JP2003113668A - 床面の装飾方法および床面用装飾材 - Google Patents

床面の装飾方法および床面用装飾材

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JP2003113668A
JP2003113668A JP2002211381A JP2002211381A JP2003113668A JP 2003113668 A JP2003113668 A JP 2003113668A JP 2002211381 A JP2002211381 A JP 2002211381A JP 2002211381 A JP2002211381 A JP 2002211381A JP 2003113668 A JP2003113668 A JP 2003113668A
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coating
coating film
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Shinzo Tanabe
進三 田邉
Seiho Kai
盛豊 甲斐
Nobuo Yamamura
信雄 山村
Yoji Tominaga
洋二 富永
Hisataka Uruta
寿隆 宇留田
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GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
WAADO KK
WINTECH KK
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GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
WAADO KK
WINTECH KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性が得られるとともに様々な意
匠、複雑な意匠を容易に付与でき、しかも、その意匠を
長期間鮮明なまま保持できる床面の装飾方法を提供す
る。 【解決手段】 床面に貼着した床材2の上に、装飾フィ
ルム3を載置(貼付)した後、かかる装飾フィルム3を
水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜4で覆い、該
塗膜4を紫外線照射によって硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は床面の装飾方法およ
び床面用装飾材に関する。
【0002】
【従来の技術】床面を装飾する方法としては、床面に
床材を貼る(さらに該床材の上に床材を貼る)、床材
にコーティング剤を塗布する、床材に印刷フィルムや
転写フィルムを貼る、等の方法が知られている。床面を
装飾する目的は、床面の保護、歩行適性や車両運行特性
の向上、床面への意匠の付与、広告や各種サインの掲示
等である。
【0003】上記の床材としては、塩化ビニルなどの
樹脂系タイル及びシート;フローリングなどの木質系材
料;磁器タイルなどのセラミックス系材料;大理石、御
影石、テラゾーなど石系材料;モルタルなどのコンクリ
ート系材料;ゴムやリノリウムなどの天然樹脂系タイル
及びシート、および、これらの床材上に予めワックス、
フロアポリッシュ、塗料等の塗膜を設けた塗装済み床材
等がある。かかる床材は概ね優れた耐久性を有するが、
様々な意匠(複雑な意匠)を付与できない等、意匠性の
点で必ずしも優れているとは言えない。
【0004】上記のコーティング剤を塗布する方法
は、床材を使用する場合に比べて安価であるが、ワック
ス、フロアポリッシュ、塗料等のみでは、上記と同様
に様々な意匠(複雑な意匠)を付与できない。また、着
色塗料を非常に厚く塗ることで、床面上で実質的に床材
を形成する、所謂、塗り床があるが、該塗り床において
も、同様に、様々な意匠(複雑な意匠)を付与できな
い。
【0005】上記の印刷フィルムや転写フィルムは、
通常の印刷機やインクジェットプリンター等を用いて文
字や写真や各種の画像をフィルムに印刷又は転写してな
るものであり、様々な意匠(複雑な意匠)を容易に付与
できる。しかし、床材やコーティング剤の塗膜に比べ
て、著しく耐久性が劣るという欠点がある。さらにま
た、意匠の保護のためには、その最上層に保護フィルム
(プラスチックフィルム)を設けざるをえず、保護フィ
ルムを通して画像を見ることになるので、画像等が暗く
ぼけてしまうなどの画質低下の問題もある。
【0006】上記のように、床面の装飾方法として、従
来から各種の方法が提案されているが、優れた耐久性
(床面の保護および歩行適性等の長期持続性)が得られ
るとともに様々な意匠、複雑な意匠を容易に付与でき、
しかも、その意匠(画像)を長期間鮮明なまま保持でき
る方法は未だ確立されておらず、かような床面の装飾方
法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑み、優れた耐久性が得られるとともに様々な意匠、
複雑な意匠を容易に付与でき、しかも、その意匠を長期
間鮮明なまま保持できる床面の装飾方法および床面用装
飾材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、床材の表面に、装飾フィ
ルムを載置(貼付)するか、または、耐水性着色材料で
画像を形成した後、かかる装飾フィルムまたは耐水性着
色材料による画像を水系の紫外線硬化型コーティング剤
の塗膜で覆い、該塗膜を紫外線照射によって硬化するこ
とで、優れた耐久性が得られるとともに、様々な意匠
(複雑な意匠)を容易に付与でき、しかも、その意匠を
長期間鮮明なまま保持できることを見出し、本発明を完
成させた。
【0009】すなわち、本発明の特徴は以下のとおりで
ある。 (1)床面に貼着した床材の上に装飾フィルムを載置
後、該装飾フィルムの上に少なくとも一層の水系の紫外
線硬化型コーティング剤の塗膜を形成し、次いで当該少
なくとも一層の水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗
膜を紫外線照射によって硬化させることを特徴とする床
面の装飾方法。 (2)床面に貼着した床材の上に少なくとも一層の水系
の自然乾燥型コーティング剤の塗膜を形成後、当該少な
くとも一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜の
