JP2003136807A - ラインサーマルプリンタ - Google Patents

ラインサーマルプリンタ

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JP2003136807A
JP2003136807A JP2001339613A JP2001339613A JP2003136807A JP 2003136807 A JP2003136807 A JP 2003136807A JP 2001339613 A JP2001339613 A JP 2001339613A JP 2001339613 A JP2001339613 A JP 2001339613A JP 2003136807 A JP2003136807 A JP 2003136807A
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head unit
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雅彦 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドユニット60が自重により勢いよく倒
れてしまうことを防止するとともに、ヘッドユニット6
0をいずれの方向にも容易に揺動操作できるようにす
る。 【解決手段】 ヘッドユニット60のヒンジ部650
に、一方向性トルク制御機構651を備える。この一方
向性トルク制御機構651は、ヘッドユニット60が退
避位置から印字位置に揺動するときには、揺動の速度に
依存しない一定の負荷トルクであるロード方向負荷トル
クをヘッドユニット60に作用させる。またヘッドユニ
ット60が印字位置から退避位置に揺動するときには、
少なくともロード方向負荷トルクよりも小さな負荷トル
クであるアンロード方向負荷トルクをもってヘッドユニ
ット60を揺動可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ラインサーマル
ヘッドがヘッドユニットに支持され、かつこのヘッドユ
ニットがヒンジ部を介して揺動自在に支持された構造を
備えるラインサーマルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ラインサーマルプリンタにあっ
ては、ヘッドユニットへのインクリボンの装着や用紙搬
送経路への用紙の装着を容易化するために、ヘッドユニ
ットの一端にヒンジ部を設け、このヒンジ部を中心に揺
動自在とする構成が採用されている。ヘッドユニット
は、このヒンジ部を中心として用紙搬送経路上の印字位
置と、当該位置からヘッドユニットをほぼ90゜以上引
き起こして倒立させた状態とする退避位置との間を揺動
する。
【0003】さて、この退避位置で倒立した状態のヘッ
ドユニットが、なんらの支えもなく印字位置に向かって
自然に揺動した場合、ヘッドユニットの自重によって加
速がつき、印字位置に設けられたプラテンに勢いよく衝
突し、プラテンやサーマルヘッドを損傷するおそれがあ
る。このため、従来は流体式のダンパ装置を組み込み、
ヘッドユニットの揺動動作を抑制していた。流体ダンパ
は、速度に比例した摩擦抵抗を有するので、ヘッドユニ
ットがプラテンに勢いよく衝突する事態が回避される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、流体ダ
ンパは、ヘッドユニットを印字位置へ向けて揺動(すな
わち、倒す)ときだけに抵抗として作用するばかりでな
く、印字位置から退避位置へヘッドユニットを持ち上げ
るときにも、ヘッドユニットに抵抗として作用してく
る。したがって、ヘッドユニットを退避位置へ持ち上げ
る作業に、重量物を取り扱うがごとき労力が必要となる
ので、作業性が低下する欠点を有していた。
【0005】さらに、ヘッドユニットは、印字位置に係
止部材によって係止されるが、この係止状態を解除した
ときに、ヘッドユニットが直ちに印字位置から離れるよ
うにするため、いわゆるポップアップばねを用いること
が好ましい。しかし、上述した流体ダンパを用いた構造
の場合は、流体ダンパの抵抗力によってポップアップば
ねの動作が抑制されるので、同ばねがうまく機能せず操
作性が悪くなる。
【0006】また、流体ダンパに代えてヘッドユニット
を印字位置から退避位置まで、ばね部材により吊り上げ
る構造を備えたものも知られている。しかし、この構造
では、退避位置から印字位置への揺動操作をばね力に抗
して行わなければならないので、この操作に大きな労力
が必要となる。しかも、印字位置から退避位置までヘッ
ドユニットを持ち上げるだけのばね部材は、大形で長い
ストロークが必要となるため、装置の大形化にもつなが
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ヘッドユニットが自重により勢いよく倒れて
しまうことを防止するとともに、ヘッドユニットをいず
れの方向にも容易に揺動操作できるようにして、安全性
と操作性に優れたラインサーマルプリンタの提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ラインサーマルヘッドを支持したヘッド
ユニットを有し、このヘッドユニットは、プリンタ本体
との間に設けられたヒンジ部により、ラインサーマルヘ
ッドをプラテンに対して密接する印字位置とプラテンに
対して離間した退避位置との間で揺動自在であるライン
サーマルプリンタにおいて、ヒンジ部は、一方向性トル
ク制御機構を有し、この一方向性トルク制御機構は、ヘ
ッドユニットが退避位置から印字位置に揺動するときに
は、揺動の速度に依存しない一定の負荷トルクであるロ
ード方向負荷トルクをヘッドユニットに作用させ、ヘッ
ドユニットが印字位置から退避位置に揺動するときに
は、少なくともロード方向負荷トルクよりも小さな負荷
トルクであるアンロード方向負荷トルクをもってヘッド
ユニットを揺動可能とすることを特徴とする(請求項
1)。
【0009】このような構成の本発明は、ヘッドユニッ
トを退避位置から印字位置に揺動させるときは、一方向
性トルク制御機構のロード方向負荷トルクをもって、ヘ
ッドユニットが自重により勢いよく倒れてしまうことを
防止しすることができる。また、印字位置から退避位置
に揺動するときには、一方向性トルク制御機構がロード
方向負荷トルクよりも小さなアンロード方向負荷トルク
をもってヘッドユニットを揺動可能とするので、大きな
