JP2003121848A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003121848A
JP2003121848A JP2001315114A JP2001315114A JP2003121848A JP 2003121848 A JP2003121848 A JP 2003121848A JP 2001315114 A JP2001315114 A JP 2001315114A JP 2001315114 A JP2001315114 A JP 2001315114A JP 2003121848 A JP2003121848 A JP 2003121848A
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Nobukazu Nagae
伸和 長江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 階調反転の発生を抑えた、優れた視角特性を
有するOCBモードの液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 一対の基板14aおよび14bと、一対
の基板の間に設けられた液晶層12と、液晶層12の両
側に設けられた一対の偏光板34aおよび34bと、一
対の偏光板と液晶層との間に設けられた少なくとも1つ
の位相差補償素子(22a、22b、24a、24b)
とを有し、OCBモードで表示を行う。位相差補償素子
は、負の一軸性の第1位相差層(24a、24b)を有
し、且つ、位相差補償素子の液晶層の法線方向のリタデ
ーションの合計Rthfと液晶層の黒表示時の面内リタ
デーションReとの関係が、8.0≦Rthf/Re≦
9.7を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に、OCBモードの液晶表示装置に関する。
【従来の技術】ワードプロセッサやデスクトップパソコ
ン等のOA機器の表示装置の主流であるCRTは、薄型
軽量、低消費電力という大きな利点をもった液晶表示装
置に代わられつつある。また、最近では、CRT代替の
表示装置としての期待が高まり、大型の液晶表示装置
(液晶ディスプレイ)が開発され、製品化されている。
このような画面の大型化に伴い、液晶表示装置に対し
て、より一層の広視角化が要求されるようになってき
た。
【0002】このような広視角を実現する表示モードは
いくつかあるが、なかでもOCB(Optically
Compensated Birefringenc
e)モードは、そのスイッチング速度が数msec程度
と高速であるため、動画表示用の表示装置として注目さ
れている。
【0003】このOCBモードの液晶表示装置において
は、液晶層の液晶分子はベンド配向しており、液晶層に
印加する電圧の大きさにより液晶層の実効的なリタデー
ションを変化させることによって、透過光量を変化させ
て表示を行っている。
【0004】特開平7−49509号公報には、ベンド
配向の液晶層を有する液晶セルに負の位相差を有する部
材を付加し、駆動電圧を低下させるとともに、視角特性
を拡大する技術が開示されている。これにより液晶分子
の配向方向を含む面内において階調反転が起こらない視
角範囲が位相差板の無い場合に比べ広がっている。しか
しながら、黒表示の視角依存性は依然として大きいた
め、表示面法線方向(液晶層の法線方向に平行)からの
傾き角(視角)が大きくなるにつれて表示に黒浮きが発
生してしまう。
【0005】なお、負の位相差を発生させる部材として
は、正の複屈折媒体を液晶セルの光軸と直交させる、あ
るいは負の複屈折媒体を液晶セルの光軸に平行に配置さ
せるなどが考えられるが、この公報にはそれらに関して
詳細な開示は無い。また、負の位相差を発生させる部材
として特開平9−197397号公報に開示されている
ようにディスコティック液晶化合物がハイブリッド配向
した位相差フィルムも考えられる。
【0006】また、特開平11−212078号公報に
記載されているように、透明フィルムとディスコティッ
ク化合物を含む光学異方性層とを有する光学補償フィル
ムを用い、液晶セルの正面リタデーションを補正するよ
