JP2003138948A - 航空エンジンのオーバーホール用のサービス情報の提供方法 - Google Patents

航空エンジンのオーバーホール用のサービス情報の提供方法

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JP2003138948A
JP2003138948A JP2001337436A JP2001337436A JP2003138948A JP 2003138948 A JP2003138948 A JP 2003138948A JP 2001337436 A JP2001337436 A JP 2001337436A JP 2001337436 A JP2001337436 A JP 2001337436A JP 2003138948 A JP2003138948 A JP 2003138948A
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Hiroyuki Ochiai
宏行 落合
Takaharu Ono
隆治 大野
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 航空エンジンのO/H(オーバーホール)の
際必要とされるサービス情報を提供する。 【解決手段】 ネットワークを通じて、サービスデータ
のデータベースを保有するサーバと複数のクライアント
端末とが双方向通信を行い、O/Hの際に必要とされる
最適なサービスデータをクライアント端末のユーザーで
あるO/H技術者に提供する。また、ユーザーがO/H
ごとに交換した部品についての組込確認情報をサーバへ
投入することで、常にエンジンの構成部品を把握でき、
交換部品のマッチングの確認が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空エンジンのオーバ
ーホール用のサービス情報の提供方法に関し、より詳細
には、航空エンジンメーカーから提供される航空エンジ
ンを構成する部品情報およびそのリビジョン情報からな
るサービス情報を、エンジンのオーバーホール(以下
「O/H」という。)の際に利用しやすい形でO/H技
術者に提供する航空エンジンのオーバーホール用のサー
ビス情報の提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】航空エンジンはその製造時期によって改
良された部品が逐次採用され、エンジンは製造時期が遅
くなるほどいわゆるバージョンアップする。したがって
同じ型式番号のエンジンであっても、バージョンの番号
が大きいものほど改良された部品が多く採用されている
こととなる。
【0003】航空エンジンでは、安全性確保、性能維持
および耐用年数の向上等を図るべく定期的なO/Hが必
要となる。かかるO/Hでは消耗した部品の交換等が行
われるが、この部品交換は航空エンジンメーカーから発
行されるサービスマニュアルおよびサービスブリティン
(Service Bulletin:以下「SB」という。)を参照す
ることによって行われる。
【0004】サービスマニュアルは、エンジンの当初の
構成部品、その組み付け方法、その他多くの諸注意事項
からなる部品情報が記載された書面である。一方SB
は、部品が改良され、その構成が変更された場合(いわ
ゆる部品のリビジョンアップ)に、当該変更箇所につい
ての説明や交換指針、その組み付け方法およびその他部
品交換の際の諸注意事項からなるリビジョン情報が記載
された書面である。このSBは、部品のリビジョンアッ
プがなされる度に航空エンジンメーカーが発行し、航空
エンジンメーカーから各O/H会社に逐次送付するもの
である。
【0005】ここでこのSBは頻繁に発行されるため、
O/H会社は部品交換の際の組み付け間違いを防ぐべ
く、サービスマニュアルおよび複数のSBを系統的に管
理しておく必要があった。すなわち、このSBには改良
された部品への交換指針等が記載されているが、その他
の部品についての記載は省略されているため、改良が加
えられた部位については対応したSBをも参照する必要
がある一方、改良・変更のない部位については従前のサ
