JP2003121841A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003121841A
JP2003121841A JP2001312160A JP2001312160A JP2003121841A JP 2003121841 A JP2003121841 A JP 2003121841A JP 2001312160 A JP2001312160 A JP 2001312160A JP 2001312160 A JP2001312160 A JP 2001312160A JP 2003121841 A JP2003121841 A JP 2003121841A
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liquid crystal
optical path
layer
substrate
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JP2001312160A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Ariyoshi
俊彦 有吉
Seiji Umemoto
清司 梅本
Yuuki Nakano
勇樹 中野
Riyouji Kinoshita
亮児 木下
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】サイドライト型導光板では達成が困難な薄型軽
量化を実現でき、表示品位も良好な半透過反射層具備の
照明・外光両用型の液晶表示装置の開発。 【解決手段】透明基板(10)に光を透過しかつ反射す
ると共に、電極を兼ねることもある半透過反射層(1
1)を少なくとも有する背面側基板と、透明基板(2
0)に透明電極を有する視認側基板とを、それらの電極
側を対向させて配置した間に液晶(30)を挟持してな
る液晶セル、その側面に配置された照明装置(51)、
及び前記背面側基板の外側に配置され、かつ前記照明装
置を介した側面からの入射光を当該液晶セルの厚さ方向
に反射する複数の光路変換斜面(A1)を有する光路制
御層(40)を少なくとも具備する液晶表示パネルを、
筺体(200)内に保持してなり、その筺体の少なくと
も前記背面側基板に対向する面が光反射面(60)から
なる液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、薄型軽量化が容易な表示
品位に優れる照明・外光両用型の液晶表示装置に関す
る。
【0002】
【発明の背景】ハーフミラー等の半透過反射層を内蔵す
る照明・外光両用型の液晶表示装置が携帯パソコンや携
帯電話等の携帯型機器などとして広く普及している。斯
かる携帯型機器では、その携帯性を更に高めるため小型
化や薄型化等による軽量化が強く求められている。しか
しながら照明モードでの視認を可能とするバックライト
に、例え従来では薄さに優れるサイドライト式導光板を
用いても、その厚さが普通2mm以上の厚さとなり、装置
全体の薄型軽量化がほぼ限界となっている実状である。
【0003】
【発明の技術的課題】本発明は、サイドライト型導光板
では達成が困難な薄型軽量化を実現でき、表示品位も良
好な半透過反射層具備の照明・外光両用型の液晶表示装
置の開発を課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は、透明基板に光を透過しか
つ反射すると共に、電極を兼ねることもある半透過反射
層を少なくとも有する背面側基板と、透明基板に透明電
極を有する視認側基板とを、それらの電極側を対向させ
て配置した間に液晶を挟持してなる液晶セル、その側面
に配置された照明装置、及び前記背面側基板の外側に配
置され、かつ前記照明装置を介した側面からの入射光を
当該液晶セルの厚さ方向に反射する複数の光路変換斜面
を有する光路制御層を少なくとも具備する液晶表示パネ
ルを、筺体内に保持してなり、その筺体の少なくとも前
記背面側基板に対向する面が光反射面からなることを特
徴とする液晶表示装置を提供するものである。
【0005】
【発明の効果】本発明によれば、照明装置の側面配置と
薄さに優れる光路制御層にてバックライト機構を形成で
き、液晶セル基板、特にその背面側基板を利用してセル
側面に配置した照明装置からの入射光を対向の側面方向
に効率よく伝送しつつ、その伝送光を背面側に配置の光
路制御層を介し液晶セルの厚さ方向、従って液晶表示パ
ネルの視認側に効率よく光路変換して照明モードの液晶
表示に利用でき、また半透過反射層を介し外光モードで
の液晶表示も達成できて、薄さと軽量性に優れ、明るく
て表示品位に優れると共に、製造効率に優れる照明・外
光両用型の液晶表示装置を得ることができる。
【0006】前記は、背面側基板に設けた斜面反射式の
光路制御層、半透過反射層、及び光反射式の筺体を用い
たことによる。すなわち光路制御層により、その光路変
換斜面を介し側面からの入射光ないしその伝送光を反射
させて指向性よく光路変換でき、薄型化も達成すること
ができる。粗面等を介した散乱反射方式では前記指向性
の達成は困難である。また光路制御層と液晶セルとを組
合せたことにより、従来のサイドライト式導光板では達
成が困難な極めて薄い光出射手段とすることができる。
ちなみに200μm以下、就中100μm以下の光路制御
層の形成も可能である。他方、半透過反射層と光反射式
筺体の組合せにより、その透過率と反射率をバランスさ
せて照明モードと外光モードの両方において明るさに優
れると共に、組立効率に優れる液晶表示を達成すること
ができる。
【0007】
【発明の実施形態】本発明による液晶表示装置は、透明
基板に、光を透過しかつ反射すると共に、電極を兼ねる
こともある半透過反射層を少なくとも有する背面側基板
と、透明基板に透明電極を有する視認側基板とを、それ
らの電極側を対向させて配置した間に液晶を挟持してな
る液晶セル、その側面に配置された照明装置、及び前記
背面側基板の外側に配置され、かつ前記照明装置を介し
た側面からの入射光を当該液晶セルの厚さ方向に反射す
る複数の光路変換斜面を有する光路制御層を少なくとも
具備する液晶表示パネルを、筺体内に保持してなり、そ
の筺体の少なくとも前記背面側基板に対向する面が光反
射面からなるものである。
【0008】前記した液晶表示装置の例を図1に示し
た。100が液晶表示パネル、200が筺体であり、1
0が背面側の透明基板で、11が電極を兼ねることもあ
る半透過反射層、20が視認側の透明基板、21が透明
電極、30が液晶、40が光路制御層で、A1が光路変
換斜面、51が照明装置である。なお12、22は配向
膜、14は低屈折率の透明層、15、25は偏光板、1