労力を必要とすることなくヘッドユニットを持ち上げる
ことができる。
【0010】ここで、ロード方向負荷トルクは、ヘッド
アームの自重を支えることができる程度の大きさに設定
することが好ましい(請求項2)。このようにロード方
向負荷トルクを設定することで、ヘッドユニットを退避
位置から印字位置へ揺動させるときに、一方向性トルク
制御機構から受ける反力が軽減され、その揺動作業にか
かる負担についても軽減することができる。
【0011】また、アンロード方向負荷トルクは、零に
近い値に設定することが好ましい(請求項3)。このよ
うにアンロード方向負荷トルクを設定することで、ヘッ
ドユニットを印字位置から退避位置へ揺動させる(すな
わち、持ち上げる)ときの負荷が、ヘッドユニットの自
重だけとなり、その揺動作業にかかる負担をいっそう軽
減することができる。
【0012】さらに、ヘッドユニットを印字位置に係止
するヘッド係止部材と、このヘッド係止部材による係止
が解除されたときに、ヘッドユニットを係止部材により
係止されない位置まで持ち上げるヘッドポップアップば
ねとを備えた構成とすることもできる(請求項4)。
【0013】本発明は、小さなアンロード方向負荷トル
クの一方向性トルク制御機構を用いていることから、ヘ
ッドモップアップばねの機能が充分に発揮される。した
がって、ヘッド係止部材の係止状態を解除したときの操
作性を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明をラインサーマル
プリンタに適用した実施の形態について図面を参照して
詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るライ
ンサーマルプリンタの概要を示す模式図である。図1に
示すように、ラインサーマルプリンタは、用紙搬送経路
1に沿って引き出されてきたロール紙2をプラテン31
とサーマルヘッド620で挟持しながら、サーマルヘッ
ド620により融解したインクリボン3上のインクをロ
ール紙2の表面に転写する構成となっている。また、用
紙搬送経路1上には、いわゆるラベル用紙やタグ用紙に
対して、台紙に貼着されたラベルやタグの位置を検出す
るために、下側センサユニット40および上側センサユ
ニット50が配設されている。
【0015】図2〜図7は、本実施形態に係るラインサ
ーマルプリンタの全体構造を示す図であり、このうち、
図2はラインサーマルプリンタの外観を示す斜視図であ
る。図2に示すように、ラインサーマルプリンタは、本
体ケース10の上部を開閉自在なトップカバー11で被
覆した外観をしており、前面には印字済みの用紙を排出
する用紙排出口12と、各種設定を行うための操作パネ
ル13が設けられている。
【0016】図3はラインサーマルプリンタの内部構造
を示す斜視図である。本体ケース10の内面には、各構
成要素を支持するための本体フレーム14が設けてあ
り、この本体フレーム14に、制御ボックス15、ロー
ル紙供給ユニット20、プラテン31を含む前部ユニッ
ト30、下側センサユニット40、上側センサユニット
50、ヘッドユニット60、リボン装着ユニット70の
各構成要素が組み込まれている。
【0017】ここで、ラインサーマルプリンタの全体構
造を理解するために、ロール紙2およびインクリボン3
のセッティング手順について図4〜図7を参照して説明
する。まず、図4に示すように、ロール紙供給ユニット
20にロール紙2を装着するとともに、ロール紙2から
引き出してきた用紙2aを下側センサユニット40、プ
ラテン31を含む前部ユニット30の上面に配置する。
【0018】次に、図4の矢印aで示す方向に上側セン
サユニット50を倒して、図5に示すごとくこの上側セ
ンサユニット50を用紙2aの上面に配置する。この操
作によって、上側センサユニット50は、用紙2aを介
して下側センサユニット40と対向する位置に配置され
る。
【0019】続いて、図5の矢印bで示す方向にヘッド
ユニット60を倒して、図6に示すごとくこのヘッドユ
ニット60を用紙2aの上面に配置する。この操作によ
って、ヘッドユニット60は、用紙2aを介してプラテ
ン31と対向する位置に配置される。
【0020】また、リボン装着ユニット70には、図5
に示した倒立状態で、ロール状のインクリボン3を装着
する。これらの操作により、図7に示すごとくロール紙
2とインクリボン3がセッティングされる。その後、ト
ップカバー11を閉じれば、図2に示した外観の使用状
態が形成される。
【0021】次に、各構成要素について、更に詳細に説
明する。図3に示した制御ボックス15には、ラインサ
ーマルプリンタの動作制御を実行する制御回路、コンピ
ュータ等の接続機器から送られてくるデータ信号を処理
するインタフェース回路、操作パネル13から入力され
た設定情報を記憶するメモリ等が内蔵されている。
【0022】ロール紙供給ユニット20は、図3に示す
ように、本体ケース10の内側後部に組み込まれてお
り、支持プレート210、ロール軸220、左ロールガ
イド230および右ロールガイド240を含んでいる。
支持プレート210は本体フレーム14の一部であり、
その上端中央部に半円状の凹部からなるロール支持部2
11が形成してある。ロール軸220は、図8に示すよ
うに、金属製の棒状体であり、ロール紙2の中央孔にこ
のロール軸220を挿通しその両端部をロール支持部2
11に載置することで、ロール紙2が回転自在に支持さ
れる。
【0023】ロール軸220の両端部であって、ロール
支持部211との当接部分には、ベアリング(すべり軸
受)221が設けてあり、このベアリング221の相対
回転により、ロール紙2を送り出す際の回転抵抗を軽減
し円滑なロール紙2の送り出しを可能としている。
【0024】また、ロール軸220の中間部には、円盤
状をした一対のホルダディスク222が着脱自在に装着
してある。このホルダディスク222は、ロール紙2の
中央孔の内径に合わせて適当な外径のものを選択するこ
とができる。このホルダディスク222をロール軸22
0に装着することで、ロール紙2の中心軸にロール軸2
20を位置決めして偏りのないロール紙2の送り出しを
実現することができる。また、幅の異なる各種ロール紙
2に対しても、ホルダディスク222の固定位置を調整
することで、ロール紙2の中心孔内にホルダディスク2
22を挿入してその内面を支持させることができる。ホ
ルダディスク222のロール軸220に対する固定は、
ねじ等の締結具223をもって行われる。
