JP2003128584A - 水性組成物 - Google Patents

水性組成物

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JP2003128584A
JP2003128584A JP2002236470A JP2002236470A JP2003128584A JP 2003128584 A JP2003128584 A JP 2003128584A JP 2002236470 A JP2002236470 A JP 2002236470A JP 2002236470 A JP2002236470 A JP 2002236470A JP 2003128584 A JP2003128584 A JP 2003128584A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソルビン酸またはその塩を含有する水性組成物
について、ソルビン酸類の分解を抑制して、該分解に起
因する臭いの発生や褐色化を防止する。 【解決手段】ソルビン酸またはその塩を含有する水性組
成物に、式(I): 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なっていても
よく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアルキ
ル基を示す)で表される化合物及びこれらの塩よりなる
群から選択されるいずれか少なくとも1つの化合物を配
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルビン酸または
その塩の分解が抑制され、長期保存安定性に優れた水性
組成物に関する。また本発明は、水性組成物のソルビン
酸またはその塩の分解を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】点眼剤やコンタクトレンズ用液剤等の水
性組成物の防腐剤としてソルビン酸またはその塩が知ら
れている。ソルビン酸またはその塩は、塩化ベンザルコ
ニウム等の他の防腐剤であるカチオン系防腐剤に比べて
安全性が高く、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品とい
った広範な組成物において有用な防腐剤である。しか
し、ソルビン酸またはその塩は、特に水溶液などの水性
組成物中で酸化し易く、分解して臭いを発生したり褐変
したりする問題がある。
【0003】そこで、このようなソルビン酸またはその
塩の水溶液中での分解を抑制する方法が種々検討されて
おり、例えば、モノテルペン類の添加によるソルビン酸
類の分解抑制方法(特開2001-39922号公報「ソルビン酸
類の分解抑制方法及び液剤組成物」)が提案されてい
る。
【0004】一方、キサンチン誘導体であるカフェイン
には、水性組成物における薬物の溶解性を改善する効果
(特開平10-279503号公報「アリールカルボン酸類の低
温での溶解性の向上」)、熱・光に対して不安定な薬物
を安定にする効果(特開平7-228532号公報「カフェイン
の配合によるアルギニンアミド類の光安定性の改善」)
があることが知られている。
【0005】しかし、キサンチン誘導体のソルビン酸ま
たはその塩に対する作用については全く知られてはいな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ソル
ビン酸またはその塩の水性組成物中における分解を抑制
する方法を提供することである。さらに本発明は、かか
る方法を利用して、ソルビン酸類の分解を抑制すること
によって、長期保存安定性に優れた水性組成物を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を行った結果、ソルビン酸また
はその塩にキサンチン誘導体を配合することで、水性組
成物中におけるソルビン酸またはその塩の分解が有意に
抑制されることを見出し、これによって、ソルビン酸ま
たはその塩を含有する水性組成物について、保存によっ
て生じる悪臭の発生や褐変化といった問題が解消できる
ことを見出した。本発明はかかる知見に基づいて、開発
されたものである。
【0008】すなわち、本発明は下記(1)〜(4)に
掲げる、ソルビン酸またはその塩の分解が抑制されてな
る、水性外用組成物である: (1) 式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異
なっていてもよく、それぞれ、水素原子又は置換されて
もよいアルキル基を示す)で表される化合物及びこれら
の塩よりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つ
の化合物とソルビン酸またはその塩を含有することを特
徴とする水性外用組成物。 (2) 上記化合物(I)が、カフェイン、ペントキシ
フィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、テオブロミ
ンまたはプロキシフィリンである(1)に記載の水性外
用組成物。 (3) ソルビン酸またはその塩1重量部に対して、化
合物(I)またはその塩を1〜1000重量部の割合で
含有している、(1)または(2)に記載の水性外用組
成物。 (4) 粘膜に適用されるものである(1)乃至(3)
のいずれかに記載の水性外用組成物。
【0011】さらに本発明は、下記に掲げる水性組成物
に含まれるソルビン酸類の分解抑制方法である: (5) ソルビン酸またはその塩を含有する水性組成物
に、式(I)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1、R2及びR3は、同一又は異
なっていてもよく、それぞれ、水素原子又は置換されて
もよいアルキル基を示す)で表される化合物及びこれら
の塩よりなる群から選択されるいずれか少なくとも1つ
の化合物を配合することによって、ソルビン酸またはそ
の塩の分解を抑制する方法。
【0014】なお、本明細書において、特に言及しない
かぎり、%はW/V%を意味するものとする。また、本
明細書においてコンタクトレンズとは、ソフト、ハー
ド、酸素透過性コンタクトレンズなどの別を問わず、あ
らゆるタイプのコンタクトレンズを包含する意味で用い
られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の水性組成物は、ソルビン
酸またはその塩に加えて、下式(I):
【0016】
【化5】
【0017】で示される化合物またはその塩が配合され
てなることを特徴とするものである。
【0018】なお、本発明においてソルビン酸の塩とし
ては、眼科用組成物などの防腐剤として使用されるソル
ビン酸カリウムやソルビン酸ナトリウムなどのアルカリ
金属塩を好適に例示することができる。
