JP2003130952A - 障害物検出装置 - Google Patents

障害物検出装置

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JP2003130952A JP2001325277A JP2001325277A JP2003130952A JP 2003130952 A JP2003130952 A JP 2003130952A JP 2001325277 A JP2001325277 A JP 2001325277A JP 2001325277 A JP2001325277 A JP 2001325277A JP 2003130952 A JP2003130952 A JP 2003130952A
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文彦 松下
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孝信 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個の制御装置を用いてソナー装置を駆動制
御するにあたり、コストの増大を抑えつつ、他の処理の
応答性に悪影響が及ぶのを抑制することができる障害物
検出装置を提供する。 【解決手段】 障害物検出装置1においては、制御装置
11が、予め定められた所定割込周期毎に超音波送受信
処理に含まれる1つの単位処理を割り込み処理として実
行する。このことから、他の制御処理(表示処理や音声
出力処理など)による処理待ち時間の影響を受けること
なく、超音波送受信処理は、所定割込周期毎に必ず単位
処理を実行できる。また、超音波送受信処理は、一連の
処理を連続して実行されるのではなく、時間分割して実
行されることから、他の制御処理を並行して実行するこ
とができ、他の制御処理への悪影響を抑えることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を送受信す
るソナー装置を駆動制御するためのソナー制御処理を実
行して、障害物を検出する障害物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両周囲の障害物等を検出す
るために車両に搭載されるソナー装置が知られており、
ソナー装置は、所定周波数の超音波を照射(出力)し、
障害物などで反射した反射波を検出(受信)するよう構
成されている。こうしたソナー装置を用いることで、反
射波が受信されるか否かにより障害物を検出することが
でき、また、超音波の出力時期から反射波の受信時期ま
での時間間隔によって障害物までの距離を判別すること
が可能となる。
【0003】なお、1台の車両に対して複数のソナー装
置が搭載される場合があり、例えば、車両の角部分(コ
ーナー部分)近傍に存在する障害物を検出するコーナー
ソナー装置と、車両の後方側に存在する障害物を検出す
るバックソナー装置とを備える車両が知られている。こ
のように複数のソナー装置を1台の車両に搭載する場合
には、例えば、各ソナー装置で送受信する超音波を異な
る周波数帯域に設定することで超音波の相互干渉を防ぐ
ことができ、各ソナー装置が適切に障害物の検出を行う
ことが可能となる。また、超音波の周波数帯域が重複す
る場合でも、ソナー装置に備えられるセンサを超音波の
送受信方向をソナー装置毎に異なる方向に設定すること
や、異なるソナー装置に備えられるセンサをそれぞれ一
定間隔以上離して設置することでも、各ソナー装置にお
ける超音波の相互干渉を防ぐことができる。
【0004】また、車両には、ソナー装置を駆動制御す
るためのソナー制御処理を実行する制御装置(障害物検
出制御装置)が備えられており、1つの制御装置で複数
のソナー装置を駆動制御する場合には、各ソナー装置を
順番に(交互に)駆動制御することで、全てのソナー装
置を駆動制御することができる。
【0005】ここで、制御装置111および2個のソナ
ー装置113,115および表示装置117を備えて構
成される従来の障害物検出装置101の概略構成図を図
9(a)に示し、制御装置111で実行される処理のタ
イムチャートを図9(b)に示す。
【0006】図9(a)に示すように、ソナー装置から
出力された超音波は、障害物Mで反射してソナー装置に
戻るような伝搬経路を進行する。このとき、超音波の送
信から受信までには、障害物までの距離に応じた伝搬時
間が経過する。また、制御装置111は、図9(b)に
示す上段のタイムチャートのように、第1ソナー装置1
13(図中ではシステム1と記載)と第2ソナー装置1
15(図中ではシステム2と記載)を順番に(交互に)
駆動制御して、障害物Mの有無や障害物までの距離を検
出するための処理を実行する。なお、各ソナー装置の制
御処理の間には、その他の制御処理(表示処理や音声出
力処理など)を実行する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1つの制御装
置で複数のソナー装置を交互に駆動制御する場合には、
実行中のソナー装置に対する制御処理が完了するまで
は、他のソナー装置に対する駆動制御を開始できないた
め、他のソナー装置による障害物の検出に遅れが生じ
て、障害物検出の応答性が低下するという問題がある。
【0008】つまり、制御処理が実行されていないソナ
ー装置においては、障害物を検出することはできず、他
のソナー装置の処理が完了して自身の制御処理が開始さ
れるまでは、障害物を検出することができない。このよ
うに、他のソナー装置の制御処理による処理待ち時間が
存在すると、障害物の検出時期(以下、感知時期とい
う)が遅くなり、応答性(感知レスポンス)が低下して
しまう。
【0009】ここで、図9(b)の下段に示す第1ソナ
ー装置113の制御処理を拡大して表示したタイムチャ
ートから判るように、「超音波送信」から「超音波受
信」までは、超音波の伝搬時間に応じた受信待ち時間が
存在する。そして、この受信待ち時間が長くなるに従
い、制御処理が実行されていない他方のソナー装置につ
いては、制御処理の開始時期が遅れることになり、さら
に他方のソナー装置による障害物の感知時期が遅れるこ
とになる。
【0010】なお、「超音波送信」から「超音波受信」
までの受信待ち時間においては、ソナー装置の制御処理
として実行するべき処理が無いことから、制御装置の処
理負荷は低くなり、例えば、センサのダイアグ処理(異
常検出処理)などの他の処理を実行することができる。
【0011】一方、複数の制御装置を備えて、各ソナー
装置をそれぞれ別個の制御装置で駆動制御して、各ソナ
ー装置を独立並行制御することで、上述の感知時期の遅
延による応答性の低下を防ぐことは可能となる。しか
し、制御装置は高価であり、複数の制御装置を備える構
成とする場合には、コストの増大という問題が生じるこ
とになる。
【0012】また、1つのソナー装置を1つの制御装置
で駆動制御する場合であっても、一連のソナー制御処理
が完了した後に、図9(b)の上段のタイムチャートに
示す「その他の処理」を実行するように制御装置が構成
されている場合には、一連のソナー制御処理が完了する
までは、「その他の処理」を開始することができず、
「その他の処理」の応答性にも悪影響を与える場合があ
る。
【0013】そこで、本発明は、こうした問題に鑑みな
されたものであり、制御装置を用いてソナー装置を駆動
制御するにあたり、コストの増大を抑えつつ、他の処理
の応答性に悪影響が及ぶのを抑制することができる障害
物検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、ソナー制御処理
情報を記憶する記憶手段と、ソナー制御処理情報で規定
される一連のソナー制御処理に従いソナー装置を駆動制
御することで、障害物を検出する障害物検出制御手段
と、を備えた障害物検出装置であって、障害物検出制御
手段が、予め定められた所定割込周期毎に一連のソナー
制御処理を時間分割した処理である単位処理を割り込み
処理として実行することで、一連のソナー制御処理を時
間分割して実行することを特徴とする。
【0015】なお、記憶手段に記憶されるソナー制御処
理情報は、超音波を送受信するソナー装置を駆動して、
ソナー装置から超音波を送信させると共に、超音波が障
害物に当たって反射した反射波のソナー装置による受信
状態に基づいて障害物を検出する一連のソナー制御処理
の内容を規定するものである。また、ソナー制御処理情
報は、一連のソナー制御処理を時間分割して実行するた
めの複数の単位処理の各内容を表す複数の単位処理情報
で構成されている。
【0016】つまり、本発明の障害物検出装置において
は、ソナー装置を駆動制御するためにソナー制御処理を
実行するにあたり、一連のソナー制御処理を連続して実
行するのではなく、所定割込周期毎に単位処理を実行す
ることで、一連のソナー制御処理を時間分割した状態で
実行している。そして、このようにソナー制御処理を時
間分割して実行することで、単位処理と単位処理との間
