JP2003142768A - 光伝送装置、それに用いられる半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

光伝送装置、それに用いられる半導体レーザ装置及びその製造方法

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JP2003142768A
JP2003142768A JP2002207162A JP2002207162A JP2003142768A JP 2003142768 A JP2003142768 A JP 2003142768A JP 2002207162 A JP2002207162 A JP 2002207162A JP 2002207162 A JP2002207162 A JP 2002207162A JP 2003142768 A JP2003142768 A JP 2003142768A
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reflectance
light
reflection film
signal light
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JP2002207162A
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Eitoku In
栄徳 尹
Takayuki Okazaki
孝行 岡崎
Sakiko Sugihara
左樹子 杉原
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送速度を速くしても、高い伝送品質を確保
することが可能な光伝送装置を提供する。 【解決手段】 信号光を伝送する送信側光伝送路の下流
側の端部に、光ファイバ増幅器が接続されている。送信
側光伝送路を伝送された信号光が光ファイバ増幅器に入
射し、励起光の作用によって増幅される。増幅された信
号光が受信側光伝送路に入射する。励起光源が、励起光
を発生し、励起光を光ファイバ増幅器に導入する。励起
光源は、光ファイバ増幅器に導入される励起光を出射す
る出射面と、出射面とともに光共振器を画定する背面
と、光共振器内に配置された発光領域とを有する。出射
面上に低反射膜が形成され、背面上に高反射膜が形成さ
れている。ている。信号光の波長における高反射膜の反
射率が20%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送装置に関
し、特に光ファイバ増幅器を備え、広帯域光通信に適し
た光伝送装置に関する。さらに、本発明は、この光伝送
装置に用いられる励起用半導体レーザ装置及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】広帯域光通信を実現する方式として、波
長分割多重(Wavelength Division Multiplexing;WD
M)通信方式が脚光を浴びている。この通信システムで
は、光線路の一部に、たとえばErドープ光ファイバ増
幅器(Erbium doped fiber amplifier;EDFA)が配
置される。ポンピングレーザモジュールからEDFAに
励起用レーザ光が導入され、信号光源から光線路を伝送
されてきた信号光が、EDFA内で増幅される。増幅さ
れた信号光がさらに下流側へ伝送される。ポンピングレ
ーザモジュールでは、励起用レーザ光の光源として半導
体レーザ装置が用いられる。例えば、1.55μm帯の
光伝送システムにおいては、波長0.98μmの励起用
レーザ光が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の光伝送シ
ステムは、伝送速度が比較的遅い場合には実用に耐え得
るが、伝送速度が速くなると、雑音の増大によって、十
分な伝送品質を確保できないことがわかった。
【0004】本発明の目的は、伝送速度を速くしても、
高い伝送品質を確保することが可能な光伝送装置、この
光伝送装置に用いられる半導体レーザ装置、及び半導体
レーザ装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、信号光を伝送する送信側光伝送路と、前記送信側光
伝送路の下流側の端部に接続され、該送信側光伝送路を
伝送された前記信号光が入射し、該信号光の波長とは異
なる波長を有する励起光の作用によって該信号光を増幅
する光ファイバ増幅器と、前記光ファイバ増幅器により
増幅された前記信号光が入射し、入射した該信号光を伝
送する受信側光伝送路と、前記励起光を発生し、該励起
光を前記光ファイバ増幅器に導入する励起光源とを有
し、前記励起光源は、前記光ファイバ増幅器に入力され
る励起光を出射する出射面と、前記出射面とともに光共
振器を画定する背面と、前記光共振器内に配置された発
光領域と、前記出射面上に形成された低反射膜と、前記
背面上に形成され、前記励起光の波長における反射率
が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光の波長
における反射率が20%以下である高反射膜とを含む光
伝送装置が提供される。
【0006】信号光の一部が、励起光源に入射する。励
起光源に入射した信号光の一部は、その出射面を通過
し、背面の高反射膜で反射され、光ファイバ増幅器に戻
る。この戻り光が、ノイズの原因になる。信号光の波長
における高反射膜の反射率を20%以下とすることによ
り、戻り光の強度を低減させることができる。
【0007】本発明の他の観点によると、信号光を伝送
する送信側光伝送路と、前記送信側光伝送路の下流側の
端部に接続され、該送信側光伝送路を伝送された前記信
号光が入射し、該信号光の波長とは異なる波長を有する
励起光の作用によって該信号光を増幅する光ファイバ増
幅器と、前記光ファイバ増幅器により増幅された前記信
号光が入射し、入射した該信号光を伝送する受信側光伝
送路と、前記励起光を発生し、該励起光を前記光ファイ
バ増幅器に導入する励起光源とを有し、前記励起光源
は、前記光ファイバ増幅器に入力される励起光を出射す
る出射面と、前記出射面とともに光共振器を画定する背
面と、前記光共振器内に配置された発光領域と、前記出
射面上に形成され、前記信号光の波長における反射率
が、前記励起光の波長における反射率以下である低反射
膜と、前記背面上に形成され、前記励起光の波長におけ
る反射率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号
光の波長における反射率が、前記励起光の波長における
反射率の1/10以下である高反射膜とを含む光伝送装
置が提供される。
