JP2003133374A - ウエハプローバ - Google Patents

ウエハプローバ

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JP2003133374A
JP2003133374A JP2002313295A JP2002313295A JP2003133374A JP 2003133374 A JP2003133374 A JP 2003133374A JP 2002313295 A JP2002313295 A JP 2002313295A JP 2002313295 A JP2002313295 A JP 2002313295A JP 2003133374 A JP2003133374 A JP 2003133374A
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wafer prober
metal
weight
wafer
ceramic substrate
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JP2002313295A
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English (en)
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Atsushi Ito
淳 伊藤
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Masakazu Furukawa
正和 古川
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で昇温、降温特性に優れており、しか
も、プローブカードを押圧した場合にも反りがなく、シ
リコンウエハの破損や測定ミスを有効に防止することが
できるウエハプローバを提供すること。 【解決手段】 セラミック基板の表面に導体層が形成さ
れてなることを特徴とするウエハプローバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業に
おいて使用されるウエハプローバに関し、特には、薄く
て軽く、昇温降温特性に優れるウエハプローバに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体は種々の産業において必要とされ
る極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、
シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウ
エハを作製した後、このシリコンウエハに種々の回路等
を形成することにより製造される。この半導体チップの
製造工程においては、シリコンウエハの段階でその電気
的特性が設計通りに動作するか否かを測定してチェック
するプロービング工程が必要であり、そのために所謂プ
ローバが用いられる。
【0003】このようなプローバとして、例えば、特許
第2587289号公報、特公平3−40947号公
報、特開平11−31724号公報等には、アルミニウ
ム合金やステンレス鋼などの金属製チャックトップを有
するウエハプローバが開示されている(図13参照)。
このようなウエハプローバでは、例えば、図12に示す
ように、ウエハプローバ上にシリコンウエハを載置し、
このシリコンウエハにテスタピンを持つプローブカード
を押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加して導通テ
ストを行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
金属製のチャックトップを有するウエハプローバには、
次のような問題があった。まず、金属製であるため、チ
ャックトップの厚みは15mm程度と厚くしなければな
らない。このようにチャックトップを厚くするのは、薄
い金属板では、プローブカードのテスタピンによりチャ
ックトップが押され、チャックトップの金属板に反りや
歪みが発生してしまい、金属板上に載置されるシリコン
ウエハが破損したり傾いたりしてしてしまうからであ
る。このため、チャックトップを厚くする必要がある
が、その結果、チャックトップの重量が大きくなり、ま
たかさばってしまう。
【0005】また、熱伝導率が高い金属を使用している
にもかかわらず、昇温、降温特性が悪く、電圧や電流量
の変化に対してチャックトップ板の温度が迅速に追従し
ないため温度制御をしにくく、高温でシリコンウエハを
載置すると温度制御不能になってしまう。
【0006】本願発明は、上記課題に鑑み、軽量で昇
温、降温特性に優れており、しかも、プローブカードを
押圧した場合にも反りがなく、シリコンウエハの破損や
測定ミスを有効に防止することができるウエハプローバ
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、金属製のチャック
トップに代えて、剛性の高いセラミックに導体層を設け
てこれをチャックトップ導体層とすることにより、薄く
しても反りが発生しないウエハプローバが得られること
を見いだした。
【0008】さらに、金属製のチャックトップを有する
ウエハプローバでは、熱伝導率が高い金属を使用してい
るにもかかわらず、昇温、降温特性が悪くなるのは、金
属板の厚みが厚すぎて熱容量が大きくなってしまうため
であることを突き止めるとともに、セラミックを使用す
ることにより、熱伝導率が金属より劣っていても、厚み
を薄くして熱容量を小さくすることができ、昇温、降温
特性を改善することができるという、従来の常識とは全
く逆の新たな技術思想に想到し、本発明を完成するに至
った。
【0009】即ち本発明は、セラミック基板の表面に導
体層(チャックトップ導体層)が形成されてなることを
特徴とするウエハプローバである。上記ウエハプローバ
において、上記該セラミック基板には温度制御手段が設
けられていることが望ましい。
【0010】また、上記ウエハプローバにおいて、上記
セラミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミッ
クおよび酸化物セラミックに属するセラミックから選ば
れる少なくとも1種であることが望ましい。また、上記
温度制御手段は、ペルチェ素子であるか、または、発熱
体であることが望ましい。
【0011】また、また、上記ウエハプローバにおい
て、上記セラミック基板中には、少なくとも1層以上の
導体層が形成されいることが望ましく、上記セラミック
基板の表面には溝が形成されていることが望ましい。ま
た、上記セラミック基板の表面には溝が形成され、その
溝には、空気の吸引孔が形成されていることが望まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のウエハプローバでは、セ
ラミック基板の表面に導体層(チャックトップ導体層)
が形成されてなることを特徴とする。以下、導体層をチ
ャックトップ導体層ということにする。本発明では、剛
性の高いセラミックからなる基板を使用しているため、
プローブカードのテスタピンによりチャックトップが押
されてもチャックトップが反ることはなく、チャックト
ップの厚さを金属に比べて小さくすることができる。
【0013】また、チャックトップの厚さを金属に比べ
て小さくすることができるため、熱伝導率が金属より低
いセラミックであっても結果的に熱容量が小さくなり、
昇温、降温特性を改善することができる。
【0014】図1は、本発明のウエハプローバの一実施
形態を模式的に示した断面図であり、図2は、その平面
図であり、図3は、その底面図であり、図4は、図1に
示したウエハプローバにおけるA−A線断面図である。
【0015】このウエハプローバでは、平面視円形状の
セラミック基板3の表面に、同心円形状の溝7が形成さ
れるとともに、溝7の一部にシリコンウエハを吸引する
ための複数の吸引孔8が設けられており、溝7を含むセ
