JP2003135073A - MAPキナーゼp38αの新規なスプライシング変異体 - Google Patents

MAPキナーゼp38αの新規なスプライシング変異体

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JP2003135073A
JP2003135073A JP2001337467A JP2001337467A JP2003135073A JP 2003135073 A JP2003135073 A JP 2003135073A JP 2001337467 A JP2001337467 A JP 2001337467A JP 2001337467 A JP2001337467 A JP 2001337467A JP 2003135073 A JP2003135073 A JP 2003135073A
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JP
Japan
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amino acid
protein
acid sequence
seq
map kinase
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JP2001337467A
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English (en)
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Tatsuhiko Sudo
龍彦 須藤
Hiroyuki Osada
裕之 長田
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 選択的スプライシングの結果生じるMAPキ
ナーゼp38αの新たなスプライシング変異体を同定
し、該変異体をコードする遺伝子をクローニングし、該
遺伝子の構造と機能を解明すること。 【解決手段】 下記の何れかのアミノ酸配列を有するタ
ンパク質。(a)特定なアミノ酸配列;(b)特定なア
ミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換
及び/又は挿入したアミノ酸配列であって、特定なアミ
ノ酸配列と実質的に同等のMAPキナーゼ活性を有する
アミノ酸配列;または(c)特定なアミノ酸配列と60
%以上の相同性を有するアミノ酸配列であって、前記ア
ミノ酸配列に記載のアミノ酸配列と実質的に同等のMA
Pキナーゼ活性を有するアミノ酸配列。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MAPキナーゼp
38αの新規なスプライシング変異体に関する。本発明
はまた、該変異体をコードする遺伝子、該遺伝子を有す
るベクター、該遺伝子を有する形質転換体、該変異体に
対する抗体、並びに、該変異体を利用した医薬のスクリ
ーニング法及び疾患の診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】MAPキナーゼ(マイトジェン活性化蛋
白質リン酸化酵素)は、プロテインキナーゼの中のセリ
ン・スレオニンキナーゼに属する分子量約4万のタンパ
ク質リン酸化酵素で、酵母から高等脊髄動物に至るまで
広く真核生物に存在する。本酵素が活性化されるために
はそのサブドメインVIIとVIIIの間に存在するスレオニ
ンおよびチロシン残基がともにリン酸化を受ける必要が
あり、これを行う酵素(MAPキナーゼキナーゼ)もそ
の活性化に自身のリン酸化が必要で、この一連のリン酸
化反応はMAPキナーゼカスケードを形成する。MAP
キナーゼは様々な転写因子を活性化することにより細胞
内の情報伝達に重要な役割を果たしている。
【0003】近年、MAPキナーゼに関して多くの研究
がなされ、情報伝達機構の解析が急速に進んできてい
る。MAPキナーゼには、細胞外シグナル認識タンパク
キナーゼ(ERK)、C−Junアミノ末端キナーゼ(JNK)、
p38、BMKなどがある。これら一群の酵素の中で、ERK
に関する研究が最も進んでおり、Rafを介した増殖シグ
ナルを、TCF/Elk−1をリン酸化することにより核内へ伝
えるとされている。また、p38は、JNKと共にStress-
Activated-Protein-Kinase (SAPK) を構成するリン酸化
酵素で、TNFαやIL−1βなどのサイトカイン、UV及び浸
透圧などの細胞外環境の変化に応答して活性化され、数
々の遺伝子の転写を制御していることが明らかになって
きている。しかし、培養細胞を用いた実験からだけで
は、両者の機能の違いを見いだすには至らなかった。本
発明者らは、抗炎症剤SB202190やSB203580がp38に結
合することから、炎症への関与が示唆されていたp38
の制御を目的として、その生理機能や活性化機構の解析
を行ってきた。これまでに、この分子が炎症だけではな
く、マウス発生にも必要不可欠であり、少なくとも胚発
生の特定の時期には、JNKによってp38の機能が相補
されないこと(Cell, 102, 221-231, 2000)、p56lck
合タンパク質として同定されたp62により活性調節を受
けていること(Biochem. Biophys. Res. Commun., 269,
521-525, 2000)、JNKにより転写活性化領域がリン酸
化されて活性化するc−JunのDNA結合領域をリン酸化す
ること(Methods Enzymol, 322 "Apoptosis", 388-392,
2000)、比較的広範に発現していると理解されてきたp
38αが、生理的条件下では細胞種特異的に存在している
こと(Brain Res. 887, 352-360, 2000)などを明らか
にしてきた。また、p38はこれまでにα、β、γ、δ
が同定されており、中でもp38αにはp38(CSB
P2)、CSBP1、Mxi2の3つのスプライシング
フォームが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、選択的スプ
ライシング(alternative splicing)の結果生じる、MA
Pキナーゼp38αの新たなスプライシング変異体を同
定することを目的とする。本発明はまた、該変異体をコ
ードする遺伝子をクローニングし、該遺伝子の構造と機
能を解明することを目的とする。本発明はさらに、該変
異体に対する抗体、該変異体を利用した医薬のスクリー
ニング方法及び疾患の診断方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ヒト腎癌細胞
株より抽出したmRNAから逆転写したcDNAの中に、MA
Pキナーゼp38(CSBP2)をコードする遺伝子よ
り短い遺伝子が存在することを見出し、この遺伝子の構
造と機能を解析したところ、本遺伝子が、MAPキナー
ゼp38αの新規なスプライシング変異体であることが
わかった。本発明はこれらの知見に基づいて完成したも
のである。
【0006】本発明のタンパク質は、MAPキナーゼp
38αのこれまで同定されているp38(CSBP
2)、CSBP1、Mxi2の3つのスプライシングフ
ォームとは異なる、選択的スプライシングによる新規な
変異体(以下、本変異体をEXIPと称することもある)で
ある(図1)。EXIPは307個のアミノ酸から成り、C末側
の53アミノ酸を除いてはp38のアミノ酸が保存されて
いる。配列に違いの見られるp38のC末側には、情報
伝達の特異性を決める配列が含まれていることが明らか
になっており、このことは、EXIPが従来のp38の情報
伝達経路とは全く異なる経路に位置する可能性を示唆す
るものである。
【0007】すなわち、本発明によれば、下記の何れか
のアミノ酸配列を有するタンパク質が提供される。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;(b)配列番
号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ
酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ酸配列であっ
て、配列番号1に記載のアミノ酸配列と実質的に同等の
MAPキナーゼ活性を有するアミノ酸配列;または
(c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列であって、配列番号1に記
載のアミノ酸配列と実質的に同等のMAPキナーゼ活性
を有するアミノ酸配列。
【0008】本発明の別の側面によれば、上記した本発
明のタンパク質をコードする遺伝子が提供される。本発
明の遺伝子の具体例としては、下記の何れかの塩基配列
を有する遺伝子が提供される。 (a)配列番号2に記載の塩基配列;(b)配列番号2
に記載の塩基配列において1から数個の塩基が欠失、置
換及び/又は挿入した塩基配列であって、配列番号2に
記載の塩基配列がコードするタンパク質と実質的に同等
のMAPキナーゼ活性を有するタンパク質をコードする
塩基配列;または(c)配列番号2に記載の塩基配列と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列であって、配列番号2に記載の塩基配列がコードする
タンパク質と実質的に同等のMAPキナーゼ活性を有す
るタンパク質をコードする塩基配列。
【0009】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