【0008】信号光の波長における低反射膜の反射率
が、励起光の波長における反射率以下であるため、低反
射膜で反射して光ファイバ増幅器に戻る戻り光の強度を
低減させることができる。また、信号光の波長における
高反射膜の反射率を低くしているため、励起光源の出射
面を通過し、背面の高反射膜で反射して光ファイバ増幅
器に戻る戻り光の強度を低減させることができる。
【0009】本発明の他の観点によると、上述の光伝送
装置の励起光源に使用される半導体レーザ装置が提供さ
れる。
【0010】本発明の他の観点によると、(a)第1の
波長の信号光を増幅する光ファイバ増幅器に、第2の波
長の励起用レーザ光を導入するための半導体レーザ装置
の製造方法であって、(b)出射端面と背面とが画定さ
れており、キャリアの注入により誘導放出を生じさせ、
該出射端面から第2の波長の励起用レーザ光を出射する
半導体レーザ積層構造を形成する工程と、(c)前記半
導体レーザ積層構造の前記出射端面に形成する低反射膜
の、前記第1の波長及び第2の波長における反射率を決
定する工程と、(d)前記半導体レーザ積層構造の前記
背面に形成する高反射膜の、前記第1の波長における反
射率を決定する工程と、(e)前記第1の波長及び前記
第2の波長における反射率が、前記工程(c)で決定さ
れた反射率以下となるように、前記出射端面上に低反射
膜を形成する工程と、(f)前記背面上に、前記第2の
波長における反射率が、前記低反射膜のそれよりも高
く、前記第1の波長における反射率が、前記工程(d)
で決定された反射率以下となるように高反射膜を形成す
る工程とを有する半導体レーザ装置の製造方法が提供さ
れる。
【0011】信号光の波長及び励起用レーザ光の波長の
双方における反射率を規定することにより、励起用レー
ザ光の波長のみの反射率を規定する場合に比べて、信号
光の波長における低反射膜の反射率を低くすることが可
能になる。これにより、低反射膜で反射して光ファイバ
増幅器に戻る戻り光の強度を低減させることができる。
また、信号光の波長における高反射膜の反射率を低くす
ることにより、出射端面を通過して高反射膜で反射し、
出射端面から再出射する信号光の強度を低減させること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の実施例による光
伝送装置の概略図を示す。信号光源1が、波長分割多重
された波長1.55μm帯の信号光を出射する。信号光
源1から出射された信号光は、送信側光ファイバ2内を
伝送される。送信側光ファイバ2の下流側の端部に、E
DFA3が接続されている。ポンピングレーザモジュー
ル10から出射された励起用レーザ光が、光ファイバ6
を通ってEDFA3内に導入される。励起用レーザ光の
作用により、信号光が増幅される。
【0013】EDFA3の出射端に、受信側光ファイバ
4が接続されている。EDFA3内で増幅された信号光
が、受信側光ファイバ4に入射し、ファイバ内を伝送さ
れる。受信側光ファイバ4の下流側の端部に、光受信装
置5が接続されている。光受信装置5は、受信側光ファ
イバ4内を伝送された信号光を受信し、波長分割多重さ
れた信号光を、波長ごとに分離する。
【0014】励起用レーザ光をEDFA3に導入するた
めの光ファイバ6に、ファイバブラッググレーティング
6Aが形成されている。励起用レーザ光の波長0.98
μmは、ファイバブラッググレーティング6Aの反射帯
域内に入る。このため、ポンピングレーザモジュール1
0から出射された励起用レーザ光が、ファイバブラッグ
グレーティング6Aにより、ポンピングレーザモジュー
ル10に帰還される。これにより、ポンピングレーザモ
ジュール10内の半導体レーザ装置の発振波長が0.9
8μmに収斂し、時間的に安定した光出力を得ることが
できる。
【0015】図2に、図1に示した実施例による光伝送
装置に用いられるポンピングレーザモジュール10の断
面図を示す。パッケージ11の底板11aの上に、ペル
チェモジュール12が配置されている。ペルチェモジュ
ール12の上に、コバール製のベース材13が取り付け
られている。
【0016】ベース材13の上に、チップキャリア14
を介して半導体レーザ装置20が配置されている。光フ
ァイバ6の入射端面が、半導体レーザ装置20の出射端
面に対向するように配置され、両者が光結合している。
光ファイバ6の入射端面は楔形に加工されており、高い
光結合効率が得られる。集束レンズ等を配置する必要が
無いため、部品点数を少なくし、製造コストの低減を図
ることが可能になる。光ファイバ6の入射端面の近傍
が、ファイバ固定部材16によりベース材13の上に固
定されている。光ファイバ6は、パッケージ11に設け
られた筒状穴11b内を通ってパッケージ11の外部に
導出されている。筒状穴11b内にスリーブ17を配置
することにより、パッケージ11内の気密性が保たれて
いる。
【0017】半導体レーザ装置20の、出射端面とは反
対側の面(背面)に対向するように、フォトダイオード
18が配置されている。フォトダイオード18により、
半導体レーザ装置20の背面から出射したレーザビーム
の強度が監視される。
【0018】図3(A)に、図2に示した半導体レーザ
装置20の斜視図を示す。n型GaAsからなる基板2
1の表面上に、Siがドープされたn型Al0.3Ga0.7
Asからなる下部クラッド層25が形成されている。下
部クラッド層25の厚さは4μmであり、そのSi濃度
は3×1017cm-3である。下部クラッド層25の上
に、アンドープのAl0.2Ga0.8Asからなる下部分離
閉込ヘテロ(SCH)層26aが形成されている。下部
SCH層26aの厚さは50nmである。
【0019】下部SCH層26aの上に、活性層27が
形成されている。活性層27は、量子井戸層を障壁層で
挟んだ3層構造を有する。量子井戸層は、Siがドープ
されたn型のIn0.2Ga0.8Asで形成され、その厚さ
は12nm、Si濃度は5×1017cm-3である。障壁
層の各々は、アンドープのGaAs0.910.09で形成さ
れ、その厚さは10nmである。活性層27の上に、ア
ンドープのAl0.2Ga0.8Asからなる上部SCH層2
6bが形成されている。上部SCH層26bの厚さは、
50nmである。
【0020】上部SCH層26bの上に、Znドープの
p型Al0.3Ga0.7Asからなる上部クラッド層28が
形成され、その上にZnドープのp型GaAsからなる
キャップ層29が形成されている。上部クラッド層28
とキャップ層29との2層は、リッジ状に加工されてお
り、出射端面から背面に至るリッジ導波路を画定してい
る。キャップ層29は、リッジ部分30の上面にのみ残
っている。
【0021】上部クラッド層28の厚さは、リッジ部分
30において2μmであり、その他の部分において0.