ービスマニュアルを参照する必要があった。
【0006】また、改良された部品を旧バージョンのエ
ンジンに組み込むにあたっては、他の部品との相性の問
題等から消耗等した部品とのセットで他の部品の交換が
必要となることも多く、かかるセット交換もSBの指示
に基づいて行われる。そのためSBを系統的に管理して
おくことは非常に重要であった。
【0007】そこで各O/H会社は、サービスマニュア
ルに記載された部品情報およびSBに記載されたリビジ
ョン情報からなるサービス情報を系統的に管理すべくサ
ービス情報のデータベースを保有するデータシステムを
構築し、また、SBが発行されるごとにそのデータ更新
を行っていた。
【0008】しかしながら、このデータシステムによっ
て各O/H会社は画一的なサービス情報を自社のO/H
技術者に提供することは可能となったものの、個々のエ
ンジンについて個別具体的なサービス情報を提供するこ
とまではできていなかった。
【0009】なぜなら、旧バージョンのエンジンのO/
Hにおいて部品交換を行う際には、エンジン性能の向上
を図るべくSBの指示に従い改良された新リビジョンの
部品を用いることも多く、このような場合、次回のO/
H時には部品交換した箇所については新リビジョンの部
品に対応したSB(リビジョン情報)を適用する必要が
ある一方、その他の部分については従来のサービスマニ
ュアルを適用する必要があるためである。その結果、同
じバージョンのエンジンであっても適用すべきサービス
情報がそれまでの部品交換の有無によって異なり、個々
のエンジンに対応したサービス情報の管理が困難となっ
ていた。
【0010】しかもO/Hが数次に渡って行われ、様々
なリビジョンの部品がO/Hの対象エンジンに組み込ま
れると、適用すべきSB(リビジョン情報)が区々とな
る結果、個々のエンジンに適用するSBの管理は一層煩
雑かつ困難となっていた。
【0011】加えて、仮に各O/H会社が個々のエンジ
ンについて適用するサービス情報のデータシステムを構
築したとしても、O/Hは毎回同一の会社に発注され行
われるとは限られないため、対象エンジンのO/Hが一
旦他社で行われると、他社でいかなるO/Hがなされた
のか、どの時期にどの部品について交換が行われ、対象
エンジンが現在いかなる部品から構成されているか等の
情報が入手できない結果、どの部品にどのSBを適用す
べきかのサービス情報を管理することは実際上不可能と
なり、それまでに構築した対象エンジンについてのサー
ビス情報のデータシステムは役に立たないものとなって
しまうこととなる。
【0012】かかる理由から、各O/H会社は個々のエ
ンジンについてサービス情報のデータシステムの構築は
しておらず、結局O/H技術者は、エンジンを分解し、
個々の部品に付された部品番号を参照して、サービス情
報のデータベースにこれを照会することによって初め
て、適用すべきサービス情報を知ることができるのが現
状であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】サービス情報の管理
は、航空機の運航上の安全を確保する上においても必須
であるため、各O/H会社はエンジンのバージョンごと
のサービス情報のデータシステムを独自に構築している
が、その構築・維持・管理には多大な経費を要し、各O
/H会社にとって大きな負担となっていた。その一方、
個々のエンジンに適用すべきサービス情報の管理は不可
能であったため、そのデータシステムが最大限有効活用
されている状況ではなかった。また、これまでO/H会
社間でデータシステムの共有は行われていなかった。
【0014】本発明は、かかる種々の問題点を解決すべ
く創案されたものである。すなわち本発明は、従来各O
/H会社がこれまで独自に行っていたデータシステムの
構築・維持・管理を一箇所で集中して行い、そのサービ
ス情報をネットワークを通して各O/H会社に提供する
ことによって、各O/H会社の人的・時間的・金銭的負
担を軽減することを目的とする。
【0015】また、O/Hが数次に渡って行われ、様々
なリビジョンの部品が対象エンジンに組み込まれた場合
にも、個々のエンジンに適用すべきサービス情報の提供