た本発明の遺伝子を含むベクター。本発明のさらに別の
側面によれば、上記した本発明のベクターを有する形質
転換体が提供される。本発明のさらに別の側面によれ
ば、上記した本発明の形質転換体を用いることを特徴と
する、MAPキナーゼp38αスプライシング変異体の
製造方法が提供される。
【0010】本発明のさらに別の側面によれば、上記し
た本発明のタンパク質に対する抗体が提供される。好ま
しくは、配列番号1に記載のアミノ酸配列の254位か
ら307位までのアミノ酸配列を認識する抗体が提供さ
れる。本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発
明のタンパク質の発現を測定又は検出することを含む、
医薬のスクリーニング方法が提供される。本発明のさら
に別の側面によれば、上記した本発明のタンパク質の発
現を測定又は検出することを含む、MAPキナーゼ関連
疾患の診断方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様及び実施
方法について詳細に説明する。 (1)本発明のタンパク質及び遺伝子 本発明は、下記の何れかのアミノ酸配列を有するタンパ
ク質、並びにそれをコードする遺伝子に関する。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;(b)配列番
号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ
酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ酸配列であっ
て、配列番号1に記載のアミノ酸配列と実質的に同等の
MAPキナーゼ活性を有するアミノ酸配列; (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
相同性を有するアミノ酸配列であって、配列番号1に記
載のアミノ酸配列と実質的に同等のMAPキナーゼ活性
を有するアミノ酸配列:
【0012】本発明の遺伝子の具体例としては、下記の
何れかの塩基配列を有する遺伝子が挙げられる。 (a)配列番号2に記載の塩基配列;(b)配列番号2
に記載の塩基配列において1から数個の塩基が欠失、置
換及び/又は挿入した塩基配列であって、配列番号2に
記載の塩基配列がコードするタンパク質と実質的に同等
のMAPキナーゼ活性を有するタンパク質をコードする
塩基配列;または(c)配列番号2に記載の塩基配列と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列であって、配列番号2に記載の塩基配列がコードする
タンパク質と実質的に同等のMAPキナーゼ活性を有す
るタンパク質をコードする塩基配列:
【0013】上記した「配列番号1に記載のアミノ酸配
列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又
は挿入したアミノ酸配列」における「1から数個」の範
囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好
ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さ
らに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個
程度を意味する。
【0014】上記した「配列番号1に記載のアミノ酸配
列と60%以上の相同性を有するアミノ酸配列」とは、
該アミノ酸配列と配列番号1に記載のアミノ酸配列との
相同性が少なくとも60%以上であり、好ましくは70
%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは
90%以上、特に好ましくは95%以上であり、最も好
ましくは98%以上であることを意味する。
【0015】上記した「配列番号2に記載の塩基配列に
おいて1から数個の塩基が欠失、置換及び/又は挿入し
た塩基配列」における「1から数個」の範囲は特には限
定されないが、例えば、1から60個、好ましくは1か
ら30個、より好ましくは1から20個、さらに好まし
くは1から10個、特に好ましくは1から5個程度を意
味する。
【0016】上記した「ストリンジェントな条件下でハ
イブリダイズする塩基配列」とは、DNAをプローブとし
て使用し、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラ
ークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロッ
トハイブリダイゼーション法等を用いることにより得ら
れるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロニーある
いはプラーク由来のDNAまたは該DNAの断片を固定
化したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaC
l存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った
後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSC溶液は、15
0mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム)
を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することによ
り同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリ
ダイゼーションは、Molecular Cloning: A laboratory
Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, C
old Spring Harbor, NY.,1989. 以後 "モレキュラーク
ローニング第2版" と略す)等に記載されている方法に
準じて行うことができる。
【0017】ストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするDNAとしては、プローブとして使用するDNA
の塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げら
れ、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好
ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特
に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の
相同性を有するDNAが挙げられる。
【0018】上記した「配列番号1に記載のアミノ酸配
列と実質的に同等のMAPキナーゼ活性を有する」と
は、配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数
個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ酸
配列を有するタンパク質が、配列番号1に記載のアミノ
酸配列を有するタンパク質と実質的に同等のMAPキナ
ーゼ活性を発揮することをいう。ここで「MAPキナー
ゼ」とは、基質であるMAP(マイトジェン活性化蛋白
質)に作用してこれをリン酸化する作用をいう。
【0019】本発明の遺伝子の取得方法は特に限定され
ない。本明細書中の配列表の配列番号1および配列番号
2に記載した塩基配列及びアミノ酸配列の情報に基づい
て適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用い
てヒトのcDNAライブラリーをスクリーニングするこ
とにより本発明の遺伝子を単離することができる。ヒト
由来のcDNAライブラリーは、本発明の遺伝子を発現
している細胞、器官または組織から作製することが好ま
しい。当該遺伝子を発現している細胞の具体例としては
ヒト腎臓細胞株OS-RC-2などが挙げられるが、これに限
定されるわけではない。
【0020】PCR法により配列番号2に記載した塩基
配列を有するDNAを取得することもできる。ヒトcD
NAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号2に記
載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプラ
イマーを使用してPCRを行う。
【0021】PCRの反応条件は適宜設定することがで
き、例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30
秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)
からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイ
クル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙
げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大
腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニ
ングすることができる。
【0022】上記したブローブ又はプライマーの調製、
cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーの
スクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなど
の操作は当業者に既知であり、例えば、モレキュラーク
ローニング第2版、CurrentProtocols in Molecular Bi
ology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1
997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキ
ュラー・バイオロジーと略す)等に記載された方法に準
じて行うことができる。
【0023】本明細書中上記した、(b)配列番号2に
記載の塩基配列において1から数個の塩基が欠失、置換
及び/又は挿入した塩基配列であって、配列番号2に記
載の塩基配列がコードするタンパク質と実質的に同等の
MAPキナーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩
基配列を有する遺伝子(変異遺伝子)は、化学合成、遺
伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の
任意の方法で作製することもできる。具体的には、配列
番号2に記載の塩基配列を有するDNAを利用し、これ
らDNAに変異を導入することにより変異DNAを取得
することができる。
【0024】例えば、配列番号2に記載の塩基配列を有
するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる
方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用
いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである
部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入
できる手法であることから有用であり、モレキュラーク
ローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・
モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行
うことができる。
【0025】本明細書中上記した、(c)配列番号2に
記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列であって、配列番号2に記載の塩基
配列がコードするタンパク質と実質的に同等のMAPキ
ナーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列
は、上述の通り、一定のハイブリダイゼーション条件下
でコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラークハイ
ブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブ
リダイゼーション法などを行うことにより得ることがで
きる。
【0026】次に、本発明のタンパク質の入手・製造方
法について説明する。本発明のタンパク質の入手・製造
方法は特に限定されず、天然由来のタンパク質でも、化
学合成したタンパク質でも、遺伝子組み換え技術により
作製した組み換えタンパク質の何れでもよい。比較的容
易な操作でかつ大量に製造できるという点では、組み換
えタンパク質が好ましい。
【0027】天然由来のタンパク質を入手する場合に
は、該タンパク質を発現している細胞または組織からタ
ンパク質の単離・精製方法を適宜組み合わせて単離する
ことができる。化学合成タンパク質を入手する場合に
は、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化
学合成法に従って本発明のタンパク質を合成することが
できる。また、各種の市販のペプチド合成機(例えば、
桑和貿易(米国Advanced Chem Tech社製)、パーキンェル
マージャバン(米国Perkin−Elmer社製)、ファルマシア
バイオテク(スウェーデンPharmacia Biotech社製)、ア
ロカ(米国Protein Technology Instrument社製)、クラ
ボウ(米国Synthecell-Vega社製)、日本パーセプティブ
・リミテッド(米国PerSeptive社製)、島津製作所等)を
利用して本発明のタンパク質を合成することもできる。
【0028】本発明のタンパク質を組み換えタンパク質
として産生するには、該タンパク質をコードする塩基配
列(例えば、配列番号2に記載の塩基配列)を有するD
NAまたはその変異体または相同体を入手し、これを好
適な発現系に導入することにより本発明のタンパク質を
製造することができる。発現ベクターおよび形質転換体
の作成およびそれを用いた組み換えタンパク質の産生に
ついては本明細書中後記する。
【0029】なお、配列番号1に記載のアミノ酸配列に
おいて1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿
入したアミノ酸配列を有するタンパク質、又は配列番号
1に記載のアミノ酸配列と60%以上の相同性を有する
アミノ酸配列を有するタンパク質は、配列番号1に記載
のアミノ酸配列をコードするDNA配列の一例示す配列
番号2に記載の塩基配列の情報に基づいて当業者であれ
ば適宜製造または入手することができる。
【0030】例えば、配列番号2に記載の塩基配列又は
その一部を有するDNAプローブとしてヒトまたはヒト
以外の生物より、該DNAのホモログを適当な条件下で
スクリーニングすることにより単離することができる。
このホモログDNAの全長DNAをクローニング後、発
現ベクターに組み込み適当な宿主で発現させることによ
り、該ホモログDNAによりコードされるタンパク質を
製造することができる。
【0031】(2)本発明の遺伝子を有するベクター 本発明の遺伝子は適当なベクター中に組み込んで組み換
えベクターとして使用することができる。ベクターの種
類は発現ベクターでも非発現ベクターでもよく、目的に
応じて選ぶことができる。クローニングベクターとして
は、大腸菌K12株中で自律複製できるものが好まし
く、ファージベクター、プラスミドベクター等いずれで
も使用できる、具体的には、ZAP Express〔ストラタジ
ーン社製、Strategies, 5, 58 (1992)〕、pBluescript
II SK(+)〔Nuclelc Acids Research, 17, 9494(198
9)〕、Lambda ZAPII(ストラタジーン社製)、λgt10、λ
gt11〔DNA Cloning, A Practical Approach, 1, 49(198
5)〕、λTriplEx(クローンテック社製)、λExCell(ファ
ルマシア社製)、pT7T318U(ファルマシア社製)、pcD2〔M
o1. Cen. Bio1., 3, 280 (1983)〕、pMW218(和光純薬社
製)、pUC118(宝酒造社製)、pEG400〔J.Bac., 172, 2392
(1990)〕、pQE-30 (QIAGEN社製)等を挙げることができ
る。
【0032】発現ベクターとしては、好ましくは宿主細
胞において自立複製可能であるか、あるいは宿主細胞の
染色体中へ組込み可能であるものを使用する。また、発
現ベクターとしては、本発明の遺伝子を発現できる位置
にプロモーターを含有しているものが使用される。
【0033】細菌を宿主細胞として用いる場合は、本発
明の遺伝子を発現させるための発現ベクターは該細菌中
で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボソ
ーム結合配列、上記DNAおよび転写終結配列より構成さ
れた組換えベクターであることが好ましい。プロモータ
ーを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
【0034】細菌用の発現ベクターとしては、例えば、
pBTrP2、pBTac1、pBTac2(いずれもべ一リンガーマンハ
イム社より市販)、pKK233-2(Pharmacia社製)、pSE280(I
nvitrogen社製)、pGEMEX-1(Promega社製)、pQE-8(QIAGE
N社製)、pQE-30(QIAGEN社製)、pKYP10(特開昭58-11060
0)、pKYP200〔Agrc.Biol.Chem., 48, 669(1984)〕、PLS
A1〔Agrc. Blo1. Chem., 53, 277(1989)〕、pGEL1〔Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 4306 (1985)〕、pBlues
crlptII SK+、pBluescriptII SK(-)(Stratagene社製)、
pTrS30(FERMBP-5407)、pTrS32(FERM BP-5408)、pGEX(Ph
armacia社製)、pET-3(Novagen社製)、pTerm2(US468619
1、US4939094、US5160735)、pSupex、pUB110、pTP5、pC
194、pUC18〔Gene, 33, 103(1985)〕、pUC19〔Gene, 3
3, 103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pSTV29(宝酒造
社製)、pUC118(宝酒造社製)、pQE-30(QIAGEN社製)等が
挙げられる。細菌用のプロモーターとしては、例えば、
trpプロモーター(P trp)、lacプロモーター(P lac)、PL
