JP2003142756A - 磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子基板及びその製造方法 - Google Patents

磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子基板及びその製造方法

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JP2003142756A
JP2003142756A JP2001342874A JP2001342874A JP2003142756A JP 2003142756 A JP2003142756 A JP 2003142756A JP 2001342874 A JP2001342874 A JP 2001342874A JP 2001342874 A JP2001342874 A JP 2001342874A JP 2003142756 A JP2003142756 A JP 2003142756A
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Yoshihiro Nishiyama
義弘 西山
Naoya Hasegawa
直也 長谷川
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CPP型の磁気検出素子のハイト出し加工を
適切に行うことができると共に、製造工程数を増やすこ
となく前記モニタ素子を形成することができる素子基板
及びその製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】 磁気検出素子21がCPP型素子である
のに対し、モニタ素子22の素子両側端部I上に上部シ
ールド層32を形成し、前記モニタ素子22をCIP型
素子にする。これによってハイト出し加工時における前
記モニタ素子22の電気抵抗値を大きくでき、且つばら
つきを小さくでき、従来に比べてより適切にハイト出し
加工を行うことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気検出素子と、
電気抵抗値を測定しながら前記磁気検出素子のハイト方
向への長さ寸法を決定するためのモニタ素子とが設けら
れた素子基板に係り、特に磁気検出素子がCPP型素子
であってもハイト出し加工時における前記モニタ素子の
電気抵抗値の急激な低下やばらつきを抑えることが可能
な素子基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は従来における素子基板の部分斜
視図である。符号1は例えばアルミナチタンカーバイト
(Al23−TiC)などで形成された素子基板であ
り、この素子基板1上に複数の磁気検出素子2が複数の
列にわたって形成されている。また各列において最も右
端に形成されている素子がモニタ素子3である。前記磁
気検出素子2とは、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)や
トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)を利用して記録媒
体に記録された信号を読み取る再生用素子である。
【0003】磁気検出素子2とモニタ素子3とが設けら
れた素子基板1は、まず各列毎に切断される(二点鎖線
の位置をA方向から切断)。切断された素子基板1はス
ライダバーと呼ばれるものであり、さらにこのスライダ
バーから各磁気検出素子2毎に前記素子基板1を切断し
(点線の位置をB方向から切断)、そして磁気検出素子
2が一個設けられた素子基板1(この素子基板をスライ
ダと呼ぶ)を、磁気ヘッド装置に搭載する。
【0004】図17は図16に示す磁気検出素子2とモ
ニタ素子3とをX−Z平面と平行な方向から切断し、前
記磁気検出素子2及びモニタ素子3を素子基板1の正面
方向(図14に示すE方向)から見た際の部分断面図で
ある。
【0005】図17に示すように前記素子基板1上には
Al23などの絶縁層4を介して磁性材料製の下部シー
ルド層5が設けられている。前記下部シールド層5上に
は、図示左側に磁気検出素子2が、図示右側にモニタ素
子3がそれぞれ形成されている。
【0006】前記磁気検出素子2とモニタ素子3の素子
中央部Cは、共に下からPtMn合金などの反強磁性層
6、NiFe合金などの固定磁性層7、Al23などの
バリア層8、NiFe合金などのフリー磁性層9及びT
aなどの保護層10の順に積層形成されている。前記素
子中央部Cの図示X方向(トラック幅方向)の両側に
は、下からAl23などのギャップ層11、およびCo
PtCrなどのハードバイアス層12の順で積層された
素子両側端部Dが設けられている。
【0007】また図17に示すように前記磁気検出素子
2とモニタ素子3間は、Al23などの絶縁層13によ
って埋められており、さらに前記磁気検出素子2及びモ
ニタ素子3上には上部電極14が形成されている。前記
上部電極14は、少なくとも前記磁気検出素子2及びモ
ニタ素子3の素子中央部C上に電気的に接続された状態
になっている。
【0008】前記磁気検出素子2及びモニタ素子3の膜
構成は、共に固定磁性層7とフリー磁性層9間に絶縁性
のバリア層8が設けられた、トンネル磁気抵抗効果(T
MR効果)を利用した素子構造である。
【0009】この従来例では、下部シールド層5と上部
電極14とが電極としての役割を有しており、前記下部
シールド層5と上部電極14間に流れる電流は、磁気検
出素子2及びモニタ素子3の素子中央部Cを膜厚方向に
流れ、このような電流流れの方向を有する磁気素子はC
PP(current perpendicular to the plane)型素
子と呼ばれている。
【0010】前記モニタ素子3は、磁気検出素子2のハ
イト方向(図示Y方向)への長さ寸法を、自身の電気抵
抗値を測定しながら決定するために用いられるもので、
前記磁気検出素子2及びモニタ素子3を、基板1の正面
方向Eから砥粒等で図示Y方向に削り込んでいき(ハイ
ト出し加工)、一点鎖線の位置Kで、前記モニタ素子3
の電気抵抗値がある所定値に達したら、その時点で前記
ハイト出し加工を終了する。このモニタ素子3の電気抵
抗値を測定しながらハイト出し加工を行うことで、スラ
イダバーに形成された複数の、後に製品化される磁気検
出素子2をすべてハイト方向への長さ寸法が同じで且つ
所定の電気抵抗値を有するものとして製造することがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のハ
イト出し加工の際に以下のような課題が生じた。すなわ
ちハイト出し加工の際に、素子基板1の正面から露出す
る固定磁性層7やフリー磁性層9が砥粒による削り込み
によってだれてしまい(スメアリングの発生)、前記固
定磁性層7とフリー磁性層9とが電気的に繋がった状態
になってしまうのである。
【0012】これは前記固定磁性層7とフリー磁性層9
間に形成される絶縁性のバリア層8が非常に薄い膜厚で
形成されていることと、前記磁性層の延性のため等であ
る。
【0013】そして上記のように前記固定磁性層7とフ
リー磁性層9とが電気的に繋がった状態になると、素子
中央部Cを膜厚方向(図示Z方向)に流れる電流は、図
18(素子中央部CをY−Z平面と平行な方向から切断
した部分拡大断面図)に示すように、バリア層8を介さ
ずに、フリー磁性層9から固定磁性層7へ短絡し、前記
モニタ素子3の電気抵抗値は急激に低下する。
【0014】またさらに砥粒によるハイト出し加工を行
い続けると、ある時点で、前記固定磁性層7やフリー磁
性層9に発生していただれが一旦、除去されるため、非
常に小さくなっていたモニタ素子3の電気抵抗値は今度
は急激に大きくなる。
【0015】このように前記モニタ素子3が、磁気検出
素子2と同様のCPP型であるトンネル磁気抵抗効果を
利用した素子構成である場合には、ハイト出し加工の際
の前記モニタ素子3の電気抵抗値のばらつきが激しく、
正確な電気抵抗値を把握できないため、適切に磁気検出
素子2のハイト方向(図示Y方向)への長さ寸法を決定
することができなかった。
【0016】また前記磁気検出素子2及びモニタ素子3
のバリア層8である部分が、Cuなどの非磁性導電材料
で形成された、CPP型のスピンバルブ型薄膜素子であ
る場合には、ハイト出し加工を行っても、そもそもモニ
タ素子3の電気抵抗値が小さすぎるため、電気抵抗値そ
のものの測定が困難で適切に磁気検出素子2のハイト方
向(図示Y方向)への長さ寸法を決定することができな
かった。
【0017】そこで本発明は、上記の課題を解決するた
めになされたものであって、特にモニタ素子をCIP型
の磁気素子にすることで、CPP型の磁気検出素子のハ
イト出し加工を適切に行うことができると共に、製造工
程数を増やすことなく前記モニタ素子を形成することが