うに透明フィルムの光学特性を調整することによって、
視角特性を改善する試みもなされている。
【0007】さらに、特開平11−271259号公報
は、ベンド配向の液晶層を有する液晶セルに一軸性位相
差フィルムを付加することにって、黒表示の視角依存
性、特に液晶分子の配向方向(遅相軸)に直交する方向
における黒表示の視角依存性を改善した液晶表示装置を
開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討によると、上記特開平11−271259号公
報に記載されている技術は、黒表示状態の視角依存性を
改善することによって、コントラスト比の視角依存性は
改善されるものの、他の階調表示状態の視角依存性は十
分に改善されない。特に液晶層の遅相軸と直交する方向
(方位角方向)において、階調反転が起こるという問題
点を有している。また、この階調反転は、特に白に近い
側の中間調において顕著となる。
【0009】本発明は上記諸点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、階調反転の発生を抑えた、優れた視
角特性を有するOCBモードの液晶表示装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶表示装
置は、一対の基板と、前記一対の基板の間に設けられた
液晶層と、前記液晶層の両側に設けられた一対の偏光板
と、前記一対の偏光板と前記液晶層との間に設けられた
少なくとも1つの位相差補償素子とを有し、OCBモー
ドで表示を行う液晶表示装置であって、前記位相差補償
素子は、負の一軸性の第1位相差層を有し、且つ、前記
位相差補償素子の前記液晶層の法線方向のリタデーショ
ンの合計Rthfと黒表示状態における前記液晶層の面
内リタデーションReとの関係が、8.0≦Rthf/
Re≦9.7を満足することを特徴とし、そのことによ
って上記目的が達成される。
【0011】前記液晶層は黒表示状態においてベンド配
向をとり、黒表示状態における前記液晶層の面内リタデ
ーションReが50nm以上120nm以下の範囲にあ
ることが好ましい。
【0012】前記位相差補償素子は、屈折率異方性が負
の第2位相差層を有し、前記第2位相差層の主軸は、前
記液晶層の遅相軸を含む面内にあって、前記液晶層の法
線方向に対して傾斜していることが好ましい。
【0013】前記第2位相差層の前記主軸は、前記液晶
層の層面に対して、30°以上38°以下の角度で傾斜
していることが好ましい。
【0014】前記第2位相差層は、ディスコティック液
晶化合物を含む構成であってよい。
【0015】前記ディスコティック液晶化合物は、配向
膜によって配向させられていることが好ましい。
【0016】本発明による液晶表示装置は、ノーマリー
ホワイトモードで表示を行うことが好ましい。
【0017】本発明は、従来検討されていなかったOC
Bモードの液晶表示装置の液晶層の残留リタデーション
が視角依存性に及ぼす影響を検討した結果なされたもの
であり、本発明のOCBモードの液晶表示装置が備える
位相差補償素子は、負の一軸性の第1位相差層を有し、
且つ、位相差補償素子の液晶層の法線方向のリタデーシ
ョンの合計Rthfと液晶層の黒表示時の面内リタデー
ションReとの関係が、8.0≦Rthf/Re≦9.
7を満足するので、コントラスト比を十分なレベルに維
持しつつ、中間調表示における階調反転を抑制すること
ができる。この位相差補償素子は、液晶層を挟んで両側
に配置される一対の位相差補償素子として配置され、全
体として上記条件を満足するように構成されることが好
ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態による液晶表示装置の構成と動作を説明す
る。図1に本発明の実施形態による液晶表示装置100
の構成を模式的に示す。
【0019】液晶表示装置100は、液晶セル10と、
その両側に配置された偏光板32aおよび32bと、偏
光板32aと液晶セル10との間に設けられた位相差層
22aおよび24aと、偏光板32bと液晶セル10と
の間に設けられた位相差層22bおよび24bとを有し
ている。偏光板32bの液晶層12とは反対側(図の下
側)にはバックライト(不図示)が設けられている。な
