JP2003142549A - 振動解析方法、搬送工程の設計方法および基体処理装置並びに電子写真感光体の形成方法 - Google Patents

振動解析方法、搬送工程の設計方法および基体処理装置並びに電子写真感光体の形成方法

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JP2003142549A
JP2003142549A JP2001335201A JP2001335201A JP2003142549A JP 2003142549 A JP2003142549 A JP 2003142549A JP 2001335201 A JP2001335201 A JP 2001335201A JP 2001335201 A JP2001335201 A JP 2001335201A JP 2003142549 A JP2003142549 A JP 2003142549A
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vibration
substrate
container
analysis method
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English (en)
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Takahisa Taniguchi
貴久 谷口
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
Yoshio Seki
好雄 瀬木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体を収納する容器の搬送中における振動を
低減化する。 【解決手段】 容器101および基体117の振動を、
変位センサ201と、加速度センサ203とで同期して
測定する。コンピュータ202は、搬送中の基体117
の振動が策定した管理値を越える場合には、そのときの
振動の様子をデータベースに登録された既知の振動と比
較してその振動原因を特定する。特定された振動原因
は、コンピュータ202の画面に表示される。基体11
7の振動解析を上述した搬送工程の一部またはすべての
ステップにおいて行うことによって、基体117の振動
に伴う発塵による堆積膜の品質の低下が顕在化するよう
な振動が発生するステップを特定し、管理値を超える振
動が発生したステップを最適化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体の処理工程に
おける振動解析方法、搬送工程の設計方法および基体処
理装置並びに電子写真感光体の形成方法に関し、特に、
太陽電池や電子写真感光体等の機能を有する半導体素子
の堆積膜を真空中に形成するプロセスにおいて、搬送中
の基体の振動や容器に加わる衝撃による塵埃の発生を抑
制するように最適化された搬送工程を設計できるように
するための振動解析方法、搬送工程の設計方法および基
体処理装置並びに電子写真感光体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体等の機能を有し、
水素または/およびハロゲンで補償されたアモルファス
シリコン等のアモルファス材料からなる堆積膜を、プラ
ズマCVD法やスパッタリング等の真空処理によって基
体上に形成する場合、通常は、加熱、成膜、冷却の各処
理を真空中の基体に施すことによってその堆積膜を得て
いる。これらの各真空処理の間では、搬送装置を用いて
基体の搬送が行われている。例えば、特公平4−821
86号公報には、半導体関連製品等の加工、組み立てに
際し、各処理が行われる複数のクリーンチャンバー間で
基体等の被搬送物を移し替える搬送装置が開示されてい
る。この搬送装置によれば、クリーンチャンバーの配列
の変更や保守を容易に行うことができる。また、特開平
10−168576号公報には、基体を真空保持状態で
搬送して処理を施していく搬送可能な真空容器が開示さ
れている。この真空容器によれば、各工程におけるデッ
ドタイムの短い、生産効率の高い製造装置を構築するこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術を適用しても、搬送工程中において内部に基体
を保持しながら容器を搬送させるときに基体が振動し、
その振動に伴って、基体とその保持部や治具との摺動や
摩耗運動によって塵埃が発生したり、衝撃が加わること
による容器が振動し、その振動に伴って容器の内壁に付
着していた塵埃が離脱したりする可能性がある。
【0004】基体の処理表面に付着した塵埃は、これを
核とする堆積膜の異常成長によって形成される球状突起
を増加させる要因となり、この球状突起が歩留まりの低
下を招いている。また、複雑な工程や容器の位置決めに
高い精度が求められる工程等において、人力で容器を搬
送させたとすると、作業者によっては基体の振動や、容
器に加えられる衝撃はさらに大きくなり、これらの振動
や衝撃を放置して堆積膜を形成しようとすると、発塵に
よって基体の処理表面が汚染され、汚染された基体に対
して成膜処理を行ってしまう。
【0005】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、基体を収納する容器の搬送
中における振動を低減化するための振動解析方法、搬送
工程の設計方法および基体処理装置、並びに電子写真感
光体の形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、1つ乃至複数の基体を移動自在な容器内
に保持しながら搬送する搬送工程における、前記基体の
振動を解析するための振動解析方法において、前記各基
体のうち、少なくとも1つの基体における振動を測定す
る第1のステップと、該第1のステップにおいて測定さ
れた振動を記録する第2のステップと、該第2のステッ
プにおいて記録された振動を解析する第3のステップ
と、該第3のステップにおける解析結果を表示する第4
のステップとを有することを特徴とする。
【0007】本発明の振動解析方法では、基体の搬送工
程における基体の振動を計測して解析する。基体の振動
の様子は、その振動の要因によって異なったものとなる
ため、振動を解析することによって、その振動の要因を
特定することが可能となる。
【0008】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップでは、前記基体における複数の異なる
方向の振動を測定する。このようにすれば、基体の振動
方向が測定方向でない場合にも、振動を正確に測定する
ことができる。
【0009】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記容器の底部に設置された保持部材によって円筒状の前
記基体を垂直に保持しており、前記第1のステップで
は、前記基体の振動を、前記基体の水平方向の変位量を
検出することによって測定し、前記第1のステップで
は、前記基体の変位量を、前記基体の中心線の角度変位
量に変換する。本発明の振動解析方法では、基体の変位
量が測定位置によって変わってしまう場合であっても、
基体の振動を基体の変位角度に換算するため、測定位置
に関わらず、基体の振動を定量的に計測することができ
る。
【0010】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップを実行する前に、前記基体の振動の管
理値を策定する第5のステップをさらに有し、前記第3
のステップにおいて、前記基体の振動の大きさと前記管
理値とを比較する。そして、前記第3のステップにおい
て、前記基体の振動の大きさが前記管理値を越えている
場合には、第4のステップにおいて、その旨を表示す
る。なお、前記管理値は、前記基体の振動の大きさと、
堆積膜に生成される球状突起数との関係に基づいて策定
される。
【0011】本発明の振動解析方法では、基体の振動の
大きさが、その大きさの許容値である管理値を越えてい
るか否かを判定する。この判定によって、堆積膜上に生
成された球状突起数が許容値を上回っているか否かを判
断することができる。
