JP4143377B2 - ペン入力表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペン入力によって入力された位置情報を検出して、その入力位置座標を求めることのできるペン入力表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表示画面上でのペン入力を可能とするペン入力表示装置において、透明タブレットと液晶表示パネルとを一体構成したタブレット一体型液晶表示パネルが広く用いられている。このタブレット一体型液晶表示パネルには様々なタイプがあり、透明タブレットに抵抗膜方式を用いたものが最も広く利用されている。抵抗膜方式の透明タブレットを用いた一体型液晶表示パネルは、液晶表示パネルの前面に座標検出用の透明タブレットを積層した構成をとっている。
【0003】
しかし、上述のタブレット一体型液晶表示パネルでは、ペン入力を行う際には液晶表示パネルと入力用のペン先との間に透明タブレットが挟まれる形になる。このため、液晶表示パネルの表示位置から離れた位置にペン先がくる、いわゆる「視差」が生じてしまう。さらに、透明とはいえ、上記透明タブレットが液晶表示パネル上に積層されることによって表示画面における輝度が低下するといった問題もある。
【0004】
そこで、液晶表示パネル表面に透明タブレットを置くことなく、ペンによる入力操作を行う方法として、超音波ペン入力方式が利用されている。この方式では、入力用ペンに搭載された超音波送信器から発信される超音波を、液晶表示パネルに搭載された受信器によって受信し、その受信結果から液晶表示パネルに対する入力用ペンの相対位置を演算して入力位置を求めることができる。このような超音波ペン入力方式を開示する文献としては、例えば、米国特許公報である特許文献1が挙げられる。
【0005】
以下に図8ないし図11を参照して、超音波ペン入力方式について説明する。
【0006】
例えば、特許文献1の構成では、図8(a)に示すように、液晶表示パネル100の近傍にペン入力用ユニット101が配置され、ペン入力用ユニット101上には2つの超音波受信器102・103、および1つの赤外線受信器104が配置されている。一方、入力用ペン110は、図8(b)にも示すように、超音波送信器111、赤外線送信器112を有している。また、入力用ペン110はペン先がスイッチ113となっている。
【0007】
また、入力用ペン110には、図9に示すように、増幅回路114・115を介して超音波送信器111、赤外線送信器112の出力制御を行うマイクロコンピュータ116が内蔵されている。すなわち、上記マイクロコンピュータ116は、入力用ペン110が液晶表示パネル100に接触し、ペン先のスイッチ113がONとなった時に、上記超音波送信器111および赤外線送信器112から信号を発信させる。また、上記超音波送信器111、赤外線送信器112、増幅回路114・115およびマイクロコンピュータ116の駆動電源は入力用ペン110に内蔵された電池(図示せず)により供給される。
【0008】
次に、上記構成の超音波ペン入力方式における入力位置の演算方法について説明する。
【0009】
入力用ペン110が液晶表示パネル100に接触すると、ペン先に内蔵されたスイッチ113が入り、超音波送信器111より超音波信号が、赤外線送信器112より赤外線信号が同時に発信される。そして、超音波信号の発信から受信までにかかる信号到達時間が上記超音波受信器102・103のそれぞれにおいて計測される。この時、赤外線信号は発信からの時間差ゼロで赤外線受信器104に到達するものと見なし、上記信号到達時間の計測は赤外線信号の受信をトリガとして計測が開始される(図10参照)。
【0010】
超音波信号の信号到達時間は、例えばカウンタ計数方式で求めることができる。すなわち、超音波送信器111から発信された超音波信号が超音波受信器102・103に到達するまでの時間をクロックカウントによって測定し、そのカウント数からクロック周期を乗ずることで信号到達時間が求められる。
【0011】
上記超音波受信器のそれぞれにおいて信号到達時間が求まると、これに超音波信号の伝播速度(すなわち、音速)を乗ずることによって、その時点での超音波送信器111と超音波受信器102・103との距離が求められる。また、超音波受信器102と超音波受信器103との距離は予め認識されている。
【0012】
こうして、図11に示すように、超音波送信器111と超音波受信器102との距離L1、超音波送信器111と超音波受信器103との距離L2、超音波受信器102と超音波受信器103との距離L0が得られると、これら3つの距離より超音波送信器111の位置を液晶表示パネル100上の1点の位置座標(X、Y)にて求めることができる。こうして求められた超音波送信器111の検出座標位置がペン先座標位置として用いられる。
【0013】
上述のような超音波ペン入力方式であれば、液晶表示パネル100の前面に透明タブレットを置く必要がないので、ペン入力時における視差が生じず、また、透明タブレットによる透過率の減少もない良好な表示品位を保ったまま、ペン入力を実現することができる。
【0014】
しかしながら、上記特許文献1で示されるような超音波ペン入力方式を利用する場合、正確な入力位置検出をするためには超音波送信器111を入力用ペン110の先端に取り付けなければならない。しかし、超音波送信器111は現状で小さくても厚さ5mm、高さ5mmと、ペン先に内蔵するのは物理的に不可能である。よって、実際には入力用ペン110の先端からやや離れた上方の位置に超音波送信器111を取り付けることになる。
【0015】
したがって、ペン入力時において入力用ペン110が傾いていると、図12に示すように、実際のペン先座標位置と上記検出方法の演算にて求められた表示座標位置(すなわち超音波送信器111の検出座標位置)との間に誤差が生じてしまい、結果、描画面上におけるペン先の正確な位置検出ができないという不具合がある。
【0016】
上記問題の解決策として、入力用ペンに2つの超音波送信器を備えてなる超音波ペン入力方式が例えば特許文献2に開示されている。
【0017】
2つの超音波送信器を用いた超音波ペン入力方式では、図13に示すように、入力用ペン110’に2個の超音波送信器117・118を内蔵している。そして、超音波送信器117・118のそれぞれにおいて、超音波受信器102(および103)からの距離La・Lbを検出する。検出した距離La・Lbから入力用ペン110’の傾きを補正し、ペン先の位置座標を幾何学的に算出することで、実際のペン先座標位置と演算にて求められる表示座標位置とを一致させることができる。
