JP2003140133A - 液晶表示装置及び液晶表示装置用カラーフィルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コレステリック液晶フィルターの構成に工夫
を施すことによりバックライトの利用効率をさらに上げ
明るい表示が可能な液晶表示装置。 【解決手段】 透明基板１、２間に液晶層３が挟持さ
れ、電圧印加電極と駆動回路が設けられた液晶表示素子
と、照明光源９と、照明側円偏光手段８と、観察側円偏
光板９とを含む液晶表示装置において、液晶層３の照明
光入射側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、それぞれＲ、
Ｇ、Ｂの波長域の光を一部反射し残りを透過し、かつ、
それぞれＲ、Ｇ、Ｂの他の色の波長域の光を反射する半
透過型コレステリック液晶カラーフィルター４と、その
観察側に、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、
他の色の波長域の光を吸収する吸収型カラーフィルター
５が整列して配置されている液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及び
液晶表示装置用カラーフィルターに関し、特に、バック
ライトを用いた透過型表示と外光を利用した反射型表示
が可能な液晶表示装置とそのためのカラーフィルターに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、カラーフィルターとしてコレステ
リック液晶を分散したコレステリックフィルムを用いる
ことが、例えば特開平９−３１８８０７号に開示されて
いる。このカラーフィルターは、輝度、色純度におい
て、従来の顔料や染料を用いたカラーフィルターと比較
して優れた性能を有している。特に、温度やカイラル剤
比によりその選択反射光の波長が変化し、さらに紫外線
照射によって液晶における状態を保持したまま硬化でき
る紫外線硬化型コレステリック液晶を用いることによ
り、従来と比較して簡単に製造することができるという
利点がある。

【０００３】前記のようなコレステリック液晶、及び、
カイラルネマチック液晶は、液晶分子軸の長距離配向秩
序に加えて、ダイレクタが螺旋的に空間変化をしている
という特性がある。すなわち、液晶分子軸と平行な平面
内では、液晶はネマティック相と同様な配向秩序がある
が、隣接する平面へ移ると、この局所的な配向方向がわ
ずかに回転しているので、これが順次連続して螺旋構造
となっている。

【０００４】一方、自然光は、右旋円偏光と左旋円偏光
に分けることが可能であり、コレステリック液晶若しく
はカイラルネマチック液晶は、右旋及び左旋両成分の光
が、液晶の螺旋軸に平行に入射した場合、その液晶のね
じれ方向と同じ回転方向の円偏光成分のみを反射し、他
方の円偏光成分は透過するという特性がある。

【０００５】このとき、反射光の、入射光に対する位相
の変化が生じないので、反射光の入射前後における偏光
方向は不変であり、また、反射光の波長は、コレステリ
ック液晶若しくはカイラルネマチック液晶のねじれのピ
ッチにより変化する。このピッチは、液晶にねじれの力
を発生させるカイラル剤の添加量や、適当な外場（例え
ば温度、電場、磁場等）により変化する。

【０００６】したがって、上記のようなパラメータを、
可視域で制御することにより、赤、緑、青の透過光を形
成させることができ、かつ、透過させた光以外の光を光
源側に反射し、再利用して、輝度を従来のカラーフィル
ターと比較して高く設定することができる。

【０００７】このような螺旋構造の液晶を利用した反射
フィルターを、本発明では以下に、コレステリック液晶
フィルターと呼ぶが、コレステリック液晶フィルター
は、特定の波長域の特定の円偏光を反射し、他の波長域
及び他の円偏光を透過する特性を有する。

【０００８】ところで、従来、このようなコレステリッ
ク液晶フィルターをカラーフィルターとして用いた透過
型のカラー液晶表示装置としては、特開平８−３２０４
８０号、特開平８−２３４１９６号、特開２０００−３
４７１７９において、Ｒ（赤色）、Ｇ（緑色）、Ｂ（青
色）画素に、それぞれバックライト側からＲ、Ｇ、Ｂの
波長域の光を透過し、他の色の波長域の光を反射するコ
レステリック液晶フィルターとその観察側にそれぞれ
Ｒ、Ｇ、Ｂの波長域の光のみを透過し他の色の波長域の
光を吸収する吸収型カラーフィルターとを配置し、バッ
クライト利用効率を向上させると共に、外光の影響を防
止したものが提案されている。