(すなわち、ソナー制御処理の実行途中)に、他の制御
処理(表示処理や音声出力処理など)を実行することが
可能となる。
【0017】また、障害物検出制御手段は、予め定めら
れた所定割込周期毎にソナー制御処理に含まれる1つの
単位処理を割り込み処理として実行することから、他の
制御処理(表示処理や音声出力処理など)による処理待
ち時間の影響を受けることなく、所定割込周期毎に必ず
単位処理を実行することができる。このため、ソナー制
御処理は、他の制御処理の影響を受けることによる処理
の遅れが生じることなく、確実に処理を進行することに
なる。
【0018】なお、障害物検出制御手段が単位処理を実
行する所定割込周期は、ソナー装置を駆動制御するにあ
たり最低限必要な分解能を満足するように予め設定され
ている。例えば、距離測定にあたり1[cm]単位毎の
測定精度が要求される場合には、所定割込周期は、超音
波が1[cm]の距離を往復するための所要時間よりも
短い周期となるように設定されている。また、単位処理
情報に規定される単位処理は、少なくとも障害物検出制
御手段により実行される所定割込周期内に処理を完了す
る処理内容に設定されている。
【0019】また、ソナー装置は、超音波を用いて障害
物を検出するために用いられる装置であり、障害物によ
る超音波の反射波が受信されるか否かにより障害物を検
出することができ、さらに、超音波の出力時期から反射
波の受信時期までの時間間隔によって障害物までの距離
を判別することができる。
【0020】よって、本発明(請求項1)の障害物検出
装置によれば、ソナー制御処理の実行途中に、他の制御
処理(表示処理や音声出力処理など)を実行することが
できるため、1つの障害物検出制御手段でソナー制御処
理とその他の制御処理を実行する場合でも、他の制御処
理の応答性に悪影響が及ぶのを抑制することができる。
また、このとき、障害物検出制御手段(例えば、制御装
置)を複数備える必要がないことから、コストの増大を
抑えることができる。
【0021】次に、上述(請求項1)の障害物検出装置
は、請求項2に記載のように、障害物検出制御手段が、
所定割込周期毎に、複数のソナー装置にそれぞれ対応す
る単位処理を割り込み処理として連続的に実行すること
により、複数のソナー装置毎のソナー制御処理を並行し
て実行するとよい。なお、このとき、記憶手段は、複数
の単位処理情報からなるソナー制御処理情報を、超音波
を互いに干渉することなく送受信可能な複数のソナー装
置のそれぞれに対応して複数記憶している。
【0022】本発明(請求項2)の障害物検出装置は、
複数のソナー装置を駆動制御するために複数のソナー制
御処理を実行する。しかし、このとき、1つのソナー装
置に対応する一連のソナー制御処理を連続して実行した
あとで、次のソナー装置に対応する一連のソナー制御処
理を連続して実行する、というように複数のソナー装置
を順番に駆動制御するのではない。つまり、この障害物
検出装置は、所定割込周期毎に複数のソナー装置にそれ
ぞれ対応する単位処理を割り込み処理として連続的に実
行することで、複数のソナー装置毎のソナー制御処理を
並行して実行している。
【0023】これにより、各ソナー装置に対応するソナ
ー制御処理は、少なくとも所定割込周期毎に単位処理と
して実行されることになり、他のソナー装置に対応する
一連のソナー制御処理が完了するのを待つことなく、障
害物を検出するための処理を実行することができる。つ
まり、各ソナー装置は、他のソナー装置の単位処理によ
る処理待ち時間は発生するものの、少なくとも所定割込
周期毎に必ず単位処理が実行されることから、他のソナ
ー装置のソナー制御処理による処理待ち時間を短縮する
ことができる。
【0024】また、各ソナー制御処理を時間分割して実
行することで、単位処理と単位処理との間(すなわち、
各ソナー制御処理の並行実行途中)に、他の制御処理
(表示処理や音声出力処理など)を実行することが可能
となる。なお、各単位処理の所要時間は、所定割込周期
内において、全てのソナー装置についてそれぞれの単位
処理が実行できるように予め設定されている。例えば、
所定割込周期が50[μsec]で、2個のソナー装置
を駆動制御する場合には、各単位処理の所要時間は、2
5[μsec]以下に設定されている。
【0025】ここで、ソナー制御処理においては、超音
波送信から超音波受信までの間に受信待ち時間が存在す
ることから、この受信待ち時間を利用して他のソナー制
御処理を実行することができる。このため、複数のソナ
ー制御処理を単位処理毎に時間分割して並行実行する場
合であっても、このうちの1つのソナー制御処理の一連
の処理を完了するのに必要となる処理時間は、従来のよ
うに1つのソナー制御処理を連続して実行するのに必要
となる処理時間と同等にすることができる。
【0026】よって、本発明(請求項2)の障害物検出
装置によれば、複数のソナー制御処理を並行して実行す
ることができ、1つの障害物検出制御手段を用いて複数
のソナー装置を駆動制御する場合に、障害物検出の応答
性が低下するのを防ぐことができる。また、複数のソナ
ー制御処理の実行途中に、他の制御処理(表示処理や音
声出力処理など)を実行することができるため、複数の
ソナー制御処理に加えてさらに他の制御処理を1つの障
害物検出制御手段において実行する場合でも、他の制御
処理の応答性に悪影響が及ぶのを抑制することができ
る。さらに、このとき、障害物検出制御手段(制御装
置)を複数備える必要がないことから、コストの増大を
抑えることができる。
【0027】なお、記憶手段に記憶される複数のソナー
制御処理情報は、各ソナー装置がそれぞれ異なる動作を
行う場合にはそれぞれ異なる処理内容を規定したものと
なるが、複数のソナー装置のうちのいくつかが同一の動
作を行う場合には、同一の処理内容を規定したソナー制
御処理情報が重複して記憶手段に記憶される。そのた
め、同一の動作を行う複数のソナー装置がある場合に
は、それらのソナー装置に対応するソナー制御処理情報
を1つのみ記憶手段に記憶して、各ソナー装置間で共有
して使用するようにしても良い。
【0028】ところで、一連のソナー制御処理は、その
処理内容の機能に基づいて複数の機能処理に分割するこ
とが出来る。そして、機能処理による一連の処理を完了
するために必要となる処理時間は、各機能処理毎に異な
っており、障害物検出制御手段が単位処理を実行する所
定割込周期よりも長い時間となる場合がある。
【0029】そこで、上述(請求項1から請求項2)の
障害物検出装置は、請求項3に記載のように、ソナー制
御処理情報が、単位処理情報として、一連のソナー制御
処理を機能毎に分割した機能処理のうち所定割込周期よ
りも処理期間が長い機能処理を、所定割込周期内に実行
するための反復単位処理の内容を規定した反復単位処理
情報を含んで構成され、障害物検出制御手段が、機能処
理の処理期間に応じた複数の前記所定割込周期にわた
り、反復単位処理を複数回実行することで、一連の前記
機能処理を実行するとよい。
【0030】つまり、反復単位処理を複数回にわたり繰
り返し実行することで一連の機能処理を実行するのであ
る。このようにして機能処理を実現して、一連のソナー
制御処理を実行することで、ソナー装置を駆動制御する
ことが可能となる。なお、反復単位処理は、例えば、機
能処理の処理内容を簡略化するなどして標準化(一般
化)した処理内容で構成することで、所定割込周期内に
処理を完了できるように構成されている。
【0031】また、反復単位処理は繰り返し実行される
ことから、反復単位処理の処理内容を規定する単位処理
情報は記憶手段に1つだけ記憶しておき、機能処理を実
行する際には、障害物検出制御手段がその1つの単位処
理情報を繰り返し読み出して反復単位処理を実行するこ
とで、機能処理を実行することが可能となる。これによ
り、記憶手段における単位処理情報を記憶するための記
憶領域を縮小することができ、効率よくソナー制御処理
情報を記憶することが出来る。
【0032】よって、本発明(請求項3)の障害物検出
装置によれば、ソナー制御処理における処理時間の長い
機能処理を実行することが可能となる。また、反復単位
処理の処理内容を規定する単位処理情報を1つだけ記憶
手段に記憶することで、記憶手段の記憶領域を効率よく
使用することができ、より多くの情報を記憶手段に記憶
することが可能となる。
【0033】ところで、ソナー制御処理情報は、例え
ば、その処理内容に応じて時間経過に沿って複数の単位
処理情報を配置することで構成することが出来る。一
方、ソナー制御処理情報は、一連の処理内容によって
は、同一の処理内容を表す単位処理情報が重複して存在
することがある。そのようなソナー制御処理情報につい
て、時間経過に沿って全ての単位処理情報を記憶手段に
記憶するのは、記憶手段の記憶領域に同一の単位処理情
報を重複して記憶することになり、無駄な記憶領域が発
生する原因となる。なお、重複する単位処理としては、
連続する複数の所定割込周期においてそれぞれ実行され
る単位処理や、離散した複数の所定割込処理においてそ
