JP2003123854A - 有機色素増感型金属酸化物半導体電極及びその製造方法、並びにこの半導体電極を有する太陽電池 - Google Patents

有機色素増感型金属酸化物半導体電極及びその製造方法、並びにこの半導体電極を有する太陽電池

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JP2003123854A
JP2003123854A JP2001314334A JP2001314334A JP2003123854A JP 2003123854 A JP2003123854 A JP 2003123854A JP 2001314334 A JP2001314334 A JP 2001314334A JP 2001314334 A JP2001314334 A JP 2001314334A JP 2003123854 A JP2003123854 A JP 2003123854A
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electrode
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organic dye
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JP2001314334A
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Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Taichi Kobayashi
太一 小林
Itsuo Tanuma
逸夫 田沼
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    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低温で簡易に得られる金属酸化物導電体膜を
有する有機色素増感型金属酸化物半導体電極及びこれを
有する太陽電池を提供すること。 【解決手段】 表面に透明電極2を有する基板1、その
透明電極上に形成された金属酸化物半導体膜3、及びそ
の半導体膜表面に吸着した有機色素を含む有機色素増感
型金属酸化物半導体電極において、前記金属酸化物半導
体が、気相成膜法により形成されていることを特徴とす
る有機色素増感型金属酸化物半導体電極及びこれを有す
る太陽電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機色素増感型太
陽電池に有利に使用することができる有機色素増感型金
属酸化物半導体電極及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、資源の有効利用や
環境汚染の防止等の面から、太陽光を直接電気エネルギ
ーに変換する太陽電池が注目され、開発が進められてい
る。
【0003】太陽電池は、光電変換材料として、結晶性
シリコン、アモルファスシリコンを用いたものが主流で
ある。しかしながら、このような結晶性シリコン等を形
成するには多大なエネルギーを要し、従ってシリコンの
利用は、太陽光を利用する省エネルギー電池である太陽
電池の本来の目的とは相反するものとなっている。また
多大なエネルギーを使用する結果として、光電変換材料
としてシリコンを用いる太陽電池は高価なものと成らざ
るを得ない。
【0004】光電変換材料は、電極間の電気化学反応を
利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する材料
である。例えば、光電変換材料に光を照射すると、一方
の電極側で電子が発生し、対電極に移動する。対電極に
移動した電子は、電解質中をイオンとして移動して一方
の電極にもどる。すなわち、光電変換材料は光エネルギ
ーを電気エネルギーとして連続して取り出せる材料であ
り、このため太陽電池に利用される。
【0005】光電変換材料として、シリコンを用いず、
有機色素で増感された酸化物半導体を用いた太陽電池が
知られている。Nature, 268 (1976), 402頁に、酸化亜
鉛粉末を圧縮成形し、1300℃で1時間焼結して形成
した焼結体ディスク表面に有機色素としてローズベンガ
ルを吸着させた金属酸化物半導体電極を用いた太陽電池
が提案されている。この太陽電池の電流/電圧曲線は、
0.2Vの起電圧時の電流値は約25μA程度と非常に
低く、その実用化は殆ど不可能と考えられるものであっ
た。しかしながら、前記シリコンを用いる太陽電池とは
異なり、使用される酸化物半導体及び有機色素はいずれ
も大量生産されており、且つ比較的安価なものであるこ
とから、材料の点からみると、この太陽電池は非常に有
利であることは明らかである。
【0006】光電変換材料として、前記のように有機色
素で増感された酸化物半導体を用いた太陽電池として
は、前記のもの以外に、たとえば、特開平1−2203
80号公報に記載の金属酸化物半導体の表面に、遷移金
属錯体などの分光増感色素層を有するもの、また、特表
平5−504023号に記載の、金属イオンでドープし
た酸化チタン半導体層の表面に、遷移金属錯体などの分
光増感色素層を有するものが知られている。
【0007】上記太陽電池は実用性のある電流/電圧曲
線が得られない。電流/電圧曲線が実用性レベルに達し