【0025】左ロールガイド230および右ロールガイ
ド240は、金属板からなり、図9の平面図に示すよう
に、支持プレート210の内側に配設してある。各ロー
ルガイド230,240は、左右の支持プレート210
の間に固定された棒状の案内レール250に沿って、ロ
ール軸220の軸方向、すなわち支持されたロール紙2
の幅方向に移動自在となっている。これら各ロールガイ
ド230,240は、ロール軸220に支持されたロー
ル紙2の両端面をガイドするための構成要素である。な
お、各ロールガイド230,240の上端中央部には、
ロール軸220との干渉を回避するために、凹部23
1,241が形成してある。
【0026】左ロールガイド230の下端には、支持さ
れたロール紙2の幅方向内側に延びる左ガイドラック2
32が装着してあり、一方、右ロールガイド240の下
端にも支持されたロール紙2の幅方向内側に延びる右ガ
イドラック242が装着してある。そして、本体フレー
ム14の底面には、ピニオンギヤ251が配設してあ
り、このピニオンギヤ251を中心として対称に、各ガ
イドラック232,242が同ピニオンギヤ251に噛
み合っている。この機構により、一方のロールガイド2
30または240を幅方向に移動させれば、それに連動
して他方のロールガイド240または230も逆方向に
同じ量だけ移動する。また、各ロールガイド230,2
40は、左右の支持プレート210間のほぼ中心位置を
基準にして、近接または離間するように位置調整してあ
る。
【0027】各ロールガイド230,240は、上述し
た構成により左右の支持プレート210間のほぼ中央位
置を基準にしてその間隔を正確かつ容易に調節すること
ができるので、幅の異なる各種ロール紙2が装着されて
も、それらロール紙2の両端面をガイドすることで、常
にロール紙2を支持プレート210の中央位置に保持す
ることができる。
【0028】また、一方のロールガイド(図では右ロー
ルガイド240)には、上端角部に固定操作部243が
形成してある。この固定操作部243にはねじ孔が形成
してあり、図10の側面図に示すように、そのねじ孔に
長尺ねじで構成した固定部材244が貫通して螺合して
ある。固定部材244の先端には、案内レール250の
周面に接離する当接部244aが形成してあり、固定部
材244の回転操作によってこの当接部244aが案内
レール250の周面に圧接すると、右ロールガイド24
0の自由な移動が規制される。右ロールガイド240と
左ロールガイド230は、上述したように各ガイドラッ
ク232,242およびピニオンギヤ251を介して連
動するため、一方のロールガイド240の移動が規制さ
れると、同時に他方のロールガイド230の移動も規制
される。これにより、各ロールガイド230,240を
固定することができる。
【0029】図3に戻り、前部ユニット30は、本体ケ
ース10における内側前部、すなわち用紙排出口12の
後方位置に設けられている。プラテン31は、この前部
ユニット30に回転自在に組み込まれている。周知のと
おり、プラテン31は、回転軸の周囲に合成ゴムなどの
弾性材料を設けた部材であり、印字動作の際に用紙の裏
面を支持するとともに、回転に伴い用紙を搬送する機能
を有している。また、前部ユニット30には、ティアバ
ーと称する先端鋭利な用紙切断板32が装着してあり、
ヘッドユニット60に設けられた図示しないカッターと
協働して印字済みの用紙2aを切断する。
【0030】下側センサユニット40は、図11の平面
図および図12の断面側面図に示すように、下側ケース
41と下側ガイド42とを含んでいる。下側ガイド42
は、前部ユニット30の後方位置に配設されており、棒
状をした2本の下側ガイドシャフト43と下側ガイドプ
レート44で構成してある。このうち下側ガイドプレー
ト44は、本体フレーム14の一部である。この下側ガ
イドプレート44は、図12に示すような凹部形状をし
ており、その開口部に沿って下側ガイドシャフト43が
設けられている。これら下側ガイドプレート44と下側
ガイドシャフト43は、ともに本体ケース10の幅方向
に延在している。
【0031】下側ケース41には、中央部に発光素子4
5と第1の受光素子46が並べて組み込んである。ま
た、下側ケース41の両端部には、図12に示すよう
に、下側ガイドシャフト43と係合する凹部41aが形
成してあり、さらに凹41a部の下面からは下側ガイド
プレート44の底面に当接する脚部41bが延出してい
る。
【0032】さらに、下側ケース41の凹部41aと下
側ガイドシャフト43との間には、例えば、ウレタン樹
脂からなる弾性部材47が充填してある。脚部41b
は、この弾性部材47が適度に圧縮された状態を維持す
るように長さ調整されている。この構成により、下側ケ
ース41は、下側ガイドシャフト43に沿って容易に移
動調整可能であるとともに、適度に圧縮された弾性部材
47と下側ガイドシャフト43との間の摩擦力をもっ
て、位置調整後はその場に保持することができる。な
お、下側ガイドプレート44には、図11に示すごと
く、幅方向に目盛48が表示してあり、この目盛48を
目安にすることにより、下側ケース41の位置決めがい
っそう容易となる。
【0033】上側センサユニット50は、図13に示す
ように、上側ケース51と上側ガイドプレート52とを
含んでいる。この上側ガイドプレート52は、図3およ
び図4に示すごとく、一端がヒンジ部53を介して本体
フレーム14の一側面に装着されており、このヒンジ部
53を中心に回動自在となっている。また、他端には係
止部(図示せず)が形成してあり、この係止部が本体フ
レーム14の他側面に設けたロックレバー(図示せず)
に係合して、図5に示したセッティング状態が保持され
る。このセッティング状態では、用紙2aを介して上側
ガイドプレート52と下側ガイド42とが互いに対向配
置される。上側ガイドプレート52の中央部には、図1
3に示すように、幅方向に延びるガイド孔54が形成し
てある。
【0034】上側ケース51には、図12に示すよう
に、中央部に第2の受光素子55が組み込んである。ま
た、上側ケース51の下面には、一定の間隔をあけて支
持片56が両側方へ延出するように形成してある。これ
らの支持片56は、上側ガイドプレート52に形成した
ガイド孔54を通して同プレート52の下面側に配置さ
れており、支持片56と上側ケース51の下面との間で
上側ガイドプレート52を挟み込んでいる。さらに、上
側ケース51の下面には、支持片56と対向して板ばね