【０００９】また、特開２０００−２５８７６０におい
ては、半透過型のコレステリック液晶カラーフィルタ
ー、すなわち、Ｒ、Ｇ、Ｂの波長域の円偏光を１００％
ではなく所定割合、例えば２０％だけ透過するように構
成した半透過型のコレステリック液晶カラーフィルター
を液晶表示素子の液晶層の観察側と反対側に配置し、そ
の観察側に透過したＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光だけ透過し
他の透過した色成分を吸収する吸収型カラーフィルター
とを配置して、反射型の表示の場合には、外光の特定の
円偏光成分をこの半透過型のコレステリック液晶フィル
ターで反射させ、透過型の表示の場合には、バックライ
トの特定の円偏光成分のその例えば２０％だけ透過させ
るようにしたものが提案されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開２
０００−２５８７６０の配置では、半透過型のコレステ
リック液晶カラーフィルターで反射された波長域の光は
バックライト側に戻り再度照明に利用されるが、そのコ
レステリック液晶カラーフィルターを減衰されずに透過
する波長域の光（例えば、Ｒ画素については、ＧとＢの
波長域の光）はバックライト側に戻らず吸収型カラーフ
ィルターで吸収されて再利用されないため、バックライ
ト利用効率は十分に向上しているとは必ずしも言えなか
った。

【００１１】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、コレステリック
液晶フィルターの構成に工夫を施すことによりバックラ
イトの利用効率をさらに上げ、反射型、透過型何れの表
示においても明るい表示が可能な液晶表示装置とそのた
めのカラーフィルターを提供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の液晶表示装置は、２枚の透明基板間に印加電圧に応
じて入射光の位相を変調する液晶層が挟持され、その液
晶層に画素毎に独立に電圧を印加する電極及び駆動回路
が設けられた液晶表示素子と、その観察側と反対側に設
けられた照明光源と、前記照明光源と前記液晶表示素子
の間に配置された円偏光手段と、前記液晶表示素子の観
察側に設けられた円偏光手段とを備えた液晶表示装置に
おいて、前記液晶層の照明光入射側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画
素に対して、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を一部反
射し残りを透過し、かつ、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの他の色
の波長域の光を反射する半透過型コレステリック液晶カ
ラーフィルターが整列して配置されていることを特徴と
するものである。

【００１３】この場合に、半透過型コレステリック液晶
フィルターの観察側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、そ
れぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色の波長
域の光を吸収する吸収型カラーフィルターが整列して配
置されていることが望ましい。

【００１４】あるいは、半透過型コレステリック液晶フ
ィルターは３層のコレステリック液晶フィルターからな
り、その最も観察側の層に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対し
て、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色
の波長域の光を吸収する色素が添加されていることが望
ましい。

【００１５】なお、以上において、照明光源側に配置さ
れた円偏光手段が照明光源からの透過光成分と反対の偏
光特性の光を反射する構成のものであることが望まし
い。

【００１６】本発明の液晶表示装置用カラーフィルター
は、透明基板上に、液晶表示装置のＲ、Ｇ、Ｂの画素に
対して、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を一部反射し
残りを透過し、かつ、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの他の色の波
長域の光を反射する半透過型コレステリック液晶カラー
フィルターが整列して配置されていることを特徴とする
ものである。

【００１７】この場合に、半透過型コレステリック液晶
フィルターの上に、液晶表示装置のＲ、Ｇ、Ｂの画素に
対して、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他
の色の波長域の光を吸収する吸収型カラーフィルターが
整列して配置されていることが望ましい。

【００１８】あるいは、半透過型コレステリック液晶フ
ィルターは３層のコレステリック液晶フィルターからな
り、その最も上の層に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、そ
れぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色の波長
域の光を吸収する色素が添加されていることが望まし
い。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置及び
液晶表示装置用カラーフィルターの実施例を図面を参照
にして説明する。