プロモーター、PRプロモーター、PSEプロモーター等
の、大腸菌やファージ等に由来するプロモーター、SP01
プロモーター、SP02プロモーター、penPプロモーター等
を挙げることができる。
【0035】酵母用の発現ベクターとして、例えば、YE
p13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、Ycp5O(ATCC3741
9)、pHS19、pHS15等を例示することができる。酵母用の
プロモーターとしては、例えば、PHO5プロモーター、PG
Kプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、g
al1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショック
タンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プ
ロモーター等のプロモーターを挙げることができる。
【0036】動物細胞用の発現ベクターとして、例え
ば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107〔特
開平3-22979; Cytotechnology, 3, 133,(1990)〕、pAS3
-3(特開平2-227075)、pCDM8〔Nature, 329, 840,(198
7)〕、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen
社製)、pAGE103〔J.Blochem., 101, 1307(1987)〕、pAG
E210等を例示することができる。動物細胞用のプロモー
ターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(ヒトCM
V)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40
の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、
メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモ
ーター、SRαプロモーター等を挙げることができる。
【0037】植物細胞用の発現ベクターとしては、例え
ば、pIG121-Hm〔Plant Cell Report, 15, 809-814(199
5)〕、pBI121〔EMBO J. 6, 3901-3907(1987)〕等を例示
することができる。植物細胞用のプロモーターとして
は、例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロ
モーター〔Mol.Gen.Genet (1990) 220, 389-392〕、ル
ブロースビスフォスフェートカルボキシラーゼスモール
サブユニットプロモーター等を挙げることができる。
【0038】(3)本発明の遺伝子を有する形質転換体 本発明のMAPキナーゼp38αの新規なスプライシン
グ変異体をコードする遺伝子を有する形質転換体は、上
記した組み換えベクター(好ましくは発現ベクター)を
宿主に導入することにより作製することができる。細菌
の宿主細胞の具体例としては、Escherichia属、Coryneb
acterium属、Brevibacterium属、Bacillus属、Microbac
terium属、Serratia属、Pseudomonas属、Agrobacterium
属、Alicyclobacillus属、Anabaena属、Anacystis属、A
rthrobacter属、Azobacter属、Chromatium属、Erwinia
属、Methylobacterium属、Phormidium属、Rhodobacter
属、Rhodopseudomonas属、Rhodospiri11um属、Scenedes
mun属、Streptomyces属、Synnecoccus属、Zymomonas属
等に属する微生物を挙げることができる。細菌宿主へ組
換えベクターを導入する方法としては、例えば、カルシ
ウムイオンを用いる方法やプロトプラスト法等を挙げる
ことができる。
【0039】酵母宿主の具体例としては、サッカロミセ
ス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッ
カロミセス・ボンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ク
リュイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、
トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pu11ulan
s)、シュワニオミセス・アルビウス(Schwanniomyces a1
1uvius)等を挙げることができる。酵母宿主への組み換
えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポ
レーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等
を挙げることができる。
【0040】動物細胞宿主としては、ナマルバ細胞、CO
S1細胞、COS7細胞、CHO細胞等を挙げることができる。
動物細胞への組み換えベクターの導入方法としては、例
えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム
法、リポフェクション法等を用いることができる。
【0041】昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組
換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫
細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルス
を得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染さ
せ、タンパク質を発現させることができる(例えば、Ba
culovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua
1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラ
ー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に
記載)。
【0042】バキュロウイルスとしては、例えば、ヨト
ウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・
カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイル
ス(Autographa californica nuclear polyhedrosis vir
us)等を用いることができる。昆虫細胞としては、Spodo
ptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21
〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクター
ズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイ
チ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman a
nd Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Tri
choplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビト
ロジェン社製)等を用いることができる。組換えウイル
スを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベ
クターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、
例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等
を挙げることができる。
【0043】(4)本発明の形質転換体を用いた組み換
えタンパク質の製造 本発明においては、上記のようにして作製した本発明の
遺伝子を有する形質転換体を培養し、培養物中に本発明
のタンパク質を生成蓄積させ、該培養物より本発明のタ
ンパク質を採取することにより組み換えタンパク質を単
離することができる。
【0044】本発明の形質転換体が大腸菌等の原核生
物、酵母菌等の真核生物である場合、これら微生物を培
養する培地は、該微生物が資化し得る炭素源、窒素源、
無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行え
る培地であれば天然培地、合成培地のいずれでもよい。
培養は、振盪培養または深部通気撹拌培養などの好気的
条件下で行うことが好ましく、培養温度は通常15〜40℃
であり、培養時間は、通常16時間〜7日間である。培
養中、pHは3.0〜9.0に保持する。pHの調整は、無機ある
いは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、
アンモニアなどを用いて行う。また培養中必要に応じ
て、アンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培
