JP2003136369A - 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械 - Google Patents

数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械

Info

Publication number
JP2003136369A
JP2003136369A JP2001340063A JP2001340063A JP2003136369A JP 2003136369 A JP2003136369 A JP 2003136369A JP 2001340063 A JP2001340063 A JP 2001340063A JP 2001340063 A JP2001340063 A JP 2001340063A JP 2003136369 A JP2003136369 A JP 2003136369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
variable data
machining
conditions
machine tool
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001340063A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003136369A5 (ja
Inventor
Tadashi Fujinawa
正 藤縄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2001340063A priority Critical patent/JP2003136369A/ja
Publication of JP2003136369A publication Critical patent/JP2003136369A/ja
Publication of JP2003136369A5 publication Critical patent/JP2003136369A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸あるいは刃物台を駆動する各モータを、
加工プログラム実行中常に加工状条件および使用条件に
応じた適正値で動作するように制御する。 【解決手段】 NC工作機械による加工条件と使用条件
の組み合わせ毎に、予め各主軸および刃物台を駆動する
各モータの最適な調整値を求めて変数データのファイル
としてROM8に保存しておき、加工プログラム実行中
に、CPU7が上記加工条件と使用条件を判別し、その
判別した条件の組み合わせに対応するファイルの変数デ
ータをROM8から読み出して、RAM9に格納されて
いる実行中の加工プログラムで上記各モータの調整に使
用する変数データを入れ換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも1つ
の主軸および少なくとも1つの刃物台を有する数値制御
工作機械の制御方法、および制御装置とその制御装置を
組み込んだ数値制御工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤やNCフライス盤等の数値制御
工作機械において、それぞれ主軸あるいは刃物台が搭載
された軸を駆動する各モータは、数値制御工作機械を構
成する部品の質量・慣性といった性質に合せてその仕様
を決め、さらにそのモータの持つ能力の範囲で調整を行
うのが一般的である。ここで、刃物台が搭載された軸と
は、直線軸と回転軸のどちらも含まれる。また、調整と
は、モータの加減速特性、応答性、補正量などモータの
基本機能の変数量を変更するものである。この調整の目
的は、機械に与える特性を生かすように、モータに最大
限の能力を発揮させるようにすることである。したがっ
て、本来は旋削、穴あけ、ねじ切り等の加工条件に応じ
て調整の結果は異なるはずであるが、従来は、加工条件
のどれを優先するかによって一つの調整データに決め、
全ての加工において同じ調整データを使用していた。
【0003】また、数値制御工作機械において、機械構
成部品の選定によってモータを含めた機構の特性を大き
く左右するものがある。例えば、刃物台とモータあるい
は主軸台とモータとを連結させる場合、連結の手段とし
てはベルト(belt)、カップリング(coupling)、ダイ
レクトドライブであるビルトイン(built-in)などが考
えられる。これらの手段のうちのどれを採用するかによ
って、モータを含めた機構の特性は大きく変わる。例え
ば、ベルトのような連結機構自体に遊びが生じるような
手段を採用すると、モータの回転を伝達する際にロスを
生じ、移動時においては機械部品上における精度が悪く
なる傾向にあるが、停止時においてはモータの振動など
は連結機構自体で吸収される傾向にある。
【0004】これに対し、ビルトインのような連結機構
が無い手段を採用すると、モータの回転を伝達する際に
ロスが無く、移動時においては機械部品上における精度
が良くなる傾向にあるが、停止時においてはモータの振
動などが機械部品上で発生する傾向がある。したがっ
て、本来は移動速度、停止等の使用条件に応じて調整の
結果は異なるはずであるが、従来は、使用条件のどれを
優先するかによってやはり一つの調整データに決めてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の数
値制御工作機械におけるモータの調整は、加工条件およ
び使用条件のそれぞれどれを優先するかによって、一つ
の調整データに決めて行っていた。そのため、調整デー
タを決めた条件からかけ離れた条件で使用する場合に
は、モータが適正値で動作しなくなり、加工にとっても
不利であった。このように、従来はモータの調整データ
すなわちモータの基本機能の変数は、数値制御装置の中
には1種類しか存在しておらず、複数通りのデータを持
つことはできなかった。もしデータを変更したい場合、
元のデータを消去して、そこに新しいデータを書く必要
があり、元のデータを保存しておくことはできなかっ
た。
【0006】したがって、モータの調整データが複数あ
ったとしても、それを加工条件や使用条件に応じて切り
換える手段はなかった。そのため、もしこれらの条件に
応じて調整データを切り換えようとしても、キー入力な
どによって一つ一つ調整データを変更するしかなく、ま
してや加工中に自動的に書き換えることなどできなかっ
た。この発明は、このような現状に鑑みてなされたもの
であり、数値制御工作機械における各主軸あるいは刃物
台が搭載された軸を駆動する各モータを、加工プログラ