上に装飾フィルムを載置し、さらに当該装飾フィルムの
上に少なくとも一層の水系の紫外線硬化型コーティング
剤の塗膜を形成し、次いで、当該少なくとも一層の水系
の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜を紫外線照射によ
って硬化させることを特徴とする床面の装飾方法。 (3)少なくとも一層の水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の塗膜を形成するに先立って、装飾フィルムの上に
少なくとも一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
膜を形成することを特徴とする上記(1)または(2)
記載の床面の装飾方法。 (4)床面に貼着した床材の上に装飾フィルムを載置す
るか、または、床面に貼着した床材の表面に少なくとも
一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜を形成し
てから当該塗膜の上に装飾フィルムを載置した後、該装
飾フィルムの上に、一層の水系の自然乾燥型コーティン
グ剤の塗膜を形成する第1の作業と、一層の水系の紫外
線硬化型コーティング剤の塗膜を形成し、該塗膜を紫外
線照射により硬化する第2の作業とを交互にそれぞれを
複数回行って、最上層に水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の硬化塗膜を配置させることを特徴とする床面の装
飾方法。 (5)装飾フィルムとして、その片面に接着剤層を有す
るものを使用し、床材または床材上に形成した少なくと
も一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜の上に
装飾フィルムを貼付状態に載置することを特徴とする上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の床面の装飾方法。 (6)装飾フィルムを載置する代わりに、床材の表面、
または、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜の表面
に描画用耐水性着色材料で画像を形成することを特徴と
する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の床面の装飾
方法。 (7)床材、装飾フィルム、水系の紫外線硬化型コーテ
ィング剤の硬化塗膜をこの順に積層して一体化してなる
床面用装飾材。 (8)さらに床材と装飾フィルムの間に水系の自然乾燥
型コーティング剤の塗膜を介在させた上記(7)記載の
床面用装飾材。 (9)さらに装飾フィルムと水系の紫外線硬化型コーテ
ィング剤の硬化塗膜の間に水系の自然乾燥型コーティン
グ剤の塗膜を介在させた上記(7)または(8)記載の
床面用装飾材。 (10)床材、装飾フィルム、コーティング剤の塗膜を
この順に積層して一体化してなる床面用装飾材であっ
て、前記コーティング剤の塗膜が、一層の水系の自然乾
燥型コーティング剤の塗膜と一層の水系の紫外線硬化型
コーティング剤の硬化塗膜とをこの順に積層した単位を
複数形成して、最上層を水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の硬化塗膜とした積層体からなることを特徴とする
床面用装飾材。 (11)さらに床材と装飾フィルムの間に水系の自然乾
燥型コーティング剤の塗膜を介在させた上記(10)記
載の床面用装飾材。 (12)装飾フィルムの代わりに、床材の表面、また
は、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜の表面に描
画用耐水性着色材料で画像を形成してなる上記(7)〜
(11)のいずれかに記載の床面用装飾材。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明の床面装飾方法を詳し
く説明する。図1は本発明の床面の装飾方法の最も基本
的な態様(第1の態様)によって床面が装飾された状
態、すなわち、床面上の積層状態を示している。本発明
の第1の態様による床面の装飾方法は、図1に示すよう
に、床面1に貼着した床材2の表面2aに装飾フィルム
3を載置後、該装飾フィルム3の上に少なくとも一層の
水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜4を設け、当
該少なくとも一層の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜
4を紫外線の照射によって硬化することを特徴としてい
る。なお、図1には、説明の便宜上、一層の紫外線硬化
型コーティング剤の塗膜4を示している。
【0011】本発明で使用する床材は、特に限定され
ず、公知の床材、例えば、塩化ビニル、ポリオレフィン
などの樹脂系タイル及びシート;フローリングなどの木
質系材料;磁器タイルなどのセラミックス系材料;大理
石、御影石、テラゾーなど石系材料;モルタルなどのコ
ンクリート系材料;ゴムやリノリウムなどの天然樹脂系
タイル及びシート等が挙げられる。
【0012】床材の床面への貼着に使用する接着剤(粘
着剤)は、特に限定されず、この種の分野で床材用の接
着剤として使用されている各種接着剤を使用することが
でき、例えば、アクリル系接着剤;天然ゴム系接着剤;
スチレン・イソプレンブロック共重合体(SIS)、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム
(IR)、ポリイソブチレン(PIB)、イソブチレン
−イソプレンゴム(IIR)等の合成ゴム系接着剤およ
び前記天然ゴム系接着剤と合成ゴム系接着剤との混合物
等が挙げられる。これらの接着剤はいずれか一種を単独
で使用しても二種以上組み合わせて使用してもよい。当
該接着剤(粘着剤)の使用量は、床材および床面の材質
に応じて適宜選択されるが、一般に40〜600g/m
2程度が好適である。
【0013】本発明で用いる「装飾フィルム」とは、
紙;樹脂フィルムを裏打ちした紙;樹脂を含浸させた
紙;塩化ビニルフィルム、アクリルフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポバールフィルム、酢酸セルロースフィルム
等のプラスチックフィルム(中実または空洞(細孔)を
有するもののいずれでもよい);該プラスチックフィル
ムにさらに金属を蒸着した金属蒸着フィルム;該プラス
チックフィルムにさらに金属箔を貼り付けた金属貼付フ
