JP2003142948A - フィードフォワード増幅器及びその制御回路 - Google Patents

フィードフォワード増幅器及びその制御回路

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JP2003142948A JP2001341000A JP2001341000A JP2003142948A JP 2003142948 A JP2003142948 A JP 2003142948A JP 2001341000 A JP2001341000 A JP 2001341000A JP 2001341000 A JP2001341000 A JP 2001341000A JP 2003142948 A JP2003142948 A JP 2003142948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な回路構成を以て、高い歪成分除去抑圧
効果を得る。 【解決手段】 発振回路20から出力される基本パイロ
ット信号及び発振回路21から出力される局部発振信号
をミキサ22に入力することにより、和周波数及び差周
波数の2種類の第2パイロット信号を生成して注入す
る。出力端子2に現れる信号の一部を分岐し、誤差信号
Errとして同期検波回路25Aにて同期検波する。そ
の際の参照信号Refとしては、2種類の第2パイロッ
ト信号を用いる。局部発振信号を分配する必要がない。
歪除去ループの応答が向上する。周波数依存性の高い部
品を少なくすることができる。第2パイロット信号のス
ペクトルを拡散させてもよい。検出側で入力信号成分を
打ち消す処理又は除去するための濾波処理を行ってもよ
い。主信号成分除去用のフィルタ24Aと同特性のフィ
ルタをRef入力側に設け、温度による位相ドリフトを
補償することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDMA(Code Di
vision Multiple Access)方式携帯電話用基地局・中継
局等を始め、無線通信・有線通信等の分野で低歪増幅の
ため使用されるフィードフォワード増幅器及びその制御
回路に関する。なお、本願中の説明では、理解の便のた
め、CDMA方式携帯電話を念頭に置くが、本発明は、
PDC(Personal Digital Cellular)方式やGSM(G
lobal System for Mobile Communication)方式の携帯
電話用基地局で使用される多数のキャリアを同時増幅す
るマルチキャリアアンプや、OFDM(Orthogonal Freq
uency Division Multiplex)方式を採用する地上波ディ
ジタルテレビジョン放送用放送機・中継機等、CDMA
方式携帯電話以外でも実施できる。
【0002】
【従来の技術】CDMA方式携帯電話では送信信号のス
ペクトルが拡散している。従って、基地局や中継局(ブ
ースタ)等で送信信号を増幅する際には、拡散したスペ
クトルが分布する帯域に亘り低歪な増幅器を使用するの
が望ましい。例えばCDMA方式に従い多重化された信
号を増幅する用途等においては、増幅器への入力信号は
有意な幅を有する周波数帯域内に亘り分布するため、当
該入力信号が分布する周波数帯域(図8中の“使用帯
域”)における良好な線形性従って低歪特性が、増幅器
に対して要求される。しかしながら、単体の増幅器でそ
の様な低歪特性を実現することは困難であり、或いはコ
スト、回路規模等の面でユーザの要請に見合わない。通
常は、増幅器にて発生する歪成分を除去・抑圧するため
の付加回路を設ける、というアプローチが採用される。
【0003】増幅器の入出力非直線性によって発生する
歪成分のうち高調波等の一部は、増幅器の後段にフィル
タを設けることによっても、除去可能である。しかしな
がら、増幅すべき信号(以下「主信号」と称する)と同
一かその近傍の周波数に発生する混変調歪・相互変調歪
等、フィルタのみでは除去するのが難しい歪成分もあ
り、増幅器からの出力信号の品質はこの歪成分により損
なわれる。常に低歪増幅を行えるようにするには、増幅
器の出力信号中に含まれる歪成分を検出しその結果に応
じその歪成分が最小になるように自動制御する回路が、
必要となる。歪補償方式としてフィードフォワード方式
を採用する目的は、増幅器出力中における残留歪成分の
うちフィルタ等の手段では除去困難な歪成分をもできる
だけ抑圧・除去できるようにすること、温度変化、経時
変化等が生じても好適な歪成分除去抑圧性能を維持でき
るようにすること、これらの達成によってより低歪増幅
出力を得て送信信号の品質を維持向上させること等にあ
る。
【0004】フィードフォワード方式を採用する歪補償
型増幅器即ちフィードフォワード増幅器は、信号を増幅
する主増幅器、主増幅器にて発生した歪を検出するため
のフィードフォワードループである歪検出ループ、この
歪を出力信号中から除去又は抑圧するためのフィードフ
ォワードループである歪除去ループ、歪検出ループ及び
歪除去ループの動作を自動制御する制御回路等から、構
成される。フィードフォワード増幅器の基本構成及びそ
の改良・変形例については、特公平7−77330号公
報、特許第2711413号、特許第2711414
