JP2003140819A - 超音波座標入力装置 - Google Patents

超音波座標入力装置

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JP2003140819A
JP2003140819A JP2001339074A JP2001339074A JP2003140819A JP 2003140819 A JP2003140819 A JP 2003140819A JP 2001339074 A JP2001339074 A JP 2001339074A JP 2001339074 A JP2001339074 A JP 2001339074A JP 2003140819 A JP2003140819 A JP 2003140819A
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Akira Fujii
彰 藤井
Hidenori Sekiguchi
英紀 関口
Soichi Hama
壮一 浜
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は超音波座標入力装置に関し、移動体
と受信器間の距離を正確に測定することができ、利用者
に音速の校正を意識させない超音波座標入力装置を提供
することを目的としている。 【解決手段】 超音波送信器を有する移動体10と、少
なくとも2個の超音波受信器7、8と、移動体10から
の送信を同期する同期手段を有した固定ユニット1から
なり、超音波送信器から送信された超音波が受信器まで
到達する時間から移動体10の座標を入力する座標入力
装置において、前記固定ユニット1内に、2個の超音波
受信器7、8に対し、所定の距離間隔に配置された超音
波送信器9を1個配置するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波座標入力装置
に関し、更に詳しくはペン状の移動体の座標位置を、超
音波の伝播時間を計測して距離を計測し、三角測量によ
り座標を求め、コンピュータへ手書き文字等の軌跡を入
力するための、超音波座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を使った座標入力装置は、送信器
から送られた超音波を受信器で受け取り、その伝播時間
を計測することで距離を求めるものである。計測距離
は、伝搬時間に超音波の音速を乗ずることで得る。伝搬
時間は、同期手段から得られる送信タイミングから受信
器による受信タイミングまでで求める。単純には、2個
の受信器において、その伝搬時間から距離を下記の式で
求め、三角測量により座標を求める。ここで、Lを距離
(m)、Vを音速、t(秒)を伝搬時間とすると、以下
のように表される。
【0003】 L=V×t (1) 音速V(m/s)は、一般には、温度をTとして以下の
近似式で決まる。 V=331.5+0.6×T (2) この式から分かるように、音速は温度の関数である。従
って、上記2式から正確に座標を演算するためには、利
用環境の温度を測定し、その環境における音速を求める
必要があることが分かる。
【0004】図9は従来装置の動作説明図である。図に
おいて、1は固定ユニットで、R1とR2は固定ユニッ
ト1内に設けられた受信器である。Mは移動体で、該移
動体Mから超音波が発信される。この時の周囲温度は
T、超音波の速度(音速)はVであるものとする。ここ
で、周囲温度TがΔTだけ上昇すると、(2)式より明
らかなように、音速VはΔVだけ上昇する。
【0005】温度変化による音速変化を無視した場合、
周囲温度の変化に応じた座標位置誤差を含むことにな
り、結果として、ペン状移動体の位置が本来の位置から
ずれて測定されることになる。つまり、定位置に移動体
がある場合、周囲温度上昇→音速大→伝搬時間(計測
値)小→計算距離小→座標誤差発生という流れになる。
【0006】利用環境における音速の校正を行なうため
に、従来は以下のような方法が採られていた。 特開平10−41822号 ディスプレイ装置と一体となっている座標入力装置にお
いて、ディスプレイ上に超音波受信器から既知の位置に
校正用のマーカー表示を行ない、ペン移動体(送信器)
をこのマーカーに会わせることにより校正を行なうもの
である。図10は従来装置の第1の例を示す図である。
図において、2はディスプレイ装置である。該ディスプ