ィルム;金属箔;ガラス箔;突板等の木箔等であって、
その少なくとも片面に意匠(文字、模様、写真画像等の
各種画像)を付与したものである。本発明において、装
飾フィルムにおける意匠(文字、模様、写真画像等)の
付与形態は特に限定されないが、例えば、異なる色相の
材料でフィルムを構成(成形)することによってフィル
ムそれ自体に意匠を付与した形態のものや、フィルム
(基材)の少なくとも片面に公知の画像形成法(例え
ば、手書き、印刷、インクジェット記録、静電記録、電
子写真法等)によって耐水性の画像を担持させて意匠を
付与した形態のもの等が挙げられる。もちろん、これら
以外の形態であってもよい。なお、写し絵フィルム(例
えば、(株)アサヒペン製、ステンシル倶楽部(商品
名))や写真印画紙も本発明における「装飾フィルム」
に包含される。
【0014】本発明において、装飾フィルムの大きさ
(面積)、形状(外形)等は任意であり、特に限定され
ない。すなわち、床面(床材)の装飾を意図する部分に
対応した大きさ、形状であればよい。また、厚みも特に
限定されない。しかし、厚すぎると、床材表面との間に
段差を生じ、装飾フィルムの角部の摩滅や剥がれが生じ
やすくなるので、最大の厚み部分の厚みが0.2mm以
下が好ましく、0.06mm以下が特に好ましい。な
お、余り薄すぎると、載置(粘着)作業が困難となるお
それがあるので、最小厚み部分の厚みが0.01mm以
上であるのが好ましい。
【0015】装飾フィルムは、床材の上に載置すること
で、これの上に設けるコーティング剤の塗膜の床材への
接着力(粘着力)によって床材に密着し得るが、作業
性、すなわち、床材上での装飾フルムの位置決め作業
性、コーティング剤の塗工作業の作業性等の点から、装
飾フィルムはそれ自体が粘着性(接着性)を有している
のが好ましく、その片面に接着剤(粘着剤)層を設けた
装飾フィルムを用いるのが好ましい。かかる接着剤層に
おける接着剤の種類に特に制限は無いが、例えば、アク
リル系接着剤;天然ゴム系接着剤;スチレン・イソプレ
ンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン
ゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ポリイソブ
チレン(PIB)、イソブチレン−イソプレンゴム(I
IR)等の合成ゴム系接着剤および前記天然ゴム系接着
剤と合成ゴム系接着剤との混合物等が挙げられる。ま
た、片面に接着剤(粘着剤)層を設けた装飾フィルムは
市販されており、市販品を使用してもよい。
【0016】また、当該接着剤層を装飾フィルムの片面
に設ける方法は、従来から一般に使用されている接着剤
の塗工方法(例えば、流エン法、ロールコーター法、リ
バースコーター法、ドクターブレード法等)が使用でき
る。なお、当該接着剤層には必要に応じて、架橋剤、粘
着付与剤、老化防止剤、安定剤、充填剤、顔料などの公
知の添加剤を配合してもよい。また、当該接着剤層にさ
らに離型剤を塗布して背面処理層を形成し、該背面処理
層に離型紙を付して、かかる状態で床材に貼付するまで
の間保管しておいてもよい。離型剤としては、長鎖アル
キル系、シリコーン系、フッ素系等が例示される。
【0017】なお、装飾フィルムとして接着剤層を有し
ていないものを用いる場合はもちろんのこと、接着剤層
を有するものを用いる場合にも、これを載置する側(床
材側)の面に接着剤を塗布してもよい。
【0018】当該第1の態様において、装飾フィルム
は、上記説明したように、床材の上に直接載置(貼付)
しても、後述するように、床材の上に先に水系の自然乾
燥型コーティング剤の塗膜を形成し、当該自然乾燥型コ
ーティング剤の塗膜の上に載置(貼付)するようにして
もよい。かかる水系の自然乾燥型コーテイング剤を用い
る態様については、後に詳しく説明する。
【0019】本発明では、装飾フィルムの上に少なくと
も一層の水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜を形
成し、当該紫外線硬化型コーティング剤からなる塗膜に
紫外線を照射して硬化させる。
【0020】水系の紫外線硬化型コーテイング剤とは、
水と紫外線硬化型樹脂と光重合開始剤とを必須成分とす
る水溶液、水性エマルションまたは水性ディスパーショ
ンの形態からなるコーティング剤であって、塗工、乾燥
して得られる塗膜に紫外線を照射することによって透明
性の硬化塗膜を形成し得るものであり、公知のものを制
限なく使用できる。ここで、紫外線硬化型樹脂は200
〜800nmの波長に感光して硬化し得る樹脂であり、
光重合開始剤は、光を吸収してラジカルまたはカチオン
を生じる物質である。紫外線硬化型樹脂としては、例え
ば、エステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メ
タ)アクリレート樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート
樹脂等の(メタ)アクリレート系樹脂;チオール・エン
付加型樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;エポキシ化合物
およびこれらの混合物等が挙げられる(なお、オリゴマ
ータイプ、モノマータイプおよびオリゴマーとモノマー
の混合タイプのいずれでもよい)。なかでも、作業者の
危険性が少なく、消費電力も小さい、低圧水銀灯を光源
に用いた硬化作業によって、比較的短時間で十分な硬度
の硬化塗膜を形成できる点から、少なくともウレタン
(メタ)アクリレート樹脂を使用したコーティング剤を
使用するのが好ましい。また、光重合開始剤としては、
紫外線硬化型樹脂の重合開始剤として一般的に知られて
いるベンゾイル系、ホスフィンオキサイド系、ベンゾイ
ン系、アセトフェノン系、塩素化アセトフェノン系、ベ
ンゾフェノン系、チオキトサン類、アントラキノン類、
ベンジル系、安息香酸エステル系、ジケトン系、ケター
ル系、ジベンゾシクロアルカン系等の化合物が挙げられ
る。なお、当該水系の紫外線硬化型コーテイング剤中に
は、必要に応じて、添加剤をさらに配合しても良く、該
添加剤としては、例えば、消泡剤、脱泡剤、湿潤剤、レ
ベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗
菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤、密着
促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型剤、シラ
