JP2003124540A - 磁気抵抗効果型素子、磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型素子、磁気抵抗効果型ヘッド

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JP2003124540A
JP2003124540A JP2001315206A JP2001315206A JP2003124540A JP 2003124540 A JP2003124540 A JP 2003124540A JP 2001315206 A JP2001315206 A JP 2001315206A JP 2001315206 A JP2001315206 A JP 2001315206A JP 2003124540 A JP2003124540 A JP 2003124540A
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magnetoresistive
antiferromagnetic
laminated
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Eiji Makino
栄治 牧野
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】反強磁性層と固定層の交換結合磁界が低下する
ことなく、スピン依存散乱を十分に得ることができ、従
来よりもGMR効果が高い磁気抵抗効果型素子および磁
気抵抗効果型ヘッドを提供する。 【解決手段】外部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁
性材料からなる自由磁性層3と、自由磁性層3に隣接す
る非磁性材料からなる非磁性スペーサ層4と、非磁性ス
ペーサ層4に隣接する強磁性体材料からなる固定磁性層
5と、前記固定磁性層5と隣接する反強磁性材料からな
り固定磁性層5の磁化を固定する反強磁性層6と、反強
磁性層6に隣接し金属材料からなるバックレイヤ層7と
を設ける。バックレイヤ層7を設けることにより、従来
よりもGMR効果が高い磁気抵抗効果型素子および磁気
抵抗効果型ヘッドを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、磁気媒
体に磁気の状態により記憶された情報を検出する磁気抵
抗効果型素子および磁気抵抗効果型ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、データを高い密度で磁気記録媒体
から読み取る場合に、磁気抵抗(MR:Magnetoresisti
ve)効果を用いてそのデータを検出するMR素子が知ら
れている。
【0003】近年では、強磁性金属と非磁性金属による
磁気多層構造中の伝導電子のスピン依存散乱効果による
巨大磁気抵抗効果を利用したGMR(Giant magnetores
istive)素子(以後、磁気抵抗効果型素子とも言う)も
知られている。
【0004】GMR素子では、強磁性材料からなる外部
磁場に応じて磁化が変化する自由層と、強磁性材料から
なる固定層と、自由層と固定層の間に形成された非磁性
材料からなるスペーサ層と、固定層に隣接し固定層の磁
化を固定する反強磁性層とを含む構造のスピンバルブ
(SV)膜を有するGMR素子が知られている。
【0005】上述のGMR素子では、強磁性層の磁化配
列が平行状態または反平行状態に依存して、伝導電子の
平均自由行程が変化することを利用している。
【0006】したがって、GMR素子では、磁気抵抗変
化率であるMR比を大きくするには、強磁性層のスピン
分極率を大きくするだけでなく、自由層および固定層の
2つの強磁性体の磁化方向が平行状態または反平行状態
によって、伝導電子の平均自由行程が大きく変化するこ
とも重要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したG
MR素子の伝導電子の平均自由行程は、材料に依存する
定数であるが、構造的な制約も受ける。SV膜の固定層
および自由層が薄いと、磁化配列に依存した平均自由行
程の差も膜厚に起因して小さくなってしまうという問題
があった。
【0008】たとえば、磁気ヘッドへの応用を考えた場
合には、磁気記録媒体からの信号磁束が高密度化ととも
に小さくなる。この際、十分な自由層の磁化回転を得る
ためには、その膜厚(厳密には、単位体積当たりの飽和
磁化Ms と膜厚tの積Ms ・t)も同時に薄く(小さ
く)する必要があった。しかし、それに伴いMR比が低
下してしまうという問題があった。
【0009】これを回避する方法としては特許公報第2
74483号で開示されているように、非磁性高導電層
膜を自由層(フリー磁性層とも言う)の背部に接合する
構造のGMR素子が知られている。
【0010】このような背部層を設けたことによるMR
比が増大するという効果は自由層に限った現象ではな
く、固定層においても同様の効果が得られる。ところ
が、固定層の膜厚を過剰に厚くした場合には、反強磁性
層との間に働く交換結合磁界が低下し応用上問題が発生
する。そのため、磁気ヘッドでは固定層の膜厚を、たと
えば、1.8〜2.5nm程度に制限してきた。このた
め、固定層においても自由層と同様にMR比を低下させ
る原因となっていた。
【0011】特に、検出電流であるセンス電流をGMR
素子の積層方向に垂直に流すCPP(Current perpendi
cular to plane)型GMR素子では、上述した問題がよ
り大きくなる。
【0012】GMR効果の原因としては、強磁性層と非
磁性層の界面近傍におけるスピンに依存した電子散乱
や、たとえば、強磁性層内部におけるスピンに依存した
電子散乱などがある。
【0013】特に、CPPモードでのGMR効果は、強
磁性体と非磁性体の界面で発生するスピン依存散乱に対
する磁性体内部での電子散乱の寄与の割合が、センス電
流をSV膜の面内方向に流すCIP(Current In Plan
e)モードに比べて大きいとされる。つまり、大きなG
MR効果を得るには、強磁性体が十分に厚いことが重要
となる。ところが、たとえば固定層においては、これが
厚いときには実用上必要とされる交換結合磁界が低下す
るために、固定相の膜厚を比較的薄く設定する必要があ
った。そのために、本来CIPモードに比べて大きなG
MR効果が得られるとされるCPPモードにおいても、
その効果を十分に活かせないという問題があった。
【0014】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、反強磁性層と固定層の交換結合
磁界が低下することなく、スピン依存散乱を十分に得る
ことができ、従来よりもGMR効果が高い磁気抵抗効果
型素子および磁気抵抗効果型ヘッドを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗効
果型素子は、自由層と固定層と反強磁性層およびスペー
サ層の積層順序の違いを意味する、いわゆるトップタイ
プSV、ボトムタイプSV、およびデュアルタイプSV
の3つのタイプに適用される。また、本発明に係る磁気
抵抗効果型ヘッドにおいても、そのSV膜は、自由層と
固定層と反強磁性層およびスペーサ層の積層順序の違い
を意味する、いわゆるトップタイプSV、ボトムタイプ
SV、およびデュアルタイプSVの3つのタイプに適用
される。以下に、これらの積層順序別タイプ別に前記目
的を達成するための手段を示す。
【0016】前記目的を達成するために、本発明の磁気
抵抗効果型素子は、トップタイプSVとして、外部磁界
に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由層
と、前記自由層の上に積層された非磁性材料からなるス
ペーサ層と、前記スペーサ層の上に積層された強磁性材
料からなる固定層と、前記固定層の上に積層され反強磁
性材料からなり前記固定層の磁化を固定する反強磁性層
と、前記反強磁性層の上に積層された金属導電性材料か
らなる背部層とを有する。
【0017】さらに、前記目的を達成するために、本発
明の磁気抵抗効果型ヘッドは、トップタイプSVとし
て、磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気抵抗効果型
ヘッドであって、前記磁気抵抗効果型素子は、外部磁界
に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由層
と、前記自由層の上に積層された非磁性材料からなるス
ペーサ層と、前記スペーサ層の上に積層された強磁性材
料からなる固定層と、前記固定層の上に積層され反強磁
性材料からなり前記固定層の磁化を固定する反強磁性層
と、前記反強磁性層の上に積層された金属導電性材料か
らなる背部層とを有する。
【0018】さらに、前記目的を達成するために、本発
明の磁気抵抗効果型素子は、ボトムタイプSVとして、
金属導電性材料からなる背部層と、前記背部層の上に積
層された反強磁性層と、前記反強磁性層の上に積層さ
れ、前記反強磁性層により磁化が固定され、強磁性材料
からなる固定層と、前記固定層の上に積層された非磁性
材料からなるスペーサ層と、前記スペーサ層の上に積層
され外部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料か
らなる自由層とを有する。
【0019】さらに、前記目的を達成するために、本発
明の磁気抵抗効果型ヘッドは、ボトムタイプSVとし
て、磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気抵抗効果型
ヘッドであって、前記磁気抵抗効果型素子は、金属導電
性材料からなる背部層と、前記背部層の上に積層された
反強磁性層と、前記反強磁性層の上に積層され、前記反
強磁性層により磁化が固定され、強磁性材料からなる固
定層と、前記固定層の上に積層された非磁性材料からな
るスペーサ層と、前記スペーサ層の上に積層され外部磁
界に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由
層とを有する。
【0020】また、好適には、前記背部層の少なくとも
一部には、前記固定層に含まれる材料と等しい材料を含
む。
【0021】また、好適には、前記背部層の少なくとも
一部には、前記スペーサ層に含まれる材料と等しい材料
を含む。
【0022】また、好適には、前記背部層は、強磁性層
と非磁性層とを含む多層膜で形成されている。
【0023】また、好適には、前記背部層の前記強磁性
層の少なくとも一部には、前記固定層に含まれる材料と
等しい材料を含み、前記背部層の前記非磁性層の少なく
とも一部には、前記スペーサ層に含まれる材料と等しい
材料を含む。
【0024】また、好適には、前記強磁性材料は、少な
くとも、CoFeを含む。
【0025】また、好適には、前記強磁性材料は、Co
系の材料を含む。
【0026】また、好適には、前記非磁性材料は、C
u,Ag,Au単体またはその合金で形成されている。
【0027】また、好適には、前記反強磁性層は、不規
則系反強磁性体で形成されている。
【0028】また、好適には、前記不規則系反強磁性体
は、Mn系の材料を含む。
【0029】また、好適には、通電時のセンス電流の方
向が積層面に対して略垂直方向である。
【0030】また、好適には、通電時のセンス電流の方
向が積層面に対して略水平方向である。
【0031】さらに、前記目的を達成するために、本発
明の磁気抵抗効果型素子は、デュアルタイプSVとし
て、金属導電性材料からなる第1の背部層と、前記第1
の背部層の上に積層された第1の反強磁性層と、前記第
1の反強磁性層の上に積層され、前記第1の反強磁性層