た分光増感色素層を有する太陽電池として、特開平10
−92477号公報に、酸化物半導体微粒子集合体の焼
成物からなる酸化物半導体膜を用いた太陽電池が開示さ
れている。このような半導体膜は、酸化物半導体微粉末
のスラリーを透明電極上に塗布し、乾燥させ、その後5
00℃、1時間程度で焼成させることにより形成してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平10−92
477号公報の太陽電池では、いわゆるゾルゲル法によ
り、酸化物半導体微粒子集合体の焼成物の酸化物半導体
膜を形成している。このような形成方法は、塗布後、高
温で長時間の加熱が必要なため、基材、透明電極にも耐
熱性が要求される。通常の透明電極であるITO等で
は、このような耐熱性を有していないため、特に耐熱性
に優れた透明電極であるフッ素ドープ酸化スズを用いる
必要があるが、フッ素ドープ酸化スズは、導電性が劣
り、太陽電池のような大面積を必要とする用途には不適
当である。
【0009】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、低温で簡易に得られる金属酸化物導電体膜を有
する有機色素増感太陽電池及びこの電池に有用な有機色
素増感型金属酸化物半導体電極を提供することにある。
【0010】また、本発明の目的は、透明電極との接着
性に優れ、また色素吸着性に優れ、さらに高効率、高寿
命の有機色素増感太陽電池及びこの電池に有用な有機色
素増感型金属酸化物半導体電極を提供することにある。
【0011】さらに本発明の目的は、上記有機色素増感
型金属酸化物半導体電極の製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に透明電
極を有する基板、その透明電極上に形成された金属酸化
物半導体膜、及びその半導体膜表面に吸着した有機色素
を含む有機色素増感太陽電池において、前記金属酸化物
半導体膜が、気相成膜法により形成されていることを特
徴とする有機色素増感型金属酸化物半導体電極;及び上
記の有機色素増感型金属酸化物半導体電極と、この電極
に対向して設けられた対電極とからなり、さらに両電極
間にレッドクス電解質が注入されてなる有機色素増感型
太陽電池にある。
【0013】上記有機色素増感型金属酸化物半導体電極
及び太陽電池において、前記気相成膜法が、物理蒸着
法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、CVD法またはプラズマCVD法であることが
好ましい。金属酸化物半導体膜が、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化タン
グステン又は酸化インジウム、或いはこれらの金属酸化
物に他の金属若しくは他の金属酸化物をドーピングした
ものであることが好ましい。特に酸化チタンで、とりわ
けアナタース型酸化チタンであることが好ましい。金属
酸化物半導体膜の膜厚が、10nm以上であることが好
ましい。
【0014】上記有機色素増感型金属酸化物半導体電極
は、表面に透明電極を有する基板の該透明電極上に、タ
ーゲットとして金属及び/又は金属酸化物を用いて、気
相成膜法により金属酸化物半導体膜を形成し、その半導
体膜表面に有機色素を吸着させることを特徴とする製造
方法により有利に得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
有機色素増感型金属酸化物半導体電極及び太陽電池の実
施の形態を詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の有機色素増感太陽電池の実
施形態の一例を示す断面図である。
【0017】図1において、基板1、その上に透明電極
2が設けられ、透明電極上に分光増感色素を吸着させた
金属酸化物半導体膜3が形成され、その上方に透明電極
と対向して対電極4が設置されており、側部が封止剤5
により封止され、さらに金属酸化物半導体膜3と対電極
4との間に電解質(色素溶液)6が封入されている。な
お、本発明の金属酸化物半導体電極は、上記基板1、そ
の上に透明電極2及び、透明電極上に分光増感色素を吸
着させた金属酸化物半導体膜3から基本的に構成され
る。
【0018】本発明の金属酸化物半導体電極及びこれを
有する有機色素増感型太陽電池は、基板上の透明電極に
設けられる金属酸化物半導体膜3が、気相成膜法によ
り、低温で形成されるため、透明電極として特に耐熱性
に優れた材料を使用する必要が無く、所望の材料を使用
することができる。また基板についても、通常ガラスが
用いられるが、このガラスのような耐熱性を持っていな
い他の材料(例、プラスチック)を使用することもでき
る。さらに、本発明の気相成膜法により形成される金属
酸化物半導体膜3は、微細な結晶構造を有する薄膜であ
るため、色素吸着性能が向上しており、これにより高効
率、高安定性、高寿命を満足する太陽電池を得ることが
できる。
【0019】上記基板1としては、通常ガラス板であ
り、通常珪酸塩ガラスである。しかしながら、可視光線
の透過性を確保できる限り、種々のプラスチック基板等
を使用することができる。基板の厚さは、0.1〜10
mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラ
ス板は、化学的に、或いは熱的に強化させたものが好ま
しい。
【0020】上記透明電極2としては、InやS