を可能とし、いずれのO/H会社でO/Hが行われたと
しても個々のエンジンについてのO/Hの履歴、すなわ
ち、どの時期にどの部品について交換が行われ、対象エ
ンジンが現在いかなる部品から構成されているかの情報
の入手を可能ならしめ、どの部品にどのSBを適用すべ
きかの情報を各O/H会社のO/H技術者に提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、ネットワーク(16)を通して相互に通信が
可能なサーバ(14)と複数のクライアント端末(1
8)との間で行われ、オーバーホールの際に必要とされ
るエンジンを構成する部品に関する航空エンジンのオー
バーホール用のサービス情報の提供方法であって、前記
サーバが、航空エンジンメーカーから提供される航空エ
ンジンを構成する部品情報およびそのリビジョン情報か
らなるサービス情報を検索可能な形態のデータベース
(10)に系統的に記録・管理するステップと、先発ユ
ーザー(28)が、前記サーバに対してオーバーホール
の対象エンジン(2)の型式番号およびそのバージョン
番号を送信することにより検索要求(20)を行うステ
ップと、前記サーバが、該検索要求の検索条件に合致す
るサービス情報を前記データベースから引き出し先発ユ
ーザーのクライアント端末に送信するステップと、前記
先発ユーザーのクライアント端末が、サーバから送られ
てきたサービス情報(22)を受信し、出力するステッ
プと、からなることを特徴とする航空エンジンのオーバ
ーホール用のサービス情報の提供方法を提供する。
【0017】まず、サーバの管理者が航空エンジンメー
カーから提供される航空エンジンを構成する部品情報お
よびそのリビジョン情報からなるサービス情報を検索可
能な形態のデータベースとしてサーバ上に構築する。こ
の際、リビジョン情報はデータベース上に系統的に記録
・管理される。すなわち、データベースでは、サービス
マニュアルの当初の部品情報に関するデータに、SBに
記載のリビジョン情報のデータが順次追加され、各型式
および各バージョンのエンジンのO/Hに必要なサービ
ス情報を適宜取り出すことができるよう整理された状態
でデータ管理がなされている。
【0018】次に先発ユーザー、すなわち主としてO/
H会社のO/H技術者がネットワークを介して前記サー
バにアクセスし、オーバーホールの対象エンジンの型式
およびそのバージョン番号を送信することにより検索要
求を行う。その後、前記サーバが該検索要求の検索条件
に合致するサービス情報をデータベースから引き出し、
先発ユーザーのクライアント端末に送信し、クライアン
ト端末がその情報を受信する。これにより、O/H技術
者は対象エンジンのバージョンごとのオーバーホール用
のサービス情報を容易に入手できる。
【0019】かかる本発明のオーバーホール用のサービ
ス情報の提供方法を用いることにより、今まで各O/H
会社が独自に行ってきたオーバーホール用のサービス情
報のデータシステムの構築・維持・管理が必要なくな
り、各O/H会社の人的・時間的・金銭的負担を軽減す
ることができる。
【0020】また本発明は、ネットワーク(16)を通
して相互に通信が可能なサーバ(14)と複数のクライ
アント端末(18)との間で行われ、オーバーホールの
際に必要とされるエンジンを構成する部品に関する航空
エンジンのオーバーホール用のサービス情報の提供方法
であって、前記サーバが、航空エンジンメーカーから提
供される航空エンジンを構成する部品情報およびそのリ
ビジョン情報からなるサービス情報を検索可能な形態の
データベース(10)に系統的に記録・管理するステッ
プと、先発ユーザー(28)が、オーバーホールの対象
エンジン(2)の少なくとも型式番号、シリアル番号お
よび交換しようとする部品の部品番号からなる交換予定
情報(24)を前記サーバに送信するステップと、前記
サーバが、該交換予定情報を受信しこれを前記データベ
ースに構築されたサービス情報に基づき交換しようとす
る部品のオーバーホールの対象エンジンへの適合性を確
認し、適合性の有無についての適合性情報を前記先発ユ
ーザーのクライアント端末に送信するステップと、前記