ラミック基板3の大部分にシリコンウエハの電極と接続
するためのチャックトップ導体層2が円形状に形成され
ている。
【0016】一方、セラミック基板3の底面には、シリ
コンウエハの温度をコントロールするために、図3に示
したような平面視同心円形状の発熱体41が設けられて
おり、発熱体41の両端には、外部端子ピン191が接
続、固定され、セラミック基板3の内部には、ストレイ
キャパシタやノイズを除去するためにガード電極5とグ
ランド電極6とが設けられている。
【0017】本発明のウエハプローバは、例えば、図1
〜4に示したような構成を有するものである。以下にお
いて、上記ウエハプローバを構成する各部材、および、
本発明のウエハプローバの他の実施形態について、順次
詳細に説明していくことにする。
【0018】本発明のウエハプローバで使用されるセラ
ミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミックお
よび酸化物セラミックに属するセラミックから選ばれる
少なくとも1種であることが望ましい。
【0019】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タンステン等が挙げられる。
【0020】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。前記セラミック中には、カーボンを200〜100
0ppm含むことが望ましい。セラミック内の電極パタ
ーンを隠蔽し、かつ、高輻射熱が得られるからである。
カーボンは、X線回折で検出可能な結晶質または検出不
能な非晶質の一方または両方であってもよい。
【0022】本発明におけるチャックトップのセラミッ
ク基板の厚さは、チャックトップ導体層より厚いことが
必要であり、具体的には1〜10mmが望ましい。ま
た、本発明においては、シリコンウエハの裏面を電極と
して使用するため、セラミック基板の表面にチャックト
ップ導体層が形成されている。
【0023】上記チャックトップ導体層の厚さは、1〜
20μmが望ましい。1μm未満では抵抗値が高くなり
すぎて電極として働かず、一方、20μmを超えると導
体の持つ応力によって剥離しやすくなってしまうからで
ある。
【0024】チャックトップ導体層としては、例えば、
銅、チタン、クロム、ニッケル、貴金属(金、銀、白金
等)、タングステン、モリブデンなどの高融点金属から
選ばれる少なくとも1種の金属を使用することができ
る。チャップ導体層は、金属や導電性セラミックからな
る多孔質体であってもよい。多孔質体の場合は、後述す
るような吸引吸着のための溝を形成する必要がなく、溝
の存在を理由としたウエハの破損を防止することができ
るだけでなく、表面全体で均一な吸引吸着を実現できる
からである。このような多孔質体としては、金属焼結体
を使用することができる。また、多孔質体を使用した場
合は、その厚さは、1〜200μmで使用することがで
きる。多孔質体とセラミック基板との接合は、半田やろ
う材を用いる。
【0025】チャックトップ導体層としては、ニッケル
を含むものであることが望ましい。硬度が高く、テスタ
ピンの押圧に対しても変形等しにくいからである。チャ
ックトップ導体層の具体的な構成としては、例えば、初
めにニッケルスパッタリング層を形成し、その上に無電
解ニッケルめっき層を設けたものや、チタン、モリブデ
ン、ニッケルをこの順序でスパッタリングし、さらにそ
の上にニッケルを無電解めっきもしくは電解めっきで析
出させたもの等が挙げられる。
【0026】また、チタン、モリブデン、ニッケルをこ
の順序でスパッタリングし、さらにその上に銅およびニ
ッケルを無電解めっきで析出させたものであってもよ
い。銅層を形成することでチャックトップ電極の抵抗値
を低減させることができるからである。
【0027】さらに、チタン、銅をこの順でスパッタリ
ングし、さらにその上にニッケルを無電解めっきもしく
は無電解めっきで析出させたものであってもよい。ま
た、クロム、銅をこの順でスパッタリングし、さらにそ
の上にニッケルを無電解めっきもしくは無電解めっきで
析出させたものとすることも可能である。
【0028】上記チタン、クロムは、セラミックとの密
着性を向上させることができ、また、モリブデンはニッ
ケルとの密着性を改善することができる。チタン、クロ
ムの厚みは0.1〜0.5μm、モリブデンの厚みは
0.5〜7.0μm、ニッケルの厚みは0.4〜2.5
μmが望ましい。
【0029】上記チャックトップ導体層の表面には、貴
金属層(金、銀、白金、パラジウム)が形成されている
ことが望ましい。貴金属層は、卑金属のマイグレーショ
ンによる汚染を防止することができるからである。貴金
属層の厚さは、0.01〜15μmが望ましい。
【0030】本発明においては、セラミック基板に温度
制御手段を設けておくことが望ましい。加熱または冷却
しながらシリコンウエハの導通試験を行うことができる
からである。
【0031】上記温度制御手段としては図1に示した発
熱体41のほかに、ペルチェ素子であってもよい。発熱
体を設ける場合は、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹
きつけ口などを設けておいてもよい。発熱体は、複数層
設けてもよい。この場合は、各層のパターンは相互に補
完するように形成されて、加熱面からみるとどこかの層
にパターンが形成された状態が望ましい。例えば、互い
に千鳥の配置になっている構造である。
【0032】発熱体としては、例えば、金属または導電
性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げられ
る。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンか
ら選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属は
比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有する
からである。
【0033】また、導電性セラミックとしては、タング
ステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1
種を使用することができる。さらに、セラミック基板の
外側に発熱体を形成する場合には、金属焼結体として
は、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケルを
使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジウ
ムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使用
される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状とリ
ン片状の混合物を使用することができる。
【0034】金属焼結体中には、金属酸化物を添加して
もよい。上記金属酸化物を使用するのは、窒化物セラミ
ックまたは炭化物セラミックと金属粒子を密着させるた
めである。上記金属酸化物により、窒化物セラミックま
たは炭化物セラミックと金属粒子との密着性が改善され
る理由は明確ではないが、金属粒子表面および窒化物セ
ラミックまたは炭化物セラミックの表面はわずかに酸化
膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介
して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミックま
たは炭化物セラミックが密着するのではないかと考えら
れる。
【0035】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1
種が好ましい。これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大
きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまたは
炭化物セラミックとの密着性を改善できるからである。
【0036】上記金属酸化物は、金属粒子に対して0.
1重量%以上10重量%未満であることが望ましい。抵
抗値が大きくなりすぎず、金属粒子と窒化物セラミック
または炭化物セラミックとの密着性を改善することがで
きるからである。
【0037】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホ
ウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの
割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合
に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量
部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜7
0重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1
〜50重量部、チタニアが1〜50主部が好ましい。但
し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調整
されることが望ましい。これらの範囲が特に窒化物セラ
ミックとの密着性を改善できる範囲だからである。
【0038】発熱体をセラミック基板の表面に設ける場
合は、発熱体の表面は、金属層410で被覆されている
ことが望ましい(図11(e)参照)。発熱体は、金属
粒子の焼結体であり、露出していると酸化しやすく、こ
の酸化により抵抗値が変化してしまう。そこで、表面を
金属層で被覆することにより、酸化を防止することがで
きるのである。
【0039】金属層の厚さは、0.1〜10μmが望ま
しい。発熱体の抵抗値を変化させることなく、発熱体の
酸化を防止することができる範囲だからである。被覆に
使用される金属は、非酸化性の金属であればよい。具体
的には、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルから選ば
れる少なくとも1種以上が好ましい。なかでもニッケル
がさらに好ましい。発熱体には電源と接続するための端
子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体に取
り付けるが、ニッケルは半田の熱拡散を防止するからで
ある。接続端子しては、コバール製の端子ピンを使用す
ることができる。なお、発熱体をヒータ板内部に形成す
る場合は、発熱体表面が酸化されることがないため、被
覆は不要である。発熱体をヒータ板内部に形成する場
合、発熱体の表面の一部が露出していてもよい。
【0040】発熱体として使用する金属箔としては、ニ
ッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成
して発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属
箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線と
しては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙
げられる。
【0041】温度制御手段としてペルチェ素子を使用す
る場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、
冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素
子は、図7に示すように、p型、n型の熱電素子440
を直列に接続し、これをセラミック板441などに接合
させることにより形成される。ペルチェ素子としては、
例えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチ
モン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
【0042】本発明では、温度制御手段とチャックトッ
プ導体層との間に少なくとも1層以上の導電層が形成さ
れていることが望ましい。図1におけるガード電極5と
グランド電極6が上記導体層に相当する。ガード電極5
は、測定回路内に介在するストレイキャパシタをキャン
セルするための電極であり、測定回路(即ち、図1のチ
ャックトップ導体層2)の接地電位が与えられている。
また、グランド電極6は、温度制御手段からのノイズを
キャンセルするために設けられている。これらの電極の
厚さは、1〜20μmが望ましい。薄すぎると、抵抗値
が高くなり、厚すぎるとセラミック基板が反ったり、熱
衝撃性が低下するからである。
【0043】これらのガード電極5、グランド電極6
は、図4に示したような格子状に設けられていることが
望ましい。即ち、円形状の導体層51の内部に矩形状の
導体層非形成部52が多数整列して存在する形状であ
る。このような形状としたのは、導体層上下のセラミッ
ク同士の密着性を改善するためである。本発明のウエハ
プローバのチャックトップ導体層形成面には図2に示し
たように溝7と空気の吸引孔8が形成されていることが
望ましい。吸引孔8は、複数設けられて均一な吸着が図
られる。シリコンウエハWを載置して吸引孔8から空気
を吸引してシリコンウエハWを吸着させることができる
からである。
【0044】本発明におけるウエハプローバとしては、
例えば、図1に示すようにセラミック基板3の底面に発
熱体41が設けられ、発熱体41とチャックトップ導体
層2との間にガード電極5の層とグランド電極6の層と
がそれぞれ設けられた構成のウエハプローバ101、図
5に示すようにセラミック基板3の内部に扁平形状の発
熱体42が設けられ、発熱体42とチャックトップ導体
層2との間にガード電極5とグランド電極6とが設けら
れた構成のウエハプローバ201、図6に示すようにセ
ラミック基板3の内部に発熱体である金属線43が埋設
され、金属線43とチャックトップ導体層2との間にガ
ード電極5とグランド電極6とが設けられた構成のウエ
ハプローバ301、図7に示すようにペルチェ素子44
(熱電素子440とセラミック基板441からなる)が
セラミック基板3の外側に形成され、ペルチェ素子44
とチャックトップ導体層2との間にガード電極5とグラ
ンド電極6とが設けられた構成のウエハプローバ401
等が挙げられる。いずれのウエハプローバも、溝7と吸
引孔8とを必ず有している。
【0045】本発明では、図1〜7に示したようにセラ
ミック基板3の内部に発熱体42、43が形成され(図
5〜6)、セラミック基板3の内部にガード電極5、グ
ランド電極6(図1〜7)が形成されるため、これらと
外部端子とを接続するための接続部(スルーホール)1
6、17、18が必要となる。スルーホール16、1
7、18は、タングステンペースト、モリブデンペース
トなどの高融点金属、タングステンカーバイド、モリブ
デンカーバイドなどの導電性セラミックを充填すること
により形成される。
【0046】また、接続部(スルーホール)16、17
の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止し
つつ、クラックや歪みを防止できるからである。このス
ルーホールを接続パッドとして外部端子ピンを接続する
(図11(g)参照)。
【0047】接続は、半田、ろう材により行う。ろう材
としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、
金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が
望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性
に優れるからである。
【0048】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.