9μmである。また、上部クラッド層28のZn濃度は
3×1017cm-3である。キャップ層29の厚さは0.
5μmであり、そのZn濃度は1×1020cm-3であ
る。
【0022】絶縁性の保護膜23が、上部クラッド層2
8及びキャップ層29の表面を覆う。保護膜23には、
リッジ部分30の上面に、出射端面から背面まで連続す
る開口23Aが形成されている。開口23Aの底面に、
キャップ層29が現れる。保護膜23は、窒化シリコン
(SiN)で形成され、その厚さは0.12μmであ
る。
【0023】上部電極24が、開口23Aの底面に現れ
ているキャップ層29の表面及び保護膜23の表面を覆
う。上部電極24は、基板側から順番にTi層、Pt
層、Au層が積層された3層構造を有し、開口23Aの
底面においてキャップ層29にオーミック接触する。
【0024】下部電極22が、基板21の裏面を覆う。
下部電極22は、基板側から順番にAuGeNi合金層
とAu層とが積層された2層構造を有し、基板21にオ
ーミック接触する。
【0025】上述の各化合物半導体層は、公知の有機金
属化学気相成長(MOCVD)や電子線エピタキシ(M
BE)等により形成することができる。リッジ部分30
は、リッジ部分30の上面をレジストパターンで覆い、
クエン酸系エッチャント(クエン酸を含むエッチャン
ト)を用いてキャップ層29と上部クラッド層28とを
エッチングすることより形成することができる。窒化シ
リコンからなる保護膜23は、反応性スパッタリングに
より形成することができる。開口23Aは、開口23A
以外の領域をレジストパターンで覆い、弗酸系エッチャ
ント(弗酸を含むエッチャント)を用いて保護膜23を
エッチングすることより形成することができる。上部電
極24及び下部電極22は、真空蒸着により形成するこ
とができる。
【0026】図3(B)に、図3(A)に示した半導体
レーザ装置20の側面図を示す。出射端面40の表面上
に、低反射膜45が形成され、背面50の表面上に高反
射膜55が形成されている。
【0027】まず、低反射膜45の積層構造について説
明する。出射端面40及び背面50の表面上に、InG
aPからなる厚さ100nmの端面成長膜41が形成さ
れている。端面成長膜41の上に、Al23膜とアモル
ファスシリコン膜とが交互に形成され、合計3層の多層
膜を構成している。
【0028】第1層目のAl23膜42A、第2層目の
アモルファスシリコン膜43A、及び第3層目のAl2
3膜42Bの厚さは、それぞれ47.5nm、18.
9nm、176.7nmである。
【0029】次に、高反射膜55の積層構造について説
明する。背面50の表面上に、InGaPからなる厚さ
100nmの端面成長膜51が形成されている。端面成
長膜51の上に、SiO2膜とアモルファスシリコン膜
とが交互に積層され、合計7層の多層膜を構成してい
る。
【0030】第1、第3、第5及び第7層目のSiO2
膜52A、52B、52C、及び52Dの厚さは、それ
ぞれ96nm、130nm、291nm、及び456n
mである。第2、第4、及び第6層目のアモルファスシ
リコン膜53A、53B、及び53Cの厚さは、それぞ
れ66nm、57nm、10nmである。
【0031】端面成長膜41は、MOCVDにより形成
される。低反射膜45を構成するAl23膜、及びアモ
ルファスシリコン膜は、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)プラズマを用いたCVDにより形成される。高反射
膜55を構成するSiO2膜とアモルファスシリコン膜
は、プラズマCVDにより形成される。なお、Al23
膜、アモルファスシリコン膜、及びSiO2膜は、スパ
ッタリングや電子ビーム蒸着により形成することも可能
である。
【0032】図4(A)に、低反射膜45の反射率の波
長依存性を、従来の低反射膜の反射率の波長依存性と比
較して示す。図4(B)に、高反射膜55の反射率の波
長依存性を、従来の高反射膜の反射率の波長依存性と比
較して示す。各グラフの横軸は波長を単位「nm」で表
し、縦軸は反射率を単位「%」で表す。曲線a1が、実
施例による半導体レーザ装置の低反射膜45の反射率を
示し、曲線a2が、従来の低反射膜の反射率の例を示
す。また、曲線b1が、実施例による半導体レーザ装置
の高反射膜55の反射率を示し、曲線b2が、従来の高
反射膜の反射率の例を示す。
【0033】図4(A)に反射率を示されている従来の
低反射膜は、InGaPからなる厚さ100nmの端面
成長膜と、厚さ150〜230nmのAl23膜との2
層構造を有する。図4(B)に反射率を示されている従