【0018】
超音波送信器を2個用いた場合の傾き補正方法についてより詳細に説明すると以下の通りである。
【0019】
この場合のペン入力システムにおいて、図14に示すように、液晶表示パネル100およびペン入力用ユニット101の構成は、超音波送信器を1個用いる場合と同様である。また、上記ペン入力システムは、ペン入力用ユニット101における検出結果に基づいて液晶表示パネル100での表示制御を行うCPU等からなる表示制御部120を備えている。
【0020】
入力用ペン110’の超音波送信器117・118のそれぞれから送信された超音波信号は、ペン入力用ユニット101に搭載された2個の超音波受信器102・103の両方において受信・検出される。以下の説明では、超音波受信器102での受信後の処理について示す。
【0021】
超音波受信器102における検出値は上述した信号到達時間であり、超音波送信器117・118のそれぞれについての信号到達時間を時間値A・Bとする。時間値A・Bのそれぞれは、制御部120の検出値処理部121a・121bに送られ、そこで時間値から距離値(検出値A・B)に変換される。この変換は、時間値A・Bのそれぞれに音速を乗ずることによって行われる。
【0022】
検出値A・Bは共に傾き補正処理部122に送信され、該傾き補正処理部122において傾き補正した値(補正検出値)に変換される。ここで、傾き補正の方法について図15を参照して以下に説明する。
【0023】
図15中の表記について、Lはペン先−受信器間距離(すなわち補正検出値)、Laは超音波送信器117−受信器間距離(すなわち検出値A)、Lbは超音波送信器118−受信器間距離(すなわち検出値B)である。また、d1は入力用ペン110’におけるペン先−超音波送信器117間距離、d2は入力用ペン110’における超音波送信器117−超音波送信器118間距離であり、さらに、ペン先−超音波送信器117間距離d0はd0=d1+d2として表される。尚、d0,d1,d2は、入力用ペン110’における超音波送信器117・118の搭載位置によって任意に決まる値(定数)である。
【0024】
そして、補正検出値となるペン先−受信器間距離Lは、上記既知の値La,Lb,d0,d1,d2を用いて以下の式(1)によって算出される。
【0025】
【数1】
Figure 0004143377
【0026】
こうして求められたペン先−受信器間距離L、すなわち補正検出値は、上述の説明では超音波受信器102について求められたものであるが、同様の方法で超音波受信器103についても求められる。超音波受信器102・103のそれぞれについて求められた補正検出値は、座標変換処理部123において液晶表示パネル100上の(X,Y)座標値に変換される。上記(X,Y)座標値は、座標表示処理部124において液晶表示パネル100上での表示処理に用いられる。
【0027】
このように、超音波送信器を2個用いた超音波ペン入力方式では、入力用ペンが傾いた状態でもペン先座標位置と表示座標位置との間に誤差が生じない、良好なペン入力を実現することができる。
【0028】
【特許文献1】
米国特許第4814552号明細書
【0029】
【特許文献2】
特開昭61−44378号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献2に示すような超音波送信器を2個用いたペン入力方式においても以下に示すような問題がある。すなわち、上記方式では入力用ペンに超音波送信器を2個内蔵することで傾き補正を行い、位置座標表示を行っているため、図16(a)に示すように、2個の超音波送信器が共に正しく動作している必要がある。
【0031】
言い換えれば、上記2個の超音波送信器のうち1個でもノイズ等による誤作動を発生した場合には、図16(b)に示すように、その位置表示動作(すなわち、検出補正値Lの軌跡)にも誤作動が生じる。つまり、超音波送信器を2個用いたペン入力方式では、超音波送信器が1個の場合に比べて誤作動確率が2倍となる。これは、上述の式(1)において、補正検出値Lの算出には2個の超音波送信器のそれぞれに対する検出値La・Lbが共に正しく検出されている必要がある、ということから明らかである。
【0032】
さらに、2個の超音波送信器のうちの一方にでも故障が生じた場合、それは入力用ペン自身、ひいてはペン入力表示装置自体の故障に繋がる。
【0033】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、入力用ペンの傾きによる誤差の無い良好なペン入力を実現することができ、かつ、誤作動や故障発生の確率が低いペン入力表示装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明のペン入力表示装置は、上記の課題を解決するために、入力用ペンを用いた表示パネル上でのペン入力が行え、該入力用ペンが少なくとも2つの超音波送信手段を有すると共に、該表示パネルに対して固定された位置関係を有する少なくとも2つの超音波受信手段を備えたペン入力表示装置において、超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離の距離値を検出する距離検出手段と、上記距離検出手段で検出される距離値に基づいて、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出を行う誤作動検出手段とを備えており、上記誤作動検出手段にて2つ以上の超音波送信手段における誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値から入力用ペンの傾き補正を含んだ入力座標検出を行い、上記誤作動検出手段にて1つの超音波送信手段においてのみ誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値のうち、誤作動が無い超音波送信手段に対して検出された距離値を用いて、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行うことを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、上記距離検出手段において超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離値が求められ、これらの距離値から表示パネル上での入力座標が幾何学的に算出される。また、上記誤差検出手段では、上記距離値に基づいて、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出が行われ、誤作動有りの検出時には、誤作動の発生した超音波送信手段の特定が可能となる。