レイ装置2の上方には、受信器R1、R2が取り付けら
れている。×印は表示マーカーである。この表示マーカ
ーから受信器R1までの距離L1が予め既知であるもの
とする。距離L1間の伝搬時間をδtとすれば、この時
の音速Vは、次式で与えられる。
【0007】V=L1/δt (3) (3)式により音速Vが求まったら、ある位置から時間
Δt後の距離Lは L=V×Δt と表され、距離が求まることになる。ただし、音速Vは
(3)式で表される値とする。 特開平4−34053号 ペン移動体又は固定ユニットに温度センサを組み込んで
(2)式により音速を求めるものである。図11は従来
装置の第2の例を示す図である。図において、1は固定
ユニットで、その内部に2個の受信器5と温度センサ6
が組み込まれている。ここで、温度センサ6の出力をT
とすれば、(2)式により音速Vを求めることができ
る。音速Vが求まったら、任意の位置からΔt後の距離
Lは L=V×Δt と表され、距離が求まることになる。 特開平8−136321号 超音波を使った液面高さ計では、2組の送受信器セット
を使い、液面と壁面を同時に測定することにより、音速
変化の影響をなくすようにしたものである。図12は従
来装置の第3の例を示す図である。図において、7Aは
2組の超音波センサ、8Aは処理回路である。この例で
は、2組の超音波センサ(送受信器)7Aから同時に超
音波を送信し、既知の位置の壁面(反射板)からの反射
波を利用して、2つの受信時間から音速の影響をなくし
ている。即ち、壁面からの受信時間をt1とし、超音波
センサ7Aから壁面までの距離L2が既知であれば、音
速Vと受信時間と距離L2の間には、 t1=2×L2÷V で表されるから、この式から音速Vが求まり、液面まで
の反射時間をt2とすると、t2×V÷2で液面までの
距離が求まる。実際には、液面までの距離Lは L=(t2/t1)・L2 として求められる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したの方式で
は、超音波受信器とマーカー位置との距離を正確に既知
の距離に合わせる必要がある。しかしながら、ディスプ
レイ装置と固定ユニットが脱着可能な形態では、超音波
受信器とディスプレイ装置の位置関係(距離)を正確に
合わせる難しい。図10の下段に示すように、固定ユニ
ットの取り付け誤差が発生すると、マーカー位置から受
信器までの距離L1が変動するので、測定誤差となる。
このため、そのような形態の座標入力装置では利用でき
ない。また、校正もペン利用者が入力位置と座標位置が
食い違った場合等に、ペン利用者が受動的に行なう必要
があるので、利用者に不便を強いている。
【0009】前記したの方式では、温度センサ自体の
出力から温度を正確に測定できるように校正する必要が
あり、そういった情報を固定ユニット等に保持しておく
必要がある。そのため、装置製作が面倒になる。更に、
音速は正確には温度だけでなく、湿度にも影響されるた
め、校正テーブル作成時の湿度と利用環境における湿度
差の影響を取り除くことができない。
【0010】前記したの方式では、送受信器が共に固
定位置に配置され、送受信器間の距離が一定になるよう
にしている。一方、座標入力装置では、移動体(送信
器)からの超音波を少なくとも2個の受信器で受信する
必要があり、送信器が移動する場合、送受信器間距離が
一定にならない。また、固定ユニット内の受信器から既
知の位置に反射板を配置する構造として、反射波を利用
する場合もうまく反射波を利用できない。これは、機能
座標入力装置の利用環境は、液面計のようにクローズド
な環境ではなく、周囲にさまざまな反射物があることが
多く、固定ユニット周囲の反射物からの反射波と音速を
校正するための反射波が干渉するためである。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、移動体と受信器間の距離を正確に測定す
ることができ、利用者に音速の校正を意識させない超音
波座標入力装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)図1は本発明の原
理構成図である。図において、1は固定ユニット、7、
8は固定ユニット1内に設けられた受信器、9は固定ユ
ニット1内に設けられた音速校正用の送信器である。受
信器7と送信器9とは既知の距離Lだけ離れているもの
とする。10は移動体である。この移動体10からは、