nOの導電性金属酸化物薄膜を形成したものや金属等
の導電性材料からなる基板が用いられる。導電性金属酸
化物の好ましい例としては、In:Sn(IT
O)、SnO:Sb、SnO :F、ZnO:Al、
ZnO:F、CdSnOを挙げることができる。
【0021】上記透明電極上には、光電変換材料用半導
体である、分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体
膜が形成される。本発明の金属酸化物半導体としては、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化アンチ
モン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化インジウ
ム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化
カドミウムなどの公知の半導体の一種または二種以上を
用いることができる。特に、安定性、安全性の点から酸
化チタンが好ましい。酸化チタンとしてはアナタース型
酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、
メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の酸化チタン
あるいは水酸化チタン、含水酸化チタンが含まれる。本
発明ではアナタース型酸化チタンが好ましい。また金属
酸化物半導体膜は微細な結晶構造を有することが好まし
い。また多孔質膜であることも好ましい。金属酸化物半
導体の膜厚が、10nm以上であることが一般的であ
り、100〜1000nmが好ましい。
【0022】本発明では、金属酸化物半導体膜は、気相
成膜法(真空成膜法)、例えば物理蒸着法、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
D法またはプラズマCVD法、或いは2極スパッタリン
グ、高周波スパッタリングにより形成されている。特
に、スパッタリング法、電子ビーム加熱型真空蒸着法、
電子ビーム加熱型イオンプレーティング法が好適で、と
りわけスパッタリング法が好ましい。気相成膜の際、タ
ーゲットに金属、金属酸化物が使用されるが、高純度の
金属酸化物の使用が好ましい。
【0023】前記のようにして得られた基板上の酸化物
半導体膜表面に、有機色素(分光増感色素)を単分子膜
として吸着させる。
【0024】分光増感色素は、可視光領域および/また
は赤外光領域に吸収を持つものであり、本発明では、種
々の金属錯体や有機色素の一種または二種以上を用いる
ことができる。分光増感色素の分子中にカルボキシル
基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン
基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが半導
体への吸着が早いため、本発明では好ましい。また、分
光増感の効果や耐久性に優れているため、金属錯体が好
ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニ
ルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフ
ィル、ヘミン、特開平1−220380号公報、特許出
願公表平5−504023号公報に記載のルテニウム、
オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を用いることができる。有
機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニ
ン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、ト
リフェニルメタン色素を用いることができる。シアニン
系色素としては、具体的には、NK1194、NK34
22(いずれも日本感光色素研究所(株)製)が挙げら
れる。メロシアニン系色素としては、具体的には、NK
2426、NK2501(いずれも日本感光色素研究所
(株)製)が挙げられる。キサンテン系色素としては、
具体的には、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ロ
ーダミンB、ジブロムフルオレセインが挙げられる。ト
リフェニルメタン色素としては、具体的には、マラカイ
トグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。
【0025】有機色素(分光増感色素)を導電体膜に吸
着させるこのためには、有機色素を有機溶媒に溶解させ
て形成した有機色素溶液中に、常温又は加熱下に酸化物
半導体膜を基板ととも浸漬すればよい。前記の溶液の溶
媒としては、使用する分光増感色素を溶解するものであ
ればよく、具体的には、水、アルコール、トルエン、ジ
メチルホルムアミドを用いることができる。
【0026】このようにして、本発明の有機色素増感型
金属酸化物半導体電極(光電変換材料用半導体)を得
る。
【0027】このようにして得られた基板上に、透明電
極及び有機色素吸着金属酸化物半導体が形成された有機
色素増感型金属酸化物半導体電極を用いて、太陽電池を
作製する。すなわち、透明電極(透明性導電膜)をコー
トしたガラス板などの基板上に光電変換材料用半導体膜
