JP2003136264A - レーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接方法

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JP2003136264A
JP2003136264A JP2001334086A JP2001334086A JP2003136264A JP 2003136264 A JP2003136264 A JP 2003136264A JP 2001334086 A JP2001334086 A JP 2001334086A JP 2001334086 A JP2001334086 A JP 2001334086A JP 2003136264 A JP2003136264 A JP 2003136264A
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asi
amn
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JP2001334086A
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Akira Sotodate
明 外舘
Kiyoshi Kanayama
潔士 金山
Makoto Katsuki
誠 勝木
Yasuhiro Ueno
泰弘 上野
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Nippon Kokan Koji KK
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Nippon Kokan Koji KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼材、特にSiおよびMnの含有量が少ない
鋼材のレーザ溶接において、溶接金属中のポロシティの
発生を防止するレーザ溶接方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 レーザ照射部に、SiおよびMnを添加
する。特に、炭酸ガスを容積比で70〜100%混合し
たシールドガスを用いて、式で規定されるSiに関する
量AsiおよびMnに関する量Amnを用い、Asiが
0.015mass%未満、且つAmnが0.45〜
0.8mass%になるように、またはAsiが0.0
15〜0.02mass%、且つAmnが0.36ma
ss%以上になるように、SiおよびMnを含有するフ
ィラー材を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材を接合するレ
ーザ溶接方法、特に溶接金属内のポロシティの発生を防
止するレーザ溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ溶接方法は、レーザ発振装置によ
って発生したレーザビームを溶接トーチに導き、溶接ト
ーチ内の集光レンズで細く絞ってレーザ溶接される鋼材
に照射し、加熱,溶融して接合する方法である。該鋼材
に照射されるレーザビームは高エネルギ密度を有するた
め、該鋼材にレーザビームを照射すると表面で激しい蒸
発が生じ、その蒸気反力として該鋼材の表面に穴(以
下、キーホールと称す)ができる。このキーホールに入
ったレーザビームの反射損失は小さくなり、キーホール
は次第に深くなり、深溶込みの溶接ができるものであ
る。
【0003】すなわち、レーザ溶接方法は非常にエネル
ギ密度の高い溶接方法であり、溶込み幅が狭く、溶込み
深さも深いという特徴を有している。しかし、溶込み深
さが深いことや凝固速度が速い等のため、溶接金属中に
ポロシティが発生するという問題点があったため、本発
明者等は、以下の技術による解決を図ってきた。
【0004】図7は特開2001−138085号公報
に開示されている従来のレーザ溶接方法の構成図であ
る。図7において、レーザ溶接装置は、レーザ発振装置
101によって発生したレーザビーム102を、レンズ
103やミラー104により溶接トーチ105に導き、
溶接トーチ105内の集光レンズ106で集光して鋼材
107に照射し、照射したビームのエネルギにより鋼材
107を加熱,溶融して接合する。かかるレーザ溶接を
行なうときに、不活性ガスに炭酸ガスを容積比で80%
〜95%混合したガスをシールドガスとして溶接トーチ
105の先端のノズル108から噴出するようにしたも
のである。
【0005】すなわち、ArおよびHeの一方または両
方を有する不活性ガスをシールドガスとして使用した場
合に、鋼材107が溶融して形成されるキーホールの先
