した。
【0014】ここで、重要なことは、Notch遺伝子
及びNotchシグナリング関連遺伝子が細胞の分化・
誘導を抑制するということは示唆・教示されていたもの
の、以下に詳述するように、Notch遺伝子及びNo
tchシグナリング関連遺伝子の導入を他の分化・誘導
のための刺激と組み合わせることにより、Notch遺
伝子及びNotchシグナリング関連遺伝子が導入され
た細胞自体(Notch遺伝子及びNotchシグナリ
ング関連遺伝子が導入された細胞に接触した細胞ではな
い)が分化・誘導されうるということは全く予想外の出
来事であるということである。本願発明にかかる分化・
誘導方法において、Notch遺伝子及びNotchシ
グナリング関連遺伝子の導入が骨髄間質細胞の発生・分
化をリセットすることができたと断言することはできな
い。しかしながら、かかる遺伝子導入を他の分化・誘導
ステップと組み合わせることにより、本願発明は、結果
として、骨髄間質細胞を効率よく神経細胞又は骨格筋細
胞に分化・誘導する方法を提供すること可能にしたとい
える。
【0015】今般、本願発明者らは、Notch遺伝子
及びNotchシグナリング関連遺伝子の導入を含む複
数ステップの組み合わせ実験を繰返した結果、骨髄間質
細胞をインビトロにおいて神経細胞又は骨格筋細胞に、
効率よく分化・誘導することに初めて成功した。さら
に、かかる分化誘導方法により得られた神経細胞をパー
キンソンモデルラットや、視神経損傷による網膜・視神
経変性モデルラットに移植することにより実際に神経が
生着・機能することを確認し、ここに本願発明を完成す
るに至った。
【0016】驚くべきことに、骨髄間質細胞にNotc
h遺伝子及びNotchシグナリング関連遺伝子を導入
し、さらに分化開始における一般的なトリガーと考えら
れている細胞内cAMPの上昇及び神経分化に作用する
と考えられている種々の因子・サイトカインを投与する
ことによってインビトロ培養条件において骨髄間質細胞
を神経細胞に分化・誘導することに成功した。神経細胞
に特異的なMAP−2、神経細線維(Neurofil
ament)のみならず、神経伝達物質、及びその合成
酵素であるチロシン・ヒドロキシラーゼ(Tyrosi
ne−hydroxylase)、アセチルコリン(A
cetylcholine)、ニューロペプチドY(N
europeptide Y)、サブスタンスP(Su
bstance P)などの発現も確認した。
【0017】一方、1個又はごく少数の遺伝子が5−ア
ザシチジン(5−AZC)処理によって脱メチル化さ
れ、活性化されることによって筋芽細胞への転換が起こ
ることが示唆されている(Taylar SM, Jones PA: ell 1
7: 771-779, 1979、及び鍋島陽一、生体の科学 47(3):
184-189, 1996を参照のこと)。そこで、我々は、上記
の神経細胞におけるNotch遺伝子及びNotchシ
グナリング関連遺伝子の導入を、上記5−アザシチジン
(5−AZC)処理による脱メチル化と組み合わせてみ
た。具体的には、上記脱メチル化剤を用いて遺伝子のメ
チル化による発現抑制を解除することによって骨髄間質
細胞をリセットし、次にNotch及びNotchシグ
ナリング関連遺伝子を導入し、次に上記遺伝子が導入さ
れた細胞を上記遺伝子を導入していない骨髄間質細胞と
ともに共培養し(co−culture)、そして最後
に分化開始における一般的なトリガーと考えられている
細胞内cAMPの上昇作用物質で処理することによっ
て、Notch及びNotchシグナリング関連遺伝子
が導入された細胞を、インビトロにおける培養により骨
格筋細胞に分化・誘導することに成功した。得られた細
胞は、特徴的な多核を有する筋管の形成と横紋を認め、
筋肉に特異的なミオゲニン(myogenin),My
f5の発現もmRNAレベルで確認した。
【0018】本願発明の1の態様においては、骨髄間質
細胞をインビトロにおいて神経細胞又は骨格筋細胞に分
化・誘導する方法であって、上記細胞内にNotch遺
伝子及び/又はNotchシグナリング関連遺伝子を導
入することを含み、ここで、最終的に得られた分化・誘
導された細胞が、上記のNotch遺伝子及び/又はN
otchシグナリング関連遺伝子が導入された骨髄間質
細胞が細胞分裂した結果として得られたものである、前
記分化・誘導方法が提供される。
【0019】本願発明の他の態様においては、骨髄間質
細胞をインビトロにおいて神経細胞に分化・誘導する方
法であって、以下のステップ: (1)骨髄から骨髄間質細胞を採取し、そして標準的な
基礎培地に血清を加えた培地中で上記細胞を培養し; (2)上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNot
chシグナリング関連遺伝子を導入し、そしてさらに培
養し;及び (3)サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイクリ
ックAMPアナログ、及び/又は細胞分化生存作用性因
子を上記培養液に添加し、そしてさらに培養して神経細
胞を得る;を含む、前記分化・誘導方法が提供される。
【0020】前記標準的な基礎培地はイーグルス(Ea
gle’s)アルファ修飾最小必須培地であり、そして
前記血清はウシ胎児血清であることができる。前記No
tch遺伝子及び/又はNotchシグナリング遺伝子
の導入は、哺乳動物発現ベクターを用いたリポフェクシ
ョンによることができる。好ましくは、前記ステップ
(2)と(3)の間に、前記遺伝子が導入された細胞の
選択を所定期間行うステップをさらに含むことができ
る。この選択は、硫酸G418の添加によるネオマイシ
ン耐性に基づく選択(selection)であること
ができる。ここで、重要なことは、この選択が、最終的
に得られた分化・誘導された神経細胞が、上記のNot
ch遺伝子及び/又はNotchシグナリング関連遺伝
子が導入された骨髄間質細胞が細胞分裂した結果として
得られたものであることを保証しているということであ
る。
【0021】前記サイクリックAMP上昇作用性剤又は
サイクリックAMPアナログは好ましくはフォルスコリ
ン(Forskolin)である。また、前記サイクリ
ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
グの濃度は、0.001nM〜100μMであることが
できる。好ましくは、この濃度は、0.5μM〜50μ
Mであることができる。前記細胞分化生存作用性因子
は、塩基性線維芽細胞成長因子(basic−Fibr