可能な磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子基板及
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気検出素子
と、電気抵抗値を測定しながら前記磁気検出素子のハイ
ト方向への長さ寸法を決定するためのモニタ素子とが設
けられた素子基板において、前記素子基板上には絶縁層
を介して下部シールド層が形成され、この下部シールド
層上に前記磁気検出素子及びモニタ素子が設けられ、前
記磁気検出素子は、少なくとも素子中央部上に上部シー
ルド層が設けられ、前記上部シールド層と下部シールド
層とを電極として前記素子中央部の膜厚方向に電流を流
すCPP型素子であり、前記モニタ素子は素子中央部上
のトラック幅方向の両側に上部シールド層が設けられ、
一対の前記上部シールド層を電極として前記素子中央部
の膜面方向に電流を流すCIP型素子であることを特徴
とするものである。
【0019】まず「素子基板」なる文言であるが、「素
子基板」とは、例えばアルミナチタンカーバイト(Al
23−TiC)からなる基板上に少なくとも一個以上の
磁気検出素子とモニタ素子とが複数の列をなして形成さ
れているブロック状態、あるいは一つの列のみが形成さ
れているスライダバー状態のいずれの状態をも指してい
る。
【0020】上記したように本発明では、磁気検出素子
はCPP(current perpendicularto the plane)型
素子であるのに対し、モニタ素子はCIP型素子であ
る。CIP(current in the plane)とは、電流を
素子中央部の膜面と平行な方向に流すことを意味するが
CIP型素子とすることで、ハイト出し加工の際に高い
電気抵抗値を取ることができ、また電気抵抗値のばらつ
きも少ない。
【0021】よって本発明では、磁気検出素子がCPP
型素子であっても、ハイト出し加工の際にモニタ素子の
高く且つばらつきの少ない電気抵抗値を測定することが
でき、従って従来に比べて前記モニタ素子の電気抵抗値
を測定しながら、前記磁気検出素子のハイト方向への長
さ寸法をより正確に調整することができる。
【0022】また上記したように、上部シールド層は、
磁気検出素子の少なくとも素子中央部上に形成されCP
P型素子の上部電極として機能し、また前記上部シール
ド層はモニタ素子の素子中央部上の両側に形成されCI
P型素子の電極として機能している。すなわち上部シー
ルド層の形成位置を磁気検出素子上とモニタ素子上とで
適切に変えるだけで、それぞれの素子の電極として機能
させることができるから、従来に比べて製造工程数が増
えるといったことはなく、容易にCPP型の磁気検出素
子とCIP型のモニタ素子とを形成することが可能にな
っている。
【0023】本発明では、前記磁気検出素子の前記素子
中央部は、反強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層とフ
リー磁性層とを有して形成され、前記素子中央部のトラ
ック幅方向の両側には絶縁層とバイアス層とを有する素
子両側端部が設けられ、前記モニタ素子は、前記磁気検
出素子の素子中央部及び素子両側端部と同じ膜構成で形
成され、前記モニタ素子のバイアス層上に前記上部シー
ルド層が設けられていることが好ましい。
【0024】この発明では、前記磁気検出素子とモニタ
素子とは同じ膜構成を有している。違うのは上記したよ
うに、磁気検出素子上及びモニタ素子上に形成される電
極となる上部シールド層の形成位置である。
【0025】上記の発明では、前記モニタ素子を前記磁
気検出素子と同じ工程時に形成することができるから、
前記モニタ素子の形成が煩雑化するといった不具合は生
じない。
【0026】また本発明では、前記モニタ素子の素子中
央部及び素子両側端部は、ある一種の金属材料の層のみ
で形成され、前記素子両側端部上に前記上部シールド層
が設けられていることが好ましい。
【0027】この発明は上記と異なって、素子中央部及
び素子両側端部の膜構成が磁気検出素子のそれとは異な
る。この発明では、前記モニタ素子が、ある一種の金属
材料の層のみで構成され、その素子両側端部上に電極と
なる上部シールド層が形成されている。
【0028】前記モニタ素子を構成する金属材料膜に
は、膜面と平行な方向に電流が流れるため、ハイト出し
加工の際における、前記金属材料膜の電気抵抗値は大き
く、正確な電気抵抗値の測定を行うことが可能である。
【0029】また特に一種の金属材料膜のみで形成され
たモニタ素子では、前記ハイト出し加工の際にスメアリ
ングの発生によって絶縁層を挟んだ磁性層どうしが短絡
するといった従来の問題がそもそも生じない。このため
前記モニタ素子の電気抵抗値はばらつかず、正確な電気
抵抗値の測定を行うことが可能である。
【0030】本発明では、前記モニタ素子の素子中央部
及び素子両側端部は、前記バイアス層と同じ材質の層の
みで形成されることが好ましい。これによって前記モニ
タ素子を、製造工程数を増やすことなく容易に形成する
ことができる。
【0031】なお本発明では、前記モニタ素子の素子中
央部及び素子両側端部は、前記バイアス層の材質以外の
金属材料の層で形成されてもよい。
【0032】また本発明では、前記非磁性材料層とは絶
縁性のバリア層であるか、あるいは非磁性導電材料で形
成された層であることが好ましい。
【0033】また本発明では、前記モニタ素子と下部シ
ールド層との間には絶縁性のギャップ層が設けられるこ
とが好ましい。これによってモニタ素子に流れる電流が
前記下部シールド層へ分流するといった不具合を防ぐこ
とができる。
【0034】次に本発明は、磁気検出素子と、電気抵抗
値を測定しながら前記磁気検出素子のハイト方向への長
さ寸法を決定するためのモニタ素子とが設けられた素子
基板の製造方法において、(a)素子基板上に絶縁層を
介して下部シールド層を形成する工程と、(b)前記下
部シールド層上に磁気検出素子及びモニタ素子を形成す
る工程と、(c)前記磁気検出素子の、少なくとも素子
中央部上に上部シールド層を形成すると同時に、前記モ
ニタ素子の素子中央部上の両側端部上に前記上部シール
ド層を形成する工程と、を有することを特徴とするもの
である。
【0035】上記した発明では、上部シールド層を、C
PP型の磁気検出素子の電極として、またCIP型のモ
ニタ素子の電極として同工程で同時に形成することがで
きるので、従来に比べて、前記モニタ素子の製造工程数
を増やすこと無く形成することができる。
【0036】また本発明では、前記(b)工程及び
(c)工程に代えて、(d)磁気検出素子及びモニタ素
子を、前記下部シールド層上に反強磁性層と固定磁性層
と非磁性材料層とフリー磁性層とを有して形成された素
子中央部と、前記素子中央部のトラック幅方向の両側に
ギャップ層とバイアス層とが設けられた素子両側端部と
で形成する工程と、(e)前記磁気検出素子の、少なく
とも素子中央部上に上部シールド層を形成すると同時
に、前記モニタ素子の素子両側端部のバイアス層上に上
部シールド層を形成する工程、とを有することが好まし
い。
【0037】上記した製造工程を用いれば、モニタ素子
を磁気検出素子と全く同じ膜構成で形成できるので、前
記モニタ素子の製造が煩雑化するといった不具合は発生
しない。
【0038】また本発明では、前記(b)工程及び
(c)工程に代えて、(f)磁気検出素子を、前記下部
シールド層上に反強磁性層と固定磁性層と絶縁性のバリ
ア層あるいは非磁性材料層とフリー磁性層とを有して形
成された素子中央部と、前記素子中央部のトラック幅方
向の両側にギャップ層とバイアス層とが設けられた素子
両側端部とで形成し、前記バイアス層の形成と同時に、
前記バイアス層と同じ材質でモニタ素子の素子中央部及
び素子両側端部を形成する工程と、(g)前記磁気検出
素子の、少なくとも素子中央部上に上部シールド層を形
成すると同時に、前記モニタ素子の素子両側端部上に上
部シールド層を形成する工程と、を有することが好まし
い。
【0039】上記した発明では、モニタ素子は、バイア
ス層と同じ材質の層のみで形成されるが、前記磁気検出
素子におけるバイアス層の形成時と同じときに前記モニ
タ素子を形成できるので、前記モニタ素子の形成が煩雑
化するといった問題は発生しない。
【0040】また本発明では、前記(b)工程及び
(c)工程に代えて、(h)磁気検出素子を、前記下部
シールド層上に反強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層
とフリー磁性層とを有して形成された素子中央部と、前
記素子中央部のトラック幅方向の両側にギャップ層とバ
イアス層とが設けられた素子両側端部とで形成し、前記
モニタ素子の素子中央部及び素子両側端部を、前記バイ
アス層の材質とは別の金属材料で形成する工程と、
(i)前記磁気検出素子の、少なくとも素子中央部上に
上部シールド層を形成すると同時に、前記モニタ素子の
