JP2003116562A - Tsll2遺伝子 - Google Patents

Tsll2遺伝子

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JP2003116562A
JP2003116562A JP2001313967A JP2001313967A JP2003116562A JP 2003116562 A JP2003116562 A JP 2003116562A JP 2001313967 A JP2001313967 A JP 2001313967A JP 2001313967 A JP2001313967 A JP 2001313967A JP 2003116562 A JP2003116562 A JP 2003116562A
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JP
Japan
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tsll2
val
protein
ala
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Application number
JP2001313967A
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Yoshinori Murakami
善則 村上
Yukio Nomura
幸男 野村
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BML Inc
National Cancer Center Japan
Original Assignee
BML Inc
National Cancer Center Japan
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity
    • C07K14/4703Inhibitors; Suppressors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】癌抑制遺伝子TSLC1の他に、これと、構造
上または機能上の関連性を有する癌抑制遺伝子を見出し
て、さらに、癌予防や癌治療に関する新たな手段を提供
すること。 【解決手段】癌抑制遺伝子TSLC1と相同性は認めら
れるが、これとは異なる第19染色体上に存在する癌抑
制遺伝子(TSLL2遺伝子)の塩基配列およびそのア
ミノ酸配列を明らかにした。また、これに関連するタン
パク質、ベクター、形質転換体および抗体を提供するこ
とにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の遺伝子、さ
らに具体的には、癌抑制遺伝子と、これに関連するタン
パク質、ベクター、形質転換体および抗体に関する発明
である。
【0002】
【従来の技術】癌に対する研究が進展するにつれて、癌
の発症を抑制する役割を担っている遺伝子である、癌抑
制遺伝子の存在がクローズアップされており、現在まで
に、数多くの癌抑制遺伝子が見出されている。
【0003】例えば、網膜芽細胞腫におけるRB遺伝
子、神経線維腫症のNF1,NF2遺伝子、家族性大腸
ポリポーシスのAPC遺伝子、Wilms 腫瘍のWT1遺伝
子、多発性内分泌腫瘍症のMEN1遺伝子、Li-Fraumen
i 症候群のp53遺伝子、vonHippel-Lindau 症候群の
VHL遺伝子、遺伝性乳癌のBRCA1,BRCA2遺
伝子、遺伝性メラノーマのp16遺伝子、結節性硬化症
(肉腫,脳腫瘍)のTSC1,TSC2遺伝子、母斑性
基底細症候群のPTCH遺伝子等が、現在までに見出さ
れている癌抑制遺伝子として挙げられる。
【0004】癌抑制遺伝子は、主に、細胞の増殖を抑制
することにより、細胞の癌化を阻んでいることが知られ
ており、また、ミスマッチ修復遺伝子群や、細胞接着に
係わる遺伝子群も、癌の抑制に係わっているらしいこと
が知られている。
【0005】癌抑制遺伝子は、癌の発症前診断、癌の質
的診断、癌治療の予後の予測、癌の転移性の予測、化学
療法や放射線療法に対する癌の感受性の予測、遺伝子治
療等に極めて有用な遺伝子であり、可能な限り多くの癌
抑制遺伝子を見出すべく、日夜、検討が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、非小細
胞肺癌で、高頻度に染色体におけるヘテロ接合性の消失
を示す、第11染色体長腕に位置する、癌抑制遺伝子T
SLC1を新たに見出した。肺腺癌細胞A549の腫瘍
原性の抑制を指標として見出された、この癌抑制遺伝子
TSLC1は、多数の進行癌細胞に対しても腫瘍抑制活
性を示すことから、新たな癌治療の標的になり得ると期
待されている。
【0007】本発明が解決すべき課題は、この癌抑制遺
伝子TSLC1の他に、これと、構造上または機能上の
関連性を有する癌抑制遺伝子を見出して、さらに、癌予
防や癌治療に関する新たな手段を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、癌抑制遺伝子TSLC1について、さら
に深い検討を重ねた結果、この癌抑制遺伝子と相同性が
認められるが、これとは異なる、第19染色体上に存在
する、配列番号1で示されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列を含む、新たな癌抑制機能を有する遺伝子を見
出して本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、配列番号1で表され
るアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子(以
下、本遺伝子またはTSLL2遺伝子ともいう)を提供
する発明である。
【0010】本発明者が、本遺伝子を見出した過程につ
いては、本明細書の実施例の欄において開示する。ま
た、本明細書におけるアミノ酸の標記方法は、三文字法
と一文字法を併用する。すなわち、本明細書において
は、アラニンはAla(三文字法)〔A(一文字法)〕
で、バリンはVal(V)で、ロイシンはLeu(L)
で、イソロイシンはIle(I)で、プロリンはPro
(P)で、フェニルアラニンはPhe(F)で、トリプ
トファンはTrp(W)で、メチオニンはMet(M)
で、グリシンはGly(G)で、セリンはSer(S)
で、トレオニンはThr(T)で、システインはCys
(C)で、グルタミンはGln(Q)で、アスパラギン
はAsn(N)で、チロシンはTyr(Y)で、リシン
はLys(L)で、アルギニンはArg(R)で、ヒス
チジンはHis(H)で、アスパラギン酸はAsp
(D)で、グルタミン酸はGlu(E)として標記され
得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 A.本遺伝子の内容 本遺伝子は、前述したように、配列番号1で表されるア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を含む遺伝子である。
【0012】本遺伝子は、9個のエクソンからなる、約
17kbにわたる遺伝子である。9個のエクソンのうち、
エクソン1は、コザックのコンセンサス配列の下流に位
置するメチオニンの開始コドンを含んでいる。また、本
遺伝子の上流領域はグアニンとシトシンの含有量が多く
なり、1039bpのCpGのアイランド領域が認められ
る。
【0013】本遺伝子の配列から予測されるアミノ酸配
列(配列番号1)から、本遺伝子は、3か所の潜在的な
N−糖鎖付加部位を有する免疫グロブリン様C2−タイ
プループと、1か所の細胞膜貫通領域と短い細胞質領域
をコードしていることを推測することができる。細胞質
領域における、本遺伝子と癌抑制遺伝子TSLC1との
アミノ酸配列の相同性は37%であり、全配列における
本遺伝子と癌抑制遺伝子TSLC1とのアミノ酸配列の
相同性は37%である。このことにより、本遺伝子がコ
ードするタンパク質は、免疫グロブリンのスーパーファ
ミリーに属するタンパク質であるということがわかる。
【0014】また、本遺伝子の染色体上の座位は、第1
9染色体上(19q13.2)であり、ヒトの脳、腎
臓、前立腺、心臓、骨格筋、膵臓、卵巣、小腸および結
腸において発現している遺伝子である。
【0015】本遺伝子は、少なくとも、脳・神経系細胞
由来の癌と前立腺細胞由来の癌の発症に関して深く係わ
っており、特に、かかる脳・神経系細胞と前立腺におけ
る発癌を抑制する機能を有する遺伝子である。
【0016】B.本遺伝子の製造 本遺伝子は、例えば、ヒト脳組織由来のpoly(A)
+ RNAからcDNAを調製して、これを鋳型としたP