【0012】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップを実行する前に、前記基体における複
数の振動要因と、該振動要因による振動の特性との関係
を示すデータベースを作成する第6のステップをさらに
有し、前記第3のステップにおいて、前記基体の振動の
大きさが前記管理値を越えている場合には、前記データ
ベースを参照して、前記基体の振動要因を特定する。
【0013】本発明の振動解析方法では、基体における
振動要因と、振動要因による振動の特性との関係を示す
データベースを用いることによって、測定した振動の特
性から振動要因を特定して、搬送工程における、その要
因を作り出す工程を特定することができる。
【0014】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップを実行するとともに、前記容器の振動
を測定する第7のステップと、該第7のステップにおい
て測定された振動を記録する第8のステップと、該第8
のステップにおいて記録された振動を解析する第9のス
テップと、該第9のステップにおける解析結果を表示す
る第10のステップとをさらに有する。
【0015】本発明の振動解析方法では、基体の搬送工
程における基体の振動を計測して解析するとともに、容
器の内壁に付着していた塵埃の離脱の原因となる容器の
振動も計測して解析する。容器の振動の特性は、その振
動の要因によって異なったものとなるため、振動を解析
することによって、その振動の要因を特定することが可
能となる。
【0016】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第7のステップでは、複数の異なる方向の振動を測定
する。このようにすれば、容器の振動方向が測定方向で
ない場合にも、振動を正確に測定することができる。な
お、前記第7のステップでは、前記容器の振動の大きさ
を、前記容器に加えられる加速度を検出することによっ
て測定するのが望ましい。
【0017】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップを実行する前に、前記容器の振動の管
理値を策定する第11のステップをさらに有し、前記第
9のステップにおいて、前記容器の振動の大きさと前記
管理値とを比較する。さらに、前記容器の振動の大きさ
が前記管理値を越えている場合には、前記第10のステ
ップにおいて、その旨を表示する。なお、前記管理値
は、前記基体の振動の大きさと、堆積膜に生成される球
状突起数との関係に基づいて策定される。
【0018】本発明の振動解析方法では、容器の振動の
大きさが、その大きさの許容値である管理値を越えてい
るか否かを判定する。この判定によって、堆積膜上に生
成された球状突起数が許容値を上回っているか否かを判
断することができる。
【0019】また、本発明の他の振動解析方法では、前
記第1のステップを実行する前に、前記容器における複
数の振動要因と、該振動要因による振動の様子との関係
を示すデータベースを作成する第12のステップをさら
に有し、前記第9のステップにおいて、前記容器の振動
の大きさが前記管理値を越えている場合には、前記デー
タベースを参照して、前記容器の振動要因を特定する。
【0020】本発明の振動解析方法では、容器における
振動要因と、振動要因による振動の特性との関係を示す
データベースを用いることによって、測定した振動の特
性から振動要因を特定して、搬送工程における、その要
因を作り出す工程を特定することができる。
【0021】また、本発明の搬送工程の設計方法では、
前述したような基体や容器の振動の解析によって、特定
された振動要因を排除することで搬送工程を最適化する
ことができる。これによって容器の搬送工程を基体や容
器の振動を抑制した搬送工程を設計することができる。
【0022】さらに、本発明の基体処理装置では、内部
に1つ乃至複数の基体を保持して移動自在な容器と、
該容器内で前記基体を保持する保持部材と、少なくとも
1つの前記基体の振動を検出する検出手段と、該検出手
段によって検出された前記基体の振動を記録して解析
し、該解析の結果を表示する情報処理手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0023】本発明の基体処理装置では、前記情報処理
手段は、前記基体の振動の大きさが前記管理値を超えた
場合に、前記基体の搬送を中止する手段とすることがで
きる。これによって、基体の振動による発塵を抑制して
基体の処理を行うことができる。
【0024】また、本発明の基体処理装置では、容器の
振動を計測する手段を備えることができる。これによっ
て、容器の内壁に付着していた塵埃の離脱の原因となる
容器の振動も計測することができる。
【0025】容器の振動を計測する手段を備えたとき、
本発明の基体処理装置では、情報処理手段は、前記基体
または前記容器の振動の少なくとも一方の振動の大きさ
が前記管理値を超えた場合に、前記基体の搬送を中止す
る手段とすることができる。これによって、基体や容器
の振動を抑制して基体の処理を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態の振動
解析方法、搬送工程の設計方法および基体処理装置、並
びに電子写真感光体の形成方法について図面を参照して
詳細に説明する。全図において、同一の符号が付与され
ている構成要素は、すべて同一のものを示す。
【0027】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態の振動解析方法、搬送工程の設計方法および基
体処理装置、並びに電子写真感光体の形成方法について
説明する。図1は、プラズマCVD法によって電子写真
感光体であるアモルファスシリコン感光体を形成するた
めの本実施形態の基体処理装置の構成を示す断面図であ
る。図1に示すように、容器101は、搬送用車輪10
2を有する移動台103上に設置されることによって移
動自在となっている。容器101内には、基体104を
保持するための保持部材105が設けられており、基体
104を所望の温度に加熱するヒータ106も設けられ
ている。また、基体104の内部にあるヒータ106が
プラズマにさらされることのないように、基体104の
上部にはキャップ107が設けられている。容器101
は、上蓋108によって真空封止可能となっている。容
器101の周りには1つ乃至複数の電極109が設けら
れており、電極109は、接続機構110を介してマッ
チングボックス301および高周波電源302と接続さ
れている。電極109の周りには、電極109から周囲
に高周波が漏洩するのを防止する高周波シールド111
が設けられている。
【0028】容器101内の原料ガス導入管112は、
接続機構113を介して原料ガス供給装置303に接続
されている。また、容器101の底部には排気口が設け
られており、排気配管114と排気装置304とが接続
機構115を介して接続されている。排気配管114に
は真空計116が設けられている。バルブ401、40
2、403、405を閉じ、接続機構110、113、
115の接続を解除することによって、容器101は、
真空保持したまま移動可能となる。図2に、マッチング
ボックス301および高周波電源302と原料ガス供給
装置303と排気装置304への各接続機構110、1
13、115の接続を解除した状態の容器101を示
す。
【0029】図3(A)は、搬送工程における基体の処
理の準備エリアから、加熱、成膜エリアへと容器101
を搬送する経路の一例を示す模式図である。各エリアに
は、排気装置304や原料ガス供給装置303に接続す
る際における容器101の位置決めを行うために搬送用
車輪102と係合する準備エリアのレール601と、加
熱、成膜エリアのレール602とが設けられている。図
3(A)において、容器101を搬送するための搬送工
程は、床面に設置された準備エリアのレール601から
容器101を引き抜くステップと、容器101の進行方
向を90度転換するステップと、容器101を直線的に
搬送するステップと、加熱、成膜エリアのレール602
に容器101を導入するステップと、レール602上で