により磁化が固定され、強磁性材料からなる第1の固定
層と、前記第1の固定層の上に積層された非磁性材料か
らなる第1のスペーサ層と、前記第1のスペーサ層の上
に積層され外部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁性
材料からなる自由層と、前記自由層の上に積層された非
磁性材料からなる第2のスペーサ層と、前記第2のスペ
ーサ層の上に積層され強磁性材料からなる第2の固定層
と、前記第2の固定層の上に積層され、前記第2の固定
層の磁化を固定し、反強磁性材料からなる第2の反強磁
性層と、前記第2の反強磁性層の上に積層され金属導電
性材料からなる第2の背部層とを有する。
【0032】さらに、前記目的を達成するために、本発
明の磁気抵抗効果型ヘッドは、デュアルタイプSVとし
て、磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気抵抗効果型
ヘッドであって、前記磁気抵抗効果型素子は、金属導電
性材料からなる第1の背部層と、前記第1の背部層の上
に積層された第1の反強磁性層と、前記第1の反強磁性
層の上に積層され、前記第1の反強磁性層により磁化が
固定され、強磁性材料からなる第1の固定層と、前記第
1の固定層の上に積層された非磁性材料からなる第1の
スペーサ層と、前記第1のスペーサ層の上に積層され外
部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる
自由層と、前記自由層の上に積層された非磁性材料から
なる第2のスペーサ層と、前記第2のスペーサ層の上に
積層され強磁性材料からなる第2の固定層と、前記第2
の固定層の上に積層され、前記第2の固定層の磁化を固
定し、反強磁性材料からなる第2の反強磁性層と、前記
第2の反強磁性層の上に積層され金属導電性材料からな
る第2の背部層とを有する。
【0033】好適には、前記第1および第2の背部層の
少なくとも一部には、前記第1および第2の固定層に含
まれる材料と等しい材料を含む。
【0034】また、好適には、前記第1および第2の背
部層の少なくとも一部には、前記第1および第2のスペ
ーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む。
【0035】また、好適には、前記第1および第2の背
部層は、強磁性層と非磁性層とを含む多層膜で形成され
ている。
【0036】また、好適には、前記第1および第2の背
部層の前記強磁性層の少なくとも一部には、前記第1お
よび第2の固定層に含まれる材料と等しい材料を含み、
前記第1および第2の背部層の前記非磁性層の少なくと
も一部には、前記第1および第2のスペーサ層に含まれ
る材料と等しい材料を含む。
【0037】また、好適には、前記強磁性材料は、少な
くとも、CoFeを含む。
【0038】また、好適には、前記強磁性材料は、Co
系の材料を含む。
【0039】また、好適には、前記非磁性材料は、C
u,Ag,Au単体またはその合金で形成されている。
【0040】また、好適には、前記第1および第2の反
強磁性層は、不規則系反強磁性体で形成されている。
【0041】また、好適には、前記不規則系反強磁性体
は、Mn系の材料を含む。
【0042】また、好適には、通電時のセンス電流の方
向が積層面に対して略垂直方向である。
【0043】また、好適には、通電時のセンス電流の方
向が積層面に対して略水平方向である。
【0044】本発明によれば、たとえば、自由層、スペ
ーサ層、固定層、反強磁性層、および背部層が積層され
て磁気抵抗効果型素子が形成されている。そして、その
磁気抵抗効果型素子を感磁部として、磁気抵抗効果型ヘ
ッドが形成されている。
【0045】固定層では、固定層内部の磁化が隣接する
反強磁性層により所定の方向に固定されている。自由層
では、外部磁場に応じて自由層内の磁化方向が変化す
る。そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子の積層面に
対して垂直方向に検出電流であるセンス電流が流れる。
【0046】磁気抵抗効果型素子では、たとえば、反強
磁性層により固定された固定層内の磁化方向と、外部磁
場に応じて変化した自由層内の磁化方向との角度に応じ
て抵抗値が変化し、それに応じてセンス電流が増減し、
外部磁場が検出される。そして、反強磁性層に隣接する
ように金属導電性材料からなる背部層を形成すると、た
とえば、強磁性材料で形成された固定層および反強磁性
層において電子散乱を受けずに通過したスピン情報を維
持した極少数存在する伝導電子においても、GMR効果
を引き出すことが可能になり、結果として磁気抵抗効果
が増大する。
【0047】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 図1は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第1の実施
の形態を模式的に示す図である。
【0048】第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1は、下地層2、自由磁性層3、非磁性スペーサ層
4、固定磁性層5、反強磁性層6、背部層であるバック
レイヤ層7、および保護層8を有する。
【0049】磁気抵抗効果型素子1は、たとえば、下地
層2の上に自由磁性層3が積層され、その上に非磁性ス
ペーサ層4が積層され、その上に固定磁性層5が積層さ
れ、その上に反強磁性層6が積層され、その上にバック
レイヤ層7が積層され、その上に保護層8が順に積層さ
れている。
【0050】上述の磁気抵抗効果型素子1は、固定磁性
層5および反強磁性層6が、図1において、自由磁性層
3よりも上部に形成されているので、一般にトップ型磁
気抵抗効果型素子と呼ばれる。
【0051】下地層2は、金属導電性材料で形成されて
いる。また、下地層2は、センス電流のうち、GMR効
果に寄与しない分流(分流損)を低減するために、高抵
抗の金属導電性材料で形成されていることが好ましい。
下地層2は、たとえば、TaおよびNiFeCrにより
形成されており、膜厚がTaおよびNiFeCrともに
約3.0nmである。
【0052】自由磁性層3は、外部磁界に応じて自由磁
性層3の内部の磁化方向が変化する。また、自由磁性層
3は、軟磁性材料で形成されており、たとえば、CoF
eで形成されており、膜厚が約2.0nmである。たと
えば、軟磁性材料は、外部磁場に応じて磁化が変化する
強磁性材料である。
【0053】非磁性スペーサ層4は、非磁性材料で形成
されており、たとえば、Cuで形成された単層膜であ
り、膜厚が約2.5nmである。
【0054】固定磁性層5は、強磁性体で形成されてお
り、反強磁性層6により内部磁化が固定されている。固
定磁性層5は、たとえば、CoFeで形成されており、
膜厚が約3.0nmである。
【0055】反強磁性層6は、固定磁性層5に対して交
換結合することにより、外部磁場のよる外乱に対して
も、固定磁性層5の磁化を固定(ピン止めとも言う)す
る。
【0056】上述のピン止め効果を示すためには、反強
磁性層6は、たとえば、固定磁性層5との交換結合磁界
(Hex)が200エルステッド(Oe)以上であり、一
方向異方性の消失する温度であるブロッキング温度が2
50℃以上であり、センス電流の分流によりMR比の低
下を防ぐために比抵抗が大きく、および耐食性が良いこ
と等の条件を満たすことが好ましい。
【0057】また、製造の都合上、反強磁性層6を作成
した後に、磁場を印加して反強磁性層6の内部磁化に対
して一方向異方性を付与可能であることが好ましい。ま
た、近年のMRヘッドの狭ギャップ化に対応するために
は、薄い膜厚で十分な交換結合磁界(Hex)が得られる
ことが好ましい。
【0058】また、反強磁性層6は、たとえば、成膜後
に熱処理を行い形成され組成比が決まっている規則系反
強磁性体や、好ましくは、成膜後に熱処理を行わないで
形成され組成比に幅がある不規則系反強磁性体で構成さ
れる。それは、規則系反強磁性体よりも不規則系反強磁
性体のほうが、臨界膜厚が薄い、つまり膜厚を薄く形成
することができるということが要因の一つである。
【0059】また、反強磁性層6の膜厚が薄いとスピン
を有する伝導電子が反強磁性層で拡散される確率が低減
されることになり、反強磁性層6を介してバックレイヤ
層7にまで所望のスピン状態の伝導電子が進入する確率
が高くなる。このため磁気抵抗効果が増大する。
【0060】反強磁性層6を形成する規則系反強磁性体
としては、たとえば、NiMn系のNiMn,PdPt
Mn,PtMn等がある。また、反強磁性層6を形成す
る不規則系反強磁性体としては、たとえば、γ−Mn系
であるIr−Mn,Rh−Mn,Ru−Mnや、Fe−
Mn系であるFe−Mnや、Cr−Mn系であるCo−
Mn−Pt等がある。
【0061】たとえば、規則系反強磁性体のNiMn
は、臨界膜厚が約25〜40nmであり、不規則系反強
磁性体のIr−Mnは、臨界膜厚が約3〜10nmであ
り、Rh−Mnは、臨界膜厚が約10nmである。
【0062】バックレイヤ層7は、金属導電性材料で形
成されており、たとえば、強磁性体の単層膜で構成され
ている。また、バックレイヤ層7は、固定磁性層5と同
じ磁性材料で形成されることが好ましい。これは、固定
磁性層5とバックレイヤ磁性層7のポテンシャルを同じ
にするためである。
【0063】また、バックレイヤ層7は、低抵抗な金属
導電性材料で形成されていることが好ましい。
【0064】また、バックレイヤ層7を形成することに
より、後述するように、磁気抵抗効果型素子のGMR効
果を向上することができる。
【0065】保護層8は、金属導電性材料で形成され上
述の積層膜を保護する。たとえば、保護層8は、センス
電流の分流損を低減するために、高抵抗の金属導電性材
料で形成されていることが好ましい。保護層8は、たと
えば、具体的には、Taで形成された単層膜であり膜厚
は約3.0nmである。
【0066】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1におい
ては、固定磁性層5では、固定磁性層5の内部の磁化が
隣接する反強磁性層6により所定の方向に固定されてお
り、自由磁性層3では、外部磁場に応じて自由磁性層3
の内部の磁化方向が変化する。
【0067】そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子1
の積層面に対して略垂直方向にセンス電流が流れる。そ
して、反強磁性層6により固定された固定磁性層5の内
部の磁化方向と、外部磁場に応じて変化した自由磁性層
3の内部の磁化方向との角度に応じて抵抗値が変化し、
それに応じてセンス電流が増減し、外部磁場が検出され
る。
【0068】そして、反強磁性層6に隣接するように、
低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバックレイ
ヤ層7を形成することにより、たとえば、固定磁性層5
および反強磁性層6において電子散乱を受けずに通過し
たスピン情報を維持した極少数存在する伝導電子におい
ても、GMR効果を引き出すことが可能になり、結果と
して磁気抵抗効果が増大する。
【0069】次に、上述の磁気抵抗効果型素子1の磁気
抵抗変化率(MR比とも言う)、シート抵抗値Rsq、お
よびコンダクタンス変化量dGの特性の測定を行った。
【0070】測定した磁気抵抗効果型素子1の構成およ
び膜厚は、下地層2/自由磁性層3/非磁性スペーサ層
4/固定磁性層5/反強磁性層6/バックレイヤ層7/
保護層8の順に、Ta(3.0nm)およびNiFeC
r(3.0nm)/CoFe(2.0nm)/Cu
(2.5nm)/CoFe(1.0nm)/IrMn
(3.0nm)/CoFe(1.0nm)/Ta(3.
