JP2003134961A - 水中酸素補給器用気体透過材およびその構造 - Google Patents

水中酸素補給器用気体透過材およびその構造

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Minoru Miwa
實 三輪
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明義 武野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観賞魚用水槽,生け簀,活魚運搬用容器,水
族館の大型展示用水槽等、水中へ空気,酸素,二酸化炭
素等の補給を必要とする環境において、酸素補給器の酸
素排出部に装着することにより、目的とする補給が効果
的に行なわれる気体透過材を提供する。 【解決手段】 酸素補給器の酸素排出部に通気性を有す
る樹脂フィルムと、泡きり材を重ね合わせてなる気体透
過材を装着することにより酸素補給器内に充填された空
気,酸素等の気体は、通気性を有する樹脂フィルムによ
り透過率を制限され、泡きり材を重ね合わせて親水性を
持たせることにより、気体透過材の表面に滞ることなく
水に融合し易い泡沫の状態で水中へ排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、観賞魚用水槽,活
魚用生け簀等の水中に酸素等の気体を供給する、酸素補
給器の酸素排出部に用いられる気体透過材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、観賞魚用水槽,活魚用生け簀
などの水中に酸素等の気体を供給する方法としては、電
動式エアポンプ、酸素ボンベ、酸素発生剤等が主に使用
されており、それらの中でも取り扱いが容易なこと等の
利便性からも、一般に広く用いられているのが電動式エ
アポンプである。電動式エアポンプによる水中酸素の給
供は、エアポンプ内に取り込まれた空気を、酸素排出部
に設けられた微孔を通して水中へ排出して行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸素排
出部に設けられた微孔を通して水中へ排出された泡沫
は、効果的に水中へ酸素補給されることなく、浮力によ
り泡沫の大きさに略比例して、大気中へ放出される。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の水中へ
酸素等の気体を供給する酸素補給器用気体透過材は、酸
素補給器内に充填された圧縮空気,圧縮酸素等の透過率
を制限して微泡沫の状態で水中へ排出するための、高分
子樹脂フィルムに縞状クレーズ領域を設けてなる通気性
フィルムと、その噴き出し部に滞る泡沫の付着を防止す
るための泡きり材を重ね合わせたことを特徴とする、気
体透過材である。
【0005】請求項2に記載の水中へ酸素等の気体を供
給する酸素補給器用気体透過材は、酸素補給器の酸素排
出部に気体透過材として、多孔質膜を有する通気性樹脂
フィルムを用いたことを特徴とするものであり、多孔質
膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等、一部
の高分子樹脂フィルムを加熱して延伸処理することによ
り発生する。酸素補給器内に充填された空気,酸素等の
気体は、気体透過材により透過率を制限され、泡沫の状
態で水中へ排出される。
【0006】請求項3に記載の水中へ酸素等の気体を供
給する酸素補給器用気体透過材は、酸素補給器内に充填
された空気,酸素等の透過率を制限して泡沫の状態で水
中へ排出するための多孔質膜を有する通気性樹脂フィル
ムと、その噴き出し部に滞る泡沫の付着を防止するため
の泡きり材を重ね合わせたことを特徴とする、気体透過
材である。
【0007】請求項4に記載の水中へ酸素等の気体を供
給する酸素補給器用気体透過材は、酸素補給器の酸素排
出部に気体透過材として、通気性樹脂フィルムを用いた
ことを特徴とするものであり、酸素補給器内に充填され
た空気,酸素等は気体透過材により透過率を制限され、
泡沫の状態で水中へ排出される。
【0008】請求項5に記載の水中へ酸素等の気体を供
給する酸素補給器用気体透過材は、酸素補給器内に充填
された空気,酸素等の透過率を制限して泡沫の状態で水
中へ排出するための、通気性樹脂フィルムと、その噴き
出し部に滞る泡沫の付着を防止するための泡きり材を、
重ね合わせたことを特徴とする気体透過材である。
【0009】請求項6に記載の表面に補強材を重ね合わ
せたことを特徴とする気体透過材は、通気性樹脂フィル
ム、又は通気性樹脂フィルムと泡きり材を重ね合わせて
なる気体透過材の表面に、加圧による気体透過材の変形
を防ぐ目的で補強材を配したものであり、補強材は気体
透過材の表面に載置、或いは固着されている。
【0010】
【実施例】本発明の一つである、高分子樹脂フィルムに
縞状クレーズ領域を設けてなる通気性フィルム(以下、
クレーズ入り通気性樹脂フィルムと記載する。)の表面
に、泡きり材を重ね合わせたことを特徴とする、水中へ
酸素等の気体を供給する酸素補給器用気体透過材は、一
実施例として図1に示すと、酸素補給器2の酸素排出部