排気手段やガス供給手段に接続するステップとを有す
る。
【0030】図3(B)は、搬送工程における基体の処
理の準備エリアおよび加熱、成膜エリア内の構成の一例
を示す模式図である。準備エリアには、図2に示す容器
101内を真空排気するための排気装置305が設けら
れている。また、加熱、成膜エリアには、マッチングボ
ックス301および高周波電源302、原料ガス供給装
置303、排気装置304が設けられている。原料ガス
供給装置303と排気装置304とは、バルブ404、
406〜409や配管で接続されている。
【0031】図1に示す基体処理装置を用いた基体10
4への堆積膜の形成は、以下に述べるような工程で行わ
れる。まず、脱脂、洗浄した円筒形の基体104を、準
備エリアにおいて、容器101内の保持部材105に保
持させる。その後、容器101を上蓋108で封止し、
電極109と、高周波電源302への接続機構110
と、高周波シールド111とを設置し、排気装置305
を運転して容器101内を真空排気する。次に、バルブ
401〜403、405を閉じた状態で容器101内を
真空保持し、図3(A)に示す搬送経路を経て加熱、成
膜エリアへ搬送する。次に、マッチングボックス30
1、高周波電源302、原料ガス供給装置303、排気
装置304の各手段に接続機構110、113、115
を介して接続し、バルブ402、405を開き、排気装
置304によって容器101内をさらに高真空に排気す
る。排気終了後、原料ガス供給装置303におけるバル
ブ406〜409のうちのボンベ701〜704のアル
ゴンや窒素等の不活性ガスを供給するためのバルブと、
バルブ401、403とを開き、原料ガス導入管112
から不活性ガスを導入しながら、ヒータ106を用いて
所望の温度まで基体104を加熱する。基体104の加
熱終了後に、前述の不活性ガスを供給するためのバルブ
を閉じ、原料ガス供給装置303におけるバルブ406
〜409のうちの原料ガスを供給するためのバルブを開
いて容器内に原料ガスを導入する。このとき、不活性ガ
スや原料ガスの流量はマスフローコントローラ501〜
504やレギュレータ、ニードルバルブ(不図示)等に
よって任意に調節することができる。原料ガスの流量が
安定した後、高周波電源302から、マッチングボック
ス301、高周波電源への接続機構110および電極1
09を介して高周波電力を印加し、容器101内に導入
した成膜ガスをプラズマ化し、基体104上に堆積膜を
形成させる。このとき、ヒータ106によって基体10
4の温度を適宜調節する。堆積膜の層構成や特性は、目
的に応じて原料ガスの種類や流量や割合、高周波電力の
大きさ等によって任意に調整することができる。
【0032】成膜の際には、円筒形の基体104を一定
の速さで回転させておくと、円筒の周方向にわたってプ
ラズマの分布にむらがあるときでも、均一な膜質を得る
ことができる。また、加熱、成膜エリアで基体104の
処理を行っている間に別の容器を用意し、準備エリアで
基体の設置および容器内の真空排気を行っておき、成膜
エリアでの処理の終了後すぐに準備エリアの基体を搬送
させることができるので、装置の利用効率を向上させる
ことができる。
【0033】上述したような基体の搬送工程中における
基体の振動測定および解析を行うための振動解析方法に
ついて説明する。図4は、本実施形態の振動解析方法を
実行する装置の概略構成を示す断面図である。この装置
は、図1の基体処理装置を模した構成となっており、容
器101を備えている。容器101は、搬送用車輪10
2を有する移動台103の上に設置されている。容器1
01内には基体117を保持するための保持部材105
が設けられている。上蓋120には非接触式の変位セン
サ201が固定されており、変位センサ201は、容器
101の外に設けられている振動解析用のコンピュータ
202と接続されている。基体117としては、円筒形
のものが用いられている。
【0034】図4に示す装置を用いて基体117の振動
を解析するにあたっては、基体117を保持部材118
によって容器101の底部に保持し、容器101の上蓋
120に取り付けた変位センサ201によって搬送中に
おける基体117の先端部の変位量を測定する。容器1
01の搬送経路としては、例えば、図3(A)に示す搬
送経路をとることができる。測定された基体117の変
位量は、時系列のデータとして振動解析用のコンピュー
タ202に記録され、コンピュータ202は、そのデー
タに基づいて基体117の振動の解析を行う。
【0035】ここで、振動を測定する基体117の形状
は、板状、円筒状等の他、どのような形状であってもよ
く、基体117の保持部材118は、基体117の形状
に応じて設計すればよい。また、変位センサ201の取
り付けおよび測定の方向は、振動解析用の装置の構成や
基体117の形状、基体117の保持方法によって適宜
設定すればよい。円筒形以外の基体を保持し、振動解析
を実行する装置の一例として、図5に板状の基体121
を保持する機構を有する装置を示す。例えば、板状の基
体121を保持部材122によって図5に示すように保
持したときには、基体121の振動方向は搬送する床面
に対して垂直な一方向のみとなるため、基体121の変
位量の測定方向は、基体121の処理表面に対して垂直
な一方向のみでよい。これに対し、図4に示すように、
円筒形の基体104の曲面部が床面に対して垂直となる
ように保持されている場合には、基体104の振動方向
が1方向であるとは限らないので、例えば、静止時の基
体104の中心線に対し垂直で互いに直交する2方向等
の複数方向を、基体104の変位量の測定方向とするこ
とが好ましい。
【0036】また、図5に示す装置では、板状の基体1
21を保持したときには、基体121と変位センサ20
1との位置関係によって同じ振動を観測したときの変位
量が変化することはないが、図4に示す装置のように円
筒形の基体117を保持したときには、基体117と変
位センサ201との位置関係によって同じ振動に対する
変位量が異なる。例えば、図4に示す装置では、変位セ
ンサ201を容器101の上蓋120に設置したとき
と、容器101の底面に設置したときとでは、同じ振動
を観測したときでも、容器101の底面に変位センサ2
01を設置したときの方が、測定される変位量は小さく
なる。このような場合には、コンピュータ202におい
て測定された変位量を、基体117の中心線の静止時と
振動時との角度変位に換算することによって、変位セン
サ201の位置によらない一定の基準で定量的に振動の
大きさを求めてもよい。
【0037】次に、堆積膜を形成する工程において、基
体104の振動を監視しながら基体104を搬送し、真
空処理を施すための本実施形態の基体処理装置について
説明する。図6は、本実施形態の基体処理装置の概略構
成を示す断面図である。本実施形態の基体処理装置は、
図1に示す装置、すなわちプラズマCVD装置に、図4
に示す振動解析方法を実行するための装置に設けられた
非接触式の変位センサ201および解析用のコンピュー
タ204を設けて、基体の振動を監視できるようにした
装置である。本実施形態の基体処理装置には、基体10
4の振動の解析結果に応じて管理値を超えたことを警告
したり、基体104の処理の中止を指示するためのブザ
ー(不図示)がさらに設けられている。基体104の搬
送中には、排気装置305、原料ガス供給装置303、
マッチングボックス301および高周波電源302の各
手段への接続機構110、113、115はそれぞれ開
放されている。
【0038】搬送工程においては、例えば、図3(A)
に示す搬送経路をとるとする。本実施形態の基体処理装
置を用いて円筒形の基体104の振動を解析する場合に
は、まず、脱脂、洗浄した基体104を、保持部材10
5を用いて保持し、上蓋108で容器101を封止し、
接続機構115を介して排気装置305を接続し、バル
ブ402、410を開いて容器101内を真空排気す
る。次いで、排気終了後にバルブ402、405を閉
じ、接続機構115を開放して容器101を、例えば、
図3(A)に示す搬送経路で搬送する。搬送中の基体1
04の振動は、容器101の上蓋108に取り付けた変
位センサ201によって測定される。測定された変位量
は時系列のデータとして記録され、コンピュータ204