【0019】式(I)で表される化合物において、
1、R2及びR3は、水素原子又は置換されてもよいア
ルキル基であり、これらは互いに同一の基であっても、
異なる基であってもよい。
【0020】ここでR1〜R3で示されるアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、またはt−ブチル基など
の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4を有する低級
アルキル基を例示することができる。好ましいアルキル
基には、メチル基およびエチル基が含まれる。
【0021】これらのアルキル基は、置換基を有してい
てもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原
子(例えば、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子な
ど);ヒドロキシル基;アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシまたはブトキシ基等の炭素数1〜4の低級
アルコキシ基など);アリールオキシ基;カルボキシル
基;アルコキシ−カルボニル基(例えば、炭素数1〜4
の低級アルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基な
ど)、アリールオキシカルボニル基;アシル基(例え
ば、ホルミル、アセチル、プロピオニル基などの炭素数
1〜4の低級アルキル基を有するカルボニル基、ベンゾ
イル基などのアリール基を有するカルボニル基など);
ニトロ基;アミノ基;N−置換アミノ基(例えばモノ又
はジC1-4アルキルアミノ基など)、またはシアノ基な
どを挙げることができる。
【0022】式(I)で表される具体的な化合物として
は、例えば、カフェイン、テオフィリン、オクストリフ
ィリン、ダイフィリン、ジイソブチルアミノベンゾイル
オキシプロピルテオフィリン、テオブロミン、ジプロフ
ィリン、プロキシフィリン、またはペントキシフィリン
などのキサンチン誘導体を挙げることができる。好まし
くは、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンなどの
メチルキサンチン誘導体;ジプロフィリン、プロキシフ
ィリン、ペントキシフィリンなどであり、特にカフェイ
ンが好ましい。なお、カフェインには無水カフェインも
含まれる。
【0023】化合物(I)は、塩の形態、好ましくは薬
理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される塩の形態
で使用することができる。ここで薬理学的又は生理学的
に許容できる塩としては、例えば、有機酸塩(例えば、
乳酸塩、酢酸塩、酪酸、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸
塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸
塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホ
ン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸、ステアリン酸な
ど)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭
化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例え
ば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ
酸、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩な
ど)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩;ナト
リウムまたはカリウムなどのアルカリ金属;カルシウム
またはマグネシウムなどのアルカリ土類金属;アルミニ
ウムなどの金属との塩など)などが例示できる。
【0024】これらの化合物(I)またはその塩(以
下、これらを総称して「キサンチン類」ということもあ
る。)は、ソルビン酸またはその塩を含有する水性組成
物に配合するにあたって、1種単独で用いても、また任
意に2種以上を組み合わせて使用することもできる。ま
た、化合物(I)は、他の化合物との混合物の形態で使
用することもできる。かかる混合物の例としては、例え
ば、カフェインと安息香酸ナトリウムとの混合物である
安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェインとクエン酸
との混合物であるクエン酸カフェイン、テオフィリンと
エチレンジアミンとの混合物であるアミノフィリン、テ
オフィリンとアミノイソブタノールとの混合物であるブ
フィリン、テオブロミンとサリチル酸塩との混合物であ
るサリチル酸カルシウムテオブロミンやサリチル酸ナト
リウムテオブロミン、テオブロミンと酢酸ナトリウムの
混合物である酢酸ナトリウムテオブロミンなどが挙げら
れる。
【0025】ソルビン酸またはその塩を含有する水性組
成物中に用いられるこれらキサンチン類の配合割合は、
具体的には使用するキサンチン類の種類によって異なり
一概には規定できないが、通常、水性組成物中に含まれ
るソルビン酸またはその塩の総量1重量部に対して、キ
サンチン類の配合割合が0.1〜1000重量部の範囲
となるように、キサンチン類の種類に応じて適宜選択調
整することができる。好ましくは1〜1000重量部、
より好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは1
〜50重量部の割合である。
【0026】本発明の水性組成物中に配合されるソルビ
ン酸またはその塩、並びにキサンチン類の割合は、上記
の割合を充足することを限度として特に制限されない
が、具体的には水性組成物の用途に応じて、医薬品、医
薬部外品、香粧品または食品などに関する各種分野の法
規制に従って定めることができる。
【0027】例えば、本発明の水性組成物を医薬組成物
として用いる場合には、ソルビン酸またはその塩の濃度
としては通常0.00005〜10%程度、好ましくは
0.0001〜10%程度、より好ましくは、0.00
05〜5%程度、さらに好ましくは0.001〜5%程
度となる範囲を挙げることができ、また、キサンチン類
の濃度としては通常0.0001〜10%程度、好まし
くは0.001〜10%程度、より好ましくは0.01
〜5%程度、さらに好ましくは0.01〜3%程度、特
に好ましくは0.1〜3%程度となる範囲を挙げること
ができる。
【0028】なお、参考までに、医薬品の場合、ソルビ
