JP2003137565A - 光学素子成形型及びその製造方法 - Google Patents

光学素子成形型及びその製造方法

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Takanobu Shiokawa
孝紳 塩川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護膜が剥離せず、耐久性に優れた光学素子
成形型及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の光学素子成形型は基材1上に保
護膜2を形成してなり、保護膜2は、密度が連続的又は
段階的に変化する膜により形成されていることを特徴と
する。これにより成形型を繰り返し加熱冷却した際の応
力が緩和され、膜の剥離を防止し、成形型の耐久性を向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子をガラス
モールド法で成形するのに用いる成形型、及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスモールド法に使用する成形型は、
基材である超硬合金、セラミックス、各種耐熱金属材料
等を研削・研磨することにより所望の形状に加工し、そ
の上に耐熱、耐摩耗、及び耐ガラス濡れ性を目的に保護
膜を形成して製造する。保護膜はこのような目的のため
に通常0.03〜10μm程度の厚みが要求される。また成膜
工程においては、通常基材と膜の密着力を強めるため
に、成膜装置の出力を高めて行う。特にプラズマCVDに
よるダイヤモンドライクカーボン(DLC)の成膜では、
十分な硬度を得るために、ある程度高い出力で成膜する
ことが必要となる。
【0003】しかしながらこのような従来の成形型で
は、基材と保護膜材の熱膨張係数が異なるため、ガラス
レンズ等の成形及び取出しの際の加熱冷却の繰り返しに
より、両者間で引っ張り応力及び圧縮応力が発生し、比
較的短期間で保護膜にクラックが発生したり剥離したり
するという問題が生じる。また成膜装置の出力を高める
という条件は、膜内の応力を増大させる結果になり、膜
剥離の原因となりやすい。特に保護膜が厚く形成された
場合、基材と保護膜の間の応力が大きくなり、広い面積
での膜剥離を起こしやすい。逆に保護膜が薄い場合は応
力の影響は低下するが、使用回数を重ねることにより発
生する細かな薄い層状剥離によって、膜が徐々に消失す
るという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、保護膜が剥離せず、耐久性に優れた光学素子成形型
及びその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決する手段】上記目的に鑑み鋭意研究の結
果、本発明者は、保護膜を一度に均等に厚く成膜するの
ではなく、成膜時の装置の出力を変化させることにより
基材近くの膜の応力を緩和して膜の剥離を防止できるこ
と、及び成形面近くの膜の密度と硬度を高めて光学素子
成形型としての良好な性能を維持できることを発見し、
本発明に想到した。
【0006】すなわち、基材上に保護膜を形成してなる
本発明の光学素子成形型は、基材上の保護膜が、密度が
連続的又は段階的に変化する膜により形成されているこ
とを特徴とする。
【0007】前記密度が連続的又は段階的に変化する保
護膜は、基材側の密度を低くして連続的又は段階的に密
度を高めて変化しているのが好ましい。
【0008】前記保護膜は、ダイヤモンドライクカーボ
ン(DLC)からなるのが好ましい。
【0009】基材上に保護膜を有する光学素子成形型を
製造する本発明の方法は、前記保護膜の形成を成膜装置
の出力を変えて複数回反復して行うことを特徴とする。
【0010】前記成膜装置の出力を低い出力から高い出
力へ段階的に高めて行うのが好ましい。
【0011】基材上に保護膜を有する光学素子成形型を
製造する本発明の方法は、成膜装置の出力を連続的又は
段階的に変えて1回の成膜により前記保護膜の形成を行
うことを特徴とする。
【0012】前記成膜装置の出力を低い出力から高い出
力へ連続的又は段階的に高めて行うのが好ましい。
【0013】成膜はダイヤモンドライクカーボンを保護
膜材料として行うのが好ましく、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法又はプラズマCVD法により行うの
が好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】[1] 光学素子成形型 本発明の一実施例による光学素子成形型の縦断面を図1