は、それらのデータに基づいて基体104の振動を解析
し、解析結果を表示する。ここで、振動を測定する基体
104の形状は、板状や円筒状など、どのような形状で
あってもよい。基体104の保持部材105の形状は、
基体104の形状に応じて設計すればよく、変位センサ
201の取り付けおよび測定方向は、基体処理装置の構
成や基体104の形状、基体104の保持方法によって
適宜設定すればよい。図6に示すように、円筒形の基体
104の曲面部が垂直となるように保持される場合に
は、基体104の変位量の測定方向は、例えば、静止時
の基体104の中心線に対して垂直で互いに直交する2
方向といった、複数の方向とするのが好ましい。
【0039】また、円筒形の基体104を保持したとき
には、変位センサ201の位置によって同じ振動に対し
て測定される基体104の変位量が異なる。このとき、
測定された変位量を基体104の静止時に対する振動時
の中心線の角度変位に換算すれば、変位センサ201の
位置によらずに一定の基準で振動の大きさを知ることが
できる。
【0040】図4や、図6に示す装置を用いた振動解析
方法は、以下のように実施される。まず、搬送工程を最
適化する前に、容器101内部に保持された基体104
の振動を変位センサ201によって測定しながら容器1
01を搬送し、基体104に堆積膜を形成する操作を複
数回繰り返す。その後、形成された堆積膜中の球状突起
数を測定し、測定した基体104の振動の大きさと球状
突起の数との関係を予め求めておく。そして、基体10
4の振動に伴って発生する塵埃によって堆積膜の品質の
低下が顕在化するときの振動の大きさを表す数値を、コ
ンピュータ202によって基体104の振動の管理値と
して策定する。
【0041】次に、図4に示した装置で振動解析方法を
実行する。まず、前述した方法で管理値を策定するとと
もに、例えば、搬送中に通過する床面に段差があったと
きや、容器101の速度や進行方向が急激に変化したと
きや、容器101が固定された物体に接触したときなど
の、基体117に振動が発生した原因と、そのときの振
動の様子との関係を、コンピュータ202にデータベー
スとして登録しておく。このとき、基体117の振動は
故意に発生させてもよい。
【0042】次に、搬送時における基体117の振動の
様子を変位センサ201で測定し、時間と振動を表す数
値との関係をコンピュータ202の画面に表示する。こ
のとき、コンピュータ202によって表示される基体1
17の変位量として、必要に応じて基体117の中心線
の静止時と振動時と角度変位等の他の数値に変換された
ものをコンピュータ202に表示してもよい。
【0043】そして、コンピュータ202は、搬送中の
基体117の振動が策定した管理値を超える場合には、
そのときの振動の様子をデータベースに登録された既知
の振動と比較して、その振動原因を特定する。比較の結
果特定された基体117の振動原因は、コンピュータ2
02204の画面に表示される。上述の基体117の振
動解析を上述した搬送工程の一部またはすべてのステッ
プにおいて行うことによって、基体117の振動に伴う
発塵による堆積膜の品質の低下が顕在化するような振動
が発生するステップを特定することができる。
【0044】次に、本実施形態の搬送工程の設計方法に
ついて説明する。上述のような振動解析方法を用いれ
ば、さらに、基体104の振動の解析結果に基づいて、
基体104の振動を低減するように搬送工程を最適化す
ることができる。本実施形態の搬送工程の設計方法で
は、既述した振動解析方法を実行することによって特定
された、管理値を越える振動が発生した搬送工程のステ
ップを最適化する。最適化の方法としては、搬送速度の
調整や、床面の平滑化、衝撃吸収材の使用などが挙げら
れる。これらの方法を実行することによって、搬送中の
基体104の振動を低減した搬送工程を設計することが
できる。
【0045】また、本実施形態の基体処理装置では、搬
送中の基体104の振動が策定した管理値を越えた時点
で、ブザー等の警報によって基体104の処理の中止を
指示し、振動の測定を終了する。処理の中止が指示され
た基体104は、再び脱脂、洗浄することによって被処
理基体として利用することができる。処理の中止を指示
されることなく所定の位置まで搬送された基体104に
は、そこで加熱、成膜等の処理が施される。加熱、成膜
処理工程において、マッチングボックス301および高
周波電源302、原料ガス供給装置303、排気装置3
04を接続した状態を図7に示す。なお、基体104の
搬送が人力によるときであっても、前述した基体104
の振動解析方法を実行して、予め搬送工程を最適化して
おくことが望ましい。
【0046】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態の振動解析方法、搬送工程の設計方法および基
体処理装置、並びに電子写真感光体の形成方法について
説明する。図8は、本発明の第2の実施形態の振動解析
方法を実行する装置の概略構成を示す断面図である。本
実施形態の振動解析方法を実施する装置では、図4に示
す装置の構成に加え、容器101の外壁に、容器101
の搬送中における容器101の衝撃の大きさを測定する
ための加速度センサ203が、基体117の振動を測定
するための変位センサ201とは独立して設けられてい
る。この装置では、容器101および容器101内に保
持された基体117の振動を、加速度センサ203と、
変位センサ201とで、同期して測定することによっ
て、基体117の振動の他に、容器101に加えられる
衝撃を測定することができる。このとき、加速度センサ
203では、複数の方向についての加速度を測定するの
が好ましい。ここで、容器101に衝撃が加えられたと
きの加速度を表す値としては、例えば、加速度センサ2
03として圧電式の加速度センサを適用する場合には、
振動が発生したときの検出電圧とすればよく、検出電圧
から加速度の値をコンピュータ202によって算出して
もよい。
【0047】図9は、本実施形態の基体処理装置の概略
構成を示す断面図である。本実施形態の基体処理装置で
は、搬送中の容器101の衝撃の大きさを測定するため
の加速度センサ203が、基体104の振動を測定する
ための変位センサ201とは独立して設けられている。
本実施形態の基体処理装置では、容器101および容器
101内に保持された基体104の振動の測定と容器1
01に加えられる衝撃の測定を同期して行うことによっ
て、基体104の振動の様子の他に、容器101に加え
られる衝撃の様子を監視することができる。
【0048】本実施形態の振動解析方法について述べ
る。図8や図9に示す装置を用いた振動解析方法は、以
下に示すように実施される。前述したように、基体10
4の振動に伴う基体104と保持部材118との摺動や
摩耗運動による発塵の他に、衝撃が加わることによる容
器101が振動に伴う容器101の内壁に付着していた
塵埃の離脱が、基体104の処理表面の汚染源として考
慮しなければならないことがある。そのときにはまず、
図9に示した装置を用いて基体104の振動に加え、搬
送工程中に容器101に加えられる衝撃の大きさを測定
しながら堆積膜を形成し、コンピュータ202によっ
て、堆積膜中の球状突起数と容器101に加わる衝撃の
大きさとの関係に基づいて管理値を策定する。
【0049】次に、図8に示した装置で振動解析方法を
実行する。まず、前述した方法で管理値を策定すると共
に、コンピュータ202に、基体117の振動や容器1
01に加えられる衝撃が発生したときの原因とそのとき
の振動の様子との関係をデータベースに登録しておき、
搬送中の基体117の振動や容器101に加わる衝撃が
管理値を超えるときに、そのデータベースを参照して基
体117や容器101の振動原因を特定することによっ
て、基体117の振動および容器101に加わる衝撃に
伴う発塵による堆積膜の品質の低下が顕在化するような
振動が発生するステップを特定する。
【0050】また、本実施形態の搬送工程の設計方法で
は、容器101の内壁に付着していた塵埃が、容器10
1への衝撃によって離脱することが処理表面の汚染源と
して考えられるとき、容器101の壁面に加速度センサ
203を変位センサ201とは独立して設け、基体11