地に添加してもよい。
【0045】動物細胞を宿主細胞として得られた形質転
換体を培養する培地としては、一般に使用されているRP
M11640培地〔The Journal of the American Medical As
sociation,199,519(1967)〕、EagleのMEM培地〔Scienc
e, 122, 501(1952)〕、DMEM培地〔Virology, 8, 396(19
59)〕、199培地〔Proceeding of the Society for theB
iological Medicine, 73, 1(1950)〕またはこれら培地
に牛胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養
は、通常pH6〜8、30〜40℃、5%C02存在下等の条件下で1
〜7日間行う。また、培養中必要に応じて、カナマイシ
ン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0046】植物細胞を宿主細胞として得られた形質転
換体を培養する培地としては、MS培地、R2P培地
等、その植物種に応じて通常用いられる培地が用いられ
る。培養は、通常pH6〜8、15〜35℃等の条件下
で1〜21日間行う。また、培養中必要に応じて、カナ
マイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加
してもよい。
【0047】形質転換体の培養物から、本発明のタンパ
ク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精
製法を用いればよい。例えば、本発明のタンパク質が、
細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細
胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波
破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモゲナイ
ザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞抽出液
を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得ら
れた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、即ち、
溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒に
よる沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロー
ス、DIAION HPA-75(三菱化成社製)等レジンを用いた陰
イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(フ
ァルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロ
マトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセフ
ァロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー
法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマ
トグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電
気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わ
せて用い、精製標品を得ることができる。
【0048】また、該タンパク質が細胞内に不溶体を形
成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠
心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の
方法により該タンパク質を回収後、該タンパク質の不溶
体をタンパク質変性剤で可溶化する。該可溶化液を、タ
ンパク質変性剤を含まないあるいはタンパク質変性剤の
濃度がタンパク質が変性しない程度に希薄な溶液に希
釈、あるいは透析し、該タンパク質を正常な立体構造に
構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品
を得ることができる。
【0049】(5)本発明のタンパク質に対する抗体 本発明によりEXIPタンパク質が同定されたことによ
り、該タンパク質に対する抗体を作製することができ
る。このような抗体の作製は、当該タンパク質を含めM
APキナーゼp38αの動態を解明する研究において有用
である。本発明の抗体はポリクローナル抗体でもモノク
ローナル抗体でもよく、その作製は定法により行うこと
ができる。
【0050】例えば、本発明のタンパク質を認識するポ
リクローナル抗体は、本発明のタンパク質を抗原として
哺乳動物を免疫感作し、該哺乳動物から血液を採取し、
採取した血液から抗体を分離・精製することにより得る
ことができる。例えば、マウス、ハムスター、モルモッ
ト、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、
ウシ等の哺乳動物を免疫することができる。免疫感作の
方法は当業者に公知であり、例えば抗原を1回以上投与
することにより行うことができる。抗原投与は、例えば
7〜30日間隔で2〜3回投与すればよい。投与量は1
回につき、例えば抗原約0.05〜2mg程度とするこ
とができる。投与経路も特に限定されず、皮下投与、皮
内投与、腹膜腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与等を適
宜選択することができるが、静脈内、腹膜腔内もしくは
皮下に注射することにより投与することが好ましい。ま
た、抗原は適当な緩衝液、例えば完全フロイントアジュ
バントまたは水酸化アルミニウム等の通常用いられるア
ジュバントを含有する適当な緩衝液に溶解して用いるこ
とができるが、投与経路や条件等に応じてアジュバント
を使用しない場合もある。
【0051】免疫感作した哺乳動物を一定期間飼育した
後、該哺乳動物の血清をサンプリングし、抗体価を測定
する。抗体価が上昇してきたら、例えば100μg〜1
000μgの抗原を用いて追加免疫を行なう。最後の投
与から1〜2ケ月後に免疫感作した哺乳動物から血液を
採取して、該血液を、例えば遠心分離、硫酸アンモニウ
ムまたはポリエチレングリコールを用いた沈澱、ゲルろ
過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグ
ラフィー等の常法によって分離・精製することにより、
ポリクローナル抗血清として、本発明のタンパク質を認
識するポリクローナル抗体を得ることができる。なお血
清は、たとえば、56℃で30分間処理することによっ
て補体系を不活性化してもよい。
【0052】本発明のタンパク質を認識するモノクロー
ナル抗体のグロブリンタイプは特に限定されず、例えば
IgG、IgM、IgA、IgE、IgD等が挙げられ
る。本発明のモノクローナル抗体を産生する細胞株は特
に制限されないが、例えば、抗体産生細胞とミエローマ
細胞株との細胞融合によりハイブリドーマとして得るこ
とができる。本発明のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマは、以下のような細胞融合法によって得る
ことができる。
【0053】抗体産生細胞としては、免疫された動物か
らの脾細胞、リンパ節細胞、Bリンパ球等を使用する。
抗原としては、本発明のタンパク質又はその部分ペプチ
ドを使用する。免疫動物としてはマウス、ラット等を使
用でき、これらの動物への抗原の投与は常法により行
う。例えば完全フロインドアジュバント、不完全フロイ
ンドアジュバントなどのアジュバントと抗原である本発
明のタンパク質との懸濁液もしくは乳化液を動物の静
脈、皮下、皮内、腹腔内等に数回投与することによって
動物を免疫化する。免疫化した動物から抗体産生細胞と
して例えば脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とを
公知の方法(G.Kohler et al .,Nature,256495(1975))
により融合してハイブリドーマを作製することができ
る。
【0054】細胞融合に使用するミエローマ細胞株とし
ては、例えばマウスではP3X63Ag8、P3U1
株、Sp2/0株などが挙げられる。細胞融合を行なう
に際しては、ポリエチレングリコール、センダイウイル
スなどの融合促進剤を用い、細胞融合後のハイブリドー
マの選択にはヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジ
ン(HAT)培地を常法に従って使用する。細胞融合に
より得られるハイブリドーマは限界希釈法等によりクロ
ーニングする。さらに必要に応じて、本発明のタンパク
質を用いた酵素免疫測定法によりスクリーニングを行な
うことにより、本発明のタンパク質を特異的に認識する
モノクローナル抗体を産生する細胞株を得ることができ
る。
【0055】このようにして得られたハイブリドーマか
ら目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常
の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培