ン酸またはその塩は、一日適用量が、全身適用される場
合1〜10mg程度、局所適用される場合1〜1000
mg程度;キサンチン類は、一日適用量が、全身適用さ
れる場合10〜500mg程度、局所適用される場合
0.001〜50mg程度の範囲となるように、これを
基準として製剤設計することが好ましい。
【0029】本発明は、水性組成物中でのソルビン酸ま
たはその塩の分解が、上記キサンチン類との併用によっ
て抑制できることを作用とするものである。従って、本
発明の水性組成物はこの作用を利用するものであれば、
その形態並びにその使用用途は特に制限されず、医薬品
用途、医薬部外品用途、香粧品用途、食品用途などの種
々の用途において、各種形態の水性組成物として使用す
ることができる。
【0030】なお、本発明の水性組成物は、本発明の効
果を妨げない限り、上記の成分に加えて、各種用途に応
じて、種々の活性成分または薬効成分(薬理活性成分や
生理活性成分を含む)を組み合わせて含有していてもよ
い。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、
充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興奮薬成分)、
抗炎症薬成分、抗ヒスタミン薬または抗アレルギー薬成
分、収斂薬成分、抗菌薬または殺菌薬成分、ビタミン
類、アミノ酸類、糖類、局所麻酔薬成分、ステロイド成
分、α−アドレナリン作動薬成分、眼筋調節薬成分など
が例示できる。制限されないが、かかる成分の具体例と
しては次のような成分が例示できる。
【0031】充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興
奮薬成分):エピネフリン、エフェドリン、テトラヒド
ロゾリン、ナファゾリン、フェニレフリン、メチルエフ
ェドリンまたはこれらの薬理学的に許容される塩など。
【0032】抗炎症薬成分:セレコキシブ(celecoxi
b)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、インドメタシン、
ジクロフェナク、プラノプロフェン、ピロキシカム、メ
ロキシカム(meloxicam)、イプシロン−アミノカプロ
ン酸、ベルベリン、グリチルリチン酸、リゾチーム、サ
リチル酸メチル、アラントイン、またはこれらの薬理学
的に許容される塩(例えば、塩化ベルベリン、硫酸ベル
ベリン、ジクロフェナクナトリウム、グリチルリチン酸
ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、塩化リゾ
チームなど)など。
【0033】抗ヒスタミン薬又は抗アレルギー薬成分
クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプ
チン、ケトチフェン、エメダスチン、クレマスチン、ア
ゼラスチン、レボカバスチン、オロパタジン、クロモグ
リク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、メキタジ
ン、ロラタジン(loratadine)、フェキソフェナジン
(fexofenadine)、セチリジン(cetirizine)、イブジ
ラスト、スプラタスト、ペミロラスト、またはこれらの
薬理学的に許容される塩(例えば、マレイン酸クロルフ
ェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプ
チン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、
フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカ
バスチン、塩酸オロパタジン、クロモグリク酸ナトリウ
ムなど)など。
【0034】収斂薬成分:亜鉛及びその塩(例えば、硫
酸亜鉛、乳酸亜鉛)など。
【0035】抗菌薬又は殺菌薬成分:スルホンアミド類
〔例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾ
ール、スルフイソミジン及びそれらの薬理学的に許容さ
れる塩(スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイ
ソミジンナトリウムなど)〕、アクリノール、第4級ア
ンモニウム化合物(例えば、ベンザルコニウム、ベンゼ
トニウム、セチルピリジニウム)及びその薬理学的に許
容される塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム
など)、アルキルポリアミノエチルグリシン、ニューキ
ノロン剤(ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプ
ロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、
塩酸シプロフロキサシンなど)、ビグアニド類(ポリヘ
キサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン又はそれら
の塩など)、ベルベリン又はその塩、塩化ポリドロニウ
ム、Glokill(商品名、ローディア社製)、ポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチ
レン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニ
オ)エトレンジクロリド]、パラベン類(安息香酸メチ
ル、アミノ安息香酸エチルなど)など。
【0036】ビタミン類:ビタミンA類[例えば、レチ
ナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒド
ロレチナール、リコピン及びそれらの薬理学的に許容さ
れる塩類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチ
ノールなど)など]、ビタミンB類[例えば、チアミ
ン、チアミンジスルフィド、ジセチアミン、オクトチア
ミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチア
ミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、フルスル
チアミン、リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオ
チド、ピリドキシン、ピリドキサール、ヒドロキソコバ
ラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン、デオキ
シアデノコバラミン、葉酸、テトラヒドロ葉酸、ジヒド