に示す。この成形型は基材1と保護膜2からなり、基材
1は高硬度材料の炭化ケイ素(SiC)からなる基材1aの
上にSiC膜からなる基材1bが形成されている。基材1b
には仕上げ成形面形状となるように加工面が適宜形成さ
れ、その加工面には保護膜2が形成されている。
【0015】(1) 基材 本発明の光学素子成形型は高温環境下で長期にわたって
使用されるため、その基材は高温環境下でも必要な強度
及び形状を維持し得るように高強度材料であるのが好ま
しく、例えば超硬合金、セラミックス、耐熱金属材料が
好ましく用いられる。
【0016】超硬合金としては、タングステンカーバイ
ド(WC)系等の超硬合金が好ましい。セラミックスとし
ては、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、アル
ミナ(Al2O3)等が好ましい。また耐熱金属材料として
は、Fe基ステンレス系耐熱鋼、Ni基又はCo基の超耐熱合
金等が好ましい。保護膜材料としてダイヤモンドライク
カーボン(DLC)を用いる場合には、密着性の観点から
基材として炭化ケイ素(SiC)を用いるのが特に好まし
い。
【0017】炭化ケイ素(SiC)からなる基材を用いる
場合には、仕上げ成形面形状の加工面を容易に形成でき
るようにするため、図1のようにSiC基材1aの表面上に
さらにSiC膜からなる基材1bを厚く成膜して設けるのが
好ましい。所望の仕上げ形成面形状の加工面を研削する
には、基材1bは厚さが50μm以上であるのが好ましい。
【0018】(2) 保護膜 (a) 保護膜材料 本発明に用いる保護膜は、貴金属[例えば、白金(P
t)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、オスミニウ
ム(Os)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジ
ウム(Pd)等]、貴金属合金[上記貴金属の少なくとも2
つ以上の合金であり、好ましくはさらにハフニウム(H
f)、タンタル(Ta)及びタングステン(W)のうち少な
くとも1種以上が合計で全体の0〜35重量%の範囲で添
加されている貴金属からなる合金]、ダイヤモンドライ
クカーボン(DLC)等を材料とするのが好ましい。摩擦
係数が低いダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、光
学素子成形時のガラスの滑りがよく、モールドを容易に
行えるため特に好ましい。
【0019】ダイヤモンドライクカーボン(DLC)保護
膜の厚さは、良好な耐熱性、耐摩耗性及び耐ガラス濡れ
性を得るために、0.03〜10μm程度が好ましい。
【0020】(b) 保護膜の構造 本発明の光学素子成形型に用いる保護膜は、密度が連続
的又は段階的に変化する膜により形成されており、単一
の膜からなる保護膜であっても、密度が異なる複数の膜
からなる保護膜であってもよい。
【0021】(i) 複数の膜からなる保護膜 本発明に用いる保護膜は、密度が異なる複数の膜により
形成された多層構造とすることができる。例えば密度が
異なる複数の膜により形成された多層構造の場合、基材
に近い方の密度が低く、成形面に近い方の密度が高い保
護膜が好ましい。この場合基材側の密度を低くして段階
的に密度を高めて変化している膜がより好ましい。基材
に近い方の密度を低くすることにより膜中の応力が低く
なり、成形面に近い方の密度を高くすることにより、ガ
ラスの成形に必要な高硬度が得られる。保護膜を密度が
このように変化する多層構造の膜とすることにより、光
学素子成形型としての良好な性能を維持すると同時に、
加熱冷却を繰り返すことによる膜剥離の発生を防止する
ことが可能となる。
【0022】また密度と膜厚の両方を変化させた膜を適
宜組み合わせて用いるのが好ましい。例えば、基材に近
い方の膜を密度が低く、かつ膜厚が薄い膜にすることに
より膜中の応力をできるだけ低く抑え、成形面に近づく
に従い段階的に密度が高く、又は密度が高く、かつ膜厚
が厚い膜とし、成形面近くで密度が最も高く、かつ膜厚
が最も厚い膜とするのが好ましい。これにより基材近く
の膜の応力を緩和して基材からの膜剥離を防止するとと
もに、成形面近くの膜を高硬度にして光学素子成形型と
しての良好な性能を達成し、かつ成形面近くの膜厚を厚
くして細かな層状剥離を防止することができる。
【0023】また密度が連続的に変化する複数の膜によ
る多層構造としてもよい。この場合も上記の場合と同様
に基材に近い方の密度が低く、成形面に近い方の密度が