養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体
を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノク
ローナル抗体の精製は、常法により行なうことができ
る。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを
適宜組み合わせて使用できる。
【0056】本発明のモノクローナル抗体を用いて本発
明のEXIPタンパク質を免疫測定するための方法とし
ては、例えば酵素免疫測定法、ラジオイムノアッセイ、
蛍光免疫測定法、発光免疫測定法等を挙げることができ
る。
【0057】また、上記した抗体の断片も本発明の範囲
内である。抗体の断片としては、F(ab’)2フラグ
メント、Fab’フラグメント等が挙げられる。さら
に、上記した抗体の標識抗体も本発明の範囲内である。
即ち、上記のようにして作製した本発明の抗体は標識し
て使用することができる。抗体の標識の種類及び標識方
法は当業者に公知である。例えば、西洋ワサビペルオキ
シダーゼ又はアルカリホスファターゼなどの酵素標識、
FITC(フルオレセインイソチオシアネート)又はT
RITC(テトラメチルローダミンBイソチオシアネー
ト)等の蛍光標識、コロイド金属および着色ラテックス
などの呈色物質による標識、ビオチンなどのアフィニテ
ィー標識、あるいは125Iなどの同位体標識などを挙げ
ることができる。本発明の標識抗体を用いた酵素抗体
法、免疫組織染色法、免疫ブロット法、直接蛍光抗体法
又は間接蛍光抗体法等の分析は当業者に周知の方法によ
り行うことができる。
【0058】(6)本発明のタンパク質を用いたスクリ
ーニング法及び診断方法 抗炎症薬であるSB202190やSB203580は、ストレスや炎症
性サイトカインにより活性化されるMAPキナーゼp38
の阻害剤として知られる。ATPキナーゼp38ファミリ
ーはα、β、γ、δアイソフォームから成るが、上記の
抗炎症薬は、特にp38αのCSBP2と特異的に結合し
てそのキナーゼ活性を阻害することが知られている。こ
のことは、CSBP2が存在した場合には、炎症が促進
することを意味する。選択的スプライシングが起こっ
て、本発明のEXIPの発現が多くなれば、p38(C
SBP2)が発現は起こらないか、又は抑制され、抗炎
症作用が期待できる。従って、本発明のEXIPの発現
を促進又は抑制する物質をスクリーニングすれば、該物
質はスプライシングを指標とした新たな医薬を開発する
ことが可能になることが期待できる。このような物質の
スクリーニング系は、例えば以下の通り構築することが
できる。
【0059】本発明の遺伝子を有する発現ベクターを構
築し、この発現ベクターを、p38(CSBP2)発現
する適当な宿主に導入する。得られる形質転換体を被験
物質存在下で培養して、本発明のタンパク質であるEX
IPと、p38(CSBP2)の発現量を調べる。ある
いは、内在性のEXIPを発現する細胞に本発明の遺伝
子を有する発現ベクターを導入し、被験物質の存在下で
培養して、本発明のタンパク質であるEXIPの発現量
を調べる。
【0060】被験物質を添加した場合にEXIPの発現
量が増大すれば、その被験物質は、選択的スプライシン
グ機構を促進し、p38(CSBP2)の発現を阻害す
る物質の候補物質として選択することができる。反対
に、被験物質を添加した場合にEXIPの発現量が減少
すれば、その被験物質は、選択的スプライシング機構を
阻害し、p38(CSBP2)の発現を促進する物質の
候補物質として選択することができる。
【0061】上記スクリーニング系で使用することがで
きる発現ベクター、宿主細胞などは当業者であれば適宜
選択することができ、本明細書中上記したものを使用し
てもよい。被験物質としては任意の物質を使用すること
ができ、その種類は特に限定されない。被験物質の具体
例としては、低分子合成化合物でもよいし、天然物抽出
物でもよく、あるいは化合物ライブラリー、ファージデ
ィスプレーライブラリーもしくはコンビナトリアルライ
ブラリーでもよい。化合物ライブラリーの構築は当業者
に公知であり、また市販の化合物ライブラリーを使用す
ることもできる。さらに、上記した本発明のタンパク質
の発現を測定又は検出することによってMAPキナーゼ
関連疾患を診断することもできる。MAPキナーゼ関連
疾患としては、MAPキナーゼの発現異常を伴う疾患が
挙げられ、各種の炎症、腫瘍、リウマチなどが挙げられ
る。本発明においては、被験者由来の生体試料におい
て、本発明のタンパク質の発現を測定又は検出すること
によって上記した疾患を診断することができる。以下の
実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発
明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
【0062】
【実施例】(実施例1)p38αの新規なスプライシン
グ変異体遺伝子の同定 ヒト腎癌細胞株OS-RC-2(理研ジーンバンクより分譲;
RCBO735;Kinouchi T et al. In vitro CELLULA
R & Developmental Biology 21, 195 (1985)よりmRNAを
Isogen(ニッポンジーン社)により抽出し、逆転写酵素
Superscript II(Invitrogen社製)を用いてcDNAを合成
した。p38(CSBP2)cDNAにおけるタンパク質をコードす
る領域の全長をクローニングするためのプライマー:5'
-AATCGATGTCTCAGGAGAGGCCCACGTTC-3' (6位のAが、p38
(CSBP2)の翻訳開始のATGのAに相当し、後のクローニ
ング用に人工のClaI サイトを5' に加えてある。;配列
番号3)、及びプライマー:5'-GTTCCCGTGAAAAGGCCTTCCC
CTCAC-3'(p38(CSBP2)の終止コドンの80塩基下流の非
翻訳領域;配列番号4)とを設計し、94℃, 30秒、62
℃,30秒、72℃,80秒を1サイクルとするPCR反応を30
サイクル行った。1%アガロース電気泳動をすることに
より、増幅された約1100塩基対の単一のDNA断片を回収
した後、pGEM-Tベクター(Promega社製)にサブクロー
ニングし、大腸菌にトランスフォームした。
【0063】154個の独立した大腸菌からプラスミド
を回収し、上記のプライマーを用いて再びPCRによりイ
ンサートの長さを検討したところ、4つのクローンでイ
ンサートがわずかに短いことが判明した(図2)。これ
らの短いインサートの配列を調べたところ、いずれもp3
8(CSBP2)の79bpの第10エクソン(Facio L. et al.,Am.
J. Phsiol. Cell Physiol., 278, C781-790, 2000及び
NCBI, Entrez, Accession Z95152, ヒトp38を含むGenom
ic cloneを参照)がスプライシングにより除かれたもの
であることが明らかになった。そこで、このインサート
部分の遺伝子、及び遺伝産物をEXIPと名付け、それを含
むプラスミドをpGEMEXIPとした。
【0064】(実施例2) マウス組織におけるEXIP遺
伝子発現 実施例1で同定されたEXIP遺伝子は、p38(CSBP2)遺伝
子より79bpが除かれたことによってフレームシフトが起
こり、N末側の254アミノ酸はp38(CSBP2)の配列が保存
されているものの、C末側の53アミノ酸は全く異なる配
列からなる307アミノ酸のタンパク質をコードしてい
る。全長で79bpの差違(p38(CSBP2));507bp、EXIP
;428bp)を検出することは難しいので、p38(CSBP2)
とEXIPとを容易に区別するPCRの系を構築した。具体的
には、スプライシングで除かれるエクソンを挟むふたつ
のプライマー、5'-GCCGAGCTGTTGACTGGAAGAACATTG-3'
(アミノ酸214から222番に相当;配列番号5)および5'
-GTTCCCGTGAAAAGGCCTTCCCCTCAC-3'(前述;配列番号
4)を合成し、94℃,30秒、67℃,30秒、72℃,40秒を
1サイクルとするPCR反応を35サイクル行った後、2%ア
ガロース電気泳動による解析を行う。
【0065】この解析により、マウスの種々の組織(心
臓、腎臓、腸、胸腺、脾臓、肺、精巣、胃、脳、肝臓、
横隔膜)におけるp38(CSBP2)、EXIP両遺伝子の発現を
調べたところ、個体差はあるものの、生理的条件で各組
織において発現が見られた(図3)。しかしながら、培
養細胞では検出限界以下であることがわかった(図
4)。
【0066】(実施例3) 融合タンパクの発現 EXIP遺伝子をHeLa細胞にFlagとの融合蛋白として一過的
に発現させ、M2抗体によりウエスタンブロッティングに
て検出することを試みた。まず、pcDNA3ベクター(Invi
togen 社製)のHind III部位に、抗Flag抗体によって認
識されるペプチド(Met-Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-
Lys-Ser:配列番号6)をコードする合成DNAを挿入し
た。またこの際、C末端には、制限酵素ClaI (ATCGAT)
によって切断される配列を配して、EXIPとの融合タンパ
ク質作製の際に上記ClaI 認識部位中に下線で示した A
Tが、EXIP自身の翻訳開始のメチオニンをコードするATG
のAT部分に相当するようにした。このようにして得られ
たプラスミドベクターを改変pcDNA3ベクター呼ぶ。次
に、実施例1で作製したpGEMEXIPを制限酵素ClaIとXbaI
