JP2003115278A - 飛行時間式質量分析計 - Google Patents

飛行時間式質量分析計

Info

Publication number
JP2003115278A
JP2003115278A JP2001305759A JP2001305759A JP2003115278A JP 2003115278 A JP2003115278 A JP 2003115278A JP 2001305759 A JP2001305759 A JP 2001305759A JP 2001305759 A JP2001305759 A JP 2001305759A JP 2003115278 A JP2003115278 A JP 2003115278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
mass spectrometer
ions
negative
ion detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001305759A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoaki Saito
直昭 齋藤
Mitsushi Tanimoto
充司 谷本
Kazuyoshi Koyama
和義 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2001305759A priority Critical patent/JP2003115278A/ja
Publication of JP2003115278A publication Critical patent/JP2003115278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の飛行時間式質量分析計では、押し出し
側電極が平板構造のため、負の加速電位を加えると正イ
オンが押し出し側電極に衝突して負の電子が放出し、こ
れがイオン検出器で検出される。負電子の検出効率が負
イオンの検出効率より数十倍高いため、負イオンのみの
信号を抽出することが不可能であった。 【解決手段】 加速部を構成する押し出し側電極1と出
口側電極2において、従来は平板構造であった押し出し
側電極1をメッシュ構造とする。それにより図1(b)
のように、押し出し側電極1にパルス負電位を加える
と、負イオンが出口側電極2に加速されてイオン検出器
3で検出され、正イオンは押し出し側電極1を通過す
る。それにより正イオンが平板電極に衝突して負電子を
発生することが無くなる。押し出し側電極の背面にイオ
ン検出器を別設することにより、同時に正イオンも検出
することができる。レンズ系や反射電場を設けても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正イオンと負イオ
ンの双方が存在する測定対象を分析するための飛行時間
式質量分析計に関し、特に、負イオンの計測を行うこと
ができ、更に正イオンも同時に計測可能とした飛行時間
式質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定粒子をイオン化し、そのイオンを
電気的に加速させ、イオンの質量及び電荷に依存して変
化するイオンの飛行時間に基づき、被測定粒子を分離し
て分析を行う飛行時間式質量分析計(TOFMS)が質
量分析計の一つとして従来より広く用いられている。
【0003】従来の飛行時間式質量分析計では、正イオ
ンと負イオンの双方が存在する測定対象を分析する場
合、正イオンあるいは負イオンのどちらか一方のみを選
別して分析計に導いた上での計測が行われてきた。
【0004】しかし、プラズマなど、正イオンと負イオ
ンの双方が存在する測定対象を分析計に導いた上で、そ
の正イオンと負イオンを分析する必要が生じてきた。こ
の場合、従来方式では、正イオンの計測は可能であった
が、負イオンの計測を行うことができなかった。
【0005】即ち、飛行時間式質量分析計においては、
正イオンと負イオンの双方が存在する測定対象を加速部
に導入し、このうち正イオンを質量分析する場合には、
図3に示すように押し出し側電極11にパルス正電位を
加え、それにより電極間に発生する電場で正・負イオン
を加速する。その際、正イオンは図3中右方向に加速さ
れ、加速電極12を通過したのち自由飛行してイオン検
出器13に至り、イオンの到達を検出することができ
る。
【0006】他方、このときの負イオンは、図3(a)
中左方向に加速され、押し出し電極11に衝突して、多
数の電子を生成する。電子は負の電荷をもっているの
で、加速電場で図1中右側方向に加速されることはな
く、イオン検出器に到達することはない。この状態にお
いては、イオン検出器13で正イオンの信号のみを検出
できるので、イオンの電場による加速開始からイオン検
出器に至る迄の飛行時間の計測により、正イオンの質量
分析ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】それに対して、負イオ
ンを計測する際に、上述した正イオンを質量分析する状
態と同じ状態において、加速電圧の極性を反転させたと
き、即ち図3(b)に示すように、押し出し側電極11
にパルス負電位を加えたときには、それにより負イオン
は図3中右方向に加速され、加速電極12を通過したの
ち自由飛行してイオン検出器13に至る。
【0008】他方、正イオンは、図3(b)中左方向に
加速され、押し出し側電極11に衝突して、多数の電子
を生成する。このときは前記正イオン計測の場合と異な
り、電子は加速電場で図3(b)中右方向に加速され、
イオン検出器13に至る。通常のイオン検出器では、イ
オンについての検出効率に比べて電子の検出効率が数倍
から数十倍以上高いので、イオン検出器では電子の信号
が主となり、本来計測すべき負イオンの信号のみを抽出
することが不可能となる。そのため、上記従来の飛行時
間式質量分析計では、負イオンの質量分析が行えなかっ
た。また、同様に理由により従来の分析計では、正イオ
ンあるいは負イオンの双方を同時に質量分析することは
できなかった。
【0009】したがって、本発明は正イオンと負イオン
の双方が存在する測定対象でも負イオンの計測を行うこ
とができ、更に正イオンも同様に計測可能な飛行時間式
質量分析計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、加速部とイオン検出器を備
えた飛行時間式質量分析計において、加速部の押し出し