【００２０】図１は、本発明の第１実施例のカラー液晶
表示装置の構成を示す断面図である。

【００２１】図１の説明をする場合に、図面において用
いる記号について説明する。

【００２２】Ｒr 、Ｇr 、Ｂr で示したフィルター画素
は、コレステリック液晶カラーフィルターのそれぞれＲ
（赤色）、Ｇ（緑色）、Ｂ（青色）の波長域の光であっ
て、そのコレステリック液晶カラーフィルターの反射特
性に合う円偏光、例えば右円偏光の光を略全て反射し、
他の色の波長域の光及び全ての波長域の左円偏光の光を
透過するフィルター画素を表している。

【００２３】Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'rで示したフィルター画素
は、同様のフィルター画素であるが、反射率が例えば８
０％のフィルター画素を表し、半透過型のコレステリッ
ク液晶カラーフィルターのフィルター画素であることを
表している。

【００２４】Ｒt 、Ｇt 、Ｂt で示したフィルター画素
は、吸収型のカラーフィルターのそれぞれＲ、Ｇ、Ｂの
波長域の光のみと透過し、他の色の波長域の光を吸収す
るフィルター画素を表している。

【００２５】図１において、このカラー液晶表示装置
は、ガラス基板１と２の間に液晶層３が挟持されるが、
バックライト側の基板１の内面には、フィルター画素が
アレー状に配置された３層のコレステリック液晶カラー
フィルター４１、４２、４３が積層されおり、この３層
のコレステリック液晶カラーフィルター４１、４２、４
３で半透過型コレステリック液晶カラーフィルター４を
構成している。

【００２６】半透過型コレステリック液晶カラーフィル
ター４の上には、フィルター画素がアレー状に配置され
た吸収型カラーフィルター５が積層されている。

【００２７】コレステリック液晶カラーフィルター４
１、４２、４３のフィルター画素に関しては、吸収型カ
ラーフィルター５のフィルター画素Ｒt に対しては、コ
レステリック液晶カラーフィルター４３のフィルター画
素Ｒ'rが、コレステリック液晶カラーフィルター４１の
フィルター画素Ｂr 又はＧr （図１ではＢr ）が、コレ
ステリック液晶カラーフィルター４２のフィルター画素
Ｇr 又はＢr （図１ではＧr ）が整列して配置され、吸
収型カラーフィルター５のフィルター画素Ｇt に対して
は、半透過型のコレステリック液晶カラーフィルター４
３のフィルター画素Ｇ'rが、コレステリック液晶カラー
フィルター４１のフィルター画素Ｒr 又はＢr （図１で
はＲr ）が、コレステリック液晶カラーフィルター４２
のフィルター画素Ｂr 又はＲr （図１ではＢr ）が整列
して配置され、吸収型カラーフィルター５のフィルター
画素Ｂt に対しては、半透過型のコレステリック液晶カ
ラーフィルター４３のフィルター画素Ｂ'rが、コレステ
リック液晶カラーフィルター４１のフィルター画素Ｇr
又はＲr （図１ではＧr ）が、コレステリック液晶カラ
ーフィルター４２のフィルター画素Ｒr 又はＧr （図１
ではＲr ）が整列して配置される。

【００２８】なお、吸収型カラーフィルター５のそれぞ
れフィルター画素Ｒt 、Ｇt 、Ｂtを基準に考えたと
き、Ｒt の基板側に、Ｒ'r、Ｇr 、Ｂr の順に配置され
ている必要はなく、その順は、Ｇr 、Ｒ'r、Ｂr でも、
Ｇr 、Ｂr 、Ｒ'rでも、その他の順でもよい。要は、こ
の３つのフィルター画素Ｒ'r、Ｇr 、Ｂr が任意の順で
積層されていればよい。フィルター画素Ｇt 、Ｂt につ
いても同様である。したがって、図１の配置に限らず、
例えばコレステリック液晶カラーフィルター４１のフィ
ルター画素として、Ｒ'r、Ｒr 、Ｒr とアレー状に並ん
でいてもよく、また、Ｂr 、Ｂr 、Ｒr とアレー状に並
んでいてもよい。コレステリック液晶カラーフィルター
４２、４３についても同様である。

