JP2003139892A - 中性子遮蔽材 - Google Patents
中性子遮蔽材Info
- Publication number
- JP2003139892A JP2003139892A JP2001332292A JP2001332292A JP2003139892A JP 2003139892 A JP2003139892 A JP 2003139892A JP 2001332292 A JP2001332292 A JP 2001332292A JP 2001332292 A JP2001332292 A JP 2001332292A JP 2003139892 A JP2003139892 A JP 2003139892A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- neutron
- neutron shielding
- shielding material
- mass
- boron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
布団、カーテン、機器・装置等の中性子防護用遮蔽材と
して有用な縫製可能な中性子遮蔽材及びその製造方法を
提供することにある。 【解決手段】 本発明に係る中性子遮蔽材は、厚さ50
〜1000μmの基材100質量部に対し、硼素換算量
で10〜150質量部の硼素化合物を含有してなり、柔
軟性に富み、且つ縫製可能であることを特徴とする。ま
た、本発明に係る中性子遮蔽材の製造方法は、厚さ50
〜1000μmの基材に、硼素化合物及びエマルジョン
樹脂を含有してなる組成物を含浸または塗布し、その後
乾燥することを特徴とする。
Description
性子遮蔽布団、カーテン、機器・装置等の中性子防護用
遮蔽材として有用な縫製可能な中性子遮蔽材及びその製
造方法に関するものである。
蔽材として硼素化合物やガドリニウムを含む材質が使用
されている。例えば、特開昭60−233154号公報
には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレン
スルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂及びポリエーテルイミド樹脂からな
る群から選ばれた高耐熱性と耐熱水性を有する一種又は
二種以上をマトリックスとし、中性子吸収材料を混合分
散させてなることを特徴とする中性子吸収遮蔽材組成物
が開示されている。また、該公報には、中性子吸収材料
がガドリニウム含有材料、硼素含有材料、リチウム含有
材料等であることも開示されている。
報に記載されているような従来の中性子遮蔽材は、樹脂
を基材とし、その中に中性子遮蔽能力を有する物質を分
散させた形態の硬化体であり、中性子防護服、中性子遮
蔽布団、カーテン、機器・装置等の中性子防護用遮蔽材
として有用な縫製可能な中性子遮蔽材はなかった。
中性子遮蔽布団、カーテン、機器・装置等の中性子防護
用遮蔽材として有用な縫製可能な中性子遮蔽材及びその
製造方法を提供することにある。
子遮蔽材は、厚さ50〜1000μmの基材100質量
部に対し、硼素換算量で10〜150質量部の硼素化合
物を含有してなり、柔軟性に富み、且つ縫製可能である
ことを特徴とする。
法は、厚さ50〜1000μmの基材に、硼素化合物及
びエマルジョン樹脂を含有してなる組成物を含浸または
塗布し、その後乾燥することを特徴とする。
を有し、柔軟性に富み、縫製が可能であるという布の特
性を有するところに特徴がある。本発明の中性子遮蔽材
に使用する基材は、厚さが50〜1000μm、好まし
くは100〜500μmの範囲内にあるものである。こ
こで、基材の厚さが50μm未満であると、製造上支障
を来すことがあるために好ましくなく、また、1000
μmを超えると、柔軟性を充分に確保することができな
いために好ましくない。本発明の中性子遮蔽材に好適に
使用できる基材の材質としては、例えばポリエステル、
ナイロンまたはポリエステル・ポリエチレン複合材であ
り、これらの材質よりなる紙、布または不織布を基材と
して使用することが好適である。
物を含有してなる。硼素化合物としては、例えば窒化硼
素、炭化硼素等を使用することができる。また、硼素化
合物中の10B元素を濃縮したものも使用できる。硼素化
合物の配合量は、基材100質量部に対して硼素換算量
で10〜150質量部、好ましくは40〜100質量部
の範囲内である。
ついて詳述する。本発明の中性子遮蔽材は、厚さ50〜
1000μmの基材に、硼素化合物及びエマルジョン樹
脂を含有してなる組成物を含浸または塗布し、その後乾
燥することを特徴として製造することができる。
90質量%、好ましくは50〜80質量%及びエマルジ
ョン樹脂80〜10質量%、好ましくは50〜20質量
%の配合割合を有するものである。ここで、硼素化合物
の配合割合が20質量%未満、即ち、エマルジョン樹脂
の配合割合が80質量%を超えると、中性子遮蔽能力を
充分に確保することができないため好ましくなく、ま
た、硼素化合物の配合割合が90質量%を超えると、即
ち、エマルジョン樹脂の配合割合が10質量%未満であ
ると、硼素化合物の基材への付着力が不充分となるため
に好ましくない。なお、前記組成物を構成するエマルジ
ョン樹脂としては、例えばアクリル、酢酸ビニル、NB
R、SBRまたはポリエステル樹脂等を挙げることがで
きる。
は特に限定されるものではなく、慣用の種々の操作を用
いることができるが、例えばナイフコート、グラビアコ
ート、フローコート、ロールコート、スプレーコート等
を使用することができる。なお、前記組成物の基材への
塗布または含浸量は、基材100質量部に対して硼素換
算量で10〜150質量部、好ましくは40〜100質
量部の範囲内である。
含浸した基材を80〜180℃、好ましくは120〜1
50℃で乾燥することにより本発明の中性子遮蔽材を得
ることができる。
遮蔽材は、柔軟性に富み、縫製が可能であり、通気性を
有するという布としての特性を具備しているところか
ら、中性子防護服、中性子遮蔽布団、カーテン、機器・
装置等の中性子防護用遮蔽材等の用途に使用することが
でき、予想される中性子の線量等に応じて適宜複数枚数
