JP2003135587A - 共形の(コンフォーマル)フィルムによる薬物送達 - Google Patents

共形の(コンフォーマル)フィルムによる薬物送達

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JP2003135587A
JP2003135587A JP2001330325A JP2001330325A JP2003135587A JP 2003135587 A JP2003135587 A JP 2003135587A JP 2001330325 A JP2001330325 A JP 2001330325A JP 2001330325 A JP2001330325 A JP 2001330325A JP 2003135587 A JP2003135587 A JP 2003135587A
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Marian L Larson
エル、ラーソン マリアン
Eugen A Larson
エイ、ラーソン ユージーン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物送達を可能とする医療用具を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の薬物送達共形フィルム系は、使
用の時点で医療関係者により、心血管及び泌尿器科ステ
ント、等の医療用具に、調合され、適用される。当該薬
物送達共形フィルムは、インビボで生体適合性で;生分
解性、生体侵食性若しくは生体吸収性の形態;(1)架
橋されたアルギン酸ナトリウム、(2)UV光活性ポリ
マー、(3)ヒドロゲルの三つのうちの一つからなる。
移植可能な医療用具は、ポリマーを含み、薬物を含有す
る、インビボで生体適合性で;生分解性若しくは生体侵
食性若しくは生体吸収性の溶液であって、架橋される
か、又は硬化されて、体内に配置される直前に用具上に
フィルムを形成する溶液により被覆される。本発明は、
使用時点のインビボ薬物送達系であて、薬物及びその濃
度を医療用具の移植直前に医療関係者により選択される
上記薬物送達系を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インビボでの心血
管系及び他の体の部位内への局所的な薬物送達に関す
る。特に、本発明は生体吸収可能な/生分解性又は不活
性な、インビボ生体適合性共形フィルムの被覆をインプ
ラント可能な医療用具に適用することによる薬物の局所
的な送達に向けられている。
【0002】
【従来の技術】血管形成術は、閉塞の領域内の血管にバ
ルーンカテーテルを配置し、膨張することを含む処置で
あり、それにより堆積したプラークを破壊し、血管を開
通する。この技術は短期間においては良好に働くもの
の、現在の文献により、行われる全ての血管形成手術の
30から50%で、6ヶ月以内に追跡処置が必要となること
が示されている。これは、不完全なプラーク除去及び再
狭窄として知られる血管の炎症の結果としての瘢痕組織
の形成による。再狭窄は有意な疾病率及び死亡率を与
え、しばしば、たとえば、繰り返しの血管形成術、冠動
脈バイパス、レーザー手術又は局所的薬物送達等の更な
る介入を必要とする。繰り返しの血管形成術又は外科手
術は高価であり、不便であり、かつ生命を危うくする可
能性があるので、過去数年間にわたり、医療産業におい
ては、再狭窄と闘う努力が集中的に行われている。
【0003】血管形成術の長期の成功についての限界
は、不意の閉鎖(4.4〜8.3%)及び血管の再狭窄(慢性
の再閉鎖30〜50%)であり、その両方は、過度の血管損
傷に関連する。
【0004】血管内ステンティング(stenting)(血管
内への支持構造の配置)は、これらの問題への取り組み
においてある程度の成功を収めてきた。これらの用具
は、構造的な支持を提供し、血管壁が閉じるのを防ぎ、
膨張の後血管内にプラークが落ちることによる動脈の閉
塞の問題を最小限にする。
【0005】ステントは、様々な組成の材料を用いて作
られてきた。ウィクター(Wiktor)に対する米国特許番
号4,886,062号は、例えば、銅合金、チタン、又は金な
どの低形状記憶金属から作られたステントを記述する。
現在のステント設計は、血栓形成性(血餅形成を生じ
る)であり、免疫刺激性(細胞形成を生じる)である傾
向がある。現在の金属ステント設計では、再狭窄の問題
を取り除き得ない。もし再狭窄が再発するようなら、レ