ム実行中常に加工状条件および使用条件に応じた適正値
で動作するように制御し、加工精度を向上させるととも
に加工効率も高め、動作中の振動や熱の発生も抑制でき
るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による数値制御
工作機械の制御方法は、少なくとも1つの主軸および少
なくとも1つの刃物台を有する数値制御工作機械の制御
方法であって、上記の目的を達成するため、次のように
することを特徴とする。上記数値制御工作機械による旋
削,穴あけ,ねじ切り等の加工条件と高速,中速,低速
等の使用条件の組み合わせ毎に、予め上記主軸および刃
物台を駆動する各モータの最適な調整値を求めて変数デ
ータのファイルとして保存しておく。数値制御工作機械
が加工プログラム実行中に、上記加工条件と使用条件を
判別し、その判別した加工条件と使用条件の組み合わせ
が、上記変数データが異なるファイルのものに変ったと
き、実行中の加工プログラムで上記各モータの調整に使
用する変数データを、その変更後の加工条件と使用条件
の組み合わせに対応するファイルの変数データに入れ換
える。上記加工条件と使用条件の判別は、実行中の加工
プログラムの指令(コード)の種別によって行うことが
できる。
【0008】また、この発明による数値制御工作機械の
制御装置は、少なくとも1つの主軸および少なくとも1
つの刃物台を有する数値制御工作機械の制御装置であっ
て、上記の目的を達成するため、次の各手段を設けたこ
とを特徴とする。すなわち、上記数値制御工作機械によ
る旋削,穴あけ,ねじ切り等の加工条件と高速,中速,
低速等の使用条件の組み合わせ毎に、予め求められた上
記主軸および刃物台を駆動する各モータの最適な調整値
を変数データのファイルとして保存する記憶手段と、上
記数値制御工作機械が加工プログラム実行中に、上記加
工条件と使用条件を判別する条件判別手段と、該手段が
判別した加工条件と使用条件の組み合わせが、上記記憶
手段に記憶している変数データが異なるファイルのもの
に変ったとき、上記記憶手段からその変更後の加工条件
と使用条件の組み合わせに対応する上記ファイルの変数
データを読み出して、実行中の加工プログラムで上記各
モータの調整に使用する変数データをその読み出した変
数データと入れ換える変数データ入換手段とを設けた。
【0009】上記条件判別手段は、上記加工条件と使用
条件の判別を、実行中の加工プログラムの指令(コー
ド)の種別によって行う手段にすることができる。この
発明による数値制御工作機械は、上述した制御装置を組
み込んで、その主軸および刃物台を駆動する各モータが
常に加工条件および使用条件に応じた最適な動作状態に
制御されるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して具体的に説明する。図1はこの発明の一実
施例である数値制御工作機械(以下「NC工作機械」と
いう)の主として制御装置側の概略構成を示すブロック
図であり、図2はその主として工作機械(例えば旋盤)
側の要部構成を示す図である。図1に示すNC工作機械
の制御装置1は、数値制御装置であり、コントロールユ
ニット2、入力部3、表示部4、外部記憶装置5、およ
びモータ制御部6によって構成されている。その他、こ
の発明に直接関係しない部分の構成は図示および説明を
省略している。コントロールユニット2は、CPU7と
ROM8およびRAM9とバス10からからなり、マイ
クロコンピュータを構成している。
【0011】CPU7は各種の演算・処理機能を有する
中央処理装置であり、ROM8に格納されている動作プ
ログラムによって動作してこのコントロールユニット2
および制御装置1の全体を統括制御し、RAM9に格納
されたNCプログラムにしたがってモータ制御部6の各
部を制御する。ROM8はリードオンリ・メモリであ
り、CPUの動作プログラムおよび、この発明による制
御に使用する各条件毎の各モータの調整値を示す変数デ
ータのファイル(その詳細は後述する)等の固定データ
を予め格納している。RAM9は、ランダムアクセス・
メモリであり、実行する加工プログラム(NCプログラ
ム)やその実行中の加工プログラムで各モータの調整に
使用する変数データ(その詳細は後述する)等を一時的
に記憶するとともに、CPU7のワーキングメモリとし
ても使用される。
【0012】入力部3と表示部4は、このNC工作機械
の図示しない操作盤に設けられている。その入力部3
は、このNC工作機械の各種の機能を選択したり必要な
情報を入力したりするためのスイッチやボタン、および
自動プログラミング装置やパーソナルコンピュータから
NCプログラムを入力するためのインタフェースなども
含んでいる。表示部4は、CRTや液晶ディスプレイで
あり、このNC工作機械の操作に必要な各種の情報や入
力情報および実際の加工状況などの情報を表示する。外
部記憶装置5は、ハードディスク装置やFDドライブ装
置あるいはMOドライブ装置等の大容量の記憶媒体を用
いる装置であり、予め種々の加工プログラム(NCプロ
グラム)や前述した各条件毎の各モータの調整値を示す
変数データのファイルを格納しておくことができる。
【0013】これらを接続するバス10は、データバス
とコントロールバスとアドレスバスとによって構成され
ている。モータ制御部6は、図1に実線で示すように、
少なくとも1つの主軸回転制御部である第1主軸回転制
御部11と、少なくとも1つの刃物台移動制御部である
第1刃物台移動制御部12とを有し、それぞれ第1主軸
回転駆動源(モータ)21および第1刃物台駆動機構
(モータ)22の駆動を制御する。すなわち、この制御
装置1が制御する工作機械20は、少なくとも1つの主
軸(スピンドル)と少なくとも1つの刃物台を有してい
る。
【0014】さらに、工作機械20が移動可能な背面主
軸等の第2主軸を有する場合には、その第2主軸回転駆
動源23を制御する第2主軸回転制御部13と、第2主
軸駆動機構24を制御する第2主軸移動制御部14を、
それぞれ図1におけるモータ制御部6に破線で示すよう
に設ける。また、工作機械20の刃物台に回転工具を取
り付けられる場合には、その回転工具回転駆動源25を
制御する回転工具回転制御部15を、同じくモータ制御
部6に破線で示すように設ける。このモータ制御部6
も、コントロールユニット2とバス10によって接続さ
れている。
【0015】図2は工作機械20側の最も単純な構成例
を、モータ制御部6との間の信号の入出力関係と共に示
している。モータ制御部6の第1主軸回転制御部11に
よって制御される第1主軸回転駆動源21は、主軸(ス
ピンドル)210を回転させる主軸モータであり、主軸
210に設けられたチャック211によって保持する被
加工材料であるワーク30を高速で回転させる。その主