先発ユーザーのクライアント端末が、サーバから送信さ
れた適合性情報を受信し出力するステップと、を備える
ことを特徴とする航空エンジンのオーバーホール用のサ
ービス情報の提供方法を提供する。
【0021】O/Hにより交換しようとする部品の種類
によっては、他の部品との適合性(マッチング)の問題
からいわゆるセット交換を要する等のマッチングルール
があり、そのルールも部品の改良が進むごとに次々と追
加されるため複雑化する。したがって、このマッチング
をO/H技術者がサービス情報を参照することにより行
うことは容易ではなく、実際に組み付け間違いなども起
こっていた。そこで、対象エンジンに組み込む予定の部
品が、かかるマッチングルールに適合するものかどうか
をサーバに問い合わせ、事前にその適合性を確認するこ
とによって、マッチングルールに反する組み付けを容易
に防止することができるとともに、円滑なO/H作業が
可能となる。
【0022】さらに本発明の航空エンジンのオーバーホ
ール用のサービス情報の提供方法は、前記先発ユーザー
(28)が、オーバーホールの対象エンジン(2)の少
なくとも型式番号、シリアル番号および交換した部品の
部品番号からなる組込確認情報をサーバ(14)に送信
するステップと、前記サーバが、該組込確認情報を受信
しこれを記録するステップおよび該組込確認情報に基づ
き型式番号およびシリアル番号ごとにオーバーホールさ
れた対象エンジンを構成する部品に対応したサービス情
報を検索可能な形態で再編してデータベース(10)を
再構築するステップと、後発ユーザー(32)が、前記
サーバに対して対象エンジンの少なくとも型式番号およ
びシリアル番号を送信することにより検索要求を行うス
テップと、前記サーバが、該検索要求の検索条件に合致
する最新のサービス情報をデータベースから引き出し前
記後発ユーザーのクライアント端末(18)に送信する
ステップと、前記後発ユーザーのクライアント端末が、
サーバから送信された最新のサービス情報を受信し出力
するステップと、をさらに備えることもできる。
【0023】まず、先発ユーザーであるO/H技術者
は、入手した最新のサービス情報を基にマッチングルー
ルを遵守した部品交換を行う。その後部品交換を行った
航空エンジンについて、対象エンジンのシリアル番号を
用いて、新たに組み込んだ部品の履歴(組込確認情報)
をサーバに投入する。サーバでは、投入された組込確認
情報を保存・管理し、また、現在エンジンを構成する部
品に適用すべきサービス情報をデータベース上に再編す
る。
【0024】これによって、現在どのような部品がその
シリアル番号のエンジンに組み込まれているか、いつ部
品交換が行われたのか、いずれのO/H会社がどの箇所
についてO/Hを行ったのか等の情報がサーバに蓄積さ
れるとともに、次回のO/Hの際には後発ユーザーは個
々のエンジンに適用すべきサービス情報を容易に取り出
すことができる。また、対象エンジンを構成する部品が
常に把握されているため、いずれのO/H会社でO/H
が行われてきた場合にも、対象エンジンのシリアル番号
を用いた検索によって、対象エンジンが次回のO/Hの
ため工場に持ち込まれ、分解される前においても、予め
部品交換が必要となる箇所の予測ができ、円滑なO/H
作業が期待できる。
【0025】前記オーバーホール用のサービス情報の提
供料は、先発ユーザー若しくは後発ユーザーまたは航空
エンジンメーカーから徴収することが望ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。
【0027】各実施形態のO/Hの対象エンジン2は型
式番号およびシリアル番号がXXXX-00001で表され、その
構成部品は当初a〜zである。
【0028】ここで、型式番号XXXXで表されるエンジン
は、その後バーションアップが繰り返して行われ、その
結果シリアル番号が00001〜00100のエンジンはバージョ
ン0(ver.0)、00101〜00200のエンジンはバージョン
1(ver.1)、00201〜00300のエンジンはバージョン2
(ver.2)、・・・、というように改良が加えられた仕
様に逐次発展していく。