側電極と出口側電極を共にメッシュ構造とし、正イオン
と負イオンの双方が存在する測定対象の負イオンの分析
を可能としたことを特徴とする飛行時間式質量分析計と
したものである。
【0011】また、請求項2に係る発明は、前記加速部
とイオン検出器の間のイオン飛行経路内にレンズ系また
は反射電場を配置したことを特徴とする請求項1記載の
飛行時間式質量分析計としたものである。
【0012】また、請求項3に係る発明は、前記出口側
電極を複数設けたことを特徴とする請求項1記載の飛行
時間式質量分析計としたのもである。
【0013】また、請求項4に係る発明は、前記加速部
の出口側電極側、及びその反対側の押し出し側電極側の
両方にイオン検出器を対向して配置し、正イオンと負イ
オンの双方を同時に分析可能としたことを特徴とする請
求項1記載の飛行時間式質量分析計としたものである。
【0014】また、請求項5に係る発明は、前記加速部
とイオン検出器の間のイオン飛行経路内にレンズ系また
は反射電場を配置したことを特徴とする請求項4記載の
飛行時間式質量分析計としたものである。
【0015】また、請求項6に係る発明は、前記出口側
電極を複数の電極としたことを特徴とする請求項4記載
の飛行時間式質量分析計としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に沿って説
明する。図1は本発明による飛行時間式質量分析計の模
式図であり、出口側電極2及び押し出し側電極1も共に
イオンが通過できるメッシュ構造としている。また、出
口側電極2を通過して加速されたイオンを計測するイオ
ン検出器3を従来のものと同様に配置している。
【0017】上記のような構造の飛行時間式質量分析計
において、正イオンの計測の場合は図1(a)に示すよ
うに、また、前記図3の従来のものと同様に、押し出し
側電極1にパルス正電位を加え、それにより電極間に発
生する電場で正・負イオンを加速する。その際、正イオ
ンは図1中右方向に加速され、出口側電極2を通過した
のち自由飛行してイオン検出器3に至り、正イオンの到
達を検出することができる。なお、このとき測定対象で
はない負イオンは、押し出し側電極1のメッシュを通過
し分析計外部に放出されるので、イオン検出器3に全く
影響を与えることはない。
【0018】上記のような構造の飛行時間式質量分析計
において、負イオンの計測の場合は図1(b)に示すよ
うに、測定対象でない正イオンは、押し出し電極1側の
メッシュを通過して分析計外部に放出される。この結
果、従来の前記図3(b)に示すような正イオンに起因
する電子発生を防ぐことができるので、負イオンの信号
のみをイオン検出器3で検出することが可能となる。
【0019】このように、本発明においては、正イオン
と負イオンの双方が存在する測定対象においても、単に
押し出し側電極をメッシュ構造とするのみで、従来測定
することができなかった負イオンの測定を正確に検出す
ることが可能となる。なお、飛行時間式質量分析計にお
いて、正イオンと負イオンの双方が存在する測定対象に
おいて、負イオンのみを測定することができたのは他に
報告が無く、本発明者らはこの装置によりシランプラズ
マの分析を行い、世界で初めて負イオンの飛行時間式質
量分析に成功した。
【0020】上記のような本発明による飛行時間式質量
分析計を用いることにより、前記負イオンの正確な検出
のみでなく、同時に正イオンの検出も行うことができ
る。即ち、図2に示すように、前記図1と同様に押し出
し側電極1を出口側電極2と同様にメッシュ構造とした
加速部を備えている。加速部の両面側に、それぞれ1つ
ずつ合計2組のイオン検出器3、4を対向して配置して
いる。それにより、前記図1(b)と同様に作動して負
イオンをイオン検出器3で検出すると共に、正イオンに
ついては、押し出し電極1を通過してその背面に配置さ
れるイオン検出器4により検出することができる、それ
により、正イオンと負イオンの双方の質量分析を同時に
行うことができる。
【0021】なお、上記実施例においては押し出し電極
1側にパルス負電位を与えて、イオン検出器3側で負イ
オンを検出し、イオン検出器4側で正イオンを検出する
例を示したが、逆に押し出し電極1側にパルス正電位を
与えて、イオン検出器3側で正イオンを検出し、イオン
検出器4側で負イオンを検出するように構成しても同様
である。
【0022】上記実施例においては、本発明を理解しや
すくするため、最も単純な構成で説明したものである
が、実際の装置においては従来と同様に、図1に示す例
及び図2に示す例共に、加速部とイオン検出器の間のイ
オン飛行経路内に、イオンオプティクス等のレンズ系や
リフレクトロン、ミラー等の反射電場を配置しても同様
に機能させることができ、また出口側電極が複数の電極
から構成されるものにおいても同様に機能させることが
できる。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、正
イオンと負イオンの双方が存在する測定対象でも負イオ
ンの計測を正確に行うことができ、しかも従来から用い
られている装置の構造を大幅に変更することなく容易に
実施することができる。更に、上記のような負イオンの
計測と同時に正イオンの計測も可能となり、極めて使用
し易い飛行時間式質量分析計とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の模式図であり、(a)は正イ
オンの検出時の状態を示し、(b)は押し出し側電極に
パルス負電位を加えた状態を示す負イオンの検出時の状
態を示す。
【図2】本発明の他の実施例において、負イオンと同時
に正イオンも検出する状態を示す図である。
【図3】従来の飛行時間式質量分析計の模式図であり、
(a)は押し出し側電極にパルス正電位を加えた状態を
示し、(b)は押し出し側電極にパルス負電位を加えた
状態を示す。
【符号の説明】
1 押し出し側電極 2 出口側電極 3 イオン検出器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速部とイオン検出器を備えた飛行時間
    式質量分析計において、 加速部の押し出し側電極と出口側電極を共にメッシュ構
    造とし、 正イオンと負イオンの双方が存在する測定対象の負イオ
    ンの分析を可能としたことを特徴とする飛行時間式質量
    分析計。
  2. 【請求項2】 前記加速部とイオン検出器の間のイオン
    飛行経路内にレンズ系または反射電場を配置したことを
    特徴とする請求項1記載の飛行時間式質量分析計。