4に、透過材固定枠10,パッキング12等と共に、ク
レーズ入り通気性樹脂フィルム14と泡きり材16を重
ね合わせてなる気体透過材Fを装着し、酸素補給器に充
填された圧縮空気,圧縮酸素等の透過率を制限して水中
へ排出するものである。
【0011】酸素補給器に充填された圧縮空気,圧縮酸
素等は、用いる樹脂の種類により異なるが、酸素及び窒
素ガスのガス透過度で一般に0.3〜100,000×
10 4 cm3 /m2 ・24hr・atm。の範囲内で、
クレーズ入り通気性樹脂フィルムに透過率を制限されて
微泡沫の状態で水中へ排出される。クレーズ入り通気性
樹脂フィルムのみを気体透過材として用いた場合にはそ
の表面に、排出された微泡沫が滞り、やがて泡の状態で
水中へ放出され、本発明の意図とする水に融合し易い微
泡沫の状態で水中へ排出し、効果的な水中への空気,酸
素等の補給を行なうことができなくなる。
【0012】クレーズ入り通気性樹脂フィルムに泡きり
材を重ね合わせ、クレーズ入り通気性樹脂フィルムの表
面に親水性を持たせることにより、透過率を制限されて
排出された微泡沫は、クレーズ入り通気性樹脂フィルム
の表面に滞ることなく重ね合わせた泡きり材を介して、
水に融合し易い微泡沫の状態で水中へ排出される。
【0013】本発明に用いられる泡きり材としては、木
綿織布も適しているが,パルプと合成繊維との複合不織
布が最も適しており、合成繊維の素材としてはポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ア
クリル,ビニロン等が用いられる。また親水性,通気性
に加えて耐腐食性を兼ね備えるものであれば、ガラス繊
維,金属繊維等との複合不織布或いは複合織布であって
もよく、材質,組成,織り方につて特に限定されるもの
ではない。クレーズ入り通気性樹脂フィルムの表面に親
水処理を施すことにより泡きりを行なうことも一つの方
法である。
【0014】本発明の気体透過材は主に、通気性樹脂フ
ィルムと泡きり材の重ね合わせにより形成されたもので
あり、その重ね合わせは通気性樹脂フィルムの表面に泡
きり材を載置して行なわれる。また、重ね合わせてなる
気体透過材の周縁部を接着、溶着或いはプラスチック,
ゴム等を用いて固着することにより取り扱いの容易な形
態を持つ。
【0015】さらに、一実施例として図2および図3に
示すと、クレーズ入り通気性樹脂フィルム14と泡きり
材16を重ね合わせてなる気体透過材Fの表面に、加圧
による気体透過材の変形を防ぐ目的の補強材18を載置
し、その周縁部を、ゴム20等で固着することにより、
周縁部にシーリング機能を有する、形状の安定した気体
透過材となる。補強材の形状に於いては網状のものが適
しているが特に限定されるものではなく、材質にあって
も、使用に適するものであれば特に限定されるものでは
ない。
【0016】気体透過材の一方の部材として用いるクレ
ーズ入り通気性樹脂フィルムは、本発明の出願人によ
る、特開平7−256676号公報,特許315605
8号公報に一部記載されているものであり、高分子樹脂
フィルムに縞状クレーズ領域を設けることにより、微加
圧の状態でエア等の気体は通すが、水等の液体や、ゲル
状の溶液を通さない特徴を持ちえたものである。
【0017】高分子樹脂フィルムの素材として用いられ
る高分子樹脂としては、フィルム或いはシートの成形が
可能なことから、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
アミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン
含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等の様な熱可塑性樹脂
を挙げることができる。
【0018】また、ポリオレフィンとしては、α−オレ
フィンの単独重合体又は他のα−オレフィン及び/又は
α−オレフィンを主成分として、他のエチレン性不飽和
単重体との共重合体である。ここで共重合体とはブロッ
ク、ランダム、グラフト等或いはこれらの複合体でも良
い。該エチレン性不飽和単重体としては、例えば、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸等の不飽和
カルボン酸又は無水物等を挙げることができる。
【0019】有用なポリオレフィンの具体例としては、
低密度分岐ポリエチレン、高密度線状ポリエチレン、低
密度線状ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレ
ン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリ(1−ブ
テン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等を挙げる
ことができる。
【0020】ポリアミドとしては、芳香族又は/及び脂
肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分とし
て含む縮合生成物である。有用なポリアミドとしては、
ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイ
ロン−4,6、ナイロン−12、非晶性ナイロン等を挙
げることができる。中でも、好ましいポリアミドは、ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、非晶性ナイロンであ
る。
【0021】ポリエステルとしては、例えば、その一つ
として、通常の方法に従って、ジカルボン酸又はその低
級アルキルエステル、酸ハライド若しくは酸無水物誘導
体とグリコール又は二価フェノールとを縮合させて製造
した熱可塑性ポリエステルを挙げることができる。これ
らポリエステルの中でも飽和ポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリナフタレンテレフタレートを使用することが好適で
ある。
【0022】スチレン系樹脂としては、ビニル芳香族化
合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げるこ
とができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合
物のホモポリマー及び共重合体である。これらの中でも
ポリスチレンが好ましく、更に、ゴムグラフトポリスチ
レン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジェン・ス
チレン共重合体を用いることが好適である。
【0023】ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネ
ート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカ
ーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、
2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス
(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシ
フェニル)スルフォン、スルフィド又はスルフォキサイ
ド系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネー
トを用いることが好適である。
【0024】ハロゲン含有熱可塑性樹脂は、テトラフル
オロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビニルフ
ルオライド等の、ホモ重合体及び共重合体を挙げること
ができる。この他にもビニリデンクロライドから導かれ
たホモ重合体及び共重合体を挙げることができる。これ
らの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂は、ポリ
弗化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエ
チレンとの共重合体並びビニリデンクロライドを挙げる
ことができる。
【0025】ニトリル樹脂としては、α−βオレフィン
系不飽和モノニトリルを50重量%以上含むものであ
る。これらの不飽和モノニトリルの中でも、アクリロニ
トリル及びメタクリロニトリル及びそれらの混合物を使
用することが好ましい。
【0026】前記、熱可塑性樹脂の中でも、フィルムや
シートへの成形性や経済性の観点から、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可
塑性樹脂、を使用することが好ましい。これらの熱可塑
性樹脂は、単独で用いても、複合して組成物として用い
ても、或いは、別の高分子樹脂をブレンドしたりしても
良く、更には二種以上の樹脂を多層化して用いても良
い。
【0027】また、クレーズの形成の容易さから、該熱
可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃以上、好ましく
は−30℃以上、特に好ましくは−15℃以上の樹脂を
使用することが望ましい。組成物として使用するときや
多層化して使用するときは、主な構成成分である熱可塑
性樹脂のガラス転移温度が上記範囲内にあることが好ま
しい。これより低いガラス転移温度を示す熱可塑性樹脂
の場合は、柔軟過ぎるためにクレーズの効率的な形成が
難しい。
【0028】熱可塑性樹脂を用いて得られる高分子樹脂
フィルム又はシートは、その製造方法において特別な制
約はなく、各種の成形方法を適用することにより得るこ
とができるが、一般に広く行なわれているTダイ押出成
形法やブローアップを行なうインフレーション成形法を
適用して得られたものが工業的には有利である。
【0029】高分子樹脂フィルムの厚みは、一般に0.
5〜1,000μm、好ましくは1〜800μm、特に
好ましくは2〜500μmのものが使用される。
【0030】高分子樹脂フィルムは、配向度が、複屈折
率で0.5×10-3以上、好ましくは1×10-3以上、
特に好ましくは1.5×10-3以上にある分子配向度を
有することが、クレーズの形成には有効である。この複
屈折率が上記範囲外の分子配向を有するフィルムでは、
目的とするクレーズを容易に形成され難い。配向度は、
該フィルムの成形時の、樹脂温度、引き取り速度、冷却