CR法等の遺伝子増幅法を用いて得ることができる。
【0017】具体的には、常法(例えば、poly
(A)+ RNAを鋳型として、逆転写酵素を用いる方
法)で、TSLL2をコードし得るcDNAを調製し
て、PCR法等の遺伝子増幅法を用いて、このcDNA
を増幅する。
【0018】また、PCR法による増幅に必要なPCR
プライマーとして、例えば、TSLL2遺伝子に対する
特異的なプライマーを用いることができる。具体的に
は、後述のようにして決定された本遺伝子のコード領域
の5’末端側と同3’末端側の配列を含むDNA断片を
プライマーとして、本遺伝子を大量に増幅して、これを
用いることができる。
【0019】遺伝子増幅用プライマーの塩基配列は、選
択する遺伝子増幅方法に応じた配列を用いることが可能
であり、特に限定されないが、通常、遺伝子増幅を行う
遺伝子領域の5’末端側と3’末端側のそれぞれに相補
的な塩基配列のプライマーを用いることにより、かかる
遺伝子増幅用プライマーに挟まれた、本遺伝子に相当す
る遺伝子を増幅することができる。遺伝子増幅用プライ
マーにおける塩基数は、特に限定されるものではない
が、通常は、17〜35塩基程度であり、20〜30塩
基程度が好適である。塩基数が少な過ぎると、本来、ハ
イブリダイズするべき領域へのハイブリダイズの精度が
下がり、多過ぎると、コスト高になったり、取扱いが煩
雑になる傾向が認められる。また、鋳型となるハイブリ
ダイズ領域との相補性は、ハイブリダイズの確実性を向
上させる上で、可能な限り高いことが好適である、特
に、プライマーの3’末端側は、鋳型配列との相補性は
高いことが好適である。
【0020】遺伝子増幅用プライマーとしては、例え
ば、下記のような塩基配列のヌクレオチド鎖が例示され
るが、これに限定されるものではない。 5’GGCGGCGGCACCATGGGCCG 3’
(配列番号3) 5’AAGCGTCTGAGGTGTTAGTGGTG
3’(配列番号4) これらの特異的な遺伝子増幅用プライマーは、通常は、
化学合成により調製される。また、必要に応じて、この
遺伝子増幅用プライマーに適当な制限酵素認識部位を含
む塩基配列を付加することもできる。
【0021】このようにして得られた遺伝子増幅産物か
ら、TSLL2遺伝子を含むものを濃縮することができ
る。例えば、TSLL2遺伝子に特異的な塩基配列を有
するポリヌクレオチドに標識を施したものを、プローブ
として、遺伝子増幅産物にハイブリダイズさせ、この標
識に基づいて、TSLL2遺伝子を含むcDNA断片と
して選択することが可能である。
【0022】ここで用いる標識は、上記選別方法を行う
ことが可能である限り特に限定されないが、可能な限り
標識と選別が簡便な手段を用いることが好ましいことは
勿論である。かかる点より、例えばビオチンでcDNA
断片を標識して、標識されたcDNA断片をストレプト
アビジンに吸着させる手法等を用いることが有利であ
る。
【0023】このようにして、所望する本遺伝子cDN
Aを得ることができる。なお、このようにして調製した
本遺伝子を、適切な遺伝子導入用ベクターに組み込み、
これを選択した遺伝子導入用ベクターに適した宿主細胞
に導入することにより、本遺伝子が導入された形質転換
体を得ることができる。遺伝子導入用ベクターにcDN
A断片が組み込まれたか否かは、このベクターが保有す
る,例えばlac Z遺伝子活性によるカラーセレクション
等によって確認することができる。
【0024】また、この遺伝子の導入工程を、市販の遺
伝子ライブラリー調製用キットを用いて行うことも可能
である。本遺伝子を有するクローンは、例えば、TSL
L2遺伝子に特異的な塩基配列のヌクレオチド鎖を調製
し、これに標識を施して標識プローブとして、各クロー
ンのレプリカとハイブリダイズさせて、この標識プロー
ブとハイブリダイズするクローンを選別して、このクロ
ーンを本遺伝子であるTSLL2遺伝子を保有するクロ
ーンとすることができる。
【0025】上述のようにして得られた本遺伝子の塩基
配列の確認は、常法に従って行うことができる。例え
ば、マキサム−ギルバート法(Maxam,A.M.,and Gilber
t,W.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,74,560(1977)),ジ
デオキシ法(Sanger,F.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.,74,5463(1977)),ゲノミック・シークエンス法
(Church,G.M.and Gilbert,W.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.,81,1991(1984)),マルチプレックス法(Church,
G.M. and Kieffer-Higgins,S.,Science,240,185(198
8)),サイクルシークエンス法(Murray,V.,Nucleic Ac
ids Res.,17,8889(1989))等の方法を用いて、対象の塩
基配列を確認することができる。
【0026】なお、これらの原理を応用した塩基配列自
動解析装置を用いて、この塩基配列を確認することも勿
論可能である。さらに、ホスファイト−トリエステル法
(Ikehara,M.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81,5
956(1984) )等の通常公知の方法を用いて本遺伝子断片
を化学合成することも可能であり、これらの化学合成法
を応用したDNAシンセサイザーを用いて本遺伝子断片
を合成することも可能である。
【0027】なお、このようにして製造する本遺伝子の
塩基配列の一部を改変して、この塩基配列の一部の塩基
が欠失,置換若しくは挿入された塩基配列からなる改変
遺伝子(ただし、大規模な欠失,置換若しくは挿入を施
した塩基配列の場合は、非改変の本遺伝子と対応する部
分の相同性が概ね90%以上である)の存在を本発明者
は認識し、このような改変遺伝子にも本発明の技術的範
囲は及ぶものである。
【0028】この遺伝子改変法として、通常公知の方
法、例えばいわゆるサイト−スペシフィックミュータジ
ェネシス(Site-Specific Mutagenesis)(Mark,D.F.,et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A., 81,5662(1984) )等
の方法を用いて、所望する遺伝子改変を行うことができ
る。
【0029】この本発明の技術的範囲が及び得る本遺伝
子は、ストリンジェントな条件下{系におけるDNA同
士のハイブリッドが形成しにくい条件〔具体的には、系
の温度(高い程ハイブリッドしにくい)や塩濃度(低い
程ハイブリッドしにくい)や、ホルムアミド等の変性剤
の濃度(高い程ハイブリッドしにくい)等に依存する〕
のことをいう。}で配列番号2(後述する)で表される
塩基配列のDNAとハイブリダイズし、さらに配列番号
1(後述する)で表されるアミノ酸配列を有するTSL
L2と実質的に同一の生物学的活性を有する、TSLL
2をコードする遺伝子である。
【0030】ここにいう「実質的に同一」とは、その生
物学的活性が比較の対象となるTSLL2の生物学的活
性と質的及び/又は量的に同一性を有することを意味す
る。
【0031】C.本遺伝子の有用性 (1)遺伝子診断における有用性 本遺伝子を、癌に関する遺伝子診断に利用することが可
能である。つまり、 本遺伝子は、脳・神経系細胞および前立腺癌細胞の癌
抑制遺伝子であるために、腫瘍の生検試料における、ヘ
マトキシリンエオジン染色等の染色像の病理診断と共
に、本遺伝子を、少なくともターゲットの一つとした遺
伝子の解析を行うことで、その生検試料の悪性度を検討
することが可能である。
【0032】具体的には、生検試料のDNAにおける、
本遺伝子の変異、欠失等の有無を検出することにより、
その試料提供者における腫瘍の悪性度を把握する一要素
とすることができる。すなわち、生検試料のDNAにお
ける本遺伝子に、変異や欠失が認められない場合には、
本遺伝子が腫瘍抑制的に働いていることが推定され、悪
性度を低く判定する要素となり得るが、逆に、変異や欠
失が認められると、本遺伝子が正しく機能していないも
のと推測され、悪性度が高く判定される要素となり得
る。
【0033】また、上記の変異や欠失を、被検者の予後
の判定要素とすることも可能である。特に、本遺伝子
は、細胞の接着等に関連していることも予想されるため
に、本遺伝子が、癌の浸潤や転移に抑制的に働いている
可能性が高い。よって、本遺伝子の変異や欠失を、対象
となる腫瘍の浸潤や転移の危険度を判定する要素とする
ことも可能である。
【0034】腫瘍を発症する前に、本遺伝子の異常を