お、ここでは、偏光板32aおよび23bはそれぞれ偏
光機能だけを有し、位相差を有しないものとする。一般
に市販されている偏光板は、偏光機能を有する層の他に
支持層などを有しており、これらは位相差を有してい
る。ここでは、偏光板の支持層などが有する位相差は、
位相差補償素子が有する位相差として扱う。また、位相
差層22aと24a、および位相差層22bと24bと
は、それぞれ一体に形成されてよい。さらに、全ての位
相差層は22a、24a、22bおよび24bを一体に
形成してもよく、この場合は液晶層12の観察者側に配
置される。なお、本明細書においては、位相差層22
a、24a、22bおよび24bをまとめて位相差補償
素子と称することがある。
【0020】液晶表示装置100が有する液晶セル10
は、液晶分子12aがベンド配向する液晶層12を有し
ている。液晶分子12aの配向は、液晶層12の両側に
設けられている基板14aおよび14bの表面に形成さ
れた配向膜(不図示)によって規制されている。液晶層
12に接するように形成されている配向膜は、矢印Rの
方向にラビング処理されており、液晶層12の液晶材料
は正の誘電異方性を有するネマチック液晶である。一対
の基板14aおよび14bには、液晶層12に電圧を印
加する電極(不図示)が形成されている。液晶層12
は、少なくとも表示のための電圧が印加されているとき
にはベンド配向をとり、液晶表示装置100は、液晶層
12のベンド配向を利用してOCBモードで表示を行
う。
【0021】ここで、液晶表示装置100が有する種々
の構成要素の光学的な配置を説明するためのX−Y−Z
直交座標系を図1に示したように規定する。ベンド配向
状態にある液晶層12の液晶分子12aの長軸の液晶層
12の面内における向き(すなわち液晶層12の遅相
軸)をX軸にとる。液晶層12の層面(すなわち、基板
14aおよび14bの基板面)に平行面をX−Y面と
し、Z軸は液晶層12の層法線に平行であり、液晶分子
12aの長軸はZ−X面内にある。液晶表示装置100
の表示を観察者が見るとき、典型的には、X軸は左右方
向に平行で、Y軸は上下方向に平行となるように配置さ
れる。
【0022】一対の偏光板32aおよび32bは、それ
ぞれの偏光軸PAが互いに直交するように配置されてお
り、それぞれ、X軸(およびY軸)と45°の角度をな
すように配置されている。すなわち、液晶表示装置10
0は、ノーマリホワイトモードで表示を行うように構成
されている。なお、偏光板32aおよび32bの偏光軸
PAを互いに平行となるように配置し、ノーマリブラッ
クモードの液晶表示装置を構成することもできるが、コ
ントラスト比の観点からは、ノーマリホワイトモードと
することが好ましい。
【0023】一対の偏光板32aおよび32bと、これ
らの間に設けられた液晶層12とのみを有する構成(す
なわち、位相差補償素子を設けない構成)の電圧−透過
率特性は、図2に示すように、なだらかな曲線となり、
良好な黒表示を行うためには、例えば6Vを超える比較
的高い電圧を印加する必要がある。
【0024】そこで、駆動電圧を低下させるために、黒
表示状態における液晶層12の面内リタデーション
(「残留面内リタデーション」と称することもある。)
を補償(相殺)するための位相差層22aおよび22b
を設ける。
【0025】液晶層12の残留面内リタデーションは、
液晶層12の遅相軸(X軸に平行)に直交する方向(Y
軸に平行)に主軸(遅相軸)を有する正の一軸性位相差
層によって相殺することもできるし、あるいは、負の屈
折率異方性を有し、主軸(進相軸)が液晶層12の遅相
軸を含む面内で液晶層の法線方向に対して傾斜した位相
差層(「傾斜型位相差層」と呼ぶことがある。)を用い
てもよい。ここでは、位相差層22aおよび22bとし
て、傾斜型位相差層を用いる。傾斜型位相差層は、正面
方向からの光に対する面内残留リタデーションだけな
く、広視角側におけるリタデーションを補償するように
構成することができるという利点がある。これに対し、
正の一軸性位相差層は、正面からの面内リタデーション
を補償することはできるが、広視角側からの光に対して
は逆に位相差を生じさせるので、位相差補償素子の全体
の構成が複雑になる。
【0026】この位相差層22aおよび22bは互いに
