JP2003139148A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2003139148A JP2001334357A JP2001334357A JP2003139148A JP 2003139148 A JP2003139148 A JP 2003139148A JP 2001334357 A JP2001334357 A JP 2001334357A JP 2001334357 A JP2001334357 A JP 2001334357A JP 2003139148 A JP2003139148 A JP 2003139148A
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bearing
resin
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Shunichi Yabe
俊一 矢部
Shigeaki Aihara
成明 相原
Fumio Ueki
史雄 植木
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
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    • F16C23/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • F16C23/082Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface
    • F16C23/086Ball or roller bearings self-adjusting by means of at least one substantially spherical surface forming a track for rolling elements

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高速回転下でも変形や破損を起こすおそれが
無く、しかも十分な潤滑性能を発現し得る潤滑剤含有ポ
リマを充填した転がり軸受を提供する。 【解決手段】 内輪2と外輪3との間に保持器5により
複数の転動体4を転動自体に保持してなり、かつ内輪
2、外輪3、保持器5及び転動体4で形成される空間
に、潤滑剤を含有した状態で固形化した合成樹脂からな
る潤滑剤含有ポリマ10を充填してなる転がり軸受にお
いて、前記潤滑剤含有ポリマの潤滑剤含有量が50重量
%以上70重量%未満である転がり軸受。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤を含有した
状態で固形化した合成樹脂からなり、近接している被潤
滑部材に潤滑剤を自動的に供給するようにした潤滑剤含
有ポリマを充填した転がり軸受の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】潤滑油やグリース等の潤滑剤の漏出をよ
り少なくする目的や、潤滑寿命の延長等を目的として、
例えば図1に示すように、内輪2と外輪3との間に、複
数個の転動体である玉4を保持器5で略等間隔で保持す
るとともに、内輪2、外輪3、玉4及び保持器5の間に
形成される内部空間に潤滑剤含有ポリマ10が充填され
た転がり軸受1が使用されている。この潤滑剤含有ポリ
マ10は、潤滑剤を含有した合成樹脂を固化させたもの
であり、含有する潤滑剤が徐々に滲み出し、滲み出た潤
滑剤が内輪2や外輪3、玉4等の被潤滑部材に転移して
潤滑剤被膜を形成して長期にわたる潤滑を維持する。ま
た、このような転がり軸受1では、潤滑剤の漏出をより
確実に防止したり、外部からの異物の侵入を防止するた
めに、シール6が装着されるのが一般的である。シール
6は芯金6bで補強され、またその一端が外輪3の外周
端縁に固定され、他端であるリップ部6aが内輪2に接
触するように装着される。 【0003】この種の潤滑剤含有ポリマ10として、従
来では、潤滑寿命をより長くする目的から潤滑剤の含有
量を70重量%以上としたものが使用されている。しか
し、このような高含有量の潤滑剤含有ポリマ10では、
潤滑剤を保持する樹脂量が少なすぎることから、今日の
ように高速回転下で使用すると、遠心力により潤滑剤が
多量に放出される。その結果、潤滑剤含有ポリマ10が
急激な寸法収縮を起こして充填された空間内で破損した
り、変形したりして軸受の動トルクが急上昇する等の不
具合が発生する可能性がでてきた。 【0004】特に、潤滑剤含有ポリマ10に使用される
樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、潤滑剤の含有量が多く
なるほど柔らかくなることから、上記の高速回転に伴う
遠心力による変形や破損がより起こり易くなる。 【0005】また、高速回転下では軸受温度の上昇も大
きいことから、元々柔らかい潤滑剤含有ポリマ10が更
に軟化し、変形や破損がより起こり易くなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
の問題点に着目してなされたものであり、高速回転下で
も変形や破損を起こすおそれが無く、しかも十分な潤滑
性能を発現し得る潤滑剤含有ポリマを充填した転がり軸
受を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、潤滑剤含有ポリ
マにおいて、高い潤滑性能を有し、かつ高速回転下にお
ける変形や破損を起こさない最適な潤滑剤含油量を見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】即ち、上記の目的を達成するために本発明
は、内輪と外輪との間に保持器により複数の転動体を転
動自体に保持してなり、かつ内輪、外輪、保持器及び転
動体で形成される空間に、潤滑剤を含有した状態で固形
化した合成樹脂からなる潤滑剤含有ポリマを充填してな
る転がり軸受において、前記潤滑剤含有ポリマの潤滑剤
含有量が50重量%以上70重量%未満であることを特
徴とする転がり軸受を提供する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の転がり軸受につい
て詳細に説明する。 【0010】本発明では、潤滑剤含有ポリマが充填され
ていることを除いて、転がり軸受自体の構造には特に制
限がなく、例えば図1に示したような潤滑剤含有ポリマ
10が充填された玉軸受1を例示することができる。 【0011】また、図2に示すような、ころ軸受20も
対象となる。図示されるころ軸受20は自動調心ころ軸
受と呼ばれる軸受であり、内輪21と、外輪22と、2
列のころ23,23と、保持器26とを備え、これらの
部材の間に形成される空間に、潤滑剤含有ポリマ28が
充填されている。また、内輪21の外周面は2列のころ
23,23の軌道面21a,21aとされ、その外径が
幅方向中央部から両端面に向かって徐々に小さくなるよ
うに形成されている。但し、幅方向最端部には径方向外
方に突出する凸部21b、21bが設けてある。また、
外輪22の内周面は、2列一体の球面軌道面22aとさ
れている。尚、符号27で示すものは案内輪である。こ
のような自動調心ころ軸受20では、潤滑剤含有ポリマ
28から潤滑剤が徐々に滲み出し、ころ23へと供給さ
れて潤滑が長期にわたり行われるようになっている。 【0012】本発明において、潤滑剤含有ポリマは、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチ
ルペンテン等の基本的に同じ化学構造を有するポリオレ
フィン系樹脂の群から選定された合成樹脂に、潤滑剤と
してポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水
素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェ
ニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステル
のようなエステル油等の何れかを単独もしくは混合油の
形で混ぜて調製した樹脂組成物を、樹脂の融点以上で加
熱して可塑化し、その後冷却して固化させたものであ
る。 【0013】潤滑剤含有ポリマにおける潤滑剤の含有量
は、50重量%以上70重量%未満である。潤滑剤含有
量が50重量%未満では、相対的に樹脂の量が多すぎて
潤滑剤を保持する能力が高く、潤滑剤の放出量が少なく
なり、軸受の潤滑を良好に維持できなくなり、短寿命と
なる。一方、潤滑剤含油量が70重量%以上になると、
上述したように、高速回転時における変形や破損が起こ
るようになる。 【0014】また、潤滑剤には、予め酸化防止剤、防錆
剤、摩耗防止剤、消泡剤、極圧剤等の各種の添加剤を加
えてもよい。これらは何れも公知のもので構わず、添加
量も適宜選択される。 【0015】上記ポリオレフィン系樹脂の群は、基本構
造は同じでその平均分子量が異なっており、700〜5
×106の範囲に及んでいる。平均分子量700〜5×
104というワックス(例えばポリエチレンワックス)
に分類されるものと、平均分子量1×104〜1×106
という比較的低分子量のものと、1×106〜5×106
という超高分子量のものとを、単独若しくは必要に応じ
て混合して用いる。比較的低分子量のものと潤滑剤との
