JP2003119954A - 建築資材 - Google Patents

建築資材

Info

Publication number
JP2003119954A
JP2003119954A JP2001310093A JP2001310093A JP2003119954A JP 2003119954 A JP2003119954 A JP 2003119954A JP 2001310093 A JP2001310093 A JP 2001310093A JP 2001310093 A JP2001310093 A JP 2001310093A JP 2003119954 A JP2003119954 A JP 2003119954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
building material
alicyclic
alicyclic polyester
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001310093A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Sato
藤 大 佐
Narimoto Kanetani
谷 成 基 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Plastics Japan Ltd filed Critical GE Plastics Japan Ltd
Priority to JP2001310093A priority Critical patent/JP2003119954A/ja
Publication of JP2003119954A publication Critical patent/JP2003119954A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Panels For Use In Building Construction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性に優れ、
しかもこれらの特性のバランスなどに優れた建築資材を
提供する。 【解決手段】脂環族ポリエステルを含む熱可塑性樹脂組
成物からなる建築資材。前記脂環族ポリエステルが、ポ
リシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジカルボ
キシレートであることが好ましい。建築資材としては、
射出成形品、インジェクション成形品、ブロー成形品、
押出成形品、または真空・圧空成形品が好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は脂環族ポリエステルを含む
樹脂組成物からなる建築資材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】建材および住宅・店舗用資材など
プラスチック建築資材には、透明性、難燃性に優れると
ともに、屋外で使用されることもあるので、耐候性、耐
衝撃性、耐薬品性などに優れていることが望まれてい
る。また、資材重量を軽くするため、軽量化も望まれて
いる。
【0003】このようなプラスチック建築資材には、従
来ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(AB
S)樹脂などを主成分とする樹脂組成物からなるプラスチ
ック成形品が使用されていた。しかしながら、これらの
従来より使用されていた樹脂組成物では、必ずしも前記
特性のバランスが優れている建築資材を得ることは困難
であった。
【0004】たとえば、PBTからなる成形品は、耐薬
品性に優れるものの、衝撃強度が低いため、製品肉厚を
増やさねばならず、このため建築資材が重量化してしま
うという問題点があった。また、このようなPBTでは
設計寸法精度が低く、薄肉の建築資材を成形できないと
いう問題点があった。またABS樹脂では、耐候性が充分
ではなく、このため、成形品表面に、保護層などの塗工
が必要であるなど、多くの問題点を抱えている。
【0005】そこで、本発明者らはこのような従来技術
に伴う問題点を解決すべく鋭意検討した結果、脂環族ポ
リエステル樹脂を含む組成物を使用して、建築資材を成
形すると、透明性、耐衝撃性、耐薬品性、耐候性などの
バランスに優れた資材が得られ、しかも薄肉化も可能で
あることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、透明性、耐衝撃性、耐薬品
性、耐候性に優れ、しかもこれらの特性のバランスなど
に優れたのバランスに建築資材を提供することを目的と
している。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る建築資材は、脂環族ポリエ
ステルを含む熱可塑性樹脂組成物からなる。前記脂環族
ポリエステルは、ポリシクロヘキサンジメタノールシク
ロヘキサンジカルボキシレートであることが好ましい。
【0008】このような本発明に係る建築資材は、射出
成形、インジェクション成形、ブロー成形、押出成形、
または真空・圧空成形して得られたものが好適である。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る建築資材につ
いて具体的に説明する。 [熱可塑性樹脂組成物]本発明では、熱可塑性樹脂組成
物としては、脂環族ポリエステルを含むものが使用され
る。 a)脂環族ポリエステル樹脂 脂環式ポリエステル樹脂としては、下記式(I)で表され