6、26は位相差板、23はカラーフィルタである。
【0009】液晶表示パネル100としては、図例の如
く透明基板10に、光を透過しかつ反射すると共に、電
極を兼ねることもある半透過反射層11を少なくとも有
する背面側基板(10)と、透明基板20に透明電極2
1を有する視認側基板(20)とをそれらの電極11、
21の側を対向させて配置した間に、液晶30を挟持し
てなる液晶セル、その側面に配置された照明装置51、
及び前記背面側基板20の外側に配置され、かつ前記照
明装置を介した側面からの入射光を当該液晶セルの厚さ
方向に反射する複数の光路変換斜面A1を有する光路制
御層40を少なくとも具備して、光路制御層40を配置
した背面側からの入射光を液晶等による制御を介し表示
光として他方の視認側より出射する適宜なものを用いる
ことができ、その種類について特に限定はない。なお図
中の31は、透明基板10、20の間に液晶30を封入
するためのシール材である。
【0010】ちなみに前記した液晶セルの具体例として
は、液晶の配向形態に基づいてTN液晶セルやSTN液
晶セル、垂直配向セルやHANセル、OCBセルの如き
ツイスト系や非ツイスト系、ゲストホスト系や強誘電性
液晶系のもの、光拡散を利用したものなどがあげられ、
液晶の駆動方式も例えばアクティブマトリクス方式やパ
ッシブマトリクス方式などの適宜なものであってよい。
【0011】背面側や視認側のセル基板には照明光や表
示光の透過を可能とするため透明基板が用いられる。そ
の透明基板は、ガラスや樹脂などの適宜な材料で形成で
き就中、複屈折を可及的に抑制して光損失を低減する点
などより、光学的に等方性の材料からなるものが好まし
い。また輝度や表示品位の向上等の点より、青ガラス板
に対する無アルカリガラス板の如く、無色透明性に優れ
るものが好ましく、さらに軽量性等の点よりは樹脂基板
が好ましい。
【0012】背面側や視認側のセル基板10、20の厚
さについては、特に限定はなく液晶の封入強度などに応
じて適宜に決定しうる。一般には光伝送効率と薄型軽量
性のバランスなどの点より10μm〜5mm、就中50μm
〜2mm、特に100μm〜1mmの厚さとされる。背面側
基板を照明装置からの入射光の伝送基板として用いる場
合には、入射効率や伝送効率等の点より横断面積が大き
いほど有利であり、従って厚いほど好ましい。
【0013】一方、前記の場合、視認側基板は薄型軽量
化の点より薄いほど有利である。よって背面側と視認側
の透明基板の厚さは、同じであってもよいし、相違して
いてもよい。なお透明基板は同厚板であってもよいし、
特に背面側基板は、光路制御層の傾斜配置による光路変
換斜面への伝送光の入射効率の向上を目的に、横断面楔
形の如く厚さが部分的に相違するものであってもよい。
【0014】また背面側と視認側の透明基板は、平面寸
法が同じであってもよいし、相違していてもよい。背面
側基板を照明装置からの入射光の伝送基板として用いる
場合には、図例の如く少なくとも照明装置51を配置す
る側の側面において、視認側基板20が形成する側面よ
りも背面側基板10の形成する側面が突出する状態にあ
ることが、その突出側面に照明装置を配置した場合の入
射効率等の点より好ましい。
【0015】図例の如く背面側基板10には、必要に応
じて低屈折率の透明層14を設けることができる。その
透明層は、背面側基板を形成する透明基板よりも屈折率
の低い層として設けることで、折れ線矢印βとして示し
た如く、照明装置51からの入射光が背面側基板10の
内部を伝送される際に、その伝送光を基板10と透明層
14との屈折率差を介し全反射させて背面側基板内に効
率よく閉じ込め、それにより前記伝送光を対向の側面側
(後方)に効率よく伝送して、照明装置から遠い位置に
おける光路制御層40の光路変換斜面A1にも伝送光を
均等性よく供給し、その斜面による反射を介し折れ線矢
印αとして示した如く光路変換して表示画面全体におけ
る明るさの均一性を向上させることができる。
【0016】また前記した低屈折率の透明層は、前記の
伝送光が液晶層に入射して複屈折や散乱を受け、それに
より伝送状態が部分的に変化して、伝送光が減少したり
不均一化することを防止して表示が暗くなることや、照
明装置近傍での表示が後方においてゴースト化して、表
示品位を低下させることの防止などにも有効である。
【0017】さらに低屈折率の透明層は、カラーフィル
タ等を配置した場合に、それによる伝送光の吸収による
急激な減衰を防止して、伝送光の減少を回避することに
も有効である。照明装置からの入射光が液晶層内を伝送
されるものでは、液晶層で伝送光が散乱されて不均一な
伝送状態となり、出射光の不均一化やゴーストを生じて
表示像が見ずらくなる場合がある。
【0018】低屈折率の透明層は、背面側基板を形成す
る透明基板よりも屈折率の低い、例えば無機系や有機系
の低屈折率誘電体の如き適宜な材料を用いて、真空蒸着
方式やスピンコート方式などの適宜な方式で形成するこ
とができ、その材料や形成方法について特に限定はな
い。
【0019】前記した全反射による後方への伝送効率等
の点より、透明層と透明基板の屈折率差は、大きいほど
有利であり、就中0.05以上、特に0.1〜0.4で
あることが好ましい。かかる程度の屈折率差では、外光
モードによる表示品位に殆ど影響しない。ちなみに当該
屈折率差が0.1の場合、その界面での外光の反射率は
0.1%以下であり、その反射損による明るさやコント
ラストの低下は極めて小さいものである。
【0020】低屈折率の透明層の配置位置は、適宜に決
定しうるが、前記した伝送光の閉じ込め効果や液晶層へ
の浸入防止などの点より、図例の如く透明基板10と半
透過反射層11の間に位置させることが好ましい。また
透明基板10と半透過反射層11の間にカラーフィルタ
を配置する場合には、カラーフィルタによる伝送光の吸
収損を防止する点より、そのカラーフィルタよりも基板
10側に位置させることが好ましい。
【0021】従って通例、低屈折率の透明層14は、背
面側基板10に直接設けられる。その場合、基板におけ
る透明層の付設面は平滑なほど、よって透明層は平滑な
ほど伝送光の散乱防止に有利で好ましく、また表示光へ
の影響防止の点よりも好ましい。なお前記の点より通例
の場合、図1の例の如くカラーフィルタ23は、視認側
基板20の側に位置させることが好ましい。
【0022】低屈折率の透明層の厚さは、薄すぎると波
動のしみだし現象で上記した閉じ込め効果に薄れる場合
があることより、全反射効果の維持の点から厚いほど有
利である。その厚さは、全反射効果等の点より適宜に決
定しうるが、一般には波長380〜780nmの可視光に
対する、特に短波長側の波長380nmの光に対する全反
