JP2003120858A - 複合三重管及び既設埋設管の更新方法 - Google Patents

複合三重管及び既設埋設管の更新方法

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JP2003120858A
JP2003120858A JP2001317213A JP2001317213A JP2003120858A JP 2003120858 A JP2003120858 A JP 2003120858A JP 2001317213 A JP2001317213 A JP 2001317213A JP 2001317213 A JP2001317213 A JP 2001317213A JP 2003120858 A JP2003120858 A JP 2003120858A
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Eiji Matsuyama
英治 松山
Masaki Yoshikawa
正樹 吉川
Tsuyoshi Mizukami
剛志 水上
Hiroyuki Horikawa
浩之 堀川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断面剛性が大で信頼性の高い複合三重管、及
び低コストで輸送能力を向上できる信頼性の高い既設埋
設管の更新方法を提供する。 【解決手段】 外管10内にこの外管10より小径の内
管15を挿入し、これら外管10と内管15との間に形
成された空隙19内に充填材料を充填してなる複合三重
管において、圧縮強度が10〜400kgf/cm2、弾性定
数が1000〜5000kgf/mm2の充填材料を空隙19
内に2kgf/cm2〜5kgf/cm2の圧力で圧送して充填し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス輸送導管や水
道管等に用いられる複合三重管、及びガス輸送導管や水
道管の如き既設埋設管の更新方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設されている例えば高圧ガス輸
送導管は、長期間の敷設により腐食したり、管材料や継
手材料が劣化したり、あるいは外的要因により損傷する
場合がある。このような状況にある埋設管は、昇圧によ
る輸送能力の向上はもとより、初期の輸送能力を確保す
ることさえ困難で、場合によってはガスの漏洩が発生す
るおそれもある。
【0003】現状では、このような既設管によって輸送
能力を確保することは困難なため、輸送能力を確保しさ
らには向上しようとする場合は、配管の新規敷設を検討
するのが一般的である。また、上記のような既設埋設管
により引続き輸送能力を確保しようとする場合は、腐
食、劣化、損傷等の状況を検査し、補修が必要な個所に
対して適切な補修を行う必要がある。
【0004】従来、管路の補修方法には、腐食や損傷が
小さい場合は、管の減肉部分を補うスリーブを取付ける
方法や、腐食や損傷が大きい場合には、管を取替える方
法が行われていた。また、例えば、特開昭62−219
92号公報、特開昭62−35190号公報に記載され
ているように、既設管路内に新しい管路を引き込むパイ
プ・イン・パイプ工法(インサーション工法)や、特公
昭57−50551号公報、特開平6−143424号
公報、特開平6−226846号公報に記載されている
ように、既設管路の内面に樹脂ライニングをする方法が
あった。さらに、特開昭58−128590号公報に記
載されているように、大口径の既設管に対しては、内面
鋼板をライニングする方法があった。
【0005】また、道路の横断部など、埋設管に大きな
荷重が作用する部分においては、埋設管を保護するため
に二重管が採用されており、外管と内管との間の空隙に
エアモルタルや砂などの充填材料を充填した三重管構造
となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】輸送能力の確保のため
には、前述のように、新規に埋設管を敷設する方法と、
既設管を補修して引続き利用する方法が考えられるが、
新規に埋設管を敷設するには多くの建設費用が必要であ
り、特に市街地においては、輻輳する埋設物の問題や、