素子両側端部上に上部シールド層を形成する工程と、を
有していてもよい。
【0041】また本発明では、前記非磁性材料層を絶縁
材料で形成するか、あるいは非磁性導電材料で形成する
ことが好ましい。
【0042】また本発明では、前記(b)工程、(d)
工程、(f)工程、(h)工程で、モニタ素子を形成す
る前に、前記下部シールド層上に絶縁性のギャップ層を
形成し、その上にモニタ素子を形成することが好まし
い。これによってモニタ素子の素子中央部に流れる電流
が下部シールド層側へ分流することを適切に防ぐことが
可能になる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は本発明における素子基板の
構造を説明するための部分斜視図である。符号20は素
子基板であり、前記素子基板20は、例えばアルミナチ
タンカーバイト(Al23−TiC)などのセラミック
材で形成される。
【0044】図1に示すように素子基板20表面には、
複数の磁気検出素子21が形成されている。これら磁気
検出素子21は、前記素子基板20上に複数の列を成し
て形成されている。図1に示す最も右側に形成されてい
る素子はモニタ素子22である。この実施形態では、前
記モニタ素子22は、各列の一番右端にのみ形成されて
いるが、列内に複数個設けられていてもよい。
【0045】図1に示すように、素子基板20上に複数
の列を成して磁気検出素子21及びモニタ素子22が形
成された状態を「ブロック」と呼ぶ。このブロックの状
態から前記素子基板20を一列の磁気検出素子21及び
モニタ素子22毎に切断した状態をスライダバーと呼
ぶ。図1に示す、二点鎖線の位置から前記素子基板20
を矢印F方向に切断するとスライダバーとなり、このス
ライダバーの状態にした後、モニタ素子22の電気抵抗
値を測定しながら素子基板20正面20aをハイト方向
(図示Y方向)に砥粒等を用いて研磨し(これをハイト
出し加工と呼ぶ)、前記ハイト出し加工を前記モニタ素
子22の電気抵抗値が所定値となる一点鎖線の位置Jま
で行う。このハイト出し加工を行うことで、全ての磁気
検出素子21が同じハイト長さで、且つ所定の電気抵抗
値を有する状態になる。
【0046】前記ハイト出し加工を終了した後、前記素
子基板20の正面20aに、レール面等の形成を行い、
さらに前記素子基板20を点線位置から矢印G方向に切
断することで、素子基板(スライダ)20に一個の磁気
検出素子21が設けられた磁気ヘッドとなり、前記磁気
ヘッドは、ジンバル等からなる磁気ヘッド装置に組み込
まれる。
【0047】一方、一個のモニタ素子22が設けられた
素子基板20は、前記モニタ素子22が磁気抵抗効果を
発揮する膜構成で形成されていれば磁気ヘッドとして用
いることもできるが、通常は廃棄される。
【0048】以下、本発明における磁気検出素子21及
びモニタ素子22の構造について詳述する。図2は、図
1に示す素子基板20をX−Z平面と平行な方向から切
断し、さらにこの断面を素子基板20の正面20a側か
ら見た際の部分断面図である。
【0049】図2に示すように前記素子基板20上に
は、Al23やSiO2などの絶縁材料で形成された絶
縁層23が形成されている。前記絶縁層23上にはNi
Fe合金などの磁性材料製の下部シールド層24が形成
されている。
【0050】図2に示す図示左側の素子は磁気検出素子
21であり、前記磁気検出素子21の素子中央部Hは、
下からPtMn合金などの反強磁性材料で形成された反
強磁性層25、NiFe合金などの磁性材料で形成され
た固定磁性層26、Al23やSiO2などの絶縁材料
で形成されたバリア層27、NiFe合金などの磁性材
料で形成されたフリー磁性層28、及びTaなどで形成
された保護層29(この保護層29は上部ギャップ層と
して機能する)がこの順で形成されている。図示されて
いないが、前記反強磁性層25と下部シールド層24と
の間にTaなどで形成された下地層が形成されているこ
とが好ましい。この下地層を下部ギャップ層として機能
させることができる。
【0051】図2に示すように、素子中央部Hのトラッ
ク幅方向(図示X方向)の両側には、下からAl23
SiO2などで形成されたギャップ層30、およびCo
PtCrなどで形成されたハードバイアス層31がこの
順で積層されている。この領域を以下では素子両側端部
Iと呼ぶ。
【0052】図2に示すように、少なくとも前記素子中
央部H上には上部シールド層32が形成されている。前
記上部シールド層32は前記素子中央部H上に電気的に
接続された状態である必要があり、一方、ハードバイア
ス層31と前記上部シールド層32間には、Al23
SiO2などで形成されたギャップ層(このギャップ層
を以下では第2エクストラギャップ層と呼ぶ)33が介
在することが好ましい。この第2エクストラギャップ層
33が前記ハードバイアス層31と上部シールド層32
間に挟まれていることで、前記上部シールド層32から
前記素子中央部部Hへ流れる電流が前記ハードバイアス
層31に分流することを適切に防ぐことができる。
【0053】図2に示す実施形態では、前記下部シール
ド層24及び上部シールド層32が前記磁気検出素子2
1の電極として機能する。そして前記シールド層24、
32間に電流が流れることで前記電流は前記磁気検出素
子21の素子中央部Hを膜厚方向(図示Z方向と平行な
方向)に流れる。このような電流の流れ方をCPP(cu
rrent perpendicular to the plane)型と呼ぶ。
【0054】図2に示す前記磁気検出素子21の膜構成
は、トンネル型磁気抵抗効果型素子と呼ばれる構造であ
る。トンネル型磁気抵抗効果型素子では、フリー磁性層
28と固定磁性層26に電圧を印加すると、バリア層2
7を電流(トンネル電流)が流れ、トンネル効果が発揮
される。
【0055】トンネル型磁気抵抗効果型素子では、固定
磁性層26の磁化は反強磁性層25との間で発生する交
換結合磁界によって図示Y方向に固定され、フリー磁性
層28の磁化は図示X方向に揃えられ、外部磁界の影響
を受けて磁化方向は変動するようになっている。前記フ
リー磁性層28の磁化はハードバイアス層31からのバ
イアス磁界によって図示X方向に揃えられる。
【0056】固定磁性層26とフリー磁性層28との磁
化が反平行の場合に、トンネル電流は最も流れにくくな
り、抵抗値は最大になり、固定磁性層26とフリー磁性
層28との磁化が平行の場合に、トンネル電流は最も流
れ易くなり、抵抗値は最小になる。
【0057】そして、外部磁界の影響を受けてフリー磁
性層28の磁化が変動することにより、変化する電気抵
抗を電圧変化としてとらえ、記録媒体からの洩れ磁界が
検出されるようになっている。
【0058】前記トンネル型磁気抵抗効果型素子は、C
IP型のスピンバルブ型薄膜素子などに比べて抵抗変化
率を大きくできるなどの利点がある。
【0059】図2に示すモニタ素子22は、その素子中
央部H及び素子両側端部Iの膜構成が前記磁気検出素子
21のそれと全く同じである。すなわち前記モニタ素子
22の素子中央部Hは、下から反強磁性層25、固定磁
性層26、バリア層27、フリー磁性層28及び保護層
29の順で積層されている。また前記素子両側端部Iは
下からギャップ層30及びハードバイアス層31の順に
積層形成されている。
【0060】図1に示す磁気検出素子21とモニタ素子
22との異なる点は、前記上部シールド層32の形成位
置にある。前記上部シールド層32は前記モニタ素子2
2の素子両側端部I上に形成されており、前記素子中央
部H上には形成されていない。
【0061】前記モニタ素子22では、前記モニタ素子
22上に形成された2つの上部シールド層32が電極と
して機能しているが、前記モニタ素子22下の下部シー
ルド層24は電極として機能していない。
【0062】前記モニタ素子22では、一方の上部シー
ルド層32から他方の上部シールド層32に流れる電流
は、素子中央部Hを膜面と平行な方向(図示X方向と平
行な方向)に流れるCIP(current in the plan
e)型と呼ばれる流れ方をし、磁気検出素子21での電
流の流れ方向とは異なっている。前記素子中央部Hでは
主にバリア層27より上のフリー磁性層28及び保護層
29に集中的に電流が流れる。
【0063】以上のように本発明では磁気検出素子21
はCPP型素子であるのに対し、モニタ素子22はCI
P型素子である。素子中央部Hの幅方向(図示X方向の
長さ)の長さは膜厚(図示Z方向の長さ)に比べて数倍
程度(例えば4倍程度)に大きいため、本発明のように
モニタ素子22側をCIP型素子にすることで、ハイト
出し加工時における前記モニタ素子22の電流抵抗値を
大きなものにすることができ、また固定磁性層26とフ
リー磁性層28間でだれ(スメアリング)が発生して
も、電流を膜厚方向に流すCPP型の場合に比べて、電
流抵抗値のばらつきを小さくでき、よってハイト出し加
工時にモニタ素子22の電気抵抗値を測定しながら、各