57からなる弾性部材が装着してあり、そのばね力をも
って、上側ガイドプレート52を支持片56と協働して
挟持している。
【0035】この構成により、上側ケース51は、上側
ガイドプレート52のガイド孔54に沿ってその位置を
容易に移動調整可能であるとともに、板ばね57と支持
片56との間の挟持力をもって位置調整後はその場に保
持することができる。また、上側ガイドプレート52に
も、下側ガイドプレート44と同様の目盛58が表示し
てあり、この目盛58を目安にすることで、上側ケース
51の位置決めがいっそう容易となる。
【0036】上述した各センサユニット40,50は、
供給される用紙がラベル用紙とタグ用紙とで、例えば、
次のように使い分けられる。すなわち、ラベル用紙は、
ロール状に巻かれた長尺の台紙に所定の間隔をあけてラ
ベルが貼り付けられているが、この種のラベル用紙を印
字対象とする場合は、下側ケース41に組み込まれた発
光素子45と、上側ケース51に組み込まれた第2の受
光素子55を対向して配置する。そして、これら各素子
45,55の間の通過するラベル用紙に発光素子45か
らの光を照射し、ラベル用紙を透過してくる光の量を第
2の受光素子55で検出する。
【0037】このとき、台紙のみを透過してくる光の量
と、台紙およびラベルの双方を透過してくる光の量は異
なるので、この透過光量の変化を検出することでラベル
の先端または後端が認識される。
【0038】一方、タグ用紙には、タグの間隔を示すマ
ークが表示されている。このマークの表示部分と、表示
されていない面とは、光の反射率が異なる。この種のタ
グ用紙を印字対象とする場合は、下側ケース41に組み
込まれた発光素子45と第1の受光素子46とを用い
て、上記マークを検出する。すなわち、発光素子45か
らタグ用紙に向かって光を照射するとともに、タグ用紙
からの反射光を第1の受光素子46で検出する。
【0039】このとき、マークの表示されていない面で
反射してきた光の量と、マークの表示部で反射してきた
光の量は異なるため、その反射光量の変化を検出するこ
とでラベルの先端または後端が認識される。
【0040】次に、ヘッドユニット60は、図14の分
解斜視図に示すように、ヘッド支持フレーム610およ
びサーマルヘッド620(ラインサーマルヘッド)を含
んでいる。ヘッド支持フレーム610は、底部が開口し
た箱状に形成されている。一方、サーマルヘッド620
は、ヘッド支持板621の下面にライン状の発熱素62
2が装着されている。このサーマルヘッド620は、図
15の断面側面図に示すごとく、発熱素622をヘッド
支持フレーム610の底部開口から露出させた状態で、
ヘッド支持板621がヘッド支持フレーム610の内部
側に組み込まれる。
【0041】すなわち、ヘッド支持板621の前端およ
び後端の各中央部には、図14に示すごとく、軸受部6
23が形成してあり、これら各軸受部623を貫通して
棒状のレバー係合ピン624が支持固定されている。さ
らに、ヘッド支持板621の前端両側部付近には、前方
に突き出すフック625が形成してある。このフック6
25は、基端から中間部にかけてが幅の狭い腕部625
aとなっており、その先端部が幅広の係止部625bを
形成している。
【0042】一方、ヘッド支持フレーム610には、前
面および背面のほぼ中央部に長孔611が形成してあ
り、また前面の両側部付近には段付きの切欠部612が
形成してある。各長孔611には、レバー係合ピン62
4の両端部がそれぞれ挿通される。また、切欠部612
は、段部より上側がヘッド支持板621に形成したフッ
ク625の係止部625bより広い幅に形成してあり、
段部より下側がフック625の係止部625bより狭
く、かつ腕部625aを差し込むことができる幅に形成
してある。この切欠部625には、ヘッド支持板621
にフック625が嵌め込み係止される。
【0043】このように、サーマルヘッド620は、レ
バー係合ピン624と各長孔611との係合、およびフ
ック625と切欠部625との係合により、ねじ等の締
結具を必要としないでヘッド支持フレーム610に組み
込み可能であるため、容易にその組み込み作業を実施す
ることができ、メンテナンス性がよい。また、組み込ま
れたサーマルヘッド620は、ヘッド支持フレーム61
0に対して、長孔611および切欠部612の隙間分だ
け遊動可能となっている。
【0044】さらに、ヘッド支持フレーム610の内部
天井面には、図15に示すように、サーマルヘッド押圧
ユニット630がレバー係合ピン624との干渉を避け
て装着されており、同ユニット630によりサーマルヘ
ッド620がプラテン31の方向(すなわち、下方向)
へ弾力的に押圧付勢されている。
【0045】サーマルヘッド押圧ユニット630は、図
16(a)(b)に示すように、上ケース631と下ケ
ース632からなる変位規制部材を含んでいる。上ケー
ス631は、底部が開口するとともに、側面に一定間隔
で複数の長孔633が形成してある。また、上ケース6
31の内部天井面には、一定間隔で複数の突起634が
設けてある。上ケース631の上面は、ねじ等の締結具
635によりヘッド支持フレーム610の内部天井面に
固定されている。
【0046】下ケース632は、上部が開口するととも
に、上端縁部に一定の間隔で複数の係合突起636が側
方に突き出して形成してある。また、下ケース632の
内部底面にも、一定間隔で複数の突起637が設けてあ
る。これら上下ケース631,632は、係合突起62
6を上ケース631の長孔633と係合させるようにし
て、上ケース631に摺動自在に嵌合されている。そし
て、この嵌合状態において、各ケース631,632に
形成した突起634,637は対向配置され、これら突
起634,637に両端が支持された状態で圧縮コイル
ばね638(弾性部材)が各ケース631,632の内
部に配設してある。
【0047】ここで、下ケース632と上ケース631
の摺接面は、圧縮コイルばね638の付勢方向と直交す
る方向(横方向)への相対変位を規制するスライドガイ
ド部として機能する。また、係合突起636と長孔63
3は、係合突起636が長孔633の内底面に当接して
それ以上の下向き相対変位を規制する(すなわち、圧縮
コイルばね638の伸びを規制する)ストッパ係合部と
して機能している。
【0048】このような構成のサーマルヘッド押圧ユニ
ット630は、サーマルヘッド620をヘッド支持フレ
ーム610から取り外した場合にも、圧縮コイルばね6