等価な位相差層であり、それぞれ、互いに直交する主軸
a、bおよびc有する屈折率楕円体で表される屈折率異
方性を有している。位相差層22aおよび22bの層面
は、X−Y面に平行である。屈折率楕円体のa軸および
b軸方向の屈折率をそれぞれnaおよびnbとし、c軸
の屈折率をncとする。位相差層22aおよび22b
は、na=nb>ncの関係を有している。
【0027】位相差層22aおよび22bのb軸はY軸
に平行であり、c軸とa軸はY軸(b軸)を中心にZ−
X面内でX軸の負方向に傾斜している。ここで、c軸は
Z軸と傾斜角θ(0°<θ<90°)をなし、a軸はX
軸と傾斜角θをなしている(図1参照)。
【0028】この位相差層22aおよび22bのX−Y
面内のリタデーションは、下記の(数1)で表される。
【0029】
【数1】
【0030】(数1)において、θは上記の傾斜角で、
dは位相差層22aおよび22bのそれぞれの厚さ(Z
方向)である。なお、傾斜角θが位相差層22aおよび
22bの厚さ方向において分布を有する場合、傾斜角θ
はその平均値を表すものとする。
【0031】位相差層22aおよび22bのそれぞれの
厚さ方向(Z軸方向)のリタデーションは下記の(数
2)で表される。
【0032】
【数2】
【0033】上述の傾斜型位相差層は、例えば、特開平
9−197397号公報に記載されているようなハイブ
リッド配向したディスコティック液晶化合物を用いて形
成される。このような傾斜型位相差層は、その厚さ方向
に傾斜角θの分布を持つ。
【0034】位相差層22aおよび22bの合計の面内
リタデーションが液晶層12の残留面内リタデーション
と同程度になるように設定することによって、その電圧
において最も高品位の黒表示を実現することができる。
【0035】負の一軸性位相差層24aおよび24b
は、黒表示状態における液晶層12のリタデーション
と、位相差層22aおよび22bのリタデーションの視
角依存性(視角は液晶層の法線に対して視線がなす角で
あり、極角ともいう。)を補償するために、その主軸
(進相軸)がZ軸とほぼ平行になるように配置されてい
る。
【0036】図1に示した構成で黒表示を最適化した場
合の液晶表示装置の典型的な視角特性を図3(a)およ
び(b)に示す。図3(a)および(b)は、それぞれ
の視角(極角)における白表示状態の透過率(すなわち
最高輝度)を1として、種々の階調(印加電圧:2.0
0V、2.25V、2.50V、2.85V、3.40
V、6.00V)における透過率の視角依存性を相対値
で示したグラフである。図3(a)および(b)から階
調反転の有無を明確に判断することができる。
【0037】まず、図3(a)からわかるように、液晶
層12の遅相軸(ラビング方向Rに平行)に平行なX軸
方向では、ベンド配向状態にある液晶層12のリタデー
ションの視角による見掛け上の変化は、液晶層12によ
って自己補償されるので、どの視角から観察しても階調
反転は生じない。
【0038】これに対し、図3(b)からわかるよう
に、液晶層12の遅相軸に垂直なY軸方向では、視角
(極角)が60°付近で白側(相対透過率が1に近い
側)で階調反転が発生している。上述した特開平11−
271259号公報に記載されている構成ではこの階調
反転の問題が発生する。
【0039】この階調反転の発生を抑えるために種々の
検討を行った結果、傾斜型位相差層の傾斜角θを小さく
することによって、白側の階調反転を抑えられることが
分かった。この傾向を図4(a)〜(c)に示す。図3
(b)に示した構成におけるθは37.5°で、図4
(a)はθが30°、図4(b)はθが32.5°、図
4(c)はθが35°の構成にそれぞれ対応する。ここ
では、na=nb=1.59、nc=1.52の傾斜型
位相差層を用いた。このような傾斜型位相差層は、主屈
折率(na’、nb’およびnc’)の値が、液晶層を
構成する液晶分子の主屈折率をna’lc、nb’lcおよ
びnc’lcとし、na’lc、nb’lcおよびnc’lc
na’lc>nb’lc=nc’lcの関係を満足する場合
に、nc’がnb’lc=nc’lcに概ね等しく、na’
=nb’がna’lcに概ね等しいディスコティック液晶
分子を用いて形成することが好ましい。