号、特許第2799911号、特許第2804195
号、特許第2948279号、特許第2945451
号、特許第2945447号、特開平7−22854号
公報、特開平7−106861号公報、特開平8−56
123号公報、特開平8−56126号公報、特開平9
−36668号公報、特開2000−216638号公
報等を参照されたい。本願出願人も、フィードフォワー
ド増幅器に関する改良をいくつか提案している。
【0005】図7に、本願出願人が特願平11−374
869号(特開2001−189631号公報参照)に
て提案したフィードフォワード増幅器の構成を示す。こ
の図に示すフィードフォワード増幅器は、図示しない前
段の変調回路等から入力端子1を介し入力される信号
を、その内部の主増幅器5により増幅し、出力端子2か
ら後段の回路例えばアンテナ又はそれに前置される回路
(フィルタ等)に出力する。入力端子1から出力端子2
に至る信号経路には、歪検出ループ及び歪除去ループと
いう2種類のフィードフォワードループが設けられてい
る。そのうち歪検出ループは分配回路3、ベクトル調整
回路4、主増幅器5、遅延回路6及び方向性結合器7か
ら、歪除去ループは利得調整回路8、位相調整回路9、
補助増幅器10、方向性結合器11及び遅延回路12か
ら、それぞれ構成されている。また、歪検出ループ及び
歪除去ループにおける後述の調整動作を制御するには、
制御回路が必要である。制御回路を構成する部材又は制
御回路が用いる部材としては、発振回路20及び21、
ミキサ22及び23、フィルタ24、同期検波回路25
及び比較誤差増幅器26が設けられている。
【0006】分配回路3は、入力端子1からの入力信号
即ち主信号を主増幅器5及び遅延回路6に分配する。主
増幅器5は、分配された入力信号を増幅し出力信号を方
向性結合器7に供給する。遅延回路6は、主増幅器5側
の信号経路にて発生する信号遅延を補償する手段例えば
各種の遅延線であり、分配された主信号を遅延させ方向
性結合器7に供給する。方向性結合器7は、主増幅器5
の出力信号を2分岐し、一方の分岐に係る信号を遅延回
路12を介し方向性結合器11に供給する。方向性結合
器7は、他方の分岐に係る信号をその内部で遅延回路6
からの信号と結合させ、補助増幅器10側に供給する。
補助増幅器10は、方向性結合器7からの信号を増幅
し、方向性結合器11に供給する。遅延回路12は、補
助増幅器10側の信号経路にて発生する信号遅延を補償
する手段例えば各種の遅延線であり、分配された主増幅
器5の出力信号を遅延させ方向性結合器11に供給す
る。方向性結合器11は、遅延回路12により遅延され
た信号と補助増幅器10により増幅された信号とを結合
させ、その結果得られた信号を出力端子2を介し後段の
回路に出力する。
【0007】ここで、主増幅器5にてその非線形性等に
より発生しその出力信号に現れる歪成分は、主増幅器5
よりも前段で分岐された信号、即ち分配回路3から遅延
回路6を介し方向性結合器7に供給される信号には、含
まれていない。従って、原理的には、主増幅器5及び遅
延回路6から方向性結合器7に入力される信号を、方向
性結合器7内の信号結合点にてその主信号成分同士が同
振幅かつ逆位相となるよう、調整・制御することによ
り、補助増幅器10側に専ら歪成分のみを含む信号即ち
歪信号を供給することができる(歪検出ループの最適
化)。更に、原理的には、補助増幅器10及び遅延回路
12から方向性結合器11に入力される信号を、方向性
結合器11内の信号結合点にてその歪成分同士が同振幅
かつ逆位相となるよう、調整・制御することにより、方
向性結合器11からの出力信号中に残留する歪成分を抑
圧・除去することができる(歪除去ループの最適化)。
即ち、この原理を好適に実現できれば、目的とする低歪
化出力信号が得られる。
【0008】歪検出ループを最適化する方法としてはパ
イロット信号(以下、区別のため「第1パイロット信
号」と称する)を用いた方法が周知である。第1パイロ
ット信号は、主増幅器5の出力信号及び遅延回路6経由
の信号の双方に入り込むよう分配回路3内の信号分岐点
より前の点で主信号に注入される。方向性結合器7内の
信号結合点では、主増幅器5の出力信号中の主信号成分
と遅延回路6経由の信号中の主信号成分が打ち消し合う
だけでなく、主増幅器5の出力信号中の第1パイロット
信号成分と遅延回路6経由の信号中の第1パイロット信
号成分も打ち消し合う。従って、補助増幅器10側に供
給される歪信号中における第1パイロット信号成分残留
量がより少なくなるようベクトル調整回路4における調
整量を適宜設定・更新することによって、概ね、歪信号
中における主信号成分残留量を抑えることができる。な
お、ベクトル調整回路4は直交変調器等として実現でき
る回路であり、図示しない制御回路からの制御信号に応
じ、分配回路3からの分配出力のうち少なくとも一方
(図では主増幅器5側への分配出力)における信号ベク
トルを調整する。これを、可変利得増幅器又は可変抵抗
による利得調整回路と、可変移相器による位相調整回路
との組合せに、置き換えることもできる。第1パイロッ
ト信号なしで最適化する手法も提案されている。本発明
の実施形態に関する記載も含め、本願では、歪検出ルー
プの最適化制御に関する詳細な説明は省略する。特開2
000−196366号公報、特開2000−3121
