JP2003141939A - ケーブル用止水テープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二枚の半導電性又は絶縁性布帛の間にサンド
イッチされた半導電性又は絶縁性吸水層からなるケーブ
ル用止水テープにおいて、少なく共一枚の半導電性又は
絶縁性カバー材布帛の改良によって、金属コルゲートケ
ーブル部位のような大きな隙間は勿論、高水圧が適用さ
れる海底ケーブルにも使用できる優れた止水能を有する
ケーブル用止水テープを提供する。 【解決手段】 導電性又は絶縁性布帛として、５％モジ
ュラス特性が、布帛の長さ方向に対して４５°の角度で
採取した試料の５０ｍｍ幅当たり、０．２００ｋｇ以下
である布帛を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、電力ケーブルの外被の
破損時に放射状と長さ方向への水の浸入と移動を防止す
るためにケーブル内に捲回して使用される止水テープに
関する。 【０００２】 【従来の技術】本願出願人は、先に、特許第３２１２２
５１号において、コルゲート金属外装溝及び隙間の走水
を更に確実に防止できる二種類の止水テープを用いた超
高圧コルゲート金属電力ケーブルを開示した。 【０００３】この止水テープは、銅線が長さ方向に数本
織り込まれた織物基材の両面に吸水性半導電ゴム組成物
を含浸し銅線が表面に露出している第１のテープと、厚
手織物の基材の片面に半導電性ゴム組成物を塗布し、他
面に吸水性半導電ゴム組成物を塗布し、吸水性半導電ゴ
ム組成物の塗布層上に低目付不織布カバー材を貼り合わ
した第２のテープの組合せからなり、それぞれのテープ
を金属コルゲート外装ケーブルの押出外部半導電層上
（金属コルゲート下）に合わせ巻きして使用される。 【０００４】これによって、いずれのテープも、押出外
部半導電層と金属コルゲート外装との間に吸水面を外側
に向けて合わせ巻きされるので、金属コルゲート外装が
破損して水がケーブル内に侵入すると両テープが同時に
吸水して膨潤する。そして、前記第２のテープの低目付
不織布カバー材は、外部から水分が浸入した際には、そ
の箇所が吸水性ゴム組成物の膨潤したゲル状物を溜める
膨潤ダムとして作用し、吸水性ゴム組成物の膨潤したゲ
ル状物が水圧で押し流されることを妨げ、短い距離で走
水を防止する機能を有する。 【０００５】これによって上記特許に開示された止水テ
ープは、非常に大きな隙間空間を有する金属コルゲート
部分のその止水能において極めて優れた止水効果を発揮
する。 【０００６】なお、二枚の半導電性又は絶縁性布帛間に
サンドイッチされた半導電性又は絶縁性吸水層よりなる
一般的なケーブル用止水テープの膨潤面の少なく共一枚
の布帛として、前記金属コルゲート電力ケーブル等に使
用されているような繊維間間隙（目隙）が比較的少ない
低目付不織布カバー材と、特開平３−２２４７２９号や
特開平５−９２５２５号に開示されているような目隙が
大きい特殊不織布カバー材の二種類が使用されている。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】ところが、最近、金属
コルゲート電力ケーブルにおいて、この種の止水テープ
のコスト面からの検討が行われるようになり、とくに、
前記の第１のテープの銅線が長さ方向に数本織り込まれ
た織物基材の両面への吸水性半導電ゴム組成物の含浸処
理に手間と時間を要するのがコスト低減の阻害要因であ
ることが問題点として指摘されるようになった。 【０００８】そこで、テープ自体のコスト低減のため
に、第１のテープの銅線が長さ方向に数本織り込まれた
織物基材の両面への吸水性半導電ゴム組成物の含浸処理
を省略し、第２のテープによる膨潤ダムとしての作用に
よる防水機能に頼る方式が検討されるようになり、これ
によるコスト低減を図ることが試みられるようになっ
た。 【０００９】ところが、この第１のテープへの吸水性半
導電ゴム組成物の削減による吸水能の大幅な低下によっ
て、全体としての止水機能を維持するためには、第２の
テープによる膨潤ダムの止水機能を大幅に高める必要が