磁気検出素子21の電気抵抗値が所定値になるようにハ
イト方向(図示Y方向)への長さ寸法を適切に調整する
ことができる。
【0064】図2に示す実施形態では、モニタ素子22
の素子中央部H及び素子両側端部Iの膜構成が磁気検出
素子21のそれと全く同じである。すなわち前記モニタ
素子22を前記磁気検出素子21の形成と同時に形成す
ることができるため、前記モニタ素子22の形成が煩雑
化するといったことがない。
【0065】また本発明では、前記磁気検出素子21上
に形成された上部シールド層32、およびモニタ素子2
2上に形成された上部シールド層32を共に電極として
機能させることができ、またこれら上部シールド層32
は磁気検出素子21上及びモニタ素子22上で形成位置
が違うものの、全ての上部シールド層32をフレームメ
ッキ法などで同時に形成することができるので、CIP
型となるモニタ素子32の形成を製造工程数を増やすこ
となく容易に形成することが可能になる。
【0066】また本発明では図2に示す実施形態におい
て、磁気検出素子21及びモニタ素子22の素子中央部
Hに設けられているバリア層27が、非磁性導電材料で
形成された層であってもよい。例えばCuなどを選択で
きる。
【0067】前記素子中央部Hの前記バリア層27が非
磁性導電材料層で形成された磁気素子は、スピンバルブ
型薄膜素子の膜構成と同じであり、かかる場合、磁気検
出素子21はCPP型のスピンバルブ型薄膜素子とな
り、モニタ素子22はCIP型のスピンバルブ型薄膜素
子となる。
【0068】CPP型のスピンバルブ型薄膜素子では、
CIP型のスピンバルブ型薄膜素子に比べて、今後のさ
らなる素子サイズの狭小化によっても再生出力の向上を
より適切に図ることができるといった利点がある。一
方、CIP型のスピンバルブ型薄膜素子で形成されたモ
ニタ素子22では、CPP型の場合に比べて素子の電気
抵抗値を大きくでき、ハイト出し加工の際においてより
適切に前記モニタ素子22の電気抵抗値を測定でき、ま
た前記電気抵抗値のばらつきも小さく、よって従来に比
べて前記モニタ素子22の電気抵抗値を測定しながらよ
り正確に磁気検出素子21のハイト出し加工を行うこと
が可能になる。
【0069】また図2に示すように、前記モニタ素子2
2と下部シールド層24との間には、Al23やSiO
2などの絶縁材料からなるギャップ層(以下では第1エ
クストラギャップ層と呼ぶ)34が形成されていること
が好ましい。これによって前記モニタ素子22の素子中
央部Hに流れる電流が下部シールド層24に分流すると
いった不具合を適切に防止でき、ハイト出し加工時にお
ける前記モニタ素子22の電気抵抗値の低下やばらつき
をより適切に抑制することが可能である。
【0070】また図2に示すように、前記磁気検出素子
21とモニタ素子22間には、上記した第2エクストラ
ギャップ層33が形成されており、前記第2エクストラ
ギャップ層33には下部シールド層24にまで通じるコ
ンタクトホール33aに導電性のコンタクト部35が形
成されている。前記コンタクト部35は前記上部シール
ド層32と同じ工程時に形成されることが、前記コンタ
クト部35の形成を容易化できて好ましい。すなわち前
記コンタクト部35は前記上部シールド層32と同じ材
質で形成されることが好ましい。ただし前記コンタクト
部35は前記上部シールド層32とは異なる材質で形成
されてもよい。
【0071】前記コンタクト部35は、磁気検出素子2
1の電極である下部シールド層24の電流路として機能
する。
【0072】図3は図2に示す磁気検出素子21及びモ
ニタ素子22を真上から見た部分平面図である。図示下
側が「素子基板の正面」であり、図示上方向がハイト方
向(図示Y方向)である。
【0073】図3に示すように、前記磁気検出素子21
を構成する素子中央部Hのハイト側後端部H1の位置は
ハイトゼロ(MRh=0)の位置であり、この位置と、
前記モニタ素子22を構成する素子中央部Hのハイト側
後端部H1の位置とはトラック幅方向(図示X方向)に
て同じ直線上に形成されている。
【0074】ただし前記モニタ素子22のハイトゼロの
位置は、前記磁気検出素子21のそれと同じでなくても
よく、少なくともハイト出し加工の終了位置Jより、ハ
イト側(図示Y方向)に形成されていればよい。
【0075】特に重要なのは、スライダバー上に形成さ
れた複数の磁気検出素子21のハイトゼロの位置であ
り、これらの位置はすべて図示X方向にて同じ直線上に
形成されている必要がある。そうでないとハイト出し加
工を終了した時点で、個々の磁気検出素子のハイト方向
(図示Y方向)への長さ寸法が異なることにより磁気検
出素子21の電気抵抗値が製品毎に異なってしまい、品
質の均一化を図ることができないからである。
【0076】本発明では、前記モニタ素子22は、以下
に説明するような構造であってもよい。
【0077】図4は本発明における第2実施形態であ
り、図1に示す素子基板20をX−Z平面と平行な方向
から切断し、さらにこの断面を素子基板20の正面20
a側から見た際の部分断面図である。
【0078】図4に示す実施形態では、前記磁気検出素
子21の膜構成は、図2と同じである。すなわち前記磁
気検出素子21は、シールド層24、32を電極として
使用し、前記磁気検出素子21の素子中央部Hの膜厚方
向(図示Z方向と平行な方向)に電流を流す、トンネル
磁気抵抗効果(TMR効果)を利用したあるいは巨大磁
気抵抗効果(GMR効果)を利用したCPP型素子であ
る。
【0079】図4では、前記モニタ素子22は、その素
子中央部H及び素子両側端部Iが磁気検出素子21の素
子両側端部Iに使用されたハードバイアス層31と同じ
材質の層からなり、この一層のみで構成されている。な
お前記モニタ素子22は、第1エクストラギャップ層3
4上に形成されたギャップ層30の上に形成される。前
記ギャップ層30の平面から見た大きさは前記ハードバ
イアス層31の平面から見た大きさとほぼ同じである。
【0080】そして前記モニタ素子22の素子両側端部
I上には電極となる上部シールド層32、32が形成さ
れており、前記モニタ素子22はCIP型素子を構成し
ている。
【0081】前記モニタ素子22は、磁気検出素子21
のハードバイアス層31の形成工程と同じ工程を経て形
成される。よって前記モニタ素子22の形成が従来に比
べて煩雑化するといった問題は起こらない。
【0082】また前記モニタ素子22の電極となる上部
シールド層32も、前記磁気検出素子21の上部シール
ド層32と同じ工程時に形成されるので、前記モニタ素
子22における電極形成も容易に行うことができ、前記
モニタ素子22を製造工程を増やすことなく容易に形成
することが可能である。
【0083】図4においても図2と同様に、モニタ素子
22はCIP型素子であるから、ハイト出し加工時にお
ける前記モニタ素子22の電気抵抗値を大きく取ること
ができ、前記モニタ素子22の電気抵抗値を測定しなが
ら、より適切に前記磁気検出素子21のハイト出し加工
を行うことが可能である。
【0084】しかも図4では、前記モニタ素子22は、
ハードバイアス層31と同じ材質の単層構造であるか
ら、そもそもスメアリングといった従来の問題は発生し
ない。このためハイト出し加工時における前記モニタ素
子22の電気抵抗値のばらつきをより適切に抑えること
が可能であり、より正確なハイト出し加工を行うことが
可能である。
【0085】なお、磁気検出素子21及びモニタ素子2
2の構造以外の部分については図2で説明したものと同
じであるので、そちらを参照されたい。
【0086】図5は図4に示す磁気検出素子21及びモ
ニタ素子22を真上から見た部分平面図である。前記モ
ニタ素子22の電気抵抗値を測定しながら、ハイト出し
加工面となる素子基板の正面を砥粒等で削り込み、ある
所定の電気抵抗値になった時点(J線の時点)でハイト
出し加工を終了すると、スライダバーに形成された複数
の磁気検出素子21は全て同じハイト長さで、且つ所定
の電気抵抗値を持った状態になっており、品質の均一化
を図ることが可能である。
【0087】図6は本発明における第3実施形態であ
り、図1に示す素子基板20をX−Z平面と平行な方向
から切断し、さらにこの断面を素子基板20の正面20
a側から見た際の部分断面図である。
【0088】図6では、磁気検出素子21の素子中央部
Hを構成する反強磁性層25が、前記素子中央部Hのみ
ならず素子両側端部Iにも延びて形成されている。後述
する製造方法で説明するように前記磁気検出素子21を
構成する素子中央部Hの積層構造はまず下部シールド層
24上から第1エクストラギャップ層34上の全面にか
けて形成され、その後、不要な前記積層構造の部分はエ
ッチング等で除去されるが、このエッチングの際に図6
のように、反強磁性層25が素子両側端部Iにも残され
ることで、前記反強磁性層25と同じ材質の層が前記モ
ニタ素子22が形成されるべき位置の下方にも残される
のである。
【0089】前記磁気検出素子21において、前記反強