る繰返単位を有するポリエステルが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】式中Rはジオールから誘導される二価の残
基であり、R1は二価酸(二価カルボン酸)から誘導され
る2価の残基であり、RまたはR1の少なくとも1つはシク
ロアルキル環を含む基である。具体的には、Rは6〜2
0の炭素原子を有するジオールを含むアリール、アルカ
ンまたはシクロアルカン残基であり、RあるいはR1の少
なくとも1方が脂環基である。特に、RおよびR1の両方
が、脂環基であることが望ましい。
【0012】このようなRおよびR1としては、下記で示
されるものが挙げられる。
【0013】
【化2】
【0014】このような脂環族ポリエステルは、二価酸
とジオールとの縮合物であり、二価酸とジオールとが化
学当量で反応したものであっても、いずれかが過量に含
まれていてもよく、50モル%以上の脂環族ジオールお
よび/または脂環族二価酸成分を含んでいれば、他の成
分は、線形(環状ではない)脂肪族二価酸および/また
は脂肪族ジオールからなる成分を含んでいてもよい。本
発明のように脂環族成分を含んでいると、ポリエステル
は高い剛性を有するともに、たとえばポリカーボネート
と混合したときに透明性が低下することもない。
【0015】脂環族ジオールとしては、HO-R-OH
(Rは前記(I)と同じ)で表され、たとえば、ジメタノ
ールデカリン、ジメタノールビシクロオクタン;1,4-シ
クロヘキサンジメタノール、特にそのcis-異性体および
trans異性体;2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタン
ジオール(TMCBD);トリエチレングリコール;1,10-デカ
ンジオール;またこれらの混合物が挙げられる。
【0016】他のジオールとしては、直鎖、分岐のアル
カンジオールであり、2〜16の炭素原子を含んでいるも
のが望ましい。このようなジオールの具体例としては、
特に制限されるものではないが、エチレングリコール;
プロピレングリコール(1、2-および1、3-プロピレング
リコール);2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール;2-エチ
ル-2-メチル-1,3-プロパンジオール;1,3-および1,5-ペ
ンタンジオール;ジプロピレングリコール;2-メチル-1,5
-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオールなどが挙げら
れる。
【0017】これらのジオール類はアルキルエステル、
ジアリールエステルなどの誘導体であってもよい。脂環
族二価酸は、飽和炭素に結合した2つのカルボキシル基
を含むカルボン酸であり、好ましい二価酸としては、環
状または二環状脂肪族酸;たとえばデカヒドロナフタレ
ンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ
オクタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン
酸またはこれらの誘導体が挙げられ、最も好ましくは、
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸あるいはその誘導体で
ある。
【0018】またアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジカルボン酸およびコハク酸のような直鎖ジカルボン酸
も使用してもよい。二価酸としては、アルキルエステル
(たとえばジアルキルエステル、ジアリールエステル)、
無水物、塩類、酸クロライド、酸ブロマイドなどの誘導
体が含まれていてもよい。
【0019】このうち脂環族二価酸のジアルキルエステ
ルが好ましく、このうち最も好ましいのは、ジメチル-
1,4-シクロヘキサン-ジカルボキシレートである。好ま
しい脂環基R1は、1,4-シクロヘキシル二価酸から誘導さ
れ、最も好ましくは、その70モル%以上がトランス異
性体形状のものである。好ましい脂環基Rは、1,4-シク
ロヘキシルジメタノールなどの1,4-シクロヘキシル第1
ジオールから誘導され、最も好ましくは、その70モル%
以上がtrans異性体形状のものである。
【0020】本発明では、脂環族ポリエステル樹脂とし
て、下記式(II)で表されるポリ(シクロヘキサン-1,4-
ジメタノールシクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレー
ト)[ポリ(1,4-シクロヘキサン-ジメタノール-1,4-ジ
カルボキシレート)、PCCDともいう]が好適である。
【0021】
【化3】
【0022】上記式(II)で表される脂環族ポリエステル
樹脂は、上記した式(I)中、Rが1,4-シクロヘキサンジ
メタノールから誘導される基であり、R1がシクロヘキサ
ンジカルボキシレートから誘導されるシクロヘキサン環
である。このようなポリエステル樹脂は、上記成分を用
いて、重縮合反応またはエステル交換反応によって製造
することができる。
【0023】ポリエステルの重合反応は、一般に、テト
エラキス(2-エチルヘキシル)チタネートなどのチタン系
触媒の存在下、溶融状態で行われる。このようなチタン
系触媒量は、最終製造樹脂に対し、チタン原子換算で5
0〜200ppmの量で含まれていることが好ましい。本
発明で使用される脂環式ポリエステル樹脂は、50℃以
上、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃
以上のガラス転移温度(Tg)を有していることが望まし
い。
【0024】また、上記のポリエステルは、約1〜50重
量%パーセントの量の重合性脂肪族酸および/または脂
肪族ポリオールに由来した構成単位を有して、コポリエ
ステルが形成されていてもよい。なお脂肪族ポリオール
としては、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリ
コールなどが例示される。このようなポリエステルの製
造方法は、たとえば米国特許2,465,319号明細書、同3,0
47,539号明細書に記載されている。
【0025】本発明では、前記脂環族ポリエステル樹脂
とともにポリカーボネートを含んでいる。 b)ポリカーボネート系樹脂 本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂(A)
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と
を反応させて得られる芳香族ホモポリカーボネートまた
は芳香族コポリカーボネートである。
【0026】ポリカーボネート系樹脂は一般に、下記式
(1)で示される繰り返し構造単位を有するものであ
る。
【0027】
【化4】
【0028】(上記式中、Aは芳香族ジヒドロキシ化合
物から誘導される2価の残基である) 芳香族ジヒドロキシ化合物としては、官能基であるヒド
ロキシ基を2個含有し、各ヒドロキシ基が芳香核の炭素
原子に直接接合した単核または多核の芳香族化合物が挙
げられ、たとえば下記式(2)で表される。
【0029】
【化5】
【0030】式中、Aは、1〜15の炭素原子からなる二価
炭化水素基、または1〜15の炭素原子に含む置換二価炭
化水素基である。Xは、1以上の場合、互いに同一であ
っても、異なっていてもよく、水素、ハロゲンおよび1
〜8の炭素原子を有するアルキル基、6〜18の炭素原子
を有するアリール基、7〜14の炭素原子を有するアリー
ルアルキル基、1〜8の炭素原子を含むアルコキシ基な
どの1価炭化水素基から選択される。
【0031】mは0または1であり、nは、0〜5の整数
である。組成物の調製 本発明に係る組成物は、上記した脂環族ポリエステル樹
脂とポリカーボネート系樹脂とを混合する。混合方法と
しては特に制限されるものではないが、通常、常圧、減
圧あるいは加圧下での溶融混練が採用される。
【0032】混合装置としては特に押出機、バンバリー
ミキサー、ローラー、ニーダーなどを例として挙げるこ
とができ、これらを回分的または連続的に運転する。こ
のとき、成分の混合順は特に限定されない。脂環族ポリ
エステル樹脂とポリカーボネートとの重量比(ポリエス
テル:ポリカーボネート)は、5:95〜95:5の範囲、好ま
しくは50:50〜30:70の範囲にあることが望ましい。70重
量%未満のポリエステル量は、ポリカーボネート単独の
ものと比較して、結果として特性を向上させるという点
で、より低熱たわみ温度になるので望ましい。脂環式ポ
リエステルを加えることで、ポリカーボネート単独から
なる場合に比べて、高耐薬品性、高耐紫外線特性(耐候
性)を付与することができる。
【0033】上記した組成物は、70%以上、好ましく
は80%以上の光線透過率を有することが好ましい。こ
のような光線透過率であれば、透明性に優れたハウジン
グ、カバーあるいはケースを作製することができる。ま
た上記組成物は、50〜150℃の範囲のガラス転移温
度を有していることが望ましい。通常ポリカーボネート
はガラス転移温度が高いが、ガラス転移温度が低い脂環
族ポリエステルを含んでいるので、ガラス転移温度が低
くなり、このためこのため組成物自体が流動性に優れる
ようになり薄肉の成形品を成形することが可能となる。
【0034】また、このような組成物は、従来の熱可塑
性樹脂に比べて非常に耐候性に優れた脂環族ポリエステ
ルを含んでいるので、得られた成形品は紫外線領域での
光の吸収が少なく紫外線を吸収して変色することがな
い。特に、従来より使用されていたポリカーボネート、
ポリエステル、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂に比べ
て、優れた耐候性を有している。このような本発明で使
用される樹脂組成物の紫外線吸収特性を図1に示す。
【0035】なお、紫外線吸収特性は、所定の成形品か
ら作成した試験片、もしくは有機溶剤に溶解させた試料
を用いて分光光度計により、紫外部領域の吸収を測定す
ることで評価される。有機溶剤として、クロロホルム、
塩化メチレン等が使用される。(なお図1では有機溶媒
として、クロロホルムを使用し、また、脂環族ポリエス
テル組成物として、脂環族ポリエステル:20重量部、
ポリカーボネート:80重量部とを、溶融混練して得ら
れた組成物、すなわち実施例で使用される組成物を使用
した。) このような樹脂組成物には、安定剤が含まれていること
が好ましい。このような安定剤は、樹脂成分(特にポリ
カーボネート樹脂)に含まれる触媒を失活させるための
ものであり、たとえば米国特許5,441,997号明細書に詳
細に記載されている。
【0036】このような安定剤は、樹脂成分に対して、
0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜2重量%の量で含
まれていることが望ましい。耐衝撃改良剤としては、共
役ジエンまたはアクリルエラストマーのアクリル酸また
はメタクリル酸変性物、またはその芳香族ビニル共重合
物が挙げられる。一般に、これらの耐衝撃改良剤は、ブ