oblast growth factor(bFG
F))、毛様体神経栄養因子(ciliary neu
rotrophicfactor(CNTF))、及び
それらの混合物から成る群から選ぶことができる。好ま
しくは、前記細胞分化生存作用性因子の濃度は、0.0
01ng/ml〜100μg/mlである。この濃度
は、好ましくは、1ng/ml〜500ng/mlであ
ることができる。前記のように分化誘導した神経細胞
を、さらに以下のように処理することにより、ドーパミ
ン作動性ニューロンの割合を高めることができる。本発
明の他の態様においては、前記神経細胞が、ドーパミン
作動性ニューロンであり、かつ、前記ステップ(3)の
後に、以下のステップ: (4)ステップ(3)において得られた神経細胞を、標
準的な基礎培地に血清を加えた培地中で培養し;及び (5)グリア由来神経栄養因子(Glial deri
ved neurotrophic factor(G
DNF))、及びサイクリックAMP上昇作用性剤又は
サイクリックAMPアナログ、及び/又は上記グリア由
来神経栄養因子以外の細胞分化生存作用性因子を、上記
培養液に添加し、そしてさらに培養して、ドーパミン作
動性ニューロンを得る;をさらに含む、前記分化・誘導
方法が提供される。前記ステップ(4)における標準的
な基礎培地は、イーグルス(Eagle’s)アルファ
修飾最小必須培地であり、そして前記ステップ(4)に
おける血清はウシ胎児血清であることができる。前記ス
テップ(5)におけるサイクリックAMP上昇作用性剤
又はサイクリックAMPアナログは、フォルスコリン
(Forskolin)である。前記ステップ(5)に
おけるサイクリックAMP上昇作用性剤又はサイクリッ
クAMPアナログの濃度は、0.001nM〜100μ
Mであることができ、そして好ましくは、500nM〜
50μMであることができる。前記ステップ(5)にお
ける、グリア由来神経栄養因子以外の細胞分化生存作用
性因子は、塩基性線維芽細胞成長因子(basic−F
ibroblastgrowth factor(bF
GF))、血小板由来成長因子(platelet−d
erived growth factor−AA(P
DGF−AA))、及びそれらの混合物から成る群から
選ぶことができる。好ましくは、前記ステップ(5)に
おけるグリア由来神経栄養因子の濃度は、0.001n
g/ml〜100μg/mlであり、好ましくは、1n
g/ml〜500ng/ml、より好ましくは、1ng
/ml〜100ng/mlであることができる。前記ス
テップ(5)における、グリア由来神経栄養因子以外の
細胞分化生存作用性因子の濃度は、0.001ng/m
l〜100μg/mlであり、好ましくは、1ng/m
l〜500ng/mlであることができる。あるいは、
前記のように分化誘導した神経細胞を、さらに以下のよ
うに処理することにより、アセチルコリン作動性ニュー
ロンの割合を高めることができる。本発明の他の態様に
おいては、前記神経細胞が、アセチルコリン作動性ニュ
ーロンであり、かつ、前記ステップ(3)の後に、以下
のステップ: (4)ステップ(3)において得られた神経細胞を、標
準的な基礎培地に血清を加えた培地中で培養し;及び (5)神経成長因子(Nerve growth fa
ctor)(NGF)、及びサイクリックAMP上昇作
用性剤又はサイクリックAMPアナログ、及び/又は上
記神経成長因子以外の細胞分化生存作用性因子を、上記
培養液に添加し、そしてさらに培養して、アセチルコリ
ン作動性ニューロンを得る;をさらに含む、前記分化・
誘導方法が提供される。前記ステップ(4)における標
準的な基礎培地が、イーグルス(Eagle’s)アル
ファ修飾最小必須培地であり、そして前記ステップ
(4)における血清がウシ胎児血清であることができ
る。前記ステップ(5)におけるサイクリックAMP上
昇作用性剤又はサイクリックAMPアナログは、フォル
スコリン(Forskolin)である。前記ステップ
(5)におけるサイクリックAMP上昇作用性剤又はサ
イクリックAMPアナログの濃度は、0.001nM〜
100μMであることができ、そして好ましくは、50
0nM〜50μMであることができる。前記ステップ
(5)における、神経成長因子以外の細胞分化生存作用
性因子が、塩基性線維芽細胞成長因子(basic−F
ibroblast growth factor(b
FGF))、血小板由来成長因子(platelet−
derived growth factor−AA
(PDGF−AA))、及びそれらの混合物から成る群
から選ぶことができる。好ましくは、前記ステップ
(5)における神経成長因子の濃度は、0.001ng
/ml〜100μg/mlであり、好ましくは、1ng
/ml〜500ng/ml、より好ましくは、1ng/
ml〜100ng/mlであることができる。前記ステ
ップ(5)における、神経成長因子以外の細胞分化生存
作用性因子の濃度は、0.001ng/ml〜100μ
g/mlであり、好ましくは、1ng/ml〜500n
g/mlであることができる。
【0022】また、本願発明の他の態様においては、骨
髄間質細胞をインビトロにおいて骨格筋細胞に分化・誘
導する方法であって、以下のステップ: (1)骨髄から骨髄間質細胞を採取し、そして標準的な
基礎培地に血清を加えた培地中で上記細胞を培養し; (2)上記培養液に脱メチル化剤を添加し、そしてさら
に培養し; (3)サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイクリ
ックAMPアナログ、及び/又は細胞分化生存作用性因
子を上記培養液に添加し、そしてさらに培養し; (4)上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNot
chシグナリング関連遺伝子を導入し、そしてさらに培
養し; (5)上記の遺伝子導入された細胞を、遺伝子導入のさ
れていない無処理の上記骨髄間質細胞と接触させなが
ら、これとともに共培養し;及び (6)サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイクリ
ックAMPアナログを上記培養液に添加し、そしてさら
に培養して骨格筋細胞を得る;を含む、前記分化・誘導
方法が提供される。
【0023】前記標準的な基礎培地はイーグルス(Ea
gle’s)アルファ修飾最小必須培地であり、そして
前記血清はウシ胎児血清であることができる。前記脱メ
チル化剤は好ましくは5−アザシチジン(5−azac