れぞれ実行される単位処理などがある。
【0034】そこで、上述(請求項1から請求項3のい
ずれか)の障害物検出装置は、請求項4に記載のよう
に、ソナー制御処理情報が、処理内容の異なる単位処理
毎に単位処理情報を備えて構成されており、記憶手段
が、一連のソナー制御処理を実現するための単位処理の
処理回数および処理順序を規定する時系列情報テーブル
を記憶しており、障害物検出制御手段は、時系列情報テ
ーブルで規定された処理回数および処理順序に基づい
て、ソナー制御処理情報から単位処理情報を読み出して
複数の単位処理を実行することで、一連のソナー制御処
理を実行するとよい。
【0035】つまり、単位処理の処理内容についての情
報(単位処理情報)はソナー制御処理情報として記憶手
段に記憶し、一連のソナー制御処理を実現するための単
位処理の処理回数および処理順序についての情報は時系
列情報テーブルとして記憶手段に記憶するのである。
【0036】これにより、単位処理の処理内容を規定す
る情報が重複して記憶手段に記憶されて、無駄な記憶領
域が発生するのを避けることができ、記憶手段の記憶領
域を効率よく使用することが可能となる。よって、本発
明(請求項4)の障害物検出装置によれば、記憶手段を
効率よく使用できるため、記憶手段として記憶容量の小
さい低価格の記憶手段を用いることができ、コスト削減
効果を発揮することが出来る。
【0037】次に、単位処理には実行条件(処理の実行
時期など)に応じて値が設定されるパラメータを含むも
のがあり、このようなパラメータを含む単位処理の処理
内容を規定する単位処理情報については、パラメータに
設定された値が異なる単位処理情報をそれぞれ個別の単
位処理情報として備えることができる。そして、実行条
件に応じたパラメータの値が設定されている単位処理情
報を適宜読み出して、実行条件に応じて単位処理を実行
することで、一連のソナー制御処理を実現するように障
害物検出装置を構成することが出来る。
【0038】しかし、このようにパラメータに設定され
る値が異なる毎に個別の単位処理情報を備える構成とす
る場合には、記憶手段に記憶するべき単位処理情報の数
量が増大することになる。そこで、上述(請求項4)の
障害物検出装置は、請求項5に記載のように、単位処理
情報が、実行条件に応じてパラメータを設定するパラメ
ータ設定処理を含む単位処理の処理内容を規定するよう
構成され、時系列情報テーブルが、単位処理情報のそれ
ぞれの実行条件を表す実行条件情報を備えて構成され、
障害物検出制御手段が、パラメータ設定処理を含む単位
処理を実行するにあたり、時系列情報テーブルの実行条
件情報に基づき実行条件を指定して、単位処理を実行す
るとよい。
【0039】つまり、障害物検出制御手段は、単位処理
を実行する際に、時系列情報テーブルから実行条件情報
を読み取り、実行条件情報により規定される実行条件を
指定して単位処理を実行する。これにより、単位処理に
含まれるパラメータ設定処理において実行条件に応じた
適切な値にパラメータを設定することができ、それぞれ
の実行条件に応じた単位処理を実行することができる。
【0040】これにより、パラメータの値が異なるとい
う微細な差異に応じて、それぞれ個別の単位処理情報を
備える必要が無くなり、記憶手段に記憶するべき単位処
理情報が無駄に増大するのを防ぐことが出来る。なお、
時系列情報テーブルは、単位処理の処理順序や処理回数
を規定するよう構成されており、これらの内容と関連づ
けて実行条件情報を備えることで、例えば、各単位処理
の実行時期という実行条件に関する実行条件情報を比較
的容易に備えることができる。
【0041】よって、本発明(請求項5)の障害物検出
装置によれば、記憶手段を効率よく使用できるため、記
憶手段として記憶容量の小さい低価格の記憶手段を用い
ることができ、コスト削減効果を発揮することが出来
る。また、上述(請求項1から請求項5のいずれか)の
障害物検出装置は、請求項6に記載のように、記憶手段
が、記憶した情報の内容を書き換え可能に構成されてい
るとよい。
【0042】つまり、ソナー制御処理情報の内容が書き
換え可能となることで、必要に応じてソナー制御処理の
処理内容を変更することができ、ソナー制御処理の処理
内容を変更するために、処理内容の異なるソナー制御処
理情報が記憶された複数の記憶手段を用意する必要が無
くなる。このように、処理内容に応じて複数の記憶手段
を用意する必要が無くなることで、多様な処理を実行可
能な障害物検出装置を実現するにあたり、コストの削減
を図ることが出来る。なお、単位処理情報の処理内容を
書き換え可能としてもよい。
【0043】また、時系列情報テーブルの内容が書き換
え可能となることで、単位処理の処理回数や処理順序を
変更することが可能となり、このような時系列情報テー
ブルの変更作業を行うことで一連のソナー制御処理の簡
単な調整作業が可能となる。そして、一連のソナー制御
処理の簡単な調整作業については、高度な情報処理技術
の知識を有する者(ソフトウェア技術者)以外の一般作
業員が、ソフトウェア技術者を介することなく単独で実
行したいという要求がある。このため、時系列情報テー
ブルの変更作業が可能となることで、一般作業者は、ソ
フトウェア技術者に作業を依頼することなく、一連のソ
ナー制御処理の簡単な調整作業を自ら実行することが可
能となる。
【0044】よって、本発明(請求項6)の障害物検出
装置によれば、低コストで多様な処理を実行可能な障害
物検出装置を実現することができる。また、一連のソナ
ー制御処理の簡単な調整作業を一般作業者が単独で実行
可能となることで、短時間で臨機応変に処理内容を変更
することができる障害物検出装置を実現することが出来
る。
【0045】また、上述(請求項1から請求項6のいず
れか)の障害物検出装置は、請求項7に記載のように、
記憶手段が、複数種類のソナー制御処理情報を記憶して
おり、外部からの指令に基づいて、障害物検出制御手段
で実行するソナー制御処理を、複数種類のソナー制御処
理情報で規定されるソナー制御処理から選択して設定す
るための制御処理選択手段を備えるとよい。
【0046】つまり、ソナー制御処理の処理内容を変更
するにあたり、ソナー制御処理情報の内容を変更するの
ではなく、異なる処理内容が規定された複数種類のソナ
ー制御処理情報から任意のソナー制御処理情報を選択す
ることで、処理内容を変更できるように障害物検出装置
を構成するのである。
【0047】これにより、障害物検出装置の内部構成に
関する知識の無い一般ユーザであっても、ソナー制御処
理の処理内容を変更することが可能となり、実使用段階
における使用状況に応じて適切な処理内容で障害物検出
装置を動作させることが可能となる。
【0048】よって、本発明(請求項7)の障害物検出
装置によれば、一般ユーザが容易に処理内容を変更する
ことができ、実用性に優れた障害物検出装置を実現する
事が出来る。そして、上述(請求項1から請求項7のい
ずれか)の障害物検出装置は、請求項8に記載のよう
に、ソナー装置として、少なくともコーナーソナー装置
またはバックソナー装置のいずれかを駆動制御するとよ
い。
【0049】つまり、車両に備えられるコーナーソナー
装置またはバックソナー装置は、障害物検出における優
れた応答性が要求されることから、本発明の障害物検出
装置がこれらの装置を駆動して障害物を検出すること
で、優れた応答性を実現することができ、速やかに障害
物を検出することで、車両の安全な運転を実現すること
が出来る。
【0050】なお、コーナーソナー装置は、例えば、車
両の右前、右後、左前、左後の4箇所のコーナー部分の
いずれかに配置されるセンサを備えて構成されており、
また、バックソナー装置は、例えば、車両の後部バンパ
ーに配置されるセンサを備えて構成されている。
【0051】また、コーナーソナー装置およびバックソ
ナー装置を同時に駆動制御する場合には、それぞれが他
方の処理の完了を待つことなく障害物検出を実行するこ
とが出来るため、優れた応答性を実現することが出来
る。なお、各ソナー装置は複数のセンサを備えて構成さ
れていても良く、その場合には、各センサと接続される
信号経路の切り替えを行う切替スイッチを設けて、複数
のセンサのうちいずれか1つを順次選択可能に構成する
と良い。
【0052】そして、複数のセンサを備えるソナー装置
の区分としては、上記コーナーソナー装置、バックソナ
ー装置の他に、車両前方に配置されるセンサを備えるフ
ロントソナー装置や、車両後方に配置されるセンサを備
えるリアソナー装置などもあり、1つの制御装置により
フロントソナー装置とリアソナー装置とを駆動制御する
場合もある。
【0053】
【発明の実施の形態】以下に、本発明が適用された実施
例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施
の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本
発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得る