17号公報等も参照されたい。
【0009】他方、歪除去ループを最適化する方法とし
てもパイロット信号を用いる方法が周知である。以下、
区別のため「第2パイロット信号」と称するが、これ
は、図7に示した技術或いは本発明を実施するに当たっ
て「第1」が必須であることを示唆するものではない。
第2パイロット信号は、遅延回路12経由の信号及び補
助増幅器11からの歪信号の双方に入り込むよう、分配
回路3内の信号分岐点から主増幅器5を経て方向性結合
器7内の信号分岐点に至る経路上の任意の点にて(例え
ば主増幅器5を構成する縦続接続された複数の増幅器の
段間にて)、主信号経路に注入される。方向性結合器1
1内の信号結合点では、主信号中の歪成分と補助増幅器
11からの歪信号とが打ち消し合うだけでなく、主信号
中の第2パイロット信号成分と歪信号中の第2パイロッ
ト信号成分も打ち消し合う。従って、低歪化出力信号中
における第2パイロット信号成分残留量がより少なくな
るよう利得調整回路8及び位相調整回路9による調整量
を制御することによって、概ね、低歪化出力信号中にお
ける歪成分残存量を抑えることができる。なお、利得調
整回路8及び位相調整回路9は、それぞれ、方向性結合
器7から出力される2種類の信号のうち一方(図では補
助増幅器10側への出力)の振幅及び位相を調整する。
利得調整回路8は可変利得増幅器又は可変抵抗により、
位相調整回路9は可変移相器により、それぞれ実現でき
る。利得調整回路8と位相調整回路9の順序の入れ替え
も可能である。利得調整回路8及び位相調整回路9に代
えて直交変調器等のベクトル調整回路を原理上は使用可
能である(これらの点は、後述する本発明の実施形態に
おいても同様である)。
【0010】図7に示したフィードフォワード増幅器で
は、第2パイロット信号を用いて歪除去ループを最適化
する方法として、本願出願人が特願平11−37486
9号(特開2001−189631号公報参照)にて提
案した方法、即ちミキサにより発生させた上側及び下側
パイロット信号を注入し、低歪化出力信号に残留してい
るこれらのパイロット信号成分を同期検波して制御信号
を発生させる方法を、採用している。
【0011】図中、発振回路20は周波数fPの基本パ
イロット信号を、発振回路21は周波数fLの局部発振
信号を発生させる。双平衡変調器等により実現された注
入側ミキサ22は、局部発振信号との混合により基本パ
イロット信号をアップコンバートする。その結果生じた
周波数fL+fPの上側パイロット信号及び周波数fL
Pの下側パイロット信号は、第2パイロット信号とし
て、歪検出ループ中に注入される。
【0012】また、分配回路13は低歪化出力信号の一
部を分岐し検出側ミキサ23に供給する。検出側ミキサ
23に供給される信号には主信号成分が含まれるほか、
歪検出ループ及び歪除去ループが最適化された程度に応
じて、周波数fL+fPの上側パイロット信号及び周波数
L−fPの下側パイロット信号も残留している。検出側
ミキサ23はこれを局部発振信号との混合によりダウン
コンバートする。その際用いる局部発振信号は、発振回
路21から供給される信号であり本質的にはアップコン
バート時に用いた局部発振信号と同じ信号である。検出
側ミキサ23は、ダウンコンバートと併せて、直交変換
を行う。従って、検出側ミキサ23からは、I,Q各相
の信号の対が得られる。即ち、このダウンコンバート及
び直交変換によって、分岐された低歪化出力信号におけ
る上側及び下側パイロット信号成分は、いずれも周波数
Pでその位相がπ/2[rad]異なる信号ErrI
及びErrQに変換される。
【0013】狭帯域フィルタ24は、検出側ミキサ23
から出力される信号を濾波することによって、検出側ミ
キサ23の出力から、周波数fPに変換された残留パイ
ロット信号成分その他を取り出し、同期検波回路25に
誤差信号ErrI及びErrQとして供給する。同期検
波回路25は、発振回路20から供給される基本パイロ
ット信号を参照信号Refとして用いてこの誤差信号E
rrI及びErrQを同期検波し、その結果得られるI
成分出力及びQ成分検波出力を、基準値に対する差の増
幅を行う比較誤差増幅器26を介し、利得調整回路8及
び位相調整回路9に制御信号として供給する。
【0014】図7に示した制御回路を用いるに際して
は、例えば、図8に示すように、局部発振信号の周波数
Lを使用帯域のほぼ中心に置き、基本パイロット信号
の周波数fPを使用帯域幅(例えば10MHz)の1/
2を上回る周波数(例えば6MHz)に設定することに
よって、和周波数に係る上側パイロット信号と差周波数
に係る下側パイロット信号との間に、使用帯域全体をお
さめる。図中、ΔfPは局部発振信号に対する上側及び
下側パイロット信号の周波数差を示しており、自明な如
く周波数fPに等しい。
【0015】このような周波数設定下において図1に示
すフィードフォワード増幅器を動作させ、歪除去ループ
(及び歪検出ループ)の最適化制御を実行すると、上側
及び下側パイロット信号が存する2点の周波数における
歪成分除去抑圧効果ができるだけ高まるよう、利得及び
移相量の自動制御が行われる結果となる。そのため、図
10に示すように、上側パイロット信号(図中“u
p”)と下側パイロット信号(図中“low”)のほぼ