0nm)である。
【0071】また、磁気抵抗効果型素子1は、成膜後に
200℃で4時間、2000エルステッド(Oe)の磁
界中で熱処理を行っている。磁気抵抗の測定には、磁気
抵抗効果型素子1の積層膜に略平行に検出電流を流し、
磁場中における抵抗を測定した。
【0072】上述の磁気抵抗効果型素子の特性の測定結
果を、図2を参照しながら説明する。
【0073】図2(a)は、磁気抵抗効果型素子に、固
定磁性層5の固定された磁化の方向を正方向として磁場
を約−800〜800エルステッド(Oe)の範囲で変
化させて印加した場合のMR比を示す図である。この測
定結果の曲線は、一般にメジャーループと呼ばれる。
【0074】図2(b)は、磁場を上述のように、磁場
を固定磁性層5の固定された磁化の方向を正方向とし
て、磁場を約−40〜40エルステッド(Oe)の範囲
で変化させて印加した場合のMR比を示す図である。こ
の測定結果の曲線は、一般にマイナーループと呼ばれ
る。実用上、一般的に使用される磁場の大きさは、この
範囲内である。
【0075】MR比は、磁場を上述した範囲内で変化さ
せた場合の電気抵抗の最大値Rmaxおよび最小値Rmin
を用いて、数式1で表される。
【0076】
【数1】 MR比=((Rmax −Rmin )/Rmin )×100
【0077】上述の図2(a),(b)は、実際には、
磁場を所定の範囲で変化させた場合の抵抗値の変化を示
す曲線であるが、数式1で示したMR比で規格化し変換
して表している。
【0078】磁気抵抗効果型素子1は、図2(a)に示
すように、磁場を正の方向に印加した場合、つまり、固
定磁性層5の磁化の方向に印加した場合には、自由磁性
層3の磁化が印加した磁場の方向と平行になり、自由磁
性層3の磁化と固定磁性層5の磁化の方向が平行になる
ので抵抗が低い、つまり、MR比がほぼ0である。
【0079】通常、磁場を印加しない場合、つまり、磁
場の大きさが0エルステッド(Oe)の場合では、固定
磁性層5の磁化の方向と自由磁性層3の磁化の方向がほ
ぼ平行であるのでMR比が0(%)であるが、本測定の
磁気抵抗効果型素子ではMR比が0(%)ではない。こ
れは、磁場を印加しない状態では、自由磁性層3と固定
磁性層5の磁化の方向が平行な状態よりも微小な角度を
有した状態であると推測される。
【0080】また、印加磁場を負の方向、つまり、磁場
が固定磁性層5の磁化の方向と逆の方向に印加した場合
には、自由磁性層3の磁化の方向がそれに応じて変化
し、固定磁性層5の磁化と反平行になるので、抵抗が高
くなりMR比が高くなる。
【0081】また、実用上用いられる範囲の磁場を印加
して測定すると、図2(b)に示すように、0(Oe)
から逆方向に磁場を印加した場合には、−10(Oe)
付近で約6(%)の値になり、−40(Oe)付近で飽
和し、また−10(Oe)付近にまで磁場を印加する
と、約1.5(%)の値になり、正の方向に磁場を印加
していくと、飽和して0(%)の値になる。このよう
に、図2(b)に示したように、歪みの少ないFree
特性が得られた。
【0082】シート抵抗Rsqは、磁場を上述した範囲内
で変化された場合の最小抵抗値Rmi n である。コンダク
タンス変化量dGは、下記の数式2を用いて算出した。
【0083】
【数2】dG=Gmax −Gmin =(1/Rmin )−(1
/Rmax
【0084】コンダクタンス変化量dGは、特許公報第
2744883号に記述しているように、磁気抵抗効果
型素子において測定可能なマクロ量であり、GMR効果
という物理現象を表す重要な指標である。
【0085】上述の数式および定義を用いて測定値か
ら、シート抵抗値Rsqが25.50(Ω)、MR比が
7.62(%)、コンダクタンス変化量dGが2.78
(mmho)という測定結果が得られた。
【0086】測定結果の比較のため、バックレイヤ層の
ない一般的構造の磁気抵抗効果素子についても同様な特
性の測定を行った。
【0087】図3は、一般的構造の磁気抵抗効果型素子
を模式的に示す図である。
【0088】一般的構造の磁気抵抗効果型素子1aは、
図3に示すように、磁気抵抗効果型素子1と比べて、バ
ックレイヤ層7が形成されていない。その他の構成要素
については、磁気抵抗効果型素子1と同様なので説明を
省略する。
【0089】測定に用いた磁気抵抗効果型素子1aの構
成および膜厚は、下地層2/自由磁性層3/非磁性スペ
ーサ層4/固定磁性層5/反強磁性層6/保護層8の順
に、Ta(3.0nm)およびNiFeCr(3.0n
m)/CoFe(2.0nm)/Cu(2.5nm)/
CoFe(1.0nm)/IrMn(3.0nm)/T
a(3.0nm)である。
【0090】測定については、上述した磁気抵抗効果型
素子1の特性を測定した場合と同じ条件である。
【0091】図4(a)および(b)は、一般的構造の
磁気抵抗効果型素子1aに関して、図2(a)および
(b)と同じ測定条件で得られた図である。
【0092】測定結果としては、MR比は7.42
(%)、シート抵抗値Rsqは、26.75(Ω)、コン
ダクタンス変化量dGは2.58(mmho)であっ
た。
【0093】上述した磁気抵抗効果型素子1と磁気抵抗
効果型素子1aの測定結果を比較すると、磁気抵抗効果
型素子1では、コンダクタンス変化量dGについて、約
7.75%向上するという結果が得られた。マイナール
ープ特性は、著しい変化はしておらず、良好なFree
特性が得られていることも確認した。
【0094】上述したように、金属導電性材料で形成さ
れた下地層2と、下地層2の上に積層され外部磁界に応
じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由磁性層
3と、自由磁性層3の上に積層された非磁性スペーサ層
4と、非磁性スペーサ層4の上に積層され、反強磁性層
6により内部磁化が固定された固定磁性層5と、固定磁
性層5の上に積層された反強磁性層6と、反強磁性層6
の上に積層され低抵抗の強磁性材料からなるバックレイ
ヤ層7と、バックレイヤ層7の上に積層された金属導電
性材料からなる保護層8とを設けたので、バックレイヤ
層7が形成されていない一般的な磁気抵抗効果型素子1
aに比べて、固定磁性層5の膜厚を厚くすることなく、
つまり、反強磁性層6と固定磁性層5の交換結合磁界が
低下することなくスピン依存散乱を十分に得ることがで
き、従来よりもGMR効果が向上する磁気抵抗効果素子
を提供することができる。
【0095】第2の実施の形態 図5は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第2の実施
の形態を模式的に示す図である。
【0096】第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1bは、図1に示した第1の実施の形態に係る磁気抵
抗効果型素子1とほぼ同じ構成であるが、相違点として
は、低抵抗の強磁性体で形成されたバックレイヤ層7b
の膜厚が、たとえば、約4.0nmと第1の実施の形態
に係る磁気抵抗効果型素子1に比べて4倍の厚さである
点である。
【0097】また、磁気抵抗効果型素子1bについて
は、上述の磁気抵抗効果型素子1とほぼ同じ作用である
ので説明を省略する。
【0098】次に、上述の磁気抵抗効果型素子のコンダ
クタンス変化量dGの特性の測定を行った。
【0099】測定した磁気抵抗効果型素子の構成および
膜厚は、下地層2/自由磁性層3/非磁性スペーサ層4
/固定磁性層5/反強磁性層6/バックレイヤ層7b/
保護層8の順に、Ta(3.0nm)およびNiFeC
r(3.0nm)/CoFe(2.0nm)/Cu
(2.5nm)/CoFe(1.0nm)/IrMn
(3.0nm)/CoFe(4.0nm)/Ta(3.