受信器7、8に向けて超音波が送信される。
【0013】このように校正された装置において、送信
器9から受信器7に到達するまでの時間をt3とする
と、音速Vは次式で表される。 V=L/t3 これで、ある温度Tの環境に置かれた移動体10の音速
Vが求まったことになる。ここで、移動体10から受信
器7までの時間t4が求まったものとすると、移動体1
0から受信器7までの距離L2は次式で表される。
【0014】L2=V×t4 このように、本発明によれば、移動体と受信器間の距離
を正確に測定することができる。また、利用者に音速の
校正を意識させることもない。
【0015】(2)請求項2記載の発明は、前記固定ユ
ニット内に予め配置された少なくとも2個の超音波受信
器の内の1個を超音波送信器としても用い、該超音波送
受信器を受信回路又は送信回路として使い分けるための
切り換え手段を設けたことを特徴とする。
【0016】このように構成すれば、固定ユニット内の
超音波受信器2個の内の1個を超音波送信器としても用
い、超音波受信器として用いる場合と超音波送信器とし
て用いる場合において、切り換え手段により送信用又は
受信用として切り換えることにより、超音波送信器の数
を1個だけ減らすことができ、構成が簡単になる。
【0017】(3)請求項3記載の発明は、前記固定ユ
ニット内に予め配置される超音波受信器の電極を分割す
ることにより、送受信兼用器としても用いることを特徴
とする。
【0018】このように構成すれば、固定ユニット内に
配置される超音波受信器の電極を分割することにより、
送受信兼用器として利用することが可能となる。 (4)請求項4記載の発明は、前記固定ユニット内で所
定の距離間隔に配置された送受信器における送信タイミ
ングを移動体と固定ユニットにおける同期タイミングと
から、所定の時間量遅らせて送信することを特徴とす
る。
【0019】このように構成すれば、音速構成用の超音
波と、移動体位置測定用の超音波が重ならないようにす
ることができ、移動体から受信器までの到達時間を正確
に測定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。図2は円筒形圧電フィル
ム受信器の説明図である。一般的な圧電セラミック製の
超音波受信器においては、指向性が±50度以下と狭い
ため、固定ユニット内の2個の超音波受信器として、圧
電セラミック製受信器を利用する場合、ホーン形状の反
射板を利用して、水平方向に対して、無指向性にする。
また、高分子圧電フィルム(例えばPVDF)を用いた
円筒形の超音波受信器を使えば、無指向性のため特にホ
ーン状の反射板は不要となる。
【0021】図3は通常の送信器、受信器の構成例を示
す図である。高分子圧電フィルムを使った円筒形超音波
受信器を示す。(a)は通常の圧電フィルム製超音波受
信器の構成を示している。図において、11は裏面電
極、12は表面電極、13はPVDF(高分子圧電フィ
ルム)である。高分子圧電フィルムを使った円筒形超音
波送受信器は、送信器と受信器の違いは電極形状のみで
ある。そのため、送信器を受信器としても利用すること
ができる。
【0022】(b)は通常の圧電フィルム製超音波送信
器の構成例を示す。11は裏面受信器、12は表面受信
器である。裏面と表面に電界を印加することによって、
超音波送信器として利用することができる。(c)は通
常の受信器の形状例を示す図である。引き出し線は表
面、裏面で1本ずつの合わせて2本である。
【0023】図4は本発明による送受信器の構成例を示
す図である。裏面における電極を2分して、送信用の電
極14と受信用の電極15を形成する送受信兼用器とす
れば(16は共通電極)、リレーなどの回路を切り換え
る手段が不要になる。このような構成とすることによ
り、新たな送受信器を付加することなく、音速校正用の
送受信ができて、音声校正が可能となる。
【0024】なお、何れの場合も、音速校正用の超音波
の送受信は、ペン移動体から送信される超音波の受信タ
イミングと重ならないようにする必要がある(同一の受
信器を用いるため)。移動体からの送信は、同期手段に
より得られるので、送信タイミングから所定の時間間隔
をあけて行なうことで、重なりを防ぐことができる。
【0025】図5は本発明の動作説明図である。図1と
同一のものは、同一の符号を付して示す。この例では、
超音波受信器を送信器としても用い、構成の簡略化を図