来の高反射膜は、InGaPからなる厚さ100nmの
端面成長膜、及びその上に厚さ167nmのSiO2
と厚さ71nmのアモルファスシリコン膜とが交互に3
層ずつ積層された7層構造を有する。
【0034】図4(A)に示されているように、実施例
による半導体レーザ装置に用いられる低反射膜45は、
励起用レーザ光の波長0.98μmにおいて約2%、信
号光の波長1.55μmにおいて約1%の反射率を有す
る。これに対し、従来の低反射膜は、励起用レーザ光の
波長0.98μmにおいて、反射率が約2%であるが、
信号光の波長1.55μmにおける反射率は、約6%で
ある。
【0035】図4(B)に示されているように、実施例
による半導体レーザ装置に用いられている高反射膜も、
従来の高反射膜も、励起用レーザ光の波長0.98μm
において、約92%程度の高い反射率を有する。ところ
が、信号光の波長1.55μmにおいては、実施例によ
る半導体レーザ装置に用いられている高反射膜の反射率
が約1%であるのに対し、従来の高反射膜の反射率は、
約50%である。
【0036】図1を参照しながら、上記実施例の効果に
ついて説明する。送信側光ファイバ2を伝送される信号
光は、EDFA3に入射して増幅されるが、一部の信号
光は、EDFA3と光ファイバ6との接続部で分岐し、
ポンピングレーザモジュール10に入力される。
【0037】ポンピングレーザモジュール10に入力さ
れた信号光は、半導体レーザ装置の出射端面に形成され
た低反射膜で反射し、再びEDFA3に導入される。ま
た、低反射膜を透過した信号光は、半導体レーザ装置の
背面に形成されている高反射膜で反射し、出射端面の低
反射膜を透過して、再びEDFA3に導入される。ED
FA3に再度導入された信号光は、ノイズ成分となり、
伝送品質を低下させる。伝送速度が遅い場合には、この
ノイズ成分は顕在化しないが、特に、伝送速度が速い場
合に、このノイズ成分による伝送品質の低下が懸念され
る。
【0038】実施例による半導体レーザ装置の場合に
は、信号光の波長域において、出射端面上の低反射膜及
び背面の高反射膜の反射率が、従来のものに比べて低
い。このため、半導体レーザ装置の出射端面や背面で反
射してEDFA3に戻る信号光の強度が弱められる。こ
れにより、ノイズ成分の少ない高品質な光伝送を行うこ
とが可能になる。
【0039】上記実施例では、出射端面上の低反射膜の
反射率が、励起用レーザ光及び信号光の両方の波長域に
おいて約1%であったが、必ずしも反射率を1%程度に
する必要はない。ポンピングレーザモジュールからの戻
り光による伝送品質の低下を防止するためには、信号光
の波長域における反射率を2%以下とすることが好まし
く、0.5%以下とすることがより好ましい。また、励
起用レーザ光の十分な出力を確保するために、励起用レ
ーザ光の波長域における反射率を15%以下とすること
が好ましい。
【0040】また、低反射膜の反射率は、一般的に、励
起用レーザ光の波長域において低くなるように設計され
る。この場合、励起用レーザ光の波長とは異なる信号光
の波長域においては、反射率が高くなってしまう。本実
施例の場合には、低反射膜の反射率が、励起用レーザ光
及び信号光の双方の波長域において低くなるように設計
される。特に、信号光の波長域における反射率が、励起
用レーザ光の波長域における反射率以下である場合、ポ
ンピングレーザモジュールからの戻り光による伝送品質
の低下を防止する十分な効果を得られるであろう。
【0041】半導体レーザ装置の背面に形成された高反
射膜の反射率は、励起用レーザ光の波長域において、出
射端面に形成された低反射膜の反射率よりも高くなるよ
うに、通常は85%以上になるように設計される。この
場合、信号光の波長域においても、反射率が比較的高く
なってしまう。本実施例の場合には、高反射膜の反射率
が、励起用レーザ光の波長域において高くなり、信号光
の波長域において低くなるように設計される。特に、ポ
ンピングレーザモジュールからの戻り光による伝送品質
の低下を防止する十分な効果を得るために、信号光の波
長域における反射率を20%以下とすることが好まし
く、10%以下とすることがより好ましい。さらには、
5%以下とすることがより好ましく、2%以下とするこ
とが最も好ましい。また、信号光の波長域における高反
射膜の反射率を、励起用レーザ光の波長域における反射
率の1/10以下とすることが好ましい。
【0042】次に、上記実施例による半導体レーザ装置
に用いられた低反射膜及び高反射膜の設計方法について
説明する。
【0043】まず、信号光の波長域及び励起用レーザ光
の波長域における低反射膜と高反射膜との目標とする反