検出することで、被検者の脳・神経系腫瘍および前立腺
癌細胞の発生の危険度を判定する要素とすることが可能
である。
【0035】すなわち、被検者の検体において、本遺伝
子における、変異、欠失等の異常が認められる場合に
は、本遺伝子が癌抑制遺伝子として正常に機能しておら
ず、被検者の脳・神経系の腫瘍や前立腺癌の発生頻度を
高く判定する一要素となり得る。
【0036】(2)遺伝子治療における有用性 特に、上記の遺伝子診断において、本遺伝子における変
異や欠失が認められ、本遺伝子の機能が正常に働いてい
ないと判断される者(対象となる癌の未発症者と既発症
者の両者を含む)に対して、正常の本遺伝子を補うこと
により、癌の発症を抑制したり、発症した癌の治療を行
うことができる。
【0037】すなわち、本遺伝子(好ましくは、本遺伝
子を発現させるための、プロモーター等を結合させた形
式であることが好適である)を、遺伝子治療において用
いられ得る遺伝子導入ベクター(例えば、レトロウイル
スベクターやアデノウイルスベクター等)に組み込ん
で、これを、対象者に投与することにより、対象者にお
ける本遺伝子の機能を回復させ、癌の発症の抑制や癌の
治療に用いることが可能である。
【0038】D.TSLL2タンパク質の製造:さら
に、このようにして入手した、本遺伝子である、TSL
L2遺伝子を用いて、組換えTSLL2タンパク質(以
下、TSLL2タンパク質ともいう。このTSLL2タ
ンパク質には、特に断らない限り上記の改変遺伝子から
翻訳され得るTSLL2タンパク質が含まれ、勿論これ
らの改変遺伝子から翻訳され得る改変タンパク質は、改
変されていないTSLL2タンパク質と実質的に同一の
生物学的活性を有する。)を製造することができる。
【0039】このTSLL2タンパク質は、上記本遺伝
子を利用して、通常公知の一般的な遺伝子組換え技術に
従って製造することができる。より具体的には、本遺伝
子が発現可能な形態の遺伝子発現用ベクターに本遺伝子
を組み込み、この遺伝子発現用ベクターの性質に応じた
宿主にこの組換えベクターを導入して形質転換し、この
形質転換体を培養等することにより所望のTSLL2タ
ンパク質を製造することができる。
【0040】ここで用いる遺伝子発現用ベクターは、通
常発現しようとする遺伝子の上流域に、エンハンサー、
プロモーター、翻訳開始配列、及び、下流域に転写終了
配列等を保有するものを用いるのが好適である。
【0041】また、本遺伝子の発現は、直接発現系に限
らず、例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子,グルタチ
オン−S−トランスフェラーゼ遺伝子やチオレドキシン
遺伝子を利用した融合タンパク質発現系とすることもで
きる。
【0042】かかる遺伝子発現用ベクターとしては、例
えば宿主を大腸菌とするものとしては、pQE,pGE
X,pT7−7,pMAL,pTrxFus,pET,
pNT26CII等を例示することができる。また、宿主
を枯草菌とするものとしては、pPL608,pNC
3,pSM23,pKH80等を例示することができ
る。
【0043】また、宿主を酵母とするものとしては、p
GT5,pDB248X,pART1,pREP1,Y
Ep13,YRp7,YCp50等を例示することがで
きる。
【0044】また、宿主を哺乳動物細胞又は昆虫細胞と
するものとしては、p91023,pCDM8,pcD
L−SRα296,pBCMGSNeo,pSV2dh
fr,pSVdhfr,pAc373,pAcYM1,
pRc/CMV,pREP4,pcDNAI等を例示す
ることができる。
【0045】これらの遺伝子発現ベクターは、TSLL
2タンパク質を発現させる目的に応じて選択することが
できる。例えば大量にTSLL2タンパク質を発現させ
ることを企図する場合には、宿主として大腸菌,枯草菌
又は酵母等を選択し得る遺伝子発現ベクターを選択する
のが好ましく、少量でも確実に活性を有するようにTS
LL2タンパク質を発現させることを企図する場合に
は、哺乳動物細胞や昆虫細胞を宿主として選択し得る遺
伝子発現ベクターを選択するのが好ましい。
【0046】なお、上記のように既存の遺伝子発現ベク
ターを選択することも可能であるが、目的に応じて適宜
遺伝子発現ベクターを作出して、これを用いることも勿
論可能である。なお、これらの遺伝子発現用ベクターも
本発明の技術的範囲に入るものである。
【0047】本遺伝子を組み込んだ上記遺伝子発現用ベ
クターの宿主細胞への導入及びこれによる形質転換法
は、一般的な方法、例えば宿主細胞が大腸菌や枯草菌で
ある場合には、塩化カルシウム法やエレクトロポレーシ
ョン法等を;宿主が哺乳動物細胞や昆虫細胞の場合はリ
ン酸カルシウム法,エレクトロポレーション法又はリポ
ソーム法等の手段により行うことができる。
【0048】このようにして得られる形質転換体を常法
に従い培養することにより、所望するTSLL2タンパ
ク質が蓄積される(このような形質転換体も本発明の技
術的範囲に含まれる。)。
【0049】かかる培養に用いられる培地は、宿主の性
質に応じて適宜選択することができるが、例えば宿主が
大腸菌である場合には、LB培地やTB培地等が、宿主
が哺乳動物細胞の場合には、RPMI1640培地等を
適宜用いることができる。
【0050】この培養により得られる培養物からのTS
LL2タンパク質の単離及び精製は、常法に従い行うこ
とが可能であり、例えば培養物を、TSLL2タンパク
質の物理的及び/又は化学的性質を利用した各種の処理
操作を用いて行うことが可能である。
【0051】具体的には、タンパク沈澱剤による処理,
限外濾過,ゲル濾過,高速液体クロマトグラフィー,遠
心分離,電気泳動,特異抗体を用いたアフィニティクロ
マトグラフィー,透析法等を単独で又はこれらの方法を
組み合わせて用いることができる。このようにして、T
SLL2タンパク質を単離、精製することが可能であ
る。
【0052】TSLL2タンパク質を抗原として用いる
ことにより、TSLL2を特異的に認識する抗体を製造
することが容易となり、これを、例えば、診断目的で利
用することができる。また、TSLL2タンパク質をも
とにして、その類似構造体を製造したり、また、その機
能を活性化させる分子を単離、あるいは、合成し、神経
膠腫の治療に役立てることができる。また、TSLL2
タンパク質を、細胞内で発現させることにより、その細
胞内における局在部位を決定したり、細胞内でTSLL
2タンパク質と結合し、相互作用する、他のタンパク質
を同定することもできる。これらの結合タンパク質は、
TSLL2タンパク質と共に、神経膠腫等の脳腫瘍や前
立腺癌を抑制し得る経路の解明や、抑制する物質の同定
や合成等に利用することができる。
【0053】E.TSLL2タンパク質に対する抗体の
製造:本発明は、TSLL2タンパク質に対する抗体
(以下、本抗体ともいい、本抗体が、ポリクローナル抗
体である場合には、本ポリクローナル抗体ともいい、本
抗体が、モノクローナル抗体である場合には、本モノク
ローナル抗体ともいう)にも関する。すなわち、本ポリ
クローナル抗体は、TSLL2タンパク質を免疫抗原と
して免疫した動物に由来する免疫血清から製造すること
ができる。
【0054】ここで使用される免疫抗原としてのTSL
L2タンパク質は、特に限定されるものではなく、上記
のごとく調製される本遺伝子(その塩基配列の一部を改
変したものも含む)がコードするTSLL2タンパク質
を用い得ることは勿論のこと、本遺伝子の一部断片がコ
ードするTSLL2タンパク質断片やTSLL2タンパ
ク質に直接酵素処理等を施して、又は化学合成して得ら
れるTSLL2タンパク質の部分ペプチドをも本ポリク
ローナル抗体を製造する上での免疫抗原とすることがで
きる。なお、用いるTSLL2タンパク質由来の部分ペ
プチドが小さい場合等、必要に応じて、ハプテンをかか
るペプチドに結合させて、これを免疫抗原として用いる
ことも可能である。
【0055】また、免疫動物と同種・同系統の動物由来
の細胞株に、TSLL2タンパク質(TSLL2タンパ
ク質を含む)又はその一部をコードする遺伝子を組み込
んだ発現ベクターを導入して形質転換して、この形質転
換細胞をその免疫動物に移植することにより本ポリクロ
ーナル抗体を調製することができる。すなわち、形質転
換細胞を移植した動物の体内で、持続的に上記TSLL
2タンパク質がその形質転換細胞で作られ、それに対す
る抗体が産生されて、これをポリクローナル抗体とする
こともできる(Nemoto,T.,et al.,Eur.J.Immunol.,25,3
001(1995) )。
【0056】さらに、TSLL2タンパク質を発現する
発現ベクターを直接動物に筋注や皮下注等の手段で投与
することにより、その動物内でTSLL2タンパク質を