ったものである。図において、1は固定ユニット、21
は送受信兼用器、22は該送受信兼用器から所定距離L
だけ離れた位置に設置されている受信器である。10は
移動体(送信器)である。このように校正された装置の
動作を説明すれば、以下の通りである。
【0026】先ず、送受信兼用器21を送信器として用
い、該送信器21から距離L2だけ離れた位置にある受
信器22で送信器21から発生された超音波を受信す
る。この時にかかった時間をt5とすれば、速度Vは次
式で表される。
【0027】V=L2/t5 次に、移動体10からの送信を受信器で受けるまでの時
間がt6であるものとすれば、移動体10から受信器ま
での距離L3は次式で表される。
【0028】L3=t6×V=t6×L2/t5 このように、この実施の形態例によれば、温度補正され
た移動体から受信器までの距離を正確に求めることがで
きる。また、この実施の形態例によれば、2個の受信器
のうち、1個を送信器としても用いるため、装置の簡素
化が可能となる。
【0029】図6は本発明による移動体の構成例を示す
図である。図において、30はスイッチ、40は駆動回
路、31は赤外線LED、32は超音波発信器である。
起動回路40において、41は定期的にタイミング信号
を発生するタイマ、42は該タイマ41の出力を受けて
LEDを駆動する駆動回路、43はタイマ41の出力を
受けて超音波を駆動する超音波駆動回路である。LED
駆動回路42は赤外線LED31を駆動し、超音波駆動
回路43は超音波発信器32を駆動する。このように校
正された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0030】スイッチ30により超音波の送信のオン/
オフを行なう。スイッチ30がオンになった状態で、タ
イマ41により定期的に超音波を発生する。超音波の発
生は、超音波駆動回路43により超音波発信器32を駆
動することにより行なう。タイマ41は、超音波の発生
タイミングを決めるだけでなく、発生タイミングを受信
器に通知する機能も有する(同期手段)。
【0031】タイマ41はLED駆動回路42を駆動す
る。該LED駆動回路42により赤外線LED31を駆
動し、光パルスとして受信器側に送る。受信器側では、
赤外線LED31の出力を受けた時間からタイマをカウ
ント(計測)し、超音波発信器32からの超音波が届い
た瞬間にタイマのカウントを停止し、送信器からの超音
波が受信器に届くまでの時間を計測することができる。
【0032】なお、この実施の形態例では、赤外光を使
って送信器と受信器の間を無線にしているが、タイミン
グ手段は、これらに限らず、電波を使う場合、有線で電
気的に行なう場合(送受信器がケーブルで電気的につな
がっている)も考えられる。
【0033】図7は固定ユニットの第1の実施の形態例
を示すブロック図である。図において、50は全体の制
御動作を行なうマイクロコントローラ、51は超音波送
受信兼用器、52は超音波受信器、53は移動体からの
赤外光を検出するフォトディテクタ(PD)である。超
音波送受信兼用器51は、圧電フィルム製の送信器と同
一形状の電極を持つ。54は超音波送受信兼用器51を
送信器として、又は受信器として切り換え動作させるた
めのリレーである。
【0034】55は超音波送受信兼用器51を受信器と
して用いた時の受信信号を増幅する第1の入力アンプ
(入力アンプ1)、56は該入力アンプ55の出力を基
準値と比較する第1のコンパレータ(コンパレータ1)
である。57は超音波を出力する超音波駆動回路、58
は超音波受信器52の出力を増幅する第2の入力アンプ
(入力アンプ2)、59は該入力アンプ58の出力を基
準値と比較する第2のコンパレータ(コンパレータ2)
である。
【0035】60はマイクロコントローラ50からの制
御信号を受けて遅延させる遅延回路、である。該遅延回
路60の出力は、リレー54と超音波駆動回路57に入
っている。51は赤外線PD53の出力をスタート入力
に、コンパレータ1の出力をストップ入力に受ける第1
のタイマ(タイマ1)、52は赤外線PD53の出力を
スタート入力に、コンパレータ2の出力をストップ入力
にうける第2のタイマ(タイマ2)、53は超音波駆動
回路57の出力をスタート入力に、コンパレータ2の出
力をストップ入力に受ける第3のタイマ(タイマ3)で
ある。これらタイマ1〜タイマ3の出力は、マイクロコ