磁性層25を素子両側端部Iにも延ばして形成する理由
は、前記反強磁性層25を前記素子両側端部Iにて持上
げ層として機能させ、前記素子両側端部Iに形成される
ハードバイアス層31を適切にフリー磁性層28のトラ
ック幅方向(図示X方向)の両側端部に対向させるよう
にするため等である。
【0090】この実施形態においても、前記モニタ素子
22は、前記ハードバイアス層31と同じ材質の単層構
造である。前記モニタ素子22は、第1エクストラギャ
ップ層34上に反強磁性層25及びギャップ層30を介
して形成されている。前記モニタ素子22の素子両側端
部I上には電極として機能する上部シールド層32、3
2が形成され、前記モニタ素子22はCIP型素子とし
て機能する。
【0091】この実施形態においても、磁気検出素子2
1は、シールド層24、32を電極として電流を素子中
央部Hの膜厚方向に流す、トンネル磁気抵抗効果(TM
R効果)や巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用した
CPP型素子であり、一方、モニタ素子22は、ハード
バイアス層31と同じ材質の単層構造で形成されたCI
P型素子である。
【0092】よってハイト出し加工の際における前記モ
ニタ素子22の電気抵抗値を大きく取ることができ、ま
たばらつきも少なく、従来に比べてより正確な前記磁気
検出素子21のハイト出し加工を行うことが可能にな
る。
【0093】図7は、本発明における第4実施形態であ
り、図1に示す素子基板20をX−Z平面と平行な方向
から切断し、さらにこの断面を素子基板20の正面20
a側から見た際の部分断面図である。
【0094】また図7ではモニタ素子22は、第1エク
ストラギャップ層34上に形成され、磁気検出素子21
の素子両側端部Iに使用されるハードバイアス層31の
材質以外の金属材料の単層構造で形成される。例えばT
a、W、Cr、Ti、Alなどを挙げることができる。
これら金属材料で形成されたモニタ素子22でも、素子
両側端部I上に上部シールド層32、32を設けること
で、CIP型素子を形成でき、ハイト出し加工時におけ
る前記モニタ素子22の電気抵抗値を大きく、且つばら
つきを抑えることができ、前記モニタ素子22としての
機能を十分に果すことができる。
【0095】前記モニタ素子22を、ハードバイアス層
31の材質以外の一種の金属材料の層で形成する場合に
は、前記モニタ素子22を磁気検出素子21の形成とは
別工程で形成しなければならなくなるが、ただしハード
バイアス層31と同じ材質の層で前記モニタ素子22を
形成する場合に比べて、各スライダバーにおいて同じ大
きさの前記モニタ素子22を形成できるという利点があ
る。
【0096】さらに詳しく説明すると、前記モニタ素子
22をハードバイアス層31と同じ材質で形成する場合
には、磁気検出素子21に使用されるハードバイアス層
31の厚み等が変わることによって、モニタ素子22の
大きさも変動し、したがって前記モニタ素子22の電気
抵抗値もそれによって変わってしまう。このため各ブロ
ック、あるいは各スライダバー毎に、磁気検出素子21
とモニタ素子22との電気抵抗値の対照表(対照表と
は、モニタ素子22がある電気抵抗値になったときに、
磁気検出素子21が如何なる電気抵抗値となっているか
を示す表のこと)を作らなければならず、大変手間がか
かる。
【0097】一方、前記モニタ素子22をハードバイア
ス層31とは異なる材質の金属材料の層で形成すれば、
前記モニタ素子22を、前記ハードバイアス層31の厚
み等にとらわれることなく、所定の大きさに形成できる
ため、前記磁気検出素子21の素子中央部Hの大きさが
変わらなければハードバイアス層31の大きさの変動に
よってわざわざ電気抵抗値の対照表を作り直さなければ
ならないとった手間を省くことができる。
【0098】図2ないし図7における全ての磁気検出素
子21は、その素子中央部Hが、下から反強磁性層2
5、固定磁性層26、絶縁性のバリア層27(あるいは
非磁性導電層)、フリー磁性層28及び保護層29の順
に形成されていたが、これが逆積層された構造であって
もよい。
【0099】図8は、前記磁気検出素子21の素子中央
部Hが下から、フリー磁性層28、バリア層27、固定
磁性層26及び反強磁性層25の順に積層形成されてい
る。なお前記フリー磁性層28と下部シールド層24と
の間に例えばTaなどで形成された下地層(この下地層
は下部ギャップ層として機能する)が形成されているこ
とが好ましい。
【0100】図8に示すように、前記磁気検出素子21
の素子両側端部Iでは、下からAl 23などで形成され
た絶縁層36、ハードバイアス層31及びギャップ層3
0の順に積層形成されている。前記絶縁層36を設ける
理由は、前記下部シールド層24とハードバイアス層3
1との間で電流の分流ロスを防ぐためである。
【0101】図8に示すように、前記磁気検出素子21
の素子中央部H上には上部シールド層32が形成され、
前記素子中央部Hの上下に形成された下部シールド層2
4と上部シールド層32とが電極として機能している。
【0102】この実施形態ではモニタ素子22の素子中
央部H及び素子両側端部Iも前記磁気検出素子21の素
子中央部H及び素子両側端部Iと同じ構成である。
【0103】前記モニタ素子22は前記磁気検出素子2
1と異なって、前記モニタ素子22の素子両側端部I上
に上部シールド層32が形成され、CIP型素子を構成
している。
【0104】また前記モニタ素子22では、素子両側端
部Iのハードバイアス層31の積層位置がギャップ層3
0の下側であるから、前記上部シールド層32から前記
ハードバイアス層31に電流を供給するためには、前記
ギャップ層30の部分に前記ハードバイアス層31まで
通じる穴部を形成し、この穴部内にコンタクト部を形成
し、このコンタクト部によって前記ハードバイアス層3
1と上部シールド層32とを導通接続させることが好ま
しい。本発明では、特に前記コンタクト部を前記上部シ
ールド層32の形成と同時に形成すれば、前記コンタク
ト部の形成と電極となる上部シールド層32との形成を
同時に行うことが可能になるので、製造工程の簡略化を
図ることができる。
【0105】また前記モニタ素子22の素子両側端部I
に形成されるギャップ層30の膜厚と、磁気検出素子2
1の下部シールド層24への電流路となるコンタクト部
35が形成されるべき位置の第2エクストラギャップ層
33の膜厚とが、ほぼ同じ大きさであれば、前記第2エ
クストラギャップ層33に形成されるコンタクトホール
33aと、モニタ素子22のギャップ層30に形成され
るコンタクトホール30aとを同時に形成することがで
き、製造工程を簡略化できて好ましい。前記第2エクス
トラギャップ層33の膜厚とギャップ層30の膜厚とが
ほぼ同じ膜厚となるように、双方の層を形成する際に膜
厚を調整しながらスパッタ等で形成する。
【0106】また前記コンタクト部35は、前記第2エ
クストラギャップ層33よりもハイト方向(図示Y方
向)後方に広がっているバックフィルギャップ(BF
G)層(図示しない)に形成されていてもよく、かかる
場合、前記バックフィルギャップ層と前記ギャップ層3
0とを同じ膜厚となるように形成することで、前記バッ
クフィルギャップ層及びギャップ層30に同時にコンタ
クト部形成のための穴部を形成することが可能になる。
【0107】また図8における実施形態では、モニタ素
子22の素子下方に形成されたハードバイアス層31に
電流を流すため、前記モニタ素子22と下部シールド層
24間には前記第1エクストラギャップ層34は必要で
あり、これによって上部シールド層31からハードバイ
アス層31へ流れる電流が前記下部シールド層24に分
流することを防ぐことができる。
【0108】なお図8では、前記磁気検出素子21及び
モニタ素子22を構成する素子中央部Hのバリア層27
は、Cuなどの非磁性導電材料であってもよい。
【0109】また前記モニタ素子22は、図4のように
ハードバイアス層31と同じ材質の層で形成されていて
もよい。
【0110】また前記モニタ素子22の平面形状である
が、図3や図5に示すように、前記モニタ素子22の素
子両側端部Iは、そのハイト側後端面I1が、素子中央
部Hのハイト側後端面H1よりもハイト方向(図示Y方
向)に延びて形成され、磁気検出素子21の平面形状と
同じ形状であるが、前記モニタ素子22の平面形状はど
のような形態であってもよく、例えば長方形などを提示
できる。
【0111】また図2ないし図8の各実施形態におい
て、磁気検出素子21上には、コア層とコイル層とを有
してなる記録用のインダクティブヘッドが設けられてい
てもよい。かかる場合、最終的に磁気ヘッドにはならな
いモニタ素子22上に前記インダクティブヘッドを設け
る必要はない。
【0112】また磁気検出素子21を構成する素子中央
部H及び、前記磁気検出素子21と同じ膜構成で形成さ
れる場合はモニタ素子22の素子中央部Hは、図2等の