組合わせによって、ある程度の機械的強度、潤滑剤供給
能力、保油性を持つ潤滑剤含有ポリマが得られる。ま
た、比較的低分子量のものの一部をワックスに分類され
るものに置き換えると、ワックスに分類されるものと潤
滑油との分子量の差が小さいために潤滑油との親和性が
高くなり、結果として潤滑剤含有ポリマの保油性が向上
し、長期間にわたっての潤滑剤の供給が可能になる。但
し、その反面機械的強度は低下する。尚、ワックスとし
ては、ポリエチレンワックスのようなポリオレフィン系
樹脂の他、融点が100〜130℃以上の範囲にある炭
化水素系のもの(例えばパラフィン系合成ワックス)で
あれば使用できる。それに対して、超高分子量のものに
置き換えると、超高分子量のものと潤滑油との分子量の
差が大きいために潤滑油との親和性が低くなり、結果と
して保油性が低下し、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の
滲み出しが速くなる。それによって、潤滑剤含有ポリマ
から供給可能な潤滑剤量に達する時間が短くなり、軸受
の寿命が短くなる。但し、機械的強度は向上する。 【0016】また、成形性、機械的強度、保油性、潤滑
剤供給量のバランスを考慮すると、ポリオレフィン系樹
脂の組成比は、ワックスに分類されるもの0〜5重量
%、比較的低分子量のもの15〜48重量%、超高分子
量のもの2〜25重量%で、かつ3つの樹脂分の合計3
0〜50重量%とするのが好適である。 【0017】機械的強度の一つとして、転がり軸受用の
潤滑剤含有ポリマとした時に、硬さ[HDA(スケールA
を用いたデュロメータ硬さ)]が85〜95の範囲にあ
ることが好ましく、より好ましくは90〜95の範囲で
ある。硬さ[HDA]が85未満の場合は、高速回転によ
り軸受温度が上昇したときの軟化の程度が大きく、それ
による破損も想定でき、高速回転での信頼性が低く好ま
しくない。それに対して硬さ[HDA]が95を超える場
合は、転動体を拘束する力が大きく、それによって軸受
のトルクが大きくなったり、軸受の回転による発熱が大
きくなって軸受の温度が高くなる恐れがある。 【0018】本発明の潤滑剤含有ポリマの機械的強度を
向上させるため、上述のポリオレフィン系樹脂に以下の
ような熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を添加することが
できる。 【0019】熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリスチレ
ン、ABS樹脂等の各樹脂を使用することができる。ま
た、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、
尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、エポキシ樹脂等の各樹脂を使用することができ
る。これらの樹脂は、単独または混合して用いてもよ
い。また、これらの樹脂と上記ポリオレフィン系樹脂と
を、より均一な状態で分散させるために、必要に応じて
適当な相溶化剤を加えても良い。 【0020】また、潤滑剤含有ポリマの機械的強度を向
上させるために、充填材を添加しても良い。例えば、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウムウ
ィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等の無機ウィ
スカー類、またガラス繊維、カーボン繊維や金属繊維等
の無機繊維類及びこれらを布状に編組したもの、あるい
はカーボンブラックや黒鉛粉末等の無機粉体、アラミド
繊維やポリエステル繊維等の有機繊維類及びこれらを布
状に編組したものを添加してもよい。 【0021】更に、ポリオレフィン系樹脂の熱による劣
化を防止する目的で、N,N'−ジフェニル―p―フェ
ニルジアミン、2,2'−メチレンビス(4−エチル−
6−t−ブチルフェノール)等の老化防止剤、また光に
よる劣化を防止する目的で、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−
3'−t−ブチル−5'−メチル−フェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤を添加してもよ
い。 【0022】以上の全ての添加剤(ポリオレフィン系樹
脂+潤滑剤以外)の添加量としては、添加剤全体とし
て、成形原料全体の20重量%以下であることが、潤滑
剤の供給能力を維持する上で好ましい。 【0023】本発明において、軸受の内部に潤滑剤含有
ポリマを充填には、一般的な加熱成形でもよいが、成形