生じる。 【００１０】この第２のテープは、目隙が比較的小さな
布帛がカバー材として使用されているため、前記電力ケ
ーブルの金属コルゲート外装が破損時に水と接触して
も、半導電性吸水層中の膨潤吸水性樹脂粉末がカバー材
を貫通してカバー材の表面に露出することは殆どなく、
表面に露出していない膨潤吸水性樹脂が蓄積されるいわ
ゆる「膨潤ダム」を形成し、これによって止水効果を発
揮する機能を有する。 【００１１】ところが、第２のテープの機能は、金属コ
ルゲート電力ケーブルの半導電性層の上に第１のテープ
と合わせ巻きして使用される際、押出半導電性層上に張
力下で巻き付けられるため、第２のテープのカバー材が
引張られた状態で捲回された状態にあり、その結果止水
テープのカバー材が止水テープの吸水層の膨潤能力を著
しく阻害しているという知見を得た。 【００１２】すなわち、カバー材は、吸水性樹脂粉末が
基材布帛上に付着される場合、基材とカバー材としての
布帛間に吸水性樹脂粉末を挟持して吸水性樹脂粉末の脱
落を防止する。しかしながら、実際には、ケーブル用止
水テープはケーブル内の使用部位に螺旋状に引張った状
態で或いは螺旋状に重ね合わせて、又は長さ方向に折り
重ねて巻き付けられており、全体的又は部分的に止水テ
ープのカバー材全体や耳部が張力下又は重ね合わせによ
り拘束された状態にあり、カバー材が、水と接触した
際、吸水性樹脂粉末の膨潤を抑制し、導電性又は絶縁性
吸水層の吸水能力を著しく阻害している。従って、前記
の第２のテープにおいて、高吸水性樹脂粉末の付着量を
増加して吸水能を増加させても、実用上ケーブル捲回後
は殆ど止水能の向上に寄与しないことも判明した。 【００１３】一方、少なくとも一枚の布帛としての目隙
が大きな特殊不織布カバー材は、製法が特殊で複雑なた
め高価であるが、吸水層の吸水性樹脂粉末の粒子径に関
して、小さな粒子径の粉末が使用される場合、水と接触
した際、吸水性樹脂粉末が目隙を貫通してカバー材上に
露出するという長所を持っている。しかしながら、この
ように目隙が大きなカバー材を前記金属コルゲート電力
ケーブルに使用すると止水テープのカバー材表面から吸
水性樹脂粉末が露出するため、ケーブルの止水試験時露
出した膨潤粉末が水圧により押し流され、その止水能を
発揮できず、このように大きな隙間空間部位には使用で
きないという欠陥がある。更に、最近、走水防止型電力ケ
ーブルの用途拡大と共にケーブルの止水試験に使用され
る水頭圧が従来の１ｍ高さから数１０ｍへと徐々に増加
されており、目隙が大きな特殊不織布カバー材では、水
と接触時カバー材を貫通してカバー材表面上に膨潤吸水
性粉末が露出すると、水圧によって粉末が益々押し流さ
れてしまい止水能を発揮できず、海底ケーブルのように
高水圧が適用されるケーブルにも使用できない。 【００１４】本発明は、二枚の半導電性又は絶縁性布帛
の間にサンドイッチされた半導電性又は絶縁性吸水層か
らなるケーブル用止水テープにおいて、少なくとも一枚
の半導電性又は絶縁性カバー材布帛の改良によって、金
属コルゲートケーブル部位のような大きな隙間は勿論、
高水圧が適用される海底ケーブルにも使用できる優れた
止水能を有するケーブル用止水テープを提供する。 【００１５】 【課題を解決するための手段】本願発明は、このような
従来の比較的小さな目隙の低目付不織布や目隙の大きな
特殊不織布をカバー材として使用した止水テープの止水
能には限界があり、ケーブル外装の破損よる浸入水によ
る吸水層に含まれる吸水性組成物のゲル化による膨潤吸
水層がカバー材の箇所に貯蔵されるダム作用を、より機
能させることによって達成でき、そのためには、カバー
材の伸張特性を管理することによって止水テープの止水
能の向上が可能であるという知見の下で完成した。 【００１６】すなわち、本願発明に係るカバー材布帛の
特性として、カバー材該当布帛の長さ方向に対して４５
°の角度で採取した試料の５％モジュラスが、５０ｍｍ
幅当たり、０．２００ｋｇまでは効果的な前記「膨潤ダ
ム」による機能を発揮でき、このモジュラスの値は小さ
い程良い。すなわち、本発明の止水テープは、低いモジ
ュラス特性を有する低モジュラス布帛と呼ぶるカバー材