軸モータ21には、回転検出器212が取り付けられて
おり、主軸モータ21の主軸210が一定角度回転する
毎にパルス信号を発生し、そのパルス周波数が回転速度
に比例する信号を第1主軸回転制御部11へフィードバ
ックする。この主軸モータ21及びチャック211を備
えた主軸210は、図示を省略しているベッドに配設さ
れている。
【0016】第1刃物台駆動機構22は、刃物台(XZ
テーブル機構に保持されている)220をX軸方向(図
では垂直方向)に移動させるためのX軸送りモータ22
1xと送りねじ222x、およびその刃物台をZ軸方向
(図では水平方向)に移動させるためのZ軸送りモータ
221zと送りねじ222z等によって構成されてい
る。そのX軸送りモータ221xには回転検出器223
xが装着されており、Z軸送りモータ221zには、回
転検出器223zが装着されている。
【0017】モータ制御部6の第1刃物台移動制御部1
2は、図2に示すようにX軸送り制御部12xとZ軸送
り制御部12zとを有している。そして、そのX軸送り
制御部12xは、その出力制御信号によってX軸送りモ
ータ221xの回転を制御し、回転検出器223xから
のパルス信号をフィードバック信号として入力する。一
方、Z軸送り制御部12zは、その出力制御信号によっ
てZ軸送りモータ221zの回転を制御し、回転検出器
223zからのパルス信号をフィードバック信号として
入力する。
【0018】そして、この第1刃物台駆動機構22によ
って、刃物台220に取り付けた工具(刃物)40をX
軸方向およびZ軸方向に移動させ、主軸210のチャッ
ク211に保持されて回転されるワーク30を加工す
る。この例では、刃物台220に1つの工具40のみを
取り付けているが、一般にターレット式刃物台を使用し
て、その周囲に放射状に多数の工具、例えば各種の外径
削り用バイト、内径削り用バイト、ねじ切り用バイト、
突切り用バイト、回転工具であるドリルなどを取り付
け、それらのいずれかを任意に選択して使用できるよう
にしている。この実施形態においても、ターレット式刃
物台を使用して、加工プログラムの実行中に工具を自動
的に交換できるものとする。
【0019】次に、このNC工作機械における制御装置
1によるこの発明に係る制御方法について説明する。ま
ず、この発明によるNC工作機械の制御方法の概略を箇
条書きにして説明する。 1)加工プログラム(NCプログラム)実行中にモータ
のコントローラ(モータ制御部)の制御データを変更す
る機能を持つ数値制御装置を使用する。の数値制御装置
を持つNC工作機械を使用する。 3)NC工作機械の加工条件および使用条件によって主
軸および刃物台を駆動するモータの調整値が大きく異な
る条件を抽出する。その加工条件は加工プログラムの指
令の中で判別できるようなものが好ましく、使用条件は
モータの状態から判別できるものが好ましい。 4)その加工条件と使用条件の各組み合わせ条件の下で
各モータの調整を行い、その各調整データを決める。
【0020】5)その複数種類の調整データを保存でき
るようにする。数値制御装置の中でモータの動作を直接
左右する調整データが格納されている領域(変数データ
とする)は1つであるため、別の領域に各々の条件の下
で行った調整データを保存する。6)各々の条件毎のデ
ータを一つの単位としてまとめて、変数データのファイ
ルとして保存する。加工条件および使用条件の組み合わ
せがどのデータに相当するかは、予めデータにつけるフ
ァイル名などで決めておく。 7)調整データの保存領域としてROMまたは外部記憶
装置を使用する。 8)加工プログラムの実行中に、加工条件および使用条
件を判別しながら調整データのファイルを選び、それを
読み出して変数データを入れ換えるようにする。 9)変数データを入れ換える方法は複数あり、工作機械
の表示部の画面にてそれを選択できるようにする。 10)加工プログラム実行中に、選択した入れ換え方法
に従って、かつ加工条件および使用条件を判別しなが
ら、現在の条件に対応するファイルのデータを選んで、
使用する変数データを入れ換える。
【0021】次に、図1および図2によって説明したN
C工作機械にこの発明による制御方法を実施する場合の
例を、具体的に説明する。まず、このNC工作機械の加
工条件(旋削,穴あけ,ねじ切り,円弧形成等)および
使用条件(高速,中速,低速等)の組み合わせで、主軸
210および刃物台220を駆動する各モータ21,2
21x,221zの調整値が大きく異なる条件を抽出す
る。そして、その各組み合わせ毎に、予め主軸210お
よび刃物台220を駆動する各モータの最適な調整値を
計算あるいは実測によって求め、その各調整値を変数デ
ータのファイルとして、それぞれファイル名を付けて保
存しておく。その各ファイルの保存は、図1に示したコ
ントロールユニット2内のROM8、あるいは外部記憶
装置5に記憶させて行う。
【0022】なお、コントロールユニット2内のRAM
9には、加工プログラム実行中にCPU7によって使用
され、各モータの動作を直接左右する調整データが格納
されている領域(変数データ領域)は1つだけであり、
通常はそこに従来のNC工作機械の制御装置と同様に、
加工条件および使用条件のどれを優先するかによって決
定された標準の調整データが格納されている。表1は、
その加工条件と使用条件(括弧内)の組み合わせを条件
の種類とし、それ以外の条件の場合を標準として、各条
件に対応する主軸の調整値と刃物台の調整値の各変数デ
ータを格納したファイル名を一覧にしたものである。
【0023】すなわち、各条件毎に、調整値のデータを
一つの単位としてまとめたファイル名を示している。こ
の条件の単位で、主軸および刃物台を動作させる全ての
モータが持つ変数データの調整を行う。標準のファイル
は、予めRAM9の変数データ領域に格納されている変
数データを他のデータと入れ換え(書換え)てしまった
後、特定のファイルのない条件になったときに、再び標
準の変数データに戻せるようにするために保存してい
る。主軸の調整値はファイル名はSA−0〜SA−1
0、刃物台の調整値のファイル名はTA−0〜TA−1
0であるが、これ以上あってもよい。主軸の調整値のフ
ァイルSAと刃物台の調整値のファイルTAとはセット
になっている。
【0024】表2は「標準」のファイルSA−0,TA
−0の変数データ、表3は「切削2(中速)」のファイ
ルSA−2,TA−2の変数データ、表4は「円弧」の
ファイルSA−8,TA−8の変数データ、表5は「重
畳」のファイルSA−9,TA9の変数データ、表6は
「クロス穴あけ」のファイルSA−10,TA−10の
例をそれぞれ示す。これらの表において、主軸(1軸
目)は、図2に示した主軸モータ21の変数データであ