形態でなくてもよく、例えば固定磁性層26はシンセテ
ィックフェリピンド(SFP)構造やフリー磁性層28
はシンセティックフェリフリー(SFF)構造であって
もよい。あるいはスペキュラー層(鏡面反射層)などが
加えられていてもよい。
【0113】以下、図9ないし図11に示す製造工程図
を用いて図2に示す実施形態の素子基板20上に形成さ
れた磁気検出素子21及びモニタ素子22の形成方法に
ついて説明する。なお各図は、図1に示す素子基板20
をX−Z平面と平行な方向から切断し、さらにこの断面
を素子基板20の正面20a側から見た際の部分断面図
である。
【0114】図9に示す工程では、アルミナチタンカー
バイト(Al23−TiC)などのセラミック材で形成
される素子基板20上にAl23やSiO2等の絶縁材
料で形成された絶縁層23をスパッタ法や蒸着法などに
より形成する。次に前記絶縁層23上にNiFe合金な
どの磁性材料で形成された下部シールド層24をメッキ
法、あるいはスパッタ法や蒸着法などで形成する。
【0115】次に前記下部シールド層24上にAl23
やSiO2などで形成された第1エクストラギャップ層
34をスパッタ法や蒸着法などで形成する。図9に示す
ように前記第1エクストラギャップ層34を前記下部シ
ールド層24上に部分的に形成する。部分的に形成する
には、前記第1エクストラギャップ層34をまず前記下
部シールド層24上の全面に形成した後、レジストなど
を用いて不必要な部分の前記第1エクストラギャップ層
34をエッチングで除去したり、あるいは前記第1エク
ストラギャップ層34を形成しない部分にレジストなど
のマスク層を立てておき、前記マスク層が形成されてい
ない前記下部シールド層24上に前記第1エクストラギ
ャップ層34をスパッタするなどして形成する。
【0116】次に前記下部シールド層24上に磁気検出
素子21を、前記第1エクストラギャップ層34上にモ
ニタ素子22を形成する。
【0117】前記磁気検出素子21及びモニタ素子22
の形成方法は、例えば以下の通りである。まず前記下部
シールド層24上から前記第1エクストラギャップ層3
4上の全面にかけて、下から反強磁性材料製の反強磁性
層25、磁性材料製の固定磁性層26、絶縁性のバリア
層27あるいは非磁性導電層、磁性材料製のフリー磁性
層28及び保護層29の順に形成された積層膜をスパッ
タ法や蒸着法によって成膜する。
【0118】次にAl23などの絶縁性のギャップ層3
0及びハードバイアス層31が形成されるべき位置の前
記積層膜に、エッチングによって穴部を形成し、この穴
部内に前記ギャップ層30及びハードバイアス層31を
スパッタ法や蒸着法によって積層形成する。この時点で
はまだ不要な部分(磁気検出素子21とモニタ素子22
の間等)に前記積層膜が残されているので、図10に示
すような形態の磁気検出素子21及びモニタ素子22と
すべく、レジストなどのマスク層を用いて、前記の不要
な部分の積層膜をエッチングで除去すると、図10に示
す形態の磁気検出素子21及びモニタ素子22が完成す
る。
【0119】図10に示すように、前記磁気検出素子2
1及びモニタ素子22上にレジスト層40を形成する。
このとき磁気検出素子21上に形成されるレジスト層4
0を、なるべく素子両側端部Iのハードバイアス層31
上面が露出するように形成することが好ましい。これに
よって前記ハードバイアス層31上を適切に次工程の第
2エクストラギャップ層33で覆うことができ、上部シ
ールド層32から流れる電流を適切に素子中央部Hにの
み導くことが可能になる。
【0120】また前記モニタ素子22上に形成されるレ
ジスト層40を、なるべく素子両側端部Iのハードバイ
アス層31上面が隠れるように形成することが好まし
い。これによって上部シールド層32とハードバイアス
層31とを適切に電気的に接続でき、前記モニタ素子2
2をCIP型素子として形成することが可能になる。
【0121】図10に示すように前記レジスト層40に
覆われていない前記磁気検出素子21とモニタ素子22
間等をAl23やSiO2などの絶縁性の第2エクスト
ラギャップ層33でスパッタ法や蒸着法などを用いて埋
める。
【0122】このとき前記レジスト層40の上面にも絶
縁性の材料層33bが形成される。前記第2エクストラ
ギャップ層33の形成後、前記レジスト層40を除去す
る。
【0123】次に前記第2エクストラギャップ層33
に、レジストなどのマスク層を用いて所定箇所に下部シ
ールド層24にまで通じるコンタクトホール33aを形
成する。
【0124】次に図11に示す工程では、前記磁気検出
素子21及びモニタ素子22上に、フレームメッキ法な
どを用いて上部シールド層32をメッキ形成する。まず
図示しないメッキ下地層を形成した後、図11に示すよ
うにレジスト層などによるフレーム41を必要な部分に
のみ立てる。前記フレーム41は、磁気検出素子21上
では、少なくとも素子中央部H上に形成されないように
しなければならない。また前記フレーム41は、前記第
2エクストラギャップ層33に形成されたコンタクトホ
ール33a内にも形成されないようにしなければならな
い。さらに前記フレーム41は、モニタ素子22上で
は、必ず素子中央部H上に立て、また少なくとも一部の
ハードバイアス層31が露出した状態を保つように、前
記ハードバイアス層31上に前記フレーム41が形成さ
れないようにしなければならない。
【0125】以上のようにしてフレーム41を形成した
後、前記フレーム41が立てられていない部分に、例え
ばNiFe合金などの磁性材料からなる上部シールド層
32をメッキ形成する。
【0126】上記したフレームメッキ法によって前記上
部シールド層32をメッキ形成することで、前記磁気検
出素子21の素子中央部H上には上部シールド層32が
電気的に接続形成され、前記上部シールド層32がCP
P型の上部電極として機能する。
【0127】またモニタ素子22の素子両側端部Iに形
成されたハードバイアス層31上には前記上部シールド
層32が電気的に接続形成され、前記上部シールド層3
2がCIP型の電極として機能する。
【0128】さらに第2エクストラギャップ層33に形
成されたコンタクトホール33aに前記下部シールド層
24にまで通じるコンタクト部35を前記上部シールド
層32の形成と同時に形成することができる。
【0129】前記上部シールド層32の形成後、前記フ
レーム41を除去し、さらに上部シールド層32の下以
外の部分に広がるメッキ下地層をスパッタ法などで除去
すると図2に示す構造の磁気検出素子21及びモニタ素
子22が完成する。なお前記上部シールド層32はメッ
キ法以外にもスパッタ法や蒸着法などによって形成する
こともできる。
【0130】次に図12ないし図14に示す工程図を用
いて、図4に示す実施形態の素子基板20上に形成され
た磁気検出素子21及びモニタ素子22の形成方法につ
いて説明する。なお各図は、図1に示す素子基板20を
X−Z平面と平行な方向から切断し、さらにこの断面を
素子基板20の正面20a側から見た際の部分断面図で
ある。
【0131】図12に示す工程では、下部シールド層2
4上から第1エクストラギャップ層34上にかけて、下
から反強磁性層25、固定磁性層26、バリア層27あ
るいは非磁性導電層、フリー磁性層28及び保護層29
の順で積層された積層膜46を形成した後、磁気検出素
子21のギャップ層30及びハードバイアス層31が積
層される部分の前記積層膜46以外の積層膜46上に、
及びモニタ素子22が形成されるべき部分の前記積層膜
46以外の積層膜46上に図12に示すレジスト層44
を形成する。前記レジスト層44はリフトオフ用のレジ
スト層であってもよい。
【0132】そして前記レジスト層44に覆われていな
い前記積層膜46をエッチングで除去し、図12に示す
穴部42と穴部43を形成する。
【0133】次に図13に示す工程に示すように、前記
穴部42及び穴部43内に下からギャップ層30及びハ
ードバイアス層31をこの順番で積層し、前記レジスト
層44を除去する。
【0134】さらにモニタ素子22と磁気検出素子21
間等に、不要な前記積層膜46が残されているので、前
記磁気検出素子21上及びモニタ素子22上にレジスト
層45を設け(このレジスト層45の平面形状は、例え
ば図5の磁気検出素子21及びモニタ素子22の平面形
状と同じである)、このレジスト層45に覆われていな
い前記積層膜46等をエッチングで除去すると図14の
ような形態の磁気検出素子21とモニタ素子22とが完
成する。その後、図10及び図11と同じ工程を施すと
図4に示す実施形態の素子基板20上の磁気検出素子2
1及びモニタ素子22が完成する。
【0135】また図12に示す工程で、前記積層膜46
に形成される穴部42及び穴部43内に反強磁性層25
の一部が残るようにエッチング工程を施すと、図6に示
す実施形態の磁気検出素子21及びモニタ素子22が完
成する。
【0136】図15に示す工程図は、図7に示す実施形