された潤滑剤含有ポリマの均一性、機械的強度を考慮す
ると、射出成形が好適である。一般的な加熱成形では、
成形原料を溶融したときに攪拌・混練等の均一性を向上
させる工程が無いため、冷却固化時に内部の樹脂の分布
が不均一になり、ボイド等が残り易く、潤滑剤含有ポリ
マ全体として強度的に強くなりにくい。これに対して射
出成形では、成形機の射出部において成形原料が溶融状
態でスクリューにより十分に攪拌混合されることから均
一性が高く、また小さな射出孔から高圧で射出されるた
めボイドが残り難く、高い製品安定性を維持することが
可能である。 【0024】尚、実際の生産工程では、金型中に放置し
た軸受に、成形原料(ポリオレフィン径樹脂と潤滑剤と
を含む混練物)を充填した後、そのまま金型中で冷却固
化させる、所謂インサート成形を行う。その際、ゲート
はピンゲートが好ましく、ゲート位置は充填のし易さか
ら転動体間の隙間が好適である。また、充填は軸受の片
側からでも、両側からでも行うことができるが、両側か
ら充填すると、特に複列の軸受の場合、列間にウエルド
ができてこの部分の潤滑剤含有ポリマの機械的強度が低
下する。そのため、特に分離型保持器を備える場合は、
軸受両側からの充填は好ましくない。 【0025】用いる射出成形機としては、自重式ホッパ
ーを備える通常のインラインスクリュー式の射出成形機
を用いても、成形原料をスクリュー部に噛み込むように
投入することができない。そこで、本出願人による特開
平8−309793号公報に記載されているようなホッ
パー部を圧送式に改良した射出成形機を用いると、成形
原料を安定にスクリュー部に送ることができ、良好な充
填が可能になる。 【0026】また、充填に先立ち、軸受を脱脂洗浄後、
軸受各部位の表面に被膜を設けておくことにより、重点
後に潤滑剤含有ポリマと軸受各部位との間に隙間が生
じ、それにより軸受の動トルクが下がり、好ましい。被
膜としては、何れも本出願人によるフッ素系離型剤によ
る塗膜(特開平7−139551号公報)、グリース被
膜(特開2000−179557号公報)が好適であ
る。 【0027】 【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。 【0028】[試験−1:潤滑剤含有ポリマにおける潤
滑剤含有量の検証]下記に示す如く、ポリオレフィン樹
脂及び鉱油を用い、射出成形にて直径30mm、厚さ5
mmの円板状の試験片を作製した。 (実施例1:含油量50重量%材) ・高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類):25
重量% ・超高分子ポリエチレン(超高分子量に分類):25重
量% ・鉱油:50重量% (比較例1:含油量70重量%材) ・高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類):15
重量% ・超高分子ポリエチレン(超高分子量に分類):15重
量% ・鉱油:70重量% (比較例2:含油量80重量%材) ・高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類):10
重量% ・超高分子ポリエチレン(超高分子量に分類):10重
量% ・鉱油:80重量% 【0029】そして、図3に示すように、試験片31を
試験装置34の遠沈管33のホルダー32に固定し、所
定の遠心力となるように装置全体を回転させ、回転前と
5時間経過後における重量差から潤滑油の放出量を求め
た。尚、回転時の周囲温度は10℃に維持した。結果を
図4に示すが、遠心力が大きくなるのに従って潤滑油放
出量も多くなっており、しかも含油量が多い試験片ほど
遠心力に対する放出量の変化率(傾き)が大きくなって
いる。このことから、実際の転がり軸受においては、含
油量の多い潤滑剤含有ポリマ部材ほど、高速回転下で早
期に潤滑不良に陥ることが十分に予測され、本試験結果
から含油量(潤滑剤含有量)が70重量%以上の潤滑剤
含有ポリマは、高速回転での使用には不適であるといえ
る。 【0030】[試験−2:軸受耐久性試験]下記に示す如
く、ポリオレフィン樹脂及び鉱油を用いて成形原料を調
製した。そして、脱脂洗浄し、エステル−ウレア系グリ
ースの石油ベンジン3倍希釈液を塗布した接触ゴムシー
ル付き深溝玉軸受(日本精工(株)製「6305DD
U」)の内輪と外輪との間の軸受空間に、射出成形によ
り成形原料を充填し、固化させて試験軸受(図1参照)
を作製した。 (実施例2) ・高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類):1
7.5重量% ・超高分子ポリエチレン(超高分子量に分類):17.