【００２９】すなわち、吸収型カラーフィルター５の例
えばＲ波長域の光のみを透過し、Ｇ、Ｂ波長域の光を吸
収するフィルター画素Ｒt のガラス基板１側には、Ｂの
波長域の例えば右円偏光の光を略全て反射し、右円偏光
のＲ、Ｇ波長域の光及び左円偏光のＲ、Ｇ、Ｂ波長域の
光を透過するフィルター画素Ｂr と、Ｇの波長域の例え
ば右円偏光の光を略全て反射し、右円偏光のＲ、Ｂ波長
域の光及び左円偏光のＲ、Ｇ、Ｂ波長域の光を透過する
フィルター画素Ｇr と、Ｒの波長域の例えば右円偏光の
光を例えば８０％反射し、２０％透過し、右円偏光の
Ｇ、Ｂ波長域の光及び左円偏光のＲ、Ｇ、Ｂ波長域の光
を透過するフィルター画素Ｒ'rとが任意の順で積層され
ている。吸収型カラーフィルター５のフィルター画素Ｇ
t 、Ｂt に関しても同様である。

【００３０】図１に戻って、バックライト側のガラス基
板１の入射側には、直線偏光板６と４分の１波長板７と
からなる円偏光板８が、観察側のガラス基板２の観察側
には、４分の１波長板７と直線偏光板６とからなる円偏
光板９が配置されており、円偏光板８の入射側には、照
明光源１０とそのための反射板１１が配置されている。
なお、ガラス基板１と２の内面には、フィルター４、５
のフィルター画素と整列して表示素子の画素を構成する
画素電極とその対向電極、画素電極と対向電極間に印加
する電圧を制御するＴＦＴ（ＴＦＤ）等が設けられる
が、図示は省く（以下、同じ。）。なお、この場合、Ｔ
ＦＴ（ＴＦＤ）は、ガラス基板１、２何れの側でもよい
が、バックライト側の基板１の内面に設ける方が、特に
反射型の場合に明るくなる。

【００３１】なお、円偏光板８の代わりに、特開２００
０−３４７１７９に開示されているように、複屈折性を
有するフィルムを３層以上に積層し、さらにこれに４分
の１波長板を積層してなる円偏光分離フィルムを用いて
もよい。

【００３２】以上のような配置であるので、透過型の表
示の場合、光源１０から出た自然偏光の照明光は、円偏
光板８で半透過型コレステリック液晶カラーフィルター
４の反射特性に合致する円偏光成分、例えば右円偏光成
分のみが通過し、反対の左円偏光成分は吸収される。円
偏光板８を透過した例えば右円偏光の白色光は、半透過
型コレステリック液晶フィルター４に入射し、Ｒ画素位
置すなわち吸収型カラーフィルター５のフィルター画素
Ｒt に入射する場合は、Ｇ及びＢ波長域の成分（右円偏
光）はそれぞれフィルター画素Ｇr 及Ｂr で反射され、
Ｒ波長域の成分（右円偏光）の一部８０％はフィルター
画素Ｒ'rで反射され、Ｒ波長域の成分（右円偏光）の残
りの２０％だけが半透過型コレステリック液晶フィルタ
ー４を透過し、吸収型カラーフィルター５のフィルター
画素Ｒt に入射して吸収されずに透過して液晶層３に達
する。同様に、Ｇ画素位置については、Ｒ及びＢ波長域
の成分（右円偏光）は半透過型コレステリック液晶フィ
ルター４で反射され、Ｇ波長域の成分（右円偏光）の８
０％は反射され、その２０％だけが透過し、吸収型カラ
ーフィルター５のフィルター画素Ｇt に入射して吸収さ
れずに透過して液晶層３に達し、Ｂ画素位置について
は、Ｒ及びＧ波長域の成分（右円偏光）は半透過型コレ
ステリック液晶フィルター４で反射され、Ｂ波長域の成
分（右円偏光）の８０％は反射され、その２０％だけが
透過し、吸収型カラーフィルター５のフィルター画素Ｂ
t に入射して吸収されずに透過して液晶層３に達する。

【００３３】液晶層３の画素の変調状態に応じて位相変
調が０あるいはπ（２分の１波長）であるので、それぞ
れ右円偏光のまま、あるいは、左円偏光に変換され、右
円偏光のまま透過する場合は、円偏光板９を経て直線偏
光として観察側に出て明状態の表示をする。また、左円
偏光に変換される場合は、円偏光板９が通過させる円偏
光とは反対の左円偏光であるため、ここで遮断され暗状
態の表示をする。