中間の周波数において、歪成分除去抑圧効果が最も顕著
になる。即ち、歪成分除去抑圧効果が最も顕著になる周
波数は、局部発振信号の周波数fL又はその近傍であ
り、それを挟むフィードフォワード増幅器の使用帯域全
体に亘り、概ね、従来技術に比べ良好な制御状態(低歪
状態)となる。
【0016】また、これを図9(a)に示すチャネル配
置に応用し、複数のチャネルに亘り良好な低歪状態を実
現することも可能である。即ち、図9(b)及び(c)
に示すように、複数のチャネル(図では4個のチャネル
ch1〜ch4)を含む周波数帯域のほぼ中央(例えば
ch2とch3の間のガードバンド)に周波数fLをお
き、基本パイロット信号の周波数fPをチャネル幅(図
9(b))又はその自然数倍(図9(c)は2倍の例)
とすることによって、複数のチャネル全体に亘り比較的
高い歪除去抑圧効果をもたらすことができる。このよう
な周波数配置は、複数のチャネルを有する通信方式に係
る送信機にて、複数チャネルを同時増幅するフィードフ
ォワード増幅器を実現する際に、望ましい配置である。
【0017】図7に示した回路を用いて図8乃至10記
載の原理により低歪化を達成する、という手法は、それ
以前に提案されていた各種のフィードフォワード増幅器
における低歪化手法に対して、いくつかの利点を有して
いる。まず、同期検波によって制御信号を発生させるよ
うにしているため、利得及び移相量双方について同時に
並行して制御信号を生成できる。第2パイロット信号残
留量の検出結果に応じて制御信号をステップバイステッ
プ制御する手法等に比べ、最適な制御状態を迅速に確立
でき、歪成分や第2パイロット信号の不要輻射等も生じ
にくい。
【0018】次に、図7〜図10に示した手法では、局
部発振信号を用いミキサにて基本パイロット信号をアッ
プコンバートすることにより、上側及び下側パイロット
信号を発生させている。従来も、互いに周波数が異なる
2種類のパイロット信号を注入するという手法が提案さ
れたことがあるが、いずれも個別の発振回路により相互
独立にそれらパイロット信号を発生させる手法であっ
た。図7〜図10に示した手法では、その種の手法に比
べ、発振回路、ミキサ、検波回路の個数が少ないため、
回路構成が簡素で低コストかつ低消費電力となる。
【0019】更に、注入側及び検出側双方にて同じ基本
パイロット信号及び局部発振信号を用いているため、発
振回路20及び21の発振周波数が多少変動しても同期
検波による制御信号生成動作は正常に行えることから、
発振回路20及び21を構成する素子として高価な素子
や複雑な回路は用いる必要がなく、温度安定性が低い安
価な発振素子及び簡素な構成の発振回路等を用いること
ができる。狭帯域フィルタ24はダウンコンバート後の
信号を濾波しているため選択度が高く、第2パイロット
信号の残留量の検出精度ひいては歪除去ループの制御の
安定度も高まる。基本パイロット信号や局部発振信号が
漏れ上側及び下側パイロット信号と共に注入されてしま
っても、局部発振信号は歪成分と同様好適に除去抑圧さ
れるし、基本パイロット信号は(局部発振周波数との周
波数差が十分大ききければ)注入側ミキサ22からパイ
ロット信号注入点までの間に設ける図示しない後段のフ
ィルタによって好適に除去抑圧できる。更に、発振回路
21の発振周波数を変えるのみで使用帯域の変更に対応
でき融通性がよい。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このように、先に本願
出願人が提案した手法には、ステップバイステップ制御
に係る従来技術に比しても、また複数種類の第2パイロ
ット信号を個別発振させる従来技術に比しても、利点が
あるといえる。しかしながら、それでもなおいくつかの
要解決課題が残っている。
【0021】例えば、図7中の回路のうち発振回路21
からミキサ22及び23に至る部分は、ミキサ22とミ
キサ23とのアイソレーションを確保するため、より詳
細には、図11に示すような構成となる。この回路中、
27は発振回路21の発振出力を2分岐する分配器、2
8は増幅器、29は信号方向規制によりアイソレーショ
ンを提供するアイソレータである。ミキサ22及び23
における混合・周波数変換動作を好適に実現すると共
に、それによって回路規模低減等の効果(個別発振によ
る複数種類第2パイロット信号発生では得られない効
果)を得るには、図11に示すような回路が必要であ
る。しかし、この種の回路を設けることは、回路規模・
コストの更なる低減に当たって、支障となる。
【0022】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、本願出願人が特願
平11−374869号にて提案したフィードフォワー
ド増幅器及びその制御回路に関し、特に同期検波対象を
中心として変形・改善を施すことにより、より少ない部
品、より小規模な回路、より低いコストで、好適な低歪
化を達成することを、その目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係る制御回路は、(1)主増幅器、主
増幅器への入力である主信号の一部と主増幅器からの出
力信号の一部とをその振幅及び位相の相互関係を調整し
て結合することにより歪成分を検出して歪信号を発生さ
せる歪検出ループ、並びに歪信号と主増幅器からの出力