射率を決定する。例えば、信号光の波長域における低反
射膜の目標反射率2%以下とし、励起用レーザ光の波長
域における低反射膜の目標反射率を15%以下とする。
または、信号光の波長域における低反射膜の目標反射率
を、励起用レーザ光の波長域における目標反射率以下に
する。励起用レーザ光の波長域における高反射膜の目標
反射率を85%以上とし、信号光の波長域における高反
射膜の目標反射率を、励起用レーザ光の波長域における
目標反射率の1/10以下にする。または、信号光の波
長域における高反射膜の目標反射率を例えば5%以下と
する。
【0044】図5(A)及び図5(B)に、上記実施例
で使用された低反射膜及び高反射膜の各層の材料の屈折
率を示す。各グラフの横軸は波長を単位「nm」で現
し、縦軸は屈折率を表す。図5(A)の曲線c1及びc2
は、それぞれAl23及びSiO2の屈折率を示す。図
5(B)の曲線d1及びd2は、それぞれ高反射膜に用い
られるアモルファスシリコンの屈折率、及び低反射膜に
用いられるアモルファスシリコンの屈折率を示す。高反
射膜に用いられるアモルファスシリコンの屈折率と、低
反射膜に用いられるアモルファスシリコンの屈折率とが
異なるのは、成膜方法が異なるためである。
【0045】各材料の屈折率は、成膜方法や成膜条件に
依存するため、反射膜の設計に先立ち、実際に用いられ
る成膜方法や成膜条件で形成した各材料の屈折率を測定
しておくことが好ましい。多層反射膜を構成する各層の
材料の屈折率が既知であり、2つの波長域における目標
反射率が決まると、公知の方法により、積層構造及び各
層の膜厚を求めることができる。
【0046】上記実施例では、半導体レーザ装置の出射
端面及び背面のいずれにも、InGaPからなる端面成
長膜が形成されている。これは、半導体レーザ装置のカ
タストロフィックオプティカルダメージ(COD)の発
生を防止するためのものである。従って、CODが生じ
ない場合には、端面成長膜を設ける必要はない。
【0047】上記実施例では、図2(B)に示したよう
に、低反射膜45を、端面成長膜41とその他の3層か
らなる多層膜としたが、多層膜の層数を変えてもよい。
【0048】図6に、低反射膜の層数を変えた場合の反
射率の波長依存性を示す。横軸は波長を単位「nm」で
現し、縦軸は反射率を単位「%」で現す。図中の曲線e
1、e2、及びe3が、それぞれ端面成長膜を除いた層数
が3層、5層、及び8層である低反射膜の反射率を示
す。すなわち、曲線e1は、図4(A)に示された曲線
1と同一である。
【0049】図6から、励起用レーザ光の波長0.98
μm及び信号光の波長1.55μmの波長域における反
射率は、端面成長膜を除いた層数が5層及び8層である
場合も、上記実施例の場合と比べて有意な差がないこと
がわかる。このため、実施例では、端面成長膜を除いた
層数が3層の多層構造を採用した。ただし、励起用レー
ザ光及び信号光の波長が、上記実施例の場合の波長と異
なる場合には、3層よりも多い多層構造を採用した方が
好ましい場合もあるであろう。
【0050】上記実施例では、図3(B)に示した低反
射膜45を、端面成長膜41と、Al23膜と、アモル
ファスシリコン膜とで構成したが、他の材料からなる膜
で構成してもよい。例えば、窒化シリコン(SiNx
膜とSiO2膜とを含む多層構造としてもよい。
【0051】図7(A)に、SiNx膜とSiO2膜との
多層膜からなる低反射膜の反射率の波長依存性を示す。
横軸は波長を単位「nm」で現し、縦軸は反射率を単位
「%」で現す。SiNxの屈折率は、図5(A)の曲線
3で示されている。図中の曲線f1は、第1層目が厚さ
406.78nmのSiNx膜、第2層目が厚さ26
5.08nmのSiO2膜である2層構造の低反射膜の
反射率を示す。曲線f2は、第1層目が厚さ181.7
3nmのSiNx膜、第2層目が厚さ63.58nmの
SiO2膜、第3層目が厚さ329.90nmのSiNx
膜、第4層目が厚さ156.15nmのSiO2膜であ
る4層構造の低反射膜の反射率を示す。なお、端面成長
膜は形成されておらず、出射端面上に、直接第1層目の
SiNx膜が形成されている。
【0052】低反射膜を2層構造とした場合には、信号
光の波長域(1.55μm)における反射率が約5%に
なっているが、4層構造にすることにより、約1%まで
反射率を低くすることができる。なお、曲線f1で示し
た2層構造の場合にも、図4(A)の曲線a2で示した
従来の低反射膜に比べて、信号光の波長域における反射
率が小さい。このため、ポンピングレーザモジュールか
らの戻り光によるノイズを低減させる効果が得られるで
あろう。
【0053】また、アモルファシシリコンは、波長0.