【0036】
このため、2つ以上の超音波送信器において誤作動が無く動作が正常な場合には、入力用ペンの傾き補正を含む、ペン先座標と表示座標との間のずれが無い高精度の入力座標検出を行うことができる。また、超音波送信器の一つしか正常でない場合には、異常のある超音波送信器に対する距離値を用いず、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行う。
【0037】
これにより、入力用の透明タブレットを用いることなく視差・透過率の低下がない良好な表示品位を保ち、かつ入力用ペンの傾き補正を行った高精度の座標入力が行えると共に、誤作動が少なく、故障にも強いペン入力表示装置を実現できる。
【0038】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記距離検出手段は、特定の組み合わせの超音波送信手段と超音波受信手段とに対して検出される距離値を所定時間間隔で連続して検出し、上記誤作動検出手段は、連続して検出された上記距離値の変化状態に基づいて該距離値の検出結果が異常であるか否かを判断し、該距離値の検出結果が異常であると判断した場合に、上記組み合わせにおける超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0039】
上記の構成によれば、上記距離検出手段において検出される距離値は、特定の組み合わせの超音波送信手段と超音波受信手段とに対して所定時間間隔で連続して検出されるものであるため、該距離値の変化状態は入力用ペンの移動状態を示すものとなる。そして、上記誤作動検出手段では、その距離値の変化状態、すなわち入力用ペンの移動状態が人による動きと想定される範囲内であるか否かを判断することによって距離値の検出結果が異常であるか否かを判断できる。
【0040】
これにより、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出が可能であり、かつ、誤作動有りの検出時には、誤作動の発生した超音波送信手段の特定が可能となる誤作動検出手段を提供できる。
【0041】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段は、連続した2つの距離値における変化量を所定の許容値と比較し、変化量が許容値を超える検出が所定回数発生した時に超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0042】
上記の構成によれば、上記誤作動検出手段における許容値が、人がペンを動かす場合の限界移動速度を想定して設定されている場合、上記変化量が許容値を超える時に超音波送信手段の誤作動を検出できる。これにより、上記距離値から変化量を算出するための差分計算および変化量と許容値との比較といった簡単な演算によって超音波送信手段の誤作動検出が可能となる。
【0043】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段は、連続した複数の距離値に対する近似曲線を求めると共に該近似曲線の上下に許容範囲を設定し、上記距離値のうち所定個数の距離値が許容範囲外にある時に超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0044】
上記の構成によれば、上記誤作動検出手段における許容範囲が、人がペンを動かす場合の限界移動速度を想定して設定されている場合、上記許容範囲外となる距離値が所定個数生じた時に超音波送信手段の誤作動を検出できる。これにより、同時に複数の距離値を用いた演算によって超音波送信手段の誤作動を検出することとなり、より精度の高い超音波送信手段の誤作動検出が可能となる。
【0045】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段における検出結果を入力用ペンに通知する通知手段を備えており、上記通知手段によって超音波送信手段の誤作動が通知された場合、入力用ペンでの誤作動が通知された超音波送信手段における信号送信を停止する構成とすることができる。
【0046】
上記の構成によれば、上記誤作動検出手段において誤作動の生じている超音波送信手段があると判断された場合、その判断結果、すなわち異常のある超音波送信手段の特定を含む誤作動情報は、上記通知手段を介して入力用ペンに伝えられる。入力用ペンでは、伝えられた誤作動情報に基づき、誤作動が発生している超音波送信手段における信号送信を停止することで、無駄な電力消費を回避できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。先ず、本実施の形態1に係るペン入力表示装置の構成を図1に示す。
【0048】
上記ペン入力表示装置は、表示パネルに直接ペン入力する入出力一体型の表示装置を例示するものであり、図1に示すように、液晶表示パネル10、ペン入力用ユニット11、入力用ペン20、および表示制御部30を備えた構成である。液晶表示パネル10、ペン入力用ユニット11、および入力用ペン20は、図14において示した液晶表示パネル100、ペン入力用ユニット101、および入力用ペン110’と同様の構成である。
【0049】
すなわち、上記ペン入力表示装置では、液晶表示パネル10の近傍にペン入力用ユニット11が配置され、ペン入力用ユニット11上には2つの超音波受信器12・13、および1つの赤外線受信器14が配置されている。また、入力用ペン20は、図2に示すように、超音波送信器21・22、赤外線送信器23を有していると共に、そのペン先がスイッチ24となっている。
【0050】
尚、ペン入力用ユニット11における超音波受信器12・13および赤外線受信器14の配置位置は、液晶表示パネル10の外縁部に配置されるものであれば上記図1の例に限定されるものではないが、超音波受信器12・13についてはこれらを結ぶ直線が液晶表示パネル10内を通らないような配置とされる。
【0051】