【0040】図4(c)から図4(a)へと順にθを小
さくすることによって、白側の階調反転は抑制されるも
のの、黒側(相対透過率が小さい側)の透過率が上昇す
る。特に、黒側の透過率の上昇は広視角側で顕著であ
り、傾斜型位相差層22aおよび22bの傾斜角θが小
さくなりすぎると、広視角側で黒側の階調反転が生じる
ようになる(図3(a)の視角80°付近)。また、黒
側の透過率の上昇によってコントラスト比が低下するの
で、傾斜角θが小さすぎると良好な表示が得られないこ
とがわかる。
【0041】この結果から、表示のコントラスト比を考
慮すると、傾斜型位相差層22aおよび22bの傾斜角
θは、白側の階調反転が起こらない範囲内で出来るだけ
大きい方が好ましいと考えられる。
【0042】次に、負の一軸性位相差層24aおよび2
4bの厚さ方向(Z方向)のリタデーションと階調特性
およびコントラスト比との関係を検討した結果を図5を
参照しながら説明する。図5は、位相差層24aおよび
24bのZ方向のリタデーションRth(横軸)と視角
80°におけるコントラスト比(左側縦軸)をX軸方向
およびY軸方向について示している。また、図5は、1
0階調レベルが最高透過率を示す表示を行った場合の9
階調レベルの透過率の最高透過率に対する比(右側の縦
軸)のリタデーションRthに対する依存性をあわせて
示している。この9階調レベルの透過率の最高透過率に
対する比が1を超えるということは、9階調レベルと1
0階調レベルとの間で階調反転が起こっていることを示
す。
【0043】図5からわかるように、位相差層24aお
よび24bのリタデーションRthを大きくするにつれ
てコントラスト比は増大するが、ある値を超えると階調
反転が発生し、その程度が大きくなっていく。逆に、リ
タデーションRthを小さくすると、コントラスト比は
減少し、ある値以下では階調反転は発生しない。
【0044】このことから、階調反転が発生せず、且
つ、視角80°におけるコントラスト比が10以上とい
う条件を満たすためには、傾斜型位相差層22aおよび
22bの傾斜角θと同様、位相差層24aおよび24b
のリタデーションRthの範囲が限定される必要がある
ことが分かった。例えば、残留リタデーションが76n
mで、傾斜角θが34°の傾斜型位相差層を用いた場合
には、図5中の破線で囲んだ領域(297nm≦Rth
≦300nm)となる。
【0045】さらに、液晶層12の残留面内リタデーシ
ョンReにも依存して視角特性は大きく変化することが
分かった。すなわち、液晶層12の残留面内リタデーシ
ョンがある範囲内にある場合に、上述した条件を満足す
る位相差層22a、22b、24aおよび24bを用い
ることによって、反転現象の発生の抑制および高いコン
トラスト比を得ることができる。液晶層12の残留面内
リタデーションのコントラスト比および階調特性への影
響を種々検討した結果、下記の実施例および比較例で示
すように、液晶層12の残留面内リタデーションReと
位相差層22a、22b、22cおよび22dの液晶層
の法線方向のリタデーションの合計Rthfが8.0≦
Rthf/Re≦9.7の関係を満足することが好まし
いことがわかった。
【0046】但し、全ての方位角方向において視角80
°におけるコントラスト比が10以上で、且つ、階調反
転が発生しない表示を実現するためには、液晶層12の
残留面内リタデーションReは50nm以上であること
が好ましい。また逆に、液晶層12の残留面内リタデー
ションReが120nmを超えると、リタデーションの
波長分散の影響が顕著となり、視角によって表示色が異
なるという問題が生じる可能性があるので、残留面内リ
タデーションReは120nm以下であることが好まし
い。また、残留面内リタデーションが大きいほど、階調
反転が発生しない条件で、より高いコントラスト比を得
ることができると考えられるが、液晶層の残留面内リタ
デーションを大きくするためには、駆動電圧の設定にも
依存するが、一般的に液晶層の厚さを大きくする必要が
ある。液晶層の厚さを大きくすると、応答速度が低下す
る可能性があるので、残留面内リタデーションReを大
きくし過ぎるのは好ましくない。これらのことから、液
晶層12の残留面内リタデーションReは50nm以上
120nm以下の範囲にあることが好ましい。
