JP2003113487A - ガス発生システムおよび気液分離装置 - Google Patents

ガス発生システムおよび気液分離装置

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JP2003113487A JP2001389432A JP2001389432A JP2003113487A JP 2003113487 A JP2003113487 A JP 2003113487A JP 2001389432 A JP2001389432 A JP 2001389432A JP 2001389432 A JP2001389432 A JP 2001389432A JP 2003113487 A JP2003113487 A JP 2003113487A
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化・コンパクト化されたガス発生システ
ムを提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明は、固体電解質膜によって陽極側
と陰極側とに隔離された水電解装置1を有し、水電解装
置1に純水を供給して前記陰極側および陽極側の少なく
とも一方からガスを発生させるガス発生システムであっ
て、水電解装置1と発生ガス使用箇所との間に、発生ガ
スと純水とから成る混合流体の気液分離を行う気液分離
装置2,4が設けられており、気液分離装置2,4が、
衝突分離部と、気液分離装置内の液面をほぼ静止状態に
維持可能な水位調整手段2A,2L,4A,4Lとを有
することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純水を電気分解し
てガス(特に、水素および酸素)を発生させる水電解装
置を用いて構成されたガス発生システムに関し、詳しく
は、ガスから水分を分離する気液分離装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ガス発生システムを構成する水電解装置
としては、電解質の役割を果たす部材として固体電解質
膜を備えた水電解装置を用いたものが、従来から知られ
ている。
【0003】従来技術にかかる水電解装置は、固体高分
子電解質膜の両面に電極触媒層(陽極側触媒層および陰
極側触媒層)が設けられた、固体高分子電解質膜と電極
触媒層との接合体膜(以下、「固体電解質膜」とい
う。)と、この固体電解質膜を挟持すべく設けられた電
極板(陽極側電極板および陰極側電極板)と、固体電解
質膜と電極板との間に設けられた給電体(陽極側給電体
および陰極側給電体)等とを用いて構成されている。
【0004】上記従来技術にかかる水電解装置において
は、陽極側に純水を供給して、電極板に対して通電する
ことにより、主に陽極側触媒層で純水が分解され、酸素
ガスが発生する。そして、酸素ガスと同時に生成された
+イオンは、電場の働きによって固体電解質膜内を移
動するため、陰極側触媒層においては、電子を得て、水
素ガスが発生することとなる。
【0005】すなわち、従来技術においては、上述した
水電解装置、水電解装置に通電を行うための制御手段、
水電解装置(の陽極側)に純水を供給するために設けら
れた純水タンク、水電解装置にて生成された水素ガスと
水分とを分離するために設けられた水素分離装置、水電
解装置にて生成された酸素ガスと水分とを分離するため
に設けられた酸素分離装置、およびこれらの各要素を接
続する配管部等を用いて、ガス発生システムが構成され
ている。
【0006】ところで、上記従来技術にかかるガス発生
システムを構成する気液分離装置(酸素分離装置等)
は、通常、図19に示すような円筒形のタンクを用いて
構成されている。ここで図19は、従来技術にかかるガ
ス発生システムの概略系統図の一部を示したものであ
る。
【0007】図19に示されたシステムにおいては、配
管部507を介して純水が供給された水電解装置501
に所定電圧を印可することにより、水電解装置501に
おいて、水素ガスおよび酸素ガスが生成される。そし
て、生成された水素ガスは、水素ガス搬送配管部514
および水素分離装置(図示省略)等を介して使用箇所等
に供給され、生成された酸素ガスは、酸素ガス搬送配管
部503、酸素分離装置502、および酸素ガス供給配
管部531等を介して使用箇所等に供給される。
【0008】酸素分離装置502には、純水供給配管部
505を介して純水タンク(図示省略)が接続されてお
り、この純水供給配管部505には、補給水ポンプ50
6が設けられている。補給水ポンプ506は、酸素分離
装置502内に設けられた水位計502Lで得られた検
知信号に基づいて制御されており、具体的には、この検
知信号によってON/OFF制御されている。つまり、
従来技術においては、この水位計502Lにより補給水
ポンプ506を制御することによって、酸素分離装置5
02内の水位が所定範囲内となるべく制御されている。
【0009】また、この図19において詳細は省略した
が、配管部507は、酸素分離装置502内の純水を抽
出して、この抽出された純水を水電解装置501に供給
すべく構成されている。すなわち、配管部507の所定
箇所に循環水ポンプ(図示省略)を設け、このポンプを
駆動させることによって、酸素分離装置502から抽出
した純水を水電解装置501に供給している。
【0010】上述した酸素分離装置502においては、
タンク本体502Aの上部(気相部)に酸素ガス搬送配
管部503の流入口を設けて、搬送された酸素ガスがで
きるだけ液相部と接触しないような構成とし、気液分離
(タンク本体502A内の重力分離)の促進を図ってい
る。そして、タンク本体502A上部の酸素ガスが酸素
ガス供給配管部531等を介して使用箇所等に供給され
る。上記酸素分離装置502は、基本的にはタンク本体
502Aのみを用いて構成されているため、比較的容易
に製造等することができる。また、上記では酸素分離装
置502についての説明を行ったが、従来技術において
は、水素分離装置も略同様に構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ように構成された酸素分離装置502は、比較的容易に
製造等することができるという利点を有する反面、重力
分離のみによって気液分離を行っているため、液体を静
置するだけの容量が必要となり、装置(タンク本体50
2A)が大型化するという問題があった。また、この問
題は、水素分離装置においても、同様であった。
【0012】そして、このように水素分離装置、酸素分
離装置502が大型化すれば、ガス発生システム全体と
しても、大型化は避けられないという問題があった。
【0013】そこで、本発明は、上記従来技術にかかる
問題を解決するためになされたものであって、小型化・
コンパクト化された気液分離装置(水素分離装置、酸素
分離装置)を提供すること、およびこの気液分離装置を
用いて小型化されたガス発生システムを提供することを
課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様は、
上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、
固体電解質膜によって陽極側と陰極側とに隔離された水
電解装置を有し、前記水電解装置に純水を供給して前記
陰極側および陽極側の少なくとも一方からガスを発生さ
せるガス発生システムであって、前記水電解装置と前記
発生ガス使用箇所との間に、前記発生ガスと純水との混
合流体の気液分離を行う気液分離装置が設けられてお
り、前記気液分離装置が、衝突分離部と、前記気液分離
装置内の液面をほぼ静止状態に維持可能な水位調整手段
とを有することを特徴としている。
【0015】また、本発明の第一の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記衝突分離部が、多孔性部材
を用いて構成されていることが好ましい。また、この多
孔性部材としては、多孔板およびスチールワイヤの少な
くとも一方が用いられることが好ましい。
【0016】この好ましい構成によれば、スチールワイ
ヤは、空間中の充填率が低いため、圧力損失が少ない割
には、気液分離効率が良好となる。
【0017】本発明の第二の態様は、上記従来技術の課
題を解決するためになされたもので、固体電解質膜によ
って陽極側と陰極側とに隔離された水電解装置を有し、
前記水電解装置に純水を供給して前記陰極側および陽極
側の少なくとも一方からガスを発生させるガス発生シス
テムであって、前記水電解装置と前記発生ガス使用箇所
との間に、前記発生ガスと純水との混合流体の気液分離
を行う気液分離装置が設けられており、前記気液分離装
置が、前記混合流体中のガスを付着させて分離させ得る
浮力分離部を有することを特徴としている。
【0018】このような構成によれば、前記気液分離装
置が浮力分離部を有しており、前記混合流体中のガスが
この浮力分離部に接触付着して成長するため、この成長
したガス(気泡)が浮力によって前記混合流体中から適
切に分離される。
【0019】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記浮力分離部が、前記混合流
体を略水平方向に流通させ得る、複数の分離流通路を有
する構成が好ましい。
【0020】この好ましい構成によれば、前記浮力分離
部が複数の分離流通路を有するため、各分離流通路の流
通断面は限られた所定の面積を有することとなる。した
がって、この好ましい構成によれば、各分離流通路内に
おいて、前記混合流体中のガスと前記分離流通路内面等
との接触付着が頻繁に行われて、ガス(気泡)の成長が
促進される。よって、この構成によれば、前記混合流体
中の前記ガスを、浮力によってより適切に分離させるこ
とができる。
【0021】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記浮力分離部が、平板と折り
曲げ板とを交互に積層して構成されており、前記平板と
前記折り曲げ板との間で形成される複数の空間が前記複
数の分離流通路を成し、前記平板および前記折り曲げ板
の少なくとも一方に複数の孔部が穿孔されている構成が
好ましい。
【0022】この好ましい構成によれば、前記平板と前
記折り曲げ板とを積層させているため、前記複数の分離
流通路を有する前記浮力分離部を容易に構成することが