端において、レーザビームの吸収率に乱れが生じ、これ
により溶融金属の流動が不規則となって気泡が発生した
り、溶込み深さが不安定になるとの考えに基づき、該不
活性ガス中に炭酸ガスを容積比で80%〜95%混合し
たガスをシールドガスとして使用している。(以下、従
来技術と称す)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、炭
酸ガスを多量に混合したシールドガスを使用することに
より、溶接金属中のポロシティの発生を大幅に減少する
ことができた。しかしながら、一部の鋼材(例えば、S
iおよびMnの含有量が少ない鋼材)においては、依然
としてポロシティ発生の問題点が解消していなかった。
【0007】図8は、レーザ溶接中における溶融金属内
の気泡生成挙動をリアルタイムに観察するリアルタイム
X線透過観察装置を示す。図8において、鋼材50はシ
ール箱51に包囲されて作業台52に取り付けられ、鋼
材50に向けて、YAGレーザ61からのレーザビーム
60が照射されている。
【0008】さらに、観測用のX線70が真空X線管7
1より、レーザビーム60の照射方向と垂直の方向に照
射されている。そして、鋼材50を透過したX線70
は、第1の画像拡大装置81および第二の画像拡大装置
82を経由して高速度カメラ80に捉えられる。また、
第1の画像拡大装置81と第二の画像拡大装置82の中
間位置で、X線70は一部分岐され、CCDカメラ90
に捉えられる。したがって、鋼材50におけるレーザ溶
接溶融池の挙動をリアルタイムに観察することができ
る。
【0009】図9は、図8に示すリアルタイムX線透過
観察装置を用いた、前記鋼材(SiおよびMnの含有量
が少ない鋼材)について、レーザ溶接中における溶融金
属内の気泡生成挙動をリアルタイムに観察した、本発明
者等の観察結果であって、CCDカメラによる映像写真
を模式図に表したものである。鋼材50は、SGP材
(板厚6.9mm、化学成分はCが0.05mass
%、Siが0.01mass%未満、Mnが0.36m
ass%、Pが0.019mass%、Sが0.003
mass%)で、シールドガスは炭酸ガスを同軸ノズル
により流量30リットル/分で噴出して溶接部を保護し
た。溶接条件はYAGレーザ出力3.0kW、溶接速度
5.0mm/秒である。
【0010】図9の(a)(b)(c)および(d)
は、それぞれ観測開始時(0ミリ秒)から60ミリ秒間
隔で観測したものである。これより、ポロシティの原因
となる気泡はキーホール底部で生成されるのではなく、
溶融池後方の溶融金属内で生成し、かかる気泡が溶融池
内に残留して、ポロシティが形成されることが、本発明
者等により発見された。そこで、鋼材中のSiおよびM
nの量に着目し、以下の調査を実施した。
【0011】図10はレーザ溶接後の溶接金属内のポロ
シティの状況を、各種鋼材ならびに新たに作成した鋼に
ついて評価した結果である。図10において、ポロシテ
ィの評価は「鋼溶接継手の放射線透過試験方法(JIS
−Z3104)」に準じて、無欠陥の1類を白丸(○)
で、小欠陥がある2類および3類を三角(△)で、欠陥
がある4類をバツ(×)で表示している。縦軸は鋼材中
のSi量(mass%)、横軸は鋼材中のMn量(ma
ss%)である。
【0012】図10より、鋼材中のSi量が0.015
mass%未満で且つ鋼材中のMn量が0.45mas
s%未満の範囲(図中、ハッチング無しの範囲)は、欠
陥が残存し、従来技術によるポロシティの低減効果が認
められない。また、鋼材中のSi量が0.015mas
s%未満で且つ鋼材中のMn量が0.45〜0.80m
ass%の範囲、および鋼材中のSi量が0.015〜
0.02mass%で且つ鋼材中のMn量が0.36m
ass%未満の範囲(図中、単ハッチングの範囲)は、
小欠陥が残存し、従来技術をもってしても、完全にポロ
シティの発生を防止することができないことが示されて
いる。
【0013】一方、鋼材中のSi量が0.015mas
s%未満で且つ鋼材中のMn量が0.80mass%以
上の範囲、鋼材中のSi量が0.015〜0.020m
ass%で且つ鋼材中のMn量が0.36mass%以
上の範囲、および鋼材中のSi量が0.02mass%
以上の範囲(図中、複ハッチングの範囲)は、欠陥が観
察されず、従来技術によるポロシティの低減効果が十分
発揮され、ポロシティの発生が防止されることが示され
る。なお、0.015〜0.020の記載は、0.01
5以上から0.020未満の範囲を示し、これと異なる
数値についても同様とする。
【0014】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、SiおよびMnの含有量が少