射効果等の点より、屈折率×層厚で算出される光路長に
基づいて1/4波長(95nm)以上、就中1/2波長
(190nm)以上、特に1波長(380nm)以上の厚さ
であることが好ましく、さらには600nm以上の厚さで
あることが好ましい。
【0023】半透過反射層は、照明モード時のバックラ
イト光を透過させ、かつ外光モード時に入射外光を反射
させることを目的とし、これにより照明・外光両用型の
ものを実現することができる。半透過反射層は、例えば
ハーフミラーや開口を設けた反射層の如く光を透過し、
かつ反射する適宜な層として形成することができる。就
中、ハーフミラーの如き金属薄膜や開口を設けた金属層
が液晶セル内での機能維持性などの点より好ましい。
【0024】半透過反射層における光の透過率と反射率
の割合は、照明モード時のバックライト光の明るさと、
外光モード時の明るさのバランスなどにより適宜に決定
することができる。一般には透過率に基づいて5〜95
%、就中15〜85%、特に25〜75%とされる。ち
なみに前記したハーフミラー方式では、その膜厚を制御
することにより、開口方式ではその開口の占有率を制御
することにより、光の透過率と反射率の割合を変えるこ
とができる。
【0025】なお半透過反射層を前記した開口方式で形
成する場合、液晶セルにおける画素サイズの5〜95
%、就中15〜85%、特に25〜75%の大きさの開
口を、画素の配置に可及的に対応させて分布させること
が、表示画面での明るさの均一性を高める点より好まし
い。開口を有する半透過反射層は、打ち抜き方式やエッ
チング方式、所定の開口を設けたマスクを介して蒸着す
る方式などの適宜な方式で形成することができる。
【0026】半透過反射層は、外光の利用効率向上の点
より、凹凸表面にて入射外光を散乱反射するように形成
されていることが好ましい。半透過反射層が金属箔の如
き厚膜からなる場合には例えば、その表面をバフ処理等
の粗面化方式で処理する方法にても凹凸式光散乱面を形
成することができる。
【0027】一方、蒸着方式等による薄膜からなる半透
過反射層の場合には例えば、透明基板の表面を凹凸式光
散乱面として、その凹凸が反映した薄膜を形成する方式
などにより、入射外光を散乱反射させうる半透過反射層
を形成することができる。その際、上記した低屈折率透
明層の平滑性を維持する点よりは、表面平滑な透明基板
を用いて低屈折率透明層を設け、その上に表面凹凸構造
の層を設けることが好ましい。
【0028】前記した後者の方式の場合には、半透過反
射層の表裏面が散乱反射面となるため表示品位を向上さ
せうる利点がある。すなわち照明モードにおいて基板内
部の伝送光が半透過反射層に到達したときに、その裏面
で散乱反射されて伝送距離が短くなる。また半透過反射
層を透過した伝送光もその殆どが、視認側基板内部に閉
じ込められて出射防止されたり、液晶層やカラーフィル
ター層等による吸収や位相差発生などの影響で出射防止
されたりする。
【0029】前記の結果、半透過反射層や駆動回路によ
る吸収で伝送光が急激に減少することを抑制できる。ま
た半透過反射層の透過による液晶層の複屈折や光散乱に
基づく部分的な変化による伝送光の減少や不均一性の発
生で表示が暗くなること、光源側に近い部分での表示が
後方で影響するゴースト現象が発生することを抑制する
ことができる。開口式の半透過反射層の場合も同様であ
る。
【0030】半透過反射層は、液晶駆動用の回路を形成
する電極を兼ねるものとして設けるができる。図1がそ
の例を示している。また半透過反射層とは別体のものと
して液晶駆動用の回路を形成する透明電極を設けるがで
きる。その場合、透明電極が凹凸化しないことが好まし
いことより、半透過反射層の表面が凹凸式光散乱面とさ
れているときには、その半透過反射層の上にレベリング
を目的とした表面平滑な透明絶縁層を設け、その上に透
明電極を形成することが好ましい。その透明絶縁層は、
例えば透明樹脂の塗工層などの適宜な方式で形成するこ
とができる。また液晶表示装置は、透明基板又は低屈折
率の透明層と半透過反射層との間に、液晶駆動用の回路
を設けたものとして形成することもできる。
【0031】視認側の透明基板、及び必要に応じて背面
側の透明基板に設ける透明電極は、例えばITO等の従
来に準じた適宜な材料にて形成することができる。液晶
セルの形成に際しては必要に応じ、液晶を配向させるた
めのラビング処理膜等からなる配向膜やカラー表示のた
めのカラーフィルタなどの適宜な機能層の1層又は2層
以上を設けることができる。なお図例の如く、配向膜1
2、22は通常、電極11、21の上に形成される。ま
たカラーフィルタ23は通常、セル基板10、20の一
方における透明基板と電極の間に設けられる。なお図例
では視認側基板20にカラーフィルタ23が設けられて
いる。
【0032】液晶表示パネルは、図例の如く液晶セルに
偏光板15、25や位相差板16、26、光拡散層等の
適宜な光学層の1層又は2層以上を必要に応じて付加し
たものであってもよい。偏光板は、直線偏光を利用した
表示の達成を目的とし、位相差板は、液晶の複屈折性に
よる位相差の補償等による表示品位の向上などを目的と
する。また光拡散層は、表示光の拡散による表示範囲の
拡大や、光路制御層の光路変換斜面を介した輝線状発光
の平準化による輝度の均一化、液晶表示パネル内の伝送
光の拡散による光路制御層への入射光量の増大などを目
的とし、光路制御層40と視認側の偏光板25の間の適
宜な位置に1層又は2層以上を配置することができる。
【0033】前記の偏光板としては、適宜なものを用い
ることができ特に限定はない。高度な直線偏光の入射に
よる良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは、
例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマー
ル化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸
ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分
子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸
着させて延伸したものからなる吸収型偏光フィルムや、
その片側又は両側に透明保護層を設けたものなどの如く
偏光度の高いものが好ましく用いうる。
【0034】前記透明保護層の形成には、透明性や機械
的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れるものが好ま
しく用いられる。その例としてはアセテート系樹脂やポ
リエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂やポリ
カーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂やポリイミド系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂やアクリル系樹脂、ポリエ
ーテル系樹脂やポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂やノル
ボルネン系樹脂の如きポリマー、あるいはアクリル系や
ウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコ
ーン系等の熱硬化型ないし紫外線硬化型の樹脂などがあ
げられる。
【0035】透明保護層は、フィルムとしたものの接着
方式やポリマー液等の塗布方式などにより付与すること
ができる。従って斯かる透明保護層の形成技術は、上記
した透明絶縁層の形成に適用することもできる。
【0036】用いる偏光板、特に視認側の偏光板は、外
光の表面反射による視認阻害の防止を目的に、ノングレ
ア処理や反射防止処理を施したものであってもよい。ノ
ングレア処理は、サンドブラスト方式やエンボス加工方
式等の粗面化方式、シリカ等の透明粒子の配合方式や透
明粒子を配合した樹脂の塗工方式などの種々の方式で表
面を微細凹凸構造化することにより施すことができ、反
射防止処理は、干渉性の蒸着膜を形成する方式などにて
施すことができる。
【0037】またノングレア処理や反射防止処理は、前
記の表面微細凹凸構造や干渉膜を付与したフィルムの接
着方式などにても施すことができる。なお偏光板は、図
例の如く液晶セルの両側に設けることもできるし、液晶
セルの片側にのみ設けることもできる。また前記した表
面微細凹凸構造化技術は、上記した半透過反射層又は/
及び透明基板の表面を凹凸式光散乱面とする場合に適用
することができる。
【0038】一方、位相差板としても例えば前記の透明
保護層で例示したものなどの、適宜なポリマーからなる
フィルムを、一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理して
なる複屈折性フィルム、ネマチック系やディスコティッ
ク系等の適宜な液晶ポリマーの配向フィルムや、その配
向層を透明基材で支持したものなどの適宜なものを用い
ることができる。熱収縮性フィルムの加熱収縮力の作用
下に厚さ方向の屈折率を制御したものなどであってもよ
い。
【0039】補償用の位相差板16、26は通例、図例
の如く視認側又は/及び背面側の偏光板15、25と液
晶セルの間に必要に応じて配置される。その位相差板に
は、波長域などに応じて適宜なものを用いうる。また位
相差板は、位相差等の光学特性の制御を目的に2層以上
を重畳して用いることもできる。
【0040】また光拡散層についても前記のノングレア
層に準じた表面微細凹凸構造を有する塗工層や拡散シー
トなどによる適宜な方式にて設けることができる。光拡
散層は、透明粒子配合の粘着層として偏光板や位相差板
の接着を兼ねる層として形成することもでき、それによ
り薄型化を図ることもできる。その粘着層の形成には、
ゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリ
コーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエー
テル系やポリアミド系、スチレン系などの適宜なポリマ
ーをベースポリマーとする粘着剤などを用いうる。
【0041】就中、アクリル酸ないしメタクリル酸のア
ルキルエステルを主体とするポリマーをベースポリマー
とするアクリル系粘着剤の如く、透明性や耐候性や耐熱
性などに優れるものが好ましく用いられる。
【0042】また粘着層に配合することのある前記の透
明粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜20μmの
シリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸
化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等から
なる導電性のこともある無機系粒子、架橋又は未架橋の
ポリマー等からなる有機系粒子などの適宜なものを1種
又は2種用いることができる。斯かる透明粒子は、上記
したノングレア処理等にも用いることができる。
【0043】液晶セルの側面に配置する照明装置は、液
晶表示装置の照明光として利用する光を液晶セルの側面
から入射させることを目的とする。これにより、パネル
背面に配置する光路制御層との組合せにて、液晶表示装
置の薄型軽量化を図ることができる。照明装置からの入
射光の液晶層への入射を防止する点より、照明装置の好
ましい配置方式は、図例の如く背面側基板の側面、特に
視認側基板が形成する側面よりも突出させた背面側基板
の側面に対して配置する方式である。
【0044】照明装置としては適宜なものを用いること
ができ、例えば(冷,熱)陰極管等の線状光源、発光ダ
イオード等の点光源やそれを線状や面状等に配列したア
レイ体、あるいは点光源と線状導光板を組合せて点光源
からの入射光を線状導光板を介し線状光源に変換するよ
うにした照明装置などが好ましく用いうる。
【0045】照明装置は、液晶セルにおける1又は2以
上の側面に配置することができる。照明装置を2以上の
側面に配置する場合、その複数の側面は対向する側面の
組合せであってもよいし、縦横に交差する側面の組合せ
であってもよく、それらを併用した3側面以上の組合せ
であってもよい。
【0046】照明装置は、その点灯による照明モードで
の視認を可能とするものである。照明・外光両用型では
外光による外光モードにて視認するときには点灯の必要
がないので、その点灯・消灯を切り替えうるものとされ
る。その切り替え方式には任意な方式を採ることがで
き、従来方式のいずれも採ることができる。なお照明装
置は、発光色を切り替えうる異色発光式のものであって
もよく、また異種の照明装置を介して異色発光させうる
ものとすることもできる。
【0047】図例の如く照明装置51に対しては、必要
に応じ発散光を液晶セルの側面に導くために、それを包
囲する光源ホルダ52などの適宜な補助手段を配置した
組合せ体とすることもできる。光源ホルダとしては、例
えば高反射率の金属薄膜を付設した樹脂シートや白色シ
ート、金属箔や樹脂成形品などの如く、少なくとも照明
装置側が光を反射する適宜な反射シートを用いうる。光
源ホルダは、その端部を液晶表示パネルのセル基板、特
に背面側基板の上下面の端部に接着する方式などにて照