道路、住宅などの周辺環境の問題で事実上建設が困難な
場合も少なくない。
【0007】また、既設の埋設管を利用する場合は、前
述のように老朽化等の問題で現状のまま利用することは
困難なため補修をしなければならないが、既設管の補修
にあたっては、補修を必要とする腐食や損傷位置の特定
が難しく、その検査に多くの時間と費用を要する。さら
に、補修が必要と判断される箇所が多くなると、補修の
ための掘削工事に多大の費用が必要になる。
【0008】一方、特開昭62−21992号公報など
に記載されているように、既設管路内に新しい管路を引
き込む場合は、既設管に対して輸送断面積が減少するた
め、輸送能力の低下などの問題があった。また、特開昭
57−50551号公報などに記載されているように、
既設管路の内面に樹脂ライニングする方法は、輸送断面
積の減少を最小にできるが、ライニングする樹脂の耐久
性が不安定であり、特に、高圧ガス輸送導管に対しては
信頼性の観点から採用されていない。さらに、特開昭5
8−128590号公報に記載されているように、既設
管の内面に鋼板をライニングする方法は、管内部で作業
できない中小口径の既設管には実施できないという問題
がある。
【0009】また、従来の三重構造の埋設管において
は、外管と内管との間に単に空間部を残さないために充
填材料を充填しているため、充填効率をあげることを重
視して充填方法及び充填材料が選択されていた。充填材
料は長距離の充填が必要なため、充填材料の選択にあた
っては、流動性、固化するときの収縮性及び固化性能
(固まりやすさ)が重要な要因となっていた。充填材料
の流動性が高いと低い圧力(小さい動力)で長い距離圧
送できるうえ、狭い空間への充填性を向上できる。ま
た、固化時の収縮が小さく、短時間で固化する材料であ
れば、内管の浮力さえ考慮すれば一度に大量に充填する
ことができる。
【0010】このような観点から、上記の充填材料に
は、流動性が高く、収縮性が小さくて固化し易い材料が
使用されており、一般に充填材料には、固化後の圧縮強
度が10kgf/cm2以下で、弾性定数が200kgf/mm
2(鋼の弾性係数の1/100以下)のエアモルタルな
どが用いられて、最大2kgf/cm2程度で圧送し、充填さ
れていた。このため、形式的には三重構造であるが、実
際の設計では、内圧に対しては内管の強度のみに依存し
た設計であり、外圧に対しては状況により外管の強度に
依存する構造となっていた。このような構造では、外管
と内管がそれぞれ独立した強度部材となっているため、
高価になるという問題があった。
【0011】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、断面剛性が大で信頼性の高い複合三重
管、及び低コストで輸送能力を向上することのできる信
頼性の高い既設埋設管の更新方法を提供することを目的
としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合三重管
は、外管内に該外管より小径の内管を挿入し、これら外
管と内管との間に形成された空隙内に充填材料を充填し
てなる複合三重管において、圧縮強度が10〜400kg
f/cm2、弾性定数が1000〜5000kgf/mm2の充填
材料を前記空隙内に2kgf/cm2〜5kgf/cm2の圧力で圧
送して充填したものである。
【0013】本発明に係る既設埋設管の更新方法は、既
設埋設管内に該既設埋設管より小径の新設管を挿入して
更新する方法において、前記既設埋設管と新設管との間
に形成された空隙内に、圧縮強度が10〜400kgf/c
m2、弾性定数が1000〜5000kgf/mm2の充填材料
を、2kgf/cm2〜5kgf/cm2の圧力で圧送して充填する
ようにした。また、上記の新設管の設計内圧を、既設埋
設管の設計内圧より高く設定した。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係
る既設埋設管の更新方法を説明するための模式図、図2
は施工後の要部の縦断面図及びそのA−A断面図、図3
は道路の地下に高圧ガス輸送導管が埋設されている状態
を示す模式図である。図において、1は道路、10は道
路1の地下に埋設された既設の高圧ガス輸送導管(以
下、既設管といい、例えば、API・5L×42の鋼管
からなっている。なお、以下の説明では、外管というこ