を形成して電極とし、次に、対電極として別の透明性導
電膜をコートしたガラス板などの基板を封止剤により接
合させ、これらの電極間に電解質を封入して太陽電池と
することができる。
【0028】本発明の半導体膜に吸着した分光増感色素
に太陽光を照射すると、分光増感色素は可視領域の光を
吸収して励起する。この励起によって発生する電子は半
導体に移動し、次いで、透明導電性ガラス電極を通って
対電極に移動する。対電極に移動した電子は、電解質中
の酸化還元系を還元する。一方、半導体に電子を移動さ
せた分光増感色素は、酸化体の状態になっているが、こ
の酸化体は電解質中の酸化還元系によって還元され、元
の状態に戻る。このようにして、電子が流れ、本発明の
光電変換材料用半導体を用いた太陽電池を構成すること
ができる。
【0029】上記電解質(レドックス電解質)として
は、I/I 系や、Br/Br 系、キノン/
ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドック
ス電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、
例えば、I/I 系の電解質は、ヨウ素のアンモニ
ウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができ
る。電解質は、液体電解質又はこれを高分子物質中に含
有させた固体高分子電解質であることができる。液体電
解質において、その溶媒としては、電気化学的に不活性
なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロ
ピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。対極と
しては、導電性を有するものであればよく、任意の導電
性材料が用いられるが、I イオン等の酸化型のレド
ックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能
を持ったものの使用が好ましい。このようなものとして
は、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を
施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテ
ニウム、カーボン等が挙げられる。
【0030】本発明の太陽電池は、前記酸化物半導体電
極、電解質及び対極をケース内に収納して封止するが、
それら全体を樹脂封止しても良い。この場合、その酸化
物半導体電極には光があたる構造とする。このような構
造の電池は、その酸化物半導体電極に太陽光又は太陽光
と同等な可視光をあてると、酸化物半導体電極とその対
極との間に電位差が生じ、両極間に電流が流れるように
なる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明についてさらに
詳述する。
【0032】[実施例1] (1)透明電極の作製 スパッタリング装置を用いて、透明電極膜を作製した。
【0033】5×5cmのガラス基板(厚さ:2mm)
上に、100mmφのITO(インジウム−スズ酸化
物)のセラミックターゲットを用い、アルゴンガスを1
0cc/分、酸素ガスを1.5cc/分で供給しなが
ら、装置内の圧力を5ミリトール(mTorr)に設定し、供
給電力500Wの条件で5分間スパッタリングを行い、
厚さ3000ÅのITO膜を形成した。表面抵抗は10
Ω/□であった。 (2)金属酸化物半導体膜の作製 電子ビーム加熱型真空蒸着装置を用いて、上記のITO
透明電極ガラス上に酸化チタン薄膜を以下のようにして
形成した。純度99.99%の酸化チタンペレットを電
子ビーム蒸着源に入れ、電流250mAの条件で蒸着さ
せ、3000Åの酸化チタン膜を形成した。 (3)分光増感色素の吸着 シス−ジ(チオシアナト)−ビス(2,2’−ビピリジ
ル−4−ジカルボキシレート−4’−テトラブチルアン
モニウムカルボキシレート)ルテニウム(II)で表され
る分光増感色素をエタノール液に溶解した。この分光増
感色素の濃度は3×10−4モル/lであった。次に、
このエタノールの液体に、膜状の酸化チタンを形成した
前記の基板を入れ、室温で18時間浸漬して、本発明の
金属酸化物半導体電極を得た。この試料の分光増感色素
の吸着量は、酸化チタン膜の比表面積1cmあたり1
0μgであった。 (4)太陽電池の作製 前記の金属酸化物半導体電極を一方の電極として備え、
対電極として、フッ素をドープした酸化スズをコート
し、さらにその上に白金を担持した透明導電性ガラス板
を用いた。2つの電極の間に電解質を入れ、この側面を
樹脂で封入した後、リード線を取付けて、本発明の太陽
電池を作製した。なお、前記の電解質は、アセトニトリ
ルの溶媒に、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−
プロピルイミダゾリウムアイオダイド、ヨウ素及びt−
ブチルピリジンを、それぞれの濃度が0.1モル/l、
0.3モル/l、0.05モル/l、0.5モル/lと
なるように溶解したものを用いた。得られた太陽電池
に、ソーラーシュミレーターで100W/m の強度
の光を照射したところ、Voc(開回路状態の電圧)は
0.58Vであり、Joc(回路を短絡したとき流れる
電流の密度)は1.28mA/cm であり、FF
(曲線因子)は0.53であり、η(変換効率)は3.