明装置の包囲を兼ねる保持手段として利用することもで
きる。
【0048】光路制御層は、図1に矢印αで示した如く
液晶セルの側面に配置した照明装置51からの入射光な
いしその伝送光を、光路変換斜面A1を介し液晶セルの
厚さ方向に、従って液晶表示パネルの視認側に光路変換
させて、照明光(表示光)として利用することを目的と
し、液晶セルの背面側基板10の外側、一般には図例の
如く液晶表示パネル100の外側に配置される。
【0049】前記の目的、特に照明装置51からの入射
光を反射して、視認に有利なパネル正面方向に指向性よ
く光路変換させる点より光路制御層40は、図例の如
く、背面側基板の基準平面(仮想水平面)に対する傾斜
角が35〜48度の光路変換斜面A1を有するものであ
ることが好ましい。
【0050】光路制御層は、薄型化を目的に複数の光路
変換斜面を有するものとされる。なお光路制御層は、背
面側基板が低屈折率の透明層を有する場合、その透明層
よりも屈折率の高い層として形成されていることが好ま
しい。光路制御層の屈折率が当該透明層のそれよりも低
いと、照明装置からの入射光ないしその伝送光が背面側
基板内に閉じ込められやすくて、光路制御層への入射が
阻害され表示光として利用しにくくなる場合がある。
【0051】光路制御層は、前記した光路変換斜面の複
数を有するものとする点を除き、適宜な形態のものとし
て形成することができる。光路変換等を介して正面方向
への指向性に優れる表示光を得る点よりは、照明装置を
配置した側面、すなわち入射側面と対面する光路変換斜
面A1を具備する光出射手段Aの複数を有する光路制御
層、特にプリズム状凸凹からなる光路変換斜面A1を具
備する光出射手段Aの複数を有する光路制御層が好まし
い。
【0052】前記した光路変換斜面、ないしプリズム状
凸凹を有する光出射手段Aの例としては、横断面が三角
形のものや、四角形又は五角形のものなどがあげられ
る。また光出射手段Aは、例えば二等辺三角形の如く2
面又は3面以上の光路変換斜面A1を有するものであっ
てあってもよいし、光路変換斜面A1とそれよりも傾斜
角の大きい急斜面、又は傾斜角の小さい緩斜面を有する
ものであってもよい。さらに光出射手段Aは、隣接連続
状態にあってもよいし、間隔を有する状態で分布してい
てもよい。
【0053】従って光出射手段は、等辺面ないし同じ傾
斜角の斜面からなる凸部(突起)又は凹部(溝)にても
形成できるし、光路変換斜面と急斜面又は緩斜面ないし
傾斜角が相違する斜面からなる凸部又は凹部にても形成
でき、その斜面形態は入射側面の数や位置に応じて適宜
に決定することができる。耐擦傷性の向上による斜面機
能の維持の点よりは、凸部よりも凹部からなる光出射手
段として形成されていることが斜面等が傷付きにくくて
有利である。
【0054】上記した正面方向への指向性等の特性を達
成する点などより好ましい光路制御層は、図例の如く基
準平面に対する傾斜角が35〜48度の光路変換斜面A
1を入射側面に対面して有するもの、すなわち凹凸の稜
線が入射側面に沿う方向となる状態で有するものであ
る。従って液晶セルの2側面以上に照明装置を配置し
て、2以上の入射側面を有する場合には、その数と位置
に対応して光路変換斜面A1を有する光路制御層とした
ものが好ましく用いられる。
【0055】前記した光路変換斜面A1は、照明装置を
介した入射側面よりの入射光ないしその伝送光の内、そ
の面A1に入射する光を反射して光路変換し、液晶セル
の厚さ方向、すなわち液晶表示パネルの視認側に供給す
る役割をする。その場合、光路変換斜面A1の基準平面
に対する傾斜角を前記した如く35〜48度とすること
により、図1に折線矢印αで例示した如く、側面入射光
ないしその伝送光を基準平面に対し垂直性よく光路変換
して正面への指向性に優れる表示光を効率よく得ること
ができる。
【0056】光路変換斜面の傾斜角が35度未満では、
反射光の光路が正面方向より大きくずれて表示に有効利
用しにくく、正面方向の輝度に乏しくなる場合があり、
48度を超えると、側面入射光ないしその伝送光を全反
射させる条件から外れて、光路変換斜面よりの漏れ光が
多くなり、側面入射光の光利用効率に乏しくなる場合が
ある。
【0057】正面への指向性に優れる光路変換や漏れ光
の抑制等の点より、光路変換斜面A1の好ましい傾斜角
は、液晶セル内、特にその基板内を伝送される光のスネ
ルの法則による屈折に基づく全反射条件などを考慮して
38〜45度、就中40〜44度である。ちなみにガラ
ス板の一般的な全反射条件は約42度であり、従ってそ
の場合、側面入射光は±42度の範囲に集約された状態
でセル基板内を伝送されつつ、光路変換斜面に入射する
こととなる。
【0058】光路変換斜面A1を具備する光出射手段A
は、上記のように光路制御層の薄型化を目的に図例の如
く複数が設けられる。その場合、入射側面からの入射光
を後方に反射し対向側面側に効率よく伝送して、液晶表
示全面で可及的に均一に発光させる点よりは、基準平面
に対する傾斜角が10度以下、就中5度以下、特に3度
以下の緩斜面、ないし当該傾斜角が略0度の平坦面を含
む構造とすることが好ましい。従って光路変換斜面A1
に対面する図例の如き急斜面を含む光出射手段Aでは、
その急斜面の角度を35度以上、就中50度以上、特に
60度以上として、光出射手段間における平坦面の幅を
広くできる構造とすることが好ましい。
【0059】光出射手段Aは、図例の如くその稜線が照
明装置51を配置した液晶セルの入射側面に、平行又は
傾斜状態で沿うように設けられる。その場合、光出射手
段Aは、光路制御層の一端から他端にわたり連続して形
成されていてもよいし、断続的に不連続に形成されてい
てもよい。
【0060】不連続に形成する場合、伝送光の入射効率
や光路変換効率などの点より、その溝又は突起からなる
凹凸の入射側面に沿う方向の長さを、深さ又は高さの5
倍以上とすることが好ましい。またパネル表示面の均一
発光化の点より、前記長さを500μm以下、就中10
〜480μm、特に50〜450μmとすることが好まし
い。なお長さは、光路変換斜面A1の長辺方向に基づ
く。
【0061】光出射手段Aの横断面形状やそれを介した
光路変換斜面A1のピッチについては特に限定はない。
光路変換斜面A1が照明モードでの輝度決定要因となる
ことより、パネル表示面における発光の均一性などに応
じて適宜に決定でき、その分布密度にて光路変換光量を
制御することができる。従って光出射手段を形成する光
路変換斜面等の斜面の傾斜角等が、光路制御層の全面で
一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換
による伝送光の減衰に対処してパネル表示面の発光の均
一化を図ることを目的に、入射側面から遠離るほど光出