ことは言うまでもない。
【0054】まず、実施例として、車両周囲の障害物を
検出する障害物検出装置1の概略構成を図1(a)に示
す。図1(a)に示すように、障害物検出装置1は、超
音波を送受信する2個のソナー装置(コーナーソナー装
置13およびバックソナー装置15)と、各ソナー装置
を駆動制御するための超音波送受信処理を実行する制御
装置11と、障害物検出の検出結果を表示するための表
示装置17とを備えて構成されている。
【0055】このうち、制御装置11は、中央演算処理
装置(MPU)を主体として構成されるマイクロコンピ
ュータ(以下、マイコンともいう)が備えられており、
このマイコンが後述する超音波送受信処理を含む各種制
御処理を実行する。そして、制御装置11は、超音波送
受信処理を実行することで、コーナーソナー装置13お
よびバックソナー装置15を駆動して、車両周辺の障害
物の検出を行う。また、制御装置11は、障害物検出の
検出結果を表示装置17に表示することで、ユーザに障
害物の有無を報知する。
【0056】そして、表示装置17は、例えば、液晶パ
ネルなどの表示部を備えて構成されており、制御装置1
1からの表示指令信号に基づいて表示部の表示制御を行
う。次に、図2に、コーナーソナー装置13およびバッ
クソナー装置15の詳細な構成を示した障害物検出装置
の構成図を示す。
【0057】図2に示すように、コーナーソナー装置1
3は、4個の超音波センサS1,S2,S3,S4と、
第1センサ切り替えスイッチ21と、第1バンドパスフ
ィルタ23と、第1信号増幅器25と、第1コンパレー
タ27と、第1送信駆動回路29とを備えている。
【0058】そして、4個の超音波センサとしては、右
後方超音波センサS1、右前方超音波センサS2,左前
方超音波センサS3,左後方超音波センサS4が備えら
れている。これらの超音波センサは、第1送信駆動回路
29からの第1送信駆動信号SM1に基づいて超音波を
送信するよう動作し、障害物で反射した超音波の反射波
を受信すると受信信号を第1バンドパスフィルタ23に
対して出力するよう動作する。
【0059】また、第1センサ切り替えスイッチ21
は、制御装置11からの指令信号に基づいて、4個の超
音波センサの中から選択された1個の超音波センサとの
間で、受信信号や第1送信駆動信号SM1の伝送経路を
確立する。次に、第1バンドパスフィルタ23は、超音
波センサから送信される受信信号の中から、障害物検出
に用いる所定周波数帯域の信号を抽出して、第1信号増
幅器25に送信する。そして、第1信号増幅器25は、
第1バンドパスフィルタ23から送信される所定周波数
帯域の信号の信号レベルを増幅して、第1コンパレータ
27に送信する。
【0060】そして、第1コンパレータ27は、第1信
号増幅器25から送信される信号と、制御装置11から
送信される判定基準値(しきい値)を表す第1スレッシ
ョルド信号ST1とを比較して、第1信号増幅器25か
ら送信される信号が第1スレッショルド信号ST1より
も信号レベルが大きい場合には、ハイレベルの出力信号
を制御装置11の第1受信ポートに対して送信する。ま
た、第1コンパレータ27は、第1信号増幅器25から
送信される信号が第1スレッショルド信号ST1よりも
信号レベルが小さい場合には、ローレベルの出力信号を
制御装置11の第1受信ポートに対して送信する。
【0061】さらに、第1送信駆動回路29は、制御装
置11からの第1送信指令信号SD1に基づき、超音波
センサに対して第1送信駆動信号SM1を送信すること
で、超音波を送信するよう超音波センサを駆動する。ま
た、図2に示すように、バックソナー装置15は、2個
の超音波センサS5,S6と、第2センサ切り替えスイ
ッチ31と、第2バンドパスフィルタ33と、第2信号
増幅器35と、第2コンパレータ37と、第2送信駆動
回路39とを備えている。
【0062】そして、2個の超音波センサとしては、後
部右側超音波センサS5および後部左側超音波センサS
6が備えられている。これらの超音波センサは、第2送
信駆動回路39からの第2送信駆動信号SM2に基づい
て超音波を送信するよう動作し、障害物で反射した超音
波の反射波を受信すると受信信号を第2バンドパスフィ
ルタ33に対して出力するよう動作する。
【0063】また、第2センサ切り替えスイッチ31
は、制御装置11からの指令信号に基づいて、2個の超
音波センサの中から選択された1個の超音波センサとの
間で、受信信号や第2送信駆動信号SM2の伝送経路を
確立する。次に、第2バンドパスフィルタ33および第
2信号増幅器35は、それぞれ前述した第1バンドパス
フィルタ23および第1信号増幅器25と同様の動作を
行う。なお、第2バンドパスフィルタ33が抽出する信
号は、第1バンドパスフィルタ23とは異なる周波数帯
域の信号である。
【0064】また、第2コンパレータ37は、第1コン
パレータ27と同様の動作を行っており、第2信号増幅
器35から送信される信号と、制御装置11から送信さ
れる判定基準値を表す第2スレッショルド信号ST2と
を比較して、第2信号増幅器35から送信される信号が
第2スレッショルド信号ST2よりも信号レベルが大き
い場合には、ハイレベルの出力信号を制御装置11に対
して送信する。また、第2コンパレータ37は、第2信
号増幅器35から送信される信号が第2スレッショルド
信号ST2よりも信号レベルが小さい場合には、ローレ
ベルの出力信号を制御装置11に対して送信する。
【0065】さらに、第2送信駆動回路39は、制御装
置11からの指令信号に基づき、超音波センサに対して
第2送信駆動信号SM2を送信することで、超音波を送
信するよう超音波センサを駆動する。このようにして構
成されるコーナーソナー装置13およびバックソナー装
置15は、超音波を用いて障害物を検出するために用い
られるソナー装置であり、このソナー装置を用いること
で、障害物による超音波の反射波が受信されるか否かに
より障害物を検出することができ、さらに、超音波の出
力時期から反射波の受信時期までの時間間隔によって障
害物までの距離を判別することができる。また、コーナ
ーソナー装置13およびバックソナー装置15は、周波
数帯域の異なる超音波をそれぞれ送出するように構成さ
れており、互いに干渉することなく、それぞれ独立して
障害物を検出するための超音波の送受信を行っている。
【0066】なお、本実施例の障害物検出装置1は、図
1(b)に示す車両Cに搭載されている。そして、右後
方超音波センサS1、右前方超音波センサS2,左前方
超音波センサS3,左後方超音波センサS4は、図1
(b)から判るように、車両Cの右後,右前,左前,左
後の4カ所の角部分にそれぞれ配置されている。また、
後部右側超音波センサS5および後部左側超音波センサ
S6は、図1(b)から判るように、車両Cの後部バン
パーにおける中央と右端のほぼ中間位置および中央と左
端のほぼ中央位置の2カ所にそれぞれ配置されている。
【0067】次に、制御装置11は、第1スレッショル
ド信号ST1および第2スレッショルド信号ST2をア
ナログ信号として出力するためのD/Aコンバータを備
えており、また、第1送信指令信号SD1および第2送
信指令信号SD2を一定時間出力するためのPPGタイ
マ(Programable Pulse Generator タイマ)を備えてい
る。
【0068】また、制御装置11は、図2に示すよう
に、記憶内容の書き換えが可能に構成されたEEPRO
M11aを備えており、EEPROM11aは、障害物
を検出するための超音波送受信処理の処理内容を規定す
る超音波送受信処理情報や、一連の超音波送受信処理を
実現するための単位処理の処理回数および処理順序を規
定する時系列情報テーブルなどを記憶している。
【0069】そして、超音波送受信処理は、超音波を送
受信するソナー装置(コーナーソナー装置13またはバ
ックソナー装置15)を駆動して、ソナー装置から超音
波を送信させると共に、超音波が障害物に当たって反射
した反射波のソナー装置による受信状態に基づいて障害
物を検出する一連の制御処理である。また、超音波送受
信処理情報は、一連の超音波送受信処理を時間分割して
実行するための複数の単位処理(後述する「THRESHOLD
」など)の各内容を表す複数の単位処理情報で構成さ
れている。
【0070】なお、超音波送受信処理は、特許請求の範
囲に記載のソナー制御処理に相当し、超音波送受信処理
情報は、ソナー制御処理情報に相当するものである。そ
して、制御装置11は、図3(b)のタイムチャートに
示すように、コーナーソナー装置13(図3ではシステ
ム1と記載する)およびバックソナー装置15(図3で
はシステム2と記載する)のそれぞれを駆動制御するた
めの各超音波送受信処理を並行して実行している。
【0071】また、コーナーソナー装置13の超音波送
受信処理においては、4個の超音波センサを、右後方超
音波センサS1、右前方超音波センサS2,左前方超音
波センサS3,左後方超音波センサS4の順番に駆動制