7の振動および容器101に加えられる衝撃を解析した
結果、特定された管理値を超える基体や容器の振動が発
生したステップについても、最適化を行う。最適化の方
法としては、前述と同様に、搬送速度の調整や、床面の
平滑化、衝撃吸収材の使用などが挙げられる。これらの
方法を実行することによって、基体117の振動および
容器101に加えられる衝撃を低減した搬送工程を設計
することができる。
【0051】図9に示す基体処理装置を用いた基体の処
理は、以下のように実施される。前述したように、基体
104の振動に伴う基体104と保持部材105との摺
動および摩耗運動による発塵や、容器101の内壁に付
着していて容器101へ加えられる衝撃によって離脱す
る塵埃が基体104の表面の汚染源として考えられる。
そのため、本実施形態の振動解析方法では、基体104
の振動を表す数値に加えて、容器101に加えられる衝
撃を表す数値を管理値として策定し、搬送中の基体10
4の振動や容器に加えられる衝撃を変位センサ201お
よび加速度センサ203を用いて測定し、時間と振動を
表す数値との関係をコンピュータ204の画面に表示す
る。このとき、コンピュータ204によって表示される
基体104の変位量は、必要に応じて基体の中心線の静
止時と振動時と角度変位量等の他の数値に変換されたも
のであってもよい。そして、基体104の振動または容
器101に加えられる衝撃を表す数値が管理値を超えた
時点で、ブザー等の警報によって基体104の処理の中
止を指示し、基体104の振動の測定を終了する。処理
の中止を指示されることなく所定の位置まで搬送された
基体104は、そこで加熱、成膜等の処理を施される。
加熱、成膜処理工程において、マッチングボックス30
1および高周波電源302、原料ガス供給装置303、
排気装置304を接続した状態を図10に示す。管理値
を超える振動が発生した搬送工程のステップは最適化さ
れる。なお、基体104の搬送が人力によるときであっ
ても、前述した基体104や容器101の振動解析方法
を実行して、予め搬送工程を最適化しておくことが望ま
しい。
【0052】
【実施例】以下、実施例により、本発明の効果を具体的
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定
されるものではない。
【0053】(第1の実施例)まず、第1の実施例につ
いて説明する。本実施例は、図3(A)に示すような搬
送経路を有する搬送工程において、図6に示す基体処理
装置を用いて円筒形の基体104上にアモルファスシリ
コン膜を形成する際の基体104の振動を解析した場合
の実施例である。基体104としては、高さ358m
m、直径80mmの円筒形の基体を用い、その基体10
4の振動を非接触式の変位センサ201によって測定し
た。
【0054】本実施例では、まず、搬送工程を最適化す
る前に、図6に示す基体処理装置を用いて基体104を
搬送し、基体104上にアモルファスシリコン感光体を
形成する作業を複数回行った。そして、その作業により
形成されたアモルファスシリコン感光体の表面を光学顕
微鏡で観察し、その表面上における、直径が10μm以
上の球状突起の数を計測した。
【0055】そして、容器101を搬送させることな
く、図3(B)における加熱、成膜エリアにおいてすべ
ての基体104の処理工程を行ったときに得られるアモ
ルファスシリコン感光体の表面上の球状突起数、すなわ
ち、基体104の振動が最も小さいときに得られるアモ
ルファスシリコン感光体の表面上の球状突起数に対す
る、前述の計測した球状突起数の比を算出し、さらに、
その球状突起数の比と、静止時に対する振動時の基体1
04の角度変位の最大値との関係を求めた。
【0056】図11に、前述のように求められた、球状
突起数の比と基体104の角度変位の最大値との関係を
示す。図11から明らかなように、本実施例では、基体
104の角度変位の最大値が0.4度を超えると、球状
突起数の比が1付近から急激に増加することから、本実
施例では、管理値を0.4度とした。
【0057】さらに、基体104の振動の原因とそのと
きの振動の様子との関係をデータベースとして登録して
おく。基体104の振動の原因には、容器101の速度
や進行方向の急激な変化や、床面のレール602に搬送
用車輪102が滑らかに導入されなかったことや、容器
101の固定された物体への接触などが考えられる。
【0058】図12は、容器101の速度が急激に変化
したときの基体104の位置の変化の様子を示すグラフ
であり、図13は、そのときの位置の変化の様子から換
算した基体104の角度変位の経時変化の様子を示すグ
ラフである。また、図14は、床面のレールに搬送用車
輪が滑らかに導入されなかったときの基体の位置の変化
を示すグラフであり、図15は、そのときの変位から換
算した基体の角度変位の経時変化を示す図である。ま
た、図16は、容器101が固定された物体に接触した
ときの基体104の変位の変化を示すグラフであり、図
17は、そのときの変位から換算した基体104の角度
の経時変化を示すグラフである。各グラフには、容器1
01の進行方向が矢印で示されている。本実施例ではそ
れぞれの基体104の振動が発生した様々な原因に対し
て、そのときに観測された、図12から図17に示され
る振動の変位の様子と角度の経時変化をコンピュータ2
04のデータベースに登録しておいた。
【0059】次に、図3(A)に示された搬送工程中に
測定された基体の振動が管理値を超えた工程を探索した
ところ、容器101を方向転換させるステップにおい
て、図18に示されるような基体の変位の変化と、図1
9に示すような基体の変位量の変化から換算した基体の
角度の経時変化がコンピュータ204の画面に表示され
た。このステップでは、円筒形の基体104の静止時に
対する角度の最大値が管理値0.4度を超えており、こ
のステップにおける基体104の振動に伴う発塵によっ
てアモルファスシリコンデバイスの品質が低下する可能
性が高いことがわかる。さらに、データベースと比較し
た結果、図18、図19に示す基体104の変位の様子
が、容器の搬送速度を急激に変化させたときに類似して
いることが分かった。
【0060】上述した振動解析の結果に基づいて、管理
値を超える搬送工程の最適化を試みた。例えば、容器を
方向転換させるステップにおいては、方向転換の速度を
搬送工程の改造前よりも遅くすることで、このステップ
における基体の振動を低減するように最適化を図った。
方向転換のステップの際に、搬送用車輪102にブレー
キをかけることで搬送速度を最適化前の4分の1まで低
下させたときの基体104の変位を図20に、基体の変
位量から換算した基体の角度の経時変化を図21に示
す。図21から明らかなように、搬送速度を低下させる
ことで、基体104の振動を管理値以下に抑えて搬送す
ることが可能となることが分かる。
【0061】<実施例1>次に、 本実施例で用いた振
動解析方法によって基体104の振動を小さくするよう
に搬送工程を最適化し、図1に示す装置を用いて、既述
した堆積膜の形成方法でアモルファスシリコン感光体を
形成し、感光体上の球状突起数を調べた。
【0062】ここで、電子写真感光体の層構成として
は、導電性の基体から電荷の注入を阻止する働きのある
電荷注入阻止層と、光導電性を有する光導電層と、耐湿
性、繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、
耐久性向上を目的とする表面層を基体104上に順次積
層した。そのときの各堆積膜の形成条件を表1に示す。
【0063】
【表1】 基体104としては、長さ358mm、直径80mmの
アルミニウムシリンダを用い、容器101中央を中心と
する同心円上に3本の基体104を等間隔に設置した。
また、真空処理装置を5組用意し、それぞれの装置を用
いて成膜操作を行い、合計で15本のアモルファスシリ
コン感光体を形成した。
【0064】<比較例1>基体104の振動が小さくな
るように最適化する前の搬送工程によって基体を搬送
し、図1に示す装置を用いて、既述した堆積膜の形成方
法でアモルファスシリコン感光体を形成し、その感光体
上の球状突起数を調べた。基体104は実施例1で用い
たものと同じ種類のものを用い、堆積膜の形成条件も実