射手段Aを大きくしてもよい。
【0062】また一定ピッチの光出射手段Aとすること
もできるし、入射側面から遠離るほど徐々にピッチを狭
くして、光出射手段Aの分布密度を多くしたものとする
こともできる。さらにランダムピッチにてパネル表示面
における発光の均一化を図ることもできる。
【0063】加えて光出射手段Aが不連続な溝又は突起
からなる凹凸の場合には、その凹凸の大きさや形状、分
布密度や稜線の方向等を不規則なものとしたり、その不
規則な又は規則的ないし画一的な凹凸をランダムに配置
して、パネル表示面における発光の均一化を図ることも
できる。よって前記の如くパネル表示面での発光の均一
化は、光出射手段Aに適宜な方式を適用して達成するこ
とができる。
【0064】光路変換斜面は、上記のように側面入射光
の光路変換による実質的な照明光形成の機能部分である
から、その間隔が広すぎると点灯時の照明が疎となって
不自然な表示となる場合がある。その防止の点より、光
路変換斜面A1のピッチは、2mm以下、就中20μm〜
1mm、特に50μm〜0.5mmとすることが好ましい。
【0065】一方、複数の光路変換斜面、特に入射側面
方向に連続した光路変換斜面を介した照明光が、液晶セ
ルの画素と干渉してモアレを生じる場合がある。モアレ
の防止は、光路変換斜面のピッチ調節で行いうるが、そ
のピッチには前記のように好ましい範囲がある。従って
前記の好ましいピッチ範囲でモアレが生じる場合の解決
策が問題となる。
【0066】前記の場合、画素に対して光路変換斜面が
交差状態で配列しうるように、凹凸の稜線を入射側面に
対し傾斜する状態に形成してモアレを防止する方式が好
ましい。その場合、入射側面に対する傾斜角が大きすぎ
ると、光路変換斜面を介した反射に偏向を生じて、光路
変換の方向に大きな偏りが発生し、表示品位の低下原因
となりやすいことから、その稜線の入射側面に対する傾
斜角は、±30度以内、就中±25度以内とすることが
好ましい。なお、±の符号は入射側面を基準とした稜線
の傾斜方向を意味する。液晶セルの解像度が低くてモア
レを生じない場合や、モアレを無視しうる場合には、か
かる稜線は入射側面に平行なほど好ましい。
【0067】前記の点より、液晶セルの画素ピッチが一
般に100〜300μmであることも考慮して、光路変
換斜面は、その基準平面に対する投影幅に基づいて40
μm以下、就中3〜20μm、特に5〜15μmとなるよ
うに形成することが好ましい。かかる投影幅は、一般に
蛍光管のコヒーレント長が20μm程度とされている点
などより、回折による表示品位の低下を防止する点より
も好ましい。
【0068】光路制御層は、照明装置の波長域に応じそ
れに透明性を示す適宜な材料にて形成しうる。上記した
低屈折率の透明層を有する場合には、その透明層よりも
高屈折率の材料からなるものが光利用効率の点より好ま
しい。ちなみに可視光域では上記の透明保護層等で例示
したポリマーないし硬化型樹脂やガラスなどがあげられ
る。複屈折を示さないか、複屈折の小さい材料で形成し
た光路制御層が好ましい。
【0069】界面反射でセル内部に閉じ込められて出射
できない損失光量を抑制し、側面入射光ないしその伝送
光を光路制御層、特にその光路変換斜面に効率よく供給
する点より、上記低屈折率の透明層よりも屈折率が0.
05以上、就中0.08以上、特に0.1〜0.4高い
光路制御層であることが好ましい。
【0070】また照明装置からの入射光ないしその伝送
光を背面側基板から光路制御層に効率よく入射させて、
光路変換斜面を介し明るい表示を達成する点より、背面
側基板との屈折率差が0.15以内、就中0.10以
内、特に0.05以内の光路制御層であること、殊にそ
の透明基板よりも高い屈折率の光路制御層であることが
好ましい。
【0071】光路制御層は、切削法にても形成でき適宜
な方法で形成することができる。量産性等の点より好ま
しい製造方法としては、例えば熱可塑性樹脂を所定の形
状を形成しうる金型に加熱下に押付て形状を転写する方
法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂あるいは熱や溶媒を介
して流動化させた樹脂を所定の形状に成形しうる金型に
充填する方法、熱や紫外線ないし放射線等で重合処理し
うるモノマーやオリゴマーや液状樹脂を所定の形状を形
成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法があ
げられる。
【0072】また支持フィルムに予め紫外線ないし放射
線等で重合処理しうる前記の液状樹脂等を塗工し、その
塗工層を所定の形状を形成しうる型で成形して重合処理
する方法などもあげられる。その場合、透明な支持フィ
ルムを用いてそのフィルムと一体化した光路制御層を形
成することもできるし、形成後に支持フィルムと剥離し
て当該塗工層に基づく成形層のみからなる光路制御層を
形成することもできる。その場合には透明フィルムであ
る必要はない。剥離は、支持フィルムを剥離剤で表面処
理する方法などにより達成することができる。
【0073】従って光路制御層は、背面側基板等に直接
その所定形態を付与して形成することもできるし、所定
の形態を付与した透明シート等として形成することもで
きる。光路制御層の厚さは、適宜に決定しうるが一般に
は薄型化などの点より300μm以下、就中5〜200
μm、特に10〜100μmとされる。なお光出射手段の
横断面に基づく三〜五角形等の形状は、厳密な多角形を
意味するものではなく製造技術等に基づく角部の丸みや
面の歪みなどが許容されるものである。
【0074】光路制御層は、液晶表示パネルの背面側に
配置されるがその場合、図例の如くその斜面形成面すな
わち光出射手段Aを形成した面を外側(背面側)にして
配置することが、光出射手段Aの光路変換斜面A1を介
した反射効率、ひいては側面入射光の有効利用による輝
度向上の点などより好ましい。
【0075】光路制御層を前記の如く透明シート等とし
て独立に形成した場合には、光路制御層への光入射効率
の向上などの点より、図例の如く接着層18を介して、
就中、背面側基板を形成する透明基板よりも高屈折率、
就中0.05以上高い接着層を介して液晶表示パネルの
背面側に接着することが好ましい。
【0076】接着層は、適宜な透明接着剤にて形成で
き、その接着剤の種類について特に限定はない。接着処
理作業の簡便性などの点よりは、粘着層による接着方式
が好ましい。その粘着層については上記に準じることが
でき、上記した光拡散型の粘着層とすることもできる。
【0077】液晶表示装置は、図例の如く、光路制御層
40を設けた液晶表示パネル100を、筺体200の内
部に収容保持したものである。その筺体は、少なくとも