0nm)である。
【0100】測定条件は、上述の第1の実施の形態の場
合と同じ測定条件である。測定は、磁気抵抗効果型素子
に、固定磁性層5の固定された磁化の方向を正方向とし
て磁場を約−800〜800エルステッド(Oe)の範
囲で変化させて印加した。
【0101】図6は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子
の第2の実施の形態でのMR比の磁場特性を示す図であ
る。
【0102】磁気抵抗効果型素子1bでは、図6に示す
ように、磁場を逆方向に印加していった場合に、−50
0エルステッド(Oe)付近でMRカーブの急激に減少
する変化が見られた。さらに、逆方向に磁場を印加する
とMR比が低下した。そして、−800(Oe)から0
(Oe)に印加磁場を変化させると、約350(Oe)
付近で、急激に増加する変化が見られた。そして、0
(Oe)から800(Oe)に正の方向に磁場を印加し
ていくと、飽和して0(%)の値になった。
【0103】図7は、強磁性層の膜厚dを変化させた場
合の強磁性層の反強磁性層に対しての交換結合磁界Hex
の傾向を示す図である。
【0104】上述の構成において、一般的に、図7に示
すように、強磁性層の反強磁性層6に対しての交換結合
磁界Hexは、強磁性層の膜厚dに反比例するという関係
がある。このため、強磁性層の膜厚が厚いほど交換結合
磁界Hexが小さくなり、膜厚が薄いほど交換結合磁界H
exが大きくなる。
【0105】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1bで
は、反強磁性層6の下部に強磁性体の固定磁性層5、反
強磁性層6の上部に強磁性体のバックレイヤ層7bが形
成されており、固定磁性層5およびバックレイヤ層7b
それぞれは、磁場が印加されていない状態では、反強磁
性層6と交換結合によりそれぞれの層内の磁化方向が固
定されている。
【0106】そして、負の方向に磁場を増加させた場合
には、まず、自由磁性層3の磁化が印加磁場に平行にな
るように回転、つまり、固定磁性層5の磁化に対して反
平行になるように回転してMR比が増加する。さらに磁
場を逆方向に印加すると、図6に示したように、−50
0(Oe)付近で、膜厚が厚く、反強磁性層6との交換
結合が小さいバックレイヤ層7bの磁化が、交換結合に
逆らって印加磁場に平行になるように回転し、その結
果、急激にMR比が減少する。これは、バックレイヤ層
7bを形成したことによる現象である。
【0107】つまり、上述の変化は、たとえば、固定磁
性層5の伝導電子がその伝導電子のスピンの状態に応じ
て反強磁性層6を通過し、バックレイヤ層7bでスピン
依存散乱していることを示している。
【0108】また、測定結果は、MR比は約7.5%で
あり、一般的な磁気抵抗効果型素子1aに比べてMR比
が向上している。
【0109】上述したように、金属導電性材料で形成さ
れた下地層2と、下地層2の上に積層され外部磁界に応
じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由磁性層
3と、自由磁性層3の上に積層された非磁性スペーサ層
4と、非磁性スペーサ層4の上に積層され、反強磁性層
6により内部磁化が固定された固定磁性層5と、固定磁
性層5の上に積層された反強磁性層6と、反強磁性層6
の上に第1の実施の形態よりも厚く積層された低抵抗の
強磁性金属導電性材料からなるバックレイヤ層7bと、
バックレイヤ層7bの上に積層され高抵抗の金属導電性
材料からなる保護層8とを設けたので、バックレイヤ層
7bが形成されていない一般的な磁気抵抗効果型素子1
aに比べて、固定磁性層5の膜厚を厚くすることなく、
つまり、反強磁性層6と固定磁性層5の交換結合磁界が
低下することなくスピン依存散乱を十分に得ることがで
き、従来よりもMR比が向上する磁気抵抗効果素子を提
供することができる。
【0110】第3の実施の形態 図8は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第3の実施
の形態を模式的に示す図である。
【0111】第3の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1cは、図8に示すように、図1の磁気抵抗効果型素
子1のバックレイヤ層7が、強磁性体ではなく非磁性体
の金属導電性材料からなるバックレイヤ非磁性層7cで
形成されている。
【0112】バックレイヤ非磁性層7cは、非磁性スペ
ーサ層4と同じ非磁性材料で形成されることが好まし
い。これは、バックレイヤ非磁性層7cと非磁性スペー
サ層4のポテンシャルを等しくするためである。また、
バックレイヤ非磁性層7cは、低抵抗の金属導電性材料
で形成されることが好ましい。これは、センス電流にお
いてGMR効果に寄与する電流を増加させるためであ
る。
【0113】バックレイヤ非磁性層7cは、たとえば、
非磁性体のCuで形成されており、膜厚は約1.0nm
である。
【0114】その他の構成は第1の実施の形態に係る磁
気抵抗効果型素子1と同様な構成であるので説明を省略
する。
【0115】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1cにお
いては、固定磁性層5では、固定磁性層5の内部の磁化
が隣接する反強磁性層6により所定の方向に固定されて
おり、自由磁性層3では、外部磁場に応じて自由磁性層
3の内部の磁化方向が変化する。
【0116】そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子1
cの積層面に対して略垂直方向にセンス電流が流れる。
そして、反強磁性層6により固定された固定磁性層5の
内部の磁化方向と、外部磁場に応じて変化した自由磁性
層3の内部の磁化方向との角度に応じて抵抗値が変化
し、それに応じてセンス電流が増減し、外部磁場が検出
される。
【0117】そして、反強磁性層6に隣接するように、
低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバックレイ
ヤ非磁性層7cを形成することにより、たとえば、固定
磁性層5および反強磁性層6において電子散乱を受けず
に通過したスピン情報を維持した極少数存在する伝導電
子においても、GMR効果を引き出すことが可能にな
り、結果として磁気抵抗効果が増大する。
【0118】次に、上述の磁気抵抗効果型素子1cのM
R比、シート抵抗値Rsq、およびコンダクタンス変化量
dGの特性の測定を行った。
【0119】測定した磁気抵抗効果型素子1cの構成お
よび膜厚は、下地層2/自由磁性層3/非磁性スペーサ
層4/固定磁性層5/反強磁性層6/バックレイヤ非磁
性層7c/保護層8の順に、Ta(3.0nm)および
NiFeCr(3.0nm)/CoFe(2.0nm)
/Cu(2.5nm)/CoFe(1.0nm)/Ir
Mn(3.0nm)/Cu(1.0nm)/Ta(3.