また、入力用ペン20には、図3に示すように、増幅回路24〜26を介して超音波送信器21・22および赤外線送信器23の出力制御を行うマイクロコンピュータ27が内蔵されている。超音波送信器21・22、赤外線送信器23、増幅回路24〜26およびマイクロコンピュータ27の駆動電源は入力用ペン20に内蔵された電池(図示せず)により供給される。
【0052】
表示制御部30は、ペン入力用ユニット11における検出結果に基づいて液晶表示パネル10での表示制御を行うための手段であり、CPU等にて具備される。上記表示制御部30は、検出値処理部31a・31b、誤作動検出処理部32、傾き補正処理部33、座標変換処理部34、および座標表示処理部35を備えている。検出値処理部31a・31b、傾き補正処理部33、座標変換処理部34、および座標表示処理部35は、図14に示す検出値処理部121a・121b、傾き補正処理部122、座標変換処理部123、および座標表示処理部124と同様の構成および作用を有するものである。
【0053】
続いて、上記構成のペン入力表示装置における処理動作を、図1、図4および図5を参照して説明する。
【0054】
入力用ペン20が液晶表示パネル10に接触すると、ペン先に内蔵されたスイッチ24が入り、超音波送信器21・22より超音波信号が、赤外線送信器23より赤外線信号が同時に発信される。そして、超音波信号の発信から受信までにかかる信号到達時間が上記超音波受信器12・13のそれぞれにおいて計測される。上記信号到達時間の計測は赤外線受信器14での赤外線信号の受信をトリガとして計測が開始される。また、上記信号到達時間の計測にはクロックカウントによる測定等が利用可能である。
【0055】
上記超音波受信器12・13において計測された信号到達時間は、ペン入力用ユニット11より時間値として表示制御部30の検出値処理部31a・31bに入力される(S1)。
【0056】
上記信号到達時間は、超音波送信器21・22のそれぞれから発信される超音波信号について、超音波受信器12・13の両方で計測されるが、以下の説明では超音波受信器12での計測を例示して説明を行う。尚、図1において、時間値Aは超音波受信器12において計測された超音波送信器21からの超音波信号に対する信号到達時間、時間値Bは超音波受信器12において計測された超音波送信器22からの超音波信号に対する信号到達時間を示すものとする。
【0057】
上記時間値A・Bのそれぞれは、検出値処理部31a・31bにおいて検出値A・Bに変換される(S2)。この検出値A・Bは、時間値A・Bに超音波信号の伝播速度(すなわち音速)を乗ずることによって求まるものであり、検出値Aは超音波受信器12と超音波送信器21との距離、検出値Bは超音波受信器12と超音波送信器22との距離を示す。
【0058】
上記検出値A・Bは、検出値処理部31a・31bから誤作動検出処理部32へ送信され、誤作動検出処理部32では検出値A・Bを用いて超音波送信器21・22のそれぞれにおいて誤作動の有無を検出する(S3)。誤作動の有無を検出する方法について以下に説明する。
【0059】
上記検出値A・Bは、入力用ペン20におけるスイッチ24が入っている間は、5〜20ms程度の周期で連続して検出されており、この連続して検出される検出値A・Bは誤作動検出処理部32に随時送られてくる。この検出周期は、人(ユーザ)が入力用ペン20を用いて液晶表示パネル10上で入力を行う場合のペン先の移動速度に比べて非常に早いといえる。したがって、上記検出値AまたはBについて、連続した2つ以上の検出値の変化を参照することで、人が入力用ペン20を動かしたことによる検出値の変化なのか、超音波送信器21または22の誤作動による検出値の変化なのかが判断可能である。
【0060】
例えば、上記検出周期10msとした場合、連続したある2つの検出値の変化量が3cmであるとすると、この検出結果は1秒間に3mの移動に相当する。この結果は、人による入力用ペン20の動きとしては異常であると判断できる。つまり、人が動かせるペンの速度(特に振動動作)には限界があり、その限界以上の値の動きが生じている場合には、超音波送信器において誤作動が生じていると判断できる。
【0061】
さらに、誤作動の有無の検出方法について、より具体的な例を図5(a)〜図5(c)に示す。尚、図5(a)〜図5(c)は、横軸に時間、縦軸に検出値の値をとって上記検出値AまたはBの変化を示したグラフであり、図中a〜gの符号は、単に検出順序を示すものである。
【0062】
図5(a)および図5(b)に示す例では、a〜gの検出値に対する近似直線に対して許容範囲が設定され、a〜gの検出値の全てが該許容範囲内に入っていることから誤作動が発生していないと判断される。上記許容範囲は、人がペンを動かす場合の限界移動速度を想定して設定される。尚、図5(a)に示す例は、検出値の値に殆ど変化が無く、ペンが動いていない状態を示していると判断できる。また、図5(b)に示す例は、検出値の値に変化はあるものの、その変化方向は+方向に一定であり、その増加量も許容範囲内であることから人によるペンの動きがある状態と判断できる。
【0063】
一方、図5(c)に示す例では、同じくa〜gの検出値に対する近似直線に対して許容範囲が設定されているが、a〜gの検出値の全てが該許容範囲内に入っておらず、また、変化の方向もaの値に対して+方向、−方向とバラツキがある。このことから上記検出値の変化は、人によるペンの動きに伴うものとは考えられず、誤作動が発生していると判断される。ここでの誤作動の検出は、上記近似直線を求めるのに用いられた複数の検出値のうち、所定個数の検出値が許容範囲外にある時に超音波送信手段の誤作動を検出するようにしてもよい。
【0064】
尚、図5(a)〜図5(c)に示した誤作動の検出方法はあくまで一例に過ぎず、本発明は上記方法に限定されるものではない。例えば、より簡易な検出方法として、連続する2つの検出値についての変化量を許容値と比べて、変化量が許容値を超えたときに誤作動を検出することも可能である。また、この場合は、許容値を超えた変化が所定回数連続して生じた場合に誤作動を検出することも可能である。もちろん、上記許容値も人がペンを動かす場合の限界移動速度を想定して設定されているものである。
【0065】
また、誤作動検出処理部32における誤作動の判断基準(誤作動が何回起こったら「誤作動あり」と判断するか、どの程度の許容値まで誤作動と判断しないか、など)は任意にユーザ側で設定できるようにしてもよい。
【0066】