施例1と同様とした。
【0065】<比較例2>アモルファスシリコン感光体
を形成するすべての工程を同じ位置で行った。すなわ
ち、基体を搬送させることなくアモルファスシリコン感
光体を形成し、その感光体上の球状突起数を調べた。基
体は実施例1で用いたものと同じ種類のものを用い、堆
積膜の形成条件も実施例1と同様とした。
【0066】そして、得られたアモルファスシリコン電
子写真感光体の表面を光学顕微鏡で観察し、直径10μ
m以上の球状突起の個数を計測した後、各々のアモルフ
ァスシリコン感光体の球状突起数の平均値を計算し、比
較例2において得られた感光体の球状突起数に対する、
実施例1、比較例1において得られた感光体の球状突起
数の比を算出した。この比は、小さいほど球状突起数が
少ないことを示す。
【0067】
【表2】 実施例1および比較例1、2で形成されたアモルファス
シリコン感光体の球状突起数の違いを表2に示す。表2
から明らかなように、基体104の振動を低減するよう
に搬送工程を最適化することで、基体104の振動に伴
い発生する球状突起数を大幅に増加させることなくアモ
ルファスシリコン感光体を形成できることがわかる。ま
た、実施例1において15本のアモルファスシリコン感
光体を形成する時間は、比較例1に比べて0.92倍と
なり、基体104を搬送し、エリアによって決められた
処理を基体104に施していくことで、装置のデッドタ
イムを短くして、アモルファスシリコン感光体を形成す
る工程に要する時間を全体的に短縮することができるこ
とが分かった。
【0068】(第2の実施例)次に、第2の実施例につ
いて説明する。本実施例は、基体処理装置として、図9
に示す装置を用いて基体の振動や容器に加わる衝撃を解
析した場合の実施例である。本実施例では、まず、搬送
工程を最適化する前に基体を搬送し、図10に示す基体
処理装置を用いて円筒形の基体上にアモルファスシリコ
ン膜を形成する操作を複数回行った。次いで、得られた
アモルファスシリコン感光体の表面を光学顕微鏡で観察
し、直径が10μm以上の球状突起の数を計測した。そ
して、容器を搬送させることなく、図3(B)における
加熱、成膜エリアにてすべての基体の処理工程を行った
とき、すなわち、容器に加わる衝撃が最も小さいときに
得られたアモルファスシリコン感光体の球状突起数に対
する、計測した球状突起数の比を算出し、さらに、その
球状突起数の比と、容器が振動したときの加速度を表す
電圧値の最大値との関係を求めた。図22に、前述のよ
うに求められた球状突起数の比と容器が振動したときの
加速度を表す電圧値の最大値との関係を示す。図22に
示すように、本実施例における測定条件で検出された電
圧の絶対値が、1.0Vを超えると球状突起数の比が1
付近から急激に増加することから、容器に加わる衝撃に
関する管理値を1.0Vとした。
【0069】また、データベースには、基体の振動や容
器に加わる衝撃が発生したときの原因とそのときの振動
の様子との関係を登録しておき、搬送中の基体の振動や
容器に加わる衝撃が管理値を超えたときにデータベース
と比較して原因を特定することで、基体の振動および容
器に加わる衝撃に伴う発塵による堆積膜の品質の低下が
顕在化するような振動が発生する工程を特定し、その原
因を特定することによって、容器に加わる衝撃を低減す
る方向に搬送工程を最適化することができる。なお、最
適化の方法としては、搬送速度の調整や、床面の平滑化
や、衝撃吸収材の使用などが挙げられる。
【0070】(第3の実施例)次に、第3の実施例につ
いて説明する。本実施例は、図7に示す基体処理装置を
用いてアモルファスシリコン堆積膜を形成するための図
3(A)に示す搬送工程において、基体を人力によって
搬送するときに、搬送者による振動の大きさのばらつき
を小さくして基体を搬送することを試みた実施例であ
る。本実施例では、基体104として、高さ358m
m、直径80mmの円筒形の基体を用い、容器101内
に容器中央を中心とする同心円上に3本の基体104を
等間隔に設置し、そのうちの任意の1本の基体104を
測定対象とした。
【0071】本実施例の振動解析方法について説明す
る。前述の実施例と同様にして、管理値を策定した。こ
の場合、装置構成は前述した実施例と同じであるため、
基体の振動の管理値は0.4度とした。そして、基体1
04の搬送中の振動を測定したところ、レール602に
搬送用車輪102が滑らかに導入されなかったとき、図
23に示すような振動が測定されることがあることが分
かった。このとき、基体の中心線の角度が0.4度を越
えた時点で基体104の搬送の中止を指示するアラーム
を発し、振動の測定を終了した。ここで、処理を中止さ
れた基体104は、再び脱脂、洗浄して被処理基体とし
て利用することができる。管理値を超えることなく所定
の場所まで搬送された基体104については、加熱、成
膜エリアで加熱、成膜の各処理を行った。
【0072】<実施例3>第1の実施例で用いた基体1
04の振動の解析方法によって基体104の振動が小さ
くなるように最適化した搬送工程を経て基体104を人
力で搬送し、図7に示す装置を用いて、本実施例で示す
基体の振動解析方法によって基体104の振動を監視し
ながら、既述した堆積膜の形成方法でアモルファスシリ
コン感光体を形成し、感光体上の球状突起数を調べた。
基体104として実施例1で用いたものと同じ種類のも
のを用い、堆積膜の形成条件も実施例1と同様とした。
このとき、成膜操作を、基体104の処理が中止されな
かったものについて5回行い、合計で15本のアモルフ
ァスシリコン感光体を形成した。
【0073】<比較例3>第1の実施例で用いた基体1
04の振動解析方法によって基体104の振動が小さく
なるように最適化した搬送工程を経て基体104を人力
で搬送し、図7に示す装置を用いて、既述した堆積膜の
形成方法でアモルファスシリコン感光体を形成し、感光
体上の球状突起数を調べた。このとき、基体104の振
動の測定は行わずに基体104を搬送させた。基体10
4としては実施例1で用いたものと同じ種類のものを用
い、堆積膜の形成条件も実施例1と同様とした。
【0074】また、得られたアモルファスシリコン電子
写真感光体の表面を光学顕微鏡で観察し、直径10μm
以上の球状突起の個数を計測した後、各々のアモルファ
スシリコン感光体の球状突起数の平均値を計算し、第2
の比較例において得られた感光体の球状突起数に対する
実施例3、比較例3において得られた感光体の球状突起
数の比を算出した。この比は、小さいほど球状突起が少
ないことを示す。実施例3、比較例3および比較例2で
形成されたアモルファスシリコン感光体の球状突起数の
比の違いを表3に示す。
【0075】
【表3】 表3の実施例から明らかなように、本実施例によれば、
管理値を超えるような基体104の振動に対して、基体
104の処理の中止を指示することで、基体104の振
動が殆ど測定されていない比較例2に比べて球状突起数
は多いものの、その数を急激に増加させることなくアモ
ルファスシリコン感光体を形成することができることが
分かる。
【0076】(第4の実施例)次に、第4の実施例につ
いて説明する。本実施例では、図10に示す基体処理装
置を用いることによって、基体104の振動に加えて、
容器101に加わる衝撃を加速度センサ203によって
監視しながら基体104を搬送することができる。この
ときの振動解析方法を以下に説明する。まず、基体10
4の振動および容器101の衝撃の管理値を策定した。
なお、装置の構成は前述した実施例とほぼ同じであるた
め、基体104の振動の管理値を0.4度とし、容器1
01の衝撃の管理値を1.0Vとした。
【0077】そして、基体104を人力で搬送させる際
の基体104の振動や容器101に加えられる衝撃の大
きさを測定したところ、レール602に搬送用車輪10
2が滑らかに導入されなかったとき、図24〜図26に
示すような容器101の振動の加速度の変化が測定され
ることが分かった。なお、図24は、円筒形の容器10
1の壁面の接線に対して垂直かつ地面に対して平行な方
向の加速度の変化を示し、図25は、容器101の壁面
の接線に対して平行方向の加速度の変化を示し、図26
は、地面に対して垂直な方向の加速度の変化を示す。こ
こで、容器101の衝撃の加速度を表す電圧値が±1.