できる。また、ここで「折り曲げ板」とは、凹凸が繰り
返される形状や、波形形状等の任意の角度や湾曲部を設
けて適宜折り曲げられた板状部材のことをいう。また、
この好ましい構成によれば、前記平板および前記折り曲
げ板の少なくとも一方に複数の孔部が穿孔されているた
め、容易に形成された前記分離流通路内に付着して分離
されたガスを、この孔部を用いることによって、前記混
合流体中から適切に分離することができる。
【0023】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記各分離流通路の重力作用方
向の高さが、前記混合流体が前記分離流通路を通過する
までの間に、前記混合流体中のガスが浮力によって前記
分離流通路の下面部から上面部に達する程度の高さであ
る構成が好ましい。
【0024】この好ましい構成によれば、前記混合流体
が前記分離流通路を通過するまでの間に、前記混合流体
中のガスが、浮力によって確実に前記分離流通路の上面
に接触する。そして、前記分離流通路の上面(内面)に
接触したガスは、この上面に接触して付着した後、比較
的大きな気泡として成長し、浮力によって前記混合流体
中から分離される。したがって、この好ましい構成によ
れば、前記混合流体中のガスは、前記混合流体が分離流
通路を通過するまでの間に適切に除去される。
【0025】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記分離流通路を形成する上面
部の少なくとも一部が、水平面に対して所定の角度を有
している構成が好ましい。
【0026】この好ましい構成によれば、前記分離流通
路の上面部の少なくとも一部が、水平面に対して所定の
角度を有しているため、前記上面部に接触して付着した
前記ガスが、その角度に沿って上方向に移動しやすくな
る。したがって、この構成によれば、前記混合流体中の
ガスの分離がより促進されることとなる。
【0027】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記分離流通路の所定箇所に、
空隙部が設けられている構成が好ましい。
【0028】この好ましい構成によれば、前記分離流通
路内面等に付着して成長した気泡が、浮力によって前記
空隙部から上方に(前記混合流体の流通方向と略垂直な
方向に)放出されることとなるため、流通中の前記混合
流体から前記ガスを適切に分離することができる。
【0029】また、本発明の第二の態様にかかるガス発
生システムにおいては、前記気液分離装置が、前記気液
分離装置内の液面をほぼ静止状態に維持し、前記気液分
離装置内面と前記液面との間に所定の間隔を有すべく、
前記液面を調整可能な水位調整手段を有する構成が好ま
しい。
【0030】この好ましい構成によれば、前記水位調整
手段を設けたことによって、前記ガス発生システムを連
続運転する場合であっても、前記液面をほぼ静止状態に
維持し、前記気液分離装置内面と前記液面との間を所定
の間隔に保持可能である。このように前記液面の静止状
態が維持可能であれば、安定した状態で前記ガス発生シ
ステムを運転することができ、また、前記気液分離装置
内面と前記液面との間に所定の間隔を設ければ、前記混
合流体中のガスをより効果的に分離することができる。
さらに、この好ましい構成によれば、ガスの供給量が変
化しても、水位レベルが一定となるべく補給水を供給等
して水位変化を抑えることが可能となるため、ガス貯留
部のガス圧力(発生させるガス圧力)を一定に維持する
ことができる。
【0031】さらに、本発明の第一および第二の態様に
かかるガス発生システムにおいては、前記水位調整手段
が、磁歪式または静電容量式の水位計を用いて構成され
ている構成が好ましい。ここで、磁歪式の水位計とは、
例えば、棒状のプローブ部と、これに挿通された磁石を
有するフロート部とを有する水位計のことである。
【0032】また、本発明の第一および第二の態様にか
かるガス発生システムにおいては、前記混合流体を流入
させる流入口が、前記気液分離装置の液相部に設けられ
ている構成が好ましい。
【0033】この好ましい構成によれば、前記流入口が
前記液相部に設けられているため、水素ガスと酸素ガス
の混合時の着火拡大を防止することができる。
【0034】本発明の第三の態様は、上記従来技術の課
題を解決するためになされたもので、固体電解質膜によ
って陽極側と陰極側とに隔離された水電解装置に純水を
供給して生成されたガスと、前記純水とから成る混合流
体の気液分離を行う気液分離装置であって、衝突分離部
と、前記気液分離装置内の液面をほぼ静止状態に維持可
能な水位調整手段とを有することを特徴としている。
【0035】また、本発明の第三の態様にかかる気液分
離装置は、前記衝突分離部が、多孔性部材を用いて構成
されていることが好ましく、この多孔性部材としては、
多孔板およびスチールワイヤの少なくとも一方が用いら
れることが好ましい。
【0036】本発明の第四の態様は、上記従来技術の課
題を解決するためになされたもので、固体電解質膜によ
って陽極側と陰極側とに隔離された水電解装置に純水を
供給して発生するガスと、前記純水とから成る混合流体
の気液分離を行う気液分離装置であって、前記混合流体
中のガスを付着させて分離させ得る浮力分離部を有する
ことを特徴としている。
【0037】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記浮力分離部が、前記混合流体を
略水平方向に流通させ得る、複数の分離流通路を有する
構成が好ましい。
【0038】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記浮力分離部が、平板と折り曲げ
板とを交互に積層して構成されており、前記平板と前記
折り曲げ板との間で形成される複数の空間が前記複数の
分離流通路を成し、前記平板および前記折り曲げ板の少
なくとも一方に複数の孔部が穿孔されている構成が好ま
しい。
【0039】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記各分離流通路の重力作用方向の
高さが、前記混合流体が前記分離流通路を通過するまで
の間に、前記混合流体中のガスが浮力によって前記分離
流通路の下面部から上面部に達する程度の高さである構
成が好ましい。
【0040】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記分離流通路を形成する上面部の
少なくとも一部が、水平面に対して所定の角度を有して
いる構成が好ましい。
【0041】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記分離流通路の所定箇所に、空隙
部が設けられている構成が好ましい。
【0042】また、本発明の第四の態様にかかる気液分
離装置においては、前記気液分離装置内の液面をほぼ静
止状態に維持し、前記気液分離装置内面と前記液面との
間に所定の間隔を有すべく、前記液面を調整可能な水位
調整手段が設けられている構成が好ましい。
【0043】さらに、本発明の第三および第四の態様に
かかる気液分離装置においては、前記水位調整手段が、
磁歪式または静電容量式の水位計を用いて構成されてい
ることが好ましい。ここで、磁歪式の水位計とは、先に
も述べたように、例えば、棒状のプローブ部と、これに
挿通された磁石を有するフロート部とを有する水位計の
ことである。
【0044】また、本発明の第三および第四の態様にか
かる気液分離装置においては、前記混合流体を流入させ
る流入口が、気液分離装置の液相部に設けられている構
成が好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。
【0046】図1は、本発明の実施形態にかかるガス発
生システムの概略的な系統図を示したものである。本実
施形態にかかるガス発生システムは、水電解装置1を中
心として構成されており、この水電解装置1に純水を供
給し、所定の電圧を印可することによって水素ガスおよ
び酸素ガスが生成される。そして、このガス発生システ
ムにおいては、これらの生成ガスが、気液分離装置(水
素ガス分離装置および酸素ガス分離装置)を介して、所
定の使用箇所等に供給されるべく構成されている。以
下、さらに詳細に説明する。
【0047】本実施形態にかかるガス発生システムにお
いては、水電解装置1に対し、純水供給配管部7を介し
て酸素ガス分離装置2内の純水が供給される。また、酸
素ガス分離装置2には、純水補給配管部5を介して純水
タンク(図示省略)が接続されており、この純水補給配
管部5には、補給水ポンプ(図示省略)と、補給水制御
バルブ2Aが設けられている。酸素ガス分離装置2内に
は、第一水位計2Lが設けられており、この第一水位計
2Lで得られた検知信号に基づいて補給水制御バルブ2
Aが制御され、酸素ガス分離装置2内の水位が一定に保
たれる。なお、本発明の気液分離装置に相当する酸素ガ
ス分離装置2においては、本発明の水位調整手段が、上
記第一水位計2Lおよび補給水バルブ2Aを用いて構成
されている。
【0048】水電解装置1に純水を供給する純水供給配
管部7は、水電解装置1から排出された純水を再利用す
べく、酸素ガス分離装置2から水電解装置1に純水を循
環させるように設けられている。そして、この純水供給
配管部7には、純水を循環させるための循環水ポンプ
8、純水の熱交換を行うため(純水の温度を所定温度に
維持するため)の熱交換器9、純水の純度を高めるため
のポリシャ(polisher)10、および純水の濾
過等を行うためのフィルタ11等が設けられている。ポ
リシャ10としては、例えば、イオン交換樹脂等から成
る非再生ポリシャが用いられる。
【0049】さらに、この純水供給配管部7には、純水
供給配管部7中の純水の水質(電気伝導度)を監視し
て、必要な場合(所定の電気伝導度(例えば、0.2μ
S/cm)を超えた場合等)には警報を発する水質警報
手段12、および純水供給配管部7中の純水の温度を監
視して、必要な場合(所定の温度範囲(例えば、40〜
50℃)を超えた場合等)には警報を発する水温警報手
段13が設けられている。
【0050】また、この純水供給配管部7を循環される
純水は、酸素ガスを溶存した純水であるため、純水中か
ら純水供給配管部7中に溶存酸素が排出される場合があ
る。このように、酸素ガスが排出されると、純水供給配