の使用によって、ゲル化した吸水性組成物の「膨潤ダ
ム」による機能による止水機能を発揮させるものであ
る。 【００１７】一般には、５％モジュラス値は、材質の低
荷重付与時の伸びやすさ又は柔軟性の尺度を指す。本発
明の場合は、水との接触によって吸水性樹脂粉末が膨潤
する際、止水テープが引張って突合せで又は部分的に重
ね合わせてケーブル周囲に捲回されている時、カバー材
が縦方向及び横方向の両方向に伸びなければ吸水性樹脂
粉末の膨潤能力を阻害することになることから、その伸
び易さを示す尺度を、カバー材の長さ方向に対して４５
°の角度で採取した試料の５％モジュラス値によって規
定した。 【００１８】４５°の角度の５％モジュラスの上限値を
０．２００ｋｇ／５０ｍｍ幅を規定したのは、この値を
超えると吸水層の膨潤時低モジュラス布帛が殆ど伸び
ず、その膨潤能力を著しく阻害するからである。また、
その下限は、規定されないが、あまりにも低すぎると、
半導電性又は絶縁性吸水層への低モジュラス布帛の貼り
合わせ時、低モジュラス布帛が伸び過ぎて上手く貼り合
わせできないため、５０ｍｍ幅当り０．００１ｋｇ程度
までであることが好ましい。 【００１９】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を実
施例に基づいて説明する。 【００２０】図１は、本発明のケーブル用半導電性又は
絶縁性止水テープの断面構造を示す。ここで、１は半導
電性又は絶縁性布帛、２は半導電性又は絶縁性吸水層、
３は半導電性又は絶縁性布帛である。 【００２１】二枚の半導電性又は絶縁性布帛１，３の間
にサンドイッチ状に挿入された半導電性又は絶縁性吸水
層２よりなる従来の三層構造の止水テープには、一般
に、片面のみに吸水能を備えた片面膨潤タイプと両面に
吸水能を備えた両面膨潤タイプの二種類がある。 【００２２】片面膨潤タイプ止水テープは、一面に他面
より大きな強度を有する半導電性又は絶縁性布帛（以
下、高強度布帛と呼ぶ）を、他面に前記のカバー材とし
て作用する半導電性又は絶縁性低目付布帛を有してい
る。 【００２３】一方、両面膨潤タイプ止水テープは、両面
に導電性又は絶縁性低目付布帛を有している。 【００２４】片面膨潤タイプ止水テープの場合、半導電
性又は絶縁性高強度布帛１は、ケーブル用半導電性又は
絶縁性止水テープにケーブル捲回時やテープ製造時に適
切な引張強度を提供する基材よりなり、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、
木綿繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、ビニロン
繊維等の単独又は組み合わせの織物、編物、又は不織布
等が使用される。これらの高強度布帛は、止水テープの
使用部位に応じて、周知の半導電性ブチルゴム溶剤溶液
等の含浸により半導電性にすることができる。尚、前記
のように、両面膨潤性止水テープには、後述の導電性又
は絶縁性低モジュラス布帛が両面に使用できる。 【００２５】半導電性又は絶縁性吸水層２は、外被等が
破損してケーブル内に水が浸入した際、水と接触して膨
潤し膨潤ゲルを形成して長さ方向や放射状に走水するの
を防止するものであり、吸水性樹脂粉末単独、又は吸水
性樹脂粉末と合成ゴムや合成樹脂のバインダー（半導電
性の場合は、更に導電剤を含む）との組み合わせのいず
れも使用できる。 【００２６】半導電性又は絶縁性吸水層２の吸水性樹脂
粉末は、水と接触しても溶解せず、自重の１０倍から１
０００倍の吸水能力を有する周知の天然変性系及び合成
系の代表的にはポリアクリル酸ナトリウム共重合架橋体
等のような周知の高吸水性樹脂粉末が使用できる。 【００２７】図１に３として示す本発明の特徴であるケ
ーブル用片面膨潤性タイプ止水テープの半導電性又は絶
縁性低モジュラス布帛は、前記半導電性又は絶縁性高強
度布帛上に設置した半導電性又は絶縁性吸水層の上に設
置される。更に、本発明の特徴であるケーブル用両面膨
潤性タイプ止水テープの半導電性又は絶縁性低モジュラ
ス布帛は、従来の半導電性又は絶縁性低目付布帛或いは
