JP2003130632A - タッチ信号プローブの測定異常検出方法及び測定異常検出装置 - Google Patents

タッチ信号プローブの測定異常検出方法及び測定異常検出装置

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JP2003130632A
JP2003130632A JP2001328044A JP2001328044A JP2003130632A JP 2003130632 A JP2003130632 A JP 2003130632A JP 2001328044 A JP2001328044 A JP 2001328044A JP 2001328044 A JP2001328044 A JP 2001328044A JP 2003130632 A JP2003130632 A JP 2003130632A
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Kazuhiko Hidaka
和彦 日高
Kaoru Matsuki
薫 松木
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凝着現象という測定異常を精度良く検出するこ
とができるタッチ信号プローブの測定異常検出方法及び
測定異常検出装置の提供。 【解決手段】スタイラス1の振動状態の変化を基に先端
部1Aと非測定物Oとの接触を検出する検出手段3から
出力される検出信号の振幅、位相、周波数の少なくとも
1つの状態量から接触判定信号を求め、この接触判定信
号と、各測定条件下での理想判定信号とを比較して先端
部1Aと被測定物Oとの間での凝着の有無を判断する。
凝着現象を測定者の肉眼によることなく、あるいは、測
定データから推測することなく、精度良く検出すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元測定機等に
よって被測定物の形状等を測定するために用いられるタ
ッチ信号プローブの測定異常を検出するための方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】被測定物の形状、寸法等の測定を行う測定
機とし三次元測定機等が知られているが、その場合の座
標検出や位置検出を行うために、測定機には、スタイラ
スの先端部分に接触球を備え、この接触球が被測定物と
接触したことを検出するタッチ信号プローブが用いられ
る。タッチ信号プローブの従来例として、特開平6-2218
06号(従来例1)及び特願平10-220474号(従来例2)
がある。
【0003】従来例1は、支持部と、この支持部に支持
されるとともに先端に被測定物と接触する先端部が先端
に形成されたスタイラスを有するセンサ部と、このセン
サ部の支持部に対するスタイラスホルダ近傍を振動の節
としてその固有振動数に等しい振動数で加振する加振手
段と、被測定物との接触に際して発生する前記振動の変
化から接触を検出する検出手段とを備えたタッチ信号プ
ローブである。従来例2は、従来例1を小型化したもの
であって、スタイラスホルダを音叉型にし、スタイラス
を2点で支持した構成のタッチ信号プローブである。
【0004】近年、マイクロマシン等の微小形状部品を
測定することが要求される。この要求を従来例1,2で
満たすため、微小形状部品の穴や溝、例えば、微小歯車
の歯を形状測定装置で測定する際に、部品のサイズに合
うようにセンサ部の先端部を小さくし、スタイラスを細
くする必要がある。スタイラスは細線化に伴い、その剛
性が低下する。このような低剛性のスタイラスを用いた
センサ部で被測定物を測定する場合、被測定物の表面に
付着している吸着層(主に水から構成)の表面張力がス
タイラス先端の先端部に作用し、この先端部が被測定物
に吸着するという測定異常現象が発生する。
【0005】この測定異常現象は、凝着現象と呼ばれる
ものであるが、この現象は測定における誤差の要因とな
るばかりではなく、センサ部を被測定物に対してタッチ
バックしても、センサ部の先端部が離れず、以降の測定
が不可能となることにも繋がる。従来では、CCDカメ
ラを用いて先端部を巨視化して凝着現象を監視したり、
測定結果に対して異常値を検出することで、凝着現象を