御している。さらに、バックソナー装置15の超音波送
受信処理においては、2個の超音波センサを、後部右側
超音波センサS5,後部左側超音波センサS6の順番に
駆動制御している。
【0072】なお、従来の制御装置では、コーナーソナ
ー装置およびバックソナー装置のそれぞれに対応する2
つの超音波送受信処理を実行するにあたり、図3(a)
に示すように、一方のソナー装置に備えられる1個の超
音波センサにおける一連の処理を完了した後に、他方の
ソナー装置における処理を開始するように構成されてい
た。また、このとき、一方のソナー装置における超音波
送受信処理から他方のソナー装置における超音波送受信
処理に移行するまでの間に、その他の制御処理を実行し
ていた。
【0073】なお、本実施例の制御装置11において
も、超音波送受信処理の他に表示処理や音声出力処理な
どの他の制御処理も並行して実行しているが、図3
(b)では図示を省略している。そして、制御装置11
は、コーナーソナー装置13の超音波送受信処理および
バックソナー装置15の超音波送受信処理をそれぞれ時
間分割した単位処理を、所定割込周期(本実施例では、
50[μsec])毎に割込処理として実行すること
で、その他の制御処理を含めた各種制御処理の並行実行
を実現している。つまり、制御装置11は、図3(c)
に示すように、所定割込周期内に、コーナーソナー装置
13の単位処理、バックソナー装置15の単位処理、そ
の他の制御処理を連続して実行している。
【0074】ここで、超音波送受信処理の一連の処理内
容を、図4に表すフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、超音波送受信処理が開始されると、
まず、S410(Sはステップを表す。以下同様。)で
は、ノイズモニタ処理を行う。具体的には、超音波セン
サが反射波を受信することのない期間において、前述の
コンパレータ(第1コンパレータ27または第2コンパ
レータ37)の出力信号が入力される制御装置11の入
力ポートのサンプリングを行い、サンプリングにより得
られる信号のレベルに基づいて、ノイズの有無を判断す
るのである。
【0075】このとき、コンパレータは、ノイズモニタ
用に設定された判定基準値(しきい値)を表すスレッシ
ョルド信号(第1スレッショルド信号ST1または第2
スレッショルド信号ST2)が入力されており、このス
レッショルド信号と超音波センサからの受信信号との信
号レベルの比較を行っている。そして、コンパレータ
は、受信信号の入力レベルが所定のしきい値よりも大き
い場合にはハイレベルの出力信号を出力し、受信信号の
入力レベルが所定のしきい値よりも小さい場合にはロー
レベルの出力信号を出力する。
【0076】つまり、S410では、サンプリングによ
り得られる信号の入力レベルがハイレベルである場合に
はノイズ有りと判断し、サンプリングにより得られる信
号の入力レベルがローレベルである場合には、ノイズ無
しと判断するのである。次にS420では、超音波送信
処理を行う。具体的には、コーナーソナー装置13の場
合には、第1送信指令信号SD1を第1送信駆動回路2
9に対して出力して、第1送信駆動回路29から超音波
センサに対して第1送信駆動信号SM1を送信させるこ
とで、超音波を送信するよう超音波センサを駆動する。
【0077】続くS430では、センサダイアグ処理を
行い、超音波センサが正常動作しているか否かを判断し
ている。つまり、超音波の送信を行った直後の超音波セ
ンサは、残響の影響により比較的レベルの大きい信号を
出力することになり、S420で超音波送信処理を行っ
た直後に、制御装置11の入力ポートのサンプリングを
行い、サンプリングにより得られるコンパレータ(第1
コンパレータ27または第2コンパレータ37)の出力
信号の信号レベルに基づいて、超音波センサの異常を検
出するのである。
【0078】このとき、コンパレータは、センサダイア
グ用に設定された判定基準値(しきい値)を表すスレッ
ショルド信号(第1スレッショルド信号ST1または第
2スレッショルド信号ST2)が入力されており、この
スレッショルド信号と超音波センサからの残響による信
号との信号レベルの比較を行っている。そして、コンパ
レータは、残響による信号の入力レベルが所定のしきい
値よりも大きい場合にはハイレベルの出力信号を出力
し、残響による信号の入力レベルが所定のしきい値より
も小さい場合にはローレベルの出力信号を出力する。
【0079】つまり、S430では、サンプリングによ
り得られる信号の入力レベルがハイレベルである場合に
は超音波センサは正常であると判断し、サンプリングに
より得られる信号の入力レベルがローレベルである場合
には、超音波センサあるいは通信経路がが異常であると
判断するのである。
【0080】次のS440では、超音波受信処理を行
う。具体的には、前述のコンパレータ(第1コンパレー
タ27または第2コンパレータ37)の出力信号が入力
される制御装置11の入力ポートのサンプリングを行
い、サンプリングにより得られる信号のレベルに基づい
て、反射波を検出するのである。
【0081】このとき、コンパレータは、反射波検出用
に設定された判定基準値(しきい値)を表すスレッショ
ルド信号(第1スレッショルド信号ST1または第2ス
レッショルド信号ST2)が入力されており、このスレ
ッショルド信号と超音波センサからの受信信号との信号
レベルの比較を行っている。そして、コンパレータは、
受信信号の入力レベルが所定のしきい値よりも大きい場
合にはハイレベルの出力信号を出力し、受信信号の入力
レベルが所定のしきい値よりも小さい場合にはローレベ
ルの出力信号を出力する。
【0082】つまり、S440では、サンプリングによ
り得られる信号の入力レベルがハイレベルである場合に
は反射波が有り(障害物が存在する)と判断し、サンプ
リングにより得られる信号の入力レベルがローレベルで
ある場合には、反射波が無し(障害物が存在しない)と
判断するのである。
【0083】なお、S440では、判定用のしきい値の
値が途中で低い値に変更されるが、これは、時間経過と
共に反射波の強度が低下することに対応するためであ
る。そして、S440が終了すると、一連の超音波送受
信処理は終了する。なお、処理の実行途中における予め
定められた所定時期において、受信信号の入力レベルと
比較を行うしきい値を切り替える処理を行っている。
【0084】なお、前述したように、制御装置11は、
一連の超音波送受信処理を連続して実行するのではな
く、所定割込周期毎に単位処理を実行することで、一連
の超音波送受信処理を時間分割して実行している。この
ような時間分割による処理の実効状態を表すタイムチャ
ートを図5に示す。
【0085】図5に示すタイムチャートにおいては、左
から右にむけて時間が経過するように記載しており、5
0[μsec]毎に超音波送受信処理を分割してなる複
数の単位処理のうち1つの単位処理を、所定割込周期
(50[μsec])毎に実行している。つまり、ノイ
ズモニタの区間においては、ノイズモニタ処理に応じた
単位処理が所定割込周期毎に複数回にわたり実行される
ことで、一連の機能処理としてのノイズモニタ処理を実
現している。また、超音波送信処理やセンサダイアグ処
理および超音波受信処理においても、それぞれの処理に
応じた単位処理が所定割込周期毎に複数回にわたり実行
されることで、一連の機能処理としての各処理を実現し
ている。さらに、受信信号比較用しきい値の切り替え処
理は、下向き矢印「↓」で記載した時点で実行してい
る。
【0086】なお、複数回にわたり実行されることで、
一連の機能処理としての各処理を実現している単位処理
(反復単位処理)は、機能処理の処理内容を簡略化する
などして標準化(一般化)した処理内容で構成すること
で、所定割込周期内に処理を完了できるように構成され
ている。
【0087】そして、制御装置11が単位処理を実行す
る所定割込周期は50[μsec]に設定されており、
この所定割込周期内に超音波が往復する距離は、常温環
境下において約0.8[cm]である。このことから、
本実施例の障害物検出装置1は、障害物との距離測定に
あたり、0.8[cm]の分解能を有している。
【0088】また、単位処理情報で規定される各単位処
理は、少なくとも制御装置11により実行される所定割
込周期内に、それぞれの単位処理が実行できるように予
め設定されている。すなわち、本実施例では、所定割込
周期が50[μsec]であるから、各単位処理の所要
時間は、25[μsec]以下に設定されている。
【0089】なお、このようにして所定周期毎に実行す
る単位処理の実行回数および処理順序については、時系
列情報テーブルに規定されており、コーナーソナー装置
13の超音波送受信処理に対応する時系列情報テーブル
の構成例を図6に示す。図6に示すように、時系列情報
テーブルは、実行順序に応じて縦方向に単位処理を羅列
する形態で構成されている。そして、しきい値切り替え
処理のように、処理期間が短く所定割込周期内に処理が
完了する機能処理に対応する単位処理(例えば、THRESH