継続的に産生させて、上記の形質転換細胞を移植した場
合と同様に本ポリクローナル抗体を製造することができ
る(Raz,E.,el al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,91,951
9(1994) )。
【0057】一方、本モノクローナル抗体は、本ポリク
ローナル抗体の場合と同様の方法で、免疫した動物の免
疫細胞と動物の骨髄腫細胞とのハイブリドーマを作出
し、これにより、TSLL2タンパク質を認識する抗体
を産生するクローンを選択し、このクローンを培養する
ことにより製造することができる。
【0058】また、免疫される動物も特に限定されるも
のではなく、マウス,ラット等を広く用いることができ
るが、モノクローナル抗体を製造する場合には、細胞融
合に用いる骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択するこ
とが望ましい。
【0059】免疫は一般的方法により、例えば上記免疫
抗原を免疫の対象とする動物に静脈内,皮内,皮下,腹
腔内注射等で投与することにより行うことができる。よ
り具体的には、上記免疫抗原を所望により通常のアジュ
バントと併用して、免疫の対象とする動物に2〜14日
毎に上記手段により数回投与し、ポリクローナル抗体製
造のための免疫血清又はモノクローナル抗体製造のため
の免疫細胞、例えば免疫後の脾臓細胞を得ることができ
る。
【0060】モノクローナル抗体を製造する場合、この
免疫細胞と細胞融合する他方の親細胞としての骨髄腫細
胞としては、既に公知のもの、例えばSP2/0−Ag
14,P3−NS1−1−Ag4−1,MPC11−4
5,6.TG1.7(以上、マウス由来);210.R
CY.Ag1.2.3(ラット由来);SKO−00
7,GM15006TG−A12(以上、ヒト由来)等
を用いることができる。
【0061】上記免疫細胞とこの骨髄腫細胞との細胞融
合は、通常公知の方法、例えばケーラーとミルシュタイ
ンの方法(Kohler,G. and Milstein,C.,Nature,256,495
(1975))等に準じて行うことができる。
【0062】より具体的には、この細胞融合は、通常公
知の融合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PE
G),センダイウイルス(HVJ)等の存在下におい
て、融合効率を向上させるためにジメチルスルホキシド
等の補助剤を必要に応じて添加した通常の培養培地中で
行い、ハイブリドーマを調製する。
【0063】所望のハイブリドーマの分離は、通常の選
別用培地、例えばHAT(ヒポキサンチン,アミノプテ
リン及びチミジン)培地で培養することにより行うこと
ができる。すなわち、この選別用培地において目的とす
るハイブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な時間
をかけて培養することによりハイブリドーマの分離を行
うことができる。このようにして得られるハイブリドー
マは、通常の限界希釈法により目的とするモノクローナ
ル抗体の検索及び単一クローン化に供することができ
る。
【0064】目的とするモノクローナル抗体産生株の検
索は、例えばELISA法,プラーク法,スポット法,
凝集反応法,オクタロニー法,RIA法等の一般的な検
索法に従い行うことができる。
【0065】このようにして得られるTSLL2タンパ
ク質を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマは、通常の培地で継代培養することが可能であ
り、さらに液体窒素中で長時間保存することもできる
(本発明の技術的範囲には、このハイブリドーマも含ま
れる。)。
【0066】このハイブリドーマからの所望のモノクロ
ーナル抗体の採取は、このハイブリドーマを常法に従っ
て培養して、その培養上清として得る方法や、ハイブリ
ドーマをこのハイブリドーマに適合性が認められる動物
に投与して増殖させ、その腹水として得る方法等を用い
ることができる。
【0067】なお、インビトロで免疫細胞を、TSLL
2タンパク質又はその一部の存在下で培養し、一定期間
後に上記細胞融合手段を用いて、この免疫細胞と骨髄腫
細胞とのハイブリドーマを調製し、抗体産生ハイブリド
ーマをスクリーニングすることで所望するモノクローナ
ル抗体を得ることもできる(Reading,C.L.,J.Immunol.M
eth.,53,261(1982) ;Pardue,R.L.,et al.,J.Cell Bio
l.,96,1149(1983))。
【0068】さらに、免疫原としてTSLL2タンパク
質を用いることなしに、免疫原として直接本遺伝子又は
その一部を用いて所望するモノクローナル抗体を製造す
ることも可能である。
【0069】すなわち、本遺伝子で直接動物を免疫して
(この免疫の際には、この遺伝子を含む遺伝子発現用組
換えベクターを免疫原として用いることができる)、そ
の遺伝子免疫動物の免疫細胞又は免疫血清を用いること
によって、TSLL2タンパク質を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体を製造することができる。
【0070】また、上記で得られるポリクローナル抗体
及びモノクローナル抗体は、更に塩析,ゲル濾過法,ア
フィニティクロマトグラフィー等の通常の手段により精
製することができる。
【0071】このようにして得られるポリクローナル抗
体及びモノクローナル抗体は、TSLL2タンパク質に
特異反応性を有する抗体である。TSLL2に対する抗
体を用いることにより、細胞や組織におけるTSLL2
タンパク質の発現を特異的に検出することができる。こ
れにより、神経膠腫や前立腺癌をはじめとする、脳や神
経、さらには前立腺に関連する種々の疾患の診断、鑑別
診断、質的診断に利用することができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。cDNAクローンの単離と塩基配列の決定 46アミノ酸残基のTSLC1の全細胞質領域蛋白に対
して相同するアミノ酸配列は、advanced BLAST program
(http//www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/) を用いて検出し
た。成人ヒト脳由来のcDNAライブラリーであるLamb
da TriplExは、クローンテック社から購入した。cDN
Aライブラリーのスクリーニングに用いたプローブは、
下記のプライマーを用いて得られる1103bpのTSL
L2遺伝子に対するPCR由来のcDNAフラグメント
である。 プライマー1:5’−GGGCAGGACAGGAAG
TACA−3’(配列番号5) プライマー2:5’−TCAGATGAAGAATTC
CTCTTTCC−3’(配列番号6)
【0073】また、TSLL2遺伝子の5’末端の高速
増幅は、Marathon-Ready cDNA Kit(Clontech社製)を用
いて行った。プライマーとしては、以下に示すものを用
いた。 アダプタープライマー:5’−CCATCCTAATA
CGACTCACTATAGGGC−3’(配列番号
7) 遺伝子特異的プライマー:5’−CTTCGTTGTA
GAGCTGGCAGAAATAG−3’(配列番号
8)
【0074】DNAの塩基配列は、ABI377DNA
オートシークエンサー(アプライドバイオシステム社
製)において、the BigDye terminator cycle sequenci
ngready kit(Perkin-Elmer社製)を用いることにより
決定した。
【0075】TSLC1の細胞質領域のアミノ酸配列
(glycophirin Cとの著しい相同性を示す)は、BLAST
プログラムによるデータベースにおける配列の相同性の
検索のために用いた。対応するヌクレオチド配列とのア
ミノ酸配列の比較解析により、ヒト遺伝子の配列であ
る、1143bpのF22162 1(AAC32470) が、相同する配列と
して確認された。F22162 1 は、35465 bpのコスミドク
ローンF22162の配列であると予想されている。
【0076】しかしながら、F22162 1 は、コーディン
グ配列全部を含んでいなかった。この配列F22162 1
は、成人ヒト脳中でも発現されていたので、我々は、c
DNA(全長)を得るために、成人ヒト脳由来のcDN
Aライブラリーをスクリーニングした。この遺伝子のコ
ーディング配列全部および5’未翻訳領域(UTR) を、R
ACE法によって決定し、これを、本遺伝子(TSLL
2遺伝子)とした。
【0077】決定した本遺伝子であるTSLL2の塩基
配列を配列番号2に示し、これから推定されるアミノ酸