速度、樹脂の分子量、分子量分布、タクティスティ等の
分子構造を、特にTダイ法であればドロー比を、特にイ
ンフレーション法であればブローアップ比等を変えるこ
とにより制御することができるので、これらを適当に制
御して目的とする好ましい範囲の配向度のフィルムを製
造することができる。
【0031】ここで言う複屈折率とは、主屈折率間の差
として表現されるもので、例えば、フィルムの成形方向
の屈折率(n1)とそれと直角方向の屈折率(n2)の
差(n1−n2)であり、分子配向の程度を表現するイ
ンデックスの一つである。これら複屈折率は、実際に
は、偏向顕微鏡とコンペンセーターを用いることにより
測定することができ、この値が大きいほど異方性が大き
くなり、クレーズが生じ易くなる。
【0032】本発明に使用される、クレーズ入り通気性
フィルムの縞状のクレーズは、基本的に、高分子樹脂フ
ィルムの分子配向の方向と略平行に、幅が一般に0.5
〜100μm、好ましくは1〜50μmのものである。
この縞状クレーズが、フィルムの厚み方向に貫通してい
るクレーズの数の割合が全クレーズの数に対して10%
以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以
上必要であり、貫通している割合が上記範囲未満である
と十分な通気性が得られ難くなる。
【0033】クレーズを分子配向の方向と略平行の方向
に形成するのは、分子鎖の配向の方向と直角の方向に引
っ張ることによってクレーズが形成され、分子鎖の配向
の方向と直角の方向にクレーズを形成することが難しい
からである。ここで言うクレーズとは、高分子樹脂フィ
ルムの表面に現れる表面クレーズと内部に発生する内部
クレーズを含むものであって、微細なひび状の模様を有
する領域を言う。このクレーズは分子束(フィブリル)
とミクロボイドから構成されており、この部分で各種ガ
スの通気性が生じることになる。
【0034】上記の様なクレーズ入り通気性フィルム
は、用いる樹脂の種類により異なるが、一例としてポリ
弗化ビニリデンのホモ重合体を用いると、酸素及び窒素
ガスのガス透過度で一般に0.3〜100,000×1
4 cm3 /m2 ・24hr・atm。透湿度で一般に
10〜100,000×104 g/m2 ・24hr。透
明性が一般に1〜99.5ヘイズ、好ましくは2〜90
ヘイズ、特に好ましくは5〜80ヘイズ。引張強度で一
般に50〜500kg/cm2 、好ましくは60〜50
0kg/cm2 、特に好ましくは75〜500kg/c
2 の範囲内のものにすることができる。
【0035】高分子樹脂フィルムに形成されるクレーズ
は、一般に0.1〜1,000μm、好ましくは1〜8
00μmの間隔で形成され、縞状の領域として認識でき
る程度の量である。
【0036】本発明に使用のクレーズ入り通気性フィル
ムは、上記縞状のクレーズを有していることから、通気
性、透湿性の機能を有している。その機構は、図4に示
す如く、縞状に形成されたクレーズ22が、フィルムや
シートの厚み方向を貫通することにより、酸素や窒素或
いは水蒸気等の気体24がこのクレーズ帯域を拡散する
ことにより通過して通気性が発現する。
【0037】クレーズ入り通気性フィルムの通気性の程
度は、高分子樹脂フィルム中に形成されたクレーズの
幅、クレーズ間の隔たり、クレーズの貫通された数の割
合を変えることで調節することができる。具体的には、
高分子樹脂フィルムの分子配向の度合いやクレーズを形
成させる時の温度、高分子樹脂フィルムの緊張度(緊張
状態における張力)、フィルムの折り曲げ角度等を調節
することで、容易に通気性をコントロールすることがで
き、使用目的に応じた通気性フィルムを提供することが
できる。
【0038】例えば、クレーズを形成させる時の緊張度
を増大させたり、折り曲げ角度を小さくすると、生成す
るクレーズの間隔は小さくなり、クレーズの貫通された
数の割合が増大し、その結果、通気性は増大する。この
様なクレーズの幅、クレーズ間の隔たり、貫通されたク
レーズの割合を変えることで調節されたクレーズ入り通
気性フィルムは、前記酸素及び窒素ガスのガス透過度、
透湿度、透明性、引張強度等をコントロールすることが
できる。
【0039】本発明の一つである、多孔質膜を有する通
気性樹脂フィルムを用いたことを特徴とする水中へ酸素
等の気体を供給する酸素補給器用気体透過材は、多孔質
膜を有する通気性樹脂フィルムを酸素補給器の酸素排出
部に気体透過材として用いることにより酸素補給器内に
充填された空気,酸素等の透過率を制限して泡沫の状態
で水中へ排出するものである。
【0040】通気性を有する樹脂フィルムの多孔質膜
は、焼成されたポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)等、の高分子樹脂フィルムを加熱して延伸処理する
ことにより発生する。1軸延伸することにより縞状のフ
ィブリルが発生し、2軸延伸することにより粒状のノー
ドと放射線状のフィブリルが発生し、フィルム内に空孔
を形成して通気性をもつものである。
【0041】ポリテトラフルオロエチレン(以下、PT
FEと記載する。)を引用して多孔質膜についてさらに
詳しく記載するとPTFEは分子量約5万分の0.1μ