り、背面主軸など複数の主軸を備えていたり、さらにそ
の移動機構のモータを有するような場合には、複数の主
軸の各変数データがそれぞれ格納される。また、刃物台
(1軸目)と刃物台(2軸目)は、それぞれ図2に示し
たX軸送りモータ221xとZ軸送りモータ221z
(または図示しないY軸送りモータ)の各変数データで
あり、複数の刃物台を備えている場合には、その各刃物
台の移動用モータの変数データがそれぞれ格納される。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】この例では、全ての主軸の調整データ(変
数データ)を一つの単位としてまとめ、全ての刃物台の
調整データ(変数データ)を一つの単位としてまとめて
ファイルを作成している。しかし、個々の主軸毎に一つ
の単位としてまとめ、個々の刃物台毎に一つの単位とし
てまとめてファイルを作成することも可能である。ここ
で変数データとは以下のようなものを言う。
【0032】○最大速度(早送り速度):モータを回転
させて軸移動させる際の速度の最大値であり、単位はm
m/sec ○加減速時間(時定数):モータを停止状態から最大速
度までの加速に要する時間であり、単位はmsec(ミ
リ秒) 応答性(ゲイン):モータの回転開始時の追従力や反力
に対する応答力などの増加量であり、相対比例値であ
る。 補正(ロストモーション補正など):特殊な条件下で見
られる傾向を補う機能であり、相対比例値である。
【0033】表3に示した「旋削2(中速)」と表2に
示した標準の変数データと比較すると、主軸ファイルの
最大速度と加減速時間のデータ、および刃物台ファイル
の最大速度と加減速時間のデータが異なる。表4に示し
た「円弧」と表2に示した標準の変数データと比較する
と、刃物台ファイルの応答性と補正のデータが異なる。
表5に示した「重畳」と表2に示した標準の変数データ
と比較すると、刃物台ファイルの最大速度と加減速時間
のデータが異なる。表6に示した「クロス穴あけ(主軸
停止)」を比較すると、主軸ファイルの応答性のデータ
が異なる。
【0034】して皮革と表2に示した標準の変数データ
と比較すると、これらの各調整データ(変数データ)
を、数値制御装置すなわち図1に示した制御装置1のコ
ントロールユニット2の内部メモリであるROM8ある
いは外部記憶装置5に、それぞれファイル名を付けて保
存する。このコントロールユニット2のもう一つの内部
メモリであるRAM9には、前述したように、加工プロ
グラムを実行中に工作機械20側の各モータの動作を直
接左右する調整データが保存されている変数データ領域
があり、ここからCPU7が読み出した変数データがモ
ータ制御部6へ制御指令として送られる。
【0035】モータ制御部6の第1主軸回転制御部11
および第1刃物台移動制御部12等は、加工プログラム
に基づいた移動指令を調整データに基づいた基本動作に
従って、それぞれ動作指令を出力する。その各動作指令
は工作機械20側の第1主軸回転駆動源である図2に示
した主軸モータ21、および第1刃物台駆動機構22の
X軸送りモータ221xとZ軸送りモータ221zに伝
えられ、各モータがその動作指令にしたがって回転駆動
し、工具40によるワーク30の加工がなされる。
【0036】その加工プログラムの実行中に、加工条件
と使用条件の組み合わせを判別して、その組み合わせ条
件の種類が、これまで使用した変数データと異なるファ
イルのものに変ったとき、その新たな条件の種類に対応
するファイル名の変数データを、ROM8あるいは外部
記憶装置5から読み出して、RAM9の変数データ領域
のデータをその読み出したデータに入れ換える(書き換
える)。変数データを入れ換える方法に複数の方法があ
り、変数データ入れ換え方法の選択を表示部4の画面に
よって行う。図2に表示部4によるその変数データ入れ
換え方法の選択画面の一例を示す。この例では、画面の
中から[自動],[プログラム指令],[操作]のいず
れか一つを選択することができる。
【0037】ここで「自動」とは、加工プログラムの指
令やモータの状態に応じて変数データの入れ換えを自動
的に行う方法である。「プログラム指令」とは、加工プ
ログラムの中で変数データの入れ換えを指示する指令を
与える方法である。「操作」とは、機械操作時に変数デ
ータの入れ換えを指示する操作を行う方法である。選択
した入れ換え方法に従って、かつ加工条件と使用条件を
判別しながら、現在の条件に相当する調整データ(変数
データ)を選び、RAM9に格納されている変数データ
を入れ換える。
【0038】[具体的な条件例1:加工条件]図4によ
って、刃物台220に取り付けた回転工具(エンドミ
ル)41を、その回転軸に垂直な面上で円運動させ、被
加工材であるワーク31を固定して、その一平面(端
面)31aに円形の溝31bを入れる加工条件の場合に
ついて説明する。図4の(a)はその側面図で、ワーク
31のみをその軸線と溝31bの中心とを通る面で断面
にして示し、(b)はそのワーク31の溝31bを形成
した端面の図である。
【0039】回転工具41を円運動させる場合、X軸お
よびZ軸のいずれにも直交するY軸方向にも刃物台22
0を移動させる必要があるため、Y軸送りモータとその
回転によって刃物台220をY軸方向へ移動させる送り
ねじを設け、図2に示した第1刃物台移動制御部12に
は、Y軸送り制御部も設けることになる。回転工具41
の回転駆動源であるモータ25は、図1に示すモータ制
御部6内に破線で示す回転工具回転制御部15によって
制御される。
【0040】回転工具41を円運動させる場合、刃物台
220を直交する2軸すなわちX軸とY軸に沿って上下
および左右に移動させる。その際、円の上端と下端でX
軸送りモータが、左端と右端でY軸送りモータが、それ
ぞれプラス方向からマイナス方向へ、またはマイナス方
向からプラス方向へ回転方向を変えることになる。それ
によって、図5に示すように、いわゆる象限切り換え時
の突起現象が見られる。これは、円運動で第1象限から
第4象限までを順に軌跡を描く時、象限の切り換え時に
は一方の軸の移動方向が反転するが、この時円弧を外れ
た突起が形成されるものであり、モータの加減速の応答
性や連結機構部分のバックラッシュ等によるものであ
る。
【0041】この現象に対しては、既にモータや数値制
御装置の制御で改善が加えられており、その影響を抑え
るために多くの手段が取られている。しかしながら、実
際には、モータで駆動する刃物台あるいは主軸の質量や
慣性などにより状況は異なるため、全ての物を含んだ機
械において最適値に調整しなければならない。この発明
による制御方法では、刃物台の1軸目と2軸目のモータ
に対する変数データを表4の右側に示す値のように変更
して、モータ加減速時の応答性を上げたり、モータ反転