管部7に設けられている循環水ポンプ8、ポリシャ1
0、あるいはフィルタ11等に酸素ガスが溜まり、この
酸素ガスが純水の循環に不具合を生じさせるおそれがあ
る。そこで、本実施形態においては、循環水ポンプ8、
ポリシャ10、およびフィルタ11の少なくともいずれ
かの箇所にガス抜きが設けられている。
【0051】水電解装置1にて生成された水素ガスは、
若干の純水と共に、水素ガス搬送配管部14を介して、
水素ガス分離装置4に送られる。また、水電解装置1に
て生成された酸素ガスは、比較的多くの純水と共に、酸
素ガス搬送配管部16を介して、酸素ガス分離装置2に
送られる。
【0052】酸素ガス分離装置2においては、後述する
衝突分離等によって適切に気液分離が行われ、気液分離
された酸素ガスが、酸素ガス供給配管部31等を介し
て、酸素ガスの使用箇所(図示省略)等に搬送供給され
る。また、気液分離された純水は、先にも述べたよう
に、純水供給配管部7等を介して再び水電解装置1に循
環供給される。
【0053】また、水素ガス分離装置4においても、後
述する衝突分離等によって適切に気液分離が行われ、気
液分離された水素ガスは、水素ガス供給配管部21、水
素ガス除湿部23等を介して、水素ガスの使用箇所(図
示省略)に搬送供給される。この水素ガス分離装置4に
は、第二水位計4Lが設けられている。そして、第二水
位計4Lで得られた検知信号は、水素分離装置4から純
水タンク(図示省略)に対して純水を戻すべく(純水を
排出して再利用すべく)設けられた純水戻り配管部15
の純水排出バルブ4Aに送られる。つまり、第二水位計
4Lにて、水素分離装置4内に所定量以上の純水が貯留
されていると判断されれば、第二水位計4Lの検知信号
に基づいて、純水排出バルブ4Aを調整することによ
り、適宜、水素分離装置4内の純水貯留量が制御される
こととなる。なお、本発明の気液分離装置に相当する水
素ガス分離装置4においては、本発明の水位調整手段
が、上記第二水位計4Lおよび純水排出バルブ4Aを用
いて構成されている。
【0054】ここで、水素ガス除湿部23は、例えば、
中空糸膜等を用いて構成されている。そして、この水素
ガス除湿部23においては、中空糸膜の内部に水素ガス
を流通させ、中空糸膜の外部に乾燥空気を流通させるこ
とによって、水素ガスの除湿を行っている。なお、図1
には特に示していないが、より高純度の水素ガスを得よ
うとする場合には、水素ガス除湿部23の後流側、また
は水素ガス除湿部の換わりに、ゼオライト、活性アルミ
ナ等のモレキュラシーブを用いて構成された精製器を設
ける構成が好ましい。本実施形態は、中空糸膜等を用い
た水素ガス除湿部23(あるいは精製器)によって水素
ガスの除湿を行う構成であるので、従来技術において必
要であったパラジウム精製器等を用いる必要がなくな
る。
【0055】以上のように、本実施形態にかかるガス発
生システムは、水電解装置1を用いて構成されており、
この水電解装置1は、純水と所定の電流とを供給するこ
とによって水素および酸素を生じさせ得る。以下、この
水電解装置1の構造を図面に基づいて説明する。
【0056】図2は、図1にかかるガス発生システム
(本発明の「第一の態様にかかるガス発生システム」あ
るいは「第二の態様にかかるガス発生システム」に相
当)を構成する水電解装置1の一例の概略図を示したも
のであり、図2(a)は水電解装置1の平面図を示し、
図2(b)は図2(a)の一部を断面にしたI−I線矢
視の側面図を示している。また、図3は、図2(a)の
II−II線断面のうちの要部を示す断面図である。また、
図4は、図2(a)のIII−III線断面のうちの要部を示
す断面図である。また、図5は、本実施形態にかかる水
電解装置を構成する電極板ユニットの分解斜視図を示し
たものである。本実施形態においては、この図5に示し
た電極板ユニットと固体電解質膜等とを用いて水電解装
置1(水電解装置)が構成されている。
【0057】図2〜図4に示す水電解装置1は、固体高
分子電解質膜の両面に電極触媒層(陽極側および陰極側
触媒層)が設けられた固体電解質膜102と電極板ユニ
ット103とを複数積層して構成されている。すなわ
ち、固体電解質膜102を電極板ユニット103にて挟
持するように、固体電解質膜102と電極板ユニット1
03とを所定数積層して構成されている。そして、固体
電解質膜102および電極板ユニット103が、両端側
のそれぞれに設けられた端板122で挟持され、締付ボ
ルト123によって締め付けられることによって水電解
装置1が構成されている。
【0058】また、本実施形態にかかる水電解装置1に
おいては、締付ボルト123に対し複数の皿バネ125
を介してナット124が取り付けられている。そして、
水電解装置の組立時においては、固体電解質膜102お
よび電極板ユニット103等を積層した後に、プレス機
で締め付けた状態で、締付ボルト123等による締め付
けが行われている。
【0059】電極板ユニット103は、チタン板製の電
極板104の両面側に、多孔質給電体105とスペーサ
106とシール部材107等とが配設して構成されてい
る。また、後述すべく、スペーサ106等には、発生し
た酸素ガスを取り出すために用いられる酸素用孔11
3、発生した水素ガスを取り出すために用いられる水素
用孔114、電気分解に供される純水を供給するために
用いられる純水用孔115,116が形成されている。
【0060】次に、図5を用いて、電極板104および
その周辺の構造を詳細に説明する。
【0061】電極板104は、その内方部分たる板部分
104aと、この板部分104aの外周部に設けられた
周縁部104b等とから形成されている。また、この板
部分104aと周縁部104bとの間には、外方側突条
112aおよび内方側突条112bが形成されている。
すなわち、周縁部104bの内方縁に沿って、シール部
材107用の溝111が屈曲によって形成されている。
この溝111の外方側および内方側は溝111に沿った
突条112a,112bとなるように屈曲されている。
また、電極板104は、チタン板を型プレスによって成
形することにより得ることができる。さらに、電極板ユ
ニット103を積層したときに接触する(および接触す
るおそれがある)電極板104の所定部分には、電気的
絶縁のためのコーティングが施されている。例えば、シ
ール部材用溝111の底部にはPTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)のコーティングが施されている。
【0062】電極板104の両面側には、その中央部に
それぞれ多孔質給電体105(A),105(C)が配
置され、多孔質給電体105の両側にスペーサ106が
それぞれ配置されている。また、このスペーサ106
は、内方側突条112bの存在により、下面側のスペー
サ106c,106dの方が上面側のスペーサ106
a,106bよりも大きく形成されている。
【0063】そして、内方側突条112bの裏側(下面
側)のデッドスペースには環状のスペーサ106eが嵌
着されている。電極板104およびスペーサ106に
は、対応する位置に流体通路孔(酸素用孔113、水素
用孔114、純水用孔115,116)が穿設されてい
る。具体的には、図3、図4、および図5に示すべく、
電極板104の左方のスペーサ106a,106cおよ
び対応する電極板104の所定位置に穿設されているは
酸素用孔113および水素用孔114であり、右方のス
ペーサ106b,106dおよび対応する電極板104
の所定位置に穿設されているのは純水用孔115,11
6である。
【0064】図3、図4、および図5においては、電極
板104の上面側のスペースが水素発生室Cとなり、下
面側のスペースが酸素発生室Aとなる。そして、電極板
104に屈曲によって形成された溝111には、これら
の水素発生室Cと酸素発生室Aとを外部からシールする
ためのシール部材107が嵌着される。
【0065】また、図3、図4、および図5に示すよう
に、電極板104の上面左方のスペーサ106aの下面
における酸素用孔113の周囲にはOリング溝117が
形成されており、水素用孔114から多孔質給電体に対
向する縁まで水素用溝118が形成されている。このス
ペーサ106aの上面における酸素用孔113の周囲に
もOリング溝117が形成されている。
【0066】また、電極板104の下面左方のスペーサ
106cの上面における水素用孔114の周囲にはOリ
ング溝117が形成されており、酸素用孔113から多
孔質給電体105に対向する縁まで酸素用溝119が形
成されている。このスペーサ106cの下面における水
素用孔114の周囲にもOリング溝117が形成されて
いる。
【0067】さらに、電極板104の上面右方のスペー
サ106bの上面および下面ともに、純水用孔115,
116の周囲には、Oリング溝117が形成されてい
る。また、電極板104の下面右方のスペーサ106d
の上面における純水用孔115,116から多孔質給電
体105に対向する縁まで純水用溝120が形成されて
いる。また、各Oリング溝117には、Oリング121
が嵌着される。
【0068】下面右方のスペーサ106dに形成された
純水用溝120は、他のスペーサ106a,106cに
形成された水素用溝118および酸素用溝119と異な
る形に形成されている。すなわち、水素用溝118およ
び酸素用溝119は独立した一本の溝として水素用孔1
14および酸素用孔113からそれぞれ形成されてい
る。しかしながら、純水用溝120は、二つの純水用孔
115,116からこれらの孔に連通する広い凹所12
0aと、この凹所120aから多孔質給電体105に対
向する縁まで複数本形成された小溝120bとから構成
されている。純水用溝120の凹所120a、小溝12
0bは略扇状に形成されている。これは、被分解水たる
純水が多孔質給電体105にできるだけ均一に行き渡る
ように工夫されたものである。
【0069】また、本実施形態においては、強度を向上
させる等の目的のために、スペーサ106がチタン等の
金属を用いて形成されているため、各スペーサ106と
電極板104との間には、各スペーサ106a,106
b,106c,106dの大きさに応じた絶縁シート1
09a,109b,109c,109dが設けられてい
る。この絶縁シート109には、それぞれ所定の位置に
(対応する位置に)、流体通路孔(酸素用孔113、水
素用孔114、純水用孔115,116)が穿設されて