m程度の糸状結晶ポリマー(98.5%以上)なので、
そのままでは溶融押出し成形はできない。そこでケロシ
ンやナフサを潤滑剤として15〜25%程度混入し、次
に80℃でカレンダーロールで薄く伸ばし、加熱して潤
滑剤を除去する。ここで1軸あるいは2軸延伸を行ない
327℃で焼結する。
【0042】このとき、アモルファス容量が増大しかつ
固定化する。このようにして、孔径0.02〜15μ
m,気孔率25〜95%の微細な空孔もつ多孔性膜を製
膜することができる。更に加熱して1軸延伸することに
より縞状のフィブリルが発生し、2軸延伸することによ
り粒状のノードと放射線状のフィブリルが発生すること
により、フィルム内の微細な空孔を拡張して通気性をも
つものである。
【0043】本発明の一つである、多孔質膜を有する通
気性樹脂フィルムの表面に、泡きり材を重ね合わせたこ
とを特徴とする、水中へ酸素等の気体を供給する酸素補
給器用気体透過材は、前記多孔質膜を有する通気性樹脂
フィルムの表面に泡きり材を重ね合わせて親水性を持た
せることにより、透過率を制限されて排出された泡沫
は、多孔質膜を有する通気性樹脂フィルムの表面に滞る
ことなく重ね合わせた泡きり材を介して、水に融合し易
い泡沫の状態で水中へ排出される。
【0044】本発明の一つである、通気性樹脂フィルム
を用いたことを特徴とする、水中へ酸素等の気体を供給
する酸素補給器用気体透過材は、通気性樹脂フィルムを
酸素補給器の酸素排出部に気体透過材として用いること
により酸素補給器内に充填された空気,酸素等の透過率
を制限して泡沫の状態で水中へ排出するものであり、微
加圧の状態でエア等の気体は通すが、水等の液体や、ゲ
ル状の溶液を通さない特徴を持ちえたものである。
【0045】本発明の一つである、通気性樹脂フィルム
の表面に、泡きり材を重ね合わせたことを特徴とする、
水中へ酸素等の気体を供給する酸素補給器用気体透過材
は、前記通気性樹脂フィルムの表面に泡きり材を重ね合
わせて親水性を持たせることにより、透過率を制限され
て排出された泡沫は、多孔質膜を有する通気性樹脂フィ
ルムの表面に滞ることなく重ね合わせた泡きり材を介し
て、水に融合し易い泡沫の状態で水中へ排出される。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、通気性を有する
樹脂フィルムと、泡きり材を重ね合わせてなる気体透過
材であり、酸素補給器の酸素排出部に装着される。酸素
補給器内に充填された圧縮空気,圧縮酸素等は、通気性
を有する樹脂フィルムにより酸素の透過率を制限され、
泡きり材を重ね合わせて親水性を持たせることにより、
気体透過材の表面に滞ることなく水に融合し易い微泡沫
の状態で水中へ排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体透過材の一実施例を示す斜視図
【図2】気体透過材と補強材の構成を示す斜視図
【図3】シーリング機能を有する気体透過材の説明図
【図4】クレーズ入り通気性樹脂フィルムの説明図
【符号の説明】
2 酸素補給器 4 酸素排出部 10 透過材固定枠 12 パッキング 14 クレーズ入り通気性樹脂フィルム 16 泡きり材 18 補強材 20 ゴム 22 クレーズ 24 気体 F クレーズ入り通気性樹脂フィルムに泡きり材を重ね
合わせた気体透過材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 實 愛知県名古屋市北区清水5丁目21番13号 (72)発明者 武野 明義 岐阜県岐阜市守口町3丁目1番地 Fターム(参考) 2B104 CA03 CA09 EB01 EB15 EB26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子樹脂フィルムに縞状クレーズ領域
    を設けてなる通気性フィルムの表面に、泡きり材を重ね
    合わせたことを特徴とする、水中へ酸素等の気体を供給
    する酸素補給器用気体透過材。
  2. 【請求項2】 多孔質膜を有する通気性樹脂フィルムを
    用いたことを特徴とする、水中へ酸素等の気体を供給す
    る酸素補給器用気体透過材。
  3. 【請求項3】 多孔質膜を有する通気性樹脂フィルムの
    表面に、泡きり材を重ね合わせたことを特徴とする、水
    中へ酸素等の気体を供給する酸素補給器用気体透過材。
  4. 【請求項4】 通気性樹脂フィルムを用いたことを特徴
    とする、水中へ酸素等の気体を供給する酸素補給器用気
    体透過材。
  5. 【請求項5】 通気性樹脂フィルムの表面に、泡きり材
    を重ね合わせたことを特徴とする、水中へ酸素等の気体
    を供給する酸素補給器用気体透過材。
  6. 【請求項6】 表面に補強材を重ね合わせたことを特徴
    とする請求項1〜請求項5に記載の気体透過材。
JP2001334691A 2001-10-31 2001-10-31 水中酸素補給器用気体透過材およびその構造 Expired - Fee Related JP4325973B2 (ja)

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