5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が
望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが
望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。
また、10-6〜10-5Paの高真空で500℃〜100
0℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化する
が、Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利であ
る。また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を1
00重量部とした場合に1重量部未満であることが望ま
しい。
【0049】本発明では、必要に応じてセラミック基板
に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により
発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流
量を変えて、温度を制御することができるからである。
熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線
径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.
5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分
の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電
流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向
上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのであ
る。上記熱電対としては、例えば、JIS−C−160
2(1980)に挙げられるように、K型、R型、B
型、S型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
【0050】図8は、以上のような構成の本発明のウエ
ハプローバを設置するための支持台11を模式的に示し
た断面図である。この支持台11には、冷媒吹き出し口
12が形成されており、冷媒注入口14から冷媒が吹き
込まれる。また、吸引口13から空気を吸引して吸引孔
8を介してウエハプローバ上に載置されたシリコンウエ
ハ(図示せず)を溝7に吸い付けるのである。図9
(a)は、支持台の他の一例を模式的に示した水平断面
図であり、(b)は、(a)図におけるB−B線断面図
である。図9に示したように、この支持台では、ウエハ
プローバがプローブカードのテスタピンの押圧によって
反らないように、多数の支持柱15が設けられている。
支持台は、アルミニウム合金、ステンレスなどを使用す
ることができる。
【0051】次に、本発明のウエハプローバの製造方法
の一例を図10〜11に示した断面図に基づき説明す
る。 (1)まず、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭
化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダおよ
び溶剤と混合してグリーンシート30を得る。前述した
セラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、
炭化ケイ素などを使用することができ、必要に応じて、
イットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。
【0052】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ラールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。さら
に、溶媒としては、α−テルピオーネ、グリコールから
選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混合して
得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成
形してグリーンシート30を作製する。
【0053】グリーンシート30に、必要に応じてシリ
コンウエハの支持ピンを挿入する貫通孔や熱電対を埋め
込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部は、
パンチングなどで形成することができる。グリーンシー
ト30の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0054】次に、グリーンシート30にガード電極、
グランド電極を印刷する。印刷は、グリーンシート30
の収縮率を考慮して所望のアスペクト比が得られるよう
に行い、これによりガード電極印刷体50、グランド電
極印刷体60を得る。印刷体は、導電性セラミック、金
属粒子などを含む導電性ペーストを印刷することにより
形成する。
【0055】これらの導電性ペースト中に含まれる導電
性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブ
デンの炭化物が最適である。酸化しにくく熱電導率が低
下しにくいからである。また、金属粒子としては、例え
ば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを
使用することができる。
【0056】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜 5μmが好ましい。これらの粒子は、
大きすぎても小さすぎてもペーストを印刷しにくいから
である。このようなペーストとしては、金属粒子または
導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、
エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビニラ
ールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜1
0重量部、α−テルピオーネ、グリコール、エチルアル
コールおよびブタノールから選ばれる少なくとも1種の
溶媒を1.5〜10重量部混合して調製したぺーストが
最適である。さらに、パンチング等で形成した孔に、導
電ペーストを充填してスルーホール印刷体160、17
0を得る。
【0057】次に、図10(a)に示すように、印刷体
50、60、160、170を有するグリーンシート3
0と、印刷体を有さないグリーンシート30を積層す
る。発熱体形成側に印刷体を有さないグリーンシート3
0を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、発
熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止するた
めである。もしスルーホールの端面が露出したまま、発
熱体形成の焼成を行うのであれば、ニッケルなどの酸化
しにくい金属をスパッタリングする必要があり、さらに
好ましくは、Au−Niの金ろうで被覆してもよい。
【0058】(2)次に、図10(b)に示すように、
積層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび
導電ペーストを焼結させる。加熱温度は、1000〜2
000℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好まし
く、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で
行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用