0nm)である。
【0120】測定条件は、上述の第1の実施の形態の場
合と同じ条件である。
【0121】図9は、図8の磁気抵抗効果型素子のMR
比の磁場特性を示す図である。図9(a)および図9
(b)は、磁気抵抗効果型素子1cに関して、図2
(a)および図2(b)と同じ測定条件で得られた図で
ある。
【0122】磁気抵抗効果型素子1cの測定結果は、M
R比は7.53(%)、シート抵抗値Rsqは25.53
(Ω)、コンダクタンス変化量dGは2.74(mmh
o)であった。
【0123】上述した測定結果について、上述の一般的
構造の磁気抵抗効果型素子1aの測定結果と比較する
と、MR比については1.48%向上するという結果が
得られた。コンダクタンス変化量dGにおいては6.2
0%向上するという結果が得られた。マイナーループ特
性は、著しい変化はしておらず、良好なFree特性が
得られていることも確認した。
【0124】上述したように、金属導電性材料で形成さ
れた下地層2と、下地層2の上に積層され外部磁界に応
じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由磁性層
3と、自由磁性層3の上に積層された非磁性スペーサ層
4と、非磁性スペーサ層4の上に積層され、反強磁性層
6により内部磁化が固定された固定磁性層5と、固定磁
性層5の上に積層された反強磁性層6と、反強磁性層6
の上に積層され、低抵抗の非磁性の金属導電性材料から
なるバックレイヤ非磁性層7cと、バックレイヤ非磁性
層7cの上に積層され金属導電性材料からなる保護層8
とを設けたので、バックレイヤ非磁性層7cが形成され
ていない一般的な磁気抵抗効果型素子1aに比べて、固
定磁性層5の膜厚を厚くすることなく、つまり、反強磁
性層6と固定磁性層5の交換結合磁界が低下することな
くスピン依存散乱を十分に得ることができ、従来よりも
磁気抵抗(GMR)効果が向上する磁気抵抗効果素子を
提供することができる。
【0125】第4の実施の形態 図10は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第4の実
施の形態を模式的に示す図である。
【0126】第4の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1dは、図10に示すように、第1の実施の形態に係
る磁気抵抗効果型素子1のバックレイヤ層7の換わり
に、非強磁性体で形成されたバックレイヤ非磁性層7d
2 と強磁性体で形成されたバックレイヤ磁性層7d1
多層膜で形成されたバックレイヤ層7dを有する。
【0127】磁気抵抗効果型素子1dは、たとえば、下
地層2の上に自由磁性層3が積層され、その上に非磁性
スペーサ層4が積層され、その上に固定磁性層5が積層
され、その上に反強磁性層6が積層され、その上にバッ
クレイヤ磁性層7d1 が積層され、その上にバックレイ
ヤ非磁性層7d2 が積層され、その上に保護層8が順に
積層されている。
【0128】たとえば、バックレイヤ磁性層7d1 は、
第1の実施の形態で示したバックレイヤ磁性層7aと同
じ構成であり、バックレイヤ非磁性層7d2 は、第3の
実施の形態で示したバックレイヤ非磁性層7cと同様な
構成である。
【0129】また、バックレイヤ磁性層7d1 は、固定
磁性層5と同じ磁性材料で構成されていることが好まし
い。これは、バックレイヤ磁性層7d1 と固定磁性層5
のポテンシャルを同じにするためである。また、バック
レイヤ非磁性層7d2 は、非磁性スペーサ層4と同じ非
磁性材料で構成されていることが好ましい。これは、バ
ックレイヤ非磁性層7d2 と、非磁性スペーサ層4のポ
テンシャルを同じにするためである。
【0130】また、バックレイヤ層7dは、低抵抗な金
属導電性材料で形成されていることが好ましい。
【0131】バックレイヤ磁性層7d1 は、たとえば、
具体的には、強磁性体のCoFeで形成されており、膜
厚は約1.0nmである。バックレイヤ非磁性緒層7d
2 は、たとえば、具体的には、非磁性体のCuで形成さ
れており、膜厚は約1.0nmである。
【0132】その他の各構成要素は、第1の実施の形態
に係る磁気抵抗効果型素子1と同様であるので、説明を
省略する。
【0133】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1dにお
いては、固定磁性層5では、固定磁性層5の内部の磁化
が隣接する反強磁性層6により所定の方向に固定されて
おり、自由磁性層3では、外部磁場に応じて自由磁性層
3の内部の磁化方向が変化する。
【0134】そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子1
dの積層面に対して略垂直方向にセンス電流が流れる。
そして、反強磁性層6により固定された固定磁性層5の
内部の磁化方向と、外部磁場に応じて変化した自由磁性
層3の内部の磁化方向との角度に応じて抵抗値が変化
し、それに応じてセンス電流が増減し、外部磁場が検出
される。
【0135】そして、反強磁性層6に隣接するように、
低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバックレイ
ヤ層7dを形成することにより、たとえば、固定磁性層
5および反強磁性層6において電子散乱を受けずに通過
したスピン情報を維持した極少数存在する伝導電子にお
いても、GMR効果を引き出すことが可能になり、結果
として磁気抵抗効果が増大する。
【0136】次に、上述の磁気抵抗効果型素子1dのM
R比、シート抵抗値Rsq、およびコンダクタンス変化量
dGの特性の測定を行った。
【0137】測定した磁気抵抗効果型素子1dの構成お
よび膜厚は、下地層2/自由磁性層3/非磁性スペーサ
層4/固定磁性層5/反強磁性層6/バックレイヤ磁性
層7d1 /バックレイヤ非磁性層7d2 /保護層8の順
に、Ta(3.0nm)およびNiFeCr(3.0n
m)/CoFe(2.0nm)/Cu(2.5nm)/
CoFe(1.0nm)/IrMn(3.0nm)/C
oFe(1.0nm)/Cu(1.0nm)/Ta
(3.0nm)である。
【0138】測定条件は、上述の第1の実施の形態の場
合と同じ条件である。
【0139】図11は、図10の磁気抵抗効果型素子の
MR比の磁場特性を示す図である。
【0140】図11(a)および図11(b)は、磁気
抵抗効果型素子1dに関して、図2(a)および図2
(b)と同じ測定条件で得られた図である。
【0141】磁気抵抗効果型素子1dの測定結果は、M
R比は7.13(%)、シート抵抗値Rsqは24.43
(Ω)、コンダクタンス変化量dGは2.73(mmh
o)であった。
【0142】上述した測定結果について、上述の一般的
構造の磁気抵抗効果型素子1aの測定結果と比較する
と、コンダクタンス変化量dGについては、5.81%
向上するという結果が得られた。マイナーループ特定
は、変化しておらず良好なFree特性が得られている
ことも確認した。
【0143】上述したように、金属導電性材料で形成さ
れた下地層2と、下地層2の上に積層され外部磁界に応
じて磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由磁性層
3と、自由磁性層3の上に積層された非磁性スペーサ層
4と、非磁性スペーサ層4の上に積層され、反強磁性層
6により内部磁化が固定された固定磁性層5と、固定磁
性層5の上に積層された反強磁性層6と、反強磁性層6
の上に積層された強磁性材料の金属導電性材料からなる
バックレイヤ磁性層7d1 と、バックレイヤ磁性層7d
1 の上に積層された非磁性材料の金属導電性材料からな
るとバックレイヤ非磁性層7d2 、バックレイヤ非磁性
層7d2 の上に積層され金属導電性材料からなる保護層
8とを設けたので、バックレイヤ層が形成されていない
一般的な磁気抵抗効果型素子1aに比べて、固定磁性層
5の膜厚を厚くすることなく、つまり、反強磁性層6と
固定磁性層5の交換結合磁界が低下することなくスピン
依存散乱を十分に得ることができ、従来よりも磁気抵抗
(GMR)効果が向上する磁気抵抗効果素子を提供する
ことができる。
【0144】第5の実施の形態 図12は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第5の実
施の形態を模式的に示す図である。
【0145】第5の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1eは、図12に示すように、第1の実施の形態に係
る磁気抵抗効果型素子1の下地層2と保護層8を除く積
層膜の積層の順番が逆である構造を有する。具体的に
は、たとえば、図12に示すように、下地層2の上にバ
ックレイヤ層7eが積層され、その上に反強磁性層6が
積層され、その上に固定磁性層5が積層され、その上に
非磁性スペーサ層4が積層され、その上に自由磁性層3
が積層され、その上に保護層8が積層されている。
【0146】磁気抵抗効果型素子1eは、固定磁性層5
および反強磁性層6が、図12において、自由磁性層3
よりも下部に形成されているので、一般にボトム型磁気
抵抗効果型素子と呼ばれる。
【0147】各構成要素は、第1の実施の形態に係る磁
気抵抗効果型素子1とほぼ同じ構成であるので相違点の
み説明する。
【0148】バックレイヤ層7eは、たとえば、第1の
実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1のバックレイヤ
層7と同様に強磁性材料で形成されていてもよいし、第
3の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1cのバック
レイヤ層7cと同様に非磁性材料で形成されていてもよ
い、また、第4の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子
1dのバックレイヤ層7dと同様に、強磁性材料で形成
されたバックレイヤ磁性層7e1 と非磁性材料で形成さ
れたバックレイヤ非磁性層7e2 を含む多層膜で形成さ
れていてもよい。
【0149】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1eにお
いては、固定磁性層5では、固定磁性層5の内部の磁化
が隣接する反強磁性層6により所定の方向に固定されて
おり、自由磁性層3では、外部磁場に応じて自由磁性層
3の内部の磁化方向が変化する。
【0150】そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子1
eの積層面に対して略垂直方向にセンス電流が流れる。
そして、反強磁性層6により固定された固定磁性層5の
内部の磁化方向と、外部磁場に応じて変化した自由磁性
層3の内部の磁化方向との角度に応じて抵抗値が変化
し、それに応じてセンス電流が増減し、外部磁場が検出
される。
【0151】そして、反強磁性層6に隣接するように、
低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバックレイ
ヤ層7eを形成することにより、たとえば、固定磁性層
5および反強磁性層6において電子散乱を受けずに通過
したスピン情報を維持した極少数存在する伝導電子にお
いても、GMR効果を引き出すことが可能になり、結果
として磁気抵抗効果が増大する。
【0152】上述したように、金属導電性材料で形成さ
れた下地層2と、下地層2の上に積層され低抵抗の金属
導電性材料からなるバックレイヤ層7eと、バックレイ
ヤ層7eの上に積層された反強磁性層6と、反強磁性層
6の上に積層され反強磁性層6により内部磁化が固定さ
れた固定磁性層5と、固定磁性層5の上に積層された非
磁性スペーサ層4と、非磁性スペーサ層4の上に積層さ
れた外部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁性材料か
らなる自由磁性層3と、自由磁性層3の上に積層され金
属導電性材料からなる保護層8とを設けたので、バック
レイヤ層7が形成されていない一般的な磁気抵抗効果型
素子1aに比べて、固定磁性層5の膜厚を厚くすること
なく、つまり、反強磁性層6と固定磁性層5の交換結合
磁界が低下することなくスピン依存散乱を十分に得るこ
とができ、従来よりも磁気抵抗(GMR)効果が向上す
る磁気抵抗効果素子を提供することができる。
【0153】第6の実施の形態 図13は、本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第6の実
施の形態を模式的に示す図である。
【0154】第6の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1fは、図12に示すように、たとえば、下地層2の
上に、バックレイヤ層7fが積層され、その上に固定磁
性層5fの磁化を固定する反強磁性層6fが積層され、
その上に固定磁性層5fが積層され、その上に非磁性ス
ペーサ層4fが積層され、その上に自由磁性層3fが積