推定することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CCDカメラを利用す
る従来例では、モニタ等を通じて測定者が凝着現象を肉
眼で判断することになるため、測定者の能力や経験によ
って検出精度が異なることになるという問題が生じる。
測定結果から凝着現象を推定する従来例では、測定デー
タ中の異常値が凝着現象に起因するものなのか、他の要
因に起因するものなのかの判別が困難であり、十分な検
出精度を得ることができないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、凝着現象という測定異常
を精度良く検出することができるタッチ信号プローブの
測定異常検出方法及び測定異常検出装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、タ
ッチ信号プローブの検出手段から実際に出力される接触
判定信号と、予め求められた理想判定信号とを比較して
前記目的を達成しようとするものである。具体的には本
発明にかかるタッチ信号プローブの測定異常検出方法
は、先端に被測定物と接触する先端部を有するスタイラ
スと、このスタイラスを加振する加振手段と、前記先端
部が被測定物と接触することにより生じる前記スタイラ
スの振動状態の変化を基に前記接触を検出する検出手段
とを備え、かつ、測定装置に装着されるタッチ信号プロ
ーブの測定異常を検出する方法であって、前記検出手段
から出力される検出信号の振幅、位相、周波数の少なく
とも1つの状態量から接触判定信号を求め、この接触判
定信号と、各測定条件下での理想判定信号とを比較して
前記先端部と前記被測定物との間での凝着の有無を判断
することを特徴とする。
【0009】測定のため、本発明のタッチ信号プローブ
と被測定物とを相対的に移動させ、加振手段で加振して
いるスタイラスの先端部を被測定物に接触させる。先端
部が被測定物に接触すると、スタイラスの振動が拘束さ
れることになり、これを検出手段で検知する。すると、
検出手段から検出信号が出力され、この検出信号に基づ
いて接触判定信号が求められる。タッチ信号プローブの
測定手順において、被測定物に接触した先端部は被測定
物から離隔するが、この際、先端部が被測定物に吸着す
るという凝着現象が生じると、検出手段で実際に検出さ
れる検出信号の状態量が変化することになる。この変化
した状態量に基づいて求められた接触判定信号と、予め
凝着現象のない理想状態で予め求められた理想判定信号
とを比較することで、凝着現象の有無を判定する。
【0010】従って、本発明では、検出手段から検出さ
れる検出信号に基づいて求められた接触判定信号と、予
め求められた理想判定信号とを比較することで、凝着現
象を測定者の肉眼によって判定したり、タッチ信号プロ
ーブの測定データに基づいて異常値を推測する作業が不
要とされるので、測定異常を精度良く検出することがで
きる。そのため、測定異常を精度良く検出することがで
きるので、測定の信頼性を向上させることができるとと
もに、肉眼で判定する場合のように測定を中断させるこ
とがないので、測定効率(測定のスループット)を向上
させることができる。
【0011】ここで、本発明では、前記接触判定信号と
前記理想判定信号との比較を、前記接触判定信号により
前記測定装置で取得される座標値と、前記理想判定信号
により求められる座標値とを比較することで行う構成と
してもよい。この構成の本発明では、凝着現象が生じる
場合と凝着現象が生じない場合とでは、座標値が異なる
ため、この座標値の相違から接触判定信号と理想判定信
号との相違が明らかとなり、測定精度がより向上するこ
とになる。
【0012】さらに、本発明では、前記接触判定信号と
前記理想判定信号との比較を、同一測定条件下で得られ
た前記接触判定信号の動作時間と、前記理想判定信号の
動作時間とを比較することで行う構成としてもよい。こ
の構成の本発明では、凝着現象が生じる場合と凝着現象
が生じない場合とでは、所定座標に到達するまでの作業
時間が異なるため、接触判定信号と理想判定信号との相
違が明らかとなり、測定精度がより向上することにな
る。
【0013】また、本発明では、前記理想判定信号は前
記先端部と前記被測定物との間に凝着が発生していない
状態で計測された信号である構成としてもよい。この構
成の本発明では、理想判定信号を実際の計測値から容易