OLD )は1回のみ記載されており、ノイズモニタ処理の
ように処理期間の長い機能処理に対応する単位処理(NO
ISE MONITOR )は、処理期間に応じた回数だけ記載され
ている。
【0090】なお、図6においては、「THRESHOLD 」は
しきい値切り替え処理に対応する単位処理を表してお
り、「NOISE MONITOR 」はノイズモニタ処理に対応する
単位処理を表しており、「TRANSMIT」は超音波送信処理
に対応する単位処理を表しており、「DIAG」はセンサダ
イアグ処理に対応する単位処理を表しており、「RECEIV
E 」は超音波受信処理に対応する単位処理を表してお
り、「IDLE」は何らの処理も行わず一定の待ち時間が経
過するまで待機するアイドル処理を表している。
【0091】そして、各単位処理の処理内容は、時系列
情報テーブルとは別にEEPROM11aに記憶されて
いる超音波送受信処理情報において規定されている。つ
まり、制御装置11は、時系列情報テーブルに規定され
た単位処理を羅列された順に上から順番に読み込み、読
み込んだ単位処理に対応する単位処理情報を超音波送受
信処理情報から読み出して、その単位処理情報に規定さ
れる単位処理を実行することで、一連の超音波送受信処
理を実行するのである。
【0092】このように、制御装置11は、単位処理の
処理内容についての情報(単位処理情報)は超音波送受
信処理情報としてEEPROM11aに記憶し、一連の
超音波送受信処理を実現するための単位処理の処理回数
および処理順序についての情報は時系列情報テーブルと
してEEPROM11aに記憶している。
【0093】そして、制御装置11は、時系列情報テー
ブルの内容を読み込む際に複数の単位処理に対してそれ
ぞれインデックス番号を設定し、単位処理を実行する毎
にカウントアップされるインデックスカウンタに基づい
て、各単位処理の実行位置を把握することで、時系列情
報テーブルに規定された処理順序および処理回数に従
い、各単位処理を順番に実行する。このとき、制御装置
11は、時系列情報テーブルに備えられるインデックス
情報に基づいて、各単位処理に設定するインデックス番
号を設定する。なお、インデックス情報は、特許請求の
範囲に記載の実行条件情報に相当するものである。
【0094】なお、単位処理のうち、しきい値切り替え
処理に対応する単位処理では、指定された実行時期によ
って切り替え後のしきい値の値を変更できるように、切
り替え後のしきい値を表すパラメータを実行時期に応じ
て設定する処理を行っている。また、制御装置11は、
離散した時期に複数回にわたり「THRESHOLD 」を実行す
るにあたり、時系列情報テーブルを順番に参照するため
のインデックスカウンタの値により、「THRESHOLD 」の
それぞれの記載位置(換言すれば、実行時期)を識別で
きる(図6参照)。
【0095】このため、制御装置11は、インデックス
カウンタの値を指定して「THRESHOLD 」の処理を実行す
ることで、「THRESHOLD 」の処理に含まれるパラメータ
設定処理において、実行時期に応じた適切な値にパラメ
ータ(切り替え後のしきい値)を設定することができ
る。この結果、それぞれの実行時期に応じた値にしきい
値を切り替えるための単位処理(しきい値切り替え処
理)を実行することができる。
【0096】ここで、制御装置11において、コーナー
ソナー装置13の超音波送受信処理、バックソナー装置
15の超音波送受信処理をそれぞれ時間分割した単位処
理を、所定割込周期毎に割込処理として実行するための
定期割り込み処理の処理内容を示すフローチャートを図
7に示す。なお、超音波送信処理以外の「その他の制御
処理」については、それぞれに設定された処理開始時期
や、外部からの指令が入力された時期に応じて処理が実
行されている。
【0097】そして、図7に示す定期割り込み処理が起
動されると、その他の制御処理は一旦中断されて、定期
割り込み処理が実行される。まず、S710では、コー
ナーソナー装置13(図7では、システム1と記載)の
超音波送受信処理において、次に実行する単位処理を判
定する。具体的には、コーナーソナー装置13に対応す
る時系列情報テーブルに基づいて次に実行するべき単位
処理を判定している。
【0098】そして、時系列情報テーブルから読み出し
た次に実行するべき単位処理が、「IDLE」である場合に
はS720に移行し、「NOISE MONITOR 」である場合に
はS730に移行し、「TRANSMIT」である場合にはS7
40に移行し、「DIAG」である場合にはS750に移行
し、「RECEIVE 」である場合にはS760に移行し、
「THRESHOLD 」である場合にはS770に移行する。
【0099】そして、S720に移行すると、S720
では、超音波送受信処理情報からアイドル処理に対応す
る単位処理情報の処理内容を読み出して、一定の待ち時
間が経過するまで待機するアイドル処理を実行する。ま
た、S730に移行すると、S730では、超音波送受
信処理情報からノイズモニタ処理に対応する単位処理情
報の処理内容を読み出して、ノイズの有無を判断するノ
イズモニタ処理を行う。
【0100】S740に移行すると、S740では、超
音波送受信処理情報から超音波送信処理に対応する単位
処理情報の処理内容を読み出して、超音波センサから超
音波を送信させる超音波送信処理を実行する。S750
に移行すると、S750では、超音波送受信処理情報か
らセンサダイアグ処理に対応する単位処理情報の処理内
容を読み出して、超音波センサの異常を検出するための
センサダイアグ処理を実行する。
【0101】S760に移行すると、S760では、超
音波送受信処理情報から超音波受信処理に対応する単位
処理情報の処理内容を読み出して、超音波センサにおい
て反射波を受信させるための超音波受信処理を実行す
る。S770に移行すると、S770では、超音波送受
信処理情報からしきい値切り替え処理(スレッショルド
切り替え処理)に対応する単位処理情報の処理内容を読
み出して、受信信号判定用のしきい値を切り替えるしき
い値切り替え処理を実行する。
【0102】そして、S720からS770までのいず
れかの処理が実行されるとS810に移行して、S81
0では、バックソナー装置15(図7では、システム2
と記載)の超音波送受信処理において、次に実行する単
位処理を判定する。具体的には、バックソナー装置15
に対応する時系列情報テーブルに基づいて次に実行する
べき単位処理を判定している。
【0103】そして、時系列情報テーブルから読み出し
た次に実行するべき単位処理が、「IDLE」である場合に
はS820に移行し、「NOISE MONITOR 」である場合に
はS830に移行し、「TRANSMIT」である場合にはS8
40に移行し、「DIAG」である場合にはS850に移行
し、「RECEIVE 」である場合にはS860に移行し、
「THRESHOLD 」である場合にはS870に移行する。
【0104】なお、S820からS870までのそれぞ
れのステップにおける処理内容は、S720からS77
0までのそれぞれのステップにおける処理内容と同様の
処理内容である。そして、S820からS870までの
いずれかの処理が実行されると、定期割り込み処理が終
了し、本定期割り込み処理の起動によって一旦中断され
たその他の制御処理が再び実行されて、割り込み復帰が
行われる。なお、このような処理を実行する定期割り込
み処理は、その他の制御処理が実行中であっても、割り
込み処理として所定割込周期毎に実行される。
【0105】ここで、超音波送受信処理においては、超
音波送信から超音波受信までの間に受信待ち時間が存在
することから、この受信待ち時間を利用して他の超音波
送受信処理を実行することができる。このため、本実施
例のように、コーナーソナー装置13とバックソナー装
置15とにそれぞれ対応した2個の超音波送受信処理を
単位処理毎に時間分割して並行実行する場合であって
も、このうちの1つの超音波送受信処理の一連の処理を
完了するのに必要となる処理時間は、従来のように1つ
の超音波送受信処理を連続して実行するのに必要となる
処理時間と同等にすることができる。
【0106】なお、本実施例の障害物検出装置1におい
ては、制御装置11が特許請求の範囲に記載の障害物検
出制御手段に相当し、EEPROM11aが記憶手段に
相当し、コーナーソナー装置13およびバックソナー装
置15がそれぞれソナー装置に相当している。
【0107】以上、説明したように、本実施例の障害物
検出装置1においては、制御装置11が、予め定められ
た所定割込周期毎に超音波送受信処理に含まれる1つの
単位処理を割り込み処理として実行することから、他の
制御処理(表示処理や音声出力処理など)による処理待
ち時間の影響を受けることなく、所定割込周期毎に必ず
単位処理を実行することができる。このため、超音波送
受信処理は、他の制御処理の影響を受けることによる処
理の遅れが生じることなく、確実に処理を進行すること
になる。