とがある。)で、直管部11と曲管部12とからなって
いる。
【0015】2a,2bは既設管10の曲り部(曲管部
12)を中心にその周辺を掘削して築造した材料等の投
入立坑(以下、投入立坑を単に2と記すことがある)、
3a,3bは同じく到達立坑(以下、到達立坑を単に3
と記すことがある)で、投入立坑2と到達立坑3とは既
設管10上に交互に設けられている。投入立坑2は曲管
部12の切断・撤去、新配管の搬入、既設管10内への
挿入(推進)、溶接等の作業領域を構成し、到達立坑3
は曲管部12の切断・撤去、新しい曲り管の搬入、溶接
等の作業領域を構成する。4は投入立坑2内に設置され
た基台で、その水平部の上面は既設管10の下部内壁面
とほぼ同一平面上に位置する。
【0016】15は既設管10より小口径で、かつ既設
管10より強度が大きい鋼管からなる新設管(以下の説
明では、内管ということがある)で、例えば、長さ6m
あるいは9mで、API・5L×65の鋼管等からなる
直管16a〜16d、16e,16f(以下、直管を単
に16と記すことがある)を投入立坑2内において順次
溶接接合し、投入立坑2内に設置した押込み機(図示せ
ず)により既設管10内に押込んで推進させ、敷設した
ものである。17は曲り部において直管16に溶接接合
される曲り管である。なお、18は直管16の中心部を
通る水平方向の外面側及び下面側に設けられた例えば合
成樹脂からなる複数の緩衝材である。
【0017】20は既設管10と新設管15との間に形
成された空隙19内に充填された充填材料である。本発
明は、新設管15の内部の圧力に対して、充填材料20
及び既設管10が新設管15を補剛する構造であるた
め、新設管15の外面からの圧力を既設管10へ伝達す
る必要があるが、充填材料20の圧縮強度や弾性定数が
小さいと圧力が伝達されにくくなる。そこで、本発明に
おいては、例えば、圧縮強度が10〜400kgf/cm
2で、弾性定数が1000〜5000kgf/mm2(鋼の弾
性係数の1/20程度以上)のエアモルタル、流動化モ
ルタルあるいは樹脂モルタルの如き材料を充填材料20
とした。しかし、このような充填材料20を高強度化す
ることにより、充填性能が損われるおそれがあるため、
従来より高圧の2kgf/cm2〜5kgf/cm2の圧力で圧送す
るようにした。これにより、既設管10、新設管15及
び充填材料20を強固に一体化した三重管構造を構成す
ることができる。
【0018】この場合、充填材20の圧縮強度が10kg
f/cm2未満では内圧を外管10に十分伝達できず、40
0kgf/cm2を超えるとコスト高になる。また、弾性定数
が1000kgf/mm2未満では内圧を外管10に十分伝達
できず、5000kgf/mm2を超えると材料の入手が困難
である。さらに、充填圧力が2kgf/cm2未満では充填材
料20を確実に充填することができず、5kgf/cm2を超
えると充填装置が大型になり、好ましくない。
【0019】次に、本発明の施工手順の一例について説
明する。先ず、既設管10の曲管部12を中心にしてそ
の周辺を掘削し、材料等の投入立坑2及び到達立坑3を
築造する。この場合、投入立坑2は、既設管10の曲管
部12を切断して撤去したのち直管16を搬入すること
ができ、かつ、1箇所の投入立坑2により左右双方の既
設管10内に直管16を押込んで推進できるような大き
さとする。
【0020】また、到達立坑3は、開口部を最小限の大
きさにして投入立坑2a,2bの双方向から押込まれた
直管16を接合した直管部の先端部の間に曲り管17を
接合しうるように築造することにより、投入立坑2より
も寸法を効率的に設計することができるので、築造費用
を低減することができる。
【0021】次に、投入立坑2及び到達立坑3内におい
て、埋設管10の曲管部12の両端部を切断し、坑外に
撤去する。この場合、状況に応じて直管部11の一部を
含めて切断してもよい。
【0022】ついで、ポリピグ、クリーニングピグ、マ
グネットピグ等を用いて既設管10内の異物除去、洗浄
を行い、また、既設管10の局部的へこみ、縮径、溶接
の垂れ落ちなどを検査し、これらが許容範囲内にあるか
どうかを調査する。検査の結果が許容範囲にあるとき
は、投入立坑2内に押込み機、溶接器具等を搬入し、ま
た、到達立坑3に溶接器具等を搬入する。