ントローラ50に入っている。また、赤外線PD53の
出力もマイクロコントローラ50に入っている。このよ
うに構成された回路の動作を説明すれば、以下の通りで
ある。
【0036】超音波送受信兼用器51と超音波受信器5
2は、移動体(図示せず)からの超音波を受ける時に
は、受信器として働く。一方、固定ユニット内で音速の
校正を行なう時には、超音波送受信兼用器51が送信
器、52が受信器として働く。
【0037】赤外線PD53は、同期用赤外光が赤外線
LED31(図6参照)から送出されたのを受けてこの
赤外光を検出する。赤外線PD43の出力は、タイマ1
とタイマ2とマイクロコントローラ50に入る。タイマ
1、タイマ2はこの検出信号をスタート信号として時間
のカウントを始める。この時、リレー54は、超音波送
受信兼用器51を受信器として接続している。
【0038】移動体(図示せず)からの超音波は、超音
波送受信兼用器51と超音波受信器52に到達する。そ
れぞれの到達信号は、受信器51、52で受信された
後、入力アンプ1、入力アンプ2で増幅された後、コン
パレータ1、コンパレータ2で基準値と比較された後、
パルスとして出力される。この検出パルスは、タイマ
1、タイマ2のストップ信号入力端子に入る。この結
果、それぞれのタイマ1、タイマ2は時間のカウントを
終了する。この結果、タイマ1、タイマ2は、移動体か
らの超音波による伝播時間のカウント(計測)を完了す
る。カウントされた伝播時間t1、t2は、マイクロコ
ントローラ50内に記憶される。
【0039】一方、音速の校正は以下のようにして行な
う。マイクロコントローラ50は、赤外線PD53から
の同期信号を受信して、そのタイミングを認識してい
る。そこで、遅延回路60を駆動するが、この場合、移
動体からの超音波の発信と、超音波送受信兼用器51か
らの超音波の発信が重ならないように遅延時間を設定す
る。この時、リレー54は超音波送受信兼用器51が送
信器として働くように回路を接続する。また、遅延回路
60による超音波駆動回路57とリレー54の駆動の遅
延量は、リレー54による切り換え時間を待って超音波
駆動回路57を駆動するように遅延時間を変えている。
【0040】超音波駆動回路57は、遅延回路60から
の信号を基に超音波送受信兼用器51を駆動し、超音波
を発信させる。この時、超音波駆動回路57の出力は、
タイマ3にスタート信号として入っている。この結果、
タイマ3は時間のカウントを開始する。そして、超音波
受信器52が送信器51からの超音波を受信すると、そ
の受信信号を入力アンプ2で増幅し、コンパレータ2で
基準値と比較した後、パルス信号となるが、このパルス
信号をタイマ3にストップ信号として入れてやる。この
時に、タイマ3でカウントした伝播時間t3が固定ユニ
ット内の規定の距離Lを伝播した時間となる。この伝播
時間をt3として、音速Vを求めると、Vは次式で与え
られる。
【0041】V=L/t3 一方、マイクロコントローラ50には、移動体からの伝
播時間(タイマ1とタイマ2のカウント時間)が伝播時
間として記憶されている。ここで、伝播時間をt5とす
ると、移動体から受信器までの距離L’は、次式で表さ
れる。
【0042】 L’=音速×時間 =V×t5 =t5・L/t3 この距離L’は、温度による校正が行われた値となる。
従って、正確に移動体の座標を求めることができる。
【0043】図8は本発明による固定ユニットの第2の
実施の形態例を示すブロック図である。図7と同一のも
のは、同一の符号を付して示す。この実施の形態例にお
いて、移動体については、実施の形態例1と同様であ
る。圧電フィルム製超音波送信器、受信器は、何れも単
純な容量素子と考えてよい。そこで、分割していない側
の電極をグランド(GND)とする。こうすることで、
送信回路と受信回路が分離でき、リレー等による切り換
えは不要となる。図において、C1が受信器として機能
する容量、C2が送信器として機能する容量である。そ
の他の構成については、図7と同様であるので、動作の
詳細については、省略する。
【0044】前述した実施の形態例では、音速校正を行
なう時期は、例えば同期赤外光の入力が一定時間なかっ
た後の最初の赤外受光後に行なう。ただし、その時期は
これに限らず、同期光入力毎に行なう場合や、同期光の
入力が一定時間なかった場合に、同期光の有無に関係な
く行なう場合もある。これらはマイクロコントローラ5
0から制御できる。