信号とをその振幅及び位相の相互関係を調整して結合す
ることにより低歪化出力信号を発生させる歪除去ループ
を備えるフィードフォワード増幅器にて用いられ、
(2)主増幅器にて発生した歪成分の低歪化出力信号中
における残留分が抑圧されるよう歪検出ループ及び歪除
去ループに対し制御信号を供給して上記調整動作を制御
する制御回路であって、(3)上側パイロット信号と下
側パイロット信号とにより挟まれる周波数帯域内に主信
号の周波数帯域のうちの少なくとも一部が含まれること
となるよう、局部発振信号と基本パイロット信号とを混
合することにより両者の和周波数及び差周波数に係る上
側及び下側パイロット信号を発生させ、歪除去ループに
て結合対象とされる各信号中に入り込むこととなるよう
上側及び下側パイロット信号を歪検出ループ内に注入す
る上下パイロット信号発生回路と、(4)低歪化出力信
号の一部を入力し上側及び下側パイロット信号を参照信
号として用いてこの低歪化出力信号を同期検波すること
により歪除去ループに対する上記制御信号を発生させる
同期検波回路と、を備える。
【0024】また、本発明に係るフィードフォワード増
幅器は、(1)主増幅器と、(2)主増幅器への入力で
ある主信号の一部と主増幅器からの出力信号の一部とを
その振幅及び位相の相互関係を調整して結合することに
より歪信号を発生させる歪検出ループと、(3)歪信号
と主増幅器からの出力信号とをその振幅及び位相の相互
関係を調整して結合することにより低歪化出力信号を発
生させる歪除去ループと、(4)主増幅器にて発生した
歪成分の低歪化出力信号中における残留分が抑圧される
よう歪検出ループ及び歪除去ループに対し制御信号を供
給して上記調整動作を制御する制御回路とを備え、
(5)制御回路が、本発明に係る制御回路であることを
特徴とする。
【0025】このように、先提案に係る技術ではダウン
コンバートした低歪化出力信号を基本パイロット信号を
参照信号として同期検波していたのに対し、本発明では
分岐した低歪化出力信号を上側及び下側パイロット信号
を参照信号として同期検波している。制御信号を発生さ
せるために低歪化出力信号をダウンコンバートする必要
はなく、検出側ミキサやアイソレーション用の回路を廃
止することができる。そのため、部品点数の低減、構成
の簡素化、低価格化を達成できる。また、ダウンコンバ
ートしない分、低歪化出力信号におけるパイロット信号
成分残留分変動に対する歪除去ループの応答性が高ま
り、従って環境変動、入力変動等に対して即応できるフ
ィードフォワード増幅器が得られる。更に、基本パイロ
ット信号の帯域での信号処理を必要としないため、部品
点数が少なくなるだけでなく特に周波数依存性がある部
品を削減でき、その結果として、汎用性或いは他種用途
への転用容易性が高まる。検出側ミキサを介さずにパイ
ロット信号帯域のまま同期検波するため、同期検波回路
は検波出力として直流成分を出力できればよく、そのた
めラフな特性の同期検波回路を用いて低価格化を図るこ
とができる。加えて、本発明によれば、本願出願人が先
に提案した図7の技術による効果を引き続き得ることが
できる。
【0026】更に、本発明に係る制御回路は、より好ま
しくは、同期検波回路に入力される低歪化出力信号中、
主信号に係る周波数帯域に属する成分を除去又は抑圧す
る一方、上側及び下側パイロット信号に係る周波数帯域
に属する成分を通過させる主信号成分除去用フィルタ
を、備える。このフィルタを用いることによって、一般
に振幅が大きい主信号成分による同期検波回路の飽和を
防止できる。また、本発明に係る制御回路は、更に好ま
しくは、同期検波回路に参照信号として入力される上側
及び下側パイロット信号に対して、主信号成分除去用フ
ィルタの温度特性により低歪化出力信号に与えられる位
相ドリフトと同一の位相ドリフトを与える位相温度補償
用フィルタを、備える。このフィルタを設けることによ
って、温度に依存した位相ドリフトの補償を実現でき
る。
【0027】本発明に係る制御回路を用いるに当たって
は、例えば、局部発振信号の周波数を主信号の周波数帯
域のほぼ中央におき、基本パイロット信号の周波数をそ
の周波数帯域の1/2以上とする。主信号の周波数帯域
が、それぞれ所定のチャネル幅を有する複数のチャネル
に区分されている場合は、好ましくは、局部発振信号の
基本周波数を、チャネルとチャネルの間に設けられてい
るチャネル分離帯域内におき、基本パイロット信号の基
本周波数を、チャネル幅の自然数倍の周波数とする。こ
れにより、主信号の周波数帯域のほぼ全幅に亘り、また
複数のチャネルのほぼ全部に亘り、好適な低歪化を実現
できる。即ち、歪成分除去抑圧効果が最高になる点を、
主信号の周波数帯域内に或いは複数のチャネルの中央
に、おくことができるため、局部発振信号の周波数及び
その近傍にて好適な歪成分除去効果を得ることができ
る。なお、本発明における上側及び下側パイロット信号
は、主信号の周波数帯域内においてもよいし、同周波数
帯域外においてもよい。
【0028】また、ここで局部発振信号や基本パイロッ
ト信号の「周波数」と称しているのは、厳密には、それ
らの基本周波数即ち代表する周波数である。即ち、局部
発振信号や基本パイロット信号を単一周波数の信号とす
る必要はなく、例えばそれらのうちいずれかをスペクト