【００３４】また、半透過型コレステリック液晶フィル
ター４で反射された成分（右円偏光）は円偏光板８を反
対に透過して光源１０側に戻る。光源１０側に戻った光
は、反射板１１等で反射散乱して再び照明光に用いられ
るため、バックライトの利用効率が向上し、明るい表示
が可能になる。

【００３５】次に、外光による反射型の表示の場合、円
偏光板９を経て右円偏光になり、液晶層３を通って、液
晶層３の画素の変調状態に応じて位相変調が０あるいは
πであるので、それぞれ右円偏光のまま、あるいは、左
円偏光に変換され、吸収型カラーフィルター５に達す
る。吸収型カラーフィルター５のそれぞれフィルター画
素Ｒt 、Ｇt 、Ｂt を経てＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光のみ
になり、半透過型コレステリック液晶フィルター４の対
応するフィルター画素に達する。液晶層３を右円偏光の
まま透過する場合は、半透過型コレステリック液晶フィ
ルター４のそれぞれフィルター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'r
で一部の例えば８０％が反射され、再び液晶層３を透過
して、円偏光板９を経て直線偏光として観察側に出て明
状態の表示をする。

【００３６】液晶層３で左円偏光に変換される場合は、
半透過型コレステリック液晶フィルター４で反射されず
に円偏光板８に達するが、それが通過させる円偏光とは
反対の左円偏光であるため、ここで遮断され暗状態の表
示をする。

【００３７】なお、この構成において、吸収型カラーフ
ィルター５が配置されていない場合、コレステリック液
晶フィルター４のフィルター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'r で
外光の対応する色の波長域であって反射する特性の円偏
光成分を反射することになるため、色再現性が悪くな
り、正確な表示が困難になる。

【００３８】ここで、半透過型コレステリック液晶フィ
ルター４の反射・透過波長特性と、光源１０の発光波長
特性と半透過型コレステリック液晶フィルター４の反射
・透過波長特性との関係について説明する。

【００３９】フィルター画素Ｒr 、Ｇr 、Ｂr は異なる
２つの色のフィルター画素と組み合わさったときに、残
りの色が対応するフィルター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'rが透
過させる波長域以外の可視域の波長範囲を全て反射する
波長特性となっていることが望ましい。

【００４０】また、光源１０のＲ、Ｇ、Ｂの発光特性が
分離されて輝線的な幅の狭い発光特性の場合、フィルタ
ー画素Ｒr 、Ｇr 、Ｂr の反射波長範囲内にＲ、Ｇ、Ｂ
の発光波長範囲に含まれることが望ましく、また、フィ
ルター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'rの特性も同様であってもよ
く、また、フィルター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'rの反射波長
特性（透過波長特性）と光源１０のＲ、Ｇ、Ｂの発光波
長特性がずれていてもよい。この場合は、透過型の表示
においては、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素領域において、光源１０
から円偏光板８を経たＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光は全てコ
レステリック液晶フィルター４を通ることになり、表示
に利用される。また、反射型の表示においては、フィル
ター画素Ｒ'r、Ｇ'r、Ｂ'rの反射波長特性の波長域にお
いて、反射型表示が行われることになる。

【００４１】なお、図１のカラー液晶表示装置の場合、
ガラス基板１上に積層された３層のコレステリック液晶
カラーフィルター４１、４２、４３からなる半透過型コ
レステリック液晶カラーフィルター４と、その上に積層
された吸収型カラーフィルター５とでそのカラー液晶表
示装置用カラーフィルター２１が構成される。

【００４２】次に、図１の構成の変形として、図示は省
くが、吸収型カラーフィルター５は、バックライト側の
基板１の内面に設ける代わりに、観察側のガラス基板２
の内面に設けてもよく、その場合にも、吸収型カラーフ
ィルター５の外光の悪影響を防止する作用は同様であ
る。この場合は、図１のガラス基板１上に積層された３
層のコレステリック液晶カラーフィルター４１、４２、
４３からなる半透過型コレステリック液晶カラーフィル
ター４からその場合のカラー液晶表示装置用カラーフィ
ルター２２が構成される。