ーザー外科手術又は他の血管形成術用具を用いる、局在
化した薬物送達等の追跡処置が必要となる。ステント単
独では、平滑筋細胞の過形成を抑制することができず、
また再狭窄又は血栓を防ぐことができない。抗血栓形成
性薬物及び平滑筋細胞の過形成を抑制することができる
薬物の局所的な送達が望ましい。
【0006】再狭窄、血栓及び凝血に対処するための薬
物の局所送達を提供するため、製造設計の間カテーテル
若しくはステント上又は中に薬物が取り込まれてきた。
ショッキー(Shockey)らに対する米国特許第4,994,033
号;サハトジャン(Sahatjian)らに対する第5,674,192
号、及びウォルフ(Wolff)らに対する第5,545,208号
は、薬物の所望の用量を含有する吸収可能/生分解性ポ
リマー又はヒドロゲルを含むカテーテルを開示してい
る。薬物送達を付与するステントは、例えば、ターンル
ンド(Turnlund)らに対する米国特許第5,766,710号;
ブシェミ(Buscemi)らに対する第5,769,883号;ユーリ
ー(Eury)らに対する第5,605,696号;ブシェミ(Busce
mi)等に対する第5,500,013号;ブシェミ(Buscemi)等
に対する第5,551,954号及びユーリー(Eury)に対する
第5,443,458号中に見られる。
【0007】装置の製造に関して薬物又は生物学的モデ
ィファイヤー(modifier)を適用する場合、幾つかの問
題、例えば以下の問題が生じる: 1.滅菌:熱又はイオン化放射線が多くの薬物及び生物
学的モディファイヤーの組成を変化させる; 2.薬物の存在は、移植可能な医療用具に関係なくより
短い貯蔵寿命を負わせ、さらに特別な貯蔵(例えば、冷
蔵)を要するかもしれない; 3.薬物の用量を特定の患者のニーズに対し、変えるこ
とができない; 4.薬物及び療法の範囲を提供するためには、用具の大
規模な在庫が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、用具
の製造に関連する薬物の適用と関連する困難を克服する
薬物送達系を提供することである。本発明の更なる目的
は、薬物が用具を使用する時点で用具に適用される処置
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、移植可能な薬
物送達可能な医療用具の製造方法に向けられている。当
該方法は、移植可能な医療用具を提供すること、一又は
それ以上の予定された薬物の所望の用量を含む溶液を有
するポリマーを含有する、インビボで生体適合性であ
り、生分解性又は生体吸収性又は生侵食性(bloerodabl
e)の液体又はゲル溶液で当該用具をコーティングする
ことを含む。当該溶液は、医療用具に付着するフィルム
に変換され、それにより移植可能な薬物−送達性医療用
具が形成される。
【0010】本発明はまた、例えば、心血管及び泌尿器
科ステント、ペースメーカー、血管移植片、人工心臓バ
ルブの縫合リング(suture rings)、移植可能な注射
又は注入口(port)、移植可能な薬物送達ポンプ、整形
外科のハードウェア及び器具、並びに神経学的刺激用具
等の移植可能な医療用具に対して、使用の時点に医療関
係者により適用されるように適合された薬物送達共形フ
ィルムに向けられる。薬物送達共形フィルムは、インビ
ボで生体適合性であり、生分解性、生体侵食性、又は生
体不活性の三つの態様:(1)架橋したアルギン酸ナト
リウム、(2)UV光活性ポリマー、又は(3)ヒドロゲ
ルの一つを包含する。ステント又は例えば人工心臓バル
ブの縫合リング等の他の移植可能な医療器具は、体内に
配置する直前に、この薬物を含み、架橋された若しくは
硬化された、又はそうでなければフィルムを形成するよ
うに処理された生分解性、生体侵食性、又は生体不活性
な材料で被覆される。フィルムで被覆された用具は体内
に導入され、フィルム被覆中に含まれた薬物は局所的な
部位で放出される。本発明は、使用の時点のインビボの
薬物送達系であって、それにより医療関係者により薬物
及びその濃度が医療器具の移植の直前に選択され得る、
上記薬物送達系を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を好ましい態様に言及しな
がら詳細に説明する。全てのパーセントは、そうでない
と明示されている場合を除き、重量パーセントを表す。
【0012】本発明の薬物送達共形フィルム系の中に組
み込まれる薬物又は他の生物活性物質は、種々の機能を
発揮するように意図される。これらの機能には、抗−血
