JP2003139471A - マイクロ波加熱炉用発熱断熱材 - Google Patents

マイクロ波加熱炉用発熱断熱材

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Yasuo Misu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱材の厚さを大きくすることなく、また外
気への放熱量を増大することなく、被加熱物を高温で、
かつ均等な温度分布で加熱することができるマイクロ波
加熱炉用発熱断熱材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 内側より、被加熱物、発熱材、発熱断熱
材の順となるように配置してなるマイクロ波加熱炉にお
いて、発熱断熱材が、無機繊維、無機粒子、及び結合材
組織から構成され、次の、、及びの全条件を満
たす事を特徴とする。 結合材組織は無機繊維同士を結合している。 結合材組織の内部に無機粒子を含むか、または結合材
組織の表面に無機粒子を保持している。 無機粒子は複数が集まって集合体を形成している。 複数の集合体は分散している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側より、被加熱
物、発熱材、発熱断熱材の順となるように配置してなる
マイクロ波加熱炉に関し、とくにマイクロ波によって陶
磁器材料やファインセラミックス材料その他の被加熱物
を自己発熱によって加熱させるためのマイクロ波加熱炉
に適した発熱断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波加熱は、マイクロ波電力を誘
電体に吸収させて誘電体内部より自己発熱させる方法で
ある。このため、マイクロ波加熱は、熱伝導や輻射によ
る従来の外部加熱方式に比べて、急速加熱が可能とな
り、しかも熱効率が高いため短時間で加熱処理を行うこ
とができる。
【0003】先行技術を説明すると、高山定次、水野正
敏、平井敏夫、島田忠、佐藤元泰、武藤敬、居田克己、
下妻隆、井上徳之、江崎和弘:日本電磁波応用研究会第
16回発表資料(2000)に、2.45GHzのマイ
クロ波を効率よく吸収する陶磁器材料を被加熱物とし、
周囲をそれと等価なマイクロ波吸収特性を持つムライト
材料で囲み、被加熱物と発熱材を同時に発熱させる事
で、均一で緻密な焼成体を得る方法が提案されている。
この方法によると、被加熱物と発熱材との間に温度勾配
をほとんど発生させることなく加熱することができ、そ
の結果、被加熱物の内部及び表面にも温度勾配が発生せ
ず、従来のマイクロ波加熱技術よりも、より短時間に、
均一で、効率の良い被加熱物の加熱を行うことができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この先行技術の方法で
は、マイクロ波を受けて発生した、被加熱物及び発熱材
から外部方向へ伝わる熱流が効率よく断熱されないと、
被加熱物の加熱に必要な温度を炉内で保つことは不可能
であり、このため発熱材の外側に、炉内を囲うように断
熱材を配置する必要があった。
【0005】しかし、この場合、被加熱物と発熱材の温
度勾配をより少なくするには、即ち、断熱効果を大きく
するには、断熱材の厚さを大きくせざるを得ない。ま
た、断熱材を厚くすると、マイクロ波の多くが断熱材に
吸収されてしまい、被加熱物を効率よく加熱することが
できなかった。もし、被加熱物の温度をより高温度に上
げようとすれば、さらに強力なマイクロ波を投入しなけ
ればならない不都合があった。また、断熱材は、熱衝撃
によって割れてしまう事もあった。
【0006】本発明の目的は、このような不都合を解消
して、断熱材の厚さを大きくすることなく、また外気へ
の放熱量を増大することなく、被加熱物を高温で、かつ
均等な温度分布で加熱することができるマイクロ波加熱