ない鋼材においても、ポロシティの発生を防止できるレ
ーザ溶接方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ溶接
方法は、 (1)レーザ照射部にSiおよびMnを添加することを
特徴とするものである。 (2)また、前記(1)において、ArおよびHeの一
方または両方を有する不活性ガス中に炭酸ガスを容積比
で70〜100%混合したシールドガスを用いることを
特徴とするものである。 (3)また、前記(1)または(2)において、レーザ
溶接される鋼材が、Si量を0.015mass%未
満、且つMn量を0.45mass%未満含有するこ
と、またはSi量を0.015〜0.02mass%、
且つMn量を0.36mass%未満含有すること、ま
たはSi量を0.015mass%未満、且つMn量を
0.45〜0.8mass%含有することを特徴とする
ものである。
【0016】(4)さらに、前記(1)、(2)または
(3)において、次式で表されるSiに関する量Asi
およびMnに関する量Amnを用い、Asiが0.01
5mass%未満、且つAmnが0.45〜0.8ma
ss%になるように、あるいはAsiが0.015〜
0.02mass%、且つAmnが0.36mass%
以上になるように、SiおよびMnを含有するフィラー
材を適用することを特徴とするものである。 Asi=Bsi×Sb/Sw+Fsi×Sf/Sw Amn=Bmn×Sb/Sw+Fmn×Sf/Sw ここで、Sf=Vf/Vt Sb=Sw−Sf Vf: 適用されるフィラー材の溶融速度(mm3/
分) Vt: 溶接トーチの移動速度(mm/分) Sw: レーザ溶接された溶融全断面積(mm2) Sf: 適用されるフィラー材の溶融断面積(mm2) Sb: レーザ溶接される鋼材の溶融断面積(mm2) Bsi:レーザ溶接される鋼材のSi量(mass%) Bmn:レーザ溶接される鋼材のMn量(mass%) Fsi:適用されるフィラー材のSi量(mass%) Fmn:適用されるフィラー材のMn量(mass%) (5)前記(1)、(2)または(3)において、前記
(4)に記載された式で表されるSiに関する量Asi
およびMnに関する量Amnを用い、Asiが0.02
mass%以上になるように、あるいはAsiが0.0
15〜0.02mass%、且つAmnが0.36ma
ss%以上になるように、あるいはAmnが0.8ma
ss%以上になるように、SiおよびMnを含有するフ
ィラー材を適用することを特徴とするものである。
【0017】本発明においては、SiおよびMnが添加
されるから、SiおよびMnの含有量が少ない鋼材にお
いても、溶接金属中のポロシティの発生が防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1は本発明の一
実施形態に係るレーザ溶接方法における作業状況を説明
する一部断面の斜視図である。図1において、レーザ溶
接される鋼材1とレーザ溶接される鋼材2が当接面3に
おいて、相互に当接され、矢印の方向にレーザ溶接され
る。図示しないレーザ発振装置において発生したレーザ
ビーム10は、溶接トーチ11に導かれ、溶接トーチ1
1内に装備した図示しない集光レンズにより集光された
後、当接面3に照射される。
【0019】また、SiおよびMnを含有するワイヤ状
のフィラー材20は、フィラーワイヤコンタクトチップ
21に案内されて、レーザビーム10の照射位置に連続
的に供給される。このとき、フィラー材20は、当接面
3と同一平面内にあって、溶接方向と逆の方向で斜め下
向きに所定の角度を持って案内されている。さらに、該
照射位置に向けてシールドガスを噴出するシールドガス
ノズル12が、溶接トーチ11に設置されている。
【0020】したがって、溶接トーチ11を矢印方向に
移動することにより、レーザビーム10の照射位置には
キーホール4が形成され、キーホール4の後方(該移動
方向の後方)には溶融金属5(図中、単ハッチングにて
示す)が、さらに、その後方には溶融金属5が凝固した
溶接金属6(図中、複ハッチングにて示す)が形成され
る。このとき、溶接金属6中にポロシティのない良好な
接合が達成された。
【0021】[実施形態2]図2は本発明の他の実施形
態に係るレーザ溶接方法における作業状況を説明する溶
接方向に平行な断面図である。なお、図1に示す実施の
形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説
明を省略する。図2において、SiおよびMnを含有す
る粉末状のフィラー材30が、フィラー粉末供給ガイド
31に案内されて、レーザビーム10の照射位置に連続