誤作動検出処理部32における上述した誤作動の検出は、検出値A・Bのそれぞれについて行われる。例えば、検出値Aについての結果が図5(b)のようになり、検出値Bについての結果が図5(c)のようになった場合には、検出値Aに対応する超音波送信器21は正常であるが、検出値Bに対応する超音波送信器22には誤作動が生じている(すなわち、超音波送信器22に異常がある)と判断される。
【0067】
続いて、誤作動検出後の処理について説明する。
【0068】
「超音波送信器21・22の両方が正常(検出値A・B共に誤作動無し)」と判断された場合は、検出値A・B共に傾き補正処理部33に送信され、補正処理部33にて入力用ペン20の傾きを補正した補正検出値が求められる(S4)。
【0069】
上記補正検出値は、図13および図15において説明した方法によって求められるものであり、したがって、上述した式(1)を用いて算出される。求められた補正検出値は、座標変換処理部34に出力される。
【0070】
次に、「超音波送信器21・22の一方で誤作動がある」と判断された場合、誤作動が発生している側の超音波送信器は上記誤作動の検出方法によって特定可能であるため、正常な側の超音波送信器に対する検出値のみが座標変換処理部34に出力される(S5)。
【0071】
例えば、誤作動検出処理部32において、検出値Aに対して誤作動が検出された場合、誤作動検出処理部32は検出値Aを出力せず、誤作動が検出されなかった検出値Bのみを傾き補正処理部33を介さずに座標変換処理部34に出力する。
【0072】
上記S5の処理によっては、超音波送信器21・22の一方が誤作動もしくは故障し、検出値A・Bの一方に異常が起こった場合においても、正常動作している超音波送信器に対する検出値のデータのみを用いて表示制御を行うことができる。この場合、傾き補正処理部33による傾き補正は行えず、実際のペン先座標位置と算出される表示座標位置との間に若干のずれが生じることはありうるが、入力用ペン20の動きに追従した滑らかな表示・入力操作を行うことは十分に可能である。
【0073】
さらに、「超音波送信器21・22の両方で誤作動がある」と判断された場合、表示座標位置の検出は基本的には不可能である。したがって、この場合は座標表示操作を中断し、ペン入力操作を停止する(S6)。
【0074】
尚、上記S5またはS6の処理に進んだ場合には、超音波送信器に異常が起こっている旨のメッセージ(「送信器Aに異常発生。送信器Bのみでペン入力を行います」、「送信器A・Bに異常発生。ペン入力操作を停止します」など)を液晶表示パネル10に表示し、ユーザに知らせる構成としてもよい。
【0075】
また、上記メッセージを表示した後に、ユーザがマニュアルで操作切り替えを行うことも可能である。すなわち、誤作動が生じている場合であっても、ユーザが誤作動してもかまわないので使いたい、という場合にはマニュアルで操作切り替えを行い、ペン入力の使用を続けることができるようにすることも可能である。
【0076】
S4またはS5での処理の後はS7に移行し、S7においては、座標変換処理部34が傾き補正処理部33または誤作動検出処理部32から入力された検出値を液晶表示パネル10上での(X,Y)座標値に変換する処理を行う。
【0077】
ここで、上述したS1〜S5の処理は、超音波受信器12における検出結果に基づいて行われた処理のみを例として説明したが、実際には超音波受信器13における検出結果に基づいた同様の処理が実施される。したがって、座標変換処理部34には、超音波受信器12・13のそれぞれに対して求められる2つの検出値が入力されることとなる。
【0078】
すなわち、超音波送信器21・22の両方が正常であれば、超音波受信器12・13のそれぞれに対して求められる2つの補正検出値が入力され、超音波送信器21・22の一方しか正常でなければ、超音波受信器12・13のそれぞれに対して求められる検出値AまたはBが入力される。
【0079】
座標変換処理部34は、こうして入力された超音波受信器12・13のそれぞれに対して求められる2つの検出値を用い、図11に示すように、ペン先−超音波受信器12間距離L1(超音波受信器12に対する検出値)、ペン先−超音波受信器13間距離L2(超音波受信器13に対する検出値)、超音波受信器12−超音波受信器13間距離L0より入力用ペン20のペン先の位置を液晶表示パネル10上の1点の位置座標(X、Y)にて求める。
【0080】
座標変換処理部34で求められた上記(X,Y)座標値は座標表示処理部35に送られ、座標表示処理部35は(X,Y)座標値を用いて液晶表示パネル10上での表示処理を行う(S8)。尚、座標表示処理部35における表示処理とは、例えば、上記(X,Y)座標値に対応する液晶表示パネル10上のドットを反転する等の処理である。
【0081】
本実施の形態1に係るペン入力表示装置は、以上のように、入力用ペン20において備えられる超音波送信器21・22のそれぞれについて誤作動の有無の検出を可能としている。そして、超音波送信器21・22の両方が正常な場合には、入力用ペン20の傾き補正を含む、ペン先座標と表示座標との間のずれが無い高精度の表示制御を行うことができる。また、超音波送信器21・22の一方で誤作動が生じている場合には、異常のある超音波送信器の検出のみを停止し、入力用ペン20の傾き補正を含まない表示制御を行うことで、誤作動が少なく、かつ故障に強いペン入力表示装置を提供できる。
【0082】
〔実施の形態2〕
本発明における実施の他形態について図6および図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0083】
上記実施の形態1に係るペン入力表示装置では、図3に示すような内部構成であるため、超音波送信器21・22の何れかに一方にて誤作動が生じた場合に、無駄な電力消費が発生する。
【0084】
すなわち、誤作動検出処理部32が検出値A・Bの何れか一方に誤作動があると判断した場合、座標変換処理部34へは正常な側の検出値のみが出力され、誤作動の生じている検出値は表示制御に用いられないにも関わらず、入力用ペン20の超音波送信器では、異常が発生している側の超音波送信器においても超音波信号が出力され続ける。これは無駄な超音波送信を続けることを意味し、入力用ペン20における電力の浪費であるといえる。
【0085】
上述したように入力用ペン20は内蔵電池により電力供給されているため、消費電力の低減化は、継続使用時間を伸ばすための重要な課題の1つである。