【0047】上述した条件を満足する位相差補償素子
(全ての位相差層を含む)は、傾斜型位相差層と負の一
軸性位相差層とで実現することが好ましい。2枚の傾斜
型位相差層によってベンド配向の液晶層の両方の基板近
傍の液晶分子による位相差を補償し、一軸性の負の位相
差層によって液晶層の中央付近の液晶分子による位相差
を補償する構成を採用すると、比較的簡単な構成によっ
て、広い視角範囲に亘って液晶層の位相差を効率的に補
償することができる。このような場合には、階調反転が
発生しない良好な表示を実現するために、傾斜型位相差
層の傾斜角θを30°以上38°以下とすることが好ま
しい。一般的なOCBモード用の液晶材料の屈折率を考
慮すると、主屈折率が、na=nb=1.48〜1.6
3、nc=1.46〜1.55の範囲の傾斜型位相差層
を用いることが好ましい。
【0048】さらに、傾斜型位相差層は、ディスコティ
ック液晶化合物を用いて形成されたものであることが好
ましく、特に、配向膜によってディスコティック液晶化
合物の配向が制御された位相差層であることが好まし
い。このような構成を採用すると、配向膜の配向規制方
向(典型的にはラビング方向)に沿って位相差層の全面
において均一に単一の方向に光学軸が傾斜した位相差層
を得ることができる。また、ハイブリッド配向したディ
スコティック液晶化合物を用いることによって、傾斜型
位相差層を容易に制御性良く作製することが出来る。
【0049】上述の実施形態では、ノーマリホワイトの
液晶表示装置について説明したが、偏光板32aおよび
32bの偏光軸PAを互いに平行となるように配置する
ことによってノーマリブラックの液晶表示装置を得るこ
とができる。この場合にも、黒表示状態の液晶層の面内
リタデーションに基づいて、液晶表示装置を構成するこ
とによって、反転現象の発生が抑制され、高いコントラ
スト比の表示が可能なOCBモードの液晶表示装置を得
ることができる。但し、ノーマリブラックモードを採用
した場合、OCBモードにおいては黒表示の電圧をベン
ド配向が安定する電圧よりも高く設定する必要があるの
で、黒表示の品位が十分に得られないことがあるので、
黒表示の品位やコントラスト比の観点からは、高電圧側
で黒表示を行うノーマリホワイトモードの液晶表示装置
とすることが好ましい。
【0050】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに具体的
に説明する。
【0051】(実施例1)図1に示した構成を有するO
CBモードの液晶表示装置を作製した。この液晶表示装
置は、ノーマリホワイトモードの透過型液晶表示装置で
あり、公知の方法で作製され得るので、その説明は省略
する。
【0052】液晶層12の厚さは約6.4μmで、パラ
レルラビング処理した配向膜を用いることによってベン
ド配向の液晶層12を形成した。但し、ネマチック液晶
材料(ZLI4801−100)を注入した後、Tni
点以上の加熱することによってスプレイ配向させ、これ
に所定の電圧を印加することによって、ベンド配向に転
移させた。得られた液晶層12の残留面内リタデーショ
ンReは76nmであった。
【0053】傾斜型位相差層22aおよび22bとし
て、ハイブリッド配向したディスコティック液晶化合物
から形成された位相差層を用いた。この傾斜型位相差層
22aおよび22bの傾斜角θは32°とした。また、
この傾斜型位相差層22aおよび22bの面内位相差
(X−Y面内)は、それぞれ38nmに調整した。傾斜
型位相差層22aおよび22bそれぞれのZ方向のリタ
デーションRthは75.8nmとした。
【0054】さらに、広視角側の黒浮きを抑えるための
負の一軸位相差層24aおよび24bとして、それぞれ
のZ方向リタデーションRthが280nmのものを用
いた。
【0055】この構成においては、位相差補償素子の全
体のZ方向のリタデーションRthfは713nmであ
った。なお、このRthfの値は、実際に用いた偏光板
が有する支持層のリタデーションを含んでいる。この実
施例1の液晶表示装置のRthf/Reは9.38であ
った。
【0056】実施例1の液晶表示装置のX方向およびY
方向における視角特性をそれぞれ図6(a)および
(b)に示す。