炉用発熱断熱材とその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段を例示
すると、各請求項1〜10に記載のとおりのものであ
る。
【0008】本発明者らは、炉を構成する材料の特性を
鋭意検討した結果、断熱材自身がマイクロ波を吸収して
積極的に発熱するように設計することにより、前述のよ
うな不都合を解消できることを知見し、本発明を完成し
た。これにより、断熱材の厚さを大きくすることなく、
また外気への放熱量を増大することなく、被加熱物を高
温で、かつ均等な温度分布で加熱することができた。
【0009】このような断熱材を、本明細書では、以
下、発熱断熱材と呼称する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の発熱断熱材は、無機繊
維、無機粒子、及び結合材組織から構成され、次のよう
な〜の全条件を充足する構造である事を特徴とす
る。
【0011】結合材組織は無機繊維同士を結合してい
る。
【0012】結合材組織の内部に無機粒子を含むか、
または結合材組織の表面に無機粒子を保持している。
【0013】無機粒子は複数が集まって集合体を形成
している。
【0014】複数の集合体は分散している。
【0015】また、好ましくは、結合材組織は二次元に
拡がった膜状、または三次元に拡がった略球状である。
【0016】無機繊維はムライト繊維、アルミナ繊維、
およびアルミナシリカ繊維のうちの1種類以上のものか
らなり、無機粒子は、アルミナ、ムライト、アルミナシ
リカ主成分の粘土、およびシリカのうちの1種類以上か
らなり、結合材組織は、シリカゾル、アルミナゾルのう
ちの1種類以上からなるのが好ましい。
【0017】また、無機粒子は平均粒径60μm以下で
あり、断熱材のムライト含有量の総量は30重量%以上
であり、断熱材の嵩密度は、200〜1000kg/m
3 であるのが好ましい。
【0018】本発明の好適な実施態様の1つによる発熱
断熱材は、発熱材の外側に発熱材を囲うように配置して
使用する。マイクロ波照射の際、発熱断熱材は、被加熱
物及び発熱材と同時に発熱する。発熱断熱材を発熱させ
る手段として、好ましくは、発熱断熱材中の結合材組織
を利用し、そのための材料として例えばシリカゾルやア
ルミナゾルを選択し、結合材組織の内部又は表面に無機
粒子の集合体を配する。
【0019】発熱断熱材にマイクロ波が照射された時、
無機繊維及び無機粒子は発熱する。無機粒子が集合体と
なっていると、無機粒子が点在する場合よりも発生した
熱を蓄熱しやすいことを発見した。この理由は定かでは
ないが、短い一定の距離をへだてて集合した粒子は、そ
うでない場合に比べて効率よくマイクロ波を吸収できる
ことを本発明者らは知見している。言い換えれば、本発
明者らは、マイクロ波を集合体の中に閉じこめるような
現象が発生していると理解している。
【0020】また、無機粒子の集合体が発熱断熱材中に
分散していると、発熱断熱材全体が均等に発熱する。
【0021】発熱断熱材は、良好な軽量断熱材にできる
ので、単位体積当たりの熱容量が小さく、かつ熱伝導率
を小さくできる。つまり、発熱断熱材自身は少量の熱で
高温になり、かつ、発熱断熱材を内部から外部、または
外部から内部へと通過する熱量を制限する特性を持つ。
その結果、発熱材がマイクロ波を吸収して高温になる
と、内部との温度差が一層小さくなり、外部への熱の貫
流も小さくなり、その分、内部の被加熱物は高温にな
る。つまり、発熱断熱材が発熱することにより、発熱断
熱材の厚さを大きくすることなく、外気への放熱量を増
大させることなく、被加熱物を高温にかつ均等な温度分
布で加熱できるのである。その際、被処理物と発熱材の
間に温度勾配は生じない。
【0022】さらに、発熱断熱材の蓄熱によって、発熱
断熱材の炉内側と炉外側の温度差が小さくなり、発熱断
熱材への熱衝撃が緩和されるため、耐熱衝撃性が向上す
る。さらに、発熱断熱材が、被加熱物から発生した有機