餅又は抗−血小板形成及び管壁上の平滑筋細胞成長の防
止を含むがこれらに限定されない。送達を予想される薬
物には、抗生物質、抗凝血薬、組織発生因子、及び脈管
形成薬が包含される。薬物にはまた、抗−血栓形成薬
(ヘパリン、PPACK、エノキサパリン、アスピリン、ク
マジン、ヒルジン、TPA、ウロキナーゼ、及びストレプ
トキナーゼ)、抗−増殖薬(モノクローナル抗体、ヘパ
リン、アンギオペプチン(angiopeptin)、エノキサパ
リン、メトトレキサート、シスプラチン、フルオロウラ
シル、アドリアマイシン(Adriamycin))、代謝拮抗物
質、トロンボキサン(thromboxane)阻害剤、非ステロ
イド及びステロイド抗−炎症薬、ベータ及びカルシウム
チャンネルブロッカー、遺伝子物質(DNA及びRNA断片を
包含する)、及び生物活性物質(例えば、フィブロネク
チン、ラミニン、エラスチン、コラーゲン、及びインタ
ーグリン(intergrins))が包含されるが、これらには
限定されない。
【0013】前述のように、本発明の薬物送達共形フィ
ルムは、三つのインビボ生体適合性;生分解性、生体侵
食性、又は生体不活性態様:(1)架橋アルギン酸ナト
リウム、(2)UV光−活性ポリマー、(3)ヒドロゲル
(例えば、熱不可逆性ヒドロゲル)の一つを含む。
【0014】アルギン酸ナトリウムは、その生体適合性
及びインビボ生分解性、及び架橋フィルム形成特性のた
め、好ましい。アルギン酸ナトリウムの無菌で、低内毒
素の形態は最近、Monsanto(800 N.Lindbargh Blvd.S
t.Louis,MO)から製品番号K8P569として、又はPro No
va(Strandveien 18,N-1324 Lysaker,ノルウェー)
から製品番号UP MVGとして、得られるようになった。
高度に専門化された精製工程の使用によりアルギン酸塩
において、非常に低い内毒素レベルが得られる。水ゲル
形態のアルギン酸塩は、カルシウム塩及び/又はマグネ
シウム塩との反応により、弾性のフィルムを形成する独
特の能力を有する。一度架橋されると、これらのフィル
ムはその形態を保持し、ストレスに対し抵抗する。
【0015】本発明の好ましい態様は、無菌で、低内毒
素のアルギン酸ナトリウム及び無菌で低発熱物質の水を
含む薬放出薬物送達共形フィルム系であって、塩化カル
シウム溶液を用いて架橋によるゲル化を達成するもので
ある。この発明のために選択されるアルギン酸ナトリウ
ムは、約58から62%のマンヌロン酸含量を有し、約42か
ら38%のグルロン酸含量を有する。そのように製造され
たアルギン酸塩フィルムは、公知であり、許容される、
長期の生体適合性及びインビボでの生分解性を有し、さ
らにフィルムを無菌にし、ヒト組織、臓器及び体液と生
体適合性にする方法及び形態で製造される。精製された
形態にあるアルギン酸ナトリウム、例えば、Monsanto
パート番号K8P569及びProNovaパート番号UP MVGの、許
容可能な程度低レベルの発熱物質しか含有しない水中の
溶液としてのものが、所望のインビボ生体適合性及び公
知のインビボ生分解性を達成する好ましい組成物であ
る。
【0016】例えば、アルギン酸ナトリウム等の、アル
ギン酸塩は、液体又はゲル形態のいずれかで水溶液を形
成する。アルギン酸塩溶液への非水性水混和性溶媒(例
えばグリコール類)の増加する量の添加は、非水溶性化
合物の溶解度を増加する。本発明において、アルギン酸
塩溶液は薬物送達フィルムとして働くように意図されて
いるので、非水溶性薬物は、水に代えて、最大10%まで
のプロピレングリコール又は他の生体適合性溶媒で調製
されたアルギン酸塩溶液へ添加することができる。代替
的に、水及び特定のグリコールをアルギン酸塩の添加の
前に混合することができる。さらに、薬物はアルギン酸
塩の添加の前に水/グリコール混合物へ添加することが
できる。
【0017】アルギン酸ナトリウムは、pH3から5の
範囲で架橋によりゲル化する。塩化カルシウムは、その
低pH及びインビボ生体適合特性により、強力なフィル
ムを作製するアルギンゲルを架橋するために選択され
る。アルギン酸塩は塩化カルシウムで架橋した場合、つ
るつるする、従ってつるつるする被覆を提供する、生分
解性/生体吸収性フィルムを形成する。このつるつるし
た被覆は、ヒトの体内への医療用具の挿入を助けること
ができる。
【0018】本発明の態様において使用されるアルギン
酸ナトリウムはまた、Monsanto Keltone HVCRを包含
する。処方は、本発明の最も好ましいアルギン酸塩ポリ