の中性子遮蔽材を重ねて縫製して使用することも可能で
ある。
更に詳細に説明する。 実施例 厚さ250μm、重さ50g/m2のポリエステル製不
織布を基材とし、窒化硼素粉末をアクリルエマルジョン
樹脂に混合、分散させた組成物をナイフコートにて含
浸、付着させた後、130℃で乾燥することにより中性
子遮蔽材を得た。なお、使用した組成物の組成並びに使
用量は以下の通りである: 組成物A:窒化硼素粉末80質量%、アクリルエマルジ
ョン樹脂20質量%基材100質量部に対しての組成物
の含浸量127質量部(硼素換算量44質量部) 組成物B:窒化硼素粉末80質量%、アクリルエマルジ
ョン樹脂20質量%基材100質量部に対しての組成物
の含浸量31質量部(硼素換算量11質量部) なお、得られた中性子遮蔽材A及びBは、通気性を有
し、充分な柔軟性を有し、縫製可能な材質であった。
本発明の中性子遮蔽材A及びBの中性子遮蔽性能を測定
するため、日本原子力研究所JRR−4に設置されてい
る即発ガンマ線分析装置(PGA)を利用した。測定方
法は、ガイドチューブを用いて熱中性子を導出し、その
出口に置かれた中性子遮蔽材A及びB並びに基材に透過
させ、後方に設置されたモニタの中性子捕獲反応による
即発ガンマ線をゲルマニウム検出器で計測し、透過割合
から中性子遮蔽能力を求めるものである。モニタに到達
する中性子は中性子遮蔽材による吸収及び散乱によって
失われる。中性子遮蔽材に含浸している窒化硼素中の硼
素、特に10Bは高い中性子吸収能力を持っており、基材
及びエマルジョン樹脂に含まれる水素は中性子の散乱能
力が高い。散乱による効果を観察するため、基材のみの
測定も実施し、その結果も合わせて比較することとし
た。測定結果を図1に示す。
中性子遮蔽材A及びBと、基材の透過割合の変化割合の
仕方は明らかに異なっていることが判る。これは含浸さ
せた窒化硼素が実際に中性子吸収を行っているためだと
思われる。従って、本発明の中性子遮蔽材A及びBは、
基材に比べ中性子遮蔽能力があることが判る。また、窒
化硼素の含浸量が異なる中性子遮蔽材AとBの測定結果
を比較すると、窒化硼素の含浸量により透過割合の変化
の仕方が異なることが判る。このことから、窒化硼素の
含浸量が多い程、中性子遮蔽能力が大きいことが判る。
なお、図1から中性子数が半分になる枚数は、中性子遮
蔽材Aで約9枚、中性子遮蔽材Bで約18枚である。
し、柔軟性に富み、縫製可能であるという従来の中性子
遮蔽材とは全く異なる特性を有し、中性子防護服、中性
子遮蔽布団、カーテン、機器・装置等の中性子防護用遮
蔽材等の用途への使用が期待できる。
基材の積層枚数と中性子の透過割合の測定結果を示す図
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 厚さ50〜1000μmの基材100質
量部に対し、硼素換算量で10〜150質量部の硼素化
合物を含有してなり、柔軟性に富み、且つ縫製可能であ
ることを特徴とする中性子遮蔽材。 - 【請求項2】 基材がポリエステル、ナイロン、ポリエ
ステル・ポリエチレン複合材からなる群から選択された
材質よりなる布または不織布である、請求項1記載の中
性子遮蔽材。 - 【請求項3】 硼素化合物が窒化硼素または炭化硼素で
ある、請求項1または2記載の中性子遮蔽材。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
中性子遮蔽材の製造方法において、厚さ50〜1000
μmの基材に、硼素化合物及びエマルジョン樹脂を含有
してなる組成物を含浸または塗布し、その後乾燥するこ
とを特徴とする中性子遮蔽材の製造方法。 - 【請求項5】 エマルジョン樹脂が、アクリル、酢酸ビ
ニル、NBR、SBR及びポリエステル樹脂から選択さ
れる、請求項4記載の中性子遮蔽材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001332292A JP2003139892A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 中性子遮蔽材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001332292A JP2003139892A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 中性子遮蔽材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003139892A true JP2003139892A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=19147729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001332292A Pending JP2003139892A (ja) | 2001-10-30 | 2001-10-30 | 中性子遮蔽材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003139892A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102157214A (zh) * | 2010-12-02 | 2011-08-17 | 卜庆革 | 稀土屏蔽复合层镀银布料,其制备方法及其制备的服装 |
KR101192901B1 (ko) | 2010-06-04 | 2012-10-18 | 강우석 | 유연성 및 복원성을 갖는 중성자 방사선 흡수시트, 이로 만든 의복 및 그 제조방법 |
JP2013210360A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-10-10 | Unitika Ltd | 放射線遮蔽性シート、および該放射線遮蔽性シートが縫製されてなる放射線遮蔽性袋体 |
JP2014035297A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Toshiba Corp | 熱中性子吸収膜の被覆装置、その方法及び溶融炉心物の回収方法 |