で消化し、EXIPの翻訳領域を全て含むDNA断片を取得
し、前記pcDNA3改変ベクターのClaIとXbaIにクローニン
グした。
【0067】得られたプラスミド大腸菌に導入し、大量
のプラスミドを塩化リチウム法 (Sambrook et al., Mo
lecular Cloning 2nd edition,1989)により精製した。
そして、前日に植え継いだHeLa細胞にEffectene(Qiagen
社)を用いて精製プラスミドを導入し、36時間後に回収
し、細胞の全溶解液を12%ポリアクリルアミドゲル電気
泳動により分離した。PVDF膜に転写後、シグマ社製の抗
Flag抗体により検出を行った(図5)。分子量は約36kD
であり、予想された計算上の分子量35453とFlagペプチ
ドとを加えた分子量とほぼ一致した。
【0068】
【発明の効果】本発明により、選択的スプライシングの
結果生じるMAPキナーゼp38αの新たなスプライシ
ング変異体が同定された。本発明によれば、該変異体を
コードする遺伝子および該変異体に対する抗体が提供さ
れる。本発明の変異体を利用することにより、医薬のス
クリーニングおよび疾患の診断を行うことが可能であ
る。
【0069】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> RIKEN <120> A Novel MAP kinase spliced variant <130> A11545MA <160> 5
【0070】 <210> 1 <211> 307 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Ser Gln Glu Arg Pro Thr Phe Tyr Arg Gln Glu Leu Asn Lys Thr 1 5 10 15 Ile Trp Glu Val Pro Glu Arg Tyr Gln Asn Leu Ser Pro Val Gly Ser 20 25 30 Gly Ala Tyr Gly Ser Val Cys Ala Ala Phe Asp Thr Lys Thr Gly Leu 35 40 45 Arg Val Ala Val Lys Lys Leu Ser Arg Pro Phe Gln Ser Ile Ile His 50 55 60 Ala Lys Arg Thr Tyr Arg Glu Leu Arg Leu Leu Lys His Met Lys His 65 70 75 80 Glu Asn Val Ile Gly Leu Leu Asp Val Phe Thr Pro Ala Arg Ser Leu 85 90 95 Glu Glu Phe Asn Asp Val Tyr Leu Val Thr His Leu Met Gly Ala Asp 100 105 110 Leu Asn Asn Ile Val Lys Cys Gln Lys Leu Thr Asp Asp His Val Gln 115 120 125 Phe Leu Ile Tyr Gln Ile Leu Arg Gly Leu Lys Tyr Ile His Ser Ala 130 135 140 Asp Ile Ile His Arg Asp Leu Lys Pro Ser Asn Leu Ala Val Asn Glu 145 150 155 160 Asp Cys Glu Leu Lys Ile Leu Asp Phe Gly Leu Ala Arg His Thr Asp 165 170 175 Asp Glu Met Thr Gly Tyr Val Ala Thr Arg Trp Tyr Arg Ala Pro Glu 180 185 190 Ile Met Leu Asn Trp Met His Tyr Asn Gln Thr Val Asp Ile Trp Ser 195 200 205 Val Gly Cys Ile Met Ala Glu Leu Leu Thr Gly Arg Thr Leu Phe Pro 210 215 220 Gly Thr Asp His Ile Asp Gln Leu Lys Leu Ile Leu Arg Leu Val Gly 225 230 235 240 Thr Pro Gly Ala Glu Leu Leu Lys Lys Ile Ser Ser Glu Ser Leu Ser 245 250 255 Thr Cys Trp Arg Arg Cys Leu Tyr Trp Thr Gln Ile Arg Glu Leu Gln 260 265 270 Arg Pro Lys Pro Leu His Met Pro Thr Leu Leu Ser Thr Thr Ile Leu 275 280 285 Met Met Asn Gln Trp Pro Ile Leu Met Ile Ser Pro Leu Lys Ala Gly 290 295 300 Thr Ser Leu 305
【0071】 <210> 2 <211> 1004 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 atg tct cag gag agg ccc acg ttc tac cgg cag gag ctg aac aag aca 48 Met Ser Gln Glu Arg Pro Thr Phe Tyr Arg Gln Glu Leu Asn Lys Thr 1 5 10 15 atc tgg gag gtg ccc gag cgt tac cag aac ctg tct cca gtg ggc tct 96 Ile Trp Glu Val Pro Glu Arg Tyr Gln Asn Leu Ser Pro Val Gly Ser 20 25 30 ggc gcc tat ggc tct gtg tgt gct gct ttt gac aca aaa acg ggg tta 144 Gly Ala Tyr Gly Ser Val Cys Ala Ala Phe Asp Thr Lys Thr Gly Leu 35 40 45 cgt gtg gca gtg aag aag ctc tcc aga cca ttt cag tcc atc att cat 192 Arg Val Ala Val Lys Lys Leu Ser Arg Pro Phe Gln Ser Ile Ile His 50 55 60 gcg aaa aga acc tac aga gaa ctg cgg tta ctt aaa cat atg aaa cat 240 Ala Lys Arg Thr Tyr Arg Glu Leu Arg Leu Leu Lys His Met Lys His 65 70 75 80 gaa aat gtg att ggt ctg ttg gac gtt ttt aca cct gca agg tct ctg 288 Glu Asn Val Ile Gly Leu Leu Asp Val Phe Thr Pro Ala Arg Ser Leu 85 90 95 gag gaa ttc aat gat gtg tat ctg gtg acc cat ctc atg ggg gca gat 336 Glu Glu Phe Asn Asp Val Tyr Leu Val Thr His Leu Met Gly Ala Asp 100 105 110 ctg aac aac att gtg aaa tgt cag aag ctt aca gat gac cat gtt cag 384 Leu Asn Asn Ile Val Lys Cys Gln Lys Leu Thr Asp Asp His Val Gln 115 120 125 ttc ctt atc tac caa att ctc cga ggt cta aag tat ata cat tca gct 432 Phe Leu Ile Tyr Gln Ile Leu Arg Gly Leu Lys Tyr Ile His Ser Ala 130 135 140 gac ata att cac agg gac cta aaa cct agt aat cta gct gtg aat gaa 480 Asp Ile Ile His Arg Asp Leu Lys Pro Ser Asn Leu Ala Val Asn Glu 145 150 155 160 gac tgt gag ctg aag att ctg gat ttt gga ctg gct cgg cac aca gat 528 Asp Cys Glu Leu Lys Ile Leu Asp Phe Gly Leu Ala Arg His Thr Asp 165 170 175 gat gaa atg aca ggc tac gtg gcc act agg tgg tac agg gct cct gag 576 Asp Glu Met Thr Gly Tyr Val Ala Thr Arg Trp Tyr Arg Ala Pro Glu 180 185 190 atc atg ctg aac tgg atg cat tac aac cag aca gtt gat att tgg tca 624 Ile Met Leu Asn Trp Met His Tyr Asn Gln Thr Val Asp Ile Trp Ser 195 200 205 gtg gga tgc ata atg gcc gag ctg ttg act gga aga aca ttg ttt cct 672 Val Gly Cys Ile Met Ala Glu Leu Leu Thr Gly Arg Thr Leu Phe Pro 210 