ロ葉酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチニック
アルコール、パントテン酸、パンテノール、ビオチン、
コリン、イノシトール及びそれらの薬理学的に許容され
るこれらの塩類(例えば、塩酸チアミン、硝酸チアミ
ン、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、酪酸リ
ボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウ
ム、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、リン酸
ピリドキサールカルシウム、塩酸ヒドロキソコバラミ
ン、酢酸ヒドロキソコバラミン、パントテン酸カルシウ
ム、パントテン酸ナトリウムなど)など]、ビタミンC
類[アスコルビン酸及びその誘導体、エリソルビン酸及
びその誘導体及びそれらの薬理学的に許容される塩類
(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸
ナトリウムなど)など]、ビタミンD類[例えば、エル
ゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ヒドロキ
シコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェ
ロール、ジヒドロタキステロール及びそれらの薬理学的
に許容される塩類など]など]、ビタミンE類[例え
ば、トコフェロール及びその誘導体、ユビキノン誘導体
及びそれらの薬理学的に許容される塩類(酢酸トコフェ
ロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェ
ロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)な
ど]、その他のビタミン類[例えば、カルニチン、フェ
ルラ酸、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリ
オシトリン、ヘスペリジン及びそれらの薬理学的に許容
される塩類(塩化カルニチンなど)など]など。
【0037】アミノ酸類:例えば、ロイシン、イソイロ
イシン、バリン、メチオニン、トレオニン、アラニン、
フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシ
ン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミ
ン、グルタミン酸、プロリン、チロシン、システイン、
ヒスチジン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロ
キシリジン、グリシルグリシン、アミノエチルスルホン
酸(タウリン)またはこれらの薬理学的に許容される塩
類(例えばアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マ
グネシウム、塩酸システインなど)など。
【0038】糖類:単糖類(例えば、グルコースな
ど)、二糖類(例えば、トレハロース、ラクトース、フ
ルクトースなど)、オリゴ糖類(例えば、ラクツロー
ス、ラフィノース、プルランなど)、セルロース又はそ
の誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
エチルセルロースなど)又はそれらの塩、高分子糖類
(例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸)および
その薬理学的に許容される塩類(例えば、コンドロイチ
ン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなど))、
糖アルコール類(例えば、マンニトール、キシリトー
ル、ソルビトールなど)など。
【0039】局所麻酔薬成分:リドカイン、オキシプロ
カイン、ジプブカイン、プロカイン、アミノ安息香酸エ
チル、メプリルカイン、及びそれらの塩(塩酸リドカイ
ン、塩酸オキシブプロカインなど)など。
【0040】ステロイド成分:ヒドロコルチゾン、プレ
ドニゾロン、及びそれらの塩など。
【0041】α−アドレナリン作動薬成分:イミダゾリ
ン誘導体(ナファゾリン、テトラヒドロゾリンなど)、
β−フェニルエチルアミン誘導体(フェニレフリン、エ
ピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリンな
ど)、及びこれらの薬学上又は生理的に許容される塩
(例えば、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸
テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フ
ェニレフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、
塩酸メチルエフェドリンなどの無機酸塩;酒石酸水素エ
ピネフリンなどの有機酸塩など)など。
【0042】眼筋調節薬成分:アセチルコリンと類似し
た活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、例え
ば、メチル硫酸ネオスチグミンなどの第4級アンモニウ
ム化合物及びそれらの塩など。
【0043】その他の成分:ポリビニルアルコール(完
全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドンなど。
【0044】水性組成物中に配合することのできるこれ
らの成分の割合は、水性組成物の用途、配合する活性成
分の種類などに応じて選択できる。特定はできないが、
具体的には、水性組成物全体に対して、これらの成分が
各々通常0.0001〜30%程度、好ましくは0.0
01〜10%程度となる範囲から適宜選択できる。より
具体的には,本発明の水性組成物に配合できる各成分の
配合割合としては好適には下記の割合を例示することが
できる。
【0045】充血除去成分(血管収縮薬又は交感神経興
奮薬):例えば、0.0001〜0.5%、好ましく
は、0.0005〜0.3%、さらに好ましくは0.0
01〜0.1%抗炎症薬成分又は収斂薬成分 :例えば、0.0001〜
10%、好ましくは0.0001〜5%抗ヒスタミン薬または抗アレルギー薬成分 :例えば、
0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%抗菌薬または殺菌薬成分 :例えば、0.001〜10
%、好ましくは、0.01〜10%ビタミン類 :例えば、0.0001〜1%、好ましく
は、0.0001〜0.5%アミノ酸類 :例えば、0.0001〜10%、好ましく
は0.001〜3%収斂成分 :例えば、0.001〜5%、好ましくは0.