0Vを越えた場合には、基体104の搬送の中止を指示
するアラームを発し、測定を終了する。管理値を超える
ことなく所定の搬送終点まで搬送された基体104に対
しては、加熱、成膜エリアで加熱、成膜の各処理を行う。
以上のようにして、搬送工程において、基体104の振
動や容器101に加えられる衝撃に伴う発塵が原因で不
良品となる可能性のある基体104を排除することがで
きる。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
体上に堆積膜を形成する工程のうち、内部に基体を保持
しながら容器を搬送させる工程において、基体や容器の
振動を解析することによって、基体や容器の振動に伴う
発塵によって基体の処理表面が汚染され、堆積膜の品質
が著しく低下する恐れのある工程を特定することができ
る。
【0079】また、振動の解析によって基体や容器の振
動を抑制するように最適化された搬送工程を設計するこ
とが可能となる。
【0080】また、本発明によれば、基体や容器の振動
を解析した結果に基づいて基体の搬送工程を最適化する
ことによって、発塵を低減した、すなわち、基体表面に
付着したダストに起因する堆積膜中の球状突起の発生を
抑制し、高い歩留まりを維持しながら、良質な堆積膜を
形成することが可能となる。
【0081】また、本発明によれば、基体の搬送が人力
によるとき、基体や容器の振動が管理値を超えた時点で
基体の処理の中止を指示し、振動が管理値以下に収めら
れて搬送された基体のみに堆積膜を形成することで、発
塵を低減した、すなわち、基体表面に付着したダストに
起因する堆積膜中の球状突起の発生を抑制し、高い歩留
まりを維持しながら、良質な堆積膜を形成することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の基体処理装置の構成
を示す断面図である。
【図2】マッチングボックスおよび高周波電源と原料ガ
ス供給装置と排気装置への各接続機構の接続を解除した
状態の容器を示す図である。
【図3】図3(A)は、搬送工程における基体の処理の
準備エリアから、加熱、成膜エリアへと容器を搬送する
経路の一例を示す模式図であり、図3(B)は、搬送工
程における基体の処理の準備エリアおよび加熱、成膜エ
リア内の構成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の振動解析方法を実行
する装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】板状の基体を保持する機構を有する装置の構成
を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の基体処理装置の概略
構成を示す断面図である。
【図7】加熱、成膜処理工程において、マッチングボッ
クスおよび高周波電源、原料ガス供給装置、排気装置を
接続した状態を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の振動解析方法を実行
する装置の概略構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の基体処理装置の概略
構成を示す断面図である。
【図10】加熱、成膜処理工程において、マッチングボ
ックスおよび高周波電源、原料ガス供給装置、排気装置
を接続した状態を示す図である。
【図11】球状突起数の比と基体の角度変位の最大値と
の関係を示すグラフである。
【図12】容器の速度が急激に変化したときの基体の位
置の変化の様子を示すグラフである。
【図13】容器の速度が急激に変化したときの基体の位
置の変化の様子から換算した基体の角度変位の経時変化
の様子を示すグラフである。
【図14】床面のレールに搬送用車輪が滑らかに導入さ
れなかったときの基体のを示すグラフである。
【図15】床面のレールに搬送用車輪が滑らかに導入さ
れなかったときの基体の変位から換算した基体の角度変
位の経時変化を示す図である。
【図16】容器が固定された物体に接触したときの基体
の変位を示すグラフである。
【図17】容器が固定された物体に接触したときの基体
の変位から換算した基体の角度の経時変化を示すグラフ
である。
【図18】容器を方向転換させるステップにおける基体
の変位を示すグラフである。
【図19】容器が固定された物体に接触したときの基体
の変位から換算した基体の角度の経時変化を示すグラフ
である。
【図20】搬送用車輪にブレーキをかけることで搬送速
度を最適化前の4分の1まで低下させたときの基体の変
位を示すグラフである。
【図21】搬送用車輪にブレーキをかけることで搬送速
度を最適化前の4分の1まで低下させたときの基体の角
度変位の経時変化を示すグラフである。
【図22】球状突起数の比と容器が振動したときの加速
度を表す電圧値の最大値との関係を示すグラフである。
【図23】レールに搬送用車輪が滑らかに導入されなか
ったときの基体の角度変位の経時変化を示すグラフであ
る。
【図24】円筒形の容器の壁面の接線に対して垂直かつ
地面に対して平行な方向の容器の加速度の変化を示すグ
ラフである。
【図25】容器の壁面の接線に対して平行方向の容器の
加速度の変化を示すグラフである。
【図26】地面に対して垂直な方向の容器の加速度の変
化を示すグラフである。
【符号の説明】
101 容器 102 搬送用車輪 103 移動台 104、117、121 基体 105、118、122 保持部材 106 ヒータ 107、119 キャップ 108、120 上蓋 109 電極 110、113、115 接続機構 111 高周波シールド 112 原料ガス導入管 114 排気配管 116 真空計 201 変位センサ 202 コンピュータ 203 加速度センサ 204 コンピュータ 301 マッチングボックス 302 高周波電源 303 原料ガス供給装置 304、305 排気装置 401〜410 バルブ 501〜504 マスフローコントローラ 601、602 レール 701〜704 ボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/10 G03G 5/10 B (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 瀬木 好雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2G064 AA11 AB03 BA02 CC13 CC54 DD15 2H068 AA54 EA41 4K030 BA30 CA16 GA12 KA24 KA39 LA17 5F031 CA02 CA20 FA05 GA58 JA45 MA28 MA29 NA08 PA26

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ乃至複数の基体を移動自在な容器内
    に保持しながら搬送する搬送工程における前記基体の振
    動を解析するための振動解析方法において、 前記各基体のうち、少なくとも1つの基体における振動
    を測定する第1のステップと、 該第1のステップにおいて測定された振動を記録する第
    2のステップと、 該第2のステップにおいて記録された振動を解析する第
    3のステップと、 該第3のステップにおける解析結果を表示する第4のス
    テップとを有することを特徴とする振動解析方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のステップでは、前記基体にお
    ける一つまたは複数の方向の振動を測定する請求項1記
    載の振動解析方法。
  3. 【請求項3】 前記容器の底部に設置された保持部材に
    よって円筒状の前記基体を垂直に保持している請求項1
    または2記載の振動解析方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のステップでは、前記基体の振
    動を、前記基体の水平方向の変位量を検出することによ