ル拡散させて用いてもよい。本発明に係る制御回路は、
好ましくは、上側及び下側パイロット信号のスペクトル
が有意な幅を有する周波数帯域に拡散するよう、局部発
振信号及び基本パイロット信号のうち少なくとも一方を
スペクトル拡散変調する変調回路を備える。特に、増幅
出力すべき信号に対し上側及び下側パイロット信号が影
響を与えることを防ぐには、これら上側及び下側パイロ
ット信号の周波数又は拡散帯域を主信号の周波数帯域外
におくか、これら上側及び下側パイロット信号としてそ
れぞれスペクトル拡散変調された信号を用い主信号成分
に対しては雑音として作用させるのが望ましい。また、
上側及び下側パイロット信号の周波数又は拡散帯域の一
部若しくは全部が主信号の周波数帯域内に入り込むよう
局部発振信号及び基本パイロット信号の基本周波数を設
定することによって、歪除去抑圧効果が最高になる周波
数が主信号の周波数帯域内に確実に入ることになり、主
信号の周波数帯域内における歪成分除去抑圧効果が高ま
る。
【0029】上下パイロット信号発生回路は、好ましく
は、局部発振信号を発振する第1の発振回路と、基本パ
イロット信号を発振する第2の発振回路と、第1及び第
2の発振回路の出力を相互に混合するミキサと、このミ
キサの出力をパイロット信号注入回路及び同期検波回路
に分配する分配器とを有する回路とする。しかし、発振
回路は必須ではない。例えば、より前段の回路において
同じ周波数で発振する発振回路が設けられている場合に
は、その発振回路から入力するようにしてもよい。
【0030】また、注入する上側及び下側パイロット信
号のレベルは任意に設定することができるが、回路の小
型化、コストダウン、低消費電力化等を考慮すると、で
きるだけ低レベルとすることが望ましい。上側及び下側
パイロット信号が低レベルであれば、低歪化出力信号中
におけるそれらの残留量(レベル)も低くなる。更に、
パイロット信号成分の残留量ができるだけ少なくなるよ
うに歪除去ループを制御するため、最適な制御状態に近
づけば近づくほど、低歪化出力信号中におけるそれらの
残留量(レベル)が低くなる。他方で、低歪化出力信号
中には主信号に係る成分も含まれており、歪除去ループ
の制御においてはこの成分はいわば雑音・不要成分とし
て作用する。そこで、本発明に係る制御回路は、好まし
くは、主信号に係る成分を含み上側及び下側パイロット
信号を含まない信号の逆相加算によって、同期検波回路
に入力される低歪化出力信号から主信号に係る成分を除
去する回路を備える。これによって、上記雑音・不要成
分が除去・抑圧され、より安定した精度のよい制御が可
能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。なお、図7乃至図11に示
した先提案の技術と同様の又は対応する構成には同一の
符号を付し、それらの構成及び先提案の技術と重複する
利点については説明を省略する。
【0032】図1に、本発明の一実施形態に係るフィー
ドフォワード増幅器の構成を示す。本実施形態において
は、分配回路13により分岐された低歪化出力信号が、
周波数変換を経ないまま同期検波回路25Aに誤差信号
Errとして入力される。また、同期検波回路25A
は、ミキサ22にて発生した周波数fL+fP、fL−fP
の上側及び下側パイロット信号を、分配回路30を介し
参照信号Refとして入力している。なお、分配回路3
0は、ミキサ22の出力を回路注入用と参照信号Ref
用とに分岐している。同期検波回路25Aは、図2に示
すように、誤差信号Errを2個の双平衡変調器MIX
−I及びMIX−Qに同相分配する一方、参照信号Re
fをこれら双平衡変調器MIX−I及びMIX−Qに9
0度分配(直交分配)し、それら双平衡変調器MIX−
I及びMIX−QからI,Q各相検波出力を得ている。
同期検波回路25AのI,Q各相検波出力は比較誤差増
幅器26に供給され、それぞれ歪除去ループに係る利
得,位相の各制御信号として使用される。
【0033】このように、分岐した低歪化出力信号をE
rr入力、上側及び下側パイロット信号をRef入力と
して同期検波を行い、それによって制御信号を発生させ
ているため、本実施形態では、発振回路20又は21と
Err入力側とのアイソレーションを容易に確保でき
る。検出側ミキサだけでなくアイソレーション用の部材
を廃止できるため、部品点数の低減、構成の簡素化、低
価格化、信頼性向上を達成できる。また、ダウンコンバ
ートしない分、低歪化出力信号におけるパイロット信号
成分残留分変動に対する歪除去ループの応答性が高ま
り、従って環境変動、入力変動等に対して即応できるフ
ィードフォワード増幅器が得られる。更に、周波数fP
の帯域での信号処理が必要でないため、発振回路やフィ
ルタ以外で周波数依存性がある部品を削減でき、汎用性
が高まる。更に、図7に示した回路では、同期検波回路
25の周波数特性が周波数fP近傍まで良好でないと良
質な制御信号を得難いが、本実施形態では、同期検波回
路25Aから直流又はその近傍の周波数の検波出力が得
られればよいため、ラフな特性でよい。即ち、同期検波
回路25A又はその構成部品が安価なものでよい。
【0034】分配回路13から同期検波回路25Aに至
る信号経路上に、フィルタ24Aを設けてもよい。この
フィルタ24Aは、分岐した低歪化出力信号中の主信号