【0086】
これに対し、本実施の形態2に係るペン入力表示装置は、誤作動検出処理部32での判断結果を入力用ペン20側にフィードバックし、異常が発生している超音波送信器での無駄な電力消費を回避することを特徴としている。
【0087】
本実施の形態2に係るペン入力表示装置では、図6(a)に示すように、図1に示す構成と比較して、ペン入力用ユニット11に代えてペン入力用ユニット11’、入力用ペン20に代えて入力用ペン20’を備えた構成となっている。
【0088】
そして、ペン入力用ユニット11’は、ペン入力用ユニット11における超音波受信器12・13および赤外線受信器14に加えて、さらに赤外線発信器15を備えている。また、入力用ペン20’は、図6(b)に示すように、入力用ペン20における超音波送信器21・22、赤外線送信器23およびスイッチ24に加えて、さらに赤外線受信器28を備えている。
【0089】
上記構成のペン入力表示装置では、図示は省略するが、図1における表示制御部30と同様の表示制御部を備えており、誤作動検出処理部での判断結果(誤作動情報)がペン入力用ユニット11’における赤外線発信器15と入力用ペン20’における赤外線受信器28との間の赤外線通信によって入力用ペン20’側にフィードバックされる。
【0090】
入力用ペン20’の内部構成を図7に示す。入力用ペン20’は、図3に示した入力用ペン20における超音波送信器21・22、赤外線送信器23および増幅回路24〜26に加えて、赤外線受信器28、該赤外線受信器28での受信信号を増幅する増幅回路29、超音波送信器21・22のそれぞれへの信号をON/OFF切替するスイッチ51・52を備えている。
【0091】
また、入力用ペン20’は、入力用ペン20におけるマイクロコンピュータ27に代えて、マイクロコンピュータ27’を具備している。マイクロコンピュータ27’は、マイクロコンピュータ27と同様の超音波送信器21・22および赤外線送信器23の出力制御を行う以外に、赤外線受信器28および増幅回路29を介しての上記誤作動情報の受信制御、および該誤作動情報に基づくスイッチ51・52の切替制御を行う。
【0092】
上記構成により、入力用ペン20’では、誤作動検出処理部での判断結果、すなわち誤作動情報を赤外線通信によってペン内部のマイクロコンピュータ27’にフィードバックし、該誤作動情報に基づいて超音波送信の出力を制御できる。これにより、超音波送信器21・22の一方に異常が発生した場合の無駄な電力消費を回避できる。
【0093】
例えば、表示制御部における誤作動検出処理部が超音波送信器22に対応する検出値Bに誤作動があると判断した場合、該表示制御部におけるその後の処理では、正常な検出値Aのみが座標変換処理部に出力される。この時同時に、検出値Bに誤作動があるとした誤作動情報が、赤外線発信器15と赤外線受信器28との間の赤外線通信によって入力用ペン20’側にフィードバックされる。これにより、マイクロコンピュータ27’は超音波送信器22が誤作動していることを認識し、スイッチ52をOFFにすることで超音波送信器22における超音波出力を停止する。
【0094】
入力用ペン20’における上記操作によっては、超音波送信器21・22の一方が誤作動もしくは故障し、その検出値に異常が起こった場合には、誤作動の生じた超音波送信器の出力を停止することで、無駄な電力消費を回避できる。その結果、入力用ペン20’の異常時におけるペン入力に係る低消費電力化が実現できる。
【0095】
また、超音波送信器21・22の両方で誤作動があると判断された場合には、超音波送信器21・22の両方で超音波送信の出力を停止することもできる。
【0096】
上記入力用ペン20’の構成では、該入力用ペン20’に赤外線受信器28が搭載されているが、赤外線受信に必要な電力は超音波送信・赤外線送信に必要な電力と比べて非常に小さく、赤外線受信器28を搭載したことによる電力消費は非常に小さい。
【0097】
尚、本実施の形態2に係るペン入力表示装置では、超音波送信器21・22の一方(もしくは両方)で異常が起こっていることをユーザに知らせるためのメッセージを液晶表示パネル10もしくは入力用ペン20’に出力してもよい。入力用ペン20’の場合、LED(Light Emitting Diode)点灯やビープ音等によるメッセージ出力が考えられる。
【0098】
また、本実施の形態2に係るペン入力表示装置において、超音波送信器21・22の出力制御を行う以外の構成および作用については、実施の形態1に係るペン入力表示装置と同様の構成および作用とすることができる。
【0099】
上記実施の形態1および2において、表示パネル上に直接ペン入力する入出力一体型の表示装置について記述してきたが、本発明の適用は入出力一体型の表示装置に限定されるものではなく、例えばデジタイザ(工作機械への座標入力等に使用される)などの外部入力装置においても有効である。すなわち、本発明のペン入力表示装置は、少なくとも表示パネル上でペン入力された入力位置座標の検出が行えるものであればよく、検出された入力位置座標を用いて表示制御を行うことは必ずしも必要ではない。
【0100】
さらに、使用される表示パネルは液晶表示パネルに限定されるものではなく、CRT(Cathode-Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、有機ELディスプレイの表示パネルも同様に使用可能である。
【0101】
また、上記実施の形態1および2に係るペン入力表示装置では入力用ペン20または入力用ペン20’において超音波送信器は2個備えられており、超音波送信器が2個あれば十分な精度の傾き補正が行える。しかしながら、本発明のペン入力表示装置において超音波送信器の数は2個に限定されるものではなく3個以上の超音波送信器を備えるものであってもよい。
【0102】
例えば、入力用ペンが超音波送信器を3個備えた構成のペン入力表示装置においては、1個の超音波送信器に誤作動が発生した場合には、他の2個の超音波送信器を用いての傾き補正を含んだ表示制御が行える、2個の超音波送信器に誤作動が発生した場合には、残りの1個の超音波送信器を用いて傾き補正を含まない表示制御が可能である。
【0103】
すなわち、入力用ペンが3個以上の超音波送信器を備える場合には、2個以上の超音波送信器において誤作動が無いと判断された場合に傾き補正を含んだ表示制御を行い、1個の超音波送信器においてのみ誤作動が無いと判断された場合に傾き補正を含まない表示制御を行う。