    って測定する請求項3記載の振動解析方法。
  5. 【請求項5】 前記第1のステップでは、前記基体の変
    位量を、前記基体の中心線の角度変位量に変換する請求
    項4記載の振動解析方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のステップを実行する前に、前
    記基体の振動の管理値を策定する第5のステップをさら
    に有し、 前記第3のステップにおいて、前記基体の振動の大きさ
    と前記管理値とを比較する請求項1から5のいずれか1
    項記載の振動解析方法。
  7. 【請求項7】 前記第3のステップにおいて、前記基体
    の振動の大きさが前記管理値を越えている場合には、第
    4のステップにおいて、その旨を表示する請求項6記載
    の振動解析方法。
  8. 【請求項8】 前記第3のステップにおいて、前記基体
    の振動の大きさが前記管理値を超えている場合には、前
    記基体の振動要因を特定することを特徴とする請求項6
    記載の振動解析方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のステップを実行する前に、前
    記基体における複数の振動要因と、該振動要因による振
    動の様子との関係を示すデータベースを作成する第6の
    ステップをさらに有し、 前記第3のステップにおいて、前記基体の振動の大きさ
    が前記管理値を越えている場合には、前記データベース
    を参照して、前記基体の振動要因を特定する請求項8記
    載の振動解析方法。
  10. 【請求項10】 前記管理値は、前記基体の振動の大き
    さと、堆積膜に生成される球状突起数との関係に基づい
    て策定される請求項6から9のいずれか1項記載の振動
    解析方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のステップを実行するととも
    に、前記容器の振動を測定する第7のステップと、 該第7のステップにおいて測定された振動を記録する第
    8のステップと、 該第8のステップにおいて記録された振動を解析する第
    9のステップと、 該第9のステップにおける解析結果を表示する第10の
    ステップとをさらに有する請求項1から10のいずれか
    1項記載の振動解析方法。
  12. 【請求項12】 前記第7のステップでは、一つまたは
    複数の方向の振動を測定する請求項11記載の振動解析
    方法。
  13. 【請求項13】 前記第7のステップでは、前記容器の
    振動の大きさを、前記容器に加えられる加速度を検出す
    ることによって測定する請求項10または12記載の振
    動解析方法。
  14. 【請求項14】 前記第1のステップを実行する前に、
    前記容器の振動の管理値を策定する第11のステップを
    さらに有し、 前記第9のステップにおいて、前記容器の振動の大きさ
    と前記管理値とを比較する、請求項11から13のいず
    れか1項記載の振動解析方法。
  15. 【請求項15】 前記第9のステップにおいて、前記容
    器の振動の大きさが前記管理値を越えている場合には、
    前記第10のステップにおいて、その旨を表示する請求
    項14記載の振動解析方法。
  16. 【請求項16】 前記第9のステップにおいて、前記容
    器の振動の大きさが前記管理値を超えている場合には、
    前記容器の振動要因を特定することを特徴とする請求項
    14記載の振動解析方法。
  17. 【請求項17】 前記第1のステップを実行する前に、
    前記容器における複数の振動要因と、該振動要因による
    振動の様子との関係を示すデータベースを作成する第1
    2のステップをさらに有し、 前記第9のステップにおいて、前記容器の振動の大きさ
    が前記管理値を越えている場合には、前記データベース
    を参照して、前記容器の振動要因を特定する請求項16
    記載の振動解析方法。
  18. 【請求項18】 前記管理値は、前記基体の振動の大き
    さと、堆積膜に生成される球状突起数との関係に基づい
    て策定される請求項14から17のいずれか1項記載の
    振動解析方法。
  19. 【請求項19】 請求項8記載の振動解析方法を実行
    し、 前記第3のステップにおいて特定された前記基体の振動
    要因を排除することによって前記搬送工程を最適化す
    る、搬送工程の設計方法。
  20. 【請求項20】 請求項16記載の振動解析方法を実行
    し、 前記第9のステップにおいて特定された前記容器の振動
    要因を排除することによって前記搬送工程を最適化す
    る、搬送工程の設計方法。
  21. 【請求項21】 内部に1つ乃至複数の基体を保持して
    移動自在な容器と、 該容器内で前記基体を保持する保持部材と、 少なくとも1つの前記基体の振動を検出する検出手段
    と、 該検出手段によって検出された前記基体の振動を記録し
    て解析し、該解析の結果を表示する情報処理手段とを備
    えることを特徴とする基体処理装置。
  22. 【請求項22】 前記情報処理手段は、請求項7記載の
    振動解析方法を実行し、 前記第3のステップにおいて、前記基体の振動の大きさ
    が前記管理値を超えた場合に、前記管理値を超えたこと
    を警告する手段または前記基体の搬送の中止を指示する
    手段であることを特徴とする請求項21記載の基体処理
    装置。
  23. 【請求項23】 前記容器の振動を検出する検出手段を
    さらに備える請求項21または22記載の基体処理装
    置。
  24. 【請求項24】 前記情報処理手段は、請求項14記載
    の振動解析方法を実行し、 前記第9のステップにおいて、前記基体または前記容器
    の振動の少なくとも一方の振動の大きさが前記管理値を
    超えた場合に、前記管理値を超えたことを警告する手段
    または前記基体の搬送の中止を指示する手段であること
    を特徴とする請求項21から23のいずれか1項記載の
    基体処理装置。
  25. 【請求項25】 前記容器は、内部が減圧可能であり、
    前記基体に対して前記基体に堆積膜を形成する真空処理
    を実行可能である請求項21から24のいずれか1項記
    載の基体処理装置。
  26. 【請求項26】 前記容器が、人力によって、搬送可能
    である請求項19から23のいずれか1項記載の基体処
    理装置。
  27. 【請求項27】 請求項21から26のいずれか1項記
    載の基体処理装置を用いて、前記基体に電子写真感光体
    を形成する、電子写真感光体の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010073772A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体装置の製造方法及び熱処理装置
JP2020174130A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 株式会社Sumco 半導体ウェーハの品質評価方法、半導体ウェーハの収容容器の評価方法、半導体ウェーハの収容容器の選定方法、半導体ウェーハの輸送ルートの評価方法および半導体ウェーハの輸送ルートの選定方法

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JP7081558B2 (ja) 2019-04-10 2022-06-07 株式会社Sumco 半導体ウェーハの品質評価方法、半導体ウェーハの収容容器の評価方法、半導体ウェーハの収容容器の選定方法、半導体ウェーハの輸送ルートの評価方法および半導体ウェーハの輸送ルートの選定方法

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