高くなるように連続的に変化しているのが好ましい。
【0024】(ii) 単一の膜からなる保護膜 本発明に用いる保護膜は、密度が連続的又は段階的に変
化する単一の膜からなる保護膜とすることができる。保
護膜を膜の密度が連続的又は段階的に変化する膜から形
成することにより、膜内の硬度及び応力の分布が変化す
るため、単一の膜であっても上記複数の膜からなる場合
と同様の効果を得ることができる。例えば基材に近い方
の密度が低く、成形面に近い方の密度が高くなるように
密度勾配を持たせ、密度が連続的に変化しているのが好
ましい。このように密度が連続的に変化した保護膜を用
いることにより、基材に近い方の膜中の応力を低く抑え
て膜剥離を防止し、成形面に近い方の膜を高密度及び高
硬度にして光学素子成形型としての高い性能を達成する
ことができる。
【0025】また基材に近い方の密度が低く、成形面に
近い方の密度が高くなるように段階的に変化している単
一の膜としてもよい。この場合も密度が連続的に変化す
る場合と同様の効果を得ることができる。
【0026】[2] 光学素子成形型の製造方法 本発明の光学素子成形型の製造方法は、下記の方法及び
条件により、図1に示すように基材1に保護膜2を形成
して行うのが好ましい。また保護膜に用いる材料は上記
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)が特に好ましい。
【0027】(1) 炭化ケイ素(SiC)膜の成膜方法 基材1a上にSiC膜からなる基材1bを設ける方法は、公知
の方法を用いることができる。例えば、高温での化学反
応による熱CVD、プラズマやレーザによるプラズマCVD、
光(レーザ)CVD等の化学蒸着(CVD)法が好ましい方法
として挙げられる。
【0028】(1) 保護膜の成膜方法 保護膜を形成する方法自体は公知の方法でよく、例えば
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、プラズマCVD法、電気泳動電着法、電気メッキ法、
無電解メッキ法等が挙げられる。中でもスパッタリング
法、イオンプレーティング法又はプラズマCVD法が好ま
しい。
【0029】ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を
保護膜とする場合は、メタン(CH4)、ブタン(C4H10
等の炭化水素を炭素源として主に気相化学蒸着法により
形成させるのが好ましく、具体的にはプラズマCVD法に
より形成するのが好ましい。
【0030】(2) 成膜条件 (a) 複数の膜からなる保護膜 密度が異なる複数の膜からなる保護膜は、成膜装置の出
力を変化させ、複数回反復して成膜することにより形成
することができる。例えば基材に近い方で膜の密度が低
く、成形面に近い方で膜の密度が高くなるように段階的
に密度が変化する保護膜は、成膜装置の出力をはじめに
低くし、その後複数回に分けて段階的に出力を高め、反
復して成膜することにより形成するのが好ましい。また
密度と膜厚の両方が段階的に変化する保護膜は、成膜装
置の出力と成膜時間の両方を複数回に分けて段階的に変
化させ、反復して成膜することにより形成することがで
きる。例えば、密度が段階的に高くなるとともに膜厚が
段階的に厚くなる多層構造の保護膜は、はじめに成膜装
置の出力を低くするとともに成膜時間を短くし、その後
複数回に分けて段階的に出力を高くするとともに成膜時
間を長くし、反復して成膜することにより形成するのが
好ましい。
【0031】成膜装置の出力を連続的に変化させて成膜
するとともに、その間に休止時間を設けて複数回の成膜
に分割することにより、密度が連続的に変化する多層構
造を有する保護膜を形成することもできる。
【0032】(b) 単一の膜からなる保護膜 膜内の密度が連続的に変化する単一の膜は、成膜装置の
出力を連続的に変化させることにより1回の成膜で形成
することができる。例えば、はじめに出力を低くし、そ
の後所定の変化率で出力を高めて成膜することにより、
基材側で密度が低く、成形面側で密度が高く、その間が
連続的に変化する単一の膜を形成するのが好ましい。
【0033】また成膜装置の出力を段階的に切り替えて
1回で成膜することにより、密度が段階的に変化する単
一の膜からなる保護膜を形成することもできる。
【0034】(c) 密度及び膜厚の制御 膜の密度を変化させるには、例えばスパッタリング法、
イオンプレーティング法又はプラズマCVD法等で発生す
る電子ビーム、イオンビーム又はRF放電の出力を変える
ことにより行うことができる。また各出力での成膜時間
を変化させることにより、各出力に応じた密度の膜を、