【0029】このエンジンのバージョンアップは実質的
には、エンジンの構成部品の改良(リビジョンアップ)
によるものであり、バージョン1への改良では、部品
a,bが部品A,Bへ、バージョン2への改良では、部
品c,dが部品C,Dへ、バージョン3への改良では、
部品e,fが部品E,Fへ、・・・、というように変更
され、バージョン1へのバージョンアップの際にはSB
1(4)が、バージョン2へのバージョンアップの際に
はSB2(6)が、バージョン3へのバージョンアップ
の際にはSB3(8)が、バージョンnへのバージョン
アップの際にはSBnが順次航空エンジンメーカーから
発行される。なお、改良された部品に更に改良が加えら
れることもある。
【0030】図1は、本発明航空エンジンのオーバーホ
ール用のサービス情報の提供方法の第一の実施形態を示
したものである。なお、破線で囲まれた部分は将来SB
が発行されることによるデータベースの再編を意味し、
現時点のO/Hには無関係である。
【0031】サーバ14内のデータベース10では、ま
ずバーション0のエンジンのサービスマニュアルに記載
のデータをマスターデータ12として記録し、その後S
Bが発行されるごとにその内容を逐次データベース10
に系統的に蓄積する。これにより、型式XXXXの全てのバ
ージョンのエンジンに適用可能なサービス情報を系統的
に管理するデータベースが構築される。
【0032】このデータベースを保有するサーバ14
を、例えばインターネットなどのネットワーク16を通
じて複数のクライアント端末18と接続し、各O/H技
術者によるエンジンの型式番号およびバージョン番号を
用いた検索要求20に応じて、適宜O/H対象エンジン
のバージョンに必要とされるサービス情報22を提供す
ることができる。
【0033】かかるオーバーホール用のサービス情報
は、各種エンジンを初めてO/Hする場合に利用価値が
高い。すなわち、各種エンジンを初めてO/Hする場合
はエンジンの構成部品は製造時のものであるから、クラ
イアント端末18を操作する先発ユーザーであるO/H
技術者は、エンジンの型式番号およびそのバージョン番
号を用いた検索要求20をサーバに行うことによって、
そのエンジンに適用すべきサービス情報22を容易に入
手することができる。
【0034】本実施形態の型式およびシリアル番号がXX
XX-00001で表される対象エンジン2が初めてO/Hされ
る場合、その構成部品はa〜zである。この対象エンジ
ン2のうち、例えば部品cが消耗し交換を要するとすれ
ば、部品cに代えて改良された部品Cをバージョン0の
エンジンに適用することができるか否かを調査する必要
がある。先発ユーザーであるO/H技術者は、クライア
ント端末18からネットワーク16を通じてサーバ14
に対し対象エンジン2の型式番号およびそのバージョン
番号を送信し検索要求20を行う。サーバ14では、デ
ータベース10から検索条件に合致するサービス情報2
2を引き出し、それをクライアント端末18に送信す
る。先発ユーザー側では、受信したサービス情報を照合
することで部品Cの採否を判断することができる。な
お、クライアント端末の画面に表示されるサービス情報
はハイパーテキスト形式で作成され、マウス操作等によ
り部品ごとに必要とされるサービス情報に直ちにジャン
プすることができるように構成することが好ましい。
【0035】また、他の部品との整合性の問題から、部
品Cの組み込みが他の部品といわゆるセット交換する場
合にのみ可能であることもある。かかるセット交換の要
否も引き出したサービス情報と照合することによって判
断する。仮に、部品cを部品Cへ交換する場合には、部
品dを部品Dへ交換しなければならないとすると、セッ
ト交換が行われることにより、対象エンジンはリビジョ
ン0であるが部品abCDe〜zで構成されるものとな
る。
【0036】次に図2に本発明の第二の実施形態を示
す。本実施形態のオーバーホール用のサービス情報の提
供方法では、第一の実施形態で先発ユーザーであるO/
H技術者が行っていた交換部品の適合性の判断をサーバ
14であるコンピュータに判断させるものである。
【0037】本実施形態では、まず先発ユーザーが、オ