することができる。この工程でスルーホール16、1
7、ガード電極5、グランド電極6が形成される。
【0059】(3)次に、図10(c)に示すように、
焼結体の表面に溝7を設ける。溝7は、ドリル、サンド
ブラスト等により形成する。 (4)次に、図10(d)に示すように、焼結体の底面
に導電ペーストを印刷してこれを焼成し、発熱体41を
作製する。
【0060】(5)次に、図11(e)に示すように、
ウエハ載置面(溝形成面)にチタン、モリブデン、ニッ
ケル等をスパッタリングした後、無電解ニッケルめっき
等を施しチャックトップ導体層2を設ける。このとき同
時に、発熱体41の表面にも無電解ニッケルめっき等に
より保護層410を形成する。
【0061】(6)次に、図11(f)に示すように、
溝7から裏面にかけて貫通する吸引孔8、外部端子接続
のための袋孔18を設ける。袋孔の内壁は、その少なく
とも一部が導電化され、その導電化された内壁は、ガー
ド電極、グランド電極などと接続されていることが望ま
しい。 (7)最後に、図11(g)に示すように、発熱体41
表面の取りつけ部位に半田ペーストを印刷した後、外部
端子ピン191を乗せて、加熱してリフローする。加熱
温度は、200〜500℃が好適である。
【0062】また、袋孔18にも金ろうを介して外部端
子19、190を設ける。さらに、必要に応じて、有底
孔を設け、その内部に熱電対を埋め込むことができる。
半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を
使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1
〜50μmが望ましい。半田による接続を確保するに充
分な範囲だからである。
【0063】なお、上記説明ではウエハプローバ101
(図1参照)を例にしたが、ウエハプローバ201(図
5参照)を製造する場合は、発熱体をグリーンシートに
印刷すればよい。また、ウエハプローバ301(図6参
照)を製造する場合は、セラミック粉体にガード電極、
グランド電極として金属板を、また金属線を発熱体にし
て埋め込み、焼結すればよい。さらに、ウエハプローバ
401(図7参照)を製造する場合は、ペルチェ素子を
溶射金属層を介して接合すればよい。
【0064】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)ウエハプローバ101(図1参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、
分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノール
とからなるアルコール53重量部を混合した組成物を用
い、ドクターブレード法により成形を行って厚さ0.4
7mmのグリーンシートを得た。
【0065】(2)このグリーンシートを80℃で5時
間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端子ピン
と接続するためのスルーホール用の貫通孔を設けた。 (3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子
100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−
テルピオーネ溶媒3.5重量および分散剤0.3重量部
を混合して導電性ペーストAとした。
【0066】また、平均粒子径3μmのタングステン粒
子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α
−テルピオーネ溶媒3.7重量および分散剤0.2重量
部を混合して導電性ペーストBとした。
【0067】次に、グリーンシートに、この導電性ペー
ストAを用いたスクリーン印刷で、格子状のガード電極
用印刷体50、グランド電極用印刷体60を印刷印刷し
た。また、端子ピンと接続するためのスルーホール用の
貫通孔に導電性ペーストBを充填した。
【0068】さらに、印刷されたグリーンシートおよび
印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して1
30℃、80kg/cm2 の圧力で一体化することによ
り積層体を作製した(図10(a)参照)。
【0069】(4)次に、この積層体を窒素ガス中で6
00℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/
cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ4mmの窒化アル
ミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径230
mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とした
(図10(b)参照)。スルーホール16、17の大き
さは、直径3.0mm、深さ3.0mmであった。ま
た、ガード電極5、グランド電極6の厚さは10μm、
ガード電極5の形成位置は、ウエハ載置面から1.2m
m、グランド電極6の形成位置は、ウエハ載置面から
3.0mmであった。
【0070】(5)上記(4)で得た板状体を、ダイア
モンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビー
ズによるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部(図
示せず)およびシリコンウエハ吸着用の溝7(幅0.5
mm、深さ0.5mm)を設けた(図10(c)参
照)。
【0071】(6)さらに、ウエハ載置面に対向する面
に発熱体41を印刷した。印刷は導電ペーストを用い
た。導電ペーストは、プリント配線板のスルーホール形
成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS
603Dを使用した。この導電ペーストは、銀/鉛ペー
ストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、
アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、
5/55/10/25/5)を銀100重量部に対して
7.5重量部含むものであった。また、銀の形状は平均
粒径4.5μmでリン片状のものであった。
【0072】(7)導電ペーストを印刷したヒータ板を
780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛を焼
結させるとともにセラミック基板3に焼き付けた。さら
に硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化ア
ンモニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを
含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴にヒータ板
を浸漬して、銀の焼結体41の表面に厚さ1μm、ホウ
素の含有量が1重量%以下のニッケル層410を析出さ
せた。この後、ヒータ板は、120℃で3時間アニーリ
ング処理を施した。銀の焼結体からなる発熱体は、厚さ
が5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7m
Ω/□であった(図10(d))。
【0073】(8)溝7が形成された面に、スパッタリ
ング法により、順次、チタン層、モリブデン層、ニッケ
ル層を形成した。スパッタリングのための装置は、日本
真空技術株式会社製のSV−4540を使用した。スパ
ッタリングの条件は気圧0.6Pa、温度100℃、電
力200Wであり、スパッタリング時間は、30秒から
1分の範囲内で、各金属によって調整した。得られた膜
の厚さは、蛍光X線分析計の画像から、チタン層は0.