96%であった。これは太陽電池として有用であること
がわかった。
【0034】[実施例2]金属酸化物半導体膜の作製
(2)を下記のように行った以外、実施例1と同様にし
て太陽電池を作製した。 (2)金属酸化物半導体膜の作製 電子ビーム加熱型真空蒸着装置を用いて、上記のITO
透明電極上に酸化チタン薄膜を以下のようにして形成し
た。純度99.99%の酸化チタンペレットを電子ビー
ム蒸着源に入れ、電流250mAの条件で蒸着させ、3
000Åの酸化チタン膜を形成した。得られたものを、
電気炉に入れ、500℃で30分間熱処理を行った。
【0035】得られた太陽電池に、ソーラーシュミレー
ターで100W/m の強度の光を照射したところ、
Voc(開回路状態の電圧)は0.61Vであり、Jo
c(回路を短絡したとき流れる電流の密度)は1.32
mA/cm であり、FF(曲線因子)は0.53で
あり、η(変換効率)は4.26%であり、太陽電池と
して有用であることがわかった。
【0036】[比較例1]金属酸化物半導体膜の作製
(2)を下記のように行った以外、実施例1と同様にし
て太陽電池を作製した。 (2)金属酸化物半導体膜の作製 チタン粉末(P−25、日本アエロジル(株)製)6g
を、脱イオン水8ml、アセチルアセトン0.2ml及
び界面活性剤0.2mlを、均一に分散し、ITO透明
電極上に塗布し、500℃で1時間焼成し、10μmの
厚さの半導体電極を得た。
【0037】この半導体の分光増感色素の吸着量は、酸
化チタンの表面積1cm2当たり10μgであった。
【0038】得られた太陽電池に、ソーラーシュミレー
ターで100W/m の強度の光を照射したところ、
Voc(開回路状態の電圧)は0.62Vであり、Jo
c(回路を短絡したとき流れる電流の密度)は1.00
mA/cm であり、FF(曲線因子)は0.56で
あり、η(変換効率)は3.50%であった。これは前
記実施例の太陽電池に比較して、太陽電池として有用で
あるとは言えない。
【0039】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の有機
色素増感型金属酸化物半導体電極を有する太陽電池は、
低温で簡易に得られる金属酸化物導電体膜を有する有機
色素増感太陽電池であり、且つ太陽電池としての十分な
性能を備えている。即ち、本発明の太陽電池は、特に色
素吸着性に優れ、さらに高効率、高寿命の有機色素増感
太陽電池である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の実施形態の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 透明電極 3 分光増感色素を吸着させた金属酸化物半導体膜 4 対電極 5 封止剤 6 電解質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA01 AA09 BA13 CB12 CB15 FA02 GA03 HA04 5H032 AA06 AS06 AS16 BB05 EE07 EE16 EE17 HH04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に透明電極を有する基板、その透明
    電極上に形成された金属酸化物半導体膜、及びその半導
    体膜表面に吸着した有機色素を含む有機色素増感型金属
    酸化物半導体電極において、前記金属酸化物半導体膜
    が、気相成膜法により形成されていることを特徴とする
    有機色素増感型金属酸化物半導体電極。
  2. 【請求項2】 気相成膜法が、物理蒸着法、真空蒸着
    法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
    D法またはプラズマCVD法である請求項1に記載の半
    導体電極。
  3. 【請求項3】 金属酸化物半導体膜が、酸化チタン、酸
    化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化
    タングステン又は酸化インジウム、或いはこれらの金属
    酸化物に他の金属若しくは他の金属酸化物をドーピング
    したものである請求項1又は2に記載の半導体電極。
  4. 【請求項4】 金属酸化物半導体膜が、酸化チタンであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の半導体電極。
  5. 【請求項5】 金属酸化物半導体膜が、アナタース型酸
    化チタンである請求項1〜4のいずれかに記載の半導体
    電極。
  6. 【請求項6】 金属酸化物半導体の膜厚が、10nm以
    上である請求項1〜5のいずれかに記載の半導体電極。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載の有機色素増感型金
    属酸化物半導体電極と、この電極に対向して設けられた
    対電極とからなり、さらに両電極間にレッドクス電解質
    が注入されてなる有機色素増感型太陽電池。
  8. 【請求項8】 表面に透明電極を有する基板の該透明電
    極上に、ターゲットとして金属及び/又は金属酸化物を
    用いて、気相成膜法により金属酸化物半導体膜を形成
    し、その半導体膜表面に有機色素を吸着させることを特
    徴とする有機色素増感型金属酸化物半導体電極の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 気相成膜法が、物理蒸着法、真空蒸着
    法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CV
    D法またはプラズマCVD法である請求項8に記載の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物半導体膜が、酸化チタン、
    酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸
    化タングステン又は酸化インジウム、、或いはこれらの
    金属酸化物に他の金属若しくは他の金属酸化物をドーピ
    ングしたものである請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 金属酸化物半導体膜が、酸化チタンで
    ある請求項8〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 金属酸化物半導体膜が、アナタース型
    酸化チタンである請求項8〜11のいずれかに記載の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 金属酸化物半導体膜の膜厚が、10n
    m以上である請求項8〜12のいずれかに記載の製造方
    法。
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