ytidine)である。前記5−アザシチジンの濃度
は30nmol/l〜300μmol/lであることが
でき、好ましくは、300nmol/l〜30μmol
/lであることができる。前記ステップ(3)における
サイクリックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAM
Pアナログはフォルスコリン(Forskolin)で
あることができる。前記ステップ(3)におけるサイク
リックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナ
ログの濃度は、0.001nM〜100μMであること
ができ、そして好ましくは、500nM〜50μMであ
ることができる。前記細胞分化生存作用性因子が、塩基
性線維芽細胞成長因子(basic−Fibrobla
st growth factor(bFGF))、血
小板由来成長因子(platelet−derived
growth factor−AA(PDGF−A
A))、ヘレグリン(Heregulin商標)、及び
それらの混合物から成る群から選ぶことができる。前記
細胞分化生存作用性因子の濃度は、0.001ng/m
l〜100μg/mlであることができ、そして好まし
くは、0.5ng/ml〜2μg/mlであることがで
きる。
【0024】前記Notch遺伝子及び/又はNotc
hシグナリング関連遺伝子の導入は哺乳動物発現ベクタ
ーを用いたリポフェクションによるものであることがで
きる。好ましくは、前記ステップ(4)と(5)の間
に、前記遺伝子が導入された細胞の選択を所定期間行う
ステップをさらに含むことがきる。この選択は、硫酸G
418の添加によるネオマイシン耐性に基づく選択(s
election)であることができる。ここで、重要
なことは、この選択が、最終的に得られた分化・誘導さ
れた骨格筋細胞が、上記のNotch遺伝子及び/又は
Notchシグナリング関連遺伝子が導入された骨髄間
質細胞が細胞分裂した結果として得られたものであるこ
とを保証しているということである。
【0025】前記ステップ(5)におけるサイクリック
AMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナログは
フォルスコリン(Forskolin)であることがで
きる。前記ステップ(5)におけるサイクリックAMP
上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナログの濃度
は、0.001nM〜100μMであることができ、そ
して好ましくは500nM〜5μMであることができ
る。本発明のさらに他の態様においては、前記分化・誘
導方法を用いて製造されたドーパミン作動性ニューロン
が提供される。本発明のさらに他の態様においては、前
記ドーパミン作動性ニューロンを含む、パーキンソン病
治療用医薬組成物が提供される。本願明細書中、用語
「骨髄間質細胞」とは、骨髄中に存在する造血系以外の
細胞をいい、骨、軟骨、脂肪細胞等の細胞に分化できる
と考えられている。骨髄間質細胞は、Thy1,2が
+、β1−インテグリンが+、及びCD34が−により
識別しうる。
【0026】本願明細書中に使用するとき、分化誘導に
おいて用語「効率よく」とは、本願発明に係る分化・誘
導方法により、前記選択後の骨髄間質細胞が、最終に神
経細胞又は骨格筋細胞に変換される割合が高いことをい
う。本願発明に係る分化・誘導方法においては、この効
率は、50%以上、好ましくは75%以上、さらに好ま
しくは90%以上、そして最も好ましくは95%以上で
ある。
【0027】本願明細書中、用語「神経細胞」とは、ニ
ューロン(neuron)のことをいい、形態学的に
は、細胞体と2種類の突起(樹状突起と軸索)を特徴と
し、そして生化学的にはMAP−2(Chemicon
AB151)、neurofilament(Boe
hringer Mannheim,814342)、
及びnestin(Bioproducts,BMS4
353)に対する抗体と反応するものをいう。また、神
経伝達物質、及びその合成酵素である、例えば、チロシ
ン・ヒドロキシラーゼ(Tyrosine−hydro
xylase),小胞アセチルコリン・トランスポータ
ー(Vesicular acetylcholine
transporter),ニューロペプチドY(N
europeptide Y),サブスタンスP(Su
bstance P)等を分泌することを特徴とする。
ここで、上記チロシン・ヒドロキシラーゼは、ドーパミ
ン作動性ニューロンの指標であり、そして小胞アセチル
コリン・トランスポーターは、運動性ニューロンに代表
されるアセチルコリン作動性ニューロンの指標である。
【0028】本願明細書中、用語「グリア細胞」とは、
中枢神経において、ニューロンとその突起の間を埋めて
いるアストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクロ
グリアと上皮細胞をいう。ここで、グリアル・フィブリ
ラー酸性タンパク質(Glial fibrillar
acidic protein(GFAP))は、ア
ストロサイトの指標であり、そして、O4は、オリゴデ
ンドロサイトの指標である。
【0029】本願明細書中、用語「骨格筋細胞」とは、
筋線維又は筋肉線維のことをいい、骨格筋の単一筋細胞
である。形態学的には、細長い巨大な多核であり、筋管
の形成と横紋があり、そして生化学的にはミオゲニン
(myogenin)Myf5などの転子制御因子の発
現を特徴とする。
【0030】本願発明に係る骨髄間質細胞をインビトロ
において神経細胞又は骨格筋細胞に分化・誘導する方法
は、上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNotc
hシグナリング関連遺伝子を導入するステップを含む点
で新規である。さらに、新規のステップを従来技術の他
の分化・誘導ステップと一定の順序で組み合わせる点に
おいても新規である。本願発明における上記ステップの
選択及び最適な組み合わせは、本願発明者らにより初め
て発見された意義はひじょうに高いといえる。なぜな
ら、骨髄間質細胞が、骨芽細胞、血管内皮細胞、骨格筋
細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞等に分化誘導される可能性
がある間葉系の幹細胞又は前駆細胞であることは判って
いたとしても、骨髄間質細胞を、実際に、神経胞又は骨
格筋細胞に分化させることができるかどうかについては