いる。また、水素用孔114には、図1に示した水素ガ
ス搬送配管部14が接続されている。
【0070】さらに、本実施形態にかかる水電解装置1
においては、電極板104の一部たる周縁部104b
(板部分104aの外周部であって、外方側突条112
aの外周部)に、シム110を配設すべく構成されてい
る。
【0071】本実施形態においては、上述したように、
図2〜図5に示すように構成された水電解装置1を用い
てガス発生システムが形成されている。したがって、図
1に示すべく、水電解装置1においては、酸素ガス分離
装置2内の純水が、二つの純水用孔115,116から
純水用溝120を介して、酸素発生室Aとなる電極板1
04の下面側の多孔質給電体105に供給される。純水
は、Oリング121によって、水素発生室Cへの流入が
阻止される。
【0072】酸素発生室Aで発生した酸素ガスは、酸素
用溝119から酸素用孔113を介して酸素ガス分離装
置2中に放出され、酸素ガス分離装置2中から酸素ガス
供給配管部31等を介して酸素ガス使用箇所等に供給さ
れる。水電解装置1中において、酸素ガスは、Oリング
121によって、水素発生室Cへの流入が阻止される。
また、水素発生室Cで発生した水素ガスは、水素用溝1
18、水素用孔114、および水素ガス搬送配管部14
を介して、水素分離装置4に搬送される。水素ガスは、
Oリング121によって、酸素発生室Aへの流入が阻止
される。さらに、当然のことながら、本実施形態にかか
る水電解装置内においては、発生した水素ガスおよび酸
素ガスは、シール部材107によって、電極板ユニット
103同士の間から外部への漏出が防止されている。
【0073】本実施形態にかかるガス発生システムは、
上述した図1〜図5に示すべく構成されており、かかる
システムにおいて生成された酸素ガスおよび水素ガス
は、水分を含んだ状態で水電解装置1から、酸素ガス搬
送配管部16および水素ガス搬送配管部14を介して、
各気液分離装置(酸素ガス分離装置2および水素ガス)
に送られ、これらの気液分離装置2,4にて適切に気液
分離された後に、各ガスの使用箇所へと供給される。以
下、各気液分離装置2,4について、図面に基づき説明
する。
【0074】図6は、図1にかかるガス発生システム
(例えば、本発明の第一の態様にかかるガス発生システ
ム)を構成する酸素ガス分離装置(本発明の「第三の態
様にかかる気液分離装置」に相当)の一例の概略図を示
したものである。
【0075】本実施形態にかかる水電解装置1における
電気分解では、上述したように、陽極側すなわち酸素ガ
ス発生側のみに純水を供給している。そして、この純水
は固体電解質膜102を冷却する目的も兼ねているた
め、水電解装置1には、電気分解によるガス発生に必要
な水量よりも大幅に多い純水が供給されている。このこ
とから、水電解装置1から酸素ガス搬送配管部16に流
出される酸素ガス/純水の流動状態は、二相流の分類で
はプラグ流、すなわち酸素ガスが水に押し流されるよう
な状態である。そこで、本発明者らは、このような酸素
ガス/純水の流動状態を踏まえて、これらの気液分離を
効率よく行うことができる小型・コンパクトな装置とし
て、図6に示すような酸素ガス分離装置2に想到した。
【0076】図6に示された酸素ガス分離装置2は、円
筒胴を横向きに配置した本体胴部201と、この本体胴
部201の下側に設けられた流体流入部210および純
水流出部220と、本体胴部201の上側に設けられた
酸素ガス流出部230等とを用いて構成されている。こ
れらの流体流入部210、純水流出部220、および酸
素ガス流出部230は、いずれも所定長さに切断された
パイプ部材等を用いて構成されている。
【0077】この酸素ガス分離装置2においては、水電
解装置1にて生成された酸素ガスが多量の純水と共に、
流体流入部210に設けられた流入口211から装置2
内に流入すべく構成されており、具体的には、酸素ガス
分離装置2内に貯留された純水中に、酸素ガスおよび純
水が流入すべく流入口211が設けられている。
【0078】本体胴部201には、複数の多孔板202
(本発明の「衝突分離部」に相当)が設けられており、
これらの多孔板202は、複数の全ネジボルト203に
よって本体胴部201に固定されている。ここで、図7
は、図6のVII−VII線矢視図を示したものである。この
図7に示すように、本実施形態においては、6本の全ネ
ジボルト203を用いて多孔板202が本体胴部201
に固定されている。この多孔板202は、衝突分離によ
って気液分離を促進させるため、および流入される流体
の整流を行うために設けられている。このような多孔板
202で整流を行えば、本体胴部201内の液面におけ
る波の発生が抑えられ、より効果的に液面の静止状態を
維持することができる。また、この本体胴部201にお
いては、後述する第一水位計2L等を用いて、内部の液
面が常に一定に維持されている。
【0079】純水流出部220には、酸素ガス分離装置
2内の純水を水電解装置1に供給するために用いられる
流出口221が設けられており、この流出口221は、
純水供給配管部7に接続されている。また、この純水流
出部220には、第一水位計2Lが設けられている。
【0080】この第一水位計2Lは、磁歪式リニア変位
センサであって、棒状のプローブ部2L1と、内部に磁
石を有するフロート部2L2とを用いて構成されてお
り、プローブ部2L1は、純水流出部220から本体胴
部201を介して酸素ガス流出部230まで突出して設
けられている。また、第一水位計2Lは、プローブ部2
L1にフロート部2L2を挿通して構成されており、フ
ロート部2L2内の磁石にて生ずる磁場の影響でプロー
ブ部2L1に局部的なねじり歪み(一種の振動)が発生
し、この振動の伝播時間を計測することによって、高い
精度でフロート部2L2の位置(本体胴部201内の液
面位置)を測定することができる。
【0081】そして、本実施形態においては、上述した
第一水位計2Lで得られた液面位置に関する検知信号を
図1にて説明した補給水制御バルブ2Aに送り、このバ
ルブ2Aの開閉状態を適宜調整して(純水補給配管部5
を介して補給される純水量を調整して)、本体胴部20
1内の液面位置を一定に維持している。具体的には、補
給水制御バルブ2Aの上流側に設けられている補給水ポ
ンプ(図示省略)を常に駆動状態とし、第一水位計2L
にて得られる検知信号に基づいて補給水制御バルブ2A
の開閉状態を適切に制御することによって、純水を連続
的に補給して、本体胴部201内の液面をほぼ静止状態
に維持している。なお、第一水位計2Lを成すフロート
部2L2は、本体胴部201内の液面に生ずる波の影響
を極力避けるために、酸素ガス流出部230を成すパイ
プ部材内部に設けられている。また、酸素ガス分離装置
2に対して純水補給配管部5を設ける際の位置は特に限
定されるものではないが、この純水補給配管部5は、補
給される純水によって酸素ガス分離装置2内で行われる
気液分離に悪影響を及ぼさないように設けるのが好まし
い。
【0082】酸素ガス流出部230内には、流体流入部
210と同様に、スチールワイヤ232(本発明の「衝
突分離部」に相当)が設けられており、このスチールワ
イヤ232の上端部および下端部には、それぞれ多孔板
233(本発明の「衝突分離部」に相当)が設けられて
いる。また、酸素ガス流出部230の上方部には、酸素
ガス供給配管部31に接続された酸素ガス供給口231
が設けられており、本実施形態においては、多孔板23
3、スチールワイヤ232、および酸素ガス供給口23
1を介して、酸素ガスが使用箇所に供給される。また、
この多孔板233は、スチールワイヤの保持も行う。
【0083】本実施形態にかかる気液分離装置の一つで
ある酸素ガス分離装置2は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を得ることができる。
【0084】まず、上記酸素ガス分離装置2において
は、流体流入部210と、純水流出部220および酸素
ガス流出部230とをできるだけ離れた位置に設け、そ
の途中の本体胴部201に複数の多孔板202が設けら
れている。したがって、流体入流部210を経て本体胴
部201に流入した流体は、ここでも多孔板202と衝
突し、衝突分離が行われることとなるため、酸素ガスと
純水との気液分離が促進されることとなる。
【0085】また、この本体胴部201においては、多
孔板202にて液面の波を抑え、第一水位計2Lにて液
面を一定に維持して、本体胴部201の上方に所定空間
を形成している。つまり、本実施形態においては、液面
の静止維持が行われることによって、気相部の容積変化
を最小限にとどめることが可能であるため、この酸素ガ
ス分離装置2内の圧力を利用して、効果的にガス発生シ
ステムを制御することができる。なお、酸素ガス分離装
置2にて所定空間が維持されることによって、衝突分離
にて分離された酸素ガスは本体胴部201の上部に放出
され、純水は本体胴部201の横方向に移動することと
なるため、適切に気液分離される。なお、本体胴部20
1の上部に放出された酸素ガスは、酸素ガス流出部23
0を成すパイプ部材の側面に設けられた開口部234を
介して酸素ガス流出部230に流入することとなる。
【0086】また、上記酸素ガス分離装置2において
は、酸素ガスが流出する酸素ガス流出部230に、スチ
ールワイヤ232および多孔板233が設けられてい
る。したがって、この酸素ガス流出部230において
は、これらの要素232,233との衝突(衝突分離)
によって酸素ガス中の水滴が除去され、より一層気液分
離が促進される。
【0087】従来技術によれば、酸素ガスと純水との混
合流体を単に直径の大きなタンクに流入させて、そのタ
ンク内部で流体を静置させることによって(すなわち重
力分離のみによって)、気液分離を行っていた。したが
って、従来は、静置させるに足るだけの断面を有するタ
ンクが必要だったので、装置の大型化を避けることがで
きなかった。しかしながら、本実施形態にかかる酸素ガ
ス分離装置2は、上述したように、積極的に衝突分離を
取り入れ、気液分離の効率の向上を図っている。つま
り、流体を静置させるのではなく、むしろ流体に動的な
力を作用させることによって気液分離を行っているた
め、従来のごとく大型の装置を必要としないこととな
る。よって、本実施形態にかかる酸素ガス分離装置2に
よれば、タンクによる重力分離のみを行っていた従来の