成分を阻止し残留パイロット信号成分を通過させるフィ
ルタ、即ち主信号成分除去用のフィルタであり、その濾
波特性は図3に示すような特性とする。実現に当たって
は、それぞれ上側又は下側パイロット信号周波数近傍に
狭い通過帯域を有する帯域通過フィルタを組み合わせて
用いる等の形態を採ることができる。フィルタ24Aな
しでも原理上は動作可能であるが、主信号の振幅が大き
な用途では、フィルタ24Aを用いることによって主信
号成分による同期検波回路25Aの飽和を防止でき、望
ましい。フィルタ24Aは温度に依存した位相ドリフト
を発生させるため、フィルタ24Aを設ける場合は、図
4に示すように、分配回路30から同期検波回路25A
に至る信号経路上にも、同じ濾波特性ひいては同じ位相
温度依存性を有するフィルタ24Bを設けるとよい。フ
ィルタ24Aと同じ位相温度依存性を有するフィルタ2
5Aを用いることによって、同期検波回路25AへのE
rr入力に現れている位相ドリフト相当分をRef入力
側で補償することができる。
【0035】また、各部周波数の配置は、図8〜図10
に示した例に倣い適宜決めることができる。主信号に対
する上側及び下側パイロット信号の干渉を防ぐには、上
側及び下側パイロット信号の周波数(又はその周波数帯
域の全部若しくは一部)を使用帯域外において干渉を避
けるか、或いはスペクトル拡散変調技術を利用するのが
望ましい。スペクトル拡散変調技術を利用する場合、例
えば、発振回路20又は21とミキサ22との間にスペ
クトル拡散変調回路32を設け、拡散信号発生器31に
て発生させたスペクトル拡散符号を利用して、基本パイ
ロット信号又は局部発振信号をスペクトル拡散変調する
(図5参照。この図は基本パイロット信号をスペクトル
拡散する例)。これによって、上側及び下側パイロット
信号をスペクトル拡散させ、主信号と干渉しにくい信号
とすることができる。更に、上側及び下側パイロット信
号の周波数又は拡散帯域の一部若しくは全部が使用帯域
内に入り込むように局部発振信号及び基本パイロット信
号の基本周波数を設定することにより、使用帯域内にお
ける歪成分除去抑圧効果が高まる。更に、主増幅器5に
て生じる歪成分が入り込まないよう主増幅器5より前段
或いは遅延回路6側の信号経路から主信号を分岐し、そ
れを分配回路(例えばハイブリッド結合器)13にて低
歪化出力信号の同期検波回路25A側分岐と結合させ
て、同期検波回路25AのErr入力中の主信号成分を
抑圧するようにしてもよい(図6参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るフィードフォワー
ド増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】 同期検波回路の構成の一例を示すブロック図
である。
【図3】 フィルタ特性例を示す図である。
【図4】 位相温度補償用のフィルタの位置を示すブロ
ック図である。
【図5】 スペクトル拡散技術を用いた変形例を示すブ
ロック図である。
【図6】 分岐した低歪化出力信号中の主信号成分を抑
える手法を示すブロック図である。
【図7】 本願出願人が先に提案したフィードフォワー
ド増幅器の構成を示すブロック図である。
【図8】 周波数配置の一例を示す図である。
【図9】 周波数配置の一例を示す図である。
【図10】 歪除去抑圧原理を説明するための図であ
る。
【図11】 問題点を説明するためのブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 入力端子、2 出力端子、3,13,30 分配回
路、4 ベクトル調整回路、5 主増幅器、6,12
遅延回路、7,11 方向性結合器、8 利得調整回
路、9 位相調整回路、10 補助増幅器、20,21
発振回路、22注入側ミキサ、24A,24B フィ
ルタ、25A 同期検波回路、26 比較誤差増幅器、
31 拡散信号発生器、32 変調回路、fP 基本パ
イロット信号の周波数、fL 局部発振信号の周波数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 章 東京都三鷹市下連雀五丁目1番1号 日本 無線株式会社内 (72)発明者 坂本 廣徳 東京都三鷹市下連雀五丁目1番1号 日本 無線株式会社内 Fターム(参考) 5J090 AA01 CA21 FA20 GN02 GN07 KA00 KA15 KA16 KA17 KA32 KA41 KA53 KA55 KA68 MA14 MA20 SA13 TA01 TA03 5J500 AA01 AC21 AF20 AK00 AK15 AK16 AK17 AK32 AK41 AK53 AK55 AK68 AM14 AM20 AS13 AT01 AT03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主増幅器、主増幅器への入力である主信
    号の一部と主増幅器からの出力信号の一部とをその振幅
    及び位相の相互関係を調整して結合することにより歪成
    分を検出して歪信号を発生させる歪検出ループ、並びに
    歪信号と主増幅器からの出力信号とをその振幅及び位相
    の相互関係を調整して結合することにより低歪化出力信