005〜2.5%α−アドレナリン作動薬成分 :例えば、0.00001
〜1%、好ましくは0.0001〜0.1%糖類(単糖類、二糖類、オリゴ糖類、又は糖アルコール
類) :例えば、0.0001〜5%、好ましくは0.0
01〜5%、さらに好ましくは0.01〜2%高分子糖類又はその塩 :例えば、0.0001〜2%、
好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.01
〜1%セルロース又はその誘導体又はそれらの塩 :例えば、
0.001〜5%、好ましくは0.01〜1%眼筋調節薬成分 :例えば、0.0001〜0.5%、好
ましくは0.001〜0.1%ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール :例え
ば、0.001〜10%、好ましくは0.001〜5
%、さらに好ましくは0.01〜3%。
【0046】また、本発明の水性組成物は、本発明の効
果を損なわない範囲で、必要に応じて、またその用途や
形態に応じて、常法に従って、更に様々な成分や添加剤
を任意に選択、併用することが可能である。例えば、液
剤の調製に一般に使用される担体(水や水性溶媒)、水
性または油性基剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、等
張化剤、緩衝剤、増粘剤、pH調製剤、キレート剤また
は無機塩類などや、防腐剤、抗酸化剤、甘味剤、酸味
剤、着色剤、香料または清涼化剤などの各種の添加剤を
挙げることができる。中でも、溶解補助剤は、本発明の
水性組成物中のキサンチン類の溶解性を改善し、安定な
水性組成物とすることができる点で好適な配合成分であ
る。このような溶解補助剤としては、例えば、安息香
酸、クエン酸、アミノイソブタノール、タウリンまたは
それらの塩、各種界面活性剤、プロピレングリコールな
どの多価アルコールなどが挙げられる。
【0047】本発明の水性組成物は、該組成物中でソル
ビン酸またはその塩の分解が抑制され、その結果、保存
によって生じ得る臭いの発生や褐変の発生を防止できる
点で有用な組成物である。従って、ソルビン酸またはそ
の塩を防腐目的またはその他の目的で配合する、例えば
医薬品、医薬部外品、香粧品、食品、または日用品(雑
貨)等の各種の分野における各種形態の水性組成物(例
えば、液状、ローション状、クリーム状、軟膏状、ゲル
状、懸濁状、エマルジョン状、乳化物状、エキス、エア
ゾール、スプレーなど)に対して広く適用することがで
きる。
【0048】本発明の水性組成物によれば、キサンチン
類を配合することによって、さらにソルビン酸またはそ
の塩が有する刺激性を緩和することもできる。従って、
本発明の水性組成物は外用組成物、特に刺激性が問題と
なり得る、口唇または粘膜(角膜及び結膜などの眼粘
膜、口腔粘膜、鼻腔粘膜、咽頭部粘膜など)に適用され
る組成物として好適に使用できる。なお、ここで粘膜適
用組成物には、直接粘膜に適用される、例えば眼科用組
成物(点眼薬(コンタクトレンズ(CL)装用中にも使
用できる点眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、洗
眼薬(コンタクトレンズ(CL)装用中にも使用できる
CL用洗眼薬を含む))、耳鼻科用組成物(点鼻薬、点
耳薬、鼻洗浄液など)、口腔用組成物(口腔咽頭薬、含
嗽薬など)のほか、粘膜への直接的な投与形態ではない
ものの、使用形態によって粘膜に投与または接触する、
例えばコンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、殺菌
液、マルチパーパスソリューションなど)、または化粧
料(アイライナー、リップクリームなど)などが含まれ
る。
【0049】以下に、本発明の水性組成物に配合できる
代表的な成分を例示するが、これらの成分になんら限定
されるものではない。
【0050】増粘剤:例えば、多糖類又はその誘導体
(アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、キャロ
ブガム、グアーガム、グアヤク脂、クインスシード、ダ
ルマンガム、トラガント、ベンゾインゴム、ローカスト
ビーンガム、カゼイン、寒天、アルギン酸、デキストリ
ン、デキストラン、カラギーナン、ゼラチン、コラーゲ
ン、ペクチン、デンプン、ポリガラクツロン酸、キチン
及びその誘導体、キトサン及びそれらの誘導体、エラス
チン、ヘパリン、ヘパリノイド、ヘパリン硫酸、ヘパラ
ン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など)、セ
ラミド、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチル
セルロース、セルロースなど)、ポリビニルアルコール
(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、
マクロゴール、ポリビニルメタアクリレート、ポリアク
リル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミ
ン、リボ核酸、デオキシリボ核酸など、及びそれらの薬
理学的に許容される塩類などが挙げられる。これらは1
種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて
使用することもできる。
【0051】界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン
(POE)−ポリオキシプロピレン(POP)ブロック
コポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー
235、ポロクサマー188 など) 、モノラウリン酸POE
(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノオレイン酸
POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80)などのPO
Eソルビタン脂肪酸エステル類、POE(60)硬化ヒマシ
油などのPOE硬化ヒマシ油、POE(9)ラウリルエー
テルなどのPOEアルキルエーテル類、POE(20)PO
P(4)セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエ
ーテル類、POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのP
OEアルキルフェニルエーテル類などの非イオン性界面
活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシ
ン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸
ベタイン型、イミダゾリン型などの両性界面活性剤;P
OE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのPO
Eアルキルエーテルリン酸及びその塩、ラウロイルメチ
ルアラニンナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩、ア
ルキルエーテルカルボン酸塩、N−ココイルメチルタウ
リンナトリウムなどのN−アシルタウリン塩、テトラデ
センスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、ラウリ