215 220 ggt aca gac cat att gat cag ttg aag ctc att tta aga ctc gtt gga 720 Gly Thr Asp His Ile Asp Gln Leu Lys Leu Ile Leu Arg Leu Val Gly 225 230 235 240 acc cca ggg gct gag ctt ttg aag aaa atc tcc tca gag tct ctg tcg 768 Thr Pro Gly Ala Glu Leu Leu Lys Lys Ile Ser Ser Glu Ser Leu Ser 245 250 255 act tgc tgg aga aga tgc ttg tat tgg act cag ata aga gaa tta cag 816 Thr Cys Trp Arg Arg Cys Leu Tyr Trp Thr Gln Ile Arg Glu Leu Gln 260 265 270 cgg ccc aag ccc ttg cac atg cct act ttg ctc agt acc acg atc ctg 864 Arg Pro Lys Pro Leu His Met Pro Thr Leu Leu Ser Thr Thr Ile Leu 275 280 285 atg atg aac cag tgg ccg atc ctt atg atc agt cct ttg aaa gca ggg 912 Met Met Asn Gln Trp Pro Ile Leu Met Ile Ser Pro Leu Lys Ala Gly 290 295 300 acc tcc tta tagatgagtg gaaaagcctg acctatgatg aagtcatcag 961 Thr Ser Leu 305 ctttgtgcca ccaccccttg accaagaaga gatggagtcc tga 1004
【0072】 <210> 3 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 aatcgatgtc tcaggagagg cccacgttc 29
【0073】 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 gttcccgtga aaaggccttc ccctcac 27
【0074】 <210> 5 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 gccgagctgt tgactggaag aacattg 27
【0075】 <210> 6 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <400> 6 Met Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys Ser 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 MAPキナーゼp38αのこれまで同定されて
いるp38(CSBP2)、CSBP1、Mxi2と、選
択的スプライシングによる新規な変異体(EXIP)の構造
を示す。
【図2】 ヒト腎癌細胞由来cDNAのPCR増幅物に対す
るゲル電気泳動図を示す。
【図3】 マウスの種々の各組織におけるp38、EXIP両
遺伝子の発現を検出した結果を示す。(H:心臓、K:
腎臓、I:腸、Th:胸腺、Sp:脾臓、L:肺、T:
精巣、S:胃、B:脳、Li:肝臓、D:横隔膜)
【図4】 p38、EXIP両遺伝子の培養細胞における発現
を検出した結果を示す。
【図5】 Flagとの融合タンパクとして発現させたEXIP
のゲル電気泳動結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/02 4C084 5/10 C12Q 1/48 Z 4H045 9/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/48 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 33/573 A 33/53 A61K 45/00 33/573 C12N 15/00 ZNAA // A61K 45/00 5/00 A Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 CB01 DA13 DA36 FB01 FB02 FB03 FB05 4B024 AA11 BA10 CA04 DA02 DA06 EA04 GA11 HA12 4B050 CC03 DD11 LL03 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ27 QR59 QR80 QS24 QS28 4B065 AA26X AA91X AA93Y AB01 AC14 CA29 CA46 4C084 AA16 DC25 NA14 ZC20 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 CA40 DA76 DA89 EA50 FA72 FA74

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の何れかのアミノ酸配列を有するタ
    ンパク質。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;(b)配列番
    号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ
    酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ酸配列であっ
    て、配列番号1に記載のアミノ酸配列と実質的に同等の
    MAPキナーゼ活性を有するアミノ酸配列;または
    (c)配列番号1に記載のアミノ酸配列と60%以上の
    相同性を有するアミノ酸配列であって、配列番号1に記
    載のアミノ酸配列と実質的に同等のMAPキナーゼ活性
    を有するアミノ酸配列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のタンパク質をコードす
    る遺伝子。
  3. 【請求項3】 下記の何れかの塩基配列を有する遺伝
    子。 (a)配列番号2に記載の塩基配列;(b)配列番号2
    に記載の塩基配列において1から数個の塩基が欠失、置
    換及び/又は挿入した塩基配列であって、配列番号2に
    記載の塩基配列がコードするタンパク質と実質的に同等
    のMAPキナーゼ活性を有するタンパク質をコードする
    塩基配列;または(c)配列番号2に記載の塩基配列と
    ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
    列であって、配列番号2に記載の塩基配列がコードする
    タンパク質と実質的に同等のMAPキナーゼ活性を有す
    るタンパク質をコードする塩基配列。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の遺伝子を含む
    ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のベクターを有する形質
    転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の形質転換体を用いるこ
    とを特徴とする、MAPキナーゼp38αスプライシン
    グ変異体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のタンパク質に対する抗
    体。
  8. 【請求項8】 配列番号1に記載のアミノ酸配列の25
    4位から307位までのアミノ酸配列を認識する、請求
    項7に記載の抗体。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のタンパク質の発現を測
    定又は検出することを含む、医薬のスクリーニング方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のタンパク質の発現を
    測定又は検出することを含む、MAPキナーゼ関連疾患
    の診断方法。
JP2001337467A 2001-11-02 2001-11-02 MAPキナーゼp38αの新規なスプライシング変異体 Pending JP2003135073A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005062034A1 (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Nec Corporation 質量分析法を利用するタンパク質の同定方法
CN1299220C (zh) * 2004-05-13 2007-02-07 上海交通大学 数字道路地图自动拼接方法
US8895243B2 (en) 2004-12-17 2014-11-25 Sekisui Medical Co., Ltd. Method of assessing cancerous conditions and reagent for detecting gene product to be used in the method

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