知られておらず、かつ、切望されていたにも拘らず未だ
かつて誰も実際にこれに成功した者はいなかったからで
ある。いずれの理論に拘束されることを望まないが、本
願発明者らは、上記細胞内にNotch遺伝子及び/又
はNotchシグナリング関連遺伝子を導入すること
が、細胞の発生・分化をリセットするように機能し、そ
して他の分化・誘導処理の働きを助けると推定する。
【0031】以下の実施例により、本願発明をさらに詳
細に説明する。但し、本願発明の範囲を何ら限定するも
のと解してはならない。
【0032】
【実施例】実施例1:神経誘導 成体ラット(Wister種)の骨髄より間質細胞を採
取し培養する。培地はMinimum Essenti
al Medium Alpha EagleModi
fication(Sigma社、M4526)に20
%のウシ胎児血清(Biowhittaker社、14
−501F,Lot#61−1012)を加えたものを
用いた。4代まで継代培養し、80−90%の集密(c
onfluence)に達した時点でNotch細胞内
ドメインの遺伝子を導入した。これはPromega
社、pCI−neo哺乳動物発現ベクター(#E184
1)のEcoRI−XbaIマルチクローニング部位
に、3.1kbのNotch細胞内ドメインのEcoR
I−XbaI断片を挿入し組み換えたものであった。導
入には、LipofectAMINE2000(Gib
coBRL,11668−027)のシステムを用い
た。
【0033】導入の翌日にG418sulfate(G
ibcoBRL,83−5027)を200ng/ml
の濃度で添加し導入細胞の選択(selection)
を10日間行った。細胞数が90%集密を回復した後、
Forskoline 5μM(Calbioche
m,344273)、basic−Fibroblas
t growth factor 10ng/ml(P
eprotech EC,LTD,100−18B)、
ciliary neurotrophic fact
or50ng/ml(R&D Systems,557
−NT)を添加した。
【0034】10日程たって細胞を解析した結果、図1
に示すように、神経細胞に特徴的な形態が観察された。
誘導された細胞は、図2に示すように、以下の抗体、M
AP−2(Chemicon MAB364)、neu
rofilament(Boehringer Man
nheim,814342)、nestin(Biop
roducts,BMS4353)に対して陽性反応を
示した。MAP−2とneurofilamentは神
経細胞の、nestinは神経前駆細胞のマーカーであ
るため、誘導された細胞は神経細胞としての性質を持つ
ものと判断できる。
【0035】また、図3に示すように、神経伝達物質、
及びその合成酵素であるTyrosine−hydro
xylase(Chemicon AB151)、Ve
sicular acetylcholine tra
nsporter(Chemicon AB157
8)、Neuropeptide Y(Peninsu
la Lab INC,RIN7172)、Subst
ance P(Amersham INC,RPN15
72)等の抗体を用いて検索したところ、それぞれ2〜
4%前後の陽性細胞を認めたため、神経伝達物質を持つ
神経細胞も存在することが分かった。
【0036】上記操作によって神経細胞が誘導される
が、この段階では、図5のグラフの左側に示すように、
ドーパミン作動性ニューロンの指標であるチロシン・ヒ
ドロキシラーゼに対して反応する分化誘導された神経細
胞は、全神経細胞の2.9±0.5%であった。また、
図7のグラフの左側に示すように、運動ニューロンに代
表されるアセチルコリン作動性ニューロンの指標である
Vesicular acetylcholine t
ransporterに対して反応する分化誘導された
神経細胞は、全神経細胞の1.78±0.75%であっ
た。
【0037】実施例2:ドーパミン作動性ニューロンの
誘導 上記の分化・誘導された神経細胞を、以下の培地中でさ
らに培養する。培地は、Minimum Essent
ial Medium Eagle Alpha Mo
dification(Sigma社、M4526)に
10%のウシ胎児血清(Biowhittaker社、
14−501F,Lot#61−1012)を加えたも
のであり、さらに、グリア由来神経栄養因子(Glia
l derived neurotrophic fa
ctor(GDNF;Peprotech EC LT
D,human recombinant GDNF,
#450−10)50ng/ml,Forskolin
5μM(Calbiochem,344273),b
asic−Fibroblast growthfac
tor 10ng/ml(Peprotech EC,
LTD,100−18B),Platelet−der
ived growth factor−AA 5ng
/ml(Peprotech EC LTD,396−
HB)を添加したものであった。かかる操作により、チ
ロシン・ヒドロキシラーゼに対して反応するドーパミン
作動性ニューロンは、全神経細胞に対して、17.2±
5.1%まで劇的に上昇した(図5のグラフの右側参
照)。図4の写真に示すように、GDNF投与後に、F
IPC( )で緑に染色さ
れるタンパク質チロシン・ヒドロキシラーゼの割合が劇
的に上昇した。
【0038】実施例3:アセチルコリン作動性ニューロ
ンの誘導 実施例1において分化・誘導された神経細胞を、以下の
培地中でさらに培養する。培地は、Minimum E
ssential Medium AlphaModi
fication(Sigma社、M4526)に10
%のウシ胎児血清(Biowhittaker社、14
−501F,Lot#61−1012)を加えたもので
あり、さらに、神経成長因子(Nerve growt
h factor)(2.5S NGF,Takar
a,# T002A)50ng/ml,Forskol
in 5μM(Calbiochem,34427
3),basic−Fibroblast growt
h factor 10ng/ml(Peprotec
h EC,LTD,100−18B),Platele
t−derived growth factor−A
A 5ng/ml(Peprotech EC LT
D,396−HB)を添加したものであった。かかる操
作により、Vesicular acetylchol
ine transporterに対して反応するアセ
チルコリン作動性ニューロンは、全神経細胞に対して、