的に供給される。したがって、前記実施の形態1と同様
の作用、効果を奏する。なお、供給されたフィラー材3
0が裏面に流れ出さないように裏当て材7を設置してい
るが、必ずしも必要としない。
【0022】[実施形態3]図3は本発明の他の実施形
態に係るレーザ溶接方法における作業状況を説明する溶
接方向に垂直な断面図である。なお、図1に示す実施の
形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説
明を省略する。図3において、レーザ溶接される鋼材1
と鋼材2の当接面3に、SiおよびMnを含有する箔な
いし薄板状のフィラー材40が挟まれている。したがっ
て、前記実施の形態1と同様の作用、効果を奏する。
【0023】[実施例1]図4は本発明の実施形態1に
係るレーザ溶接方法における実施の効果を示す模式図で
あって、レーザ溶接後の溶接金属の断面マクロ写真を基
に作図したものである。鋼材としたSGP材の化学成分
を表1に、フィラーワイヤの化学成分を表2に示す。フ
ィラーワイヤは、SiおよびMnの含有量が高いW1
と、これらの含有量が低いW2の2種類を使用した。ま
た、溶接条件はYAGレーザ出力3.0kW、溶接速度
7.5mm/秒で、シールドガスは炭酸ガスを同軸ノズ
ルにより流量30リットル/分で噴出して溶接部を保護
し、フィラーワイヤの溶融速度を変更している。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】図4の(a)、(b)および(c)は、S
iおよびMnの含有量が高いフィラーワイヤW1を、そ
れぞれ、565mm3/分、847mm3/分、および
1130mm3/分で供給したものである。いずれのフ
ィラーワイヤの溶融速度においても、ポロシティが観察
されていない。一方、図4の(d)、(e)および
(f)は、SiおよびMnの含有量が低いフィラーワイ
ヤW2を、それぞれ、1130mm3/分、1694m
m3/分、および2260mm3/分で供給したもので
ある。いずれのフィラーワイヤの溶融速度においても、
ポロシティが残存してる。
【0027】以上より、SiおよびMnの含有量が高い
フィラーワイヤの適用は、ポロシティの発生防止に有効
であることが確認され、一方、SiおよびMnの含有量
が低いフィラーワイヤの適用はポロシティの低減に有効
に作用しないことが示されている。
【0028】[実施例2]図5は本発明の実施形態1に
係るレーザ溶接方法における実施の効果を示す相関図で
あって、縦軸は下記式で表されるSiに関する量Asi
(mass%)、横軸は次式で表されるMnに関する量
Amn(mass%)である。 Asi=Bsi×Sb/Sw+Fsi×Sf/Sw Amn=Bmn×Sb/Sw+Fmn×Sf/Sw ここで、Sf=Vf/Vt Sb=Sw−Sf Vf: 適用されるフィラー材の溶融速度(mm3/
分) Vt: 溶接トーチの移動速度(mm/分) Sw: レーザ溶接された溶融全断面積(mm2) Sf: 適用されるフィラー材の溶融断面積(mm2) Sb: レーザ溶接される鋼材の溶融断面積(mm2) Bsi:レーザ溶接される鋼材のSi量(mass%) Bmn:レーザ溶接される鋼材のMn量(mass%) Fsi:適用されるフィラー材のSi量(mass%) Fmn:適用されるフィラー材のMn量(mass%)
【0029】図6はAsiおよびAmnを求めるめのレ
ーザ溶接された溶融部の各溶融断面積を説明する、溶接
方向に垂直な断面図である。なお、図1に示す実施の形
態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明
を省略する。図6の(a)に記載された砂地範囲は、レ
ーザ溶接された溶融全断面積Sw(mm2)を示し、レ
ーザ溶接された後、断面を計測して求めることができ
る。図6の(b)に記載された右下がりの斜線範囲は、
適用されるフィラー材の溶融断面積Sf(mm2)を示
し、適用されるフィラー材の溶融速度Vf(mm3/
分)および溶接トーチの移動速度Vt(mm/分)を計
測し、その比率(Sf=Vf/Vt)から求めることが
できる。また、図6の(b)に記載された左下がりの斜
線範囲は、レーザ溶接される鋼材の溶融断面積Sb(m
m2)を示し、レーザ溶接された溶融全断面積Sw(m
m2)から適用されるフィラー材の溶融断面積Sf(m
m2)を差し引いて(Sb=Sw−Sf)求めることが
できる。表3に各溶融断面積の計測例を示す。
【0030】
【表3】
【0031】溶接条件は、YAGレーザ出力3.0k
W、溶接速度7.5mm/秒で、シールドガスは炭酸ガ
スを同軸ノズルにより流量30リットル/分で噴出して
溶接部を保護し、鋼材ならびにフィラーワイヤの化学成