時の補正量を入れることによって、より真円に近い加工
が可能になる。この場合、図4に示すX軸とY軸の各送
りモータが、表4における刃物台の1軸目と2軸目に該
当する。ただし、この条件は回転工具41を低速で円運
動させることと、この加工に限った短時間の処理である
ことが前提となり、全ての条件でこのような設定を行う
と、振動や発熱の問題が生じてしまう。なぜなら、速度
の変化に対して敏速に反応する(レスポンスを上げる)
ために、アイドル状態でも常に高い電流を流すなどの制
御をするためである。そこで、変数データの切り換えが
必要になる。
【0042】変数データの切り換えは以下のようにして
行う。変数データ入れ換え方法として、図3に示した選
択画面で「プログラム指令」を選択した場合を例にとっ
て説明する。 対象となる加工条件のツールが選択された時、加工プ
ログラム中のツール指令のTコードあるいは補助指令の
Mコードによって、変数データの入れ換えが行われる。
この時の変数データは、この加工条件の表4に示したフ
ァイルのデータを読み出して使用する。 加工中は変数データの入れ換えは行わない。 対象となる加工条件以外のツールが選択された時、ツ
ール指令のTコードあるいは補助指令のMコードによっ
て変数データの入れ換えが行われる。その時の変数デー
タは、表2に示した標準のファイルのデータを読み出し
て使用する。
【0043】[具体的な条件例2:加工条件]図6に示
すように、1つの刃物台230に2つの工具42,43
を持ち、主軸50のチャックに保持されて回転するワー
ク32に対して一方の工具42が旋削加工をすると同時
に、もう一方の工具43に対して背面主軸60のチャッ
クに保持されて回転するワーク33が重畳移動して穴加
工をする加工条件の場合について説明する。この例で
は、工具42は旋削用工具、工具43は穴あけ用工具で
ある。
【0044】このように2つの物体が重畳移動して加工
を行う場合、基準となる軸よりもそこに重畳する軸の精
度が悪くなる傾向がある。基準軸は非重畳時と同様に自
らの軸に与えられた指令に基づいて移動を行うことがで
きるが、重畳軸は自らの軸に与えられた指令のみなら
ず、基準軸に与えられた指令に対しても移動を行わなけ
ればならないからである。特に、両方の軸に指令がある
時、重畳軸は合成速度で移動しなければならず、基準軸
以上に高速で移動する場合が多くなる。また、重畳移動
における追従性には限界がある。モータで論理上完全に
追従したとしても、機械的損失があることや、異なる質
量や慣性の物体を重畳移動させることが一般的であるこ
となどから、機械端での追従性は完全ではない。
【0045】この加工で最も問題となるのは精度である
ので、ここに焦点を当てた調整が好ましい。追従性を上
げるのに端的な方法は、最大速度(早送り速度)を小さ
くし、加減速時間(時定数)を長くすることである。図
6に示す例では、X1軸とZ1軸、X2軸とZ2軸がこ
れに該当する。したがって、刃物台230をX1軸方向
とZ1軸方向へそれぞれ移動させる各モータと、背面主
軸60をX2軸方向とZ2軸方向へそれぞれ移動させる
各モータの変数データを、表5の右側に示す値のよう
に、最大速度を小さくし、加減速時間を長くするとよ
い。しかし、全ての条件でこのような設定を行うと、加
工時間が長くかかってしまう。そのため変数データの入
れ換えが必要になる。その変数データの入れ換えは以下
のように行う。変数データ入れ換え方法は、図3に示し
た選択画面で「プログラム指令」を選択した場合の例で
説明する。
【0046】対象となる加工条件は重畳加工であるの
で、加工プログラム中の重畳を表す準備指令のGコード
あるいは補助指令のMコードによって、変数データの入
れ換えが行われる。この時の変数データは、この加工条
件の表5に示したファイルの変数データを読み出して使
用する。 加工中は変数データの入れ換えは行わない。 対象となる加工条件以外の準備指令のGコードあるい
は補正指令のMコードによって変数データの入れ換えが
行われる。その時の変数データは、表2に示した標準の
ファイルの変数データを読み出して使用する。通常、加
工が終了してツールを退避位置へ移動した後、準備指令
のGコードあるいは補正指令のMコードを指令する。
【0047】[具体的な条件例3:使用条件]図7に示
すように、主軸50のチャックで掴んだワーク34を割
り出し、所要の割り出し位置で主軸50が停止した状態
で固定し、そのワーク34の側面(周面)に回転工具4
4によって微細な2次加工をする表6の加工条件の場合
について説明する。主軸50を割り出す場合、一般的に
はあらゆる加工の負荷に耐えうるような保持力が必要と
される。これは主軸の応答性(ゲイン)を上げるなどし
て行うが、反面、振動する傾向にある。速度の変化に対
して敏速に反応するために、アイドル状態でも常に高い
電流を流してロックしたような状態するなどの制御をす
るためである。この振動は機械が持つ振動と比べれば小
さく抑えられるが、微細な加工に対して影響する場合が
ある。
【0048】この加工では、表6の左側に示すように、
主軸50が停止した状態での主軸モータの応答性を下げ
ることによって、振動が影響しない加工が可能になる。
図5に示す例では主軸50がこれに該当する。ただし、
全ての条件でこのような設定を行うと保持力が落ちるた
め、2次加工において材料中心から離れた外径付近での
加工の形状が不安定になり、精度が悪くなるなどの問題
が生じてしまう。そのため、変数データの切り換えが必
要になる。その変数データの切り換えは以下のように行
う。変数データ入れ換え方法として、図3に示した選択
画面で「プログラム指令」を選択した場合を例にとって
説明する。
【0049】対象となる加工条件のツールが選択され
た時、加工プログラム中のツール指令のTコードあるい
は補助指令のMコードによって変数データの切り換えが
行われる。この時の変数データは、この加工条件の表6
に示したファイルの変数データを読み出して使用する。
通常、このような2次加工は、主軸50の割り出し動作
を行い、さらに回転工具44を回転させるため、加工プ
ログラムにおいて、この動作の付近でツール指令のTコ
ードあるいは補助指令のMコードを指令する。
【0050】加工中は変数データの入れ換えは行わな
い。 対象となる加工条件以外のツールが選択された時、そ
のツール指令のTコードあるいは補正指令のMコードに
よって変数データの入れ換えが行われる。この時の変数
データは表2に示した標準のファイルの変数データを読
み出して使用する。通常、2次加工から旋削加工に移る
ときには主軸を回転させるため、加工プログラムにおい
て、この動作の付近でツール指令のTコードあるいは補
正指令のMコードを指令する。