38が飛散するおそれがなく、またサーマルヘッド62
0をヘッド支持フレーム610に組み込む際にも圧縮コ
イルばね638が座屈するおそれがない。したがって、
これら組み込みまたは分解の作業をいっそう容易に行う
ことができる。
【0049】図17は、上述したヘッドユニット60の
背面部分の構成を示す斜視図である。ヘッド支持フレー
ム610の背面には、同図に示すように、横向きに配置
されかつ支軸641を中心に回動自在な操作レバー64
0が装着してある。この操作レバー640には、上述し
たレバー係合ピン624の後端部が係合している。この
操作レバー640の中間部には、図では明確に表されて
いないが、回動方向に延びる長孔643が形成してあ
り、この長孔643を介してねじ等の締結具644がヘ
ッド支持フレーム610の背面に装着されている。この
締結具644を緩めることで、操作レバー640は長孔
643の長さ範囲で回動自在となり、一方、締結具64
4の締め付けにより、操作レバー640はヘッド支持フ
レーム610に圧接して回動が規制される。さらに、操
作レバー640の先端部近傍には、目盛645が設けて
あり、操作レバー640の先端がこの目盛645の指針
として機能している。
【0050】締結具644を緩め、目盛645を目安に
して操作レバー640を回動させると、レバー係合ピン
624も一体に回動し、サーマルヘッド620が図14
に示したフック625を支点として揺動する。この揺動
によって、サーマルヘッド620の発熱素622とプラ
テン31との間の相対位置を調節することができる。
【0051】この相対位置の調節は、供給される用紙の
厚さに応じて実施することが好ましい。一般には、ラベ
ル用紙やタグ用紙等を印字対象とする場合には、操作レ
バー640を下方に回動操作して、サーマルヘッド62
0の後部側を下げる。逆に、薄手の用紙を印字対象とす
る場合は、操作レバー640を上方に回動操作して、サ
ーマルヘッド620の後部側を持ち上げればよい。これ
により、プラテン31に対するサーマルヘッド620の
対向位置が微妙に調整される。また、製造誤差等に起因
して、サーマルヘッド620に設けられた発熱素622
の中心位置が、プラテン31との接触点からずれていた
場合にあっても、操作レバー640の回動操作によっ
て、プラテン31に対する発熱素622の位置調節が可
能である。
【0052】上述したヘッドユニット60は、図5に示
したように、一端部がヒンジ部650を介して本体フレ
ーム14に装着してあり、このヒンジ部650を中心に
プラテン31に対して密接する印字位置と、プラテン3
1に対して離間した退避位置との間で回動自在となって
いる。これにより、用紙装填時やリボン装填時には退避
位置へ持ち上げることで、用紙搬送経路1やサーマルヘ
ッド620の下面を開放して、用紙やリボンを容易に装
填することができる。
【0053】図18は、ヒンジ部の構成を示す図で、
(a)は開いた状態の正面図、(b)は閉じた状態の側
面図である。ヒンジ部650には、一方向性トルク制御
機構651が設けてあり、同機構651を介してヘッド
ユニット60の一端部と本体フレーム14とが回動自在
に連結されている。一方向性トルク制御機構651は、
トルク制御のための構成要素を内蔵した機構本体652
と、この機構本体652から延出する支軸653とを含
み、機構本体652にヘッドユニット60の一端部が固
定されている。また、機構本体652から延出する支軸
653は、本体フレーム14に固定されている。
【0054】支軸653は、印字部における用紙の搬送
搬送方向と平行に配設してあり、ヘッドユニット60
は、この支軸653を直交する仮想平面に沿って回動自
在となっている。
【0055】ここで、一方向性トルク制御機構651
は、ワンウェイクラッチとトルクリミッタの機能をかね
そなえたヒンジ機構であり、ヘッドユニット60が退避
位置から印字位置へ回動するときには、機構本体652
の内部で支軸653に対しその回動速度に依存しない一
定の負荷トルクであるロード方向負荷トルクを発生させ
る構造となっている。このとき発生するロード方向負荷
トルクは、ヘッドユニット60の自重を支えることがで
きる程度の大きさに設定してある。したがって、ヘッド
ユニット60を退避位置から印字位置へ回動操作する際
に、ヘッドユニット60が自重により勢いよく倒れ、プ
ラテン31に衝突する事態を防止することができる。
【0056】また、一方向性トルク制御機構651は、
ヘッドユニット60が印字位置から退避位置へ回動する
ときには、機構本体652の内部で支軸653に対しロ
ード方向負荷トルクより小さな負荷トルクであるアンロ
ード方向負荷トルクを発生する構造となっている。この
とき発生するアンロード方向負荷トルクは、ほぼ零に近
い値であることが好ましい。このように設定すること
で、ヘッドユニット60を印字位置から退避位置へ回動
させる(すなわち、持ち上げる)ときの負荷が、ヘッド
ユニット60の自重だけとなり、その回動作業にかかる
負担を軽減することができる。
【0057】さらに、本体フレーム14におけるヒンジ
部650の近傍には、圧縮コイルばねで構成されたヘッ
ドポップアップばね654が設けてあり、一方、ヘッド
ユニット60には、印字位置においてこのヘッドポップ
アップばね654を押圧するばね受け部655が形成し
てある。ベッドポップアップばね654は、ヘッドユニ
ット60が印字位置にあるとき、ばね受け部655によ
って圧縮されている(図18(b))。
【0058】また、本体フレーム14の幅方向他端(ヒ
ンジ部650の反対側)には、図19の側面図に示すよ
うに、ヘッドユニット60の他端部を係止して印字位置
に固定するためのヘッド係止部材660が設けてあり、
さらにヘッドユニット60の他端部には、このヘッド係
止部材660に係止される係合ピン613が突き出して
設けてある。すなわち、印字位置まで回動してきたヘッ
ドユニット60は、ヘッド係止部材660に係合ピン6
13が係止されることで、退避位置方向への回動が阻止
される。
【0059】ヘッド係止部材660は、支軸661を中
心に回動自在となっており、かつばね部材662によっ
て常時係合ピン613を係止する方向に付勢されてい
る。このばね部材662の付勢力に抗してヘッド係止部
材660を回動させると、同係止部材660による係合
ピン613の係止状態が解除される。
【0060】このとき、ヘッドユニット60は、上述し
たヘッドポップアップばね654の付勢力をもって、ヘ