マーである、Monsantoパート番号K8P569及びProNovaパ
ート番号UP MVGに性質上類似する、アルギンの適切な
溶液を製造するマンヌロン酸及びグルロン酸含量を表
す、HVCRグレードから調製された。この溶液は、許容さ
れる粘度、フィルム形成レオロジー及びフィルムの機械
的特性を有し、インビボ生体適合性溶液及びフィルムを
製造する。
【0019】アルギン酸塩溶液は、移植可能な医療用具
を使用の時点で被覆するのに使用することができ、そこ
では、薬物が添加されている高粘度のアルギン酸溶液
が、被覆された器具を塩化カルシウム中に浸すことによ
りフィルムとなる。フィルムを用具の外側及び穿孔(pe
rforations)へ制限するため、用具の内径は、被覆工程
の間に例えば、バルーンを用いて遮断される。その生分
解特性を介して、当該フィルムは、使用の時点でアルギ
ン酸塩溶液に添加された薬物の制御された量を、長い期
間に渡り、その長い期間に渡り一定濃度で、送達するこ
とができる。薬物は被覆の厚さの均一さに依存して、均
一的に又は非均一的に送達される。
【0020】以下の例のためには、精製した形態である
Monsantoパート番号K8P569アルギン酸塩及びProNovaパ
ート番号UP MVGと匹敵する特性を有する、非無菌Monsa
ntoアルギン酸パート番号HVCRが用いられた。
【0021】生体適合性共形フィルム溶液を製造するた
めに、良好製造手順(Good Manufacturing Procedur
e、GMP)の適用、並びに無菌の、低内毒素性アルギン酸
ナトリウム及び無菌の低内毒素性10%塩化カルシウム溶
液の使用が、原料及び最終製品の品質を確保するために
推奨される。
【0022】本発明の好ましい態様において、溶液を作
るために、アルギン酸ナトリウムは、「注射用水(wate
r for injection)」としても知られる無菌で、低内
毒素性の水と混合される。約1重量%から約8重量%の
濃度量で、種々の分子量、12,000から190,000の範囲
(好ましい分子量は120,000から190,000)のアルギン酸
ナトリウムが、適用のために望ましいレオロジー特性に
仕立てられた、注ぐことができる溶液を形成するために
用いることができる。
【0023】凍結乾燥されたアルギン酸ナトリウムを水
中に溶解するために、適当な配合手法が必要である。う
ずを形成する高せん断ミキサーが推奨される。攪拌翼は
混合容器中中心に位置させる。攪拌翼は余分な空気の導
入を避けるため溶液の底近くに位置させる。凍結乾燥し
たアルギン酸塩はうずの中へとゆっくりと振り入れる。
熱を適用することにより、アルギン酸塩粉末の溶解をた
すける。配合中、熱を華氏135度まで上げ、約30分間攪
拌する。
【0024】
【実施例】以下の例は、医学的移植工程において使用す
るのに適している、アルギン酸塩溶液を調製するために
使用することができる、好ましい組成物及び処方を例証
する。上記に要点を述べた製造工程をもちいて、2種の
アルギン酸塩溶液が調製され、その物理学的フィルム特
性を決定した。以下の例が調製された:例1 A部 B部 8%HVCRグレードアルギン酸ナトリウム 10%塩化カルシウム溶液 92%無菌低発熱性水例2 A部 B部 4%HVCRグレードアルギン酸ナトリウム 10%塩化カルシウム溶液 96% 無菌低発熱性水
【0025】インビボ生分解性共形フィルム系である本
発明の用具の態様のための最も好ましい処方は、4%の
アルギン酸ナトリウム(A部)を利用する例2において
使用されている処方である。
【0026】一度、初期の液体(例えば水若しくは水及
びプロピレングリコール)にポリマーを加えることによ
りアルギン酸塩ポリマー溶液(液体又はゲル状)が調整
されると、使用の時点において薬物を溶液中への混合に
より加えることができる。代替的に、薬物を液体に添加
してもよく、その液体に次いでポリマーを添加して溶液
を作製してもよい。次に用具を当該溶液に浸し、薬物を
含浸させた溶液で用具を被覆する。代替的に、溶液を用
具に塗布するか又は吹き付けてもよい。既述のように、
フィルムを用具の外側及び穿孔(perforations)に制限
するため、用具の内径は、例えばバルーンを用いて被覆
工程の間遮断されていてもよい。当該用具を次に無菌
の、発熱物質を含まない10%塩化カルシウム(B部)中
に最大10分間まで放置し、ゲルを架橋させ、強い弾性フ
ィルムを形成する。
【0027】上記実験において、作製されたフィルムの
弾性は200%を超えた。この弾性のため、当該フィルム
は一度所望の位置に配置されたあと膨張する移植可能な