に求めることができる。これに対して、本発明では、前
記理想判定信号は前記先端部と前記被測定物との間に凝
着が発生していない状態をシュミレーションして幾何工
学的に算出された信号である構成としてもよい。この構
成の本発明では、理想判定信号を、被測定物の材質、ス
タイラスの材質、先端部の材質、測定環境条件、その他
の条件からシュミレーションして求めることで、理想判
定信号の精度を高いものにできる。
【0014】また、本発明では、前記接触判定信号と前
記理想判定信号との比較を、前記先端部が前記被測定物
から離隔する際に、前記測定装置の測定動作指令信号と
前記接触判定信号のうち接触から非接触へ移行する信号
とが発せられる間に変位する前記先端部の変位量と、前
記測定装置の測定動作指令信号と前記理想判定信号のう
ち接触から非接触へ移行する信号とが発せられる間に変
位する前記先端部の変位量とで行う構成としてもよい。
この構成の本発明では、先端部が前記被測定物から離隔
するタッチバック動作に際して、まず、前記測定装置の
測定動作指令信号が発せられ、その後、前記接触判定信
号のうち接触から非接触へ移行する信号(タッチトリガ
OFF信号)が発せられるが、これらの信号が発せられ
る間に先端部と被測定物とが相対的に変位することにな
る。この変位量は、凝着現象の程度に比例するものであ
り、この変位量を実際に測定する場合と凝着現象のない
理想的な場合とで比較することで、凝着現象の有無を精
度よく測定することができる。
【0015】また、本発明にかかるタッチ信号プローブ
の測定異常検出装置は、先端に被測定物と接触する先端
部を有するスタイラスと、このスタイラスを加振する加
振手段と、前記先端部が被測定物と接触することにより
生じる前記スタイラスの振動状態の変化を基に前記接触
を検出する検出手段とを備え、かつ、測定装置に装着さ
れるタッチ信号プローブの測定異常を検出する装置であ
って、前記検出手段から出力される検出信号の振幅、位
相、周波数の少なくとも1つの状態量から接触判定信号
を求める検出回路と、この検出回路で求められた接触判
定信号と、各測定条件下で予め求められた理想判定信号
とを比較して前記先端部と前記被測定物との間での凝着
の有無を判断する比較回路とを備えたことを特徴とす
る。この構成の本発明では、前述のタッチ信号プローブ
の測定異常検出方法の発明と同様に、測定の信頼性を向
上させることができるとともに、肉眼で判定する場合の
ように測定を中断させることがないので、測定効率(測
定のスループット)を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1には本発明の一実施形
態にかかるタッチ信号プローブの測定異常検出装置の概
略構成が示されている。図1において、タッチ信号プロ
ーブ10は、先端に被測定物Oと接触する先端部1Aを
有するスタイラス1と、このスタイラス1を加振する加
振手段2と、先端部1Aが被測定物Oと接触することに
より生じるスタイラス1の振動状態の変化を基に接触を
検出する検出手段3とを備え、形状測定装置20に装着
される構造である。ここで、形状測定装置20は、主に
三次元測定機に適用されるものであるが、これに限らず
ハイトゲージ(一次元測定機)、二次元測定機、輪郭測
定機あるいは真円度測定機、粗さうねり測定機などの表
面性状測定機等でもよい。
【0017】形状測定装置20は、静止状態にあるタッ
チ信号プローブ10に対して被測定物Oを載置したステ
ージ21が移動する構成とされており、このステージ2
1は、コントローラ22から出力される測定動作指令信
号を受けて所定の軸方向に移動可能とされる。加振手段
2及び検出手段3は、ともに圧電素子から構成されてお
り、その伸縮方向がスタイラス1の軸芯と平行(縦方
向)に延びて配置されている。なお、本実施形態では、
スタイラス1の振動方向の定義はなく、例えば、前述の
軸方向に限定されるものではなく、スタイラス1の曲げ
方向(横方向)や、スタイラス1のねじり方向でもよ
く、さらに、スタイラス1が共振状態であっても、非共
振状態であっても、いずれでもよい。
【0018】検出手段3には、タッチ信号プローブ10
の測定異常を検出する測定異常検出装置30が接続され
ている。この測定異常検出装置30は、検出手段3から
出力される検出信号の振幅、位相、周波数の少なくとも