3μm、モリブデン層は2μm、ニッケル層は1μmで
あった。
【0074】(9)硫酸ニッケル30g/l、ほう酸3
0g/l、塩化アンモニウム30g/lおよびロッシェ
ル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめ
っき浴、および、硫酸ニッケル250〜350g/l、
塩化ニッケル40〜70g/l、ホウ酸30〜50g/
lを含み、硫酸でpH2.4〜4.5に調整した電解ニ
ッケルめっき浴を用いて、上記(8)で得られたセラミ
ック板を浸漬し、スパッタリングにより形成された金属
層の表面に厚さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下
のニッケル層を析出させ、120℃で3時間アニーリン
グした。発熱体表面は、電流を流さず、電解ニッケルめ
っきで被覆されない。
【0075】さらに、表面にシアン化金カリウム2g/
l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム
50g/lおよび次亜リン酸ナトリウム10g/lを含
む無電解金めっき液に、93℃の条件で1分間浸漬し、
ニッケルめっき層15上に厚さ1μmの金めっき層を形
成した(図11(e)参照)。
【0076】(10)溝7から裏面に抜ける空気吸引孔
8をドリル加工により形成し、さらにスルーホール1
6、17を露出させるための袋孔18を設けた(図10
(f)参照)。この袋孔18にNi−Au合金(Au8
1.5重量%、Ni18.4重量%、不純物0.1重量
%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローし
てコバール製の外部端子ピン19、190を接続させた
(図11(g)参照)。また、発熱体に半田(スズ9/
鉛1)を介してコバール製の外部端子ピン191を形成
した。
【0077】(11)次に、温度制御のための複数熱電
対を凹部に埋め込み、ウエハプローバヒータ101を得
た。 (12)このウエハプローバ101を図8の断面形状を
有するステンレス製の支持台にセラミックファイバー
(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材
10を介して組み合わせた。この支持台11は冷却ガス
の噴射ノズル12を有し、ウエハプローバ101の温度
調整を行うことができる。また、吸引口13から空気を
吸引してシリコンウエハの吸着を行う。
【0078】(実施例2)ウエハプローバ201(図5
参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリルバイダー11.5重量部、
分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノール
とからなるアルコール53重量部を混合した組成物を、
ドクターブレード法により成形し、厚さ0.47mmの
グリーンシートを得た。
【0079】(2)このグリーンシートを80℃で5時
間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端子ピン
と接続するためのスルーホール用の貫通孔を設けた。 (3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子
100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−
テルピオーネ溶媒3.5重量および分散剤0.3重量部
を混合して導電性ペーストAとした。
【0080】また、平均粒子径3μmのタングステン粒
子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α
−テルピオーネ溶媒3.7重量および分散剤0.2重量
部を混合して導電性ペーストBとした。
【0081】次に、グリーンシートに、この導電性ペー
ストAを用いたスクリーン印刷で、格子状のガード電極
用印刷体、グランド電極用印刷体を印刷した。さらに、
発熱体を図3に示すように同心円パターンとして印刷し
た。
【0082】また、端子ピンと接続するためのスルーホ
ール用の貫通孔に導電性ペーストBを充填した。さら
に、印刷されたグリーンシートおよび印刷がされていな
いグリーンシートを50枚積層して130℃、80kg
/cm2 の圧力で一体化し、積層体を作製した。
【0083】(4)次に、この積層体を窒素ガス中で6
00℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/
cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アル
ミニウム板状体を得た。これを直径230mmの円状に
切り出してセラミック製の板状体とした。スルーホール
の大きさは直径2.0mm、深さ3.0mmであった。
また、ガード電極5、グランド電極6の厚さは6μm、
ガード電極5の形成位置は、ウエハ載置面から0.7m
m、グランド電極6の形成位置は、ウエハ載置面から
1.4mm、発熱体の形成位置は、ウエハ載置面から
2.8mmであった。
【0084】(5)上記(4)で得た板状体を、ダイア
モンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビー
ズによるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部(図
示せず)およびシリコンウエハ吸着用の溝7(幅0.5
mm、深さ0.5mm)を設けた。
【0085】(6)溝7が形成された面にスパッタリン
グにてチタン、モリブデン、ニッケル層を形成した。ス
パッタリングのための装置は、日本真空技術株式会社製
のSV−4540を使用した。スパッタリングの条件は
気圧0.6Pa、温度100℃、電力200Wで、スパ
ッタリングの時間は、30秒から1分の間で、各金属に
より調整した。得られた膜は、蛍光X線分析計の画像か
らチタンは0.5μm、モリブデンは4μm、ニッケル
は1.5μmであった。
【0086】(7)硫酸ニッケル30g/l、ほう酸3
0g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩
60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき
浴に(6)で得られたセラミック板3を浸漬して、スパ
ッタリングにより形成された金属層の表面に厚さ7μ
m、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層を析出
させ、120℃で3時間アニーリングした。
【0087】さらに、表面にシアン化金カリウム2g/
l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム
50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる
無電解金めっき液に93℃の条件で1分間浸漬して、ニ
ッケルめっき層上に厚さ1μmの金めっき層を形成し
た。
【0088】(8)溝7から裏面に抜ける空気吸引孔8
をドリル加工により形成し、さらにスルーホール16、
17を露出させるための袋孔18を設けた。この袋孔1
8にNi−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.