用具(例えば、管ステント)用に理想的なものとなる。
【0028】本発明は、アルギン酸塩以外のポリマー
系、例えばインビボで生体適合性であり、生分解性であ
り、光(例えば紫外線)により硬化するか、又は単に乾
燥してフィルムを形成するようなポリマー系を用いて実
現させることができる。例えば、使用の時点で紫外線へ
暴露することにより硬化する、生分解性PEGポリマー
(ポリエチレングリコール)又はその誘導体及び共重合
体を使用することができる。この性質を有するポリマー
は市販されており、例えば、アラバマ州ハンツビル(Hu
ntsville)のシアーウォーター・ポリマーズ(Shearwat
er Polymers)により入手可能であり、これらは水溶性
の乾燥粉末として供給され、使用の時点で無菌の水、又
は他の生体適合性の溶媒と混合することができる。PE
Gポリマー薬物含有フィルムの用具への結合は、共形フ
ィルムを固定する表面上のアミノ基の存在により増強さ
れる。
【0029】本発明は、前記のヒドロゲル、例えば、イ
ンビボで生体適合性であり、生分解性である熱不可逆性
ヒドロゲル等、を用いて実現することができる。一つの
例として、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩と組
み合わせたPEO/PEGポリマー(例えば、BASF
により製造されるプルロニック(Pluronic))
を水と混合し溶液を作製し、カルシウムイオンとの相互
作用(例えば、10重量%の塩化カルシウム中への浸
漬)により架橋したものである。ヒドロゲル含有フィル
ムは、上記の架橋したアルギン酸ナトリウムフィルムよ
りも弾性が低いかもしれない。しかしながら、そのよう
なヒドロゲルフィルムは、静的な又は膨張しない用具、
例えば、縫合リング用の被覆として十分に適している。
【0030】好ましい架橋剤は塩化カルシウムである
が、他の溶解性物質を用いることもできる。例えば、C
aSO4等のカルシウム化合物、MgCl若しくはMg
SO4等のマグネシウム化合物、又はバリウム化合物が
架橋において用いるために考慮に入れられる。
【0031】本発明を好ましい態様に言及しながら説明
してきたが、本発明はそれらの特定の態様に制限されな
いことが理解されるべきである。本発明は、特許請求の
範囲の精神及び範囲から逸脱することなく、対象物に関
係する、当業者にとって明らかな改変を含むものと意図
されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マリアン エル、ラーソン アメリカ合衆国 カリフォルニア、サン クレメンテ、ヴィア ピンポロ 1905 (72)発明者 ユージーン エイ、ラーソン アメリカ合衆国 ワシントン、ランミ ア イランド、 ウエスト ショア ドライヴ 2457 Fターム(参考) 4C053 JJ23 JJ40 4C081 AC03 AC08 BA16 CA252 CD041 CE02 CE03 DA02 DA12 4C167 AA50 AA74 BB06 BB26 CC09 DD01 FF05 GG11 GG16 GG42 GG43

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移植可能であり薬物送達可能な医療用具
    の製造方法であって、当該方法が、 移植可能な医療用具を提供すること、 ポリマーを含有する、インビボで生体適合性でありかつ
    生分解性又は生体吸収性又は生体侵食性である液体又は
    ゲル溶液であって、該溶液が一又はそれ以上の予定され
    た薬物の所望の用量を含む上記溶液により該用具を被覆
    すること、及び該液体又はゲル溶液を該医療用具に付着
    したフィルムへと変換し、それにより上記移植可能であ
    り薬物送達可能な医療用具を形成すること、 を包含する、上記製造方法。
  2. 【請求項2】 該ポリマーがアルギン酸ナトリウムを含
    有し、該溶液が水及び該アルギン酸ナトリウムを含有す
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルギン酸ナトリウムを約1重量%から
    約8重量%の量で含有する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルギン酸ナトリウムを約4重量%の量
    で含有する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 被覆する工程及び変換する工程が該移植