  3. 【請求項3】 前記出口側電極を複数設けたことを特徴
    とする請求項1記載の飛行時間式質量分析計。
  4. 【請求項4】 前記加速部の出口側電極側、及びその反
    対側の押し出し側電極側の両方にイオン検出器を対向し
    て配置し、正イオンと負イオンの双方を同時に分析可能
    としたことを特徴とする請求項1記載の飛行時間式質量
    分析計。
  5. 【請求項5】 前記加速部とイオン検出器の間のイオン
    飛行経路内にレンズ系または反射電場を配置したことを
    特徴とする請求項4記載の飛行時間式質量分析計。
  6. 【請求項6】 前記出口側電極を複数の電極としたこと
    を特徴とする請求項4記載の飛行時間式質量分析計。
JP2001305759A 2001-10-01 2001-10-01 飛行時間式質量分析計 Pending JP2003115278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305759A JP2003115278A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 飛行時間式質量分析計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001305759A JP2003115278A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 飛行時間式質量分析計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003115278A true JP2003115278A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19125500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001305759A Pending JP2003115278A (ja) 2001-10-01 2001-10-01 飛行時間式質量分析計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003115278A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009037598A2 (en) * 2007-05-02 2009-03-26 Hiroshima University Phase shift rf ion trap device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009037598A2 (en) * 2007-05-02 2009-03-26 Hiroshima University Phase shift rf ion trap device
WO2009037598A3 (en) * 2007-05-02 2009-05-28 Univ Hiroshima Phase shift rf ion trap device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6933497B2 (en) Time-of-flight mass analyzer with multiple flight paths
US7504621B2 (en) Method and system for mass analysis of samples
JP3971958B2 (ja) 質量分析装置
US7126114B2 (en) Method and system for mass analysis of samples
US20150048245A1 (en) Ion Optical System For MALDI-TOF Mass Spectrometer
US5986258A (en) Extended Bradbury-Nielson gate
US8735810B1 (en) Time-of-flight mass spectrometer with ion source and ion detector electrically connected
US20080073530A1 (en) Method and apparatus for detecting positively charged and negatively charged ionized particles
US9627190B2 (en) Energy resolved time-of-flight mass spectrometry
JP2006511912A5 (ja)
JP6301907B2 (ja) 質量分析/質量分析データを並列取得するための方法および装置
JP2015514300A5 (ja)
JP7555428B2 (ja) 高性能荷電粒子検出のための装置および方法
JP2011175897A (ja) 質量分析装置
JP5582493B2 (ja) マイクロチャネルプレート組立体及びマイクロチャネルプレート検出器
JPH11297267A (ja) 飛行時間型質量分析装置
US9640378B2 (en) Time-of-flight mass spectrometer
JP2003115278A (ja) 飛行時間式質量分析計
Yoshimura et al. Evaluation of a delay-line detector combined with analog-to-digital converters as the ion detection system for stigmatic imaging mass spectrometry
US20050230613A1 (en) Non-linear time-of-flight mass spectrometer
JP2757460B2 (ja) 飛行時間型質量分析装置
JP2001210267A (ja) 粒子検出器及びこれを用いた質量分析器
JPH02165038A (ja) 飛行時間型粒子分析装置
Manard miniaTuRizing Time-oF-FlighT maSS SPecTRomeTeRS
JPH0330249A (ja) イオン検出器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040701

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050405