98μm帯の光を吸収する。図7(A)に示した例で
は、低反射膜の構成材料として、アモルファスシリコン
を用いないため、吸収による励起用レーザ光の損失を低
減することができる。
【0054】図7(B)に、InGaPからなる端面成
長膜を配置した場合の低反射膜の反射率の波長依存性を
示す。横軸及び縦軸は、図7(A)と同一である。曲線
1及びg2は、それぞれ端面成長膜の上に形成された多
層膜が、図7(A)の曲線f1及びf2で示された多層膜
と同一の構成を有する低反射膜の反射率を示す。図7
(B)の曲線g1及びg2を、図7(A)の曲線f1及び
2と比較すると、反射率は、端面成長膜の影響をほと
んど受けないことがわかる。
【0055】多層膜構造を有する反射膜として、上述の
各種材料以外の誘電体材料を用いることも可能である。
例えば、SiNx膜とTiO2膜との積層構造や、SiN
x膜とTa25膜との積層構造を用いることも可能であ
る。
【0056】図8に、さらに他の積層構造を有する低反
射膜の反射率を示す。横軸は波長を単位「nm」で表
し、縦軸は反射率を単位「%」で表す。図中の曲線h1
は、誘電体として窒化シリコンと酸化シリコンとを用い
た5層構造の低反射膜の反射率を示す。第1層目は厚さ
100nmの端面成長膜、第2層目は厚さ246.6n
mの窒化シリコン膜、第3層目は厚さ22.9nmの酸
化シリコン膜、第4層目は厚さ295.7nmの窒化シ
リコン膜、第5層目は厚さ133.7nmの酸化シリコ
ン膜である。
【0057】図中の曲線h2は、誘電体として窒化シリ
コンと酸化シリコンとを用いた7層構造の低反射膜の反
射率を示す。第1層目は厚さ100nmの端面成長膜、
第2層目は厚さ129.1nmの窒化シリコン膜、第3
層目は厚さ457.6nmの酸化シリコン膜、第4層目
は厚さ114.7nmの窒化シリコン膜、第5層目は厚
さ292.2nmの酸化シリコン膜、第6層目は厚さ2
95.5nmの窒化シリコン膜、第7層目は厚さ19
8.8nmの酸化シリコン膜である。
【0058】図中の曲線h3は、誘電体としてTa25
と酸化シリコンとを用いた5層構造の低反射膜の反射率
を示す。第1層目は厚さ100nmの端面成長膜、第2
層目は厚さ133.6nmのTa25膜、第3層目は厚
さ410.5nmの酸化シリコン膜、第4層目は厚さ2
37.5nmのTa25膜、第5層目は厚さ230.9
nmの酸化シリコン膜である。
【0059】図8に示したいずれの低反射膜において
も、信号光の波長域1.55μmにおける反射率が0.
5%以下になっており、励起光の波長域0.98μmに
おける反射率が約2%になっている。
【0060】上記実施例では、半導体レーザ装置の低反
射膜の反射率の好適な範囲の上限を示した。理論的に
は、信号光の波長における低反射膜の反射率は0%であ
ることが好ましい。ところが、現実には、信号光の波長
における反射率を0%にすることは困難である。設計の
容易さ、製造上の歩留まり等の制約から、現実的には、
この反射率の下限値を0.01%とすることが好まし
い。
【0061】上記実施例では、信号光の波長が1.55
μm、励起用レーザ光の波長が0.98μmである場合
を例にとって説明したが、これらのレーザ光の波長がそ
の他の波長であっても、上記実施例を適用することが可
能である。
【0062】図7(A)、(B)、及び図8に示したよ
うに、低反射膜の反射率のスペクトルは、励起光の波長
(980nm)と信号光の波長(1550nm)との間
に少なくとも一つの極大値を示す。
【0063】また、低反射膜の反射率のスペクトルが、
励起光の波長を中心とし、その波長の±5%の範囲内で
少なくとも一つの極小値を示すようにすることが好まし
い。さらに、低反射膜の反射率のスペクトルが、信号光
の波長を中心とし、その波長の±5%の範囲内で少なく
とも一つの極小値を示すようにすることが好ましい。
【0064】低反射膜の反射率のスペクトルをこのよう
な形状とすることにより、励起光の波長と信号光の波長
とで反射率が低くなるような低反射膜を、容易に設計す
ることができる。例えば、低反射膜の各層を薄くし、層
数を少なくすることが可能になる。また、製造上のばら
つきにより、極小値を示す波長がずれたとしても、励起
光及び信号光の波長における反射率の変動を少なくする
ことができる。
【0065】次に、図2に示した光ファイバ6の端面処
理について説明する。通常、光ファイバ6の入射端面
は、半導体レーザ装置20から出射された励起光が効率
よく光ファイバ6に導入されるように、励起光の波長に
おいて反射率が低くなるように低反射膜が形成されてい
る。ところが、信号光の波長における反射率は特に調節
されていない。信号光が、光ファイバ6の出射端面で反
射して光ファイバ6内に戻る戻り光の強度を低下させる
ために、信号光の波長においても反射率を低くすること
が好ましい。少なくとも、無コーティング時の反射率よ
りも低くすることが好ましい。
【0066】励起光導入用の光ファイバ6の入射端面に
形成された低反射膜の反射率のスペクトルが、励起光の
波長と信号光の波長との間に、少なくとも一つの極大値
を持つような特性とすることが好ましい。これにより、
低反射膜の設計を容易に行うことができる。また、低反
射膜の反射率のスペクトルが、励起光の波長を中心と
し、その波長の±5%の範囲内で少なくとも一つの極小
値を示すようにすることが好ましい。さらに、低反射膜
の反射率のスペクトルが、信号光の波長を中心とし、そ
の波長の±5%の範囲内で少なくとも一つの極小値を示
すようにすることが好ましい。
【0067】光ファイバ6の入射端面上の低反射膜は、
例えば、光ファイバ6の出射端面上に、厚さ26.1n
mの第1層目Ta25膜、厚さ418.7nmの第2層
目SiO2膜、厚さ300.4nmの第3層目Ta25
膜、及び厚さ191.4nmの第4層目SiO2膜がこ
の順番に積層された4層構造とすることができる。Ta
25及びSiO2の屈折率は、それぞれ2.14及び
1.46である。なお、光ファイバ6のコアの屈折率は
1.46である。
【0068】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポンピングレーザモジュールで反射して光ファイバ増幅
器に戻る信号光の強度を低減することにより、戻り光に
起因するノイズを低減し、伝送品質の低下を防止するこ
とができる。これにより、より広帯域の光伝送を行うこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による光伝送装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の実施例による光伝送装置で用いられる
ポンピングレーザモジュールの断面図である。
【図3】本発明の実施例による半導体レーザ装置の斜視
図及び側面図である。
【図4】図4(A)は、本発明の実施例による半導体レ
ーザ装置に用いられる低反射膜の反射率の波長依存性