【００４３】図２は、図１のカラー液晶表示装置の変形
例の構成を示す断面図である。この実施例においては、
図１の構成におけるアレー状の吸収型カラーフィルター
５を省いて、その代わりに、半透過型コレステリック液
晶カラーフィルターの３層の最外（最も観察側）のコレ
ステリック液晶カラーフィルター４３中に、吸収型カラ
ーフィルター５のフィルター画素Ｒt 、Ｇt 、Ｂt と同
様の透過・吸収特性を持つ色素５１Ｒ、５１Ｇ、５１Ｂ
を最外のコレステリック液晶カラーフィルター４３の対
応するフィルター画素（図２では、それぞれＲ'r、Ｇr
、Ｂr としているが単なる例示であり、他の組み合わ
せであってもよい。）に添加して、その最外のコレステ
リック液晶カラーフィルター４３に吸収型カラーフィル
ター５の機能を兼ねさせて半透過型コレステリック液晶
カラーフィルター４’を構成している。なお、添加する
色素としては、顔料、染料、二色性色素等公知の何れの
色素を用いてもよい。

【００４４】この例のカラー液晶表示装置の場合、ガラ
ス基板１上に積層された３層のコレステリック液晶カラ
ーフィルター４１、４２、４３からなる半透過型コレス
テリック液晶カラーフィルター４’からカラー液晶表示
装置用カラーフィルター２３が構成される。

【００４５】ところで、以上において、半透過型コレス
テリック液晶カラーフィルター４、４’で反射されて光
源１０側に戻った光の再利用については検討してこなか
った。直線偏光が反射板１１等の金属で反射されると位
相がπ（２分の１波長）だけずれて反射光は入射光と偏
光方向が９０°ずれた直線偏光になるので、円偏光板８
を反対方向に経て直線偏光となり、光源１０側に戻って
反射板１１で反射されて再び円偏光板８に入射するとき
には、その入射側の直線偏光板６で吸収される方向の直
線偏光となり、十分に再利用されない恐れがある。そこ
で、図１あるいは図２の配置において、図３に示すよう
に（この図は図１の配置）、円偏光板８と光源１０ある
いは、光源１０とその反射板１１の間（図３では前者）
に透過型光拡散板１２を介して反射板１１に戻り光を入
射させ、自然偏光の光として再び円偏光板８に入射させ
るようにしているため、少なくとも戻り光の半分を右円
偏光として再び利用できうようになり、図１、図２の場
合よりバックライトの利用効率が向上し、より明るい表
示が可能になる。

【００４６】また、以上の実施例において、バックライ
ト入射側の円偏光板８は入射側に直線偏光板６が配置さ
れているため、照明光源１０から照射される一方の直線
偏光が吸収カットされてしまう。このような透過できな
い直線偏光成分を吸収ではなく光源１０側へ反射するタ
イプの円偏光板８を用いると、バックライト利用効率は
さらに向上する。

【００４７】また、図４に示すように、円偏光板８の直
線偏光板６の入射側に特開平１０−２３２３１３号に開
示されているような右円偏光又は左円偏光の一方を反射
し他方を透過させる円偏光選択層と４分の１波長板とが
積層されてなる円偏光分離フィルム１３を配置すること
により、照明光源１０から照射される一方の円偏光成分
を照明に利用し、透過できない他方の円偏光成分は光源
１０側に戻し、反射板１１の金属でその円偏光成分と反
対の円偏光として反射させ、その反射光は今度は円偏光
分離フィルム１３を透過し、円偏光板８の直線偏光板６
を通る直線偏光になるので、光源１０から照射される光
の略全てを利用することができるようになり、図３の場
合よりバックライトの利用効率はさらに向上し、より明
るい表示が可能になる。

【００４８】以上、本発明の液晶表示装置とそのための
カラーフィルターをいくつかの実施例に基づいて説明し
てきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変
形が可能である。

【００４９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液晶表示装置及び液晶表示装置用カラーフィルターに
よると、液晶層の照明光入射側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に
対して、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を一部反射し
残りを透過し、かつ、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの他の色の波
長域の光を反射する半透過型コレステリック液晶カラー
フィルターが整列して配置されているので、特にバック
ライトを利用した透過型表示において、Ｒ、Ｇ、Ｂの画
素の照明に用いるそれぞれＲ、Ｇ、Ｂの成分以外の色の
波長域の光、及び、Ｒ、Ｇ、Ｂの波長域の光の照明に利
用されない成分は照明光源側に戻され、再度照明光とし
て用いられるため、バックライトの利用効率が向上し、
明るい表示が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のカラー液晶表示装置の
構成を示す断面図である。