配列を配列番号1に示す(第1図に、これらの遺伝子配
列とアミノ酸配列を示す)。
【0078】本遺伝子は、388個のアミノ酸からなる
タンパク質をコードしている、1164bpのオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を1個含んでいた。第2
図には、ヒトTSLC1、ヒトTSLL1(bk134P22.1
をプローブとして用いて得た、成人ヒト脳由来のcDN
Aライブラリーのスクリーニングの結果得られた遺伝子
で、TSLL1のcDNAは、398個のアミノ酸から
なるタンパク質をコードしている、1194bpのOR
F:GenBank Accession No.CAB56227)、ヒトTSLL
2、human glycophirin C(hGLPC)(GenBank Ac
cession No.P04921)、ヒトコンタクチン結合蛋白2(h
Caspr2)(NP 054860)およびDrosophia melanoga
ster Neurexin IV(dNRX)(X86685)蛋白の間でのア
ミノ酸配列の整合性を示している。空白部分は、最良の
整合を行うために導入されている。これらのアミノ酸配
列間で保存されているアミノ酸残基は、黒く囲んであ
る。hGLPCの蛋白4.1に結合するために必要な1
3アミノ酸(Marfatia et al.,1995)は、下線で示され、
PDZが結合するためのCOOH末端の3つのコンセン
サスアミノ酸(Marfatia et al.,1997;Songyang et al.,
1997) は、二本下線で示されている。
【0079】予測したアミノ酸配列は、TSLL2にお
いて、いくつかの潜在的なN−グリコシル化部位、1つ
の膜貫通ドメイン、および短い細胞質ドメインをもつ3
つの免疫グロブリン様C2タイプのループを含んでいる
細胞外ドメインを有する膜タンパク質をコードしている
ことを示している。第2図に示されているように、TS
LC1は、細胞質ドメイン中で、TSLL2との間にお
ける相同性を示した(アミノ酸配列中37%同一であっ
た)。さらに、TSLL2は、アミノ酸配列全体におい
ても、TSLC1との類似性を示した(アミノ酸配列中
37%同一であった)。このことは、TSLL2タンパク
質が、免疫グロブリンのスーパーファミリータンパク質
に属していることを示している。
【0080】本遺伝子のゲノム構造は、コスミドクロー
ン(AC005525)の既知のゲノム配列を、本遺伝子配列と比
較することにより特定した。本遺伝子の遺伝子配列の一
部は、鋳型として343M13クローンからのBAC DNA
クローンを用いて決定した。
【0081】遺伝子構造の決定 RPCI−IIヒトBACライブラリーの高濃度フィルタ
ーは、ResearchGenetics社から購入し、添付の指示書に
従った。TSLL2遺伝子の全コード配列に相当するc
DNAプローブでハイブリダイズを行うことにより、T
SLL2遺伝子を含む343M13クローン由来のBA
CDNAを同定した。TSLL2遺伝子の遺伝子構造
は、BACクローン134P22(GenBank Accession No. AL0
35403)の既知のゲノム塩基配列に、各cDNA配列を並
べることによって決定した。TSLL2遺伝子のゲノム
配列の一部は、343M13クローン由来のBACDN
Aクローンを、鋳型として用いて決定した。
【0082】第3図は、ヒトTSLL2遺伝子とヒトT
SLC1遺伝子を図式化した図面である。翻訳領域のエ
クソンは、そのヌクレオチド長と共に黒く囲んで示し、
非翻訳領域のエクソンは、白抜きで示してある。エクソ
ンの数は、囲みの上に記載されている。
【0083】第3図に示すように、TSLL2遺伝子
は、9個のエクソンからなる、約17kbにわたる遺伝子
である。9個のエクソンのうち、エクソン1は、コザッ
クのコンセンサス配列(Kozak, 1989) の下流に位置する
メチオニンの開始コドンを含んでいる。また、本遺伝子
の上流領域はグアニンとシトシンの含有量が多くなり、
1039bpのCpGのアイランド領域が認められる(Ant
equeraら, 1993) 。
【0084】本遺伝子の配列から予測されるアミノ酸配
列(配列番号2)から、本遺伝子は、3か所の潜在的な
N−糖鎖付加部位を有する免疫グロブリン様C2−タイ
プループと、1か所の細胞膜貫通領域と短い細胞質領域
をコードしていることを推測することができる。細胞質
領域における、本遺伝子と癌抑制遺伝子TSLC1との
アミノ酸配列の相同性は37%であり、全配列における
本遺伝子と癌抑制遺伝子TSLC1とのアミノ酸配列の
相同性は37%である。このことにより、本遺伝子がコ
ードするタンパク質は、免疫グロブリンのスーパーファ
ミリーに属するタンパク質であるということがわかる。
【0085】Fluorescene in situ hybridization (F
ISH) TSLL2遺伝子の染色体位置を直接決定するために、
蛍光in situ ハイブリッド形成法(FISH)を行った。
【0086】FISHは、既に確立している方法(Pink
el et al.,1986)により行った。BACクローン343
M13から精製されたDNAは、nick translation kit
(ベーリンガー社製)を用いて、Spectrum Green-dUTP
(VISIS 社製)で、既に報告されている方法(Shimura
et al.,1999 )により標識し、これを、TSLL2遺伝
子の染色体上の位置を決定するためのプローブとして用
いた。ヒト染色体19qのテロメア領域に対するプロー
ブは、VYSIS社から購入し、上記と同様にSpectrum
Orenge-dUTPで標識した。ハイブリダイゼーション後、
細胞と染色体を、0.1%p−フェニレンジアミンと9
0%グリセロールを含有するアンチフェードソリューシ
ョン(和光純薬社製)中において、4',6-diamidino-2-p
henylindole (DAPI)で、対比染色した。デジタル
イメージを、蛍光顕微鏡(オリンパス社製)で検出し、
Cyto Vision(Applied Imaging 社製)で解
析した。少なくとも20個の中期染色体で検討し、ヒト
染色体19q上で、特定のシグナルを検出した。
【0087】第4図は、TSLL2の染色体上の位置を
示す図面である。緑色のシグナル(図中で、△印で示し
た部分)は、TSLL2を含むDNAを示し、赤色のシ
グナル(図中で、矢印で示した部分)は、第19染色体
長腕上のテロメア領域を示している(図における色は、
本件出願における参考図面を参照のこと)。
【0088】第4図に示されているように、BACクロ
ーン343M13を、通常のヒト中期染色体に対してハ
イブリッド形成させた時に、19q上で特定のシグナル
を検出した。この結果は、TSLL2のcDNA配列
が、染色体19q13.2上のコスミドクローンF22162
のゲノム配列の一部と同一であるという知見と一致して
いる。
【0089】細胞株 ヒト前立腺癌の細胞株である、PPC−1は、ユタ大学
のA.R.Brothman博士のご厚意で分けていただいた。ヒト
神経膠腫細胞の細胞株である、Hs683,SW108
8,SW1783,DBTRG−05MG,CCF−S
TTG1,U87MG,U118MG,U373MG
と、ヒト前立腺癌の細胞株である、PC3,LNCa
P,DU145は、アメリカンタイプカルチャーコレク
ション(ATCC)から入手した。ヒト神経膠腫細胞の
細胞株である、T98G,A172,YKG−1,KG
1Cは、ヘルスサイエンスリサーチリソースバンク(大
阪)から入手した。これらの細胞株は、供給者の指示に
従って培養した。
【0090】ノーザンブロット解析 ヒトの多組織ノーザンブロット膜、ヒト成人脳、前立腺
poly(A)+ RNAとヒトβアクチン用のcDNA
プローブは、クローンテック社から購入した。神経膠腫
細胞又は前立腺癌の細胞株からのpoly(A)+ RN
Aは、FastTrack2.0Kit (インビトロゲン社製)を用い
て抽出した。poly(A)+ RNAの1μg に対して
は、2.1Mのホルムアミドを含有する1%アガロース
ゲルでの電気泳動を行い、これを、Hybond-N+nylon mem
brene (アマシャム社製)に移した。TSLL2遺伝子
のコードィング配列をプローブとして用いた。ハイブリ
ダイゼーションは、5×SSC,42℃の20mMナトリ
ウム緩衝液,1×Denhardt's溶液,0.2%SDS,1
00μg/ml変性サケ精子DNA,10%デキストラン硫
酸,および,50%ホルムアミド,中で18時間行っ
た。ハイブリダイゼーション終了後、RNAを移したメ
ンブレンは、42℃の2×SSC/0.1%SDSで1
5分間、および、50℃の0.1×SSC/0.1%S
DSで15分間の洗浄を行った後、増強用スクリーンと