【0051】[加工プログラムによる変数データ入れ換
えの例]ここで、図3に示した選択画面で「プログラム
指令」を選択した場合の、加工プログラムによる変数デ
ータの入れ換え方法の具体例を説明する。この例では、
図4に示した刃物台220がターレット式刃物台で、そ
のT05位置に回転工具41が取り付けられ、T02位
置に旋削工具が取り付けられているものとする。
【0052】 加工プログラム(NCプログラム) M3 S1=5000 T0200 M102 X13.0 G0 X8.0 Z−0.5 G01 Z10.0 T0500 M108 G41 G0 X1.5 Y0 Z−1.0 G3 X1.5 Y0 Z1.0 I−1.0 P20 F300
【0053】この加工プログラムの実行中に、ツール指
令のTコードであるT0200が図1におけるCPU7
に読み込まれると、ターレット式刃物台を回転させて旋
削工具を選択し、次の補助指令のMコードであるM10
2を読み込むと、条件の種類を判別して、そのファイル
の変数データをROM8から読み出し、RAM9に格納
されている変数データを入れ換える。この例では、Mコ
ードのM102の最後の数値「2」は、ファイル名の数
値を示しており、CPU7はこれによって表1に示した
ファイルSA−2とファイルTA−2の旋削2(中速)
の条件と判別して、その各ファイルの変数データをRO
M8から読み出して、RAM9の変数データを入れ換え
る。したがって、その後に開始される旋削加工中は、表
3に示した「旋削2(中速)」の変数データに基づい
て、各モータの調整がなされる。
【0054】この旋削加工が終了し、次のツール指令の
TコードであるT0500がCPU7に読み込まれる
と、ターレット式刃物台を回転させて回転工具41を選
択し、次の補助指令のMコードであるM108を読み込
むと、条件の種類を判別して、そのファイルの変数デー
タをROM8から読み出し、RAM9に格納されている
変数データを入れ換える。すなわち、CPU7はM10
8によって表1に示したファイルSA−8とファイルT
A−8の円弧の条件と判別して、その各ファイルの変数
データをROM8から読み出して、RAM9の変数デー
タを入れ換える。
【0055】したがって、その後に開始されるワーク端
面への円形溝加工中は、表4に示した「円弧」の変数デ
ータに基づいて、各モータの調整がなされる。そして、
加工プログラム実行中に、ツール指令のTコードに続い
て補助指令のMコードのM100をCPU7が読み込む
と、表1に示したファイルSA−0とTA−0の「標
準」の条件と判別して、その各ファイルの変数データを
ROM8から読み出して、RAM9の変数データを入れ
換える。すなわち、標準の変数データに戻すことにな
る。なお、この例では加工プログラム中の補助指令のM
コードによって、条件の種類の判別およびそのファイル
の変数データの読み出しと入れ換えを行うようにした
が、ツール指令のTコードの末尾にファイルの番号を入
れたり、Tコードによって実行するサブプログラム中に
条件の種類やファイルの番号を入れておけば、Tコード
あるいはそのサブプログラムによって、CPU7が条件
の種類やファイル名を判別することが可能になる。
【0056】この発明によるNC工作機械の制御装置に
おいては、図1におけるROM8あるいは外部記憶装置
5が、工作機械による加工条件と使用条件の組み合わせ
毎に、予め求められた主軸および刃物台を駆動する各モ
ータの最適な調整値を変数データのファイルとして保存
する記憶手段である。また、CPU7が、NC工作機械
が加工プログラム実行中に、その加工条件と使用条件を
判別する条件判別手段の機能と、それによって判別した
加工条件と使用条件の組み合わせが、上記記憶手段に記
憶している変数データが異なるファイルのものに変った
とき、上記記憶手段からその変更後の加工条件と使用条
件の組み合わせに対応するファイルの変数データを読み
出して、実行中の加工プログラムで上記各モータの調整
に使用する変数データをその読み出した変数データと入
れ換える変数データ入換手段との機能とを果している。
【0057】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、数値制御工作機械において各軸を駆動する各モー
タに対して、予めそれぞれの加工条件や使用条件に最適
な調整を行い、その各調整値である変数データを保存し
ておくことにより、常にその最適な調整値の変数データ
に基づいて各軸のモータを調整して動作制御することが
でき、加工速度や加工トルクといった数値制御工作機械
が持つ基本的な加工能力を向上させることができる。ま
た微細な加工に対しても調整値(変数データ)を持つこ
とが可能であるため、数値制御工作機械で加工した部品
の加工精度を向上させることができる。さらに、様々な
条件で最適な値を設定できるため、動作中の振動や熱と
いった外乱を抑制することができる。それによって、結
果的には数値制御工作機械の機械寿命も延ばすこともで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である数値制御工作機械の
主として制御装置側の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図2】同じくその主として工作機械側の要部構成を示
す図である。
【図3】図1における表示部4による変数データ入れ換
え方法の選択画面の一例を示す図である。
【図4】この発明による制御方法の具体的な条件例1を
説明するための図である。
【図5】図4に示す加工を行う場合に生じる象限切り換
え時の突起現象の説明図である。
【図6】この発明による制御方法の具体的な条件例2を
説明するための図である。
【図7】この発明による制御方法の具体的な条件例3を
説明するための図である。
【符号の説明】
1:制御装置 2:コントロールユニット 3:入力部 4:表示部 5:外部記憶装置 6:モータ制御部 7:CPU 8:ROM 9:RAM 10:バス 11:第1主軸回転制御部 12:第1刃物台移動制御部 20:工作機械 21:第1主軸回転駆動源(主軸モータ) 22:第1刃物台駆動機構 30〜34:ワーク(被加工材) 40〜44:工具(回転工具を含む) 50,210:主軸 60:背面主軸 220,230:刃物台 221x:X軸送りモータ 221z:Z軸送りモータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月12日(2001.11.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】したがって、モータの調整データが複数あ
ったとしても、それを加工条件や使用条件に応じて切り
換える手段はなかった。そのため、もしこれらの条件に