物起源のガスを吸収・分解する効果を生じる。
【0023】これらの特性を備えた本発明の発熱断熱材
を使用することによって、発熱断熱材の厚さを大きくす
ることなく、また外気への放熱量を増大することなく、
被加熱物を均一にかつ効率良く加熱することができる。
その結果、被加熱物には歪みや割れを生じる事がなく、
また発熱断熱材が熱衝撃によって割れてしまうこともな
い。
【0024】さらに、発熱断熱材について詳細に説明す
る。
【0025】本発明の断熱材は、前述のように、無機繊
維、無機粒子、及び結合材組織からなり、次の条件をみ
たすものである。
【0026】結合材組織は無機繊維同士を結合してい
る。
【0027】結合材組織の内部に粒子を含むか、また
は結合材組織の表面に粒子を保持している。
【0028】粒子は複数が集まって集合体を形成して
いる。
【0029】集合体は分散している。
【0030】また、結合材組織は二次元に拡がった膜
状、または三次元に拡がった略球状である。
【0031】発熱断熱材の構成材としては、2.45G
Hzのマイクロ波を良く吸収し、耐熱性の優れたものが
好ましく、かつ、被加熱物と誘電損失が等価なものがよ
り好ましい。
【0032】例えば、被加熱物を陶磁器材料とした場
合、誘電損失が等価なものとしてはムライトをあげるこ
とができる。
【0033】また、発熱断熱材に耐熱衝撃性を付与する
ために、無機繊維を使用する事が好ましい。無機繊維と
しては、ムライト繊維、アルミナ繊維、またはアルミナ
シリカ繊維のうち1種類以上であることが好ましい。、
被加熱物が陶磁器の場合は、陶磁器材料と誘電損失が等
価なムライト繊維がより好ましい。アルミナシリカ繊
維、及びアルミナシリカ主成分の粘土は、約1000℃
の加熱によりムライトを晶出し、ムライトと類似の作用
を示すため好ましい。被加熱物がアルミナ質の場合はア
ルミナ繊維が好ましい。
【0034】発熱断熱材全体としては、マイクロ波吸収
及び熱伝導率は小さい方が好ましく、発熱断熱材の誘電
損失(マイクロ波吸収)は、10-3以下が好ましい。熱
伝導率は1200℃で0.4W/(m・K)以下が好ま
しい。一般に材料のマイクロ波の吸収は、その材料の密
度に大きく依存し、密度が小さいほどマイクロ波吸収は
少ない。従って、発熱断熱材の密度が小さすぎれば、発
熱断熱材自身の発熱が十分に起こらず、逆に発熱断熱材
の密度が大きすぎれば、発熱断熱材がマイクロ波を必要
以上に過度に吸収してしまい、被加熱物及び発熱材が自
己発熱しにくくなる。
【0035】しかし、発熱断熱材を、後述する嵩密度に
調製することで、被加熱物及び発熱材の自己発熱には影
響を与えずに、かつ断熱材の厚さを大きくすることな
く、より良好な状態で加熱が行える。
【0036】前記のごとき無機繊維を使用する事で、発
熱断熱材の嵩密度を好ましい範囲である200〜100
0kg/m3 に調製する事が容易に行え、かつ発熱断熱
材に所望の耐熱衝撃性が付与できる。嵩密度が1000
kg/m3 より大きいと、発熱断熱材へのマイクロ波吸
収が増大し、被加熱物及び発熱材の温度が上がりにくく
なる。さらに、発熱断熱材の耐熱衝撃性が悪くなる。
【0037】また、嵩密度が200kg/m3 より小さ
いと、発熱断熱材の発熱が少ないため、発熱材から外部
方向へ伝わる熱流を防ぎにくくなり、被加熱物と発熱材
の間に過度(つまり好ましくない程度)に温度勾配がで
きてしまう。
【0038】無機粒子としては、2.45GHzのマイ
クロ波を良く吸収し、耐熱性の優れたものが好ましく、
アルミナ、ムライト、アルミナシリカ主成分の粘土、ま
たはシリカのうち1種類以上であることが好ましい。ア
ルミナシリカ主成分の粘土としては例えばカオリンがあ
る。発熱断熱材に耐熱性を付与する点から、アルミナ
は、より好ましい。また、この他に、マグネシア、炭化
ケイ素、または窒化ケイ素を1種以上加えても良い。
【0039】無機粒子の平均粒径は60μm以下が好ま
しい。さらに好ましくは10μm以下である。平均粒径