【0023】次に、緩衝材18が取付けられた直管16
aを投入立坑2a内に搬入し、押込み機によりその後端
部が投入立坑2a内に若干位置する状態まで既設管10
内に押込む。そして、次の直管16bを投入立坑2a内
に搬入して、その先端部と前段の直管16aの後端部と
を突合わせて位置決めし、両者を溶接接合する。つい
で、溶接部の検査を行ったのち、溶接部の外周面に防食
のための塗覆装を施す。
【0024】このようにして、投入立坑2内に搬入され
た直管16c,16d,……を順次溶接接合して既設管
10の直管部11内に押込み、最前部の直管16aの先
端部が到達立坑3内に到達したときは、押込みを中止す
る。なお、直管16の押込みにあたっては、前述のよう
に、既設管10内は異物が除去されて洗浄されており、
また、直管16には緩衝材18が取付けられているた
め、スムーズに押込むことができ、直管16や直管16
の塗覆装が損傷することはない。
【0025】同様にして、第2の投入立坑2bにおいて
も、直管16e,16f,……を順次溶接接合して溶接
部の検査、塗覆装を行い、到達立坑3まで押込む。そし
て、到達立坑3内において、投入立坑2a,2bの両方
から押込まれた直管16aと16eの間に曲り管17を
挾んで位置決めしたのち溶接接合し、溶接部の検査を行
って塗覆装する。ついで、撤去した既設の曲り管12を
例えば2つ割りにして新設の曲り管17の外周に配置
し、2つ割りにした切断部を溶接接合すると共に、両端
部を既設管10に溶接接合する。これにより、管路の配
管構造が統一され、二重管構造の高圧ガス輸送導管が構
成される。なお、新設の曲り管17の外周に2つ割りで
製作した曲り管17より大径の新しい曲り管を配設して
溶接接合し、二重管構造としてもよい。一方、投入立坑
2a,2bの反対側にも同様にして直管16を順次溶接
接合して既設管10内に押込み、新設管15を敷設す
る。
【0026】次に、投入立坑2a,2bに新設管15の
曲り管17を搬入し、投入立坑2の両側の既設管10内
に押込まれた新設管15の端部の間に挾んで位置決め
し、溶接接合する。そして、溶接部を検査したのち、直
管16の場合と同様に溶接部の外周面に塗覆装を施す。
この場合も、到達立坑3の場合と同様に曲り管17を二
重管構造とする。
【0027】新設管15の曲り管17は、その強度を直
管16の二重管構造としての強度と同程度にすることに
より、曲り部を二重管構造としないこともでき、これに
より、曲り部の施工費用を大幅に低減することができ
る。また、曲り部を二重構造とした場合は、新設管15
と既設管10が一体化した構造となるため、地盤の変形
などに対する優れた強度性能を得ることができる。
【0028】次に、既設管10と新設管15との間に形
成された空隙19内に、前述の充填材料20を圧送して
充填する。これにより、充填材料20の圧縮強度によっ
て既設管10、充填材料20及び新設管15が完全に一
体化された複合三重管が構成される。この場合、新設管
15に浮力が発生するのを防止し、また未充填箇所の極
小化のために、複数の段階に分けて充填することが望ま
しい。なお、事前に充填しにくい箇所を特定し、専用の
注入方法などを用いることにより、充填材料をより完全
に充填することができる。
【0029】ついで、投入立坑2及び到達立坑3を埋戻
す。なお、状況により、定期的点検を行いうるように投
入立坑2及び到達立坑3の全部又は一部を地下ピット化
してもよい。最後に、完成した新設管15の水耐圧試験
及びN2 ガスによる気密試験の両者又はいずれか一方を
行い、施工を完了する。
【0030】上記の説明では、複数の直管16を溶接接
合した新設管15の直管部を、押込み機により既設管1
0内に押込む場合を示したが、到達立坑3内に引込み機
を設置し、新設管15の直管部を既設管10内に引込む
ようにしてもよい。この場合新設管15の直管部の推進
の際に生じる反力を、既設管10の周面摩擦力が大きい
場合は、既設埋設管10によって支持させるようにして
もよく、これにより別に設ける反力装置を省略すること
ができる。
【0031】また、上記の説明では、既設管10の曲り
部(曲り管12)を切断して撤去し、直管16を接合し
てなる直管部を既設管10の直管部11内に推進させて
その端部に曲り管17を接合する場合について説明した
が、既設管10の曲管部12の曲り角度θ(図2参照)