ンカップリング剤、安定剤、難燃剤等が挙げられる。た
だし、硬化塗膜の透明性を阻害するものの使用は避ける
必要がある。
【0021】なお、紫外線硬化型コーテイング剤には水
系タイプ以外に有機溶剤または無溶剤タイプのものもあ
るが、本発明において、水系タイプを使用するのは、本
発明を実施する場所は実質的に室内(屋内)が殆どであ
るので、強い臭気を有するコーティング剤は好ましくな
い(有機溶剤が屋内(室内)に充満するのは更に好まし
くない)ので、そのような不具合が起こらないようにす
るためである。また、有機溶剤または無溶剤タイプでは
ローラー等の塗布具の洗浄に有機溶剤を使用しなければ
ならいので、この有機溶剤の使用によって上記と同様の
問題(強い臭気、有機溶剤の充満)を生ずることとな
る。
【0022】当該水系の紫外線硬化型コーティング剤の
塗工方法としては、この種のコーティング剤の公知の塗
工方法に従って行えば良く、例えば、エアスプレー、エ
アレススプレー、刷毛、ローラー、パッド等により行う
ことができる。
【0023】当該水系の紫外線硬化型コーティング剤を
装飾フィルムの上に塗工した後、紫外線を照射する前
に、コーテイング剤中に含まれる水を揮散させる必要が
ある。かかる水の揮散は、自然乾燥で行っても、加熱を
施して行ってもよいが、簡便さから、自然乾燥が好まし
い。
【0024】当該水系の紫外線硬化型コーティング剤を
塗工し、水分を揮散させた塗膜に紫外線を照射して硬化
させるが、かかる紫外線の照射は、紫外線照射量が、通
常1mJ/cm2〜5000mJ/cm2 、好ましくは
10mJ/cm2〜3000mJ/cm2となるように照
射する。該紫外線照射量が1mJ/cm2未満である場
合、塗膜の硬化速度が遅くなったり、未反応部分が残っ
て塗膜に十分な光沢保持性や耐汚染性が発現しなくなる
おそれがある。5000mJ/cm2を超える場合、そ
のような照射量を得るには照射能力の高い設備が必要と
なるため設備費が高くなり、その上、塗膜劣化による変
色によって透明性が低下する危険性があり、硬化塗膜を
通して外観される装飾フィルムの画像の鮮明さが低下す
るおそれがある。紫外線の照射時間は2〜10秒程度が
好ましく、特に好ましくは3〜8秒程度である。
【0025】当該水系の紫外線硬化型コーティング剤の
塗膜(硬化塗膜)は一層のみならず、全体厚み(総厚
み)を大きくするために、複数層形成してもよい。ま
た、複数層設ける場合、同じ材料の膜を繰り返し形成し
ても、異なる材料の膜を積層してもよい。
【0026】当該水系の紫外線硬化型コーティングの塗
膜(硬化塗膜)の厚み(硬化後の厚み)は下限が好まし
くは4μm以上、より好ましくは7μm以上であり、上
限が好ましくは30μm以下である。厚みが4μm未満
であると十分な光沢度が得られなかったり、塗膜がはや
く摩滅したり、バフィングによる光沢復元が困難になる
場合があり、30μmを超えると塗膜の硬化収縮によっ
て塗膜にヒビが入ったり、割れたり、或いは、塗膜と共
に床材自体が反ってくるおそれがある。なお、当該厚み
は塗膜を一層設ける場合は、その一層の厚みであり、複
数層設ける場合は、その各一層の厚みである。
【0027】紫外線照射に使用する光源としては、特に
限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ、中圧水銀ラ
ンプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー等が挙げら
れる。なお、これらのうちでも、室内用コンセントを電
源として使用するために高エネルギー効率を必要とする
場合には、短波長成分の多い光源(例えば、低圧水銀ラ
ンプ等)が好ましい。また、水銀ランプを具備する移動
式の紫外線照射装置等を使用すれば作業性が向上する。
当該移動式の紫外線照射装置とは、従来からの床面に直
接紫外線硬化型コーテイング剤を塗布し、紫外線照射に
よって硬化塗膜を形成する装飾方法において一般的に使
用されているものである。
【0028】本発明では、床材の上に装飾フィルムを載
置(貼付)する代わりに、床材の表面に描画用耐水性着
色材料にて直接画像を形成して意匠を施すようにしても
よい。ここでの「描画用耐水性着色材料」とは、水分に
触れても実質的に色落ちしない描画用着色材料を意味
し、特に限定はされないが、例えば、耐水性インキ、絵
の具、クレヨン、色えんぴつ、墨等が挙げられる。
【0029】また、床材の上に先に水系の自然乾燥型コ
ーティング剤の塗膜を形成し、当該塗膜の上に装飾フィ
ルムを載置(貼付)するか、または、当該塗膜の表面に
描画用耐水性着色材料による画像を形成するようにして
もよい。これは、床材の表面に傷等による凹凸があった
り、床材が本来的に多孔質状である場合に、装飾フィル
ムを十分に高い接着力で床材に貼付できなかったり、描
画用耐水性着色材料による画像形成が行いにくいことが
あり、このような不具合を解消するためである。すなわ
ち、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗布によって床
材の表面の凹凸や孔を埋め、かつ、表面の平坦性に優れ
た塗膜を形成し、この塗膜表面に装飾フィルムを貼付す
る、または、描画用耐水性着色材料によって画像を形成
することで、床材と装飾フィルムまたは描画用耐水性着
色材料による画像間の接着力が向上する。なお、自然乾
燥型コーテイング剤には水系タイプ以外に溶剤タイプの
ものもあるが、本発明において、水系タイプを使用する
のは、前記した水系の紫外線硬化型塗料を使用する理由
と同じである。
【0030】上記水系の自然乾燥型コーティング剤と
は、水と、天然または合成高分子とを必須成分とする水
溶液、水性エマルションまたは水性ディスパーションの
形態からなるコーティング剤であって、特に加熱を要す
ることなく、常温、常圧下での放置によって乾燥して透
明性の塗膜を形成し得るものであり、公知のものを制限
なく使用できる。天然または合成高分子としては、例え
ば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フ
ッ素含有樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、セルローズ樹脂(例えば、ニトロ
セルローズ、セルローズアセテートブチレートなど)、
油脂類(例えば、ロジン誘導体、アマニ油、桐油、大豆
油、ヒマシ油など)などが挙げられる。これらはいずれ
か一種が単独でまたは2種以上が混合して使用される。
なかでも、光照射によって変色や劣化が生じ難い点か