1つの状態量から接触判定信号を求める検出回路31
と、この検出回路31で求められた接触判定信号を処理
する信号処理回路32とを備えた構成である。
【0019】検出回路31は、検出手段3で出力された
検出信号と、この検出信号に基づいて出力されたコンパ
レータ信号とに基づいて接触判定信号を求める構成であ
る。信号処理回路32は、検出回路31で求められた接
触判定信号と、各測定条件下で予め求められた理想判定
信号とを比較して先端部1Aと被測定物Oとの間での凝
着の有無を判断する比較回路33と、凝着の有無を判断
した結果を出力する出力回路34とを備えて構成されて
いる。この出力回路34は、先端部1Aと被測定物Oと
の間で凝着があると判断された場合には、必要に応じて
測定データを補正する。コントローラ22は、出力回路
34の出力によって、ステージ21の駆動を制御する。
【0020】ここで、図2(A)に示される通り、被測
定物Oと先端部1Aとの間に吸着層がない場合(吸着層
が非常に薄く、かつ、スタイラス剛性が高い場合を含
む)には、被測定物Oとの接触のみにスタイラス1の振
動が拘束されるが、図2(B)で示される通り、被測定
物Oと先端部1Aとの間に吸着層Pがある場合には、こ
の吸着層Pの表面張力によっても、スタイラス1の振動
が拘束される。しかも、吸着層Pがあると、スタイラス
1がタッチバック(被測定物Oに接触した先端部1Aが
被測定物Oから離隔する動作)する際に、先端部1Aが
被測定物Oの方面から離れない凝着現象が生じる。この
ように、先端部1Aと被測定物Oとの間に吸着層Pがあ
る場合に測定異常が発生することになるが、この測定異
常を測定異常検出装置30で検出する。
【0021】被測定物0と先端部1Aとの間の接触状態
と、測定異常検出装置30で処理される信号との関係を
図3及び図4に基づいて説明する。図3は、被測定物O
と先端部1Aとの間に吸着層がない理想状態の場合であ
る。図3では、(A)は被測定物Oと先端部1Aとの接
触状態を(a)〜(h)で示し、(B)は検出手段3で
出力される出力信号の変化を示し、(C)は検出回路3
1から出力されるコンパレータ信号の変化を示す。図3
において、形状測定装置のコントローラ22から被測定
物Oの移動指令が出されると、被測定物Oがスタイラス
1に向かって移動を開始する((a)参照)。被測定物
Oがスタイラス1の先端部1Aに接触すると((b)参
照)、検出信号が変化し始める。この検出信号の変化は
被測定物Oの押し込み量に応じるものである。
【0022】被測定物Oを先端部1Aに押し込み続けて
検出信号が閾値Tを越えると、コンパレータ信号がLow
からHighになり((c)参照)、タッチトリガ信号がO
Nされ、タッチトリガ信号のONに伴って、形状測定装
置のコントローラ22からステージ21へ座標読み取り
指令Aと停止指令とが出力される。さらに、被測定物O
の移動が停止したなら((d)参照)、もう一度、座標
読み取り指令Bが出力されるとともに、タッチバック動
作指令が出力される。すると、被測定物Oが先端部1A
から離隔(タッチバック)し始め((e)参照)、検出
信号も閾値Tに戻ると、コンパレータ信号がHighからLo
wになり、タッチトリガ信号がOFFになって標読み取
り指令Cが出力される((f)参照)。被測定物Oが先
端部1Aから離れると((g)参照)、検出信号は測定
前と同じ非接触状態に復元され、完全に被測定物Oが先
端部1Aから離隔すると((h)参照)、測定が終了す
るとともに、次の測定準備に入る。以上の検出信号及び
コンパレータ信号から理想判定信号が構成される。
【0023】図4は、被測定物Oと先端部1Aとの間に
凝着現象を生じさせる吸着層がある実際の測定状態の場
合である。図4は図3に対応する図であり、(A)
(B)及び(C)の示すものは図3と同じである。図4
は図3と同一測定条件下で求められたものである。図4
で示す凝着現象が生じる場合では、検出信号及びコンパ
レータ信号の一連の流れは、図3で示す凝着現象がない
場合と同じであるが、タッチバックしても被測定物Oの
表面の吸着層Pの表面張力によって先端部1Aが被測定
物Oの表面から容易に離脱することができず、タッチバ
ック動作が開始されてからタッチトリガ信号がOFFと
なるとともにコンパレータ信号がLowとなるまでの先端
部1Aと被測定物Oとの相対変位が大きくなる点で相違