【0104】
また、実施の形態2に係る構成を用いたペン入力表示装置において3個以上の超音波送信器を備える場合であっても、それぞれの超音波送信器において出力制御を行うことが可能である。
【0105】
また、上記実施の形態1および2に係るペン入力表示装置ではペン入力用ユニット11またはペン入力用ユニット11’における超音波受信器についても、その個数は2個あれば十分な精度の位置検出が行えるが、本発明のペン入力表示装置において超音波受信器の数は2個に限定されるものではなく3個以上の超音波受信器を備えるものであってもよい。
【0106】
【発明の効果】
本発明のペン入力表示装置は、以上のように、超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離の距離値を検出する距離検出手段と、上記距離検出手段で検出される距離値に基づいて、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出を行う誤作動検出手段とを備えており、上記誤作動検出手段にて2つ以上の超音波送信手段における誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値から入力用ペンの傾き補正を含んだ入力座標検出を行い、上記誤作動検出手段にて1つの超音波送信手段においてのみ誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値のうち、誤作動が無い超音波送信手段に対して検出された距離値を用いて、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行う構成である。
【0107】
それゆえ、上記距離検出手段において求められる超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離値に基づき、表示パネル上での入力座標が幾何学的に算出できると共に、上記誤差検出手段では、上記距離値に基づいて上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出が行われる。
【0108】
そして、2つ以上の超音波送信器において動作が正常な場合には、入力用ペンの傾き補正を含む、ペン先座標と表示座標との間のずれが無い高精度の入力座標検出を行い、超音波送信器の一つしか正常でない場合には、異常のある超音波送信器に対する距離値を用いず、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行う。
【0109】
これにより、入力用の透明タブレットを用いることなく視差・透過率の低下がない良好な表示品位を保ち、かつ入力用ペンの傾き補正を行った高精度の座標入力が行えると共に、誤作動が少なく、故障にも強いペン入力表示装置を実現できるという効果を奏する。
【0110】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記距離検出手段は、特定の組み合わせの超音波送信手段と超音波受信手段とに対して検出される距離値を所定時間間隔で連続して検出し、上記誤作動検出手段は、連続して検出された上記距離値の変化状態に基づいて該距離値の検出結果が異常であるか否かを判断し、該距離値の検出結果が異常であると判断した場合に、上記組み合わせにおける超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0111】
それゆえ、上記誤作動検出手段では、その距離値の変化状態、すなわち入力用ペンの移動状態が人による動きと想定される範囲内であるか否かを判断することによって距離値の検出結果が異常であるか否かを判断できる。これにより、誤作動有りの検出時には、誤作動の発生した超音波送信手段の特定が可能となる誤作動検出手段を提供できるという効果を奏する。
【0112】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段は、連続した2つの距離値における変化量を所定の許容値と比較し、変化量が許容値を超える検出が所定回数発生した時に超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0113】
それゆえ、上記距離値から変化量を算出するための差分計算および変化量と許容値との比較といった簡単な演算によって超音波送信手段の誤作動検出が可能となるという効果を奏する。
【0114】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段は、連続した複数の距離値に対する近似曲線を求めると共に該近似曲線の上下に許容範囲を設定し、上記距離値のうち所定個数の距離値が許容範囲外にある時に超音波送信手段の誤作動を検出する構成とすることができる。
【0115】
それゆえ、同時に複数の距離値を用いた演算によって超音波送信手段の誤作動を検出することとなり、より精度の高い超音波送信手段の誤作動検出が可能となるという効果を奏する。
【0116】
また、上記ペン入力表示装置においては、上記誤作動検出手段における検出結果を入力用ペンに通知する通知手段を備えており、上記通知手段によって超音波送信手段の誤作動が通知された場合、入力用ペンでの誤作動が通知された超音波送信手段における信号送信を停止する構成とすることができる。
【0117】
それゆえ、上記誤作動検出手段において誤作動の生じている超音波送信手段があると判断された場合、その判断結果(誤作動情報)が通知手段を介して入力用ペンに伝えられ、入力用ペンでは、伝えられた誤作動情報に基づき、誤作動が発生している超音波送信手段における信号送信を停止することで、無駄な電力消費を回避できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ペン入力表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記ペン入力表示装置で用いられる入力用ペンを示す図である。
【図3】上記入力用ペンの内部構成を示すブロック図である。
【図4】上記ペン入力表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、上記ペン入力表示装置における超音波送信器の誤作動検出方法を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施形態を示すものであり、図6(a)はペン入力表示装置の平面図で、図6(b)は上記ペン入力表示装置で用いられる入力用ペンを示す図である。