態の素子基板20上の磁気検出素子21及びモニタ素子
22の形成方法を示す一工程図である。
【0137】まず図9と図10と同じ工程を施すが、こ
のとき第1エクストラギャップ層34上にはモニタ素子
22を形成せずに、磁気検出素子21のみを形成する。
【0138】前記磁気検出素子21を形成した後、前記
磁気検出素子21上、下部シールド層24上及び第1エ
クストラギャップ層34上をすべてレジスト層50で覆
った後、露光現像で前記第1エクストラギャップ層34
上に乗っている前記レジスト層50の部分に穴部50a
を形成する。そしてこの穴部50a内にスパッタ法や蒸
着法によって、Ta、W、Cr、Tiなどで形成された
金属材料膜を形成する。この金属材料膜がモニタ素子2
2として機能する。そして前記レジスト層50をすべて
除去し、図10及び図11と同じ工程を施すと図7に示
す実施形態の磁気検出素子21及びモニタ素子22が完
成する。
【0139】図8に示す実施形態に示す素子基板20上
に形成された磁気検出素子21及びモニタ素子22の形
成方法は、図10工程で素子中央部Hの膜構成を、下か
らフリー磁性層28、バリア層27あるいは非磁性導電
層、固定磁性層26及び反強磁性層25の順に積層形成
し、また素子両側端部Iの膜構成を下から絶縁層36、
ハードバイアス層31及びギャップ層30の順に積層形
成すればよい。
【0140】また図10に示す工程で磁気検出素子21
及びモニタ素子22間を埋める第2エクストラギャップ
層33を、その膜厚が前記モニタ素子22に形成される
ギャップ層30とほぼ同じ膜厚となるように形成する。
このようにすることで、図10に示す工程において前記
第2エクストラギャップ層33に形成されるコンタクト
ホール33aと、図8に示すモニタ素子22のギャップ
層30に形成されるコンタクトホール30aとを同じ工
程で形成することができ、製造工程の簡略化を図ること
ができる。
【0141】なお前記第2エクストラギャップ層33よ
りもハイト方向後方に広がるバックフィルギャップ層
(図示しない)にコンタクト部35形成のためのコンタ
クトホールを形成する場合には、前記バックフィルギャ
ップ層と前記ギャップ層30とをほぼ同じ膜厚で形成す
ることが好ましい。このようにすることで、図10に示
すバックフィルギャップ層に形成されるコンタクトホー
ルと、図8に示すモニタ素子22のギャップ層30に形
成されるコンタクトホール30aとを同じ工程で形成す
ることができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0142】そして前記上部シールド層32を形成する
工程において、磁気検出素子21上の上部シールド層3
2、コンタクト部35、およびモニタ素子21上の上部
シールド層32(このときコンタクトホール30a内も
コンタクト部として埋められる)を同時に形成すること
で製造工程の簡略化を図ることが可能になる。
【0143】以上、詳述した本発明における製造方法に
よれば、上部シールド層32の形成によってCPP型の
磁気検出素子21の電極とCIP型のモニタ素子22の
電極とを同時に形成することが可能になるため、前記モ
ニタ素子22の形成が煩雑化するといったことがない。
【0144】また図9ないし図11に示す工程によって
磁気検出素子21及びモニタ素子22の素子中央部H及
び素子両側端部Iを全く同じ膜構成で形成でき、また図
12ないし図14に示す工程においても、前記モニタ素
子22を磁気検出素子21に使用されるハードバイアス
層31と同じ材質により形成できるため、前記モニタ素
子22の形成の製造工程数を従来に比べて増やすことな
く形成することができる。
【0145】また図15工程を施すことによって形成さ
れたモニタ素子22であれば、前記モニタ素子22を任
意の大きさで形成することができ、例えば磁気検出素子
21とモニタ素子22との電気抵抗値の関係を示す対照
表を各スライダバー毎や各ブロック毎に作成しなくても
よくなるなど、ハイト出し加工の効率化を向上させるこ
とが可能になる。
【0146】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、磁気検出
素子はCPP(current perpendicular to the pla
ne)型素子であるのに対し、モニタ素子はCIP型素子
であるため、ハイト出し加工の際に高い前記モニタ素子
の電気抵抗値を取ることができ、また電気抵抗値のばら
つきも少ない。
【0147】よって本発明では、磁気検出素子がCPP
型素子であっても、ハイト出し加工の際に高く且つばら
つきの少ないモニタ素子の電気抵抗値を測定することが
でき、従って従来に比べて前記モニタ素子の電気抵抗値
を測定しながら、前記磁気検出素子のハイト方向への長
さ寸法をより正確に調整することができる。
【0148】また本発明では上部シールド層は、磁気検
出素子の少なくとも素子中央部上に形成されCPP型素
子の上部電極として機能し、また前記上部シールド層は
モニタ素子の素子中央部上の両側に形成されCIP型素
子の電極として機能している。すなわち上部シールド層
の形成位置を磁気検出素子上とモニタ素子上とで適切に
変えるだけで、それぞれの素子の電極として機能させる
ことができるから、従来に比べて製造工程数が増えると
いったことはなく、容易にCPP型の磁気検出素子とC
IP型のモニタ素子とを形成することが可能になってい
る。
【0149】本発明では前記モニタ素子の膜構成を磁気
検出素子と全く同じにすることもでき、あるいは前記磁
気検出素子の素子両側端部に使用されるハードバイアス
層の形成と同時に、前記モニタ素子を形成することもで
きる。従って前記モニタ素子を従来に比べて製造工程を
増やすことなく容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における素子基板の部分斜視図、
【図2】本発明における第1実施形態であり、素子基板
上に形成された磁気検出素子及びモニタ素子の断面を、
前記素子基板の正面側から見た部分断面図、
【図3】図2に示す実施形態の部分平面図、
【図4】本発明における第2実施形態であり、素子基板
上に形成された磁気検出素子及びモニタ素子の断面を、
前記素子基板の正面側から見た部分断面図、
【図5】図4に示す実施形態の部分平面図、
【図6】本発明における第3実施形態であり、素子基板
上に形成された磁気検出素子及びモニタ素子の断面を、
前記素子基板の正面側から見た部分断面図、
【図7】本発明における第4実施形態であり、素子基板
上に形成された磁気検出素子及びモニタ素子の断面を、
前記素子基板の正面側から見た部分断面図、
【図8】本発明における第5実施形態であり、素子基板
上に形成された磁気検出素子及びモニタ素子の断面を、
前記素子基板の正面側から見た部分断面図、
【図9】図2に示す素子基板上に形成された磁気検出素
子及びモニタ素子の製造方法を示す一工程図、
【図10】図9の次に行なわれる一工程図、
【図11】図10の次に行なわれる一工程図、
【図12】図4に示す素子基板上に形成された磁気検出
素子及びモニタ素子の製造方法を示す一工程図、
【図13】図12の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13の次に行なわれる一工程図、
【図15】図7に示す素子基板上に形成された磁気検出
素子及びモニタ素子の製造方法を示す一工程図、
【図16】従来における素子基板の部分斜視図、
【図17】従来における素子基板上に形成された磁気検
出素子及びモニタ素子の断面を、前記素子基板の正面側
から見た部分断面図、
【図18】従来の問題点を説明するための図であり、モ
ニタ素子をY−Z平面と平行な方向から切断した際の部
分断面図、
【符号の説明】
20 素子基板 21 磁気検出素子 22 モニタ素子 24 下部シールド層 30 ギャップ層 31 ハードバイアス層 32 上部シールド層 33 第2エクストラギャップ層 34 第1エクストラギャップ層 35 コンタクト部 36 絶縁層 40、44、45、50 レジスト層 41 フレーム H 素子中央部 I 素子両側端部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気検出素子と、電気抵抗値を測定しな
    がら前記磁気検出素子のハイト方向への長さ寸法を決定
    するためのモニタ素子とが設けられた素子基板におい
    て、 前記素子基板上には絶縁層を介して下部シールド層が形
    成され、この下部シールド層上に前記磁気検出素子及び
    モニタ素子が設けられ、 前記磁気検出素子は、少なくとも素子中央部上に上部シ
    ールド層が設けられ、前記上部シールド層と下部シール
    ド層とを電極として前記素子中央部の膜厚方向に電流を
    流すCPP型素子であり、 前記モニタ素子は素子中央部上のトラック幅方向の両側
    に上部シールド層が設けられ、一対の前記上部シールド