4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用
い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子
ピン19、190を接続させた。外部端子19、190
は、W製でもよい。
【0089】(9)温度制御のための複数熱電対を凹部
に埋め込み、ウエハプローバヒータ201を得た。 (10)このウエハプローバ201を図9の断面形状を
持つステンレス製の支持台にセラミックファイバー(イ
ビデン社製:商品名 イビウール)からなる断熱材10
を介して組み合わせた。この支持台11には、ウエハプ
ローバの反り防止のための支持柱15が形成されてい
る。また、吸引口13から空気を吸引してシリコンウエ
ハの吸着を行う。
【0090】(実施例3) ウエハプローバ301(図
6参照)の製造 (1)厚さ10μmのタングステン箔を打抜き加工する
ことにより格子状の電極を形成した。格子状の電極2枚
(ぞれぞれガード電極5、グランド電極6となるもの)
およびタングステン線を窒化アルミニウム粉末(トクヤ
マ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリ
ア(平均粒径0.4μm)4重量部とともに、成形型中
に入れて窒素ガス中で1890℃、圧力150kg/c
2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミ
ニウム板状体を得た。これを直径230mmの円状に切
り出して板状体とした。 (2)この板状体に対し、実施例2の(5)〜(10)
の工程を実施し、ウエハプローバ301を得、実施例1
と同様にウエハプローバ301を図8に示した支持台1
1上に載置した。
【0091】(実施例4) ウエハプローバ401(図
7参照)の製造 実施例1の(1)〜(5)、および、(8)〜(10)
を実施した後、さらにウエハ載置面に対向する面にニッ
ケルを溶射し、この後、鉛・テルル系のペルチェ素子を
接合させ、ウエハプローバ401を得、実施例1と同様
にウエハプローバ401を図8に示した支持台11上に
載置した。
【0092】(実施例5) 炭化珪素をセラミック基板
とするウエハプローバの製造 以下に記載する事項または条件以外は、実施例3の場合
と同様にして、ウエハプローバを製造した。即ち、平均
粒径1.0μmの炭化ケイ素粉末100重量部を使用
し、また、格子状の電極2枚(ぞれぞれガード電極5、
グランド電極6となるもの)、および、表面にテトラエ
トキシシラン10重量%、塩酸0.5重量%および水8
9.5重量%からなるゾル溶液を塗布したタングステン
線を使用し、1900℃の温度で焼成した。なお、ゾル
溶液は焼成でSiO2 となって絶縁層を構成する。次
に、実施例5で得られたウエハプローバ401を、実施
例1と同様に図8に示した支持台11上に載置した。
【0093】(実施例6) アルミナをセラミック基板
とするウエハプローバの製造 以下に記載する工程または条件以外は、実施例1の場合
と同様にして、ウエハプローバを製造した。アルミナ粉
末(トクヤマ製、平均粒径1.5μm)100重量部、
アクリルバイダー11.5重量部、分散剤0.5重量部
および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコー
ル53重量部を混合した組成物を、ドクターブレード法
を用いて成形し、厚さ0.5mmのグリーンシートを得
た。また、焼成温度を1000℃とした。次に、実施例
6で得られたウエハプローバを、実施例1と同様に図8
に示した支持台11上に載置した。
【0094】(実施例7) (1)平均粒子径3μmのタングステン粉末を円板状の
成形治具に入れて、窒素ガス中で温度1890℃、圧力
150kg/cm2 で3時間ホットプレスして、直径2
00mm、厚さ110μmのタングステン製の多孔質チ
ャップトップ導体層を得た。
【0095】(2)次に、実施例1の(1)〜(4)、
および、(5)〜(7)と同様の工程を実施し、ガード
電極、グランド電極、発熱体を有するセラミック基板を
得た。
【0096】(3)上記(1)で得た多孔質チャップト
ップ導体層を金ろう(実施例1の(10)と同じもの)
の粉末を介してセラミック基板に載置し、970℃でリ
フローした。 (4)実施例1の(10)〜(12)と同様の工程を実
施してウエハプローバを得た。この実施例で得られたウ
エハプローバは、チャックトップ導体層と半導体ウエハ
とが均一に吸着する。
【0097】(比較例1)基本的には、特公平3−40
947号公報に記載された方法に準じ、図12に示す構
造を有する金属製ウエハプローバを作製した。すなわ
ち、このウエハプローバにおいて、チャックトップ1B
に直径230mm、厚さ15mmのステンレス鋼、その
下層には雲母3B、そのさらに下層には直径230m
m、厚さ20mmの銅板100Bが配置されている。ま
た、銅板100Bの下には、雲母3Bを介してニクロム
線による発熱体4Bが接合されており、さらにその下
に、雲母3Bを介してアルミナ断熱板20Bが接合され
ている。チャックトップの表面には溝7が形成されてい
る。次に、比較例1で得られたウエハプローバを、実施
例1と同様に図8に示した支持台11上に載置した。
【0098】(比較例2)チャックトップ1Bは厚さ
1.5mmのステンレス鋼、その下層には雲母3B、そ
のさらに下層には厚さ1.5mmの銅板100Bが配置
されているほかは、比較例1と同様に構成されている金
属製ウエハプローバを作製した。次に、比較例2で得ら