が10°未満の浅い場合においては、曲り管17を用い
ることなく曲り部に直管16を接合し、又は曲り管17
を設けることなく複数の直管16を接続した新設管15
の直管部を曲り部に挿入してもよい。さらに、複数の直
管16の間に既設管10の曲管部12の位置に対応して
曲率を付与した曲り管17を組合せて接続した新設管1
5を、曲り部を有する既設管10内に推進させて敷設し
てもよい。これにより、既設管10の曲管部12部分の
一部の投入立坑2や到達立坑3を省略することができ
る。
【0032】さらに、上記の説明では、本発明を、直管
16を順次溶接接合して既設管10内に挿入し、両者の
間に充填材料20を充填してこれらを一体化し、三重構
造に形成した場合を示したが、他の手段によるインサー
ション工法の場合にも本発明を実施することができる。
また、高圧ガス輸送導管の更新に本発明を実施した場合
を示したが、水道管その他地中に埋設した既設管の更新
の場合にも本発明を実施することができる。
【0033】また、本発明を既設管内にインサーション
工法により新設管を敷設する際に実施する場合を示した
が、例えば道路の横断部など、道路に大きな荷重がかか
る場合に、埋設管を保護するために当初から三重管構造
の配管を埋設する場合にも、本発明に係る複合三重管を
埋設することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施にあたっては、外管にこれより小径の内管を内挿し、
外管と内管との間に形成された空隙内に前述の充填材料
を充填した。そして、表1に示すように、呼び径600
A、管材質API・5L×42、規格降伏応力289M
Pa、管厚6.4mmの外管に、2MPaの設計圧力で
輸送されるガス流量を基準(以下、基準流量という)と
した。なお、従来の埋設管(外管)では、管厚を決定す
る場合に、内圧を鋼管だけで受持つように設計してお
り、一般的に次式で鋼管の円周方向応力を求め、その応
力が規格降伏応力の40%以下となるように管厚を定め
ている。 σ=(P×D)/(2×t)≦0.4×σy ただし、σ:内圧により鋼管に発生する円周方向応力、
P:内圧、D:鋼管の外径、t:鋼管の管厚、σy :鋼
管の規格降伏応力。
【0035】
【表1】
【0036】表1のケース1においては、外管内に、呼
び径400A、管材質API・5L×65、規格降伏応
力448、管厚7.9mmの内管を挿入し、両者の間に形
成された空隙内に、圧縮強度100kgf/cm2、弾性定数
1000kgf/mm2のエアモルタルを、5kgf/cm2で圧送
して充填し、三者が一体化された複合三重管を構成し
た。そして、7MPaの設計圧力でガスを輸送すること
により、基準流量の約1.5倍の輸送能力を確保するこ
とができた。
【0037】また、ケース2においては、外管内に、呼
び径400A、管材質API・5L×80、規格降伏応
力551、管厚9.5mmの内管を挿入し、両者の間に
形成された空隙内に、圧縮強度100kgf/cm2、弾性定
数1000kgf/mm2のエアモルタルを、5kgf/cm2で圧
送して充填し、三者が一体化された複合三重管を構成し
た。そして、10MPaの設計圧力でガスを輸送するこ
とにより、基準流量の約2倍の輸送能力を確保すること
ができた。
【0038】以上の結果から、本発明に係る複合三重管
は、外管と内管が充填材料で一体化されているため、内
管の管材質及び規格降伏応力を強化して断面剛性を増加
させることにより、内管の管厚を薄くしても輸送圧力を
高めることができ、輸送能力を大幅に向上できることが
確認された。
【0039】三重管の強度評価方法には、一体化された
内管、外管及び充填材を鋼管となみした等価厚さの和
を、単独埋設管の管厚として設計することができる。表
2は、この方法により、外管、充填材料及び内管の圧力
分担比率をそれぞれ30%、10%、60%とした場合
の、内管の管厚の試算例を、単独の埋設管の場合と比較
した例を示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、三重管の内管
と、単独の埋設管とに同じ鋼管を使用した場合におい
て、本発明に係る三重管の場合は、単独の埋設管に比べ
て、管厚を9.9mmから6.9mmに、あるいは11.5
mmから8.1mmに、約30%低減することができる。