する。
【0024】つまり、図4において、被測定物Oがスタ
イラス1に向かって移動を開始し((a)参照)、被測
定物Oがスタイラス1の先端部1Aに接触し((b)参
照)、被測定物Oを先端部1Aに押し込み続けてタッチ
トリガ信号をONし((c)参照)、形状測定装置のコ
ントローラ22からステージ21へ座標読み取り指令A
と停止指令とを出力し、さらに、被測定物Oの移動停止
((d)参照)に伴って、座標読み取り指令Bとタッチ
バック動作指令とを出力する((e)参照)までは、図
3の理想状態と同じであるが、図4では、タッチバック
に際して凝着現象が生じるため、読み取り座標値Cが図
3の読み取り座標値Cとは異なり、タッチバック動作開
始指令を出力した後、被測定物Oが先端部1Aからタッ
チバックしてタッチトリガ信号OFFが出力される
((f)参照)までの変位量H2が図3の変位量H1と
異なり、さらに、タッチトリガ信号OFFが出力される
までの動作時間も異なる。これらの相違は、比較回路3
3で検出される。以上の検出信号及びコンパレータ信号
から実際に測定された接触判定信号が構成され、この接
触判定信号と図3で示される理想判定信号とを比較する
ことで、先端部1Aと被測定物Oとの間での凝着の有無
を判断する。
【0025】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態では、理想判定信号を凝着現象のない理
想的な状態で実験から求めておく。次に、測定のため、
タッチ信号プローブ10に対して被測定物Oを移動さ
せ、加振手段2で加振しているスタイラス1の先端部1
Aに被測定物Oを接触させる。すると、その接触を検出
手段3で検知し、検出手段3から検出回路31を通じて
検出信号が出力され、この検出信号に基づいて検出回路
31からコンパレータ信号として出力される。
【0026】その後、先端部1Aが被測定物Oから離隔
すると、検出信号及びコンパレータ信号からなる接触判
定信号の状態量が変化することになる。この接触判定信
号と予め実験で求められた理想判定信号とを比較回路3
3で比較することで、凝着現象の有無を判断する。この
判断した結果を出力回路34を介して出力し、必要に応
じて測定データを補正する。
【0027】従って、本実施形態では、スタイラス1の
振動状態の変化を基に先端部1Aと非測定物Oとの接触
を検出する検出手段3から出力される検出信号の振幅、
位相、周波数の少なくとも1つの状態量から接触判定信
号を求め、この接触判定信号と、各測定条件下での理想
判定信号とを比較して先端部1Aと被測定物Oとの間で
の凝着の有無を判断する構成としたので、凝着現象を測
定者の肉眼によることなく、あるいは、測定データから
推測することなく、精度良く検出することができる。そ
のため、測定の信頼性を向上させることができるととも
に、肉眼で判定する場合のように測定を中断させること
がないので、測定のスループットを向上させることがで
きる。
【0028】さらに、図4で示す接触判定信号と図3で
示す理想判定信号との比較を、接触判定信号により形状
測定装置で取得される座標値Cと、理想判定信号により
求められる座標値Cとを比較する構成とすれば、凝着現
象の有無によって座標値Cが確実に相違することから、
接触判定信号と理想判定信号との比較が容易に行えるこ
ととなり、異常測定を精度よく測定することができる。
【0029】また、図4で示す接触判定信号と、図3で
示す理想判定信号との比較を、同一測定条件下で得られ
た接触判定信号の動作時間と、理想判定信号の動作時間
とを比較する構成とすれば、凝着現象が生じる場合と凝
着現象が生じない場合とでは、所定座標に到達するまで
の作業時間が異なるため、接触判定信号と理想判定信号
との相違が明らかとなり、測定精度がより向上すること
になる。
【0030】さらに、図4で示す接触判定信号と図3で
示す理想判定信号との比較を、先端部1Aが被測定物O
から離隔する際に、測定動作指令信号と接触判定信号の
うち接触から非接触へ移行する信号とが発せられる間に
変位する先端部1Aの変位量H2と、測定動作指令信号
と理想判定信号のうち接触から非接触へ移行する信号と
が発せられる間に変位する先端部1Aの変位量H1とで
行う構成とすれば、変位量H1,H2が凝着現象の程度
に比例するものであり、実際の測定の場合の変位量H2