【図２】図１のカラー液晶表示装置の変形例の構成を示
す断面図である。

【図３】照明効率を上げる工夫を施した図１のカラー液
晶表示装置の構成を示す断面図である。

【図４】照明効率をさらに上げる工夫を施した図１のカ
ラー液晶表示装置の構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１、２…ガラス基板 ３…液晶層 ４…半透過型コレステリック液晶カラーフィルター ５…吸収型カラーフィルター ６…直線偏光板 ７…４分の１波長板 ８…円偏光板 ９…円偏光板 １０…照明光源 １１…反射板 １２…透過型光拡散板 １３…円偏光分離フィルム ２１、２２、２３…カラー液晶表示装置用カラーフィル
ター ４１、４２、４３…コレステリック液晶カラーフィルタ
ー ５１Ｒ、５１Ｇ、５１Ｂ…色素

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０２Ｆ 1/13357 Ｇ０２Ｆ 1/13357 (72)発明者 関根 啓子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目１番１号 大日本印刷株式会社内 Ｆターム(参考） 2H048 AA06 BA02 BA04 BA64 BB01 BB02 BB03 BB10 BB42 2H091 FA01Y FA08X FA08Z FA11X FA15Y FA41Z FB02 FD06 LA15 LA16

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の透明基板間に印加電圧に応じて入
   射光の位相を変調する液晶層が挟持され、その液晶層に
   画素毎に独立に電圧を印加する電極及び駆動回路が設け
   られた液晶表示素子と、その観察側と反対側に設けられ
   た照明光源と、前記照明光源と前記液晶表示素子の間に
   配置された円偏光手段と、前記液晶表示素子の観察側に
   設けられた円偏光手段とを備えた液晶表示装置におい
   て、 前記液晶層の照明光入射側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対し
   て、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を一部反射し残り
   を透過し、かつ、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの他の色の波長域
   の光を反射する半透過型コレステリック液晶カラーフィ
   ルターが整列して配置されていることを特徴とする液晶
   表示装置。
2. 【請求項２】 前記半透過型コレステリック液晶フィル
   ターの観察側に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、それぞれ
   Ｒ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色の波長域の光
   を吸収する吸収型カラーフィルターが整列して配置され
   ていることを特徴とする請求項１記載の液晶表示装置。
3. 【請求項３】 前記半透過型コレステリック液晶フィル
   ターは３層のコレステリック液晶フィルターからなり、
   その最も観察側の層に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、そ
   れぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色の波長
   域の光を吸収する色素が添加されていることを特徴とす
   る請求項１記載の液晶表示装置。
4. 【請求項４】 前記照明光源側に配置された円偏光手段
   が前記照明光源からの透過光成分と反対の偏光特性の光
   を反射する構成のものであることを特徴とする請求項１
   から３の何れか１項記載の液晶表示装置。
5. 【請求項５】 透明基板上に、液晶表示装置のＲ、Ｇ、
   Ｂの画素に対して、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を
   一部反射し残りを透過し、かつ、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの
   他の色の波長域の光を反射する半透過型コレステリック
   液晶カラーフィルターが整列して配置されていることを
   特徴とする液晶表示装置用カラーフィルター。
6. 【請求項６】 前記半透過型コレステリック液晶フィル
   ターの上に、液晶表示装置のＲ、Ｇ、Ｂの画素に対し
   て、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色
   の波長域の光を吸収する吸収型カラーフィルターが整列
   して配置されていることを特徴とする請求項５記載の液
   晶表示装置。
7. 【請求項７】 前記半透過型コレステリック液晶フィル
   ターは３層のコレステリック液晶フィルターからなり、
   その最も上の層に、Ｒ、Ｇ、Ｂの画素に対して、それぞ
   れＲ、Ｇ、Ｂの波長域の光を透過し、他の色の波長域の
   光を吸収する色素が添加されていることを特徴とする請
   求項５記載の液晶表示装置。