膜厚を変化させて形成することができる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0036】実施例1 (1) 基材の作製 超硬合金の炭化ケイ素(SiC)より基材1aを成形し、そ
の上にCVD法により厚さ500μmの炭化ケイ素(SiC)膜1
bを形成した。炭化ケイ素(SiC)膜1b上に仕上げ成形
面形状の非球面形状を研削加工した。次いで、ダイヤモ
ンド研磨剤を用いて該非球面に表面粗さRmax 0.02μm以
下となるように研磨処理を施し、図1に示す形状の成形
型用基材1を作製した。
【0037】(2) 成膜 保護膜材料としてメタン(CH4)を用い、プラズマCVDに
よりダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を上記基材上
に成膜した。その際高周波の出力を先ず50Wにして5秒
間行い、その後150Wに上げ5秒間、250Wで5秒間及び35
0Wで15秒間成膜を行った。形成した保護膜の膜厚は最終
的に約0.10μmであった。
【0038】(3) 評価試験 上記成形型を用いたガラスモールド法により、非酸化雰
囲気中でVC78ガラス[(株)住田光学ガラス製]を用い
て光学素子としてレンズを成形した。レンズの成形工程
は、成形型上にVC78ガラスを設置し、その後加熱し580
℃になった時点でレンズを成形し、得られたレンズを20
0℃で成形型から取り出すものであった。この成形サイ
クルを繰り返すことにより成形型の耐久性を調べた。光
学素子成形型の構成材料、製造条件及び評価試験の結果
を表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1と同様にして基材を作製した。保護膜材料とし
てメタン(CH4)を用い、プラズマCVDによりダイヤモン
ドライクカーボン(DLC)膜を上記基材上に成膜した。そ
の際高周波の出力を50Wで成膜開始後10W/秒の変化率で
出力を連続的に上昇させ、最終的に400Wで成膜を完了し
た。形成した保護膜の膜厚は0.06μmであった。
【0040】この成形型を用いて実施例1と同様にして
光学素子としてレンズを成形するサイクルを繰り返し、
成形型の耐久性を調べた。光学素子成形型の構成材料、
製造条件及び評価試験の結果を表1に示す。
【0041】実施例3 実施例1と同様にして基材を作製した。この基材上にブ
タン(C4H10)を用い、プラズマCVD法によりダイヤモン
ドライクカーボン(DLC)膜を形成した。その際高周波
の出力を先ず100Wにして8秒間行い、その後200Wに上げ
8秒間、最後に300Wで10秒間成膜を行った。形成した保
護膜の膜厚は最終的に約0.08μmであった。
【0042】この成形型を用い、実施例1と同様にして
光学素子としてレンズを成形するサイクルを繰り返し、
成形型の耐久性を調べた。光学素子成形型の構成材料、
製造条件及び評価試験の結果を表1に示す。
【0043】実施例4 基材を炭化ケイ素(SiC)により成形し、実施例1と同
様にして研削加工及び研磨処理を施した。保護膜材料と
してブタン(C4H10)を用い、プラズマCVDによりダイヤ
モンドライクカーボン(DLC)膜を上記基材上に成膜し
た。その際高周波の出力を50Wで成膜開始後10W/秒の変
化率で出力を連続的に上昇させ、最終的に400Wで成膜を
完了した。形成した保護膜の厚さは0.12μmであった。
【0044】この成形型を用い、実施例1と同様にして
光学素子としてレンズを成形するサイクルを繰り返し、
成形型の耐久性を調べた。光学素子成形型の構成材料、
製造条件及び評価試験の結果を表1に示す。
【0045】比較例1 実施例1と同様にして基材を成形した。この基材上に保
護膜材料としてメタン(CH4)を用い、プラズマCVDによ
りダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を上記基材上に
成膜した。その際高周波の出力を350Wにして25秒間成膜
を行った。膜厚は最終的に約0.08μmであった。
【0046】この成形型を用い、実施例1と同様にして
光学素子としてレンズを成形するサイクルを繰り返し、
成形型の耐久性を調べた。光学素子成形型の構成材料、
製造条件及び評価試験の結果を表1に示す。
【0047】比較例2 実施例1と同様にして基材を成形した。この基材上に保
護膜材料としてブタンガス(C4H10)を用い、プラズマC
VDによりダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を上記基
材上に成膜した。その際高周波の出力を400Wにして20秒