装置と比較して、装置の小型化を図ることができる。
【0088】ところで、本実施形態にかかるガス発生シ
ステムにおいて、酸素ガス分離装置2は、水電解装置1
への純水の供給源としての機能も有している。したがっ
て、酸素ガス分離装置があまりに小型化されると、純水
の供給によって装置内の純水の量が大きく変動すること
となり、システムを効率よく駆動させることができなく
なる。特に従来のような水位制御方法(所定の水位幅に
維持するための供給ポンプのON/OFF制御方法)に
おいては、小型化された装置の水位を一定に保持しつ
つ、システムを効率よく駆動させることができない。つ
まり、効率よく水素ガスおよび酸素ガスを生成すること
ができない。そこで、本実施形態においては、上述した
多孔板202によって液面の波を抑えた状態で、第一水
位計2Lにて得られる検知信号を用いて補給水制御バル
ブ2Aの開閉状態を制御して、酸素ガス分離装置2内の
液面位置を高精度に維持している。具体的には、水電解
装置1での純水の使用量等も鑑みて、純水を連続的に補
給し、酸素ガス分離装置2内の液面をほぼ静止状態に保
持している。したがって、本実施形態によれば、上述し
たような水位制御を行うことによって、効率よく気液分
離を行うことが可能で且つ小型化された酸素ガス分離装
置2を、純水の供給源として効果的に機能させることが
できる。
【0089】また、本実施形態にかかる酸素ガス分離装
置2は、装置2内の液相部に流体流入部210が設けら
れ、この流体流入部210の流入口211から酸素ガス
および純水が流入すべく構成されている。つまり、本実
施形態においては、流入口211が装置2の液相部に設
けられて水封とされている。したがって、この実施形態
によれば、酸素ガス供給口231の下流側にてガス混合
等に起因する着火等があったとしても、流入口211が
水封されているため、本体胴部201の上流側(水電解
装置1側)への逆火を防止することができる。また、逆
に、本体胴部201の上流側にて着火等があったとして
も、酸素ガス供給口231の下流側への逆火を防止する
ことができる。
【0090】以上のように、本実施形態にかかる酸素ガ
ス分離装置2によれば、小型化を実現することが可能と
なるため、この酸素ガス分離装置2を用いることによっ
て、ガス発生システム全体についても小型化を実現する
ことができる。
【0091】図8は、図1にかかるガス発生システム
(例えば、本発明の第一の態様にかかるガス発生システ
ム)を構成する水素ガス分離装置4(本発明の「第三の
態様にかかる気液分離装置」に相当)の一例の概略図を
示したものである。具体的には、水素ガス分離装置4の
一部破断図を示したものである。
【0092】本実施形態にかかる水電解装置1において
は、水素ガス側に純水の供給は行われない。ただし、水
電解装置1の電気分解時、水素ガスが発生する際に、若
干の純水が固体電解質膜102を通過するため、水素ガ
ス分離装置4に搬送される水素ガスは若干の純水が混入
した状態となる。この状態は、水素ガス中に水滴が混入
した、いわゆる噴霧流のような状態である。そこで、本
発明者らは、このような水素ガス/純水の流動状態、お
よび気液分離装置に要求される機能を勘案して、気液分
離を効率よく行うことができる小型・コンパクトな装置
として、図8に示すような水素ガス分離装置4に想到し
た。
【0093】図8に示された水素ガス分離装置4は、複
数のパイプ部材、曲管部材(エルボ等)等から形成され
たY型の装置本体部400を用いて構成されている。具
体的には、一方上部の流体流入部410、他方上部の水
素ガス流出部430、および流体流入部410と水素ガ
ス流出部430とを連接させ、気液分離された純水が貯
留可能である連接貯留部420を用いて、装置本体部4
00が構成されている。
【0094】流体流入部410には、水電解装置1にて
生成された水素ガス(水滴含有)を水素ガス分離装置4
に流入させるべく流入口411が設けられている。ま
た、流体流入部410を成すパイプ状部材内部には、ス
チールワイヤ412(本発明の「衝突分離部」に相当)
が設けられており、スチールワイヤ412の上端部およ
び下端部には、それぞれ多孔板413(本発明の「衝突
分離部」に相当)が設けられている。また、この多孔板
413は、スチールワイヤの保持も行う。
【0095】連接貯留部420には、流出口421と第
二水位計4Lとが設けられている。この第二水位計4L
は、基本的に、酸素ガス分離装置2内に設けられている
第一水位計2Lと同様の磁歪式リニア変位センサであっ
て、棒状のプローブ部4L1と、内部に磁石を有するフ
ロート部4L2とを用いて構成されている。そして、こ
の水素ガス分離装置4においては、この第二水位計4L
で得られた装置4内の液面位置に関する検知信号が、流
出口421に接続された純水戻り配管部15に設けられ
た純水排出バルブ4Aに送られている(図1参照)。本
実施形態においては、高精度な水位計(第二水位計4
L)にて得られる検知信号に基づいて純水排出バルブ4
Aを連続的に制御して、水素ガス分離装置4内の純水の
液面hが一定になるように連続的に純水の抜き出しを行
い、連接貯留部420内の液面をほぼ静止状態に維持し
ている。そして、この際に抜き出された純水は、流出口
421および純水戻り配管部15を介して純水タンクに
戻される。
【0096】水素ガス流出部430内には、流体流入部
410と同様に、スチールワイヤ432(本発明の「衝
突分離部」に相当)が設けられており、このスチールワ
イヤ432の上端部および下端部には、それぞれ多孔板
433(本発明の「衝突分離部」に相当)が設けられて
いる。また、水素ガス流出部430の上方部には、水素
ガス供給配管部21に接続された水素ガス供給口431
が設けられており、本実施形態においては、多孔板43
3、スチールワイヤ432、および水素ガス供給口43
1を介して、水素ガスが水素ガス供給配管部21に送ら
れる。そして、この水素ガス供給配管部21および水素
ガス除湿部23を介して、水素ガスが使用箇所に供給さ
れる。
【0097】本実施形態にかかる気液分離装置の一つで
ある水素ガス分離装置4は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を得ることができる。
【0098】上記水素ガス分離装置4においては、水電
解装置1にて生成された水素ガス等の流体が流入する流
体流入部410に、スチールワイヤ412および多孔板
413が設けられているため、流入してくる流体(水素
ガス/純水(水滴程度))が流体流入部410中にてこ
れらの要素412,413に衝突することとなる。つま
り、流体流入部410にて衝突分離が行われ、水素ガス
から水分が除去されて気液分離が促進されることとな
る。
【0099】また、この水素ガス分離装置4において
は、水素ガス流出部430にも、流体流入部410と同
様に、スチールワイヤ432および多孔板433が設け
られている。したがって、この水素ガス流出部430に
おいても、これらの要素432,433との衝突(衝突
分離)によって水素ガス中の水滴が除去され、より一層
気液分離が促進される。
【0100】さらに、この水素ガス分離装置4は、その
装置本体部400がY型形状であって、流体流入部41
0の流入口411がY型の一方上部に、水素ガス流出部
430の水素ガス供給口431がY型の他方上部に設け
られている。つまり、流入口411と水素ガス供給口4
31とができるだけ離れた位置に設けられ、その間に上
述したスチールワイヤ412,432等が設けられてい
る。したがって、本実施形態によれば、装置本体部40
0がY型であること、およびスチールワイヤ412,4
32等が設けられていることによって、流入流体の衝突
回数が増加して、効果的に気液分離が促進されることと
なる。
【0101】従来技術によれば、水素ガスについても酸
素ガスの場合と同様に、水素ガスと純水との混合流体を
単に直径の大きなタンクに流入させて、そのタンク内部
で流体を静置させることによって気液分離を行っていた
ため、静置させるに足るだけの断面を有するタンクが必
要だった。しかしながら、本実施形態にかかる水素ガス
分離装置4は、上述したように、積極的に衝突分離を取
り入れ、流体を静置させるのではなく、むしろ流体に動
的な力を作用させることによって気液分離を行ってい
る。したがって、従来のごとく大型の装置(タンク等)
を必要とせず、タンクによる重力分離のみを行っていた
従来の装置と比較して、装置の小型化を図ることができ
る。
【0102】ところで、本実施形態にかかるガス発生シ
ステムにおいては、基本的に、水素ガス分離装置4内の
圧力等を一定としてシステム全体の制御を行っているた
め、装置4内の水位を一定に維持して装置4内部の圧力
を所定値に保持することは重要である。この点、従来技
術においては、比較的大きめの分離タンクを用いていた
ため、特にタンク内の水位を厳密に一定に維持する必要
はなかった。しかし、本実施形態のごとく、衝突分離に
よって気液分離の効率を向上させ、装置の小型化を実現
した装置においては、小型であるが故に純水の増減(い
わゆる水位の変動)に起因した圧力の変動が生じやす
い。このような圧力の変動が生ずると、システムを効率
よく駆動させることができない。
【0103】そこで、本実施形態においては、水素ガス
分離装置4の連接貯留部420に第二水位計4Lを設
け、この第二水位計4Lにて得られる検知信号に基づい
て純水排出バルブ4Aの開閉状態を制御している。つま
り、純水排出バルブ4Aを連続的に制御して、装置4内
の純水の水位を一定に維持すべく、純水の連続抜き出し
を行っている。このような構成であれば、純水が連続的
に抜き出され、装置4内の液面がほぼ静止状態に維持さ
れるため、装置4内の圧力が維持され、システムを効率
よく駆動させることが可能となる。
【0104】以上のように、本実施形態にかかる水素ガ
ス分離装置4によれば、小型化を実現することが可能と
なるため、この水素ガス分離装置4を用いることによっ
て、ガス発生システム全体についても小型化を実現する
ことができる。
【0105】図9は、他の実施形態にかかる水素ガス分
離装置4'の概略図を示したものである。具体的には、
水素ガス分離装置4'の一部破断図を示したものであ
る。この図9に示した水素ガス分離装置4'は、基本的
に先の図8にて説明した水素ガス分離装置4と同様の構
成を有しており、水電解装置1から搬送される流体が水