共に、1〜4日間,−70℃で露光した。
【0091】第5図は、成人(16種類)と胎児(4種
類)の組織における、TSLL2遺伝子のノーザンブロ
ット解析の結果を示した図面である。各々のレーンは、
2μg のpoly(A)+ RNAを含んでいる。レーン
1は、心臓;レーン2は、脳;レーン3は、胎盤;レー
ン4は、肺;レーン5は、肝臓;レーン6は、骨格筋;
レーン7は、腎臓;レーン8は、膵臓;レーン9は、脾
臓;レーン10は、胸腺;レーン11は、前立腺;レーン12
は、精巣;レーン13は、卵巣;レーン14は、小腸;レー
ン15は、結腸;レーン16は、末梢血細胞;レーン17は、
胎児の脳;レーン18は、胎児の肺;レーン19は、胎児の
肝臓;レーン20は、胎児の腎臓のpoly(A)+ RN
Aである。
【0092】第5図に示されているように、TSLL2
遺伝子は、2.2Kbの遺伝子転写物が、前立腺、脳、心
臓、骨格筋、膵臓、卵巣、小腸および結腸において発現
していた。
【0093】第6図は、12種類のヒト神経膠腫細胞の
細胞株における、TSLL2遺伝子のノーザンブロット
解析の結果を示した図面である。βアクチンは、各レー
ンの低い位置に示されている。各々のレーンは、5μg
のpoly(A)+ RNAを含んでいる。レーン1は、
Hs683;レーン2は、SW1088;レーン3は、
SW1783;レーン4は、DBTRG−05MG;レ
ーン5は、CCF−STTG1;レーン6は、U87M
G;レーン7は、U118MG;レーン8は、U373
MG;レーン9は、T98G;レーン10は、A172;
レーン11は、YKG−1;レーン12は、KG1−C;レ
ーン13は、成人の脳のpoly(A)+RNAである。
【0094】第6図は、ノーザンブロット解析におい
て、神経膠腫細胞全般〔7種類の神経膠腫細胞(SW108
8, SW1783, CCF-STTG1, U87MG, U118, T98G, およびKG1
-C)、並びに、他の4つの細胞中〕で著しく減少してい
ることを示したが、これは、TSLL2遺伝子が、ヒト
神経膠腫の発生または進展において、抑制的に機能して
いることを示している。
【0095】第7図は、4種類のヒト前立腺癌細胞にお
ける、TSLL2遺伝子のノーザンブロット解析の結果
を示した図面である。βアクチンは、各レーンの低い位
置に示されている。各々のレーンは、5μg のpoly
(A)+ RNAを含んでいる。レーン1は、PPC−
1;レーン2は、PC−3;レーン3は、DU145;
レーン4は、LNCaP;レーン5は、健常前立腺のp
oly(A)+ RNAである。
【0096】第7図は、ノーザンブロット解析におい
て、ヒト前立腺腫瘍細胞PPC−1においてTSLL2
の発現が失われ、他のヒト前立腺腫瘍細胞においても著
しく現象していることを示したが、これは、TSLL2
遺伝子が、ヒト前立腺癌の発生または進展において、抑
制的に機能していることを示している。これらのことに
より、本遺伝子が、癌抑制遺伝子としての機能を有して
いることが明らかとなった。
【0097】TSLL2に対する抗体の製造 TSLL2タンパク質の一部分のアミノ酸配列〔GSD
GHKRKEEFFI:配列番号9〕を、ペプチド合成
機を用いて合成し、かかるペプチドに、常法により、キ
ャリアタンパク質〔キーホール・リンペット ヘモシア
ニン(KLH)〕を結合し、免疫抗原を調製した。かか
る免疫抗原を、ウサギに、14日おきに、5回免疫し
て、免疫血清を得た。これを、スルフォリンク・カップ
リング・ゲル樹脂に、合成ペプチド(C)GSDGHK
RKEEFFI:配列番号9)を結合させた、ペプチド
アフィニティーカラムを用いて、常法により精製して、
ポリクローナル抗体(BC2と命名した)を得た。
【0098】従って、BC2の抗原認識部位は、GSD
GHKRKEEFFI(配列番号9)であることが判明
した、この配列は、上記の合成ペプチドの配列と同一で
あり、確かに、BC2が、TSLL2タンパク質に対し
て特異的なポリクローナル抗体であることが判明した。
【0099】TSLL2に対する抗体によるTSLL2
タンパク質の検出 サル腎臓由来培養細胞COS−7に、TSLL2の発現
ベクター〔ヒト脳細胞由来のpoly(A) + RNAから調製
したcDNAを鋳型とし、配列番号3,4で示される塩
基配列を有するヌクレオチドを増幅用プライマーとし
て、PCR法を行うことによって得られたDNA断片
を、プラスミドベクターpcDNA3.1(インビトロ
ゲン社)に組み込んで得たベクター〕を導入し、発現し
た細胞を分離した。細胞抽出物のウエスタン・ブロット
は、常法に従って行った(Towbin et al.,1979,Burnctte
et al., 1981) 。すなわち、培養した細胞を集め、1
%SDS,1mM EDTA,Hepes緩衝液(pH
7.5)、100μM Pefabloc and Complete (ベーリ
ンガー・マンハイム社製)を含む細胞融解液で可溶化
し、10000×gで、10分間遠心して、上清を回収
した。これにより得られた40μg のタンパク質を、1
0〜20%SDS加ポリアクリルアミドゲル電気泳動で
分離し、ポリビニル・リジン・ジフルオロライドフィル
ターに移した。このフィルターに、TSLL2タンパク
質に対する特異的ポリクローナル抗体BC2を加えて反
応させた。タンパク質は、アルカリフォスファターゼを
結合させたロバ抗ウサギIgG 抗体を用いて検出した。
【0100】TSLL2の発現ベクターを導入して発現
させた、COS−7細胞の全細胞抽出物(レーン1)、
TSLL2の発現ベクターを導入したCOS−7細胞の
抽出物をTSLL2に対するポリクローナル抗体BC2
で免疫沈降したもの(レーン2)、TSLL2の発現ベ
クターを導入していないCOS−7細胞の全細胞抽出物
をBC2で免疫沈降したもの(レーン3)を、それぞ
れ、SDS加ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離
し、メンブレンに移した後、BC2で、ウエスタン・ブ
ロット法により、ハイブリダイズした(第8図)。その
結果、レーン1,2で、それぞれ、分子量約40キロダ
ルトンのTSLLタンパク質が特異的に検出された。
【0101】
【発明の効果】本発明により、新たな癌抑制遺伝子等が
提供され、これにより、癌予防や癌診断や癌治療に関す
る新たな手段が提供され得る。
【0102】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> BML, INC <120> TSLL2 Gene <130> PBM64 <140> <141> <160> 9 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 388 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Gly Arg Ala Arg Arg Phe Gln Trp Pro Leu Leu Leu Leu Trp Ala 1 5 10 15 Ala Ala Ala Gly Pro Gly Ala Gly Gln Glu Val Gln Thr Glu Asn Val 20 25 30 Thr Val Ala Glu Gly Gly Val Ala Glu Ile Thr Cys Arg Leu His Gln 35 40 45 Tyr Asp Gly Ser Ile Val Val Ile Gln Asn Pro Ala Arg Gln Thr Leu 50 55 60 Phe Phe Asn Gly Thr Arg Ala Leu Lys Asp Glu Arg Phe Gln Leu Glu 65 70 75 80 Glu Phe Ser Pro Arg Arg Val Arg Ile Arg Leu Ser Asp Ala Arg Leu 85 90 95 Glu Asp Glu Gly Gly Tyr Phe Cys Gln Leu Tyr Thr Glu Asp Thr His 100 105 110 His Gln Ile Ala Thr Leu Thr Val Leu Val Ala Pro Glu Asn Pro Val 115 120 125 Val Glu Val Arg Glu Gln Ala Val Glu Gly Gly Glu Val Glu Leu Ser 130 135 140 Cys Leu Val Pro Arg Ser Arg Pro Ala Ala Thr Leu Arg Trp Tyr Arg 145 150 155 160 Asp Arg Lys Glu Leu Lys Gly Val Ser Ser Ser Gln Glu Asn Gly Lys 165 170 175 Val