    号を発生させる歪除去ループを備えるフィードフォワー
    ド増幅器にて用いられ、主増幅器にて発生した歪成分の
    低歪化出力信号中における残留分が抑圧されるよう歪検
    出ループ及び歪除去ループに対し制御信号を供給して上
    記調整動作を制御する制御回路であって、 上側パイロット信号と下側パイロット信号とにより挟ま
    れる周波数帯域内に主信号の周波数帯域のうちの少なく
    とも一部が含まれることとなるよう、局部発振信号と基
    本パイロット信号とを混合することにより両者の和周波
    数及び差周波数に係る上側及び下側パイロット信号を発
    生させ、歪除去ループにて結合対象とされる各信号中に
    入り込むこととなるよう上側及び下側パイロット信号を
    歪検出ループ内に注入する上下パイロット信号発生回路
    と、 低歪化出力信号の一部を入力し上側及び下側パイロット
    信号を参照信号として用いてこの低歪化出力信号を同期
    検波することにより歪除去ループに対する上記制御信号
    を発生させる同期検波回路と、 を備えることを特徴とする制御回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御回路において、 同期検波回路に入力される低歪化出力信号中、主信号の
    周波数帯域に属する成分を除去又は抑圧する一方、上側
    及び下側パイロット信号の周波数帯域に属する周波数成
    分を通過させる主信号成分除去用フィルタを、備えるこ
    とを特徴とする制御回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の制御回路において、 同期検波回路に参照信号として入力される上側及び下側
    パイロット信号に対して、主信号成分除去用フィルタの
    温度特性により低歪化出力信号に与えられる位相ドリフ
    トと同一の位相ドリフトを与える位相温度補償用フィル
    タを、備えることを特徴とする制御回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか記載の制御回
    路において、 主信号に係る成分を含み上側及び下側パイロット信号を
    含まない信号の逆相加算によって、同期検波回路に入力
    される低歪化出力信号から主信号に係る成分を除去する
    回路を備えることを特徴とする制御回路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか記載の制御回
    路において、 上側及び下側パイロット信号のスペクトルが有意な幅を
    有する周波数帯域に拡散するよう、局部発振信号及び基
    本パイロット信号のうち少なくとも一方をスペクトル拡
    散変調する変調回路を備えることを特徴とする制御回
    路。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか記載の制御回
    路において、 局部発振信号の周波数が、主信号の周波数帯域のほぼ中
    央に位置し、 基本パイロット信号の周波数が、主信号の周波数帯域の
    1/2以上であることを特徴とする制御回路。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか記載の制御回
    路において、 主信号の周波数帯域が、それぞれ所定のチャネル幅を有
    する複数のチャネルに区分されており、 局部発振信号の基本周波数が、チャネルとチャネルの間
    に設けられているチャネル分離帯域内に属し、 基本パイロット信号の基本周波数が、チャネル幅の自然
    数倍の周波数であることを特徴とする制御回路。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか記載の制御回
    路において、 上下パイロット信号発生回路が、局部発振信号を発振す
    る第1の発振回路と、 基本パイロット信号を発振する第2の発振回路と、第1
    及び第2の発振回路の出力を相互に混合するミキサと、
    このミキサの出力をパイロット信号注入回路及び同期検
    波回路に分配する分配器とを有することを特徴とする制
    御回路。
  9. 【請求項9】 主増幅器と、主増幅器への入力信号の一
    部と主増幅器からの出力信号の一部とをその振幅及び位
    相の相互関係を調整して結合することにより歪信号を発
    生させる歪検出ループと、歪信号と主増幅器からの出力
    信号とをその振幅及び位相の相互関係を調整して結合す
    ることにより低歪化出力信号を発生させる歪除去ループ
    と、主増幅器にて発生した歪成分の低歪化出力信号中に
    おける残留分が抑圧されるよう歪検出ループ及び歪除去
    ループに対し制御信号を供給して上記調整動作を制御す
    る制御回路とを備え、 制御回路が、請求項1乃至8のいずれか記載の制御回路
    であることを特徴とするフィードフォワード増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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