と、凝着現象のない理想的な場合の変位量H1とで比較
することで、凝着現象の有無を精度よく測定することが
できる。
【0031】また、理想判定信号を、先端部1Aと被測
定物Oとの間に凝着が発生していない理想状態で計測さ
れた信号としたので、この理想判定信号を実際の計測値
から容易に求めることができる。そのため、測定異常の
検出を安価、かつ、容易に行うことができる。
【0032】なお、本発明は前述の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲であれ
ば次に示す変形例も含むものである。例えば、前記実施
形態では、被測定物Oが静止状態のスタイラス1に対し
て移動する構成としたが、本発明では、図5に示される
通り、スタイラス1が静止状態の被測定物Oに対して移
動する構成としてもよく、あるいは、被測定物Oとスタ
イラス1との両者が移動する構成としもよい。
【0033】さらに、前記実施形態では、比較回路33
において凝着の有無の判断を行うとともに、出力回路3
4において測定データを補正する構成を説明したが、比
較回路33は理想判定信号との比較のみを行って、凝着
の有無の判断は出力回路34あるいはコントローラ22
で行ってもよい。また、測定データの補正はコントロー
ラ22で行ってもよい。さらに、検出回路31、信号処
理回路32はコントローラ22に含まれる構成としても
よい。
【0034】また、本発明では、理想判定信号は先端部
1Aと被測定物Oとの間に凝着が発生していない状態を
シュミレーションして幾何工学的に算出された信号とし
てもよい。この構成では、理想判定信号を、被測定物O
の材質、スタイラスの材質、先端部の材質、測定環境条
件、その他の条件からシュミレーションして求めること
で、理想判定信号の精度を高いものにできる。
【0035】また、本発明では、加振手段2及び検出手
段3は圧電素子から形成されたものに限定されるもので
はない。例えば、前記実施形態では加振手段として圧電
素子を使用したが、スタイラス1を確実に振動させるこ
とができれば他のアクチュエータを利用してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、検出手段
から検出される検出信号に基づいて求められた接触判定
信号と、予め求められた理想判定信号とを比較すること
で、凝着現象を測定者の肉眼によることなく、あるい
は、測定データから推測することなく、精度良く検出す
ることができる。そのため、測定の信頼性を向上させる
ことができるとともに、肉眼で判定する場合のように測
定を中断させることがないので、測定のスループットを
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るタッチ信号プローブ
の測定異常検出装置を示す概略構成図である。
【図2】(A)はタッチ信号プローブの先端部と被測定
物との間に凝着がない理想的な状態を示す概略構成図、
(B)はタッチ信号プローブの先端部と被測定物との間
に凝着がある実際の状態を示す概略構成図である。
【図3】(A)は凝着がない理想状態の先端部と被測定
物との関係を示す概略図、(B)は(A)に対応した検
出信号の出力状態を示すグラフ、(C)は(A)に対応
したコンパレータ信号の出力状態を示すグラフである。
【図4】(A)は凝着がある状態の先端部と被測定物と
の関係を示す概略図、(B)は(A)に対応した検出信
号の出力状態を示すグラフ、(C)は(A)に対応した
コンパレータ信号の出力状態を示すグラフである。
【図5】本発明の変形例を示す図1に対応した図であ
る。
【符号の説明】
1 スタイラス 1A 先端部 2 加振手段 3 検出手段 10 タッチ信号プローブ 20 測定装置 30 測定異常検出装置 31 検出回路 32 信号処理回路 33 比較回路 34 出力回路 0 被測定物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に被測定物と接触する先端部を有す
    るスタイラスと、このスタイラスを加振する加振手段
    と、前記先端部が被測定物と接触することにより生じる
    前記スタイラスの振動状態の変化を基に前記接触を検出
    する検出手段とを備え、かつ、測定装置に装着されるタ
    ッチ信号プローブの測定異常を検出する方法であって、 前記検出手段から出力される検出信号の振幅、位相、周