ル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、POE(3)ラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのPOEアルキルエ
ーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などの陰イ
オン界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル4級アン
モニウム塩(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウ
ムなど)、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジ
ニウム、臭化セチルピリジニウムなど)などの陽イオン
界面活性剤などが挙げられる(なお、括弧内の数字は付
加モル数を示す。)。これらは1種単独で使用してもま
た2種以上を任意に組み合わせて使用することもでき
る。
【0052】防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、パラ
オキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、
パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピ
ル、パラオキシ安息香酸ブチルなど)、アクリノール、
塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピ
リジニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビ
グアニド、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール、クロロブタノー
ル、イソプロパノール、エタノール、フェノキシエタノ
ール、イオウ、リン酸ジルコニウムの銀、亜鉛、酸化亜
鉛などの担持体、銀亜鉛アルミノケイ酸塩、マーキュロ
クロム、チメロサール、ポビドンヨード、デヒドロ酢
酸、クロルキシレノール、クレゾール、クロロフェン、
フェノール、レゾルシン、オルトフェニルフェノール、
イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヒノキチオ
ール、スルファミン、リゾチーム、ラクトフェリン、ト
リクロサン、8−ヒドロキシキノリン、ウンデシレン
酸、カプリル酸、プロピオン酸、安息香酸、プロピオン
酸、ハロカルバン、チアベンダゾール、ポリミキシン
B、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
ポリリジン、過酸化水素、塩化ポリドロニウム、Glokil
l(商品名、ローディア社製、例えばGlokill PQな
ど)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−
(ジメチルイミニオ)エチレンジクロリド]など、及び
それらの薬理学的に許容される塩類などが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組
み合わせて使用することもできる。
【0053】pH調整剤:例えば、無機酸(塩酸、硫
酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳
酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シ
ュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、
アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタ
ミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラク
トン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有
機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、リジンなど)、ホウ砂、及びそれらの薬理学的
に許容される塩類などが挙げられる。これらは1種単独
で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用す
ることもできる。
【0054】等張化剤:例えば、グリセリン、プロピレ
ングリコールなどの多価アルコール、糖類(ブトウ糖,
マンニトール,ソルビトールなど)などが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組
み合わせて使用することもできる。
【0055】キレート剤:例えば、エデト酸(エチレン
ジアミン四酢酸,EDTA)、エチレンジアミン二酢酸
(EDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTP
A)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン
三酢酸(HEDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)
イミノ二酢酸(HIDA)、クエン酸、酒石酸、リン酸
類(ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸)、コ
ハク酸、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ニトリロ
トリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン
酸などが例示できる。これらのキレート剤又はその塩
は、1種又は2種以上配合できる。キレート剤は薬理学
的に又は生理学的に許容される塩として使用してもよ
い。好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四
酢酸、クエン酸およびこれらの塩(エチレンジアミン四
酢酸ニナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウ
ム・二水和物 [以下、「エデト酸ナトリウム」ともい
う。]など)である。
【0056】無機塩類:例えば、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化
カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられ
る。これらは1種単独で使用してもまた2種以上を任意
に組み合わせて使用することもできる。
【0057】香料又は清涼化剤:例えば、メントール、
カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、ユーカリ油、
ベルガモット油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、
ローズ油、ペパーミント油などが挙げられる。これらは
1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせ
て使用することもできる。
【0058】本発明の水性組成物は、必要に応じて、ま
たその形態・用途や投与方法などに応じて、生体に許容
される範囲内のpH及び/又は浸透圧を備えるように調
節することができる。
【0059】pHは、内服用ドリンクの場合、通常pH
3〜8の酸性〜中性域である。外皮用組成物の場合、通