背面側基板に対向する面が光反射面からなるものとされ
る。図例では、筺体200の当該面に光反射層60が付
設されている。
【0078】前記の光反射層等にて形成される光反射面
は、光路制御層を介した反射光が液晶セル内部の半透過
反射層にて反射反転されられて出射できなくなること
を、再度その光反射面で反射反転させて液晶セル方向に
戻し、光の利用効率、ひいては輝度を向上させることを
目的とする。また外光モードにおいても、半透過反射層
を透過した外光を反射反転させて液晶セル方向に戻し、
光の利用効率、ひいては輝度の向上に有効である。さら
に光路制御層、ないしセル基板端面からの漏れ光を反射
反転させて再入射させることによる光利用効率の向上に
も有効である。
【0079】筺体は、前記した光反射面を設ける点を除
いて、特に限定はなく、液晶表示パネルの構造ないし形
状に合わせて、それを収容保持できる適宜な形態を有す
るものとすることができる。また適宜な公知材料を用い
て筺体を形成することができる。従って筺体は、光反射
性の金属や光反射性の高分子等のそれ自体が光反射性を
示す材料にて形成することもできるし、光反射性に乏し
い材料にて本体を形成して、その所定面に光反射性の金
属薄層や光反射性の高分子を付設して光反射面を有する
ものとすることもできる。光反射面は、限定するもので
ないが、光利用効率の点より95%以上の反射率を示す
ことが好ましい。
【0080】ちなみに前記の具体例としては、アルミニ
ウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率の金属ないしそ
の合金を表面に、メッキ方式や真空蒸着方式、スパッタ
リング方式等の適宜な薄膜形成方式で付設してなる鋼板
等の金属板や高分子板を用いて、又は斯かる高反射率金
属等の粉末を配合した高分子を成形する方式などで、光
反射性の筐体を形成する方法があげられる。
【0081】また筐体における所定の内面部に、光反射
層を接着層を介して貼合せる方法や高反射率インクを塗
布する方法などがあげられる。その光反射層等は、前記
した高反射率金属等の粉末をバインダ樹脂中に含有させ
た塗工層、前記の高反射率金属等や誘電体多層膜を真空
蒸着方式やスパッタリング方式等の適宜な薄膜形成方式
で付設してなる金属薄膜層、前記の塗工層や付設層をフ
ィルム等からなる基材で支持した反射シート、金属箔な
どとして得ることができる。なお斯かる光反射層の形成
技術は、上記した半透過反射層の形成に適用することが
できる。
【0082】光反射層は、鏡面であってもよいが、モア
レ防止の観点よりは光拡散機能を示すものが好ましい。
光拡散型の反射層の形成は、例えばサンドブラストやマ
ット処理等による表面の粗面化方式や、粒子添加方式な
どの適宜な方式で表面を微細凹凸構造としたフィルム基
材等にその微細凹凸構造を反映させた光反射層を設ける
方式などにより行うことができる。その表面の微細凹凸
構造を反映させた微細凹凸構造の光反射層の形成は、例
えば真空蒸着方式やイオンプレーティング方式、スパッ
タリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方
式で金属をフィルム基材等の表面に付設する方法などに
より行うことができる。斯かる光拡散型の反射層の形成
技術は、上記した半透過反射層の形成に適用することが
できる。
【0083】本発明による液晶表示装置によれば、照明
モードにおいて入射側面よりの入射光の殆どが液晶セ
ル、特にその背面側基板を介し屈折の法則による反射を
介して後方に伝送され、セル表面よりの出射(漏れ)が
防止されつつ、光路制御層の光路変換斜面A1に入射し
た光が効率よく視認方向に垂直指向性よく光路変換さ
れ、他の伝送光も全反射にて後方にさらに伝送されて、
後方における光路変換斜面A1に入射し効率よく視認方
向に垂直指向性よく光路変換される。
【0084】次に前記の光路変換斜面で光路変換された
光は、半透過反射層に到達し、それを透過した光が液晶
セルに入射して表示光が形成され、パネル表示面の全面
において明るさの均一性に優れる表示を達成することが
できる。一方、外光モードでは、視認側より入射した外
光が半透過反射層に到達し、それで反射された光が液晶
セルで表示光とされて、パネル表示面の全面において明
るさの均一性に優れる表示を達成することができる。
【0085】また前記において、液晶表示パネルの外側
の筺体における光反射面が、上記の如く半透過反射層に
よる反射光又は透過光、及び端面からの漏れ光を再利用
することを可能にして光利用効率が向上し、明るさがよ
り向上する。従って照明装置からの光を効率よく利用し
て明るくて見やすく表示品位に優れる照明・外光両用型
の液晶表示装置を形成することができる。
【0086】なお本発明において上記した液晶表示装置
を形成する光路制御層や液晶セル、偏光板や位相差板等
の光学素子ないし部品は、全体的又は部分的に積層一体
化されて固着されていてもよいし、分離容易な状態に配
置されていてもよい。界面反射の抑制によるコントラス
トの低下防止などの点よりは固着状態にあることが好ま
しい。その固着密着処理には、粘着剤等の適宜な透明接
着剤を用いることができ、その透明接着層に上記した透
明粒子等を含有させて拡散機能を示す接着層などとする
こともできる。
【0087】また前記の光学素子ないし部品、特に視認
側のそれには例えばサリチル酸エステル系化合物やベン
ゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシ
アノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の
紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能を
もたせることもできる。
【0088】
【実施例】参考例1 厚さ0.7mm、屈折率1.52の無アルカリガラス板に
フッ化マグネシウムを真空蒸着して厚さ600nm、屈折
率1.38の低屈折率透明層を形成し、その上に表面微
細凹凸構造の樹脂層を設けた。次にその上にアルミニウ
ムを真空蒸着し、エッチング方式で250μm角の開口
を20%の開口率で均等に分布するように形成して電極
を兼ねる半透過反射層を設け、その上にポリビニルアル
コール溶液をスピンコートしてその乾燥膜をラビング処
理して背面側基板を得た。一方、前記と同様の無アルカ
リガラス板にITO透明導電層を形成しその透明電極を
エッチングして分割した後、その上にラビング処理膜を
設けて視認側基板を得た。
【0089】ついで前記の背面側基板と視認側基板をそ
のラビング面をラビング方向が直交するように対向させ
てギャップ調節材を配し、周囲をエポキシ樹脂でシール