タジエンまたはイソプレン、ブチルアクリレート、また
は必要に応じて芳香族ビニル化合物から誘導される構成
単位を含んでいる。具体的な耐衝撃改良剤としては、エ
チレン・酢酸ビニル、エチレン・エチルアクリレート共
重合体、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレ
ン)、およびSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)ブロ
ック共重合体、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・
モノマー)、EPR(エチレン・プロピレン・ゴム)共重合体
などが挙げられるが、これらに制限されるものではな
い。
【0037】本発明で使用される耐衝撃改良剤の屈折率
は、1.51〜1.58、好ましくは1.53〜1.56の範囲にあるこ
とが望ましい。このような特定の屈折率を有する耐衝撃
改良剤としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン
・スチレン)樹脂、MBS(ブタジエン・スチレン・メチ
ルメタクリレート)樹脂、PVC(塩化ビニル)樹脂など
が挙げられ、このうち、ABSが好ましい。
【0038】また組成物には、離型剤、酸化防止剤、安
定剤、紫外線吸収剤、などが含まれていてもよい。離型
剤としてはメチルフェニルシリコーンオイルなどのシリ
コーン系離型剤、ペンタエリスリトールテトラステアレ
ートやグリセリンモノステアレート、モンタン酸ワック
スなど多価アルコールのカルボン酸エステル、ポリα-
オレフィンもしくはその誘導体などのオレフィン系離型
剤などが挙げられる。
【0039】安定剤としては、少なくとも1個の水素又
はアルキル基をもつ酸性ホスファイト、アルキルホスフ
ァイト、アリールホスファイト又は混合ホスファイト、
第IB族又は第IIB族金属のリン酸塩、リンのオキソ
酸、酸性ピロリン酸金属塩又はそれらの混合物が挙げら
れる。酸化防止剤としては、3-(3,5-ジtert-ブチル4-ヒ
ドロキシフェニル)プロピオン酸または3-(3-tert-ブチ
ル4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸と1価
ないし4価のアルコールのエステル化合物などが挙げら
れる。フェノール系抗酸化剤の具体例としては、たとえ
ば、ステアリル-3-(3,5-ジtert-ブチル4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、チオジエチレングリコールビ
ス〔3-(3,5-ジtert-ブチル4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、1,6-ヘキサメチレンビス〔3-(3,5-ジter
t-ブチル4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,
3,5-トリス〔3-(3,5-ジtert-ブチル4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テ
トラキス〔メチレン-3-(3,5-ジtert-ブチル4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕メタン、3,9-ビス〔1,1-
ジメチル-2-{3-(3-tert-ブチル4-ヒドロキシ-5-メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テ
トラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレング
リコールビス〔3-(3-tert-ブチル4-ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニル)プロピオネート〕などが好適に用いられ
る。
【0040】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリ
チレート系紫外線吸収剤などが用いられるが、特に2-(5
-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
-(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシ
フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-te
rt-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリ
アゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5-オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤が好適に用いられる。
【0041】エポキシ系安定剤も用いることができる。
さらに、無機及び有機燐系もしくはチォエステル系の安
定剤、チオール系、金属塩系などの安定剤を用いること
もできる。樹脂組成物には、その物性を損なわない限
り、目的に応じて樹脂組成物の混合時または成形時に、
公知の添加剤、たとえば着色剤(カーボンブラック、酸
化チタンなどの顔料、染料)、充填剤、補強剤(ガラス
繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレ
ーク、ミルドガラス、ガラスビーズなど)、滑剤、可塑
剤、難燃剤、流動性改良剤などが、添加されていてもよ
い。
【0042】これらの添加剤の添加量は、ポリエステル