が60μm以下であると、無機粒子は集合体となって、
結合材組織の内部に含まれるか、または結合材組織の表
面に保持されやすく、無機粒子の集合体は発熱断熱材中
で分散しやすくなる。さらに、発熱断熱材中の気孔が小
さくなり、その数も増加するため、耐熱衝撃性が向上す
る。また平均粒径が60μmより大きいと、発熱断熱材
が、前述の特徴的な構造になりにくく、発熱が起こりに
くい。また耐熱衝撃性も悪くなる。
【0040】発熱断熱材中の無機繊維の割合は、30〜
80重量%が好ましい。無機繊維が30重量%よりも少
ないと、発熱断熱材の嵩密度が大きくなり過ぎ、発熱断
熱材へのマイクロ波吸収が増大し、被加熱物及び発熱材
の温度が上がりにくくなる。さらに、発熱断熱材の耐熱
衝撃性が悪くなる。80重量%よりも多いと断熱材の嵩
密度が小さくなり過ぎ、発熱断熱材の発熱が少なく、発
熱材から外部方向へ伝わる熱流を防ぎにくくなり、被加
熱物と発熱材間に過度に温度勾配ができてしまう。また
発熱断熱材の強度が小さくなる。
【0041】発熱断熱材中のムライト含有量の総量は3
0重量%以上であることが好ましい。30重量%よりも
少ないと、発熱断熱材の発熱が不足するため、被加熱物
と発熱材の間に過度に温度勾配ができてしまう。さら
に、発熱断熱材の耐熱衝撃性も向上しない。
【0042】結合材組織は、無機粒子の集合体を内部に
含むか、または無機粒子の集合体を表面に保持してい
る。また、結合材組織は、膜状または略球状で無機繊維
と結合している。このような構造を形成し、さらに断熱
材の高温での強度を維持するため、結合材組織として
は、シリカゾル、アルミナゾルのうち1種以上が好まし
く使用できる。結合材組織が、無機粒子を集合体として
結合材組織の内部に含み、あるいは無機粒子の集合体と
して結合材組織の表面に保持することで、無機粒子が点
在する場合よりも、マイクロ波の照射によって発熱した
熱を蓄熱しやすくなる。発熱断熱材中の結合材組織の量
(固形分換算)は、3〜30重量%が好ましい。結合材
組織が3重量%よりも少ないと、発熱断熱材は、前述の
特徴的な構造となりにくく、強度も小さくなる。また、
30重量%よりも多いと、発熱断熱材の耐熱性が低くな
り、耐熱衝撃性も悪くなる。
【0043】次に本発明の発熱断熱材の製造方法につい
て説明する。
【0044】本発明の発熱断熱材を得るには、例えば、
無機繊維及び無機粒子を水中に分散させた後、正の電荷
をもつカチオン系有機結合材を少量加え、まずこれらを
1次凝集体とする。次に負の電荷をもつ無機結合材及び
(必要に応じて)カチオン系凝集剤を加えて、最終的な
凝集体のスラリーとする。このスラリーをモールドを用
いて抄造後、乾燥して成形体とし、必要に応じて100
0℃以上で熱処理すれば、発熱断熱材が得られる。
【0045】また、配合時の水分量を少なくして、無機
繊維及び無機粒子を混練し、カチオン系有機結合材及び
増粘材を少量加え、次に負の電荷をもつ無機結合材を加
えて練り物状とすることもできる。
【0046】このような発熱断熱材を使用する際は、例
えば、発熱断熱材を板状に成形して、炉壁に平貼り施工
したり、あるいはスタック施工したり、また練り物状と
して炉壁に塗布施工したりすることができる。
【0047】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、これは単に例示であって、本発明を限定す
るものではない。
【0048】水にムライト繊維50重量部、アルミナシ
リカ繊維20重量部、平均粒径4μmのアルミナ粉30
重量部を投入して分散させ、次に有機結合材としてカチ
オン澱粉を、ムライト繊維、アルミナシリカ繊維及びア
ルミナ粉の合計量に対し、6重量部加えて、1次凝集体
を形成させた後、無機結合材として負の電荷をもつコロ
イダルシリカをムライト繊維、アルミナシリカ繊維及び
アルミナ粉の合計量に対し7重量部(固形分換算)投入
し、適宜凝集剤を添加して、最終的な凝集体のスラリー