したのち液晶(メルク社製、ZLI−4792)を注入
してTN系液晶セルを形成し、その両面に位相差板付き
偏光板を貼着してノーマリーホワイトの液晶パネルを得
た。そのパネルサイズは、幅25mm、長さ34mmで、そ
の長さ方向の背面側基板の一側面が背面側基板よりも2
mm突出したものである。次にその背面側基板の突出側面
に冷陰極管を配置し、銀蒸着のポリエステルフィルムで
包囲してフィルム端部を基板の上下面に両面粘着テープ
で接着し冷陰極管を保持固定した。
【0090】参考例2 予め所定形状に加工した金型にアクリル系の紫外線硬化
型樹脂(東亞合成社製、アロニックスUV−3701)
をスポイトにて滴下充填し、その上に厚さ60μmのポ
リカーボネート(PC)フィルムを静置しゴムローラで
密着させて余分な樹脂と気泡を除去しメタルハライドラ
ンプにて紫外線を照射して硬化処理した後、金型から剥
離し所定寸法に裁断してPCフィルムを剥離し、屈折率
1.51の光路制御層(透明シート)を得、その光路制
御層を有しない面に屈折率1.51のアクリル系粘着層
を付設した。
【0091】なお前記の透明シートは、幅22mm、長さ
28mmであり、稜線が幅方向にわたり連続し、かつ21
度の角度で傾斜するプリズム状凹部を190μmのピッ
チで平行に有し、その光路変換斜面の傾斜角が42度で
急斜面との頂角が70度であり、光路変換斜面の基準平
面に対する投影幅が7〜12μmで、平坦部の面積が光
路変換斜面と急斜面の基準平面に対する投影合計面積の
10倍以上のものからなる。
【0092】実施例1 透明シート(光路制御層)と対面する面に、アルミニウ
ムを蒸着した光反射率99%の光反射面を有する鋼板製
筺体に、参考例1の液晶パネルの背面側に参考例2の透
明シートをその粘着層を介し接着してなる液晶表示パネ
ルを収容して固定し、液晶表示装置を得た。
【0093】実施例2 アルミニウムの蒸着に代えて、光反射率98%の白色ポ
リエステルフィルムを接着してなる光反射面を有する鋼
板製筺体を用いたほかは、実施例1に準じて液晶表示装
置を得た。
【0094】実施例3 アルミニウムの蒸着に代えて、光反射率99%のアルミ
ニウム蒸着のポリエステルフィルムを接着してなる光反
射面を有する鋼板製筺体を用いたほかは、実施例1に準
じて液晶表示装置を得た。
【0095】比較例1 筺体に光反射面を形成する方式に代えて、液晶表示パネ
ルの光路制御層に光反射率98%の白色ポリエステルフ
ィルムを接着したほかは、実施例1に準じて液晶表示装
置を得た。
【0096】比較例2 筺体に光反射面を形成する方式に代えて、液晶表示パネ
ルの光路制御層に光反射率99%のアルミニウム蒸着の
ポリエステルフィルムを接着したほかは、実施例1に準
じて液晶表示装置を得た。
【0097】評価試験 実施例、比較例で得た液晶表示装置について、暗室にて
液晶セルに電圧を印加しない状態で冷陰極管を点灯さ
せ、中央位置での正面輝度を輝度計(トプコン社製、B
M7)にて調べた。その結果を次表に示した。なお表に
は、光反射シートの筺体面、又は光路制御層への付設作
業性の評価結果も示した。
【0098】
【0099】表より、実施例では照明モードにおいて、
比較例よりも明るい表示の達成されていることがわか
る。その原因は、光反射シートを接着する際にその粘着
剤が光路制御層の光反射手段の窪みに入り込み、その一
部を埋没させたために伝送光の反射機能が低下し、光利
用効率が低下したためと推定される。また実施例では、
貼り合わせる光学部材が少なくなることで、液晶表示に
影響を与える層間気泡の混入確率が減少し、貼り付け作
業性の向上が図れることも判る。
【0100】なお実施例においては、照明及び外光の両
モードにおいて、明るさの均一性に優れており、表示品
位も良好であった。以上より、本発明により導光板を用
いることなく、液晶セル端面に光源装置を設けるだけで
発光可能な、薄くて軽量な照明・外光両用型の液晶表示
装置を実現されていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の説明断面図
【符号の説明】
100:液晶表示パネル 10、20:透明基板(11:半透過反射層 21:透
明電極) 30:液晶 40:光路制御層(A1:光路変換斜面) 51:照明装置 200:筺体(60:光反射面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 勇樹 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 (72)発明者 木下 亮児 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号日東電 工株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA17 HA40 QA11 TA18 TA20 2H091 FA14Z FA15Y FA31Z FA37X FA41Z FD11 LA11 LA13 5C094 AA15 BA44 EB02 ED13 FA04 5G435 AA18 BB12 BB15 EE23 EE27 FF06 FF12 HH04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板に、光を透過しかつ反射すると
    共に、電極を兼ねることもある半透過反射層を少なくと
    も有する背面側基板と、透明基板に透明電極を有する視
    認側基板とを、それらの電極側を対向させて配置した間
    に液晶を挟持してなる液晶セル、その側面に配置された
    照明装置、及び前記背面側基板の外側に配置され、かつ
    前記照明装置を介した側面からの入射光を当該液晶セル
    の厚さ方向に反射する複数の光路変換斜面を有する光路
    制御層を少なくとも具備する液晶表示パネルを、筺体内
    に保持してなり、その筺体の少なくとも前記背面側基板
    に対向する面が光反射面からなることを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、筺体の当該光反射面
    が金属又は高分子からなる液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、筺体が光反射
    性の金属板又は光反射性の高分子からなる液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、筺体の当該光
    反射面が金属薄層又は光反射性の高分子の付設面からな
    る液晶表示装置。
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