Trp Ser Val Ala Ser Thr Val Arg Phe Arg Val Asp Arg Lys Asp 180 185 190 Asp Gly Gly Ile Ile Ile Cys Glu Ala Gln Asn Gln Ala Leu Pro Ser 195 200 205 Gly His Ser Lys Gln Thr Gln Tyr Val Leu Asp Val Gln Tyr Ser Pro 210 215 220 Thr Ala Arg Ile His Ala Ser Gln Ala Val Val Arg Glu Gly Asp Thr 225 230 235 240 Leu Val Leu Thr Cys Ala Val Thr Gly Asn Pro Arg Pro Asn Gln Ile 245 250 255 Arg Trp Asn Arg Gly Asn Glu Ser Leu Pro Glu Arg Ala Glu Ala Val 260 265 270 Gly Glu Thr Leu Thr Leu Pro Gly Leu Val Ser Ala Asp Asn Gly Thr 275 280 285 Tyr Thr Cys Glu Ala Ser Asn Lys His Gly His Ala Arg Ala Leu Tyr 290 295 300 Val Leu Val Val Tyr Asp Pro Gly Ala Val Val Glu Ala Gln Thr Ser 305 310 315 320 Val Pro Tyr Ala Ile Val Gly Gly Ile Leu Ala Leu Leu Val Phe Leu 325 330 335 Ile Ile Cys Val Leu Val Gly Met Val Trp Cys Ser Val Arg Gln Lys 340 345 350 Gly Ser Tyr Leu Thr His Glu Ala Ser Gly Leu Asp Glu Gln Gly Glu 355 360 365 Ala Arg Glu Ala Phe Leu Asn Gly Ser Asp Gly His Lys Arg Lys Glu 370 375 380 Glu Phe Phe Ile 385 <210> 2 <211> 2176 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (50)..(1213) <400> 2 tgcaggtgcc gggccgggag cgagcggcgg cggcggcggc ggcggcacc atg ggc cgg 58 Met Gly Arg 1 gcc cgg cgc ttc cag tgg ccg ctg ctg ctg ctg tgg gcg gcc gcg gcg 106 Ala Arg Arg Phe Gln Trp Pro Leu Leu Leu Leu Trp Ala Ala Ala Ala 5 10 15 ggg cca ggg gca gga cag gaa gta cag aca gag aac gtg aca gtg gct 154 Gly Pro Gly Ala Gly Gln Glu Val Gln Thr Glu Asn Val Thr Val Ala 20 25 30 35 gag ggt ggg gtg gct gag atc acc tgc cgt ctg cac cag tat gat ggg 202 Glu Gly Gly Val Ala Glu Ile Thr Cys Arg Leu His Gln Tyr Asp Gly 40 45 50 tcc ata gtt gtc atc cag aac cca gcc cgg cag acc ctc ttc ttc aat 250 Ser Ile Val Val Ile Gln Asn Pro Ala Arg Gln Thr Leu Phe Phe Asn 55 60 65 ggc acc cgt gcc ttg aag gat gag cgt ttc cag ctt gag gag ttc tcc 298 Gly Thr Arg Ala Leu Lys Asp Glu Arg Phe Gln Leu Glu Glu Phe Ser 70 75 80 cca cgc cgg gtg cgg atc cgg ctc tca gat gcc cgc ctg gag gac gag 346 Pro Arg Arg Val Arg Ile Arg Leu Ser Asp Ala Arg Leu Glu Asp Glu 85 90 95 ggg ggc tat ttc tgc cag ctc tac aca gaa gac acc cac cac cag att 394 Gly Gly Tyr Phe Cys Gln Leu Tyr Thr Glu Asp Thr His His Gln Ile 100 105 110 115 gcc acg ctc acg gta cta gtg gcc cca gag aat cct gtg gtg gag gtc 442 Ala Thr Leu Thr Val Leu Val Ala Pro Glu Asn Pro Val Val Glu Val 120 125 130 cgg gag cag gcg gta gag ggc ggc gag gtg gag ctc agc tgc ctc gtt 490 Arg Glu Gln Ala Val Glu Gly Gly Glu Val Glu Leu Ser Cys Leu Val 135 140 145 ccg cgg tcc cgt ccg gct gcc acc ctg cgc tgg tac cgg gac cgc aag 538 Pro Arg Ser Arg Pro Ala Ala Thr Leu Arg Trp Tyr Arg Asp Arg Lys 150 155 160 gag ctg aaa gga gtg agc agc agc cag gaa aat ggc aag gtc tgg agc 586 Glu Leu Lys Gly Val Ser Ser Ser Gln Glu Asn Gly Lys Val Trp Ser 165 170 175 gtg gca agc aca gta cgg ttt cgt gtg gac cgt aag gac gac ggt ggt 634 Val Ala Ser Thr Val Arg Phe Arg Val Asp Arg Lys Asp Asp Gly Gly 180 185 190 195 atc atc atc tgt gag gcg cag aac cag gcg ctg ccc tcc gga cac agc 682 Ile Ile Ile Cys Glu Ala Gln Asn Gln Ala Leu Pro Ser Gly His Ser 200 205 210 aag cag acg cag tac gtg ctg gat gtg cag tac tcc ccc acg gcc cgg 730 Lys Gln Thr Gln Tyr Val Leu Asp Val Gln Tyr Ser Pro Thr Ala Arg 215 220 225 att cat gcc tcc caa gct gtg gtg agg gag gga gac acg ctg gtg ttg 778 Ile His Ala Ser Gln Ala Val Val Arg Glu Gly Asp Thr Leu Val Leu 230 235 240 acg tgt gct gtc acg ggg aac ccc agg cca aac cag atc cgc tgg aac 826 Thr Cys Ala Val Thr Gly Asn Pro Arg Pro Asn Gln Ile Arg Trp Asn 245 250 255 cgc ggg aat gag tct ttg ccg gag agg gcg gag gcc gtg gga gag acg 874 Arg Gly Asn Glu Ser Leu Pro Glu Arg Ala Glu Ala Val Gly Glu Thr 260 265 270 275 ctc acg ctg ccg ggt ctg gta tcc gcg gat aac ggc acc tac act tgc 922 Leu Thr Leu Pro Gly Leu Val Ser Ala Asp Asn Gly Thr Tyr Thr Cys 280 285 290 gag gcg tcc aat aag cac ggc cat gcg agg gcg ctc tac gta ctt gtg 970 Glu Ala Ser Asn Lys His Gly His