【図7】図6(b)で示される入力用ペンの内部構成を示すブロック図である。
【図8】超音波ペン入力方式を適用した従来のペン入力表示装置を示すものであり、図8(a)はペン入力表示装置の平面図で、図8(b)は上記ペン入力表示装置で用いられる入力用ペンを示す図である。
【図9】図8(b)で示される入力用ペンの内部構成を示すブロック図である。
【図10】超音波ペン入力方式を適用した上記ペン入力表示装置で用いられる超音波信号の信号到達時間を示す波形図である。
【図11】超音波ペン入力方式を適用した上記ペン入力表示装置における入力座標位置の算出原理を示す平面図である。
【図12】超音波ペン入力方式を適用した上記ペン入力表示装置において、実際のペン先座標位置と算出された表示座標位置とのずれ(誤差)を示す側面図である。
【図13】2つの超音波送信器を用いる超音波ペン入力方式を適用した従来のペン入力表示装置において、実際のペン先座標位置と算出された表示座標位置との一致性を示す側面図である。
【図14】2つの超音波送信器を用いる超音波ペン入力方式を適用した従来のペン入力表示装置の構成を示すブロック図である。
【図15】2つの超音波送信器を用いた超音波ペン入力方式において、ペン先座標位置の算出原理を示す図である。
【図16】2つの超音波送信器を用いる超音波ペン入力方式を適用した従来のペン入力表示装置におけ入力状態を示す平面図であり、図16(a)は2つの超音波送信器が共に正常な場合、図16(b)は2つの超音波送信器の一方が異常な場合を示す。
【符号の説明】
10 液晶表示パネル(表示パネル)
11 ペン入力用ユニット
12・13 超音波受信器(超音波受信手段)
14 赤外線受信器
15 赤外線発信器(通知手段)
20・20’ 入力用ペン
21・22 超音波送信器(超音波送信手段)
23 赤外線送信器
28 赤外線受信器(通知手段)
31a・32b 検出値処理部(距離検出手段)
32 誤作動検出処理部(誤作動検出手段)

Claims (3)

  1. 入力用ペンを用いた表示パネル上でのペン入力が行え、該入力用ペンが少なくとも2つの超音波送信手段を有すると共に、該表示パネルに対して固定された位置関係を有する少なくとも2つの超音波受信手段を備えたペン入力表示装置において、
    超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離の距離値を検出する距離検出手段と、
    上記距離検出手段で検出される距離値に基づいて、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出を行う誤作動検出手段とを備えており、
    上記誤作動検出手段にて2つ以上の超音波送信手段における誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値から入力用ペンの傾き補正を含んだ入力座標検出を行い、
    上記誤作動検出手段にて1つの超音波送信手段においてのみ誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値のうち、誤作動が無い超音波送信手段に対して検出された距離値を用いて、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行うものであり、
    上記距離検出手段は、特定の組み合わせの超音波送信手段と超音波受信手段とに対して検出される距離値を所定時間間隔で連続して検出し、
    上記誤作動検出手段は、連続して検出された上記距離値の変化状態に基づいて該距離値の検出結果が異常であるか否かを判断し、該距離値の検出結果が異常であると判断した場合に、上記組み合わせにおける超音波送信手段の誤作動を検出し、
    上記誤作動検出手段は、連続した2つの距離値における変化量を所定の許容値と比較し、変化量が許容値を超える検出が所定回数発生した時に超音波送信手段の誤作動を検出することを特徴とするペン入力表示装置。
  2. 入力用ペンを用いた表示パネル上でのペン入力が行え、該入力用ペンが少なくとも2つの超音波送信手段を有すると共に、該表示パネルに対して固定された位置関係を有する少なくとも2つの超音波受信手段を備えたペン入力表示装置において、
    超音波送信手段と超音波受信手段との間の各距離の距離値を検出する距離検出手段と、
    上記距離検出手段で検出される距離値に基づいて、上記超音波送信手段のそれぞれについて誤作動の有無の検出を行う誤作動検出手段とを備えており、
    上記誤作動検出手段にて2つ以上の超音波送信手段における誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値から入力用ペンの傾き補正を含んだ入力座標検出を行い、
    上記誤作動検出手段にて1つの超音波送信手段においてのみ誤作動が無いと判断された場合には、上記距離検出手段によって検出された距離値のうち、誤作動が無い超音波送信手段に対して検出された距離値を用いて、入力用ペンの傾き補正を含まない入力座標検出を行うものであり、
    上記距離検出手段は、特定の組み合わせの超音波送信手段と超音波受信手段とに対して検出される距離値を所定時間間隔で連続して検出し、
    上記誤作動検出手段は、連続して検出された上記距離値の変化状態に基づいて該距離値の検出結果が異常であるか否かを判断し、該距離値の検出結果が異常であると判断した場合に、上記組み合わせにおける超音波送信手段の誤作動を検出し、
    上記誤作動検出手段は、連続した複数の距離値に対する近似曲線を求めると共に該近似曲線の上下に許容範囲を設定し、上記距離値のうち所定個数の距離値が許容範囲外にある時に超音波送信手段の誤作動を検出することを特徴とするペン入力表示装置。
  3. 上記誤作動検出手段における検出結果を入力用ペンに通知する通知手段を備えており、
    上記通知手段によって超音波送信手段の誤作動が通知された場合、入力用ペンでの誤作動が通知された超音波送信手段における信号送信を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のペン入力表示装置。
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