封部440を介して装置4'内に流入される点のみが異
なる。つまり、純水が貯留された水封部440に流入口
411が設けられている点のみが、図8の装置4と異な
る。
【0106】図9に示した水素ガス分離装置4'であれ
ば、図8の装置4が有する種々の効果に加えて、次の効
果を得ることができる。すなわち、この実施形態にかか
る水素ガス分離装置4'によれば、水封部440(液相
部)に流入口411が設けられているため、水素ガス供
給口431の下流側にてガス混合等に起因する着火等が
あったとしても、流入口411が水封されているため、
装置4'の上流側(水電解装置1側)への逆火を防止す
ることができる。
【0107】また、図10は、さらに他の実施形態にか
かる水素ガス分離装置4''の概略図を示したものであ
る。具体的には、水素ガス分離装置4''の一部破断図を
示したものである。この水素ガス分離装置4''は、その
形状こそ図9の装置と異なるが、基本的には同様の機能
を有すべく構成されている。つまり、この水素ガス分離
装置4''においても、流入口711、スチールワイヤ7
12,722,732、流出口(純水)721、水素ガ
ス供給口731、および水封部740等が設けられてい
る。
【0108】この図10にて示した水素ガス分離装置
4''は、図9にて説明した水素ガス分離装置4'と同様
に、水封部740(液相部)に流入口711が設けられ
ているため、水素ガス供給口731の下流側にてガス混
合等に起因する着火等があったとしても、流入口711
が水封されているため、装置4''の上流側(水電解装置
1側)への逆火を防止することができる。
【0109】この水素ガス分離装置4''においては、こ
のように、図9と同様の効果を得ることが可能であると
共に、導入された混合流体中の液体部分の滴下(図9に
おける水封部440からの液体部分の滴下)がなく、安
定した液面hを得ることができるという効果も得ること
ができる。
【0110】また、本実施形態は、水位計を設けた流出
部(水素ガス供給口731)のある側と、流入部(流入
口711)のある側とで水面を分けたことにより、流入
時のガスによる吹き上げ等の影響が流出部側に伝わりに
くい構成となっている。したがって、本実施形態によれ
ば、流出部の液面の動揺を抑えることができるため、そ
の液面制御をより容易に行うことが可能となる。
【0111】さらに、本実施形態においては、流入部の
流入口711の直上付近に、ステンレスあるいはチタン
等にて形成されたねじれ片719が設けられている。し
たがって、本実施形態によれば、このねじれ片719に
沿って流体が流入されることとなって、流入時のガスに
よる水の吹き上げを減少させることができる。
【0112】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
るものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0113】例えば、上記各実施形態においては、各気
液分離装置の衝突分離部として設けられたスチールワイ
ヤの形状等は特に説明しなかったが、本発明において、
この形状等は何らかに限定されるものではなく、気液分
離を促進するために任意の形状とすることが可能であ
る。したがって、例えば、その内部を螺旋形状等にする
ことも可能であって、このような形状とすれば、衝突分
離のみならず遠心分離等も期待でき、より気液分離を促
進して、装置の小型化を図ることが可能となる。
【0114】また、上記各実施形態においては、スチー
ルワイヤや多孔板を用いて衝突分離部を構成する場合に
ついて説明したが、本発明はこの構成に限定されるもの
ではない。したがって、例えば、衝突分離部は、不織布
形式のメッシュ、エキスパンドメタル、金網、ハニカム
構造部材等を用いて構成してもよい。
【0115】さらに、上記実施形態においては、気液分
離装置たる酸素ガス分離装置等が、衝突分離部等を有
し、これを用いることによって、ガス発生システムで発
生する水分を含んだガスについて、適切な気液分離を行
うことができる場合について説明したが、本発明はこの
構成に限定されるものではない。したがって、必要に応
じて、衝突分離部以外の他の要素を有する気液分離装置
としてもよい。このような他の要素を有する気液分離装
置としては、例えば、図11に示すような気液分離装置
があげられる。
【0116】図11は、図1にかかるガス発生システム
(例えば、本発明の第二の態様にかかるガス発生システ
ム)を構成する酸素ガス分離装置(本発明の「第四の態
様にかかる気液分離装置」に相当)の他例の概略図を示
したものである。この図11に示した酸素ガス分離装置
2'は、図6に示された酸素ガス分離装置2と同様に、
円筒胴を横向きに配置した本体胴部201と、この本体
胴部201の下側に設けられた流体流入部210および
純水流出部220と、本体胴部201の上側に設けられ
た酸素ガス流出部230等とを用いて構成されている。
そして、この酸素ガス分離装置2'においては、水電解
装置1にて生成された酸素ガスが多量の純水と共に、流
体流入部210に設けられた流入口211から装置2'
内に流入すべく構成されている。
【0117】ただし、この図11に示した実施形態にか
かる酸素ガス分離装置2'は、図6と異なり、本体胴部
201内に、浮力分離部250が設けられている。ここ
で、図12は、図11のXII−XII断面図を示したもので
あり、図13は、図11および図12に示された浮力分
離部の概略斜視図を示したものである。
【0118】図11から図13に示したように、本実施
形態にかかる浮力分離部250は、複数の平板部材25
1を用いて構成されており、より具体的には、これらの
平板部材251を水平面X(図12参照)に対して所定
角度α(例えば5°〜15°程度)だけ傾けて、各平板
部材251がそれぞれ略平行となるべく、本体胴部20
1内に配設されている。また、この配設の際には、それ
ぞれの平板部材251が、本体胴部201内の配設箇所
に応じて、本体胴部201内面に接しない程度の幅に形
成されている。すなわち、各平板部材251の端部25
1a,251bと、本体胴部201との間には、所定間
隔(例えば1mm〜4mm程度)の隙間が設けられてい
る。
【0119】なお、図11から図13においては省略し
たが、本実施形態にかかる浮力分離部250は、複数の
ボルトおよびナット等の締結部材を用いて、これらの複
数の平板部材251を一体的に締結して構成されてお
り、本体胴部201内において、この配設状態が適切に
保持される。
【0120】また、本実施形態においては、図11に示
すように、浮力分離部250の上流側に、整流部260
が二組配設されている。図14は、この整流部260の
概略斜視図を示したものである。
【0121】この整流部260は、図14に示すよう
に、所定長さ(例えば、10mm〜20mm程度)に切
断された複数のパイプ部材261と、本体胴部201の
内面形状に沿うような円形状に形成されたエキスパンド
メタル262と、パイプ部材261およびエキスパンド
メタル262の外周部を覆うように形成されたリング状
部材263とを用いて構成されている。
【0122】より具体的に、この整流部260は、二つ
のエキスパンドメタル262とリング状部材263とに
て形成された空間に複数のパイプ部材261を詰め込ん
で構成されている。そして、この際、整流部260を成
す各パイプ部材261、エキスパンドメタル262、お
よびリング状部材263は、それぞれ隣接するパイプ部
材261同士、または、各パイプ部材261とエキスパ
ンドメタル262、あるいはエキスパンドメタル262
とリング状部材263とを、適宜必要な部分について溶
接等を行うことによって一体的に構成されている。
【0123】さらに、本実施形態にかかる酸素ガス分離
装置2'においては、図11に示すように、流体流入部
210(を構成するパイプ部材210a内)に、流入口
211から装置2'内に流入する流体の圧力を回復させ
るべく機能する、ディフューザ部215が設けられてい
る。
【0124】このディフューザ部215は、図15に示
すように、流体の流入方向の下流側(本体胴部201
側)に対して先細形状となっている本体部215aと、
この本体部215aの外面部に設けられた第一遮蔽部2
15bおよび第二遮蔽部215cとを用いて構成されて
いる。各遮蔽部215b,215cは、流体流入部21
0を成すパイプ部材210aの内面に接するように設け
られており、第二遮蔽部215cは、本体部215aの
全周を覆わず、一部に欠落部215dが設けられてい
る。
【0125】本実施形態にかかる酸素ガス分離装置2'
は、ディフューザ部215が以上のように構成されてい
るため、流入口211から流入した流体は、第一および
第二遮蔽部215b,215cに遮られて右方向に流れ
(図15参照)、その後、流入した流体は、欠落部21
5dから上方向に流れることとなる(図15参照)。そ
の結果、連続して流入してくる流体は、螺旋状に旋回し
ながら流通することとなる(図15の矢印X参照)。加
えて、本体部215aは、先細形状であるため、旋回し
ながら流通する流体の圧力が高まり、流体の流入速度が
抑えられることとなる。
【0126】また、図11に示すように、本実施形態に
かかる酸素ガス分離装置2'においては、流体流入部2
10から流入した流体は、ディフューザ部215と、第
一挿入管216および第二挿入管217とを介して、本
体胴部201に導入される。
【0127】ここで、第一および第二挿入管216,2
17は、複数の孔部を穿孔したパイプ状部材、多孔性部
材あるいは透過性部材を筒状に形成したもの等、流入す
る流体に対して、過剰な圧力損失を生じさせない孔径、
形状等を有する要素を用いて構成されている。より具体
的には、第一および第二挿入管216,217は、多孔
パイプと金網とを組み合わせて構成されている。このよ
うな構成によれば、流体流入部210で強制的に渦流と
なって遠心力が作用しながら上昇する気泡の混入した純
水(混合流体)は、多孔パイプと金網とで構成された各
挿入管216,217にて、その乱れが抑えられること
となる。また、これらの挿入管216,217に接触す
ることによって、混合流体中の気泡も若干付着するた
め、より気液分離が促進されることとなる。
【0128】さらに、この図11等に示した他の実施形
態においても、図6の場合と同様に、純水流出部220
に設けられた第一水位計2L等を用いて、内部の液面が