20.5±0.05%まで劇的に上昇した(図7のグラ
フの右側参照)。図6の写真に示すように、NGF(N
eurotrophin(NTs))投与後に、FIP
Cで緑に染色されるタンパク質Vesicular a
cetylcholine transporterの
割合が劇的に上昇した。
【0039】実施例4:骨格筋誘導 成体ラット(Wister種)の骨髄より間質細胞を採
取し培養する。培地はMinimum Essenti
al Medium Eagle Modificat
ion(Sigma社、M4526)に20%のウシ胎
児血清(Biowhittaker社、14−501
F,Lot#61−1012)を加えたものを用いた。
4代まで継代培養し、80−90%の集密に達した時点
で5−アザシチジン(5−Azacytidine)を
3μmol/lを添加し、24時間培養した。その後、
Forskoline 5μM(Calbioche
m,344273)、basic−Fibroblas
t growth factor 10ng/ml(P
eprotech EC,LTD,100−18B)、
Platelet−derived growth f
actor−AA 5ng/ml(Peprotech
EC LTD,396−HB)、Heregulin
200ng/ml(R&D Systems,396−
HB)を培地に添加したものに切り替えて7日間培養し
た。その後、Notch細胞内ドメインの遺伝子を実施
例1におけるのと同様に導入した。
【0040】導入の翌日にG418 sulfate
(GibcoBRL,83−5027)を200ng/
mlの濃度で添加し導入細胞の選択(selectio
n)を10日間行った。細胞数がほぼ100%の集密を
回復した後、上記遺伝子の導入されていない無処理の骨
髄間質細胞を培地に加えてこれとともに共培養(co−
culture)した。3日後、Forskolin
(Calbiochem,344273)5μMを添加
した。数日後に、細胞が融合し多核の骨格筋細胞が局所
的に出現し(図8参照)、そして経時的に増加した(図
9参照)。図10に見られるように、多核の骨格筋細胞
が共焦点レーザー顕微鏡において観察された。これらの
細胞ではmyogenin及びMyf5のmRNAの発
現がRT−PCRにおいて確認された。また電子顕微鏡
観察により、骨格筋に特徴的な筋線維が認められた。
【0041】実施例5:ラットのパーキンソン病モデル
を用いた、本願発明に係る分化・誘導方法により得られ
たドーパミン作動性ニューロンの、線状体への移植によ
る治療効果 本願発明に係る分化・誘導方法により得られたドーパミ
ン作動性ニューロンを、ラットのパーキンソンモデルに
適用して移植の効果を検討した。ラットの脳の黒質に6
−OHDA(6−hydroxydopamine)を
注入することによってパーキンソンモデルを作成する方
法はすでに確立されており、今回もそのモデルを用いた
(例えば、Svendsenら、Exp.Neuro
l.137:376−388(1996);Svens
enら、Exp.Neurol.148,135−14
6(1997))。このモデルにおいてはアポモルフィ
ンを投与することによってラットが回転運動することが
判っており、この回転数が増加すれば症状の悪化を、減
少すれば改善を示唆する。図11の上段に示すように、
9週間の観察期間では、神経細胞に誘導しただけのもの
を線状体に移植した場合、回転数は移植直後とほぼ横ば
いであった。何も処置を施さない場合、回転数はどんど
ん増加する傾向にあるため(図示せず)、横ばいという
ことは少なくとも悪化を防いでいる、と言える。図11
の下段に示すように、ドーパミン作動性の誘導をかけた
ものを線状体に移植した場合、移植1週目より回転数が
減少しはじめ、約半数の動物で、9週後に回転数がゼ
ロ、又は1〜2回という非常に顕著な改善を認めるに至
った。(尚、図11の下段に示す9週後に8回転数/分
を超える2つのケースは、移植操作に失敗したものと考
えられるので評価から除外した。) 線状体に注入(移植)された本願発明に係るドーパミン
作動性ニューロンが、どのような細胞に分化したかを調
べるために、10週後に、上記線状体組織を採取し、そ
の切片を作成して免疫組織化学的検査を実施した。骨髄
間質細胞は、レトロウイルスにより、緑色蛍光を発する
グリーン・フルオレッセント・プロテイン(GFP)を
産生する遺伝子をその染色体内に組込んである。したが
って、図12中の免疫蛍光写真において、骨髄間質細胞
から分化誘導された神経細胞、それ故、線状体に移植さ
れたドーパミン作動性ニューロンは、緑色の蛍光を発し
ている。一方、神経細胞をNeurofilament
を指標として、ドーパミン作動性ニューロンをチロシン
・ヒドロキシラーゼを指標として、グリア細胞であるア
ストロサイトをGFAPを指標として、そして同じくグ
リア細胞であるオリゴデンドロサイトをO4を指標とし
て、それぞれ、赤色で発色させた。したがって、上記G
FPによる緑色と、上記赤色による発色が重なれば、黄
色に発色することになり、これは、移植されたドーパミ
ン作動性ニューロンが、移植から10週後にどの細胞に
なっていたかを表すことになる。図12に見られるよう
に、移植から10週後の線状体においては、移植された
細胞はほぼ全てが神経細胞になっており、グリア細胞に
はなっていなかった。また、チロシン・ヒドロキシラー
ゼ陽性の神経細胞(すなわち、ドーパミン作動性ニュー
ロン)が相当数にのぼっていることから、インビトロに
おける本願発明に係る分化・誘導方法によってドーパミ
ン作動性ニューロンの全神経細胞に対する割合を、1
7.2±5.1%まで高めることができたけれども、上
記移植によって、この割合をさらに高めることができた
ことが分かる。図13に、チロシン・ヒドロキシラーゼ
を発色させた免疫蛍光写真を拡大したものを示す。図1
3中、細胞の核を、細胞種を問わず、青色で染色した
(Counter stain)。青色で表される核の
位置が、細胞の位置を示す。以上により、ラットのパー
キンソン病モデルにおいて、本願発明に係る分化・誘導
方法によって得られたドーパミン作動性ニューロンを、
線状体に移植することにより、パーキンソン病の症状を
劇的に改善することが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、図面に代わる顕微鏡写真(位相差顕微鏡像)であ
る。
【図2】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、MAP−2抗体、neurofilament抗