【0108】また、超音波送受信処理は、一連の処理を
連続して実行されるのではなく、時間分割して実行され
ることから、他の制御処理を並行して実行することがで
き、他の制御処理への悪影響を抑えることができる。よ
って、本実施例の障害物検出装置によれば、超音波送受
信処理の実行途中に、他の制御処理(表示処理や音声出
力処理など)を実行することができるため、1つの制御
装置11で超音波送受信処理と他の制御処理を実行する
場合でも、他の制御処理の応答性に悪影響が及ぶのを抑
制することができる。また、このとき、制御装置(詳細
には、中央演算処理装置(MPU))を複数備える必要
がないことから、コストの増大を抑えることができる。
【0109】また、本実施例の障害物検出装置1におい
ては、制御装置11が、一連の超音波送受信処理を連続
して実行するのではなく、所定割込周期毎に複数のソナ
ー装置にそれぞれ対応する単位処理を割り込み処理とし
て連続的に実行することで、複数のソナー装置毎の超音
波送受信処理を並行して実行している。
【0110】よって、本実施例の障害物検出装置によれ
ば、2つの超音波送受信処理を並行して実行することが
でき、1つの制御装置11を用いて2つソナー装置(コ
ーナーソナー装置13およびバックソナー装置15)を
駆動制御する場合であっても、障害物検出の応答性が低
下するのを防ぐことができる。また、2つの超音波送受
信処理の実行途中に、他の制御処理(表示処理や音声出
力処理など)を実行することができるため、2つの超音
波送受信処理に加えてさらに他の制御処理を1つの制御
装置11において実行する場合でも、他の制御処理の応
答性に悪影響が及ぶのを抑制することができる。
【0111】さらに、本実施例においては、単位処理の
処理内容は超音波送受信処理情報に規定してあり、時系
列情報テーブルで規定される複数回にわたり単位処理を
繰り返し実行することで、所定割込周期よりも処理期間
の長い機能処理を実現可能としている。また、これによ
り、EEPROM11aにおける単位処理情報を記憶す
るための記憶領域を縮小することができ、効率よく超音
波送受信処理を記憶することが出来る。
【0112】よって、本実施例の障害物検出装置によれ
ば、超音波送受信処理における処理時間の長い機能処理
を実行することが可能となり、また、EEPROMの記
憶領域を効率よく使用することができ、より多くの情報
をEEPROMに記憶することが可能となる。
【0113】また、本実施例においては、単位処理の処
理内容についての情報(単位処理情報)は超音波送受信
処理としてEEPROMに記憶し、一連の超音波送受信
処理を実現するための単位処理の処理回数および処理順
序についての情報は時系列情報テーブルとしてEEPR
OMに記憶している。このことからも、単位処理の処理
内容を規定する情報が重複してEEPROMに記憶され
て無駄な記憶領域が発生するのを避けることができ、E
EPROMの記憶領域を効率よく使用することが可能と
なる。
【0114】さらに、本実施例の障害物検出装置では、
単位処理として、パラメータにより設定値を変更可能に
構成された単位処理を用いており、これにより、パラメ
ータの値が異なるという微細な差異に応じて、それぞれ
個別の単位処理情報を備える必要が無くなり、EEPR
OMに記憶するべき単位処理情報が無駄に増大するのを
防ぐことが出来る。
【0115】よって、本実施例の障害物検出装置によれ
ば、EEPROMを効率よく使用できるため、EEPR
OMとして記憶容量の小さい低価格のEEPROMを用
いることができ、コスト削減効果を発揮することが出来
る。また、本実施例の障害物検出装置においては、超音
波送受信処理情報や時系列情報テーブルが、記憶した情
報の内容を書き換え可能に構成されたEEPROMに記
憶されている。このように、超音波送受信処理情報や時
系列情報テーブルの内容が書き換え可能となることで、
必要に応じて超音波送受信処理情報の処理内容を変更す
ることができる。
【0116】これにより、超音波送受信処理情報の処理
内容を変更するために、処理内容の異なる超音波送受信
処理情報が記憶された複数のEEPROMを用意する必
要が無くなる。このように、処理内容に応じて複数のE
EPROMを用意する必要が無くなることで、多様な処
理を実行可能な障害物検出装置を実現するにあたり、コ
ストの削減を図ることが出来る。なお、超音波送受信処
理の処理内容を変更する方法としては、時系列情報テー
ブルにおける単位処理の処理順序や処理回数を変更する
ほか、単位処理情報の処理内容を書き換える方法が挙げ
られる。
【0117】また、時系列情報テーブルの内容が書き換
え可能となることで、単位処理の処理回数や処理順序を
変更することが可能となり、このような時系列情報テー
ブルの変更作業を行うことで一連の超音波送受信処理の
簡単な調整作業が可能となる。そして、一連の超音波送
受信処理の簡単な調整作業については、高度な情報処理
技術の知識を有する者(ソフトウェア技術者)以外の一
般作業員が、ソフトウェア技術者を介することなく単独
で実行したいという要求がある。このため、時系列情報
テーブルの変更作業が可能となることで、一般作業者
は、ソフトウェア技術者に作業を依頼することなく、一
連の超音波送受信処理の簡単な調整作業を自ら実行する
ことが可能となる。
【0118】よって、本実施例の障害物検出装置は、低
コストで多様な処理を実行可能な障害物検出装置とな
り、また、一連の超音波送受信処理の簡単な調整作業を
一般作業者が単独で実行可能となることで、短時間で臨
機応変に処理内容を変更することができる障害物検出装
置を実現することが出来る。
【0119】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、種
々の態様をとることができる。例えば、本実施例では、
コーナーソナー装置13とバックソナー装置15とにつ
いては、それぞれに備えられる超音波センサの個数が4
個と2個とで異なっており、それぞれに対応する超音波
送受信処理の処理内容は異なっている。具体的には、時
系列情報テーブルに規定されている単位処理の処理順序
や処理回数が異なっている。
【0120】これに対して、複数のソナー装置のうちの
互いに同一の動作を行うソナー装置については、超音波
送受信処理情報および時系列情報テーブルを共有して使
用することができる。これにより、EEPROMなどの
記憶手段における記憶領域を効率よく利用することが可
能となる。
【0121】また、コーナーソナー装置およびバックソ
ナー装置は、常に両方を並行して駆動制御するのではな
く、それぞれ必要な時間帯にのみ駆動するようにして、
両者の制御が重複した場合にのみ並行して処理を実行す
るようにしても良い。例えば、バックソナー装置につい
ては、シフトレンジがリバース(後退)となるときにの
み駆動制御を行うようにしても良い。
【0122】また、1つのソナー装置に対して、複数種
類の超音波送受信処理情報または時系列情報テーブルを
備えて、ユーザの要求に応じて実行する処理内容を選択
可能に構成しても良い。つまり、EEPROMに複数種
類の処理内容を含んだ情報を記憶しておき、ユーザから
の指令に基づいて、制御装置11において実行する超音
波送受信処理を複数種類の超音波送受信処理から選択し
て設定するための制御処理選択装置を備えるのである。
【0123】このような障害物検出装置は、たとえば、
ユーザからの指令を受け付ける入力操作ボタンやタッチ
入力パネルなどを備え、制御装置内で実行されるプログ
ラムとして実行対象の超音波送受信処理情報を選択する
ためのプログラムを備えることで実現することができ
る。
【0124】そして、超音波送受信処理の処理内容を変
更するにあたり、超音波送受信処理情報の内容を変更す
るのではなく、異なる処理内容が規定された複数種類の
超音波送受信処理情報から任意の超音波送受信処理情報
を選択することで、処理内容を変更できるように障害物
検出装置を構成するのである。これにより、障害物検出
装置の内部構成に関する知識の無い一般ユーザであって
も、超音波送受信処理の処理内容を変更することが可能
となり、実使用段階における使用状況に応じて適切な処
理内容で障害物検出装置を動作させることが可能とな
る。
【0125】例えば、障害物検出の射程距離がそれぞれ
異なる複数の超音波送受信処理情報を備えることで、ユ
ーザは自らの好みに応じた射程距離を容易に選択するこ
とができ、実用性に優れた障害物検出装置を実現する事
が出来る。なお、このとき、時系列情報テーブルを複数
種類備えるようにしても良く、例えば、図8に示すよう
な2種類の時系列情報テーブルを備えて、図中左側に記
載の時系列情報テーブルから図中右側に記載の時系列情
報テーブルに切替をすることで、処理内容を変更するこ
とができる。
【0126】また、時系列情報テーブルの内容が変更可
能である場合にも、図8に示すような変更は可能であ
る。具体的には、時系列情報テーブルにおける最後の3
個の単位処理を、「(RECEIVE)(RECEIVE )(THRESHO