とした。このスラリーを抄造用モールドにて、厚み40
mmに抄造した。その後、110℃で12時間乾燥さ
せ、さらに1000℃で1時間焼成して嵩密度380k
g/m3 の発熱断熱材を得た。
【0049】図1に示すように、得られた発熱断熱材
は、結合材組織は無機繊維同士を結合しており、結合材
組織の内部に無機粒子を含むかまたは結合材組織の表面
に無機粒子を保持していた。無機粒子は複数が集まって
集合体を形成しており、複数の集合体は分散していた。
そして結合材組織は膜状と略球形のものが混在してい
た。
【0050】次に、被加熱物として、外径85mm、内
径75mm、高さ85mmの陶土製容器を用意し、これ
をムライト質のセラミックスで囲って発熱材とした(炉
内有効寸法は300mm×600mm×300mm)。
【0051】さらに、発熱材の外側に発熱材を囲うよう
に本発明の発熱断熱材を配置して、周波数2.45GH
zのマイクロ波を照射した。
【0052】この際、被加熱物を囲んでいる閉空間内
(炉内)の温度は、マイクロ波の照射時間に略比例しな
がら上昇し、図3に示すような昇温特性を得た。すなわ
ち、1300℃までの昇温時間は約100分であり、短
時間で安定した昇温が可能であることを確認した。
【0053】又、加熱終了後、被加熱物である陶土製容
器には、歪み、割れは発生せず、熱衝撃によって発熱断
熱材が破損することもなかった。
【0054】さらに比較例として、以下のように断熱材
を作製した。
【0055】即ち、水にアルミナ繊維50重量部、アル
ミナシリカ繊維20重量部、平均粒径4μmのアルミナ
粉30重量部を加え、さらにアルミナ繊維、アルミナシ
リカ繊維及びアルミナ粉の合計量に対し7重量部(固形
分換算)の負の電荷をもつコロイダルシリカを加えて分
散させ、次にカチオン澱粉をアルミナ繊維、アルミナシ
リカ繊維及びアルミナ粉の合計量に対し6重量部加え、
適宜凝集剤を添加して、凝集体のスラリーとした。この
スラリーを抄造用モールドにて、厚み40mmに抄造し
た。その後、110℃で12時間乾燥させ、さらに10
00℃で1時間焼成して嵩密度400kg/m3 の断熱
材を得た。
【0056】図2に示すように、得られた断熱材は無機
粒子が分散した状態であった。
【0057】次に、前述の実施例の場合と同様に、被加
熱物として、外径85mm、内径75mm、高さ85m
mの陶土製容器を用意し、これをムライト質のセラミッ
クスで囲い発熱材とした(炉内有効寸法300mm×6
00mm×300mm)。
【0058】さらに前述の実施例と同様に断熱材を配置
して、周波数2.45GHzのマイクロ波を照射した。
【0059】この際、被加熱物を囲んでいる閉空間内
(炉内)の温度は、マイクロ波の照射時間に略比例しな
がら上昇したが、前述の実施例に比べ、多くの時間を要
し、被加熱物である陶土製容器には、一部割れが発生し
た。さらに断熱材にも割れが発生した。
【0060】表1に前述の実施例及び比較例の内容を示
す。
【0061】
【表1】 平均粒子径は、セディグラフ法またはレーザー回折法に
より粒度分布を測定し、この積算重量分布が50%とな
る粒子径を求め、これを平均粒子径とした。また、ムラ
イト総含有量は、粉末X線回折法により定量した。
【0062】
【発明の効果】本発明は、内側より、被加熱物、発熱
材、発熱断熱材の順となるように配置してなるマイクロ
波加熱炉に使用する発熱断熱材を改良したものである。
【0063】本発明の発熱断熱材を使用すると、発熱断
熱材が自己発熱して蓄熱できるので、発熱断熱材の厚さ
を大きくすることなく、また外気への放熱量を増大する
ことなく、被加熱物を高温で、かつ均等な温度分布で加
熱することができる。
【0064】さらに、発熱断熱材の蓄熱作用によって、
発熱断熱材の炉内側と炉外側の温度差が小さくなり、発
熱断熱材への熱衝撃が緩和される。そのため耐熱衝撃性
が顕著に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例の顕微鏡写真である。図