層され、その上に非磁性スペーサ層4f’が積層され、
その上に固定磁性層5f’が積層され、その上に反強磁
性層6f’が積層され、その上にバックレイヤ層7f’
が積層され、その上に保護層8が順に積層されている。
【0155】上述の磁気抵抗効果型素子1fは、自由磁
性層3fを中心として固定磁性層5f,5f’および反
強磁性層6f,6f’が鏡面対称な構造を有している。
上述の構造の磁気抵抗効果型素子は、一般にデュアル型
磁気抵抗効果型素子と呼ばれる。
【0156】バックレイヤ層7fは、たとえば、第1の
実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1のバックレイヤ
層7と同様に強磁性材料で形成されていてもよいし、第
3の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1cのバック
レイヤ層7cと同様に非磁性材料で形成されていてもよ
い、また、第4の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子
1dのバックレイヤ層7dと同様に、強磁性材料で形成
されたバックレイヤ磁性層7f1 と非磁性材料で形成さ
れたバックレイヤ非磁性層7f2 を含む多層膜で形成さ
れていてもよい。
【0157】バックレイヤ層7f’は、たとえば、第1
の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1のバックレイ
ヤ層7と同様に強磁性材料で形成されていてもよいし、
第3の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1cのバッ
クレイヤ層7cと同様に非磁性材料で形成されていても
よい、また、第4の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子1dのバックレイヤ層7dと同様に、強磁性材料で形
成されたバックレイヤ磁性層7f’1 と非磁性材料で形
成されたバックレイヤ非磁性層7f’2 を含む多層膜で
形成されていてもよい。
【0158】その他の各構成要素は、第1の実施の形態
に係る磁気抵抗効果型素子の構成要素とほぼ同様である
ので説明を省略する。
【0159】上述の構成の磁気抵抗効果型素子1fにお
いては、固定磁性層5fでは、固定磁性層5f内部の磁
化が隣接する反強磁性層6fにより所定の方向に固定さ
れる。同様に、固定磁性層5f’では、固定磁性層5
f’内部の磁化が隣接する反強磁性層6f’により所定
の方向に固定される。自由磁性層3fでは、外部磁場に
応じて自由磁性層3fの内部の磁化方向が変化する。
【0160】そして、たとえば、磁気抵抗効果型素子1
fの積層面に対して略垂直方向にセンス電流が流れる。
【0161】そして、反強磁性層6fにより固定された
固定磁性層5fの内部の磁化方向と、外部磁場に応じて
変化した自由磁性層3fの内部の磁化方向との角度、お
よび反強磁性層6f’により固定された固定磁性層5
f’の内部の磁化方向と、外部磁場に応じて変化した自
由磁性層3fの内部の磁化方向との角度に応じて抵抗値
が変化し、それに応じてセンス電流が増減し、外部磁場
が検出される。
【0162】そして、反強磁性層6fに隣接するよう
に、低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバック
レイヤ層7fを形成することにより、たとえば、固定磁
性層5fおよび反強磁性層6fにおいて電子散乱を受け
ずに通過したスピン情報を維持した極少数存在する伝導
電子においても、GMR効果を引き出すことが可能にな
り、結果として磁気抵抗効果が増大する。
【0163】また、反強磁性層6f’に隣接するよう
に、低抵抗の金属導電性材料による背部層であるバック
レイヤ層7f’を形成することにより、たとえば、固定
磁性層5f’および反強磁性層6f’において電子散乱
を受けずに通過したスピン情報を維持した極少数存在す
る伝導電子においても、GMR効果を引き出すことが可
能になり、結果として磁気抵抗効果がさらに増大する。
【0164】上述したように、下地層2fの上に積層さ
れたバックレイヤ層7fと、バックレイヤ層7fの上に
積層され固定磁性層5fの磁化を固定する反強磁性層6
fと、反強磁性層6fの上に積層された固定磁性層5f
と、固定磁性層5fの上に積層された非磁性スペーサ層
4fと、非磁性スペーサ層4fの上に積層された自由磁
性層3fと、自由磁性層3fの上に積層された非磁性ス
ペーサ層4f’と、非磁性スペーサ層4f’の上に積層
された固定磁性層5f’と、固定磁性層5f’の上に積
層された反強磁性層6f’と、反強磁性層6f’の上に
積層された保護層8とを設けたので、バックレイヤ層が
形成されていない一般的な磁気抵抗効果型素子1aに比
べて、固定磁性層5の膜厚を厚くすることなく、つま
り、反強磁性層6と固定磁性層5の交換結合磁界が低下
することなくスピン依存散乱を十分に得ることができ、
従来よりも磁気抵抗(GMR)効果が向上する磁気抵抗
効果素子を提供することができる。
【0165】また、自由磁性層3fを鏡面対称の中心と
して対称なスピンバルブ膜を形成したので、トップ型や
ボトム型に比べてより磁気抵抗(GMR)効果が向上す
る磁気抵抗効果型素子を提供することができる。
【0166】第7の実施の形態 図14は、本発明の第7の実施の形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドを模式的に示す図である。
【0167】磁気抵抗効果型ヘッド100は、図14に
示すように、感磁部110、永久磁石層120、電極層
130、および電極層140を有する。
【0168】感磁部110は、たとえば、不図示の磁気
媒体から出力される磁場に応じた信号を出力する、たと
えば、第1〜第6の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素
子で構成されている。
【0169】永久磁石層120は、たとえば、感磁部1
10である磁気抵抗効果型素子の側面に形成され、自由
磁性層3の磁気的安定性を確保するために、たとえば、
磁気抵抗効果型素子の積層面内方向に磁化している。
【0170】電極層130は永久磁石層120の上部に
形成され、電極層140は電極層130の上部に形成さ
れ、電極層130および電極層140には、検出電流で
あるセンス電流が流される。
【0171】上述した構成の磁気抵抗効果型ヘッド10
0では、センス電流、すなわち抵抗変化の検出を行う検
出電流を、電極層140および電極層130を介して感
磁部110の面内方向に、たとえば、図に向かって右か
ら左に向かって通電し、感磁部110の抵抗値の変化を
測定することにより、不図示の磁気媒体から出力された
磁界の変化を検出する。
【0172】上述した構成の磁気抵抗効果型ヘッド10
0は、感磁部110である磁気抵抗効果型素子の積層面
内方向に、センス電流が流れるので、一般に、CIP
(Current In Plane)型磁気抵抗効果型ヘッドと言われ
る。
【0173】上述したように、バックレイヤ層が形成さ
れた第1〜第6の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子
を感磁部110として設けたので、一般的構造の磁気抵
抗効果型素子を感磁部に用いた磁気抵抗効果型ヘッドに
比べて、磁気抵抗(GMR)効果が大きな磁気抵抗効果
型ヘッドを提供することができる。
【0174】第8の実施の形態 図15は、本発明の第8の実施の形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドを模式的に示した斜視図である。図15で
は、説明のために右上部の一部を省略し、また一部透視
図になっている。
【0175】第8の実施の形態に係る磁気抵抗効果型ヘ
ッド100aは、たとえば、図15に示すように、第1
の磁気シールド兼電極層150の上部に感磁部110a
が形成され、感磁部110aの上部に第2の磁気シール
ド兼電極層160が形成され、感磁部110aの両側面
には永久磁石層120aが形成されている。
【0176】図16(a)は図15のA−A線の断面
図、図16(b)は図15のB−B線の断面図である。
ハッチングは省略している。
【0177】磁気抵抗効果型ヘッド100aは、たとえ
ば、図16(a),(b)に示すように、第1の磁気シ
ールド兼電極層150の上部に感磁部110aが形成さ
れ、感磁部110aの上部に第2の磁気シールド兼電極
層160が形成されている。
【0178】感磁部110aは、たとえば、金属導電性
材料からなる下地層2の上に自由磁性層3が積層され、
その上に非磁性スペーサ層4が形成され、その上に固定
磁性層5が形成され、その上に反強磁性層6が形成さ
れ、その上にバックレイヤ層7が形成されている。そし
て、感磁部110aの上に、第2の磁気シールド兼電極
層160が形成されている。
【0179】バックレイヤ層7は、たとえば、第1の実
施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1のバックレイヤ層
と同様に強磁性材料で形成されていてもよいし、第3の
実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子1cのバックレイ
ヤ層7cと同様に非磁性材料で形成されていてもよい
し、また、第4の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子
1dのバックレイヤ層7と同様に、強磁性材料で形成さ
れたバックレイヤ磁性層7d2 と非磁性材料で形成され
たバックレイヤ非磁性層7d1 を含む多層膜で形成され
ていてもよい。
【0180】また、自由磁性層3の両側面には、たとえ
ば、図16(a)に示すように、自由磁性層3の磁化を
安定させるために、積層面内方向に磁化方向を持つ永久
磁石層120aが形成されている。
【0181】自由磁性層3には、たとえば、図16
(b)に示すように、不図示の磁気媒体から出力される
磁束をより効率よく自由磁性層3に導入するためにの磁
束導入層170が形成されている。磁束導入層170
は、たとえば、自由磁性層3と同一の材料で形成されて
いる。
【0182】上述した構成の磁気抵抗効果型ヘッド10
0aは、感磁部110aである磁気抵抗効果型素子の積
層面に略垂直方向に、センス電流が流されるので、一般
にCPP型磁気抵抗効果型ヘッドと言われる。
【0183】上述した構成の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
100aでは、センス電流、すなわち抵抗変化の検出を
行う検出電流が、たとえば、第2の磁気シールド兼電極
層160から、感磁部110aを介して、第1の磁気シ
ールド兼電極層150に流される。
【0184】そして、不図示の磁気媒体から出力される
磁場が、磁束導入層170を介して自由磁性層3に印加
されて自由磁性層3の磁化を変化させ、自由磁性層3の
磁場と、固定磁性層5の磁化の方向に基づいて変化する
抵抗を測定することにより、不図示の磁気媒体から出力
されている磁界の変化を検出する。
【0185】上述したように、バックレイヤ層が形成さ
れた磁気抵抗効果型素子を感磁部110aに設けたの
で、バックレイヤ層が形成されていない一般的構造の磁
気抵抗効果型素子を用いた磁気抵抗効果型ヘッドに比べ
て、磁気抵抗(GMR)効果が大きな磁気抵抗効果型ヘ
ッドを提供することができる。
【0186】また、上述の磁気抵抗効果型ヘッド100
aの感磁部110aは、たとえば、バックレイヤ層が設
けられた上述の第1〜第6の実施の形態に係る磁気抵抗
効果型素子を用いてもよい。
【0187】なお、本発明は本実施の形態に限られるも
のではなく、任意好適な種々の改変が可能である。たと
えば、磁気抵抗効果型ヘッドの構成は、上述の形態に限
られるものではない。
【0188】また、本実施の形態の磁気抵抗効果型素子
および磁気抵抗効果型ヘッドのバックレイヤ層が強磁性
体で形成される場合には、CoFe、もしくはCoにC
r,Mn,Ni,Cu,At,Ag,Pt,B,Cの何
れかを含む単層膜または多層膜で形成されていてもよ
い。
【0189】また、本実施の形態の磁気抵抗効果型素子
および磁気抵抗効果型ヘッドのバックレイヤ層は、C
u,Ag,Au単体またはその合金で形成されていても
よい。
【0190】また、磁気抵抗効果型素子で用いられる反
強磁性体は、不規則系反強磁性体であるIrMn,Ru
Mn,RuMn,FeMn,PtMn,NiMnの何れ
かで形成されていてもよい。
【0191】
【発明の効果】反強磁性層に隣接してバックレイヤ層を
設けたことにより、反強磁性層と固定層の交換結合磁界
が低下することなく、スピン依存散乱を十分に得ること
ができ、従来よりもGMR効果が高い磁気抵抗効果型素
子および磁気抵抗効果型ヘッドを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第1の実施
の形態を模式的に示す図である。