LD)」から、「(THRESHOLD)(IDLE)(IDLE)」に変
更するのである。
【0127】また、記憶手段としては、EEPROMの
ほかにフラッシュマイコンを用いてもよい。さらに、制
御装置11は、複数のMPUを備えて、各MPUが所定
割込周期毎に、複数のソナー装置にそれぞれ対応する単
位処理を割り込み処理として連続的に実行することによ
り、複数のソナー装置毎のソナー制御処理を並行して実
行するよう構成しても良い。これにより、より多くのソ
ナー装置を駆動制御する場合であっても、応答性を優れ
た障害物検出を実現することが出来る。また、ソナー装
置毎にMPUを備える場合に比べて、MPUの個数を減
少させることが出来るため、コスト抑制の効果を得るこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、車両周囲の障害物を検出する障害
物検出装置の概略構成図であり、(b)は、障害物検出
装置が搭載される車両および超音波センサの配置位置を
表す説明図である。
【図2】 コーナーソナー装置およびバックソナー装置
の詳細な構成を示した障害物検出装置の構成図である。
【図3】 (a)は、2つのソナー装置に対応するそれ
ぞれの超音波送受信処理を交互に実行する状態を表すタ
イムチャートであり、(b)は、2つのソナー装置に対
応するそれぞれの超音波送受信処理を並行して実行する
状態を表すタイムチャートであり、(c)は、所定割込
周期内に実行される各処理を表すタイムチャートであ
る。
【図4】 超音波送受信処理の一連の処理内容を表すフ
ローチャートである。
【図5】 時間分割による一連の超音波送受信処理の実
行状態を表すタイムチャートである。
【図6】 時系列情報テーブルの構成例を表す説明図で
ある。
【図7】 定期割り込み処理の処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図8】 2種類の時系列情報テーブルの切替え、およ
び時系列情報テーブルの設定内容の変更を表す説明図で
ある。
【図9】(a)は、従来の障害物検出装置の概略構成図
であり、(b)は、従来の制御装置で実行される処理の
タイムチャートである。
【符号の説明】
1…障害物検出装置、11…制御装置、11a…EEP
ROM、13…コーナーソナー装置、15…バックソナ
ー装置、S1…右後方超音波センサ、S2…右前方超音
波センサ、S3…左前方超音波センサ、S4…左後方超
音波センサ、S5…後部右側超音波センサ、S6…後部
左側超音波センサ。
フロントページの続き (72)発明者 兵藤 賢仁 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H180 AA01 CC11 LL01 LL04 LL08 5J083 AA02 AB13 AC26 AC30 AD04 AE01 AE10 AF05 BA01 BB07 BE11 BE21 BE54 EB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を送受信するソナー装置を駆動し
    て、前記ソナー装置から前記超音波を送信させると共
    に、前記超音波が障害物に当たって反射した反射波の前
    記ソナー装置による受信状態に基づいて障害物を検出す
    る一連のソナー制御処理の内容を表すソナー制御処理情
    報を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された前記ソナー制御処理情報で規
    定される前記一連のソナー制御処理に従い前記ソナー装
    置を駆動制御することで、障害物を検出する障害物検出
    制御手段と、 を備えた障害物検出装置であって、 前記ソナー制御処理情報は、前記一連のソナー制御処理
    を時間分割して実行するための複数の単位処理の各内容
    を表す複数の単位処理情報からなり、 前記障害物検出制御手段は、予め定められた所定割込周
    期毎に前記単位処理情報で規定される前記単位処理を割
    り込み処理として実行することで、前記一連のソナー制
    御処理を時間分割して実行すること、 を特徴とする障害物検出装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段は、前記複数の単位処理情
    報からなる前記ソナー制御処理情報を、前記超音波を互
    いに干渉することなく送受信可能な複数のソナー装置の
    それぞれに対応して複数記憶しており、 前記障害物検出制御手段は、前記所定割込周期毎に、前
    記複数のソナー装置にそれぞれ対応する前記単位処理を
    割り込み処理として連続的に実行することにより、前記
    複数のソナー装置毎のソナー制御処理を並行して実行す
    ること、 を特徴とする請求項1に記載の障害物検出装置。
  3. 【請求項3】 前記ソナー制御処理情報は、前記単位処
    理情報として、前記一連のソナー制御処理を機能毎に分
    割した機能処理のうち前記所定割込周期よりも処理期間
    が長い機能処理を前記所定割込周期内に実行するための
    反復単位処理の内容を規定した反復単位処理情報を含ん
    で構成され、 前記障害物検出制御手段は、前記機能処理の処理期間に
    応じた複数の前記所定割込周期にわたり、前記反復単位
    処理を複数回実行することで、一連の前記機能処理を実
    行すること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の障害物検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記ソナー制御処理情報は、処理内容の
    異なる前記単位処理毎に前記単位処理情報を備えて構成
    されており、 前記記憶手段は、前記一連のソナー制御処理を実現する
    ための前記単位処理の処理回数および処理順序を規定す
    る時系列情報テーブルを記憶しており、 前記障害物検出制御手段は、前記時系列情報テーブルで
    規定された前記処理回数および前記処理順序に基づい
    て、前記ソナー制御処理情報から前記単位処理情報を読
    み出して前記複数の単位処理を実行することで、一連の
    前記ソナー制御処理を実行すること、 を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    障害物検出装置。
  5. 【請求項5】 前記単位処理情報は、実行条件に応じて
    パラメータを設定するパラメータ設定処理を含む前記単
    位処理の処理内容を規定するよう構成され、 前記時系列情報テーブルは、前記単位処理情報のそれぞ
    れの前記実行条件を表す実行条件情報を備えて構成さ
    れ、 前記障害物検出制御手段は、前記パラメータ設定処理を
    含む前記単位処理を実行するにあたり、前記時系列情報
    テーブルの前記実行条件情報に基づき実行条件を指定し
    て、前記単位処理を実行すること、 を特徴とする請求項4に記載の障害物検出装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段は、記憶した情報の内容を
    書き換え可能に構成されていること、 を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    障害物検出装置。
  7. 【請求項7】 前記記憶手段は、複数種類の前記ソナー
    制御処理情報を記憶しており、 外部からの指令に基づいて、前記障害物検出制御手段で
    実行する前記ソナー制御処理を、前記複数種類のソナー
    制御処理情報で規定される前記ソナー制御処理から選択
    して設定するための制御処理選択手段を備えたこと、 を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    障害物検出装置。
  8. 【請求項8】 前記ソナー装置として、少なくとも車両
    に備えられるコーナーソナー装置またはバックソナー装
    置のいずれかを駆動制御すること、 を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    障害物検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010066199A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Denso Corp 物体検知装置

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JP2006317186A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Denso Corp 障害物検知装置
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