ーバーホールの対象エンジン2の少なくとも型式番号、
シリアル番号および交換しようとする部品cの部品番号
からなる交換予定情報24をサーバ14に送信する。サ
ーバ14ではこの交換予定情報24を受信し、これをサ
ーバであるコンピュータを用いた処理によってデータベ
ース10上のサービス情報と照合する。この照合によ
り、交換しようとする部品Cがオーバーホールの対象エ
ンジン2に採用することができるものであるか否かが判
断される。部品Cをそのまま部品cと交換すればよい場
合はその旨を、部品cを部品Cへ交換するためには他の
部品とのセット交換を要する(例えば部品dも部品Dへ
交換を要するなど)場合にはその情報をもO/H技術者
に適合性情報26として回答する。また、対象エンジン
では部品cを部品Cに交換することができないときには
その旨を適合性情報26として回答する。O/H技術者
はこれらの適合性情報を受信・出力することで、交換部
品の適合性を確認した上で対象エンジンの適切なO/H
を行うことができる。
【0038】図3に本発明の第三の実施形態を示す。第
一および第二の実施形態では、主に対象エンジンの初回
のO/Hのためのサービス情報の提供を主目的としたも
のであるが、本実施形態では、二回目以降のO/Hへの
利用を主目的とするものである。
【0039】本実施形態では、まず、型式番号およびシ
リアル番号がXXXX-00001で表される対象エンジン2の販
売時におけるサービスマニュアルの内容(マスターデー
タ12)がサービス情報としてサーバ14上のデータベ
ース10に蓄積される。
【0040】対象エンジン2が初めてO/Hされる際に
は、第一又は第二の実施形態に記載した方法によって、
必要なサービス情報22または適合性情報26が先発ユ
ーザーに提供される。このサービス情報等に基づき型式
番号およびシリアル番号XXXX-00001で表される対象エン
ジンのO/Hが行われる。
【0041】先発ユーザー28により、対象エンジン2
を構成する部品の一部(例えば部品c)が新たなリビジ
ョンの部品(部品C)に交換された場合、先発ユーザー
28はこのエンジンの少なくとも型式番号、シリアル番
号および交換した部品(部品cおよび部品C)の部品番
号からなる組込確認情報30をサーバに投入する。サー
バ14は、この組込確認情報30を受信して、これをデ
ータベース10に記録する。その後、サーバであるコン
ピュータは受信した組込確認情報30に基づき、型式番
号およびシリアル番号によりオーバーホールされた対象
エンジンを特定し、現在エンジンを構成する部品に対応
したサービス情報(SB2に記載されたリビジョン情
報)を、旧部品に対応したサービス情報と置換するとと
もに、検索可能な形態でこれを再編してデータベースを
再構築する。
【0042】次に、今回O/Hを行う後発ユーザー32
は、サーバ14に対して対象エンジン2の少なくとも型
式番号およびシリアル番号(XXXX-00001)を送信するこ
とにより検索要求20’を行う。サーバ14は、その検
索要求の条件に合致するエンジンを特定し、最新のサー
ビス情報、すなわち先発ユーザー28の組込確認情報3
0を基に再編され現在の対象エンジンに最適化されたサ
ービス情報22’をデータベースから引き出し、後発ユ
ーザー32のクライアント端末18に送信する。後発ユ
ーザー32のクライアント端末18は、サーバ14から
送信された最新のサービス情報22’を受信・出力す
る。これにより後発ユーザー32は現在の対象エンジン
2を構成する部品に最適化されたサービス情報22’を
入手し、これに基づいて適切なO/Hを行うことができ
る。
【0043】また、この後発ユーザー32がO/Hで部
品交換をした場合には、その組込確認情報30’をサー
バ14に投入する。サーバは受信した組込確認情報3
0’に基づき、前記と同様に対象エンジン2のサービス
情報を再編して最適化されたサービス情報のデータベー
スを再構築する。
【0044】以後、更なるO/Hによって対象エンジン
の構成部品が新たなリビジョンのものに交換された場合
には、その都度組込確認情報が投入されデータベースの
再構築がなされる。
【0045】このようにO/Hの都度、先発のユーザー