【0057】図6からわかるように、白表示の透過率を
1としたときの中間調の透過率はいずれも1以下であ
り、広視角側においても、階調反転が生じていないこと
が分かる。
【0058】また、実施例1の液晶表示装置の等コント
ラスト線図を図7に示す。この液晶表示装置の視角80
°におけるコントラスト比はX軸方向(ラビング方向に
平行)において12、Y軸方向(ラビング方向に直交)
において16であった。
【0059】このように、実施例1の液晶表示装置は、
階調反転が発生せず、且つ、視角80°でコントラスト
比10以上という、優れた視角特性を有することがわか
る。
【0060】(実施例2)実施例1と同様に、ノーマリ
ホワイトモードの液晶表示装置を作製した。液晶層12
の厚さは約7.0μmとし、液晶層12の残留面内リタ
デーションReは104nmとした。
【0061】傾斜型位相差層22aおよび22bとし
て、傾斜角θが36°の位相差層を用いた。この傾斜型
位相差層22aおよび22bの面内位相差(X−Y面
内)は、それぞれ52nmに調整した。傾斜型位相差層
22aおよび22bそれぞれのZ方向のリタデーション
Rthは71nmとした。この位相差層22aおよび2
2bは、実施例1の位相層22aおよび22bと同様に
ハイブリッド配向したディスコティック液晶化合物から
形成されたフィルムを用いた。
【0062】負の一軸位相差層24aおよび24bとし
て、それぞれのZ方向リタデーションRthが362n
mのものを用いた。
【0063】この構成においては、位相差補償素子の全
体のZ方向のリタデーションRthfは867nmであ
り、実施例2の液晶表示装置のRthf/Reは8.3
3であった。
【0064】実施例2の液晶表示装置のX方向およびY
方向における視角特性をそれぞれ図8(a)および
(b)に示す。
【0065】図8からわかるように、白表示の透過率を
1としたときの中間調の透過率はいずれも1以下であ
り、広視角側においても、階調反転が生じていないこと
が分かる。また、実施例2の液晶表示装置の視角80°
におけるコントラスト比はX軸方向(ラビング方向に平
行)において120、Y軸方向(ラビング方向に直交)
において50であった。
【0066】このように、実施例2の液晶表示装置で
も、階調反転が発生せず、且つ、視角80°でコントラ
スト比10以上という、優れた視角特性を有することが
わかる。
【0067】(比較例1)実施例1と同様に、ノーマリ
ホワイトモードの液晶表示装置を作製した。液晶層12
の厚さは約5.0μmとし、液晶層12の残留面内リタ
デーションReは58nmであった。
【0068】傾斜型位相差層22aおよび22bとし
て、階調反転しないような面内リタデーションの半分の
位相差を有する(傾斜角θが23°)を用いた。この位
相差層22aおよび22bのZ軸方向のリタデーション
はそれぞれ47nmであった。
【0069】負の一軸位相差層24aおよび24bとし
て、それぞれのZ方向のリタデーションRthが126
nmのものを用いた。
【0070】この構成においては、位相差補償素子の全
体のZ方向のリタデーションRthfは348nmであ
り、比較例1の液晶表示装置のRthf/Reは6であ
った。
【0071】比較例1の液晶表示装置は、図9に示した
視角特性から分かるように、広視角側において、白側で
階調反転が生じている。また、比較例1の液晶表示装置
の等コントラスト線図を図10に示す。視角80°にお
けるコントラスト比は、X軸方向で2.8、Y軸方向で
5であった。
【0072】(比較例2)実施例1と同様に液晶表示装
置を作製した。液晶層12の厚さは約6.4μmとし、
液晶層12の残留面内リタデーションReは76nmで
あった。傾斜型位相差層22aおよび22bとして、傾
斜角θが34°の位相差層を用いた。この位相差層22
aおよび22bのそれぞれの面内位相差(X−Y面内)
はそれぞれ38nmに調整し、Z方向のリタデーション
Rthは62nmとした。
【0073】負の一軸位相差層24aおよび24bとし
て、それぞれのZ方向のリタデーションRthが320
nmのものを用いた。
【0074】この構成においては、位相差補償素子の全
体のZ方向のリタデーションRthfは765nmであ
り、比較例2の液晶表示装置のRthf/Reは10.