れたウエハプローバを、実施例1と同様に図8に示した
支持台11上に載置した。
【0099】評価方法 支持台上に載置された上記実施例および比較例で製造し
たウエハプローバの上に、図12に示したようにシリコ
ンウエハWを載置し、加熱などの温度制御を行いなが
ら、プローブカード601を押圧して導通テストを行っ
た。その際、150℃に昇温するまでの時間をそれぞれ
測定した。また、15kg/cm2 の圧力でプローブカ
ードを押圧した場合のウエハプローバの反り量について
測定した。反り量は、京セラ社製 形状測定器、商品名
「ナノウェイ」を使用した。なお、実施例2に係るウエ
ハプローバは、反り防止の支持柱が形成されている支持
台に最初に載置して反り量等を測定した後、支持柱が形
成されていない図8に示した支持台上にも載置し、反り
量等を測定した。結果を下記の表1に示した。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】以上説明のように、本願発明のウエハプ
ローバは、軽量で昇温、降温特性に優れており、しか
も、プローブカードを押圧した場合にも反りがなく、シ
リコンウエハの破損や測定ミスを有効に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハプローバを一列を模式的に示す
断面図である。
【図2】図1に示したウエハプローバの平面図である。
【図3】図1に示したウエハプローバの底面図である。
【図4】図1に示したウエハプローバのA−A線断面図
である。
【図5】本発明のウエハプローバを一列を模式的に示す
断面図である。
【図6】本発明のウエハプローバを一列を模式的に示す
断面図である。
【図7】本発明のウエハプローバを一列を模式的に示す
断面図である。
【図8】本発明のウエハプローバを支持台と組み合わせ
た場合を模式的に示す断面図である。
【図9】(a)は、本発明のウエハプローバを他の支持
台と組み合わせた場合を模式的に示す縦断面図であり、
(b)は、そのB−B線断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明のウエハプローバ
の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図11】(e)〜(g)は、本発明のウエハプローバ
の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明のウエハプローバを用いて導通テスト
を行っている状態を模式的に示す断面図である。
【図13】従来のウエハプローバを模式的に示す断面図
である。
【符号の説明】
101、201、301、401 ウエハプローバ 2 チャップトップ導体層 3 セラミック基板 5 ガード電極 6 グランド電極 7 溝 8 吸引口 10 断熱材 11 支持台 12 吹き出し口 13 吸引口 14 冷媒注入口 15 支持柱 16、17 スルーホール 18 袋孔 19、190、191 外部端子ピン 41、42 発熱体 410 保護層 43 金属線 44 ペルチャ素子 440 熱電素子 441 セラミック基板 51 導体層 52 導体層非形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康隆 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社内 (72)発明者 古川 正和 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデ ン株式会社内 Fターム(参考) 4M106 AA01 BA01 DD30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の表面に導体層が形成さ
    れてなることを特徴とするウエハプローバ。
  2. 【請求項2】 前記導体層は、チャックトップ導体層で
    ある請求項1記載のウエハプローバ。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板には温度制御手段が
    設けられてなる請求項1または2に記載のウエハプロー
    バ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、窒化物セラミッ
    ク、炭化物セラミックおよび酸化物セラミックに属する
    セラミックから選ばれる少なくとも1種である請求項1
    〜3のいずれか1に記載のウエハプローバ。
  5. 【請求項5】 前記温度制御手段は、ペルチェ素子であ
    る請求項1〜4のいずれか1に記載のウエハプローバ。
  6. 【請求項6】 前記温度制御手段は、発熱体である請求
    項1〜5のいずれか1に記載のウエハプローバ。
  7. 【請求項7】 前記セラミック基板中には、少なくとも
    1層以上の導体層が形成されてなる請求項1〜6のいず
    れか1に記載のウエハプローバ。
  8. 【請求項8】 前記セラミック基板の表面には溝が形成
    されてなる請求項1〜7のいずれか1に記載のウエハプ
    ローバ。
  9. 【請求項9】 前記セラミック基板の表面には溝が形成
    され、その溝には、空気の吸引孔が形成されてなる請求
    項1〜8のいずれか1に記載のウエハプローバ。
  10. 【請求項10】 前記導体層は、多孔質体である請求項
    1に記載のウエハプローバ。
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