ッド係止部材660により係合ピン613が係止される
ことのない位置まで自動的に押し上げられる。したがっ
て、ヘッド係止部材660による係合ピン613の解除
操作をワンタッチで行うことができ、しかもヘッドユニ
ット60の戻りを考慮して同ユニット60を支える必要
がないので、きわめて作業性がよい。
【0061】次に、リボン装着ユニット70は、図6お
よび図7に示したように、ヘッドユニット60の上面に
設けてある。このリボン装着ユニット70は、ヘッドユ
ニット60の幅方向一端部に設けたリボンハウジング7
10と、幅方向他端部に並べて設けた供給側軸受部73
0および巻取り側軸受部731とを含んでいる。
【0062】図20は、リボンハウジングの内部構造を
示す断面平面図である。同図に示すように、リボンハウ
ジング710の内部には、後部側に供給軸711が回転
自在に支持されており、この供給軸711の先端に供給
ボビン712が装着されている。供給ボビン712の先
端部は、リボンハウジング710から露出しており、供
給側軸受部730と同一水平面上で対向している。
【0063】一方、リボンハウジング710の内部にあ
って、その前部側にはリボン巻取り用の駆動モータ(リ
ボン巻取りモータ)713と、このリボン巻取りモータ
713の回転駆動力を巻取りボビン714に伝達する歯
車機構715とが内蔵してある。巻取りボビン714の
先端部も、リボンハウジング710から露出しており、
巻取り側軸受部731と同一水平面上で対向している。
【0064】図7に示したように、帯状のインクリボン
3が巻回されたリボン管を外嵌固定するはリボン軸74
0は、その一端が供給ボビン712に嵌め込み固定され
るとともに、他端が供給側軸受部730に回転自在に載
置される。また、リボン管から引き出されたインクリボ
ン3の先端縁が取り付けられた巻取り管は、巻取り軸7
41に外嵌固定されている。この巻取り軸741の一端
は、巻取りボビン714に嵌め込み固定され、他端が巻
取り側軸受部731に回転自在に載置される。なお、リ
ボン管から引き出されたインクリボン3は、ヘッドユニ
ット60の下面(すなわち、サーマルヘッド620の発
熱素622)を経由して配置してある。そして、リボン
巻取りモータ713の回転により巻取り軸741が回転
駆動されると、リボン軸740側のインクリボン3がヘ
ッドユニット60の下面を経由して巻き取られていく。
【0065】ここで、インクリボン3を弛みや皺の生じ
ない状態で搬送するために、巻取り管へのインクリボン
3の巻き初めから巻き終わりまで、インクリボン3に一
定のテンションがかかるように、リボン巻取りモータ7
13の回転トルクを一定に制御することが好ましい。こ
のため、本実施形態では、リボン巻取りモータ713を
定電流制御しており、この制御方式によりインクリボン
3の巻取り量が変化しても、回転トルクが一定でインク
リボン3に一定のテンションを作用させることが可能と
なる。
【0066】しかし、インクリボン3は幅や巻径が異な
った種々のタイプのものが用意され、ユーザが必要に応
じて適当な幅や巻径のものを選択して装着することにな
る。したがって、広い幅で巻径の大きなインクリボン3
を想定して、リボン巻取りモータ713を大きな電流値
で定電流制御した場合、回転トルクが大きくなる結果、
幅が狭く巻径の小さなインクリボン3の装着時は、イン
クリボン3に作用するテンションが過大となり、却って
皺が生じたりひいてはインクリボン3が破断したりする
おそれがある。
【0067】そこで、本実施形態では、リボン巻取りモ
ータ713のブラシに流す電流値に関し、あらかじめ複
数の組み合わせを設定しておき、図3に示す制御ボック
ス15に内蔵されたメモリに記憶してある。例えば、I
,I,I,I,I(I<I<I<I
<I)といった大きさの異なる電流値をメモリに設定
しておき、巻径が大きく幅の広いインクリボン3が装着
される場合は、大きな電流値(例えば、I)を選択
し、大きな回転トルクが得られるようにすることが好ま
しい。逆に、巻径が小さく幅の狭いインクリボン3が装
着される場合は、小さな電流値(例えば、I)を選択
し、大きな回転トルクが得られるようにすることが好ま
しい。
【0068】図21は、リボン巻取りモータの制御系を
示すブロック図である。上記電流値の選択は、操作パネ
ル13によって行うことができる。すなわち、操作パネ
ル13により選択された電流値が、メモリ81から読み
出され、制御回路80にそのデータがおくられる。制御
回路80は、この選択データに基づきリボン巻取りモー
タ713を定電流制御して回転駆動する。
【0069】再び図20に戻り、リボンハウジング71
0の内部で回転自在に支持された供給軸711には、次
のような構造のブレーキ機構が設けられている。すなわ
ち、供給軸711には、円盤状の第1の摩擦部材71
6、環状の第2の摩擦部材717、押圧部材718、ば
ね受け部材719がそれぞれ外嵌してあり、さらに環状
の操作部材720が螺合してある。このうち第1の摩擦
部材716、押圧部材718、およびばね受け部材71
9は、供給軸711に対して相対回転が規制されており
供給軸711と一体に回転する。また、これら第1の摩
擦部材716、押圧部材718、およびばね受け部材7
19は、供給軸711に対して軸方向には移動可能とな
っている。ただし、第1の摩擦部材716は、供給軸7
11に取り付けられた座金721との当接により、一方
向(図示下方向)への移動は規制されている。なお、こ
のような回転規制と軸方向の移動を許容するため、供給
軸711は断面D字状に形成してあり、一方、第1の摩
擦部材716、押圧部材718、およびばね受け部材7
19には、このD字状の供給軸711に嵌合するD字状
の軸孔が形成されている。
【0070】操作部材720は、金属製のナット720
aにプラスチック材料をアウトサイドモールドして形成
してあり、ナット720aが供給軸711に形成したね
じ部711aに螺合している。また、操作部材720に
は円盤状の操作部720bが形成してあり、この操作部
720bの外周面には一定間隔でローレット状の溝72
0cが形成してある。この溝720cの幅は、後述する
ようにコインを差し込むことができる程度の寸法に設定
してある。
【0071】また、操作部材720には、ばね受け部材
719の外周まで延出する一または複数本(図では2
本)のアーム720dが形成てあり、このアーム720
dの先端に係合部720eが屈曲して形成してある。一
方、ばね受け部材719の外周面には、一定の間隔で係