間成膜を行った。膜厚は最終的に約0.10μmであった。
【0048】この成形型を用い、実施例1と同様にして
光学素子としてレンズを成形するサイクルを繰り返し、
成形型の耐久性を調べた。光学素子成形型の構成材料、
製造条件及び評価試験の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】(評価基準) ○:膜の剥離が全くない。 ×:やや膜の剥離がみられる。
【0051】表1に示す結果から、複数回の成膜工程に
より形成し、膜の密度が段階的に高くなる構造を有する
実施例1及び3の保護膜、及び1回の成膜工程により形
成し、膜の密度が連続的に高くなる構造を有する実施例
2及び4の保護膜の方が、1回の成膜工程により形成
し、同じ膜の密度で均等な構造を有する比較例1及び2
の保護膜よりも剥離に対する耐久性が優れていることが
分かる。
【0052】
【発明の効果】上記の通り、成膜装置の出力を変化させ
ることにより基材上に形成した保護膜は、密度が段階的
又は連続的に変化するので、光学素子の成形時の加熱冷
却の繰り返しにより発生する引っ張り応力及び圧縮応力
に対して優れた緩和作用を有する。かかる保護膜を有す
る本発明の光学素子成形型は、保護膜の耐剥離性に優れ
ており、もって良好な耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による光学素子成形型を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材 1a・・・炭化ケイ素(SiC)基材 1b・・・炭化ケイ素(SiC)膜 2・・・保護膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に保護膜を形成してなる光学素子
    成形型において、前記保護膜は、密度が連続的又は段階
    的に変化する膜により形成されていることを特徴とする
    光学素子成形型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学素子成形型におい
    て、前記密度が連続的又は段階的に変化する保護膜は、
    基材側の密度を低くして連続的又は段階的に密度を高め
    て変化していることを特徴とする光学素子成形型。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光学素子成形型
    において、前記保護膜はダイヤモンドライクカーボンか
    らなることを特徴とする光学素子成形型。
  4. 【請求項4】 基材上に保護膜を有する光学素子成形型
    の製造方法において、前記保護膜の形成を成膜装置の出
    力を変えて複数回反復して行うことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光学素子成形型の製造
    方法において、前記成膜装置の出力を低い出力から高い
    出力へ段階的に高めて行うことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 基材上に保護膜を有する光学素子成形型
    の製造方法において、成膜装置の出力を連続的又は段階
    的に変えて1回の成膜により保護膜の形成を行うことを
    特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光学素子成形型の製造
    方法において、前記成膜装置の出力を低い出力から高い
    出力へ連続的又は段階的に高めて行うことを特徴とする
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の光学素
    子成形型の製造方法において、前記保護膜の形成をダイ
    ヤモンドライクカーボンを用いて行うことを特徴とする
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載の光学素
    子成形型の製造方法において、前記保護膜の形成をスパ
    ッタリング法、イオンプレーティング法又はプラズマCV
    D法により行うことを特徴とする方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013091586A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Tatsuhiko Aizawa パターン成形型及びその製造方法
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