を、従来の低反射膜の反射率と対比して示すグラフであ
り、図4(B)は、高反射膜の反射率の波長依存性を、
従来の高反射膜の反射率と対比して示すグラフである。
【図5】本発明の実施例による半導体レーザ装置に用い
られる低反射膜及び高反射膜の材料の屈折率の波長依存
性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例による半導体レーザ装置の低反
射膜の層数を3層、5層、及び8層とした場合の反射率
の波長依存性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例による半導体レーザ装置の低反
射膜を、SiNx膜とSiO2膜とで構成した場合の反射
率の波長依存性を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例による半導体レーザ装置の低反
射膜の層数や誘電体を変えた場合の反射率の波長依存性
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 信号光源 2 送信側光ファイバ 3 Erドープ光ファイバ増幅器 4 受信側光ファイバ 5 受信装置 6 光ファイバ 6A ファイバブラッググレーティング 10 ポンピングレーザモジュール 11 パッケージ 12 ペルチェモジュール 13 ベース材 14 チップキャリア 16 ファイバ固定部材 17 スリーブ 18 フォトダイオード 20 半導体レーザ装置 21 基板 22 下部電極 23 保護膜 24 上部電極 25 下部クラッド層 26a 下部SCH層 26b 上部SCH層 27 活性層 28 上部クラッド層 29 キャップ層 30 リッジ部分 40 出射端面 41 端面成長膜 42A、42B Al23膜 43A アモルファスシリコン膜 45 低反射膜 50 背面 51 端面成長膜 52A、52B、52C、52D SiO2膜 53A、53B、53C アモルファスシリコン膜 55 高反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/28 (72)発明者 杉原 左樹子 神奈川県横浜市西区岡野2丁目4番3号 古河電気工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 5F072 AB09 AK06 JJ20 PP07 5F073 AA13 AA45 AA67 AA74 AA83 AA84 AB25 AB28 BA03 CA07 CB20 DA05 DA22 DA33 DA35 EA03 EA26 EA27 EA28 FA02 FA07 FA25 5K102 AA01 AD01 KA12 KA42 PB05 PC03 PC13 PH13 RB02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光を伝送する送信側光伝送路と、 前記送信側光伝送路の下流側の端部に接続され、該送信
    側光伝送路を伝送された前記信号光が入射し、該信号光
    の波長とは異なる波長を有する励起光の作用によって該
    信号光を増幅する光ファイバ増幅器と、 前記光ファイバ増幅器により増幅された前記信号光が入
    射し、入射した該信号光を伝送する受信側光伝送路と、 前記励起光を発生し、該励起光を前記光ファイバ増幅器
    に導入する励起光源とを有し、 前記励起光源は、 前記光ファイバ増幅器に入力される励起光を出射する出
    射面と、 前記出射面とともに光共振器を画定する背面と、 前記光共振器内に配置された発光領域と、 前記出射面上に形成された低反射膜と、 前記背面上に形成され、前記励起光の波長における反射
    率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光の波
    長における反射率が20%以下である高反射膜とを含む
    光伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記低反射膜の反射率のスペクトルが、
    前記励起光の波長と前記信号光の波長との間に少なくと
    も1つの極大値をもつ請求項1に記載の光伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記低反射膜の反射率のスペクトルは、
    前記励起光の波長を中心とし、該励起光の波長の±5%
    の範囲内で少なくとも一つの極小値を示す請求項1また
    は2に記載の光伝送装置。
  4. 【請求項4】 前記低反射膜の反射率のスペクトルは、
    前記信号光の波長を中心とし、該信号光の波長の±5%
    の範囲内で少なくもと一つの極小値を示す請求項1〜3
    のいずれかに記載の光伝送装置。
  5. 【請求項5】 前記信号光の波長における前記低反射膜
    の反射率が2%以下である請求項1〜4のいずれかに記
    載の光伝送装置。
  6. 【請求項6】 前記励起光の波長における前記高反射膜
    の反射率が85%以上であり、前記低反射膜の反射率が
    15%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光伝
    送装置。
  7. 【請求項7】 信号光を伝送する送信側光伝送路と、 前記送信側光伝送路の下流側の端部に接続され、該送信
    側光伝送路を伝送された前記信号光が入射し、該信号光
    の波長とは異なる波長を有する励起光の作用によって該
    信号光を増幅する光ファイバ増幅器と、 前記光ファイバ増幅器により増幅された前記信号光が入
    射し、入射した該信号光を伝送する受信側光伝送路と、 前記励起光を発生し、該励起光を前記光ファイバ増幅器
    に導入する励起光源とを有し、 前記励起光源は、 前記光ファイバ増幅器に入力される励起光を出射する出
    射面と、 前記出射面とともに光共振器を画定する背面と、 前記光共振器内に配置された発光領域と、 前記出射面上に形成され、前記信号光の波長における反
    射率が、前記励起光の波長における反射率以下である低
    反射膜と、 前記背面上に形成され、前記励起光の波長における反射
    率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光の波
    長における反射率が、前記励起光の波長における反射率
    の1/10以下である高反射膜とを含む光伝送装置。
  8. 【請求項8】 励起光の作用によって信号光を増幅する
    光ファイバ増幅器の励起光を出射する半導体レーザ装置
    であって、 出射端面と背面とが画定され、キャリアの注入によって
    誘導放出が生ずる活性層を含む半導体積層構造と、 前記出射端面上に形成された低反射膜と、 前記背面上に形成され、前記励起光の波長における反射