合凹部719aが形成してあり、後述するようにばね受
け部材719と操作部材720とが相対回転をしたと
き、係合凹部719aにアーム720dの係合部720
eが係脱してクリック感が得られるようになっている。
【0072】第2の摩擦部材717は、供給軸711に
対して相対的に回転自在であり、しかも軸方向にも移動
自在となっている。だたし、第2の摩擦部材717に
は、その一部に係合部717aが突き出して形成してあ
り、この係合部717aがリボンハウジング710に設
けたストッパ部710aと係合して、自由な回転が規制
される。
【0073】第1の摩擦部材716の一方の側面にはフ
ェルト等で形成した摩擦接触部716aが設けてあり、
この摩擦接触部716aに第2の摩擦部材717の一側
面が当接する。
【0074】さて、ばね受け部材719と押圧部材71
8との間には、圧縮コイルばね等で形成した第1の弾性
部材722が設けてある。ばね受け部材719は、第1
の弾性部材722から受ける押圧力に対して、操作部材
720に受け止められて軸方向の移動が規制されてい
る。そして、押圧部材718は、第1の弾性部材722
から受ける押圧力を第2の摩擦部材717に伝達する。
この押圧力により、第2の摩擦部材717が第1の摩擦
部材716に設けた摩擦接触部716aに当接する。
【0075】供給軸711がインクリボン3の供給方向
へ回転すると、第1の摩擦部材716は供給軸711と
ともに回転するが、第2の摩擦部材717はリボンハウ
ジング710に設けたストッパ部710aに係合部71
7aが係合して回転が阻止される。このため、各摩擦部
材716,717間に摩擦力が生じ、この摩擦力が供給
軸711に対し制動トルクとして作用する。その結果、
供給軸711にブレーキ作用が生じて、慣性によるイン
クリボン3の過供給が防止され、弛みのないインクリボ
ン3の状態が保持される。
【0076】なお、供給軸711がインクリボン3を供
給する方向と逆向きに回転したとき、第2の摩擦部材7
17に形成した係合部717aがリボンハウジング71
0に設けたストッパ部710aから離間して回転しよう
とする。そこで、第2の摩擦部材717は、ねじりコイ
ルばねで形成された第2の弾性部材723によりこの逆
向きの回転を阻止する方向に付勢されている。
【0077】次に、インクリボン3の回転に対する制動
トルクの調整方法について説明する。図22(a)に示
すように、リボンハウジング710には、操作部材72
0の操作部720bに形成した溝720cを臨める位置
に切欠孔710bが形成してあり、この切欠孔710b
を通してコインを溝に差し込み、操作部材720の回転
を規制する。この状態で、供給ボビン712に嵌め込み
固定したリボン軸740を供給方向へ回転させると、図
20に示した供給軸711が回転して、操作部材720
のナット720aが供給軸711のねじ部711aに対
して軸方向に相対移動する。この相対移動に伴い、ばね
受け部材719も操作部材720とともに相対移動す
る。したがって、ばね受け部材719と押圧部材718
との間の間隔が広がりまたは縮まって、第1の弾性部材
722が伸張または圧縮される。これにより、第1の弾
性部材722から押圧部材718を介し第2の摩擦部材
717へ伝えられる押圧力が変化し、制動トルクが変わ
る。
【0078】制動トルクは、インクリボン3の質量に応
じて調整することが好ましい。例えば、巻径や幅寸法の
大きなインクリボン3を装着する場合は、質量の増加に
伴い回転時の慣性力が増大するので制動トルクを大きめ
に調整し、一方、巻径や幅寸法の小さなインクリボン3
を装着する場合は、逆に制動トルクを小さめに調整すれ
ばよい。
【0079】上述した手順で制動トルクを調整したと
き、ばね受け部材719と操作部材720との相対回転
に伴い、係合凹部719aにアーム720dの係合部7
20eが係脱してクリック感が得られる。したがって、
この係脱の回数により調整量を感覚的に把握することが
できる。
【0080】さらに、リボンハウジング710には、図
22(b)に示すように、切欠孔710bの側方に目盛
710cが設けてあり、切欠孔710bを通して視認さ
れる操作部720bの位置を、この目盛710cを目安
に調整することで、制動トルクの調整量を客観的に判断
できるようにしてある。
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヘッドユニットが自重により勢いよく倒れてしまうこと
を防止できるとともに、ヘッドユニットをいずれの方向
にも容易に揺動操作することができ、安全性と操作性と
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るラインサーマルプリン
タの概要を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るラインサーマルプリンタの外
観を示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るラインサーマルプリンタの内
部構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るラインサーマルプリンタのセ
ッティング手順を説明するための斜視図である。
【図5】図4に続く、ラインサーマルプリンタのセッテ
ィング手順を説明するための斜視図である。
【図6】図5に続く、ラインサーマルプリンタのセッテ
ィング手順を説明するための斜視図である。
【図7】図6に続く、ラインサーマルプリンタのセッテ
ィング手順を説明するための斜視図である。
【図8】ロール軸を示す斜視図である。
【図9】ロール紙供給ユニットを示す平面図である。
【図10】右ロールガイドの側面図である。
【図11】下側センサユニットを示す平面図である。
【図12】上側センサユニットおよび下側センサユニッ
トを示す断面側面図である。
【図13】上側センサユニットを示す平面図である。
【図14】ヘッドユニットを示す分解斜視図である。
【図15】ヘッドユニットを示す断面側面図である。
【図16】サーマルヘッド押圧ユニットを示す図で、
(a)は同ユニットを一部切欠いて示す斜視図、(b)
は断面側面図である。
【図17】ヘッドユニットの背面を示す斜視図である。
【図18】ヘッドユニットのヒンジ部を示す図で、
(a)は開いた状態の正面図、(b)は閉じた状態の側
面図である。
【図19】ヘッド係止部材を示す側面図である。
【図20】リボン装着ユニットを構成するリボンハウジ