中の白線の長さは100μmを表している。
【図2】本発明の比較例の顕微鏡写真である。図中の白
線の長さは100μmを表している。
【図3】本発明の1つの実施例の昇温特性を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 幹也 東京都中央区日本橋久松町4番4号 糸重 ビル 東芝モノフラックス株式会社内 (72)発明者 三須 安雄 東京都中央区日本橋久松町4番4号 糸重 ビル 東芝モノフラックス株式会社内 Fターム(参考) 3K090 AA01 AA02 AB20 EB01 4G019 EA03 FA11 4K051 AA07 AB03 BC01 BC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側より、被加熱物、発熱材、発熱断熱
    材の順となるように配置してなるマイクロ波加熱炉にお
    いて、発熱断熱材が、無機繊維、無機粒子、及び結合材
    組織から構成され、次の、、及びの全条件を満
    たす事を特徴とするマイクロ波加熱炉用発熱断熱材。 結合材組織は無機繊維同士を結合している。 結合材組織の内部に無機粒子を含むか、または結合材
    組織の表面に無機粒子を保持している。 無機粒子は複数が集まって集合体を形成している。 複数の集合体は分散している。
  2. 【請求項2】 結合材組織が二次元に拡がった膜状であ
    る事を特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱炉用
    発熱断熱材。
  3. 【請求項3】 結合材組織が三次元に拡がった略球状で
    ある事を特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱炉
    用発熱断熱材。
  4. 【請求項4】 無機繊維が、ムライト繊維、アルミナ繊
    維、およびアルミナシリカ繊維のうちの1種類以上から
    なる事を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記
    載のマイクロ波加熱炉用発熱断熱材。
  5. 【請求項5】 無機粒子がアルミナ、ムライト、アルミ
    ナシリカ主成分の粘土、およびシリカのうちの1種類以
    上からなる事を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のマイクロ波加熱炉用発熱断熱材。
  6. 【請求項6】 結合材組織が、シリカゾルおよびアルミ
    ナゾルのうちの1種類以上からなる事を特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱炉用発
    熱断熱材。
  7. 【請求項7】 無機粒子が平均粒径60μm以下である
    事を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマ
    イクロ波加熱炉用発熱断熱材。
  8. 【請求項8】 発熱断熱材に含まれるムライト総含有量
    が30重量%以上である事を特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項に記載のマイクロ波加熱炉用発熱断熱材。
  9. 【請求項9】 嵩密度が200〜1000kg/m3
    ある事を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
    のマイクロ波加熱炉用発熱断熱材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    マイクロ波加熱炉用発熱断熱材の製造方法。
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