常、pH2〜10の範囲、皮膚に対する低刺激性、及び
皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3〜
9、より好ましくはpH5〜8の弱酸性〜中性域であ
る。点眼薬や洗眼薬などの粘膜適用組成物の場合、通
常、pH5〜9、好ましくはpH5.5〜8.5、特に好
ましくはpH6〜8.5の領域である。
【0060】浸透圧は、例えば点眼薬や洗眼薬などの粘
膜適用組成物の場合、100〜1200mOsm、好ま
しくは100〜600mOsm、特に好ましくは150
〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸透
圧比が、0.3〜4.1の範囲、好ましくは0.3〜
2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度であること
が望ましい。なお、pHや浸透圧の調節は、緩衝剤、p
H調整剤、等張化剤、塩類などを用いて行うことができ
る。
【0061】ここで緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リ
ン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤
などが挙げられる。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、
リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。
特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤またはリン酸緩衝
剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、またはホウ
酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホ
ウ酸塩、或いはホウ酸とホウ酸塩との組み合わせが挙げ
られる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、またはリン酸
アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン
酸塩、或いはリン酸とリン酸塩との組み合わせが挙げら
れる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホ
ウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体
的には、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラ
ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウムなど)、リン酸又
はその塩(リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、リン酸二水素カリウムなど)、炭酸又はその塩
(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、クエン
酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム
など)が挙げられる。これらは1種単独で使用してもま
た2種以上を任意に組み合わせて使用することもでき
る。緩衝剤として、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用
いる場合、本発明の水性組成物中におけるこれらの緩衝
剤の濃度は、例えば、0.0001〜10.0%程度で
ある。
【0062】本発明の水性組成物は、前述する必須成分
と、必要に応じて上述する任意成分を適宜配合して、常
法に従って所望の形態に調製することができる。
【0063】また、本発明は、ソルビン酸またはその塩
を含有する水性組成物に関して、そのソルビン酸または
その塩の分解を抑制する方法である。かかる方法は、ソ
ルビン酸またはその塩を含有する水性組成物に、前述す
るキサンチン類を配合することによって達成することが
できる。なお、配合するキサンチン類の種類、配合割
合、及び配合方法などは、本発明の水性組成物に関する
前述の記載に従って行うことができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の水性組成物は、キサンチン類を
配合することによって、水性組成物中に含まれるソルビ
ン酸またはその塩の分解が有意に抑制できるという効果
を有する。このため、ソルビン酸またはその塩を含有す
る水性組成物に関して、特に保存時において問題となる
臭いの発生や水性組成物の褐色化といった問題が解消で
き、保存安定性に優れた水性組成物を提供することがで
きる。また、本発明の水性組成物は、キサンチン類を配
合することによって、水性組成物中に含まれるソルビン
酸またはその塩の刺激性が緩和されるという効果を有す
る。従って、本発明の水性組成物は、外皮、特に粘膜に
適用しても刺激がないので、点眼薬(CL装用中に使用
できる点眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、洗眼
薬(CL装用中に使用できるCL用洗眼薬を含む)、ま
たはコンタクトレンズ用剤(洗浄液、保存液、殺菌液、
マルチパーパスソリューションなど)などの眼科用組成
物;点耳薬や鼻洗浄液などの耳鼻科用組成物;口腔咽頭
薬や含嗽薬などの口腔用組成物として、好適に使用する
ことができる。
【0065】さらに、本発明のソルビン酸類の分解抑制
方法によれば、医薬品、医薬部外品、香粧品、食品など
の防腐剤として安全性にすぐれたソルビン酸類の水性組
成物における分解やその組成物の褐変化を抑制すること
ができるので、これらの各種用途に使用される各種形態
の水性組成物の調製に有用である。
【0066】
【実施例】以下に、実施例及び試験例に基づいて本発明
を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によっ
て限定されるものではない。
【0067】実施例1−7(点眼剤、洗眼剤、点鼻剤) 下記処方に従って、常法により調製して、濾過滅菌処理
し、容器に無菌充填して、点眼剤、洗眼剤及び点鼻剤を
製造した。
【0068】 実施例1(点眼薬) コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.50 g ホウ酸 0.13 g ホウ砂 0.75 g 無水カフェイン 0.50 g ソルビン酸カリウム 0.10 g 塩化ナトリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.4、浸透圧比1.0の澄明な点眼薬を得た。
【0069】 実施例2(点眼薬) アラントイン 0.30 g 無水カフェイン 1.00 g ソルビン酸カリウム 0.10 g 塩化ナトリウム 0.82 g 塩化カリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.5、浸透圧比1.0の澄明な点眼薬を得た。
【0070】 実施例3(点眼薬) メチル硫酸ネオスチグミン 0.005g ホウ酸 0.13 g ホウ砂 0.75 g 無水カフェイン 0.50 g ソルビン酸カリウム 0.10 g 塩化ナトリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.9、浸透圧比1.0の澄明な点眼薬を得た。