5重量% ・鉱油:65重量% ・潤滑剤含有ポリマの硬さ:91HDA (比較例3) ・高密度ポリエチレン(比較的低分子量に分類):1
2.5重量% ・超高分子ポリエチレン(超高分子量に分類):12.
5重量% ・鉱油:75重量% ・潤滑剤含有ポリマの硬さ:84HDA 【0031】そして、試験軸受を、Fr98N、Fa2
45Nの荷重下で、3500min -1(dmn:15.
2万)、4200min-1(dmn:18.3万)、4
600min-1(dmn:20万)にてそれぞれ連続回
転させて耐久時間を測定した。結果を図5に示すが、本
発明に従う実施例2の試験軸受は何れの回転数において
も5000時間を超える耐久性を示している。これに対
して、潤滑剤含油量が多い比較例3の試験軸受では、低
速回転(3500min-1)では実施例2の試験軸受と
同等の耐久性を示すものの、高速回転になると急激に耐
久性が低下している。 【0032】また、実施例2の試験軸受については、回
転数4200min-1及び4600min-1における回
転時間と潤滑油放出量との関係、比較例3の試験軸受に
ついては回転数3500min-1及び4200min-1
における回転時間と潤滑油放出量との関係を求め、それ
ぞれ図6に示した。図示されるように、実施例2の試験
軸受では、高速回転下でも潤滑油の放出が抑えられてい
るのに対し、比較例3の試験軸受では低速回転であるに
もかかわらず潤滑油が早期のうちに多量に放出されてい
る。 【0033】上記の試験−1及び試験−2の結果から、
潤滑剤含有ポリマにおける潤滑剤の含有量が70重量%
以上になると高速回転下での潤滑剤の放出が顕著にな
り、軸受の耐久性に問題が出てくることが確認された。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
潤滑剤含有ポリマの潤滑剤含有量を特定したことによ
り、高速回転下でも潤滑剤含有ポリマが変形や破損を起
こすおそれが無く、しかも十分な潤滑性能を発現するた
め、耐久性に優れた転がり軸受が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明並びに従来の潤滑剤含有ポリマを充填し
た転がり軸受の一例を示す断面図である。 【図2】本発明の転がり軸受の他の例である自動調心こ
ろ軸受を示す断面図である。 【図3】試験−1において、遠心力に対する潤滑剤の放
出量を測定するために用いた試験装置の構成を示す要部
断面図である。 【図4】試験−1で得られた、遠心力と潤滑油放出量と
の関係を示すグラフである。 【図5】試験−2において耐久時間の測定結果を示すグ
ラフである。 【図6】試験−2で得られた、回転時間と潤滑油放出量
との関係を示すグラフである。 【符号の説明】 1 転がり軸受 2 内輪 3 外輪 4 転動体 5 保持器 6 シール 10 潤滑剤含有ポリマ 20 自動調心ころ軸受 21 内輪 22 外輪 23 ころ 26 保持器 28 潤滑剤含有ポリマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 史雄 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA03 AA15 AA25 AA42 AA43 CA40 EA53 FA32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内輪と外輪との間に保持器により複数の
    転動体を転動自体に保持してなり、かつ内輪、外輪、保
    持器及び転動体で形成される空間に、潤滑剤を含有した
    状態で固形化した合成樹脂からなる潤滑剤含有ポリマを
    充填してなる転がり軸受において、 前記潤滑剤含有ポリマの潤滑剤含有量が50重量%以上
    70重量%未満であることを特徴とする転がり軸受。
JP2001334357A 2001-10-31 2001-10-31 転がり軸受 Pending JP2003139148A (ja)

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