常に一定に維持されている。この第一水位計2Lの構成
および機能は、基本的に、図6にて説明したものと同様
である。
【0129】また、酸素ガス流出部230も、基本的に
図6と同様の構成を有しており、スチールワイヤ232
(本発明の「衝突分離部」に相当)等が設けられてい
る。つまり、本実施形態においても、多孔板233、ス
チールワイヤ232、および酸素ガス供給口231を介
して、酸素ガスが使用箇所に供給される。
【0130】図11〜図15を用いて説明した本発明の
他の実施形態にかかる酸素ガス分離装置2'は、上述し
たように、基本的には、図6と同様の構成を有し、加え
て、ディフューザ部215、挿入管216,217、整
流部260、および浮力分離部250等を有しているた
め、次のような効果を得ることができる。
【0131】まず、この酸素ガス分離装置2'について
も、図6と同様の構成を有する部分については、図6等
を用いて先に説明した酸素ガス分離装置2と同様の効果
を有する。例えば、この酸素ガス分離装置2'について
も、図6と同様に、流体流入部210と、純水流出部2
20および酸素ガス流出部230とが離れた位置に設け
られ、その途中の本体胴部201内に流体の気液分離を
行うべく機能する浮力分離部250等が設けられてい
る。したがって、本実施形態においては、流入した流体
は、流体流入部210と、各流出部220,230とが
離れて設けられていることにより、比較的長い時間浮力
分離部250と接触するため、酸素ガスと純水との気液
分離が促進されることとなる。なお、他の同様部分の効
果については割愛する。
【0132】さて、本実施形態と図6等を用いて説明し
た酸素ガス分離装置2との相違点としては、気液分離を
促進するために設けられた要素たる、浮力分離部250
がある。
【0133】この浮力分離部250は、上述したよう
に、複数の平板部材251を用いて多層平行傾斜板を成
して構成されているので、各平板部材251間(あるい
は平板部材251と本体胴部201との間)に形成され
た複数の分離流通路252中を、酸素ガスと純水との混
合流体が流通することとなる。
【0134】本実施形態にかかる酸素ガス分離装置2'
においては、このように水平面と垂直な方向に区画され
た複数の分離流通路252を有し、この分離流通路25
2中を混合流体が流通するので、この分離流通路252
を流通中に、混合流体中の気液分離が行われる。ここ
で、分離流通路252の重力作用方向の高さb(図12
参照)は、混合流体が分離流通路252を通過するまで
の間に、混合流体中のガス(酸素ガス)が浮力によって
分離流通路252の下面部252aから上面部252b
に達する程度の高さに設定されている。つまり、ガスが
各分離流通路252の上面部252bに達すれば、ガス
はその接触部分に付着するため(また近接する他の気泡
と接触してより大きな気泡として成長するため)、混合
流体中から適切にガスが分離されることとなる。
【0135】本実施形態においては、図11に示すよう
に、浮力分離部250の水平方向(流体流通方向)が所
定長さLを有しているとすると、流体の流通速度vとの
関係から、浮力分離部250に混合流体が存在する時間
tは、t=L/vの関係から導かれる。そして、その存
在時間tの間に各分離流通路252にて、ガス(気泡)
が各分離流通路252の上面部252bに達すればよい
わけだから、流体が流通速度vを有する状態での気泡の
上昇速度wが明らかであれば、必要な高さbは、b=w
/tの関係から導かれる。すなわち、w/tよりも小さ
な値に、高さbを設定すればよい。
【0136】本実施形態においては、例えば、高さbを
10mm程度に設定している場合、浮上速度が6mm/
s程度である気泡(直径0.1mm程度の気泡)を分離
するためには、浮力分離部250中に少なくとも2秒間
程度存在し得る速度vで、混合流体を流通させればよ
い。逆に、浮力分離部250の長さL、流体の流通速度
v、および流通速度vを受けた状態での気泡の上昇速度
wが明らかであれば、これらの値から、適切な高さbを
設定することが可能となる。
【0137】また、本実施形態においては、図12に示
すように、各平板部材251が水平面Xに対して、所定
の角度αを有している。したがって、分離流通路252
の上面部252bに付着した気泡は、この傾斜に沿って
(すなわち平板部材251の一端部251aから他端部
251bに沿って)移動し、他端部251bと本体胴部
201との間から浮力によって上昇し、本体胴部201
内面と液面(自由表面)との間の空間(本発明の「気液
分離装置内面と液面との間の所定の間隔」に相当)に放
出されることとなる。
【0138】つまり、本実施形態によれば、各平板部材
251が所定の角度αで傾斜しているため、この傾斜に
沿って気泡が上方に移動しやすくなり、混合流体の気液
分離がより促進されることとなる。
【0139】また、本実施形態においては、浮力分離部
250の上流側に複数のパイプ部材261等にて形成さ
れた整流部260が設けられている。この構成によれ
ば、この整流部260によって、浮力分離部250に導
入される前の混合流体の乱流状態が抑えられ、より層流
に近い状態(あるいは層流状態)で、浮力分離部250
に混合流体が導入される。したがって、本実施形態によ
れば、整流部260によって混合流体が適切に整流され
た状態で浮力分離部250の各分離流通路252に導入
されるため、混合流体の動きが安定して、適切に浮力に
よるガスの分離が行われることとなる。
【0140】また、各挿入管216,217において
も、整流が行われることとなるので、整流部260と略
同様の効果を得ることができる。
【0141】さらに、本実施形態においては、流体流入
部210に、ディフューザ部215が設けられている。
これは、上述したように、流入された混合流体の圧力を
回復させるためのものである。したがって、これによっ
ても、混合流体の流通状態が安定化され、浮力分離部2
50にて、より適切な気液分離を行うことが可能とな
る。
【0142】なお、図11等にて説明した本実施形態に
かかる酸素ガス分離装置2'においては、ディフューザ
部215、各挿入管216,217、整流部260、お
よび浮力分離部250を有する構成について説明した
が、本発明はこの構成に限定されるものではない。した
がって、例えば、必要に応じて、浮力分離部250のみ
を有する構成であってもよく、また、この浮力分離部2
50と他の要素(ディフューザ部215、各挿入管21
6,217、および整流部260の少なくとも一つ)と
を有する構成であってもよい。
【0143】また、図11等にて説明した本実施形態に
おいては、整流部260を二組設けた場合について説明
したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、
必要に応じて、一組、あるいは三組以上設けてもよい。
さらに、整流部260は、この構成に限定されるもので
はなく、混合流体に所定の圧損を与えて整流作用を促す
ことが可能であれば、他の構成でもよい。この際には、
特にその構成を限定する必要はないが、後流側の浮力分
離部250に対して、より層流に近い状態で混合流体を
導入させるために、単にメッシュの小さなパンチングメ
タル等を用いるよりも、所定間隔の流通路を有するもの
(例えば、図11等にて説明したパイプ部材261等)
を用いる方が好ましい。例えば、ハニカムをエキスパン
ドメタルにて挟持した構成等があげられる。
【0144】また、本実施形態においては、図13等に
示すように、浮力分離部を複数の平板部材251を用い
て構成する場合について説明したが、本発明は、このよ
うな平板部材を用いた構成に限定されず、波形形状を有
する板状部材を複数用いて、浮力分離部を構成してもよ
い。
【0145】さらに、上記実施形態においては、複数の
平板部材あるいは板状部材(例えば、上述した波形形状
の板状部材)を用いて浮力分離部が構成される場合につ
いて説明したが、本発明はこの構成に限定されるもので
はなく、混合流体中のガスを付着させる部分を有して、
適切に気液分離を行うことが可能であればよい。その構
成としては、例えば、図16に示すような構成があげら
れる。
【0146】図16は、他の構成にかかる浮力分離部の
概略斜視図を示したものである。この図16に示された
浮力分離部650は、ハニカム形状の複数の分離流通路
652を有するハニカムユニット651を複数用いて構
成されており、より具体的には、各ハニカムユニット6
51を所定の間隔659(本発明の「空隙部」に相当)
を設けて設置している。この分離流通路652の高さ
b'も、図12等にて先に説明した高さbと同様に、ガ
スの浮上速度(上昇速度)等に基づいて、適切に設定さ
れる。
【0147】また、この図16に示した構成によれば、
所定の空隙部659が設けられているため(分離流路6
52中の所定箇所に空隙部659が設けられているのと
同様の構成であるため)、各ハニカムユニット651間
においては、分離流通路652の上面部652bに付着
した気泡が浮力によって空隙部659から上方に放出さ
れることとなる。したがって、このように構成された浮
力分離部650によれば、ガスが、混合流体中から適切
に分離されることとなる。
【0148】さらに、図16に示した浮力分離部650
においては、分離流通路652がハニカム形状であるた
め、気泡は、上面部652bに付着するのみではなく、
この上面部652bに接した上方の二つの傾斜面652
dにも付着することとなる。つまり、本実施形態によれ
ば、この傾斜面652dにも気泡が付着して成長するた
め(ここに付着した気泡は傾斜面652dに沿って上面
部652bに至り成長するため)、気液分離をより促進
することができる。
【0149】また、上記各実施形態においては、浮力分
離部として二つの構成(図13および図16等参照)を
例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されるも
のではなく、混合流体中のガスを付着させて適切に気液
分離を行うことが可能であれば、浮力分離部の構成は特
に限定されない。例えば、複数のパイプ部材を束ねたも
のを浮力分離部として用いることもできる。さらに、例
えば、図17および図18に示すような構成のものを浮
力分離部として用いてもよい。
【0150】ここで、図17は、他の構成にかかる浮力
分離部の概略斜視図を示したものである。また、図18