ら、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂が好ましい。
なお、当該水系の自然乾燥型コーテイング剤中には、必
要に応じて、添加剤をさらに配合しても良く、該添加剤
としては、例えば、消泡剤、脱泡剤、湿潤剤、レベリン
グ剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、
防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤、密着促進
剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型剤、シランカ
ップリング剤、安定剤、難燃剤等が挙げられる。ただ
し、塗膜の透明性を阻害するものの使用は避ける必要が
ある。
【0031】当該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
工方法としては、前記水系の紫外線硬化型コーティング
剤と同様に、例えば、エアスプレー、エアレススプレ
ー、刷毛、ローラー、パッド等による方法が挙げられ
る。
【0032】当該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
膜は一層のみならず、全体厚み(総厚み)を大きくする
ために、複数層形成してもよい。また、複数層設ける場
合、同じ材料の膜を繰り返し形成しても、異なる材料の
膜を積層してもよい。
【0033】当該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
膜(一層)の厚み(乾燥後の厚み)は、下限が1μm以
上が好ましく、より好ましくは2μm以上であり、上限
は30μm以下が好ましい。厚みが1μmより小さい
と、床材の凹凸、孔を十分に埋めることが困難となる。
また、厚みが30μmより大きいと、乾燥時間が長くな
り、また、床材または複数層を重ねる場合の下地(下
層)への密着性が低下する傾向となる。さらに、均一な
厚みにコーティングすることが困難となる。
【0034】以上は本発明の最も基本的な態様(第1の
態様)の床面の装飾方法を説明したが、以下にその他の
態様(第2および第3の態様)を説明する。
【0035】図2は本発明の第2の態様の方法で床面が
装飾された状態(床面上の積層状態)を示し、この図2
に示すように、当該第2の態様による床面の装飾方法
は、装飾フィルム3の上に、先に少なくとも一層の水系
の自然乾燥型コーティング剤の塗膜5を形成しておいて
から、該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜5の上
に水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜4を形成
し、この後、水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜
4を紫外線照射によって硬化させる点で前記第1の態様
による方法と異なる。すなわち、装飾フィルムの上に先
に水系の自然乾燥型のコーティング剤の塗膜を形成する
ことで、装飾フィルムと水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の塗膜(硬化塗膜)間の密着性が向上する。なお、
図2中の図1と同一符号は同義であり、また、説明の便
宜上、一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜5
を示している。当該第2の態様では、装飾フィルムを載
置(貼付)するまでは、前記第1の態様と同様であり、
床材の上に直接装飾フィルムを載置(貼付)してもよい
し、床材の上に先に自然乾燥型コーティング剤の塗膜を
形成してから、該自然乾燥型コーティング剤の塗膜に装
飾フィルムを載置(貼付)してもよく、また、装飾フィ
ルムを載置(貼付)する代わりに、描画用耐水性着色材
料による画像形成を行ってもよい。
【0036】装飾フィルムの上に先に形成する水系の自
然乾燥型コーティング剤の塗膜に使用する水系の自然乾
燥型コーティング剤は、前記第1の態様において説明し
た水系の自然乾燥型コーティング剤と同様のものを使用
でき、装飾フィルムおよび紫外線硬化型コーティング剤
の材質等に応じて適宜選択される。また、塗膜の形成
(コーティング剤の塗工方法等)も前記記載の方法で行
うことができる。
【0037】当該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
膜は一層のみならず、全体厚み(総厚み)を大きくする
ために、複数層形成してもよい。また、複数層設ける場
合、同じ材料の膜を繰り返し形成しても、異なる材料の
膜を積層してもよい。
【0038】当該水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
膜の厚み(乾燥後の厚み)は、下限が1μm以上が好ま
しく、より好ましくは2μm以上であり、上限は30μ
m以下が好ましい。好ましい塗膜の厚みをかかる数値と
する理由は前記と同じである。
【0039】図3は本発明の第3の態様の方法で床面が
装飾された状態(床面上の積層状態)を示し、この図3
に示すように、当該第3の態様による床面の装飾方法
は、装飾フィルム3の上に、水系の自然乾燥型コーティ
ング剤の塗膜および水系の紫外線硬化型コーティング剤
の塗膜を形成する点で、上記第2の態様よる床面の装飾
方法と同じであるが、装飾フィルム3の上に、一層の水
系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜5aと一層の水系
の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜(硬化塗膜)4a
をこの順に積層した単位を複数形成して、最上層が水系
の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜(硬化塗膜)4a
となるようにする点で前記第2の態様による方法と異な
る。すなわち、一層の水系の自然乾燥型コーティング剤
の塗膜を形成する第1の作業と、一層の水系の紫外線硬
化型コーティング剤の塗膜を形成し、該塗膜を紫外線照
射により硬化させる第2の作業とを交互にそれぞれを複
数回行って、最上層に水系の紫外線硬化型コーティング
剤の塗膜(硬化塗膜)4aを配置させる。
【0040】当該第3の態様において、装飾フィルム3
の上に形成する水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜
(一層)5aの厚み(乾燥後の厚み)は下限が1μm以
上が好ましく、より好ましくは2μm以上であり、上限
は30μm以下が好ましい。好ましい厚みをかかる数値
とする理由は前記と同じである。また、水系の紫外線硬
化型コーティング剤の塗膜(一層)4aの厚み(硬化後
の厚み)は、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜
(一層)と水系の紫外線硬化型コーティング剤の硬化塗
膜(一層)からなる積層単位の繰り返し数(総積層数)
等を考慮し、積層塗膜全体の厚みが床材自体に反りを生
じさせないような範囲(すなわち、積層塗膜全体の厚み
が150μmを超えない範囲)で適宜設定すればよい。
ただし、最上層に配置されるものにおいては、光沢度、
バフィングによる光沢復元性、耐磨耗性等の点から少な
くとも4μm以上とするのが好ましく、7μm以上とす
るのがより好ましい。なお、水系の自然乾燥型コーティ
ング剤の塗膜(一層)と水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の硬化塗膜(一層)からなる積層単位の繰り返し数
は、特に限定されないが、作業性、コスト等の点から2
〜3程度とするのが好ましい。また、水系の自然乾燥型
コーティング剤の塗膜(一層)と水系の紫外線硬化型コ
ーティング剤の硬化塗膜(一層)からなる積層単位の繰
り返しは、時間を空けて行ってもよい。すなわち、例え
ば、1つ目の単位(一層の水系の自然乾燥型コーティン
グ剤の塗膜および一層の水系の紫外線硬化型コーティン
グ剤の硬化塗膜)の形成を行って、この状態で実際の使
用(この上を歩行する等の状態)に供し、この後、歩行
等によって塗膜が摩滅する前に、2つ目の単位、3つ目
の単位・・・、と数を増やすようにしてもよい。
【0041】以上の第2および第3の態様では、装飾フ
ィルムと水系の紫外線硬化型のコーティング剤の塗膜
(硬化塗膜)の間に介在する水系の自然乾燥型のコーテ
ィング剤の塗膜によって、装飾フィルムと水系の紫外線
硬化型コーティング剤の塗膜(硬化塗膜)間の密着性が
向上する。特に、かかる第2および第3の態様におい
て、前記第1の態様で説明した床材の上に水系の自然乾
燥型のコーティング剤の塗膜を形成し、この塗膜の上に
装飾フィルムを載置(貼付)する構成とした場合、装飾
フィルムを挟んでその上下に水系の自然乾燥型コーティ
ング剤の塗膜が存在することとなり、それによって、床
材と水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜(硬化塗
膜)間の密着力がより一層向上することも期待できる。
また、装飾フィルムの上に水系の自然乾燥型のコーティ
ング剤の塗膜(一層)と水系の紫外線硬化型のコーティ
ング剤の硬化塗膜(一層)を交互に積層する第3の態様
では、装飾フィルムを床面の一部に貼付するとき(床面
全面を装飾フィルムで覆わない場合)、装飾フィルムの
端部の凸部がなめらかになるため、歩行上の違和感がな
くなり、また、装飾フィルムの端部からのめくれや剥が
れが生じる危険性を少なくできる。
【0042】以上の説明では、床面に貼着した床材に対
して、装飾フィルムの載置(貼付)、水系のコーティン
グ剤(自然乾燥型コーティング剤、紫外線硬化型コーテ
ィング剤)の塗膜形成および紫外線照射を行って床面の
装飾を行ったが、本発明においては、床面に貼着する前
の床材に対して、以上の第1〜第3の態様と同様の手順
で装飾フィルムの載置(貼付)、水系のコーティング剤
(自然乾燥型コーティング剤、紫外線硬化型コーティン
グ剤)の塗膜形成および紫外線照射を行うことで、床材
に装飾フィルムとコーティング剤の塗膜が積層して一体
化した装飾材、すなわち、本発明の床面用装飾材を形成
できる。従って、当該床面用装飾材を床面に貼着するこ
とで、床面の装飾を行うようにしてもよい。また、本発
明においては、自然乾燥し、かつ、紫外線による硬化作
用も有する、所謂、自然乾燥型かつ紫外線硬化型のコー
ティング剤を水系の自然乾燥型コーティング剤の代わり
に使用することもできる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例によってより
具体的に説明するが、本発明は以下に記載の実施例に限
定されるものではない。
【0044】(実施例1)オフィスビル室内床面にエポ
キシ樹脂系接着剤を用いてコンポジション系塩化ビニル
床タイル(東リ(株)、マチコV)を貼着し、その後、
中性洗剤水を使用して表面の油分を拭き取った。次に、
ポリエチレンテレフタレート製の厚み66μmの装飾フ
ィルム(コクヨ(株)製、レーザープリンター用ラベル
シートLBP−2210)の表面(一方の面)にレーザ
ープリンター(富士ゼロックス(株)製、C620)で
画像を形成し、この画像形成済みの装飾フィルムの裏面
(他方の面)にアクリル樹脂系接着剤(コニシ(株)製、
ボンドアロンアルファ)を接着剤の量が1g/m2とな
るように塗布し、当該装飾フィルムを前記コンポジショ
ン系塩ビ床タイルの上に貼付した。次に、エマルション
タイプの自然乾燥型コーティング剤であるウィナップア
ンダーコートU((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥
後塗膜の厚みが2μmとなるようにパッドを使って塗布
した後、1時間乾燥させ、さらに、このようにして得ら
れた塗膜の上に、エマルションタイプの紫外線硬化型コ
ーティング剤であるウィナップトップコートT((株)
玄技術研究所、商品名)を乾燥後塗膜の厚みが15μm
となるようにローラーを使って塗布した後、1時間乾燥
させて塗膜を得た。その後、当該塗膜の上方から、紫外
線照射装置L100(アイグラフィックス(株)製:高
圧水銀ランプを光源に用いたもの)によって5秒間紫外
線を照射して床面の装飾を完了させた。このようにして
形成した床面装飾材を通常の歩行条件で6ヶ月間使用
(歩行)したが、装飾フィルムに剥がれや折れなどは発
生せず、さらに塗膜の透明性、光沢の低下が認められ
ず、塗膜を通して外観される装飾フィルムの画像は初期
の美麗な画像のままであった。
【0045】(比較例1)実施例1と同様にしてエポキ
シ樹脂系接着剤を用いて床面に貼着し、中性洗剤水を使
用して表面の油分を拭き取ったコンポジション系塩化ビ
ニルタイル(東リ(株)、マチコV)の上に、レーザー
プリンターで画像形成した画像形成済みの装飾フィルム
(コクヨ(株)製、レーザープリンター用ラベルシート
LBP−2210)を接着剤(東リ(株)製、エポグレー