    率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光の波
    長における反射率が20%以下である高反射膜とを有す
    る半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記低反射膜の反射率のスペクトルが、
    前記励起光の波長と前記信号光の波長との間に少なくと
    も1つの極大値をもつ請求項8に記載の半導体レーザ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記低反射膜の反射率のスペクトル
    は、前記励起光の波長を中心とし、該励起光の波長の±
    5%の範囲内で少なくとも一つの極小値を示す請求項8
    または9に記載の半導体レーザ装置。
  11. 【請求項11】 前記低反射膜の反射率のスペクトル
    は、前記信号光の波長を中心とし、該信号光の波長の±
    5%の範囲内で少なくもと一つの極小値を示す請求項8
    〜10のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  12. 【請求項12】 前記信号光の波長における前記低反射
    膜の反射率が2%以下である請求項8〜11のいずれか
    に記載の半導体レーザ装置。
  13. 【請求項13】 前記励起光の波長における前記高反射
    膜の反射率が85%以上であり、前記低反射膜の反射率
    が15%以下である請求項8〜12のいずれかに記載の
    半導体レーザ装置。
  14. 【請求項14】 励起光の作用によって信号光を増幅す
    る光ファイバ増幅器の励起光を出射する半導体レーザ装
    置であって、 出射端面と背面とが画定され、キャリアの注入によって
    誘導放出が生ずる活性層を含む半導体積層構造と、 前記出射端面上に形成され、前記信号光の波長における
    反射率が、前記励起光の波長における反射率以下である
    低反射膜と、 前記反射端面上に形成され、前記励起光の波長における
    反射率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光
    の波長における反射率が、前記励起光の波長における反
    射率の1/10以下である高反射膜とを有する半導体レ
    ーザ装置。
  15. 【請求項15】 信号光を伝送する送信側光伝送路と、 前記送信側光伝送路の下流側の端部に接続され、該送信
    側光伝送路を伝送された前記信号光が入射し、該信号光
    の波長とは異なる波長を有する励起光の作用によって該
    信号光を増幅する光ファイバ増幅器と、 前記光ファイバ増幅器により増幅された前記信号光が入
    射し、入射した該信号光を伝送する受信側光伝送路と、 前記励起光を発生する励起光源と、 入射端面において前記励起光源に光結合し、該励起光源
    から発生された励起光を前記光ファイバ増幅器に導入す
    る励起光導入用光ファイバと、 前記励起光導入用光ファイバの前記入射端面上に形成さ
    れ、前記信号光の波長における反射率を、無コーティン
    グ状態の該入射端面の反射率よりも低くする低反射膜と
    を有する光伝送装置。
  16. 【請求項16】 前記励起光導入用光ファイバの前記入
    射端面に形成された低反射膜の反射率のスペクトルが、
    前記励起光の波長と前記信号光の波長との間に、少なく
    とも一つの極大値を持つ請求項15に記載の光伝送装
    置。
  17. 【請求項17】 前記励起光源は、 前記光ファイバ増幅器に入力される励起光を出射する出
    射面と、 前記出射面とともに光共振器を画定する背面と、 前記光共振器内に配置された発光領域と、 前記出射面上に形成された低反射膜と、 前記背面上に形成され、前記励起光の波長における反射
    率が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記信号光の波
    長における反射率が20%以下である高反射膜とを含む
    請求項15または16に記載の光伝送装置。
  18. 【請求項18】 (a)第1の波長の信号光を増幅する
    光ファイバ増幅器に、第2の波長の励起用レーザ光を導
    入するための半導体レーザ装置の製造方法であって、 (b)出射端面と背面とが画定されており、キャリアの
    注入により誘導放出を生じさせ、該出射端面から第2の
    波長の励起用レーザ光を出射する半導体レーザ積層構造
    を形成する工程と、 (c)前記半導体レーザ積層構造の前記出射端面に形成
    する低反射膜の、前記第1の波長及び第2の波長におけ
    る反射率を決定する工程と、 (d)前記半導体レーザ積層構造の前記背面に形成する
    高反射膜の、前記第1の波長における反射率を決定する
    工程と、 (e)前記第1の波長及び前記第2の波長における反射
    率が、前記工程(c)で決定された反射率以下となるよ
    うに、前記出射端面上に低反射膜を形成する工程と、 (f)前記背面上に、前記第2の波長における反射率
    が、前記低反射膜のそれよりも高く、前記第1の波長に
    おける反射率が、前記工程(d)で決定された反射率以
    下となるように高反射膜を形成する工程とを有する半導
    体レーザ装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(c)において、前記第1の
    波長における反射率が、前記第2の波長における反射率
    以下になるように反射率を決定する請求項18に記載の
    半導体レーザ装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記工程(c)において、前記第1の
    波長における反射率が2%以下になり、前記第2の波長
    における反射率が15%以下になるように反射率を決定
    する請求項18に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記工程(d)において、前記第1の
    波長における前記高反射膜の反射率が20%以下になる
    ように反射率を決定する請求項18〜20のいずれかに
    記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012080138A (ja) * 2012-01-24 2012-04-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ増幅器
WO2021187081A1 (ja) * 2020-03-17 2021-09-23 パナソニック株式会社 半導体レーザ素子

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