Ala Arg Ala Leu Tyr Val Leu Val 295 300 305 gtc tac gac cct ggt gcg gtg gta gag gct cag acg tcg gtt ccc tat 1018 Val Tyr Asp Pro Gly Ala Val Val Glu Ala Gln Thr Ser Val Pro Tyr 310 315 320 gcc att gtg ggc ggc atc ctg gcg ctg ctg gtg ttt ctg atc ata tgt 1066 Ala Ile Val Gly Gly Ile Leu Ala Leu Leu Val Phe Leu Ile Ile Cys 325 330 335 gtg cta gtg ggc atg gtc tgg tgc tcg gta cgg cag aag ggt tcc tat 1114 Val Leu Val Gly Met Val Trp Cys Ser Val Arg Gln Lys Gly Ser Tyr 340 345 350 355 ctg acc cac gaa gcc agt ggc ttg gat gaa cag gga gaa gca aga gaa 1162 Leu Thr His Glu Ala Ser Gly Leu Asp Glu Gln Gly Glu Ala Arg Glu 360 365 370 gcc ttc ctc aat ggc agc gac gga cac aag agg aaa gag gaa ttc ttc 1210 Ala Phe Leu Asn Gly Ser Asp Gly His Lys Arg Lys Glu Glu Phe Phe 375 380 385 atc tgaccctatc cccaccccag gcctaggcct gggcctgggc tggggtcccc 1263 Ile cccactgcca gctgcaagga accagcaaag acatttacca gagtctggga tggtgggctt 1323 ctccccccac cactaacacc tcagacgctt gggcagggat gggggtgttg gatgcctgga 1383 tctctgtaag ggccagaagt gagggcccag aggtctgggt cccccagggg gcaggggcca 1443 aaggtccaga ccccccaagt ccagtgaggg cagtagggat tgggttgggg gaagataact 1503 gggggaaggc cagggcccct aggctacaaa accaggtctt gtggggaggg ggtcagtttc 1563 tgggaagggt ggggggggca gggaagggga acacagattt ctttgggggt cctagacccc 1623 atgccagcca ttgtaagagt tccacagagc tctgggcact tctttgcaaa gccatgtttg 1683 cacggtgggg ggatgggtgg ggggagggcg tggaaatagg gattctgtgt ctttgtgtca 1743 taactttgat gggggcagtg agggagacag ccccaaccct tttctccaat cccccttccc 1803 caggttcctg ggctcccctt ctctctacct tctcccccaa cgtctgtccc atccatattt 1863 gtctctctgt ccacccactc ctgggggggc cttccccatc tctcctccag gccccccggg 1923 gagggggaaa ggagtttggg gaggattcgt ggtcttcatg gttttatata taatatatta 1983 aaaaatcaaa agtctgtatg aaaatatcag attgcacccc cctctcccca ttcctggctt 2043 ttgccccctt tttcttgtta aaaaacaaaa aacaaaaaac aaaaaaccac acacacattt 2103 tgtacggggt ggggagggga atggggaggg ggtttggcaa tctcactaac caccattaaa 2163 ctgaggagag aac 2176 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 3 ggcggcggca ccatgggccg 20 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 4 aagcgtctga ggtgttagtg gtg 23 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 5 gggcaggaca ggaagtaca 19 <210> 6 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 6 tcagatgaag aattcctctt tcc 23 <210> 7 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 7 ccatcctaat acgactcact atagggc 27 <210> 8 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Gene Amplification Primer <400> 8 cttcgttgta gagctggcag aaatag 26 <210> 9 <211> 14 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 9 Cys Gly Ser Asp Gly His Lys Arg Lys Glu Glu Phe Phe Ile 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】TSLL2cDNAの塩基配列と、これから推
定されるアミノ酸配列を示した図面である。
【図2】本遺伝子と関連する他の遺伝子とがコードする
アミノ酸配列における構造類似性を示した図面である。
【図3】本遺伝子とヒトTSLC1遺伝子を図式化した
図面である。
【図4】本遺伝子の染色体上の座位を示す図面である。
【図5】成人と胎児の組織における、本遺伝子のノーザ
ンブロット解析の結果を示した図面である。
【図6】ヒト神経膠腫細胞の細胞株における、本遺伝子
のノーザンブロット解析の結果を示した図面である。
【図7】ヒト前立腺癌の細胞株における、本遺伝子のノ
ーザンブロット解析の結果を示した図面である。
【図8】抗TSLL2ポリクローナル抗体BC2によ
る、TSLL2タンパク質の特異的な検出を示した図面
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A (72)発明者 野村 幸男 埼玉県川越市的場1361−1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 CA04 CA05 HA11 HA17 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA30 BA09 CA40 DA75 EA28 EA51

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号1で表されるアミノ酸配列のタン
    パク質。
  2. 【請求項2】配列番号1で表されるアミノ酸配列をコー
    ドする塩基配列を含む遺伝子。
  3. 【請求項3】配列番号1で表されるアミノ酸配列をコー
    ドする塩基配列からなる遺伝子。
  4. 【請求項4】配列番号2で表される塩基配列を含む遺伝
    子。
  5. 【請求項5】配列番号2で表される塩基配列からなる遺
    伝子。
  6. 【請求項6】遺伝子が、癌抑制遺伝子である、請求項2
    〜5のいずれかの請求項記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】請求項2〜6のいずれかの請求項記載の遺
    伝子が組み込まれている遺伝子発現用ベクター。
  8. 【請求項8】請求項7記載の遺伝子発現用ベクターで形
    質転換された形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項1記載のタンパク質の全部又は一部
    を免疫原とする、このタンパク質に対して免疫反応性が
    認められる抗体。
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