【0071】 実施例4(点眼薬) マレイン酸クロルフェニラミン 0.030 g イプシロン-アミノカプロン酸 1.000 g 無水カフェイン 0.010 g ホウ酸 1.300 g ホウ砂 0.750 g ソルビン酸カリウム 0.100 g 塩化ナトリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.9、浸透圧比1.1の澄明な点眼薬を得た。
【0072】 実施例5(点眼薬) 塩酸テトラヒドロゾリン 0.050g マレイン酸クロルフェニラミン 0.015g リン酸二水素ナトリウム 1.800g 塩化ナトリウム 0.500g 無水カフェイン 0.500g ソルビン酸カリウム 0.100g グルコン酸クロルヘキシジン 0.005g ポリソルベート80 0.500g 塩化カリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.4、浸透圧比1.0の澄明な点眼薬を得た。
【0073】 実施例6(洗眼薬) グリチルリチン酸二カリウム 0.0250g マレイン酸クロルフェニラミン 0.0015g ホウ酸 1.3000g ホウ砂 0.7500g アミノフィリン 0.1000g ソルビン酸カリウム 0.1000g グルコン酸クロルヘキシジン 0.0050g ポリソルベート80 0.2000g 塩化ナトリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH7.7、浸透圧比1.0の澄明な洗眼薬を得た。
【0074】 実施例7(点鼻薬) トラニラスト 0.50g マレイン酸クロルフェニラミン 0.25g ホウ酸 1.30g ホウ砂 0.75g 無水カフェイン 2.00g ソルビン酸カリウム 0.05g 塩化ベンザルコニウム 0.01g ポリソルベート80 0.20g 塩化ナトリウム 適量 1N 塩酸溶液 適量(pH調整) 1N 水酸化ナトリウム溶液 適量(pH調整) 精製水 適量 100mL pH6.5、浸透圧比1.3の澄明な点鼻薬を得た。
【0075】実施例8−19(点眼薬、洗眼薬) 表1〜3に示す処方に従って、常法により調製して、濾
過滅菌処理し、容器に無菌充填して、点眼剤、洗眼剤を
製造した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】試験例1 カフェインによるソルビン酸カ
リウムの分解抑制 表4に示す処方に従って各成分を配合して、実施例20
〜25及び比較例1〜5の試験液(全量100mL)を
調製した。なお、実施例20〜22及び比較例1〜3の
試験液はpH5に、実施例23〜25及び比較例4〜5
の試験液はpH8に調整した。各試験液について70℃で
2週間保存した後、試験液の外観を420nmにおける吸光
度の測定と目視検査を行うことによって評価した。な
お、目視検査は下記評価基準に基づいて評価した。ま
た、各試験液について、臭気の発生の有無を下記の評価
基準に基づいて調べた。結果を表4に併せて示す。
【0080】<目視検査の評価基準> ◎:無色澄明 ○:微黄色澄明 △:淡黄色澄明 ×:黄褐色澄明 <臭気発生の評価基準> ◎:全く臭わない ○:殆ど臭わない △:やや臭う ×:臭う
【0081】
【表4】
【0082】試験の結果、ソルビン酸カリウムの配合に
よって生じる水溶液の褐変化及び臭気の発生(比較例1
及び4)が、カフェインを配合することにより有意に解
消された(実施例20〜25)。すなわち、カフェイン
を併用することによって、酸性領域から弱塩基性領域に
おける水溶液中でのソルビン酸カリウムの分解が有意に
抑制できることが確認された。このことから、カフェイ
ンなどのキサンチン類の使用によって、水性組成物中に
含まれるソルビン酸類を広範なpH域において分解抑制
できること、広範なpH域の水性組成物中でソルビン酸
カリウムを長期安定的に保持することができることが示
唆される。
【0083】試験例2 カフェインによるソルビン酸カ
リウムの眼刺激の抑制 表5に示す処方に従って各成分を配合して、実施例26
〜27及び比較例6の試験液(全量100mL)を調製
し、これをろ過滅菌後、滅菌処理済み点眼容器に充填
し、点眼薬とした。これらの各種の点眼薬を被験者に使
用してもらって、点眼後の使用感について評価した。具
体的には、健常な被験者4名に対して、先ず比較例6を
点眼し、その使用感について評価してもらった後に、そ
の30分後に実施例26、更に30分後に実施例27の
試験液を点眼し、比較例6の点眼薬の刺激感に対する緩
和効果について評価してもらった。なお、評価は下記の
評価基準に基づいて行った。結果を表5に併記する。 <評価基準> ◎:不快な刺激が大いに緩和された ○:不快な刺激は緩和された ×:不快な刺激を強く感じる。
【0084】
【表5】
【0085】表5に示すように、試験の結果、酸性領域
(pH6)のソルビン酸カリウム含有点眼薬(比較例6)
の点眼によって生じた不快な刺激感が、ソルビン酸カリ
ウムにカフェインを配合した点眼薬を点眼することによ
り緩和されることが確認された。このことから、酸性領
域においてソルビン酸カリウムにカフェインを配合する
ことによって、ソルビン酸カリウムに起因して生じる不
快な刺激感が緩和されることがわかった。
【0086】また、試験の結果は示さないが、中性(pH
7)〜弱塩基性(pH8.5)のソルビン酸類含有水性組成物
には刺激性がないことから、ソルビン酸類含有水性組成
物の刺激性は酸性領域における特有の問題である。上述
するように、ソルビン酸類含有水性組成物にカフェイン
を配合することによって、かかる酸性領域特有の刺激性
の問題も解消することができる。よって、本発明のソル
ビン酸類とカフェイン等のキサンチン類とを組み合わせ
て含有する水性組成物は、酸性〜塩基性までの広範なp
H領域に適用できる有用な組成物である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なっていても
    よく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアルキ
    ル基を示す)で表される化合物及びこれらの塩よりなる
    群から選択されるいずれか少なくとも1つの化合物とソ
    ルビン酸またはその塩を含有することを特徴とする水性
    外用組成物。
  2. 【請求項2】 上記化合物(I)が、カフェイン、ペン
    トキシフィリン、テオフィリン、ジプロフィリン、テオ
    ブロミンまたはプロキシフィリンである請求項1に記載
    の水性外用組成物。
  3. 【請求項3】 ソルビン酸またはその塩1重量部に対し
    て、化合物(I)またはその塩を1〜1000重量部の
    割合で含有している、請求項1または2に記載の水性外
    用組成物。
  4. 【請求項4】 粘膜に適用されるものである請求項1乃
    至3のいずれかに記載の水性外用組成物。
  5. 【請求項5】 ソルビン酸またはその塩を含有する水性
    組成物に、式(I) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なっていても
    よく、それぞれ、水素原子又は置換されてもよいアルキ
    ル基を示す)で表される化合物及びこれらの塩よりなる
    群から選択されるいずれか少なくとも1つの化合物を配
    合することによって、ソルビン酸またはその塩の分解を
    抑制する方法。
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