【0045】前述の動作で得られた伝搬時間データt
1、t2、t3はマイクロコントローラ50経由でホス
トコンピュータに送られ、三角測量による座標計算や音
速校正が行なわれる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。 (1)請求項1記載の発明によれば、移動体と受信器間
の距離を正確に測定することができる。また、利用者に
音速の校正を意識させることもない。
【0047】(2)請求項2記載の発明によれば、固定
ユニット内の超音波受信器2個の内の1個を超音波送信
器としても用い、超音波受信器として用いる場合と超音
波送信器として用いる場合において、切り換え手段によ
り送信用又は受信用として切り換えることにより、超音
波送信器の数を1個だけ減らすことができ、構成が簡単
になる。
【0048】(3)請求項3記載の発明によれば、固定
ユニット内に配置される超音波受信器の電極を分割する
ことにより、送受信兼用器として利用することが可能と
なる。
【0049】(4)請求項4記載の発明によれば、音速
構成用の超音波と、移動体位置測定用の超音波が重なら
ないようにすることができ、移動体から受信器までの到
達時間を正確に測定することができる。
【0050】このように、本発明によれば、移動体と受
信器間の距離を正確に測定することができ、利用者に音
速の校正を意識させない超音波座標入力装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】円筒形圧電フィルム受信器の説明図である。
【図3】通常の送信器、受信器の構成例を示す図であ
る。
【図4】本発明による送受信器の構成例を示す図であ
る。
【図5】本発明の動作説明図である。
【図6】本発明による移動体の構成例を示す図である。
【図7】本発明による固定ユニットの第1の実施の形態
例を示すブロック図である。
【図8】本発明による固定ユニットの第2の実施の形態
例を示すブロック図である。
【図9】従来装置の動作説明図である。
【図10】従来装置の第1の例を示す図である。
【図11】従来装置の第2の例を示す図である。
【図12】従来装置の第3の例を示す図である。
【符号の説明】
1 固定ユニット 7、8 受信器 9 送信器 10 移動体
フロントページの続き (72)発明者 浜 壮一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2F014 AA05 FB01 5B068 BB21 BD11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波送信器を有する移動体と、少なく
    とも2個の超音波受信器と、移動体からの送信を同期す
    る同期手段を有した固定ユニットからなり、超音波送信
    器から送信された超音波が受信器まで到達する時間から
    移動体の座標を入力する座標入力装置において、 前記固定ユニット内に、2個の超音波受信器に対し、所
    定の距離間隔に配置された超音波送信器を1個配置する
    ことを特徴とする超音波座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記固定ユニット内に予め配置された少
    なくとも2個の超音波受信器の内の1個を超音波送信器
    としても用い、該超音波送受信器を受信回路又は送信回
    路として使い分けるための切り換え手段を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の超音波座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記固定ユニット内に予め配置される超
    音波受信器の電極を分割することにより、送受信兼用器
    としても用いることを特徴とする請求項1記載の超音波
    座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記固定ユニット内で所定の距離間隔に
    配置された送受信器における送信タイミングを移動体と
    固定ユニットにおける同期タイミングとから、所定の時
    間量遅らせて送信することを特徴とする請求項1乃至3
    の何れかに記載の超音波座標入力装置。
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