成分、ポリカーボネート成分などの使用量に応じて適宜
選択される。 [建築資材]本発明に係る建築資材は、上記した熱可塑
性樹脂組成物からなる成形品である。
【0043】前記した樹脂組成物から形成された成形品
は、耐衝撃性と耐薬品性とのバランスに優れている。ま
た、耐候性にも優れているので、表面に必ずしも耐候性
塗膜を形成する必要がなく、このため意匠性(加工性)
に優れている。さらに、前記した樹脂組成物は、流動性
が高く成形性に優れているので薄肉の成形品を作製する
ことが可能である本発明に係る建築資材には、各種建
材、住宅用・店舗用資材などが含まれる。
【0044】具体的には、建築資材としては、床材・タ
イルカーペット・浴槽・住宅外装材・サイジング・屋根
・便座・屋外ボックス・ケーブルガイド・水道用パイプ
透明防食継ぎ手・平板・波板・カーポートエクステリア
・看板・デスプレイ・銘板・陳列仕切り板・パイプ・雨
どい・排水マス・遮音壁板・壁紙・窓枠が挙げられる。
【0045】このような本発明に係る建築資材は、射出
成形、インジェクション成形、ブロー成形、押出成形、
または真空・圧空成形して得られたものが好適である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、特定の樹脂組成物から
形成さているので、従来製造できなかった耐衝撃性もあ
り耐薬品性もあり、かつ耐候性もある建築資材を得るこ
とができる。また、耐候性にも優れているので、従来品
のように表面塗装を必ずしも行う必要がなく、太陽光に
晒され、かつ外気にふれるところにも使用できる。ま
た、本発明で使用される樹脂組成物は成形性(高流動)
にも優れているため、生産性に優れるとともに、薄肉化
も可能であり、これにより資材の軽量化をはかることが
できる。
【0047】さらに成形品自体の透明性が高いため、意
匠性に幅が広がり製品に付加価値を付けられるという優
れた特性を有する。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により、より詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例では、以下の樹脂材
料を使用した。脂環族ポリエステル 脂環族ポリエステルとしては、ポリシクロヘキサンジメ
タノールシクロヘキサンジカルボキシレートを使用し
た。
【0049】ポリカーボネート ポリカーボネートとして、日本ジーイープラスチックス
(株)製、レキサン123およびレキサンSP1010、HFP
Cを使用した。脂環族ポリエステル組成物 脂環族ポリエステル組成物として、前記脂環族ポリエス
テル:20重量部、前記ポリカーボネート(レキサン12
3):80重量部とを、溶融混練して得られた組成物を
使用した。
【0050】ABS樹脂 ABS樹脂として、旭化成工業(株)製、スタイラック321
を使用した。PC/ABS樹脂 PC/ABS樹脂として、日本ジーイープラスチックス
(株)製、サイコロイ1200を使用した。
【0051】
【実施例1、比較例1および2】上記各樹脂のうち、脂
環族ポリエステル組成物(実施例1)、ABS樹脂(比較
例1)、ポリカーボネート樹脂(比較例2)を用いて、
以下試験用の所定の試験片を作成した。引張試験 ASTM D638に準拠し、常温で引張強度(降伏点強度およ
び引張伸び(破断点)を測定した。
【0052】曲げ試験 ASTM D790に準じて、曲げ強度、曲げ弾性率を測定し
た。アイゾット衝撃強度 得られた成形品から、厚さが1/8インチの試験片を作成
し、0.05mmのノッチを入れた後、23℃±2℃、
50%±5%RHで48時間以上調整し、衝撃強度を測
定した。
【0053】荷重たわみ温度 ASTM D648に準拠し、曲げ試験と同様にして、試験片の
中央に1,820MPaの曲げ応力がかかるようにおもりをの
せ、周りの温度(油槽温度)を上昇させて、たわむ温度
を測定した。結果をいずれも表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1より、実施例1で得られた成形品は、
ポリカーボネートまたはABSからなる成形品と同程度
の、機械的特性、耐衝撃性、耐熱性を有していることが
判明した。
【0056】
【実施例2、比較例3および4】上記各樹脂のうち、脂
環族ポリエステル(実施例2)、ABS/PC樹脂(比較例
3)、ポリカーボネート樹脂(比較例4)を用いて、以
下試験用の所定の試験片を作成した。アイゾット衝撃強度 得られた成形品から、厚さが1/8インチの試験片を作成
し、0.05mmのノッチを入れた後、23℃±2℃、
50%±5%RHで48時間以上調整し、衝撃強度を測
定した。
【0057】メルトフローレート JIS K 7112に準拠して、1.2kg荷重、300℃におい
てメルトフローレートを測定した。結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2より、脂環式ポリエステル組成物から
得られる成形品は、耐衝撃性が高く、また流動性に優れ
ているので成形性にも優れている。このため、本発明で
は、薄肉で衝撃強度の大きい成形品を製造することがで
きる。このような成形品は建築資材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される脂環族ポリエステルの紫
外線吸収特性を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環族ポリエステルを含む熱可塑性樹脂組
    成物からなる建築資材。
  2. 【請求項2】前記脂環族ポリエステルが、ポリシクロヘ
    キサンジメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート
    であることを特徴とする請求項1に記載の建築資材。
  3. 【請求項3】建築資材が、射出成形品、インジェクショ
    ン成形品、ブロー成形品、押出成形品、または真空・圧
    空成形品であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の建築資材。
JP2001310093A 2001-10-05 2001-10-05 建築資材 Pending JP2003119954A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310093A JP2003119954A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 建築資材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001310093A JP2003119954A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 建築資材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003119954A true JP2003119954A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19129132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001310093A Pending JP2003119954A (ja) 2001-10-05 2001-10-05 建築資材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003119954A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4990965B2 (ja) 耐スクラッチ性−難燃性の熱可塑性樹脂組成物
JP4439776B2 (ja) プラスチック製光学用部品
KR101453773B1 (ko) 폴리카보네이트 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
KR101474802B1 (ko) 열가소성 수지 조성물
US8013105B2 (en) Flame-retardant polycarbonate resin composition, polycarbonate resin molded article, and method for producing the polycarbonate resin molded article
JP7079212B2 (ja) アクリル系ブロック共重合体と光拡散剤を含む樹脂組成物
EP2471865A1 (en) Polycarbonate resin composition having good mold release properties and good appearance and molded article using the same
US20180112035A1 (en) Polymer blends comprising polycarbonate and polymethyl methacrylate
TWI703166B (zh) 由丙烯酸系嵌段共聚物所構成之樹脂組成物及成形體以及光學構件
JP6565652B2 (ja) (メタ)アクリル系共重合体、樹脂組成物及びその成形体
US9944790B2 (en) Polycarbonate resin composition with superior fluidity and molding thereof
KR102119445B1 (ko) 오버헤드콘솔용 내화학성 고분자 수지 조성물
EP3342822A1 (en) Polymer resin composition and molded product thereof
JP4223279B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物および該組成物から得られた成形品
US20070213435A1 (en) Polycarbonate resin compositions
JP5107163B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた射出成形品
KR102049410B1 (ko) 자동차, 전기전자기기, 가전기기, 사무기기 또는 생활용품용 부품
KR102046493B1 (ko) 자동차, 전기전자기기, 가전기기, 사무기기 또는 생활용품용 부품
JP2003119954A (ja) 建築資材
JP2003110252A (ja) ハウジング、カバー及びケース
JP2009215449A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2003113294A (ja) 自動車外・内装品
JP3169190B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
JP2003113252A (ja) 電気、電子部品
US8088849B2 (en) Scratch-resistant polycarbonate resin composition