本発明の特徴である半導電性又は絶縁性低モジュラス布
帛上に設置した半導電性又は絶縁性吸水層の上に設置さ
れる。 【００２８】低モジュラス布帛としては、材質的には綿
繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊
維、ポリノジック繊維、ビニロン繊維等であり、編物、
不織布が好適である。 とくに、不織布の場合、水流交
絡法によって不織ウエッブの繊維を結合したものが好適
である。但し、ポリウレタン繊維の場合、４５°の角度
の５％モジュラス値が他の繊維に較べて著しく低いの
で、この限りでなく、熱接合した不織布は勿論織物も使
用できる。低モジュラス布帛は、目付が大きくなると材
料費が高価になるので、できるだけ低目付品を採用する
のが望ましい。これらの低モジュラス布帛も予め周知の
半導電性ブチルゴム溶剤溶液等に含浸して半導電性にす
ることができる。 【００２９】この半導電性又は絶縁性低モジュラス布帛
は、半導電性又は絶縁性高強度布帛又は、半導電性又は
絶縁性低モジュラス布帛の上に、例えば、前記の吸水性
樹脂粉末とバインダー（半導電性の場合は、導電剤も含
む）よりなる周知の吸水性樹脂溶剤溶液を塗布し、その
上に周知の積層方法により半導電性又は絶縁性低モジュ
ラス布帛を貼り合わせられる。或いは、半導電性又は絶
縁性高強度布帛又は、半導電性又は絶縁性低モジュラス
布帛の上に吸水性樹脂粉末を均一に撒布し、その上に半
導電性又は絶縁性低モジュラス布帛を設置し二本のロー
ル間で加圧して積層される。 【００３０】具体的に、以下の要領で電力ケーブル用半
導電性止水テープと、絶縁性止水テープを以下の要領で
製造した。 【００３１】実施例１ （電力ケーブル用半導電性止水
テープ） 周知の半導電性ブチルゴム溶剤溶液（固形分：２３％）
に溶液６５０重量部にポリアクリル酸ナトリウム系吸水
性樹脂粉末（蒸留水吸水倍率：３００ｇ／ｇ、平均粒子
径：１００μｍ）４５０重量部を添加し、充分に攪拌し
て半導電性吸水性樹脂溶剤溶液を得た。 【００３２】高強度布帛であるポリエステル長繊維不織
布（目付６０ｇ／ｍ^２）の片面に周知の半導電性ブチル
ゴム溶剤溶液を乾燥付着量３０ｇ／ｍ^２で塗布・乾燥し
た。次いで、その反対面に上記半導電性吸水性樹脂溶剤
溶液を塗布し乾燥付着量１８０ｇ／ｍ^２で塗布・乾燥
し、直ちに低モジュラス布帛である予め半導電性処理を
施した水流交絡法で繊維を接合したセルローズ長繊維不
織布（目付：１８ｇ／ｍ ^２）を塗布面に載せ、２本ロー
ルで圧着して本発明の電力ケーブル用半導電性止水テー
プを得た。 【００３３】実施例２ （電力ケーブル用絶縁性止水
テープ） 高強度布帛であるアクリル樹脂で繊維を結合された乾式
法ポリエステル短繊維不織布（目付６０ｇ／ｍ^２）の片
面にポリアクリル酸ナトリウム系吸水性樹脂粉末（蒸留
水吸水倍率：３００ｇ／ｇ、平均粒子径：１００μｍ）
を付着量３５ｇ／ｍ^２で撒布し、直ちに低モジュラス布
帛である婦人用ナイロンストッキング用編物（目付：６
７ｇ／ｍ^２）を載せ、２本ロールで圧着して本発明の電
力ケーブル用絶縁性止水テープを得た。 【００３４】実施例３ （電力ケーブル用半導電性止
水テープ） 実施例１において、低モジュラス布帛である半導電性処
理を施した水流交絡法で繊維を接合したセルローズ長繊
維不織布の代りに、予め半導電性処理を施したポリウレ
タン長繊維不織布（目付：２５ｇ／ｍ^２）を使用し本発
明の電力ケーブル用半導電性止水テープを得た。 【００３５】比較例１ 実施例１において低モジュラス布帛である水流交絡法で
繊維を接合したセルローズ長繊維不織布の代りに、従来
技術の低目付不織布カバー材であるポリエステル長不織
布（目付：１２ｇ／ｍ^２）を使用し、従来技術の電力ケ
ーブル用半導電性止水テープを得た。 【００３６】比較例２ 実施例２において低モジュラス布帛である婦人用ナイロ
ンストッキング用編物の代りに、従来技術の低目付不織
布カバー材であるアクリル樹脂で繊維を結合した乾式法
ポリエステル短繊維不織布（目付：２０ｇ／ｍ^２）を使
用し従来技術の電力ケーブル用絶縁性止水テープを得
た。 【００３７】上記実施例と比較例について、カバー材の