ST)を用いて貼付した。このようにして形成した床面
装飾材は通常の歩行条件で3日目に、装飾フィルムの剥
がれが生じ、装飾フィルムの表面には傷が目立ち、ま
た、装飾フィルムの画像の画質低下が顕著であった。
【0046】(実施例2)塗装済みフローリング、ダイ
ケンカラーフロアーミラージ(大建工業(株)製)を床
面に釘で固定した後、中性洗剤水を用いて表面の油分を
拭き取った。次に、エマルションタイプの自然乾燥型コ
ーティング剤であるウィナップアンダーコートU(df
1)((株)玄技術研究所、商品名))を乾燥後の厚み
が2μmとなるようにパッドを使って塗布した後、1時
間乾燥させた。次に、この乾燥後の塗膜の上にエマルシ
ョンタイプの自然乾燥型コーティング剤であるウィナッ
プアンダーコートU(f2)((株)玄技術研究所、商品
名)を乾燥後の厚みが2μmとなるようにパッドを使っ
て塗布した後、30分間乾燥させた。次に、この乾燥後
の塗膜の上に若干の水を滴下してから、装飾フィルムと
して写し絵フィルムであるステンシル倶楽部、((株)
アサヒペン製、商品名)を載せて、過剰の水を押出しつ
つ貼り付けた。次に、エマルションタイプの紫外線硬化
型コーティング剤であるウィナップトップコートT
((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥後の塗膜厚みが
15μmとなるようにローラーを使って塗布した後、1
時間乾燥させた。その後、この乾燥後の塗膜の上方か
ら、紫外線照射装置L100(アイグラフィックス
(株)製:高圧水銀ランプを光源に用いたもの)によっ
て5秒間紫外線を照射して床面の装飾を完了させた。こ
のようにして形成した床面装飾材を通常の歩行条件で6
ヶ月間使用(歩行)したが、装飾フィルムに剥がれや折
れなどは発生せず、さらに塗膜の透明性、光沢の低下が
認められず、塗膜を通して外観される装飾フィルムの画
像は初期の美麗な画像のままであった。
【0047】(実施例3)塗装済みフローリング、ダイ
ケンカラーフロアーミラージ(大建工業(株)製)を床
面に釘で固定した後、中性洗剤水を用いて表面の油分を
拭き取った。次に、エマルションタイプの自然乾燥型コ
ーティング剤であるウィナップアンダーコートU(df
1)((株)玄技術研究所、商品名))を乾燥後の厚み
が2μmとなるようにパッドを使って塗布した後、1時
間乾燥させた。次に、この乾燥後の塗膜の上にエマルシ
ョンタイプの自然乾燥型コーティング剤であるウィナッ
プアンダーコートU(f2)((株)玄技術研究所、商品
名)を乾燥後の厚みが2μmとなるようにパッドを使っ
て塗布した後、30分間乾燥させた。そして、この乾燥
後の塗膜の上に、装飾フィルムとしてデザイン紙のタイ
−5302夕焼け(コクヨ(株)製、商品名)を載せ
た。次に、エマルションタイプの自然乾燥型かつ紫外線
硬化型のコーティング剤であるウィナップアンダーコー
トU(w2)((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥後
の塗膜厚みが25μmとなるようにローラーを使って装
飾フィルムに皺が生じないように注意深く丁寧に塗布し
た後、1時間乾燥させた。その後、この乾燥後の塗膜の
上から、紫外線照射装置L100(アイグラフィックス
(株)製:高圧水銀ランプを光源に用いたもの)によっ
て、5秒間紫外線を照射して、塗膜を更に硬化させた。
次に、この塗膜の上に、エマルションタイプの紫外線硬
化型コーティング剤であるウィナップトップコートT
((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥後の塗膜厚みが
25μmとなるようにローラーを使って塗布した後、1
時間乾燥させた後、この乾燥後の塗膜の上から、紫外線
照射装置L100(アイグラフィックス(株)製:高圧
水銀ランプを光源に用いたもの)によって、5秒間紫外
線を照射して床面の装飾を完了させた。このようにして
形成した床面装飾材を通常の歩行条件で6ヶ月間使用
(歩行)したが、装飾フィルムに剥がれや折れなどは発
生せず、さらに塗膜の透明性、光沢の低下が認められ
ず、塗膜を通して外観される装飾フィルムの画像は初期
の美麗な画像のままであった。
【0048】(実施例4)床面にエポキシ樹脂系接着剤
を用いてコンポジション系塩化ビニル床タイル(東リ
(株)、マチコV)を貼着し、その後、中性洗剤水を使
用して表面の油分を拭き取った。次に、エマルションタ
イプの自然乾燥型コーティング剤であるウィナップアン
ダーコートU((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥後
の厚みが2μmとなるようにパッドを使って塗布した
後、1時間乾燥させた。そして、この乾燥後の塗膜の上
に耐水性着色材料である水性顔料マーカーPalette(コ
クヨ(株)製、商品名)の赤、緑、青、紫を用いて、自
由に模様を描いた。次に、エマルションタイプの紫外線
硬化型コーティング剤であるウィナップトップコートT
((株)玄技術研究所、商品名)を乾燥後塗膜の厚みが
15μmとなるようにローラーを使って塗布した後、1
時間乾燥させて塗膜を得た。その後、かかる塗膜の上か
ら、紫外線照射装置L100(アイグラフィックス
(株)製:高圧水銀ランプを光源に用いたもの)によっ
て、5秒間紫外線を照射して床面の装飾を完了させた。
このようにして形成した床面装飾材を通常の歩行条件で
6ヶ月間使用(歩行)したが、塗膜の透明性、光沢の低
下が認められず、塗膜を通して外観される耐水性着色材
料による画像は初期の美麗な画像のままであった。
【0049】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明によれば、優れた耐久性が得られるとともに様々な意
匠、複雑な意匠を容易に付与でき、しかも、その意匠を
長期間鮮明なまま保持できる床面の装飾方法および床面
用装飾材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の態様による床面の装飾方
法によって床面が装飾された状態(床面上の積層状態)
の模式断面図である。
【図2】図2は本発明の第2の態様による床面の装飾方
法によって床面が装飾された状態(床面上の積層状態)
の模式断面図である。
【図3】図3は本発明の第3の態様による床面の装飾方
法によって床面が装飾された状態(床面上の積層状態)
の模式断面図である。
【符号の説明】
1 床面 2 床材 3 装飾フィルム 4 水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜(硬化塗