応じて調整データを切り換えようとしても、キー入力な
どによって一つ一つ調整データを変更するしかなく、ま
してや加工中に自動的に書き換えることなどできなかっ
た。この発明は、このような現状に鑑みてなされたもの
であり、数値制御工作機械における各主軸あるいは刃物
台が搭載された軸を駆動する各モータを、加工プログラ
ム実行中常に加工条件および使用条件に応じた適正値で
動作するように制御し、加工精度を向上させるとともに
加工効率も高め、動作中の振動や熱の発生も抑制できる
ようにすることを目的とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】これらの各調整データ(変数データ)を、
数値制御装置すなわち図1に示した制御装置1のコント
ロールユニット2の内部メモリであるROM8あるいは
外部記憶装置5に、それぞれファイル名を付けて保存す
る。このコントロールユニット2のもう一つの内部メモ
リであるRAM9には、前述したように、加工プログラ
ムを実行中に工作機械20側の各モータの動作を直接左
右する調整データが保存されている変数データ領域があ
り、ここからCPU7が読み出した変数データがモータ
制御部6へ制御指令として送られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】その加工プログラムの実行中に、加工条件
と使用条件の組み合わせを判別して、その組み合わせ条
件の種類が、これまで使用した変数データと異なるファ
イルのものに変ったとき、その新たな条件の種類に対応
するファイル名の変数データを、ROM8あるいは外部
記憶装置5から読み出して、RAM9の変数データ領域
のデータをその読み出したデータに入れ換える(書き換
える)。変数データを入れ換える方法に複数の方法があ
り、変数データ入れ換え方法の選択を表示部4の画面に
よって行う。図3に表示部4によるその変数データ入れ
換え方法の選択画面の一例を示す。この例では、画面の
中から[自動],[プログラム指令],[操作]のいず
れか一つを選択することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】[具体的な条件例3:使用条件]図7に示
すように、主軸50のチャックで掴んだワーク34を割
り出し、所要の割り出し位置で主軸50が停止した状態
で固定し、そのワーク34の側面(周面)に回転工具4
4によって微細な2次加工をする表6の加工条件の場合
について説明する。主軸50を割り出す場合、一般的に
はあらゆる加工の負荷に耐えうるような保持力が必要と
される。これは主軸の応答性(ゲイン)を上げるなどし
て行うが、反面、振動する傾向にある。速度の変化に対
して敏速に反応するために、アイドル状態でも常に高い
電流を流してロックしたような状態にするなどの制御を
するためである。この振動は機械が持つ振動と比べれば
小さく抑えられるが、微細な加工に対して影響する場合
がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの主軸および少なくとも
    1つの刃物台を有する数値制御工作機械の制御方法であ
    って、 前記数値制御工作機械による旋削,穴あけ,ねじ切り等
    の加工条件と高速,中速,低速等の使用条件の組み合わ
    せ毎に、予め前記主軸および刃物台を駆動する各モータ
    の最適な調整値を求めて変数データのファイルとして保
    存しておき、 前記数値制御工作機械が加工プログラム実行中に、前記
    加工条件と使用条件を判別し、その判別した加工条件と
    使用条件の組み合わせが、前記変数データが異なるファ
    イルのものに変ったとき、実行中の加工プログラムで前
    記各モータの調整に使用する変数データを、その変更後
    の加工条件と使用条件の組み合わせに対応する前記ファ
    イルの変数データに入れ換えることを特徴とする数値制
    御工作機械の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記加工条件と使用条件の判別を、実行
    中の加工プログラムの指令の種別によって行うことを特
    徴とする請求項1記載の数値制御工作機械の制御方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つの主軸および少なくとも
    1つの刃物台を有する数値制御工作機械の制御装置であ
    って、 前記数値制御工作機械による旋削,穴あけ,ねじ切り等
    の加工条件と高速,中速,低速等の使用条件の組み合わ
    せ毎に、予め求められた前記主軸および刃物台を駆動す
    る各モータの最適な調整値を変数データのファイルとし
    て保存する記憶手段と、 前記数値制御工作機械が加工プログラム実行中に、前記
    加工条件と使用条件を判別する条件判別手段と、 該手段が判別した加工条件と使用条件の組み合わせが、
    前記記憶手段に記憶している変数データが異なるファイ
    ルのものに変ったとき、前記記憶手段からその変更後の
    加工条件と使用条件の組み合わせに対応する前記ファイ
    ルの変数データを読み出して、実行中の加工プログラム
    で前記各モータの調整に使用する変数データをその読み
    出した変数データと入れ換える変数データ入換手段とを
    設けたことを特徴とする数値制御工作機械の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記条件判別手段は、前記加工条件と使
    用条件の判別を、実行中の加工プログラムの指令の種別
    によって行う手段であることを特徴とする請求項3記載
    の数値制御工作機械の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の制御装置を組み込
    んだことを特徴とする数値制御工作機械。
JP2001340063A 2001-11-05 2001-11-05 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械 Pending JP2003136369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340063A JP2003136369A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340063A JP2003136369A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003136369A true JP2003136369A (ja) 2003-05-14