４５°の角度で採取した試料の５％モジュラス値と、吸
水高さ、それに耳部固定時吸水高さを調べた。 【００３８】使用前の低モジュラス布帛を、広幅シート
から長さ方向に対して４５°の角度を持たせて幅５０ｍ
ｍ・長さ２５０ｍｍの試験片を採取し、引張試験機を使
用して掴み間隔２００ｍｍ、引張速度１００ｍｍ／分で
試験片を引張り、５％伸張時の引張強度を求めた結果、
何れも、この止水テープのカバー材の５％モジュラス特
性は、長さ方向に対して４５°の角度で採取した試料の
５０ｍｍ幅当たり、０．０１〜０．０７ｋｇ以下であっ
た。一方、従来技術で使用されている比較例１及び２の
カバー材の５％モジュラス特性は、長さ方向に対して４
５°の角度で採取した試料の５０ｍｍ幅当たり、０．２
５ｋｇ及び０．４０ｋｇであった。 【００３９】そして、得られた止水テープの吸水高さ
と、耳部固定時吸水高さを調べた結果、それぞれ１３．
５〜１５．５ｍｍと、８．２〜１５．４ｍｍであり、一
方、比較例１と比較例２の止水テープの吸水高さと、耳
部固定時の吸水高さはそれぞれ１５．５ｍｍ〜１５．０
ｍｍと、３．０ｍｍ〜２．８ｍｍであり、本発明の止水
テープは重ね合わせて使用されても吸水高さは、著しく
高いものであった。尚、ここでいう耳部固定時吸水高さ
とは、前記の特許第３２１２２５１号に記載されている
吸水高さ測定装置において、下型カップの周囲縁に肉厚
１０ｍｍのプラスチック円筒状リングを押し付けて止水
テープ試験片の円周縁を固定して外径が２０ｍｍ小さい
上蓋を載せて測定される吸水高さである。 【００４０】又、実施例１と比較例１の半導電性止水テ
ープ及び吸水導電処理を施していない銅線織り込みテー
プを併用して前記特許第３２１２２５１号記載と同様な
方法で模擬ケーブルの止水試験を行った結果、実施例１
のテープ使用では８０ｃｍで止水していたが、比較例１
のテープでは止水試験開始後１０分間で模擬ケーブル端
末から漏水した。 【００４１】 【発明の効果】１． 本発明のケーブル用止水テープ
は、膨潤面に使用する低モジュラス布帛の４５°角度の
５％モジュラス値が従来のカバー材に較べて低いので、
吸水性樹脂粉末の膨潤能力を向上し、著しくケーブルの
止水能力を高める。 【００４２】２． 吸水性樹脂粉末の付着量を低減で
き、従来技術品より安価に製造できる。 【００４３】３． 突合せ共巻きは勿論重ね合わせ巻き
等のように止水テープが拘束された状態で使用されても
吸水高さが従来品に較べて高いので大きな隙間、例えば
電力ケーブルの金属コルゲートの大きな谷間も止水でき
る。その際、未処理の銅線織り込みテープが併用でき、ケ
ーブルのコストダウンと納期短縮に貢献する。 【００４４】４． 電力ケーブルにおいて、本発明のケ
ーブル用半導電性止水テープは、導体抑え巻き、コア上
クッション層、金属遮蔽層（銅テープや銅ワイヤー）上
下にも適用できる。 【００４５】５． 絶縁性止水テープは我国で使用され
ている光ファイバ・ケーブルの溝付棒（スロット）型は
勿論諸外国で使用されているルーズ・チューブのドライ
化にも抑え巻きテープとして使用できる。 【００４６】６． 水と接触してもカバー材表面から膨
潤吸水性樹脂粉末が露出しないので、従来（１ｍ）より
高い水圧でケーブルの止水試験を行っても膨潤吸水性樹
脂粉末が押し流されない。従って、海底ケーブルにも適
用できる。

【図面の簡単な説明】 【図１】 本発明のケーブル用半導電性又は絶縁性止水
テープの断面図である。 【符号の説明】 １‥‥半導電性又は絶縁性（高強度）布帛 ２‥‥半導電性又は絶縁性吸水層 ３‥‥半導電性又は絶縁性（低モジュラス）布帛

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 二枚の半導電性又は絶縁性布帛間にサン
   ドイッチ状に挿入された半導電性又は絶縁性吸水層から
   なるケーブル用止水テープにおいて、 前記導電性又は絶縁性布帛の少なく共一枚の布帛の５％
   モジュラス特性が、布帛の長さ方向に対して４５°の角
   度で採取した試料の５０ｍｍ幅当たり、０．２００ｋｇ
   以下であるケーブル用止水テープ。