    可能な医療用具の使用時点で行われる、請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 該変換が、該溶液を架橋させて該フィル
    ムを形成させることを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該架橋が、塩化カルシウム溶液によりも
    たらされる、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該塩化カルシウム溶液が約10重量%の塩
    化カルシウムを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該アルギン酸ナトリウムが、約12,000か
    ら約190,000の分子量を含む、請求項3に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該アルギン酸ナトリウムが約120,000
    から約190,000の分子量を含む、請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 該アルギン酸ナトリウムが、58重量%
    から62重量%の量のマンヌロン酸及び42重量%から38重
    量%のグルロン酸を含む、請求項3に記載の方法。
  12. 【請求項12】 該ポリマーがポリエチレンオキシド、
    ポリエチレングリコール及びアルギン酸塩を含む、請求
    項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 該ポリマーがポリエチレングリコール
    を含む、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該液体又はゲル溶液をフィルムへ変換
    することが、該溶液を光に暴露することを含む、請求項
    1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 該光が紫外線を含む、請求項14に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 該一又はそれ以上の薬物が水に不溶性
    であり、そこで該水の最大約10%までがプロピレングリ
    コールにより置換されている、請求項2に記載の方法。
  17. 【請求項17】 該移植可能な医療器具がステントを含
    む、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該移植可能な医療用具が、ペースメー
    カー、血管移植片、縫合リング、移植可能な注入口、移
    植可能な薬物送達ポンプ、整形外科ハードウェア及び器
    具、並びに神経学的刺激用具のうち少なくとも一つを含
    む、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 移植可能であり薬物送達可能な医療用
    具であって、該用具が、 移植可能な医療用具、 該用具に付着したフィルムであって、インビボで生体適
    合性であり、生分解性又は生体吸収性又は生体侵食性で
    あるポリマーを含み、かつ、一又はそれ以上の予定され
    た薬物の所望の用量をさらに含む、上記フィルム、 を含む、上記用具。
  20. 【請求項20】 該ポリマーがアルギン酸ナトリウムを
    含む、請求項19に記載の用具。
  21. 【請求項21】 該ポリマーがポリエチレングリコール
    又はポリエチレンオキシド及びポリエチレングリコール
    の混合物を含む、請求項19に記載の用具。
  22. 【請求項22】 該移植可能な医療用具がステントを含
    む、請求項19に記載の用具。
  23. 【請求項23】 該移植可能な医療用具が、ペースメー
    カー、血管移植片、縫合リング、移植可能な注入口、移
    植可能な薬物送達ポンプ、整形外科ハードウェア及び器
    具、並びに神経学的刺激用具のうち少なくとも一つを含
    む、請求項19に記載の用具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010137048A (ja) * 2008-11-14 2010-06-24 Tokyo Institute Of Technology イオントフォレシス用電極組成物

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