JP2003136369A5 JP2003136369A5 (ja) 2005-06-30

Family

ID=19154320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001340063A Pending JP2003136369A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003136369A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014087853A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Tsugami Corp 工作機械
KR101431832B1 (ko) * 2007-11-20 2014-08-27 두산인프라코어 주식회사 공작 기계의 스핀들 모터 사양에 따른 출력 제어 장치 및방법
JP2014531332A (ja) * 2011-09-22 2014-11-27 アクティエボラゲット・エスコーエッフ 機械加工操作のインプロセス補償及び機械装置
WO2015129739A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 株式会社アマダマシンツール 工作機械
JP2016103193A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 ファナック株式会社 サイクルタイムに係るパラメータ設定支援機能を有する数値制御装置
CN106249693A (zh) * 2015-06-09 2016-12-21 发那科株式会社 数值控制装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101431832B1 (ko) * 2007-11-20 2014-08-27 두산인프라코어 주식회사 공작 기계의 스핀들 모터 사양에 따른 출력 제어 장치 및방법
JP2014531332A (ja) * 2011-09-22 2014-11-27 アクティエボラゲット・エスコーエッフ 機械加工操作のインプロセス補償及び機械装置
JP2014087853A (ja) * 2012-10-29 2014-05-15 Tsugami Corp 工作機械
WO2015129739A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 株式会社アマダマシンツール 工作機械
JP2016103193A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 ファナック株式会社 サイクルタイムに係るパラメータ設定支援機能を有する数値制御装置
US10444737B2 (en) 2014-11-28 2019-10-15 Fanuc Corporation Numerical controller having parameter setting support function relating to cycle time
CN106249693A (zh) * 2015-06-09 2016-12-21 发那科株式会社 数值控制装置
JP2017004188A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 ファナック株式会社 加減速設定自動切換機能を備えた数値制御装置
US10146213B2 (en) 2015-06-09 2018-12-04 Fanuc Corporation Numerical controller for automatically switching acceleration/deceleration setting in accordance with machining content or state
CN106249693B (zh) * 2015-06-09 2019-03-15 发那科株式会社 数值控制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7117774B2 (en) Automatic lathe
JP5506945B2 (ja) 工作機械の数値制御方法及び数値制御装置
JP5240412B1 (ja) 数値制御装置
US20100114359A1 (en) Programming apparatus
CN1675024B (zh) 转塔刀架的刀具选择动作的控制方法及控制装置
JPS62237504A (ja) 数値制御装置
CN115552341A (zh) 机床以及信息处理装置
JP2003136369A (ja) 数値制御工作機械の制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械
JP2011237880A (ja) 工具交換位置の自動決定機能を備えた工作機械の制御装置
JP4059411B2 (ja) Nc工作機械の制御装置
JP5059360B2 (ja) 工作機械の早送り制御方法
US6163735A (en) Numerically controlled machine tool
JP2003136332A (ja) 数値制御工作機械のねじ切り制御方法および制御装置とそれを組み込んだ数値制御工作機械
JP2002079401A (ja) 複合加工工作機械
WO2022264260A1 (ja) 情報処理装置、工作機械の制御装置、及びコンピュータプログラム
CN117440869A (zh) 用于工具机的振动切削条件设定装置
JP2002273601A (ja) 多軸工作機械
JP2001228909A (ja) 工作機械及びその制御方法
KR100490008B1 (ko) 복합가공공작기계
JPS58126046A (ja) 数値制御旋盤における工具交換位置の位置決め制御方法
JP2001138136A (ja) ネジ切り加工制御装置
JP2004074357A (ja) 可動構造体の駆動源の自動調整方法及び制御装置
WO2023139743A1 (ja) 情報処理装置、工作機械の制御装置、及びコンピュータプログラム
JP4286940B2 (ja) 工作機械のnc加工プログラム作成方法および装置
JP7434326B2 (ja) 工具情報設定装置及び工作機械

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041008

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116