体、及びnestin抗体に対する陽性反応を示す、図
面に代わる免疫蛍光写真である。
【図3】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、神経伝達物質及びその合成酵素であるTyrosi
ne−hydroxylase(TH)、Vesicu
lar acetylcholine transpo
rter(VAChT)、Neuropeptide
Y(NPY)、Substance P(SP)、Gl
utamine(Glu)、Calcitonin G
ene Related Peptide(CGR
P)、Vasoactive intestinal
peptide(VIP)の抗体に対する反応を示す、
図面に代わる免疫蛍光写真である。
【図4】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、GDNF添加処理前後の、チロシン・ヒドロキシラ
ーゼ陽性率(ドーパミン作動性ニューロン分化・誘導
率)の変化を示す図面に代わる免疫蛍光写真である。
【図5】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、GDNF添加処理前後の、チロシン・ヒドロキシラ
ーゼ陽性率(ドーパミン作動性ニューロン分化・誘導
率)の変化を示すグラフである。
【図6】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、Neurotrophin(NTs;2.5S N
GF)添加処理前後の、Vesicular Acet
ylcholine Transporter陽性率
(アセチルコリン作動性ニューロン分化・誘導率)の変
化を示す図面に代わる免疫蛍光写真である。
【図7】本願発明に従って分化・誘導された神経細胞
の、Neurotrophin(NTs;2.5S N
GF)添加処理前後の、Vesicular Acet
ylcholine Transporter陽性率
(アセチルコリン作動性ニューロン分化・誘導率)の変
化を示すグラフである。
【図8】本願発明に従って分化・誘導された骨格筋細胞
の、図面に代わる顕微鏡写真(位相差顕微鏡像)であ
る。
【図9】本願発明に従って分化・誘導された骨格筋細胞
の、図面に代わる顕微鏡写真(位相差顕微鏡像)であ
る。図8に示す骨格筋が経時的に増加したことを示す。
【図10】本願発明に従って分化・誘導された骨格筋細
胞が多核であることを示す、図面に代わる共焦点レーザ
ー顕微鏡写真顕写真を示す。核は緑色で示され、そして
アクチン線維は赤色で示される。
【図11】ラットのパーキンソン病モデルを用いた、本
願発明に係る分化・誘導方法により得られたドーパミン
作動性ニューロンの、線状体への移植による治療効果を
示すグラフである。
【図12】線状体に移植された細胞が、グリア細胞では
なく、神経細胞、及びドーパミン作動性ニューロンであ
ることを示す、図面に代わる免疫蛍光写真である。
【図13】線状体に移植された細胞が、神経細胞、及び
ドーパミン作動性ニューロンであることを示す、図面に
代わる拡大された免疫蛍光写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 5/00 B (72)発明者 菅野 洋 神奈川県横浜市南区永田東2−7−8 (72)発明者 高野 雅彦 神奈川県横浜市青葉区奈良町2864−3−3 −702 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA02 DA02 EA04 GA13 HA20 4B065 AA91X AA91Y AB01 BA02 BA05 BB14 BB19 BB25 CA43 CA44 4C087 AA01 AA02 AA03 BB45 BB64 BB65 NA14 ZA16

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨髄間質細胞をインビトロにおいて神経
    細胞又は骨格筋細胞に分化・誘導する方法であって、上
    記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNotchシグ
    ナリング関連遺伝子を導入することを含み、ここで、最
    終的に得られた分化・誘導された細胞が、上記のNot
    ch遺伝子及び/又はNotchシグナリング関連遺伝
    子が導入された骨髄間質細胞が細胞分裂した結果として
    得られたものである、前記分化・誘導方法。
  2. 【請求項2】 骨髄間質細胞をインビトロにおいて神経
    細胞に分化・誘導する方法であって、以下のステップ: (1) 骨髄から骨髄間質細胞を採取し、そして標準的
    な基礎培地に血清を加えた培地中で上記細胞を培養し; (2) 上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNo
    tchシグナリング関連遺伝子を導入し、そしてさらに
    培養し;及び (3) サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイク
    リックAMPアナログ、及び/又は細胞分化生存作用性
    因子を上記培養液に添加し、そしてさらに培養して神経
    細胞を得る;を含む、請求項1に記載の分化・誘導方
    法。
  3. 【請求項3】 前記標準的な基礎培地がイーグルス(E
    agle’s)アルファ修飾最小必須培地である、請求
    項2に記載の分化・誘導方法。
  4. 【請求項4】 前記血清がウシ胎児血清である、請求項
    2又は3に記載の分化・誘導方法。
  5. 【請求項5】 前記Notch遺伝子及び/又はNot
    chシグナリング関連遺伝子の導入が、哺乳動物発現ベ
    クターを用いたリポフェクションによる、請求項2〜4
    のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  6. 【請求項6】 前記ステップ(2)と(3)の間に、前
    記遺伝子が導入された細胞の選択を所定期間行うステッ
    プをさらに含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の
    分化・誘導方法。
  7. 【請求項7】 前記サイクリックAMP上昇作用性剤又
    はサイクリックAMPアナログが、フォルスコリン(F
    orskolin)である、請求項2〜6のいずれか1