JP2015010826A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | 株式会社Cics | 中性子遮蔽構造及びこれを用いた中性子遮蔽方法 |
JP2015064386A (ja) * | 2014-12-26 | 2015-04-09 | 登 熊沢 | 放射線吸収材料 |
-
2001
- 2001-10-30 JP JP2001332292A patent/JP2003139892A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101192901B1 (ko) | 2010-06-04 | 2012-10-18 | 강우석 | 유연성 및 복원성을 갖는 중성자 방사선 흡수시트, 이로 만든 의복 및 그 제조방법 |
CN102157214A (zh) * | 2010-12-02 | 2011-08-17 | 卜庆革 | 稀土屏蔽复合层镀银布料,其制备方法及其制备的服装 |
JP2013210360A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-10-10 | Unitika Ltd | 放射線遮蔽性シート、および該放射線遮蔽性シートが縫製されてなる放射線遮蔽性袋体 |
JP2014035297A (ja) * | 2012-08-09 | 2014-02-24 | Toshiba Corp | 熱中性子吸収膜の被覆装置、その方法及び溶融炉心物の回収方法 |
JP2015010826A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-19 | 株式会社Cics | 中性子遮蔽構造及びこれを用いた中性子遮蔽方法 |
JP2015064386A (ja) * | 2014-12-26 | 2015-04-09 | 登 熊沢 | 放射線吸収材料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101343521B1 (ko) | 다양한 위험 보호의류 및 그 제조방법 | |
Cane | Cosmic ray decreases and magnetic clouds | |
US2796529A (en) | Radiation shield | |
CN105482225B (zh) | 一种防核辐射稀土复合材料及其制备方法 | |
US4218622A (en) | Neutron absorbing article and method for manufacture thereof | |
KR101089323B1 (ko) | 방사선 차폐용 포의 제조방법, 방사선 차폐용 포 및 이를 구비하는 의류 | |
CN107910088A (zh) | 一种稀土基柔性核辐射防护材料及其制备方法和应用 | |
CN101430941A (zh) | 一种柔性复合辐射屏蔽材料 | |
KR20130114583A (ko) | 방사선 차폐를 위한 질화붕소 및 질화붕소 나노튜브 물질 | |
JP2003139892A (ja) | 中性子遮蔽材 | |
CN104021831B (zh) | 一种中子辐射防护服装材料 | |
JP2011133487A (ja) | 複数種の危険に対して防護する物品およびそれらを作製するための方法 | |
JP3341984B2 (ja) | 保温性発熱布帛 | |
CN102157214B (zh) | 稀土屏蔽复合层镀银布料,其制备方法及其制备的服装 | |
US4485838A (en) | Methods for manufacturing lead fiber and radiation shielding material using the same | |
Saeed et al. | Silicone rubber composite reinforced by bismuth tungsten oxide as an effective gamma ray protective materials | |
JPS59204538A (ja) | 通気性を有する静電気消散性積層体および衣料物品 | |
Derradji et al. | High performance dual ballistic and thermal neutrons shields from kevlar fibers reinforced epoxy/B4C hybrid composites | |
CN112812498A (zh) | 一种功能化碳纳米管改性树脂基复合辐射防护材料的制备方法 | |
CN109949958A (zh) | 一种具备装饰或可直接印刷的超柔X/γ射线防护膜片材料及其制备方法 | |
CN104021832A (zh) | 一种用于医用辐射屏蔽射线防护服 | |
CN105220514B (zh) | 一种低能射线辐射防护金属布的制备方法 | |
Krzemińska et al. | Characterization of Heat Protective Aerogel-Enhanced Textile Packages. | |
Akarslan et al. | Radiation protection by the barite coated fabrics via image processing methodology | |
CN109836710B (zh) | 一种超柔X/γ射线防护材料及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040510 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20060228 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060804 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060815 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061212 |