ングの内部構造を示す断面平面図である。
【図21】リボン巻取りモータの制御系を示すブロック
図である。
【図22】リボンハウジングに内蔵したインクリボンの
ブレーキ機構の操作手順を説明するための図で、(a)
は斜視図、(b)は目盛の拡大平面図である。
【符号の説明】
1:用紙搬送経路 2:ロール紙 3:インクリボン 10:本体ケース 11:トップカバー 12:用紙排出口 13:操作パネル 14:本体フレーム 15:制御ボックス 20:ロール紙供給ユニット 30:前部ユニット 31:プラテン 32:用紙切断板 40:下側センサユニット 41:下側ケース 41a:凹部 41b:脚部 42:下側ガイド 43:下側ガイドシャフト 44:下側ガイドプレート 45:発光素子 46:第1の受光素子 47:弾性部材 50:上側センサユニット 51:上側ケース 52:上側ガイドプレート 53:ヒンジ部 54:ガイド孔 55:第2の受光素子 56:支持片 57:板ばね 58:目盛 60:ヘッドユニット 70:リボン装着ユニット 80:制御回路 81:メモリ 210:支持プレート 211:ロール支持部 220:ロール軸 221:ベアリング 222:ホルダディスク 223:締結具 230:左ロールガイド 232:左ガイドラック 240:右ロールガイド 231,241:凹部 242:右ガイドラック 243:固定操作部 244:固定部材 244a:当接部 250:案内レール 251:ピニオンギヤ 610:ヘッド支持フレーム 611:長孔 612:切欠部 613:係合ピン 620:サーマルヘッド 621:ヘッド支持板 622:発熱素 623:軸受部 624:レバー係合ピン 625:フック 625a:腕部 625b:係止部 630:サーマルヘッド押圧ユニット 631:上ケース 632:下ケース 633:長孔 634:突起 635:締結具 636:係合突起 637:突起 638:圧縮コイルばね 640:操作レバー 641:支軸 643:長孔 644:締結具 645:目盛 650:ヒンジ部 651:一方向性トルク制御機構 652:機構本体 653:支軸 654:ヘッドポップアップばね 655:ばね受け部 660:ヘッド係止部材 661:支軸 662:ばね部材 710:リボンハウジング 710a:ストッパ部 710b:切欠孔 710c:目盛 711:供給軸 711a:ねじ部 712:供給ボビン 713:リボン巻取りモータ 714:巻取りボビン 715:歯車機構 716:第1の摩擦部材 716a:摩擦接触部 717:第2の摩擦部材 717a:係合部 718:押圧部材 719:ばね受け部材 719a:係合凹部 720:操作部材 720a:ナット 720b:操作部 720c:溝 720d:アーム 720e:係合部 721:座金 722:第1の弾性部材 723:第2の弾性部材 730:供給側軸受部 731:巻取り側軸受部 740:リボン軸 741:巻取り軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラインサーマルヘッドを支持したヘッド
    ユニットを有し、このヘッドユニットは、プリンタ本体
    との間に設けられたヒンジ部により、前記ラインサーマ
    ルヘッドをプラテンに対して密接する印字位置と前記プ
    ラテンに対して離間した退避位置との間で揺動自在であ
    るラインサーマルプリンタにおいて、 前記ヒンジ部は、一方向性トルク制御機構を有し、この
    一方向性トルク制御機構は、前記ヘッドユニットが前記
    退避位置から前記印字位置に揺動するときには、揺動の
    速度に依存しない一定の負荷トルクであるロード方向負
    荷トルクを前記ヘッドユニットに作用させ、前記ヘッド
    ユニットが前記印字位置から前記退避位置に揺動すると
    きには、少なくとも前記ロード方向負荷トルクよりも小
    さな負荷トルクであるアンロード方向負荷トルクをもっ
    て前記ヘッドユニットを揺動可能とすることを特徴とす
    るラインサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記ロード方向負荷トルクは、前記ヘッ
    ドアームの自重を支えることができる程度の大きさに設
    定してあることを特徴とする請求項1に記載のラインサ
    ーマルプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記アンロード方向負荷トルクは、零に
    近い値に設定してあることを特徴とする請求項1または
    2に記載のラインサーマルプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記ヘッドユニットを前記印字位置に係
    止するヘッド係止部材と、このヘッド係止部材による係
    止が解除されたときに、前記ヘッドユニットを前記係止
    部材により係止されない位置まで持ち上げるヘッドポッ
    プアップばねとを備えたことを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれか一項に記載のラインサーマルプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記ヘッドポップアップばねは、圧縮コ
    イルばねで構成されていることを特徴とする請求項4に
    記載のラインサーマルプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記ヘッドポップアップばねは、前記ヒ
    ンジ部の近傍に設けてあることを特徴とする請求項5に
    記載のラインサーマルプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記ヒンジ部は、用紙搬送経路をほぼ直
    交する平面に沿って前記ヘッドユニットを揺動させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    ラインサーマルプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016032906A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 東芝テック株式会社 サーマルプリンタ

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