    層を電極として前記素子中央部の膜面方向に電流を流す
    CIP型素子であることを特徴とする磁気検出素子とモ
    ニタ素子とを有する素子基板。
  2. 【請求項2】 前記磁気検出素子の前記素子中央部は、
    反強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層とフリー磁性層
    とを有して形成され、前記素子中央部のトラック幅方向
    の両側には絶縁層とバイアス層とを有する素子両側端部
    が設けられ、 前記モニタ素子は、前記磁気検出素子の素子中央部及び
    素子両側端部と同じ膜構成で形成され、前記モニタ素子
    のバイアス層上に前記上部シールド層が設けられている
    請求項1記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有する素
    子基板。
  3. 【請求項3】 前記磁気検出素子の前記素子中央部は、
    反強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層とフリー磁性層
    とを有して形成され、前記素子中央部のトラック幅方向
    の両側には絶縁層とバイアス層とを有する素子両側端部
    が設けられ、前記モニタ素子の素子中央部及び素子両側
    端部は、ある一種の金属材料の層のみで形成され、前記
    素子両側端部上に前記上部シールド層が設けられている
    請求項1記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有する素
    子基板。
  4. 【請求項4】 前記モニタ素子の素子中央部及び素子両
    側端部は、前記バイアス層と同じ材質の層のみで形成さ
    れる請求項3記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有す
    る素子基板。
  5. 【請求項5】 前記モニタ素子の素子中央部及び素子両
    側端部は、前記バイアス層の材質以外の金属材料の層で
    形成される請求項3記載の磁気検出素子とモニタ素子と
    を有する素子基板。
  6. 【請求項6】 前記非磁性材料層とは絶縁性のバリア層
    である請求項2ないし5のいずれかに記載の磁気検出素
    子とモニタ素子とを有する素子基板。
  7. 【請求項7】 前記非磁性材料層とは非磁性導電材料で
    形成された層である請求項2ないし5のいずれかに記載
    の磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子基板。
  8. 【請求項8】 前記モニタ素子と下部シールド層との間
    には絶縁性のギャップ層が設けられる請求項1ないし7
    のいずれかに記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有す
    る素子基板。
  9. 【請求項9】 磁気検出素子と、電気抵抗値を測定しな
    がら前記磁気検出素子のハイト方向への長さ寸法を決定
    するためのモニタ素子とが設けられた素子基板の製造方
    法において、(a)素子基板上に絶縁層を介して下部シ
    ールド層を形成する工程と、(b)前記下部シールド層
    上に磁気検出素子及びモニタ素子を形成する工程と、
    (c)前記磁気検出素子の、少なくとも素子中央部上に
    上部シールド層を形成すると同時に、前記モニタ素子の
    素子中央部の両側端部上に前記上部シールド層を形成す
    る工程と、を有することを特徴とする磁気検出素子とモ
    ニタ素子とを有する素子基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記(b)工程及び(c)工程に代え
    て、(d)磁気検出素子及びモニタ素子を、前記下部シ
    ールド層上に反強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層と
    フリー磁性層とを有して形成された素子中央部と、前記
    素子中央部のトラック幅方向の両側にギャップ層とバイ
    アス層とが設けられた素子両側端部とで形成する工程
    と、(e)前記磁気検出素子の、少なくとも素子中央部
    上に上部シールド層を形成すると同時に、前記モニタ素
    子の素子両側端部のバイアス層上に上部シールド層を形
    成する工程、とを有する請求項9記載の磁気検出素子と
    モニタ素子とを有する素子基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記(b)工程及び(c)工程に代え
    て、(f)磁気検出素子を、前記下部シールド層上に反
    強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層とフリー磁性層と
    を有して形成された素子中央部と、前記素子中央部のト
    ラック幅方向の両側にギャップ層とバイアス層とが設け
    られた素子両側端部とで形成し、前記バイアス層の形成
    と同時に、前記バイアス層と同じ材質でモニタ素子の素
    子中央部及び素子両側端部を形成する工程と、(g)前
    記磁気検出素子の、少なくとも素子中央部上に上部シー
    ルド層を形成すると同時に、前記モニタ素子の素子両側
    端部上に上部シールド層を形成する工程、とを有する請
    求項9記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子
    基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記(b)工程及び(c)工程に代え
    て、(h)磁気検出素子を、前記下部シールド層上に反
    強磁性層と固定磁性層と非磁性材料層とフリー磁性層と
    を有して形成された素子中央部と、前記素子中央部のト
    ラック幅方向の両側にギャップ層とバイアス層とが設け
    られた素子両側端部とで形成し、前記モニタ素子の素子
    中央部及び素子両側端部を、前記バイアス層の材質とは
    別の金属材料で形成する工程と、(i)前記磁気検出素
    子の少なくとも素子中央部上に上部シールド層を形成す
    ると同時に、前記モニタ素子の素子両側端部上に上部シ
    ールド層を形成する工程、とを有する請求項9記載の磁
    気検出素子とモニタ素子とを有する素子基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記非磁性材料層を絶縁材料で形成す
    る請求項10ないし12のいずれかに記載の磁気検出素
    子とモニタ素子とを有する素子基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記非磁性材料層を非磁性導電材料で
    形成する請求項10ないし12のいずれかに記載の磁気
    検出素子とモニタ素子とを有する素子基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記(b)工程、(d)工程、(f)
    工程、(h)工程で、モニタ素子を形成する前に、前記
    下部シールド層上に絶縁性のギャップ層を形成し、その
    上にモニタ素子を形成する請求項9ないし14のいずれ
    かに記載の磁気検出素子とモニタ素子とを有する素子基
    板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8070554B2 (en) 2004-11-17 2011-12-06 Hitachi Global Storage Technologies, Netherland B.V. Distributed shunt structure for lapping of current perpendicular plane (CPP) heads
US8361541B2 (en) 2009-07-28 2013-01-29 HGST Netherlands B.V. Fabrication of magnetoresistive sensors and electronic lapping guides
US8778198B2 (en) 2011-06-29 2014-07-15 HGST Netherlands B.V. Method for manufacturing a magnetoresistive sensor using simultaneously formed hard bias and electrical lapping guide

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