    項に記載の分化・誘導方法。
  8. 【請求項8】 前記サイクリックAMP上昇作用性剤又
    はサイクリックAMPアナログの濃度が、0.001n
    M〜100μMである、請求項2〜7のいずれか1項に
    記載の分化・誘導方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞分化生存作用性因子が、塩基性
    線維芽細胞成長因子(basic−Fibroblas
    t growth factor(bFGF))、毛様
    体神経栄養因子(ciliary neurotrop
    hic factor(CNTF))、及びそれらの混
    合物から成る群から選ばれる、請求項2〜8のいずれか
    1項に記載の分化・誘導方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞分化生存作用性因子の濃度
    が、0.001ng/ml〜100μg/mlである、
    請求項2〜9のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  11. 【請求項11】 前記神経細胞が、ドーパミン作動性ニ
    ューロンであり、かつ、前記ステップ(3)の後に、以
    下のステップ: (4)ステップ(3)において得られた神経細胞を、標
    準的な基礎培地に血清を加えた培地中で培養し;及び (5)グリア由来神経栄養因子(Glial deri
    ved neurotrophic factor(G
    DNF))、及びサイクリックAMP上昇作用性剤又は
    サイクリックAMPアナログ、及び/又は上記グリア由
    来神経栄養因子以外の細胞分化生存作用性因子を、上記
    培養液に添加し、そしてさらに培養して、ドーパミン作
    動性ニューロンを得る;をさらに含む、請求項2に記載
    の分化・誘導方法。
  12. 【請求項12】 前記ステップ(4)における標準的な
    基礎培地が、イーグルス(Eagle’s)アルファ修
    飾最小必須培地である、請求項11に記載の分化・誘導
    方法。
  13. 【請求項13】 前記ステップ(4)における血清がウ
    シ胎児血清である、請求項11又は12に記載の分化・
    誘導方法。
  14. 【請求項14】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グが、フォルスコリン(Forskolin)である、
    請求項11〜13のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  15. 【請求項15】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グの濃度が、0.001nM〜100μMである、請求
    項11〜14のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  16. 【請求項16】 前記ステップ(5)における、グリア
    由来神経栄養因子以外の細胞分化生存作用性因子が、塩
    基性線維芽細胞成長因子(basic−Fibrobl
    ast growth factor(bFGF))、
    血小板由来成長因子(platelet−derive
    d growth factor−AA(PDGF−A
    A))、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  17. 【請求項17】 前記ステップ(5)におけるグリア由
    来神経栄養因子の濃度が、0.001ng/ml〜10
    0μg/mlである、請求項11〜16のいずれか1項
    に記載の分化・誘導方法。
  18. 【請求項18】 前記ステップ(5)におけるグリア由
    来神経栄養因子の濃度が、1ng/ml〜100ng/
    mlである、請求項17に記載の分化・誘導方法。
  19. 【請求項19】 前記ステップ(5)における、グリア
    由来神経栄養因子以外の細胞分化生存作用性因子の濃度
    が、0.001ng/ml〜100μg/mlである、
    請求項11〜18のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  20. 【請求項20】 前記神経細胞が、アセチルコリン作動
    性ニューロンであり、かつ、前記ステップ(3)の後
    に、以下のステップ: (4)ステップ(3)において得られた神経細胞を、標
    準的な基礎培地に血清を加えた培地中で培養し;及び (5)神経成長因子(Nerve growth fa
    ctor)(NGF)、及びサイクリックAMP上昇作
    用性剤又はサイクリックAMPアナログ、及び/又は上
    記神経成長因子以外の細胞分化生存作用性因子を、上記
    培養液に添加し、そしてさらに培養して、アセチルコリ
    ン作動性ニューロンを得る;をさらに含む、請求項2に
    記載の分化・誘導方法。
  21. 【請求項21】 前記ステップ(4)における標準的な
    基礎培地が、イーグルス(Eagle’s)アルファ修
    飾最小必須培地である、請求項20に記載の分化・誘導
    方法。
  22. 【請求項22】 前記ステップ(4)における血清がウ
    シ胎児血清である、請求項20又は21に記載の分化・
    誘導方法。
  23. 【請求項23】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グが、フォルスコリン(Forskolin)である、
    請求項20〜22のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  24. 【請求項24】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グの濃度が、0.001nM〜100μMである、請求
    項20〜23のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  25. 【請求項25】 前記ステップ(5)における、神経成
    長因子以外の細胞分化生存作用性因子が、塩基性線維芽
    細胞成長因子(basic−Fibroblast g
    rowth factor(bFGF))、血小板由来