【図2】図1の磁気抵抗効果型素子のMR比の磁場特性
である。(a)は、磁場を固定磁性層の固定された磁化
の方向を正方向として磁場を約−800〜800エルス
テッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合のMR
比を示す図であり、(b)は、磁場を約−40〜40エ
ルステッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合の
MR比を示す図である。
【図3】バックレイヤ層が形成されていない一般的構造
の磁気抵抗効果型素子を模式的に示す図である。
【図4】図3の磁気抵抗効果型素子のMR比の磁場特性
である。(a)は磁場を固定磁性層の固定された磁化の
方向を正方向として磁場を約−800〜800エルステ
ッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合のMR比
を示す図であり、(b)は磁場を約−40〜40エルス
テッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合のMR
比を示す図である。
【図5】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第1の実施
の形態を模式的に示す図である。
【図6】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第2の実施
の形態でのMR比の磁場特性を示す図である。
【図7】第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果型素子の
強磁性層の膜厚dを変化させた場合の強磁性層の反強磁
性層に対しての交換結合磁界Hexの傾向を示す図であ
る。
【図8】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第3の実施
の形態を模式的に示す図である。
【図9】図8の磁気抵抗効果型素子のMR比の磁場特性
である。(a)は、磁場を固定磁性層の固定された磁化
の方向を正方向として磁場を約−800〜800エルス
テッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合のMR
比を示す図であり、(b)は、磁場を約−40〜40エ
ルステッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合の
MR比を示す図である。
【図10】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第4の実
施の形態を模式的に示す図である。
【図11】図10の磁気抵抗効果型素子のMR比の磁場
特性である。(a)は、磁場を固定磁性層の固定された
磁化の方向を正方向として磁場を約−800〜800エ
ルステッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場合の
MR比を示す図であり、(b)は、磁場を約−40〜4
0エルステッド(Oe)の範囲で変化させて印加した場
合のMR比を示す図である。
【図12】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第5の実
施の形態を模式的に示す図である。
【図13】本発明に係る磁気抵抗効果型素子の第6の実
施の形態を模式的に示す図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドを模式的に示す図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態に係る磁気抵抗効
果型ヘッドを模式的に示した斜視図である。
【図16】(a)は図15のA−A線の断面図、(b)
は図15のB−B線の断面図である。
【符号の説明】 1,1a,1b,1c,1d,1e,1f…磁気抵抗効
果型素子、2…下地層、3…自由磁性層、4…非磁性ス
ペーサ層、5…固定磁性層、6…反強磁性層、7…バッ
クレイヤ層、8…保護層、100,100a…磁気抵抗
効果型ヘッド、110,110a…感磁部、120,1
20a…永久磁石層、130,140…電極層、150
…第1の磁気シールド兼電極層、160…第2の磁気シ
ールド兼電極層、170…磁束導入層。

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部磁界に応じて磁化方向が変化する軟磁
    性材料からなる自由層と、 前記自由層の上に積層された非磁性材料からなるスペー
    サ層と、 前記スペーサ層の上に積層された強磁性材料からなる固
    定層と、 前記固定層の上に積層され反強磁性材料からなり前記固
    定層の磁化を固定する反強磁性層と、 前記反強磁性層の上に積層された金属導電性材料からな
    る背部層とを有する磁気抵抗効果型素子。
  2. 【請求項2】前記背部層の少なくとも一部には、前記固
    定層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項1に記載
    の磁気抵抗効果型素子。
  3. 【請求項3】前記背部層の少なくとも一部には、前記ス
    ペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項1に
    記載の磁気抵抗効果型素子。
  4. 【請求項4】前記背部層は、強磁性層と非磁性層とを含
    む多層膜で形成されている請求項1に記載の磁気抵抗効
    果型素子。
  5. 【請求項5】前記背部層の前記強磁性層の少なくとも一
    部には、前記固定層に含まれる材料と等しい材料を含
    み、 前記背部層の前記非磁性層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項4
    に記載の磁気抵抗効果型素子。
  6. 【請求項6】前記強磁性材料は、少なくとも、CoFe
    を含む請求項1に記載の磁気抵抗効果型素子。
  7. 【請求項7】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む請
    求項1に記載の磁気抵抗効果型素子。
  8. 【請求項8】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単体
    またはその合金で形成されている請求項1に記載の磁気
    抵抗効果型素子。
  9. 【請求項9】前記反強磁性層は、不規則系反強磁性体で
    形成されている請求項1に記載の磁気抵抗効果型素子。
  10. 【請求項10】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項9に記載の磁気抵抗効果型素子。
  11. 【請求項11】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項1に記載の磁気抵抗効果型
    素子。
  12. 【請求項12】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項1に記載の磁気抵抗効果型
    素子。
  13. 【請求項13】金属導電性材料からなる背部層と、 前記背部層の上に積層された反強磁性層と、 前記反強磁性層の上に積層され、前記反強磁性層により
    磁化が固定され、強磁性材料からなる固定層と、 前記固定層の上に積層された非磁性材料からなるスペー
    サ層と、 前記スペーサ層の上に積層され外部磁界に応じて磁化方
    向が変化する軟磁性材料からなる自由層とを有する磁気
    抵抗効果型素子。
  14. 【請求項14】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    固定層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項13に
    記載の磁気抵抗効果型素子。
  15. 【請求項15】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項1
    3に記載の磁気抵抗効果型素子。
  16. 【請求項16】前記背部層は、強磁性層と非磁性層とを
    含む多層膜で形成されている請求項13に記載の磁気抵
    抗効果型素子。
  17. 【請求項17】前記背部層の前記強磁性層の少なくとも
    一部には、前記固定層に含まれる材料と等しい材料を含
    み、 前記背部層の前記非磁性層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項1
    6に記載の磁気抵抗効果型素子。
  18. 【請求項18】前記強磁性材料は、少なくとも、CoF
    eを含む請求項13に記載の磁気抵抗効果型素子。
  19. 【請求項19】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む
    請求項13に記載の磁気抵抗効果型素子。
  20. 【請求項20】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単
    体またはその合金で形成されている請求項13に記載の
    磁気抵抗効果型素子。
  21. 【請求項21】前記反強磁性層は、不規則系反強磁性体
    で形成されている請求項13に記載の磁気抵抗効果型素
    子。
  22. 【請求項22】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項21に記載の磁気抵抗効果型素子。
  23. 【請求項23】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項13に記載の磁気抵抗効果
    型素子。
  24. 【請求項24】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項13に記載の磁気抵抗効果
    型素子。
  25. 【請求項25】金属導電性材料からなる第1の背部層
    と、 前記第1の背部層の上に積層された第1の反強磁性層
    と、 前記第1の反強磁性層の上に積層され、前記第1の反強
    磁性層により磁化が固定され、強磁性材料からなる第1
    の固定層と、 前記第1の固定層の上に積層された非磁性材料からなる
    第1のスペーサ層と、 前記第1のスペーサ層の上に積層され外部磁界に応じて
    磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由層と、 前記自由層の上に積層された非磁性材料からなる第2の
    スペーサ層と、 前記第2のスペーサ層の上に積層され強磁性材料からな
    る第2の固定層と、 前記第2の固定層の上に積層され、前記第2の固定層の
    磁化を固定し、反強磁性材料からなる第2の反強磁性層
    と、 前記第2の反強磁性層の上に積層され金属導電性材料か
    らなる第2の背部層とを有する磁気抵抗効果型素子。
  26. 【請求項26】前記第1および第2の背部層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2の固定層に含まれる材
    料と等しい材料を含む請求項25に記載の磁気抵抗効果
    型素子。
  27. 【請求項27】前記第1および第2の背部層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2のスペーサ層に含まれ
    る材料と等しい材料を含む請求項25に記載の磁気抵抗
    効果型素子。
  28. 【請求項28】前記第1および第2の背部層は、強磁性
    層と非磁性層とを含む多層膜で形成されている請求項2
    5に記載の磁気抵抗効果型素子。
  29. 【請求項29】前記第1および第2の背部層の前記強磁
    性層の少なくとも一部には、前記第1および第2の固定
    層に含まれる材料と等しい材料を含み、 前記第1および第2の背部層の前記非磁性層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2のスペーサ層に含まれ
    る材料と等しい材料を含む請求項28に記載の磁気抵抗
    効果型素子。
  30. 【請求項30】前記強磁性材料は、少なくとも、CoF
    eを含む請求項25に記載の磁気抵抗効果型素子。
  31. 【請求項31】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む
    請求項25に記載の磁気抵抗効果型素子。
  32. 【請求項32】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単
    体またはその合金で形成されている請求項25に記載の
    磁気抵抗効果型素子。
  33. 【請求項33】前記第1および第2の反強磁性層は、不