が組込確認情報をデータベースに登録することで、いか
なる部品から現在対象エンジンが構成されているのかを
常時把握できるようになるとともに、再編されたサービ
ス情報は、現在の対象エンジンを構成する部品に最適化
された状態でデータベース上に保持される。したがっ
て、従来非常に煩雑であった個々の対象エンジンに適用
すべきサービス情報の参照が容易となり、部品の発注や
組み付けのミス等を防止することができる。これにより
航空機の運行上の安全性が高められる。
【0046】なお、本実施形態においても第二の実施形
態と同様に、交換予定情報をサーバに送信し、データベ
ース上の最適化されたサービス情報との対応をサーバで
行うことにより、交換しようとする部品の適合性の判断
をコンピュータによって行わせることもできる。
【0047】また本実施形態では、対象エンジンのどの
部品がいつ交換されたのかの情報もO/Hの履歴として
記録されるため、部品の予想耐用年数からO/Hが必要
となる箇所について、O/H技術者は対象エンジンを分
解する前においてもある程度の予測をすることができ、
O/H作業の円滑化等を図ることが可能となる。
【0048】さらに以上のオーバーホール用のサービス
情報の提供料は、先発ユーザー若しくは後発ユーザーま
たは航空エンジンメーカーから徴収することが望まし
い。
【0049】本発明の航空エンジンのオーバーホール用
のサービス情報の提供方法を用いれば、従来、各O/H
会社が多くの費用をかけて独自に構築等していたデータ
システムが不要となるため、各O/H会社は情報の提供
料を払ってもこれを利用する価値は大きい。また、航空
エンジンメーカーにとっては、情報の提供料をサーバの
管理者に支払い、これを各O/H会社に解放すること
で、今までエンジンのバージョンアップするごとに、各
O/H会社に手配していたSBの送付の手間をなくすこ
とができるため利用価値がある。
【0050】
【発明の効果】本発明により、従来各O/H会社がこれ
まで独自に行っていたデータシステムの構築・維持・管
理を一箇所で集中して行い、そのサービス情報をネット
ワークを通して各O/H会社に提供することによって、
各O/H会社がこれまで独自に行ってきサービス情報の
データベースの構築・維持・管理を不要とし、各O/H
会社の人的・時間的・金銭的負担を軽減することができ
る。
【0051】また、O/Hが数次に渡って行われ、様々
なリビジョンの部品が対象エンジンに組み込まれた場合
にも、個々のエンジンに適用すべきサービス情報の提供
を可能とし、いずれのO/H会社でO/Hが行われたと
しても個々のエンジンについてのO/Hの履歴、すなわ
ち、どの時期にどの部品について交換が行われ、対象エ
ンジンが現在いかなる部品から構成されているかの情報
の入手を可能ならしめ、どの部品にどのSBを適用すべ
きかの情報を各O/H会社のO/H技術者に容易に提供
することができる。
【0052】さらに、サーバであるコンピュータによっ
て対象エンジンへの交換部品のマッチングを判断させる
ことで、交換部品の組み付け間違い等を防止することが
でき、航空機の運航上の安全性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態を示す概念図であ
る。
【図2】 本発明の第二の実施形態を示す概念図であ
る。
【図3】 本発明の第三の実施形態を示す概念図であ
る。
【符号の説明】 【発明の実施の形態】
2 対象エンジン 4 SB1 6 SB2 8 SB3 10 データベース 12 マスターデータ 14 サーバ 16 ネットワーク 18 クライアント端末 20、20’ 検索要求 22、22’ サービス情報 24 交換予定情報 26 適合性情報 28 先発ユーザー 30、30’ 組込確認情報 32 後発ユーザー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネットワーク(16)を通して相互に通
    信が可能なサーバ(14)と複数のクライアント端末
    (18)との間で行われ、オーバーホールの際に必要と
    されるエンジンを構成する部品に関する航空エンジンの