膜) 5 水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田邉 進三 埼玉県富士見市鶴馬二丁目16番46号 株式 会社ワード内 (72)発明者 甲斐 盛豊 埼玉県富士見市鶴馬二丁目16番46号 株式 会社ワード内 (72)発明者 山村 信雄 愛知県津島市神守町字中ノ折73番地 株式 会社玄技術研究所内 (72)発明者 富永 洋二 愛知県津島市神守町字中ノ折73番地 株式 会社玄技術研究所内 (72)発明者 宇留田 寿隆 愛知県名古屋市中川区花池町二丁目10番地 ウインテック株式会社内 Fターム(参考) 2E220 AA11 AA14 AA16 AA33 AA44 BA19 BB03 BB04 CA07 DA02 DB05 EA02 FA11 GA22X GA24X GA25X GA25Y GA26X GB01X GB13X GB13Y GB22X GB22Y GB23Y GB26X GB26Y GB28X GB32X GB32Y GB32Z GB33X GB34X GB34Y GB35X GB35Z GB37Z GB39X GB43X GB43Y GB45X GB48X

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面に貼着した床材の上に装飾フィルム
    を載置後、該装飾フィルムの上に少なくとも一層の水系
    の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜を形成し、次いで
    当該少なくとも一層の水系の紫外線硬化型コーティング
    剤の塗膜を紫外線照射によって硬化させることを特徴と
    する床面の装飾方法。
  2. 【請求項2】 床面に貼着した床材の上に少なくとも一
    層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜を形成後、
    当該少なくとも一層の水系の自然乾燥型コーティング剤
    の塗膜の上に装飾フィルムを載置し、さらに当該装飾フ
    ィルムの上に少なくとも一層の水系の紫外線硬化型コー
    ティング剤の塗膜を形成し、次いで、当該少なくとも一
    層の水系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜を紫外線
    照射によって硬化させることを特徴とする床面の装飾方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一層の水系の紫外線硬化型コ
    ーティング剤の塗膜を形成するに先立って、装飾フィル
    ムの上に少なくとも一層の水系の自然乾燥型コーティン
    グ剤の塗膜を形成することを特徴とする請求項1または
    2記載の床面の装飾方法。
  4. 【請求項4】 床面に貼着した床材の上に装飾フィルム
    を載置するか、または、床面に貼着した床材の表面に少
    なくとも一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜
    を形成してから当該塗膜の上に装飾フィルムを載置した
    後、該装飾フィルムの上に、一層の水系の自然乾燥型コ
    ーティング剤の塗膜を形成する第1の作業と、一層の水
    系の紫外線硬化型コーティング剤の塗膜を形成し、該塗
    膜を紫外線照射により硬化する第2の作業とを交互にそ
    れぞれを複数回行って、最上層に水系の紫外線硬化型コ
    ーティング剤の硬化塗膜を配置させることを特徴とする
    床面の装飾方法。
  5. 【請求項5】 装飾フィルムとして、その片面に接着剤
    層を有するものを使用し、床材または床材上に形成した
    少なくとも一層の水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
    膜の上に装飾フィルムを貼付状態に載置することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の床面の装飾方
    法。
  6. 【請求項6】 装飾フィルムを載置する代わりに、床材
    の表面、または、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗
    膜の表面に描画用耐水性着色材料で画像を形成すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床面の装
    飾方法。
  7. 【請求項7】 床材、装飾フィルム、水系の紫外線硬化
    型コーティング剤の硬化塗膜をこの順に積層して一体化
    してなる床面用装飾材。
  8. 【請求項8】 さらに床材と装飾フィルムの間に水系の
    自然乾燥型コーティング剤の塗膜を介在させた請求項7
    記載の床面用装飾材。
  9. 【請求項9】 さらに装飾フィルムと水系の紫外線硬化
    型コーティング剤の硬化塗膜の間に水系の自然乾燥型コ
    ーティング剤の塗膜を介在させた請求項7または8記載
    の床面用装飾材。
  10. 【請求項10】 床材、装飾フィルム、コーティング剤
    の塗膜をこの順に積層して一体化してなる床面用装飾材
    であって、前記コーティング剤の塗膜が、一層の水系の
    自然乾燥型コーティング剤の塗膜と一層の水系の紫外線
    硬化型コーティング剤の硬化塗膜とをこの順に積層した
    単位を複数形成して、最上層を水系の紫外線硬化型コー
    ティング剤の硬化塗膜とした積層体からなることを特徴
    とする床面用装飾材。
  11. 【請求項11】 さらに床材と装飾フィルムの間に水系
    の自然乾燥型コーティング剤の塗膜を介在させた請求項
    10記載の床面用装飾材。
  12. 【請求項12】 装飾フィルムの代わりに、床材の表
    面、または、水系の自然乾燥型コーティング剤の塗膜の
    表面に描画用耐水性着色材料で画像を形成してなる請求
    項7〜11のいずれかに記載の床面用装飾材。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2015115293A1 (ja) * 2014-01-29 2015-08-06 Dic株式会社 床材用活性エネルギー線硬化性組成物

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