分、およびフィラーワイヤの溶融速度を各種変更した。
溶接後のポロシティの評価は「鋼溶接継手の放射線透過
試験方法(JIS−Z3104)」に準じて、無欠陥の
1類を白丸(○)で、小欠陥がある2類および3類を三
角(△)で、欠陥がある4類をバツ(×)で表示してい
る。
【0032】図5より、Siに関する量Asiが0.0
15mass%未満で且つMnに関する量が0.45m
ass%未満の範囲(図中、ハッチング無しの範囲)
は、欠陥が残存し、かかるSiおよびMnの添加では、
ポロシティの低減効果がないことが示されている。
【0033】また、Siに関する量Asiが0.015
mass%未満で且つMnに関する量Amnが0.45
〜0.80mass%の範囲(図中、単ハッチングの範
囲)、およびSiに関する量Asiが0.015〜0.
02mass%で且つMnに関する量Amnが0.36
mass%未満の範囲(図中、単ハッチングの範囲)
は、わずかに小欠陥が残存するものの、ポロシティの低
減効果が認められる。
【0034】さらに、Siに関する量Asiが0.01
5mass%未満で且つMnに関する量Amnが0.8
0mass%以上の範囲、Siに関する量Asiが0.
015〜0.02mass%で且つMnに関する量Am
nが0.36mass%以上の範囲、およびSiに関す
る量Asiが0.020mass%以上の範囲(図中、
複ハッチングの範囲)は、欠陥が観察されず、かかるS
iおよびMnを添加すれば、ポロシティの低減効果が十
分発揮され、ポロシティの発生を防止できることが示さ
れている。
【0035】[実施例3]表3は本発明の実施形態1に
係るレーザ溶接方法における実施の効果を示す表であっ
て、シールドガスに含まれる炭酸ガスの量の影響を示す
ものである。添加元素の量を行とし、シールドガスに含
まれる炭酸ガスの割合を列として、溶接後のポロシティ
の評価を、前記要領により、無欠陥の1類を白丸
(○)、小欠陥がある2類および3類を三角(△)、欠
陥がある4類をバツ(×)で表示している。また、レー
ザ溶接される鋼材は前記SGP材(表1)、フィラーワ
イヤは前記W1(表2)であり、溶接条件はYAGレー
ザ出力3.0kW、溶接速度7.5mm/秒で、シール
ドガスは同軸ノズルにより流量30リットル/分で噴出
して溶接部を保護している。
【0036】表4より、炭酸ガスが容積比で70%以上
含まれるシールドガスを用いれば、ポロシティ低減効果
が得られる。
【0037】
【表4】
【0038】なお、以上の実施例は、フィラーワイヤに
ついてのものであるが、本願発明はフィラーワイヤに限
定するものではなく、粉末状のフィラー材あるいは箔な
いし板状のフィラー材であってもよい。このとき、Si
に関する量AsiおよびMnに関する量は上記式に準じ
て求めることができる。また、レーザビームは、YAG
レーザ、炭酸ガスレーザ等いずれであってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、レーザ照
射部にSiおよびMnを添加するようにして、溶接金属
中のポロシティの発生を防止するという顕著な効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザ溶接方法にお
ける作業状況を説明する一部断面の斜視図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るレーザ溶接方法に
おける作業状況を説明する溶接方向に平行な断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施形態に係るレーザ溶接方法に
おける作業状況を説明する溶接方向に垂直な断面図であ
る。
【図4】本発明の実施形態1に係るレーザ溶接方法にお
ける実施の効果を示す模式図であって、レーザ溶接後の
溶接金属の断面マクロ写真を基に作図したものである。
【図5】本発明の実施形態1に係るレーザ溶接方法にお
ける実施の効果を示す相関図であって、縦軸はSiに関
する量Asi、横軸はMnに関する量Amnである。
【図6】AsiおよびAmnを求めるためのレーザ溶接
された溶融部の各溶融断面積を説明する、溶接方向に垂
直な断面図である。
【図7】従来のレーザ溶接方法の実施例の構成図であ
る。
【図8】レーザ溶接中における溶融金属内の気泡生成挙
動をリアルタイムに観察するリアルタイムX線透過観察
装置である。
【図9】レーザ溶接される鋼材について、レーザ溶接中
における溶融金属内の気泡生成挙動をリアルタイムに観
察した観察結果である。
【図10】レーザ溶接後の溶接金属内のポロシティの状
況を各種鋼材について評価した結果である。
【符号の説明】