    規則系反強磁性体で形成されている請求項25に記載の
    磁気抵抗効果型素子。
  34. 【請求項34】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項33に記載の磁気抵抗効果型素子。
  35. 【請求項35】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項25に記載の磁気抵抗効果
    型素子。
  36. 【請求項36】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項25に記載の磁気抵抗効果
    型素子。
  37. 【請求項37】磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気
    抵抗効果型ヘッドであって、 前記磁気抵抗効果型素子は、外部磁界に応じて磁化方向
    が変化する軟磁性材料からなる自由層と、 前記自由層の上に積層された非磁性材料からなるスペー
    サ層と、 前記スペーサ層の上に積層された強磁性材料からなる固
    定層と、 前記固定層の上に積層され反強磁性材料からなり前記固
    定層の磁化を固定する反強磁性層と、 前記反強磁性層の上に積層された金属導電性材料からな
    る背部層とを有する磁気抵抗効果型ヘッド。
  38. 【請求項38】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    固定層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項37に
    記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  39. 【請求項39】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項3
    7に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  40. 【請求項40】前記背部層は、強磁性層と非磁性層とを
    含む多層膜で形成されている請求項37に記載の磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  41. 【請求項41】前記背部層の前記強磁性層の少なくとも
    一部には、前記固定層に含まれる材料と等しい材料を含
    み、 前記背部層の前記非磁性層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項4
    0に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  42. 【請求項42】前記強磁性材料は、少なくとも、CoF
    eを含む請求項37に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  43. 【請求項43】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む
    請求項37に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  44. 【請求項44】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単
    体またはその合金で形成されている請求項37に記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  45. 【請求項45】前記反強磁性層は、不規則系反強磁性体
    で形成されている請求項37に記載の磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  46. 【請求項46】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項45に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  47. 【請求項47】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項37に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  48. 【請求項48】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項37に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  49. 【請求項49】磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気
    抵抗効果型ヘッドであって、 前記磁気抵抗効果型素子は、金属導電性材料からなる背
    部層と、 前記背部層の上に積層された反強磁性層と、 前記反強磁性層の上に積層され、前記反強磁性層により
    磁化が固定され、強磁性材料からなる固定層と、 前記固定層の上に積層された非磁性材料からなるスペー
    サ層と、 前記スペーサ層の上に積層され外部磁界に応じて磁化方
    向が変化する軟磁性材料からなる自由層とを有する磁気
    抵抗効果型ヘッド。
  50. 【請求項50】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    固定層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項49に
    記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  51. 【請求項51】前記背部層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項4
    9に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  52. 【請求項52】前記背部層は、強磁性層と非磁性層とを
    含む多層膜で形成されている請求項49に記載の磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  53. 【請求項53】前記背部層の前記強磁性層の少なくとも
    一部には、前記固定層に含まれる材料と等しい材料を含
    み、 前記背部層の前記非磁性層の少なくとも一部には、前記
    スペーサ層に含まれる材料と等しい材料を含む請求項5
    2に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  54. 【請求項54】前記強磁性材料は、少なくとも、CoF
    eを含む請求項49に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  55. 【請求項55】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む
    請求項49に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  56. 【請求項56】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単
    体またはその合金で形成されている請求項49に記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  57. 【請求項57】前記反強磁性層は、不規則系反強磁性体
    で形成されている請求項49に記載の磁気抵抗効果型ヘ
    ッド。
  58. 【請求項58】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項57に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  59. 【請求項59】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項49に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  60. 【請求項60】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項49に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  61. 【請求項61】磁気抵抗効果型素子を感磁部とする磁気
    抵抗効果型ヘッドであって、 前記磁気抵抗効果型素子は、金属導電性材料からなる第
    1の背部層と、 前記第1の背部層の上に積層された第1の反強磁性層
    と、 前記第1の反強磁性層の上に積層され、前記第1の反強
    磁性層により磁化が固定され、強磁性材料からなる第1
    の固定層と、 前記第1の固定層の上に積層された非磁性材料からなる
    第1のスペーサ層と、 前記第1のスペーサ層の上に積層され外部磁界に応じて
    磁化方向が変化する軟磁性材料からなる自由層と、 前記自由層の上に積層された非磁性材料からなる第2の
    スペーサ層と、 前記第2のスペーサ層の上に積層され強磁性材料からな
    る第2の固定層と、 前記第2の固定層の上に積層され、前記第2の固定層の
    磁化を固定し、反強磁性材料からなる第2の反強磁性層
    と、 前記第2の反強磁性層の上に積層され金属導電性材料か
    らなる第2の背部層とを有する磁気抵抗効果型ヘッド。
  62. 【請求項62】前記第1および第2の背部層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2の固定層に含まれる材
    料と等しい材料を含む請求項61に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  63. 【請求項63】前記第1および第2の背部層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2のスペーサ層に含まれ
    る材料と等しい材料を含む請求項61に記載の磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  64. 【請求項64】前記第1および第2の背部層は、強磁性
    層と非磁性層とを含む多層膜で形成されている請求項6
    1に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  65. 【請求項65】前記第1および第2の背部層の前記強磁
    性層の少なくとも一部には、前記第1および第2の固定
    層に含まれる材料と等しい材料を含み、 前記第1および第2の背部層の前記非磁性層の少なくと
    も一部には、前記第1および第2のスペーサ層に含まれ
    る材料と等しい材料を含む請求項64に記載の磁気抵抗
    効果型ヘッド。
  66. 【請求項66】前記強磁性材料は、少なくとも、CoF
    eを含む請求項61に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  67. 【請求項67】前記強磁性材料は、Co系の材料を含む
    請求項61に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  68. 【請求項68】前記非磁性材料は、Cu,Ag,Au単
    体またはその合金で形成されている請求項61に記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  69. 【請求項69】前記第1および第2の反強磁性層は、不
    規則系反強磁性体で形成されている請求項61に記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  70. 【請求項70】前記不規則系反強磁性体は、Mn系の材
    料を含む請求項69に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  71. 【請求項71】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略垂直方向である請求項61に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  72. 【請求項72】通電時のセンス電流の方向が積層面に対
    して略水平方向である請求項61に記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
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