07であった。
【0075】比較例2の液晶表示装置は、図11に示し
た視角特性から分かるように、広視角側において、白側
で階調反転が生じている。この液晶表示装置の視角80
°におけるコントラスト比は、X軸方向で60、Y軸方
向で30であった。このように、比較例2の構成では、
広視角まで高いコントラスト比が得られているが、Y方
向(ラビング方向に対して直交)で白側の階調反転を生
じており、広視角側からの観察において良好な表示を行
うことができない。
【0076】
【発明の効果】本発明によると、階調反転の発生を抑え
た、優れた視角特性を有するOCBモードの液晶表示装
置が提供される。本発明による液晶表示装置は、OCB
モードの液晶表示装置が有する高速応答性とともに、広
視角特性を有しているので、特に、動画表示に用いられ
る大型の表示装置として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の液晶表示装置を模式的
に示す図である。
【図2】ベンド配向セルの電圧−透過率特性を示すグラ
フである。
【図3】(a)および(b)は、本発明の実施形態の液
晶表示装置の透過率の視角依存性を示すグラフであり、
(a)はX軸方向、(b)はY軸方向である。
【図4】(a)、(b)および(c)は、液晶表示装置
の透過率の視角依存性を示すグラフであり、(a)は傾
斜型位相差層の傾斜角が30°、(b)は32.5°、
(c)は35°の場合を示す。
【図5】負の一軸性位相差層24aおよび24bの厚さ
方向(Z方向)のリタデーションと階調特性およびコン
トラスト比との関係を示すグラフである。
【図6】(a)および(b)は、本発明の実施例1の液
晶表示装置の透過率の視角依存性を示すグラフであり、
(a)はX軸方向、(b)はY軸方向である。
【図7】実施例1の液晶表示装置の等コントラスト線図
である。
【図8】(a)および(b)は、本発明の実施例2の液
晶表示装置の透過率の視角依存性を示すグラフであり、
(a)はX軸方向、(b)はY軸方向である。
【図9】比較例1の液晶表示装置のY軸方向における透
過率の視角依存性を示すグラフである。
【図10】比較例1の液晶表示装置の等コントラスト線
図である。
【図11】比較例2の液晶表示装置のY軸方向における
透過率の視角依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 液晶セル 12 液晶層 12 液晶分子 14a、14b 基板 22a、22b 位相差層(傾斜型位相差層) 24a、24b 位相差層(負の一軸性位相差層) 32a、32b 偏光板 R ラビング方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、前記一対の基板の間に設
    けられた液晶層と、前記液晶層の両側に設けられた一対
    の偏光板と、前記一対の偏光板と前記液晶層との間に設
    けられた少なくとも1つの位相差補償素子とを有し、O
    CBモードで表示を行う液晶表示装置であって、 前記位相差補償素子は、負の一軸性の第1位相差層を有
    し、且つ、前記位相差補償素子の前記液晶層の法線方向
    のリタデーションの合計Rthfと黒表示状態における
    前記液晶層の面内リタデーションReとの関係が、8.
    0≦Rthf/Re≦9.7を満足する、液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記液晶層は黒表示状態においてベンド
    配向をとり、黒表示状態における前記液晶層の面内リタ
    デーションReが50nm以上120nm以下の範囲に
    ある、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記位相差補償素子は、屈折率異方性が
    負の第2位相差層を有し、前記第2位相差層の主軸は、
    前記液晶層の遅相軸を含む面内にあって、前記液晶層の
    法線方向に対して傾斜している、請求項1または2に記
    載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記第2位相差層の前記主軸は、前記液
    晶層の層面に対して、30°以上38°以下の角度で傾
    斜している、請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第2位相差層は、ディスコティック
    液晶化合物を含む、請求項3または4に記載の液晶表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ディスコティック液晶化合物は、配
    向膜によって配向させられている請求項5記載の液晶表
    示装置。
  7. 【請求項7】 ノーマリーホワイトモードで表示を行う
    請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1674918A1 (en) * 2004-12-27 2006-06-28 Alps Electric Co., Ltd. Liquid crystal display apparatus
WO2015194498A1 (ja) * 2014-06-18 2015-12-23 シャープ株式会社 液晶表示装置

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