    オーバーホール用のサービス情報の提供方法であって、 前記サーバが、航空エンジンメーカーから提供される航
    空エンジンを構成する部品情報およびそのリビジョン情
    報からなるサービス情報を検索可能な形態のデータベー
    ス(10)に系統的に記録・管理するステップと、 先発ユーザー(28)が、前記サーバに対してオーバー
    ホールの対象エンジン(2)の型式番号およびそのバー
    ジョン番号を送信することにより検索要求(20)を行
    うステップと、 前記サーバが、該検索要求の検索条件に合致するサービ
    ス情報を前記データベースから引き出し先発ユーザーの
    クライアント端末に送信するステップと、 前記先発ユーザーのクライアント端末が、サーバから送
    られてきたサービス情報(22)を受信し、出力するス
    テップと、からなることを特徴とする航空エンジンのオ
    ーバーホール用のサービス情報の提供方法。
  2. 【請求項2】 ネットワーク(16)を通して相互に通
    信が可能なサーバ(14)と複数のクライアント端末
    (18)との間で行われ、オーバーホールの際に必要と
    されるエンジンを構成する部品に関する航空エンジンの
    オーバーホール用のサービス情報の提供方法であって、 前記サーバが、航空エンジンメーカーから提供される航
    空エンジンを構成する部品情報およびそのリビジョン情
    報からなるサービス情報を検索可能な形態のデータベー
    ス(10)に系統的に記録・管理するステップと、 先発ユーザー(28)が、オーバーホールの対象エンジ
    ン(2)の少なくとも型式番号、シリアル番号および交
    換しようとする部品の部品番号からなる交換予定情報
    (24)を前記サーバに送信するステップと、 前記サーバが、該交換予定情報を受信しこれを前記デー
    タベースに構築されたサービス情報に基づき交換しよう
    とする部品のオーバーホールの対象エンジンへの適合性
    を確認し、適合性の有無についての適合性情報を前記先
    発ユーザーのクライアント端末に送信するステップと、 前記先発ユーザーのクライアント端末が、サーバから送
    信された適合性情報を受信し出力するステップと、を備
    えることを特徴とする航空エンジンのオーバーホール用
    のサービス情報の提供方法。
  3. 【請求項3】 前記先発ユーザー(28)が、オーバー
    ホールの対象エンジン(2)の少なくとも型式番号、シ
    リアル番号および交換した部品の部品番号からなる組込
    確認情報をサーバ(14)に送信するステップと、 前記サーバが、該組込確認情報を受信しこれを記録する
    ステップおよび該組込確認情報に基づき型式番号および
    シリアル番号ごとにオーバーホールされた対象エンジン
    を構成する部品に対応したサービス情報を検索可能な形
    態で再編してデータベース(10)を再構築するステッ
    プと、 後発ユーザー(32)が、前記サーバに対して対象エン
    ジンの少なくとも型式番号およびシリアル番号を送信す
    ることにより検索要求を行うステップと、 前記サーバが、該検索要求の検索条件に合致する最新の
    サービス情報をデータベースから引き出し前記後発ユー
    ザーのクライアント端末(18)に送信するステップ
    と、 前記後発ユーザーのクライアント端末が、サーバから送
    信された最新のサービス情報を受信し出力するステップ
    と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の航空エンジンのオーバーホール用のサービス情報
    の提供方法。
  4. 【請求項4】 前記オーバーホール用のサービス情報の
    提供料は、先発ユーザー若しくは後発ユーザーまたは航
    空エンジンメーカーから徴収する、ことを特徴とする請
    求項1乃至3に記載の航空エンジンのオーバーホール用
    のサービス情報の提供方法。
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