    波数の少なくとも1つの状態量から接触判定信号を求
    め、この接触判定信号と、各測定条件下での理想判定信
    号とを比較して前記先端部と前記被測定物との間での凝
    着の有無を判断することを特徴とするタッチ信号プロー
    ブの測定異常検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタッチ信号プローブの測
    定異常検出方法において、 前記接触判定信号と前記理想判定信号との比較を、前記
    接触判定信号により前記測定装置で取得される座標値
    と、前記理想判定信号により求められる座標値とを比較
    することで行うことを特徴とするタッチ信号プローブの
    測定異常検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のタッチ信号プローブの
    測定異常検出方法において、 前記接触判定信号と前記理想判定信号との比較を、同一
    測定条件下で得られた前記接触判定信号の動作時間と、
    前記理想判定信号の動作時間とを比較することで行うこ
    とを特徴とするタッチ信号プローブの測定異常検出方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載のタッ
    チ信号プローブの測定異常検出方法において、 前記理想判定信号は前記先端部と前記被測定物との間に
    凝着が発生していない状態で計測された信号であること
    を特徴とするタッチ信号プローブの測定異常検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれかに記載のタッ
    チ信号プローブの測定異常検出方法において、 前記理想判定信号は前記先端部と前記被測定物との間に
    凝着が発生していない状態をシュミレーションして幾何
    工学的に算出された信号であることを特徴とするタッチ
    信号プローブの測定異常検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のタッチ信号プローブの
    測定異常検出方法において、 前記接触判定信号と前記理想判定信号との比較を、前記
    先端部が前記被測定物から離隔する際に、前記測定装置
    の測定動作指令信号と前記接触判定信号のうち接触から
    非接触へ移行する信号とが発せられる間に変位する前記
    先端部の変位量と、前記測定装置の測定動作指令信号と
    前記理想判定信号のうち接触から非接触へ移行する信号
    とが発せられる間に変位する前記先端部の変位量とで行
    うことを特徴とするタッチ信号プローブの測定異常検出
    方法。
  7. 【請求項7】 先端に被測定物と接触する先端部を有す
    るスタイラスと、このスタイラスを加振する加振手段
    と、前記先端部が被測定物と接触することにより生じる
    前記スタイラスの振動状態の変化を基に前記接触を検出
    する検出手段とを備え、かつ、測定装置に装着されるタ
    ッチ信号プローブの測定異常を検出する装置であって、 前記検出手段から出力される検出信号の振幅、位相、周
    波数の少なくとも1つの状態量から接触判定信号を求め
    る検出回路と、この検出回路で求められた接触判定信号
    と、各測定条件下で予め求められた理想判定信号とを比
    較して前記先端部と前記被測定物との間での凝着の有無
    を判断する比較回路とを備えたことを特徴とするタッチ
    信号プローブの測定異常検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008164558A (ja) * 2007-01-04 2008-07-17 Olympus Corp 表面形状測定装置
JP2016142638A (ja) * 2015-02-03 2016-08-08 ローランドディー.ジー.株式会社 検出方法および検出装置
JP7530272B2 (ja) 2020-11-06 2024-08-07 株式会社ミツトヨ 形状測定装置および異常検出方法

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