1 レーザ溶接される鋼材 2 レーザ溶接される鋼材 3 当接面 4 キーホール 5 溶融金属 6 溶接金属 7 裏当て材 10 レーザビーム 11 溶接トーチ 12 シールドガスノズル 20 ワイヤ状のフィラー材 21 フィラーワイヤコンタクトチップ 30 粉末状のフィラー材 31 フィラー粉末供給ガイド 40 箔ないし薄板状のフィラー材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝木 誠 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 上野 泰弘 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 Fターム(参考) 4E068 BA06 CH08 CJ06 DB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ照射部にSiおよびMnを添加す
    ることを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 ArおよびHeの一方または両方を有す
    る不活性ガス中に炭酸ガスを容積比で70〜100%混
    合したシールドガスを用いることを特徴とする請求項1
    記載のレーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】 レーザ溶接される鋼材が、Si量を0.
    015mass%未満、且つMn量を0.45mass
    %未満含有すること、またはSi量を0.015〜0.
    02mass%、且つMn量を0.36mass%未満
    含有すること、またはSi量を0.015mass%未
    満、且つMn量を0.45〜0.8mass%含有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 次式で表されるSiに関する量Asiお
    よびMnに関する量Amnを用い、Asiが0.015
    mass%未満、且つAmnが0.45〜0.8mas
    s%になるように、あるいはAsiが0.015〜0.
    02mass%、且つAmnが0.36mass%以上
    になるように、SiおよびMnを含有するフィラー材を
    適用することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    レーザ溶接方法。 Asi=Bsi×Sb/Sw+Fsi×Sf/Sw Amn=Bmn×Sb/Sw+Fmn×Sf/Sw ここで、Sf=Vf/Vt Sb=Sw−Sf Vf: 適用されるフィラー材の溶融速度(mm3/
    分) Vt: 溶接トーチの移動速度(mm/分) Sw: レーザ溶接された溶融全断面積(mm2) Sf: 適用されるフィラー材の溶融断面積(mm2) Sb: レーザ溶接される鋼材の溶融断面積(mm2) Bsi:レーザ溶接される鋼材のSi量(mass%) Bmn:レーザ溶接される鋼材のMn量(mass%) Fsi:適用されるフィラー材のSi量(mass%) Fmn:適用されるフィラー材のMn量(mass%)
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された式で表されるSi
    に関する量AsiおよびMnに関する量Amnを用い、
    Asiが0.02mass%以上になるように、あるい
    はAsiが0.015〜0.02mass%、且つAm
    nが0.36mass%以上になるように、あるいはA
    mnが0.8mass%以上になるように、Siおよび
    Mnを含有するフィラー材を適用することを特徴とする
    請求項1、2または3記載のレーザ溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005334974A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 L'air Liquide Sa Pour L'etude & L'exploitation Des Procede S Georges Claude レーザ溶接方法
WO2017099004A1 (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 国立大学法人大阪大学 突合せ溶接方法
CN114378437A (zh) * 2020-10-16 2022-04-22 通快激光与系统工程有限公司 用于监控激光焊接过程的孔隙缺陷的方法和加工机器

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