【0042】上記のように構成した複合三重管及び既設
埋設管の更新方法によれば、内管、充填材料及び外管に
より内圧を分担できるため、内管の管厚を単独の埋設管
に比べて薄くすることができ、これにより鋼管自体の重
量を軽減でき、材料コストを低減することができる。ま
た、これにより、管の運搬、施工時のハンドリングも容
易になり、溶接施工時間を短縮することができ、施工期
間を短縮することができる。
【0043】さらに、内管の設計圧力を既設管の設計圧
力より高圧化することによって、内管と既設管の管厚が
等しい場合は勿論、内管の管厚を既設管の管厚より薄く
しても、低コストで輸送能力を向上することができる。
また、外管、内管及び充填材料の一体化による断面剛性
の増加により、万一内管に損傷が発生した場合でも、外
管外への流体の漏洩を防止することができるので、高度
の信頼性を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る複合三重管は、外管内にこ
れより小径の内管を挿入し、両者の間に形成された空隙
内に、圧縮強度が10〜400kgf/cm2、弾性定数が1
000〜5000kgf/mm2の充填材料を2kgf/cm2〜5
kgf/cm2の圧力で圧送して充填してこれらを一体化する
ようにしたので、断面剛性が大で信頼性の高い複合三重
管を得ることができる。
【0045】また、本発明に係る既設埋設管内にこれよ
り小径の新設管を挿入して更新する方法において、既設
埋設管と新設管との間に形成された空隙内に、圧縮強度
が10〜400kgf/cm2、弾性定数が1000〜500
0kgf/mm2の充填材料を、2kgf/cm2〜5kgf/cm2の圧
力で圧送して充填するように構成し、また、新設管の設
計内圧を、既設埋設管の設計内圧より高く設定したの
で、低コストで輸送能力を向上することができる。ま
た、外管、内管及び充填材料の一体化による断面剛性の
増加により、万一内管に損傷が発生した場合でも、外管
外への流体の漏洩を防止することができるので、高度の
信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る既設埋設管の更新
方法を説明するための模式図である。
【図2】施工後の要部の縦断面図及びそのA−A断面図
である。
【図3】道路の地下に高圧ガス輸送導管が埋設された状
態の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 道路 2 投入立坑 3 到達立坑 10 既設埋設管(既設管) 11 既設管の直管部 12 既設管の曲管部 15 新設管 16 直管 17 曲り管 18 緩衝材 19 空隙 20 充填材料
フロントページの続き (72)発明者 水上 剛志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 堀川 浩之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AA06 AC18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外管内に該外管より小径の内管を挿入
    し、これら外管と内管との間に形成された空隙内に充填
    材料を充填してなる複合三重管において、 圧縮強度が10〜400kgf/cm2、弾性定数が1000
    〜5000kgf/mm2の充填材料を前記空隙内に2kgf/c
    m2〜5kgf/cm2の圧力で圧送して充填したことを特徴と
    する複合三重管。
  2. 【請求項2】 既設埋設管内に該既設埋設管より小径の
    新設管を挿入して更新する方法において、 前記既設埋設管と新設管との間に形成された空隙内に、
    圧縮強度が10〜400kgf/cm2、弾性定数が1000
    〜5000kgf/mm2の充填材料を、2kgf/cm2〜5kgf
    /cm2の圧力で圧送して充填することを特徴とする既設
    埋設管の更新方法。
  3. 【請求項3】 新設管の設計内圧を、既設埋設管の設計
    内圧より高く設定したことを特徴とする請求項2記載の
    既設埋設管の更新方法。
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