    成長因子(platelet−derived gro
    wth factor−AA(PDGF−AA))、及
    びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項20
    〜24のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  26. 【請求項26】 前記ステップ(5)における神経成長
    因子の濃度が、0.001ng/ml〜100μg/m
    lである、請求項20〜25のいずれか1項に記載の分
    化・誘導方法。
  27. 【請求項27】 前記ステップ(5)における神経成長
    因子の濃度が、1ng/ml〜100ng/mlであ
    る、請求項26に記載の分化・誘導方法。
  28. 【請求項28】 前記ステップ(5)における、神経成
    長因子以外の細胞分化生存作用性因子の濃度が、0.0
    01ng/ml〜100μg/mlである、請求項20
    〜27のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  29. 【請求項29】 骨髄間質細胞をインビトロにおいて骨
    格筋細胞に分化・誘導する方法であって、以下のステッ
    プ: (1) 骨髄から骨髄間質細胞を採取し、そして標準的
    な基礎培地に血清を加えた培地中で上記細胞を培養し; (2) 上記培養液に脱メチル化剤を添加し、そしてさ
    らに培養し; (3) サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイク
    リックAMPアナログ、及び/又は細胞分化生存作用性
    因子を上記培養液に添加し、そしてさらに培養し; (4) 上記細胞内にNotch遺伝子及び/又はNo
    tchシグナリング関連遺伝子を導入し、そしてさらに
    培養し; (5) 上記の遺伝子導入された細胞と、遺伝子導入の
    されていない無処理の上記骨髄間質細胞とを共培養し;
    及び (6) サイクリックAMP上昇作用性薬剤又はサイク
    リックAMPアナログを上記培養液に添加し、そしてさ
    らに培養して骨格筋細胞を得る;を含む、請求項1に記
    載の分化・誘導方法。
  30. 【請求項30】 前記標準的な基礎培地がイーグルス
    (Eagle’s)アルファ修飾最小必須培地である、
    請求項29に記載の分化・誘導方法。
  31. 【請求項31】 前記血清がウシ胎児血清である、請求
    項29又は30に記載の分化・誘導方法。
  32. 【請求項32】 前記脱メチル化剤が5−アザシチジン
    (5−azacytidine)である、請求項29〜
    31のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  33. 【請求項33】 前記5−アザシチジンの濃度が30n
    mol/l〜300μmol/lである、請求項29〜
    32のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  34. 【請求項34】 前記ステップ(3)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グが、フォルスコリン(Forskolin)である、
    請求項29〜33のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  35. 【請求項35】 前記ステップ(3)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グの濃度が、0.001nM〜100μMである、請求
    項29〜34のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  36. 【請求項36】 前記細胞分化生存作用性因子が、塩基
    性線維芽細胞成長因子(basic−Fibrobla
    st growth factor(bFGF))、血
    小板由来成長因子(platelet−derived
    growth factor−AA(PDGF−A
    A))、ヘレグリン(Heregulin)、及びそれ
    らの混合物から成る群から選ばれる、請求項29〜35
    のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  37. 【請求項37】 前記細胞分化生存作用性因子の濃度
    が、0.001ng/ml〜100μg/mlである、
    請求項29〜36のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  38. 【請求項38】 前記Notch遺伝子及び/又はNo
    tchシグナリング関連遺伝子の導入が、哺乳動物発現
    ベクターを用いたリポフェクションによる、請求項29
    〜37いずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  39. 【請求項39】 前記ステップ(4)と(5)の間に、
    前記遺伝子が導入された細胞の選択を所定期間行うステ
    ップをさらに含む、請求項29〜38のいずれか1項に
    記載の分化・誘導方法。
  40. 【請求項40】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グが、フォルスコリン(Forskolin)である、
    請求項29〜39のいずれか1項に記載の分化・誘導方
    法。
  41. 【請求項41】 前記ステップ(5)におけるサイクリ
    ックAMP上昇作用性剤又はサイクリックAMPアナロ
    グの濃度が、0.001nM〜100μMである、請求
    項29〜40のいずれか1項に記載の分化・誘導方法。
  42. 【請求項42】 請求項11〜19のいずれか1項によ
    り記載の分化・誘導方法を用いて製造されたドーパミン
    作動性ニューロン。
  43. 【請求項43】 請求項11〜19のいずれか1項によ
    り記載の分化・誘導方法により得られた、ドーパミン作
    動性ニューロンを含む、パーキンソン病治療用医薬組成
    物。
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