は、図17に示された浮力分離部の概略図を示し、図1
8(a)は、図17の浮力分離部の側面図、図18
(b)は、図18(a)のb−b断面概略図を示したも
のである。
【0151】この図17および図18に示された浮力分
離部850は、整流部が一体的に設けられており、具体
的には、これらの図に示すように、浮力分離部850の
混合流体流入側に、複数のエキスパンドメタルを積層し
て構成された整流部860が取り付けられている。この
整流部860は、後述する浮力分離部850の本体部分
の流体流入側全面を覆うように設けられている。
【0152】そして、浮力分離部850において浮力分
離を行う本体部分は、平板851Aと折り曲げ板851
Bとを交互に積層して形成されている。具体的には、こ
れらの複数の平板851Aと折り曲げ板851Bとを交
互に積層した状態で、これらを貫通するネジ棒部853
と、取り付け板855を介してネジ棒部853に螺合さ
れるナット部854とを用いて、一体的に構成されてい
る。ここで、取り付け板855は、本体胴部201の内
面形状に沿うように形成された円弧部855aと、ネジ
棒部853を貫通させてナット部854を取り付けるた
めの孔部が形成された二つの取付部855bとを用いて
構成されている。
【0153】本実施形態においては、上述したように、
浮力分離部850が、複数の平板851Aと折り曲げ板
851Bとを交互に積層して形成されているため、図1
8(b)に示すように、これらの間に複数の分離流通路
852が形成されることとなる。また、本実施形態にお
いては、平板851Aの全面に複数の孔部が穿孔されて
おり、例えば、平板の開口率が30%程度となるよう
に、直径2mmの孔部が平板851A全面に略同ピッチ
で形成されている。さらに、これら複数の分離流通路8
52の高さも、先述したように(図12および図16等
参照)、ガスの浮上速度等に基づいて適切に設定されて
いる。
【0154】以上のように、本実施形態は、平板851
Aと折り曲げ板851Bとを積層して構成されているた
め、複数の分離流通路852を有する浮力分離部850
を容易に得ることができる。
【0155】また、本実施形態によれば、分離流通路8
52を成す平板851Aが多孔板であるため、分離流通
路852を成す各壁面に付着した気泡は、成長しつつ、
この孔部を介して、除々に上方に浮上するため、混合流
体中から適切に気泡を分離することができる。
【0156】なお、この図17および図18にて示した
実施形態においては、平板に複数の孔部が穿孔された場
合について説明したが、本発明はこの構成に限定され
ず、必要に応じて、折り曲げ板に孔部を穿孔したり、ま
たは平板および折り曲げ板の両方に孔部を穿孔してもよ
い。
【0157】さらに、上述したように、平板と折り曲げ
板とを用いて構成された浮力分離部においては、少なく
ともいずれか一方に複数の孔部が形成された場合につい
て説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例え
ば、平板と折り曲げ板との間に所定の隙間を設けた状態
で、これらをネジ棒部とナット部等とを用いて一体的に
構成してもよい。このような構成であれば、複数の孔部
を有さずとも、この隙間からガスを放出可能であるた
め、ガスを適切に分離可能な気液分離装置を構成するこ
とができる。
【0158】また、上記各実施形態においては、水位計
2L,4Lとして磁歪式リニア変位センサを用いた場合
について説明したが、本発明はこの構成に限定されるも
のではなく、静電容量式、超音波式等のセンサであって
もよい。ここで、「静電容量式」の変位センサとは、測
定の原理として静電容量を利用したものである。具体的
には、金属棒等にて形成されるプローブを液中に入れる
と、液に「浸る部分」と「浸らない部分」とに分かれる
こととなり、この「浸る部分」は「浸らない部分」に比
べて静電容量が増加する。つまり、この静電容量式変位
センサは、この増加した静電容量を計測することによっ
て、高い精度にて液面位置およびその変化を測定するこ
とができることとなる。
【0159】さらに、上記各実施形態においては、酸素
ガス分離装置として、円筒胴を横向きに配置したもの、
水素ガス分離装置として、複数のパイプ部材等を用いて
Y型形状等としたものである場合について説明したが、
本発明はこの構成に限定されるものではない。したがっ
て、その内部に衝突分離部を有し、また、衝突分離を行
いやすい形状であれば、その形状、衝突分離部の数等、
特に限定されるものではない。
【0160】また、上記各実施形態においては、酸素ガ
ス分離装置を構成する本体胴部201内の液面をほぼ静
止状態に維持するために、水位計2Lとバルブ2Aとを
用いる場合について説明したが、本発明はこの構成に限
定されるものではなく、例えば、定量注入ポンプを用い
て、液面の静止状態を維持すべく構成してもよい。具体
的には、水位計2Lと、この水位計2Lから得られる信
号にてダイヤフラム等を往復動させて高い精度にて定量
注入を実現可能な定量注入ポンプとを用いて、液面の静
止状態を維持してもよい。なお、このような定量注入ポ
ンプを用いる場合には、必要に応じて、ポンプと酸素ガ
ス分離装置との間に逆止弁を設けてもよい。
【0161】さらに、上記各実施形態においては、酸素
ガス分離装置と水素ガス分離装置との差異については特
に言及しなかったが、本システムは、酸素ガス分離装置
を純水の供給源としても機能させるため、酸素ガス分離
装置を水素ガス分離装置よりも大きな容積を有するよう
に構成することが好ましい。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、気
液分離装置内に複数の衝突分離部および浮力分離部の少
なくとも一方を設けて、装置内の水位を高精度に制御し
ているため、気液分離装置の小型化・コンパクト化を実
現することができる。また、このような気液分離装置を
用いることによって、ガス発生システムの小型化・コン
パクト化も実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるガス発生システムの
概略的な系統図である。
【図2】図1にかかるガス発生システムを構成する水電
解装置の一例を示す概略図であって、図2(a)は水電
解装置の平面図、図2(b)は図2(a)の一部を断面
にしたI−I線矢視の側面図である。
【図3】図2(a)のII−II線断面のうちの要部を示す
断面図である。
【図4】図2(a)のIII−III線断面のうちの要部を示
す断面図である。
【図5】本実施形態にかかる水電解装置を構成する電極
板ユニットの分解斜視図である。
【図6】図1にかかるガス発生システムを構成する酸素
分離装置の一例を示す概略図である。
【図7】図6のVII−VII線矢視図である。
【図8】図1にかかるガス発生システムを構成する水素
分離装置の一例を示す概略図である。
【図9】他の実施形態にかかる水素ガス分離装置を示す
概略図である。
【図10】他の実施形態にかかる水素ガス分離装置を示
す概略図である。
【図11】図1にかかるガス発生システムを構成する酸
素分離装置の他例を示す概略図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【図13】図11および図12に示された浮力分離部の
概略斜視図である。
【図14】図11の酸素分離装置を成す整流部の概略斜
視図である。
【図15】図11の酸素分離装置を成すディフューザ部
の概略斜視図である。
【図16】他の実施形態にかかる浮力分離部の概略斜視
図である。
【図17】他の実施形態にかかる浮力分離部の概略斜視
図である。
【図18】図17に示された浮力分離部の概略図であ
り、図18(a)は側面図、図18(b)は図18
(a)のb−b断面概略図である。
【図19】従来技術にかかるガス発生システムの概略系
統図の一部である。
【符号の説明】
1…水電解装置、2,2'…酸素ガス分離装置、2A…
補給水制御バルブ、2L…第一水位計、2L1…プロー
ブ部、2L2…フロート部、4,4',4''…水素ガス
分離装置、4A…純水排出バルブ、4L…第二水位計、
4L1…プローブ部、4L2…フロート部、5…純水補
給配管部、7…純水供給配管部、8…循環水ポンプ、9
…熱交換器、10…ポリシャ、11…フィルタ、12…
水質警報手段、13…水温警報手段、14…水素ガス搬
送配管部、15…純水戻り配管部、16…酸素ガス搬送
配管部、21…水素ガス供給配管部、23…水素ガス除
湿部、31…酸素ガス供給配管部 102…固体電解質膜、103…電極板ユニット、10
4…電極板、104a…板部分(内方部分)、104b
…周縁部、105…多孔質給電体、106,106a,
106b,106c,106d…スペーサ、107…シ
ール部材、109,109a,109b,109c,1
09d…絶縁シート、110…シム、111…溝(シー
ル部材用溝)、112a…突条(外方側突条)、112
b…突条(内方側突条)、113…酸素用孔、114…
水素用孔、115,116…純水用孔、117…Oリン
グ溝、118…水素用溝、119…酸素用溝、120…
純水用溝、120a…凹所、120b…小溝、121…
Oリング、122…端板、123…締付ボルト、124
…ナット、125…皿バネ A…酸素発生室、C…水素発生室 201…本体胴部、202…多孔板、203…全ネジボ
ルト、210…流体流入部、211…流入口、215…
ディフューザ部、215a…本体部、215b…第一遮
蔽部、215c…第二遮蔽部、215d…欠落部、21
6…第一挿入管、217…第二挿入管、220…純水流
出部、221…流出口、230…酸素ガス流出部、23
1…酸素ガス供給口、232…スチールワイヤ、233
…多孔板、250…浮力分離部、251…平板部材、2
51a,251b…端部、252…分離流通路、260
…整流部、261…パイプ部材、262…エキスパンド
メタル、263…リング状部材 400…装置本体部、410…流体流入部、411…流
入口、412…スチールワイヤ、413…多孔板、42
0…連接貯留部、421…流出口、430…水素ガス流
出部、431…水素ガス供給口、432…スチールワイ
ヤ、433…多孔板 650…浮力分離部、651…ハニカムユニット、65
2…分離流通路、652b…傾斜面、659…空隙部 711…流入口、712,722,732…スチールワ
イヤ、719…ねじれ片、721…流出口、731…水
素ガス供給口、740…水封部 850…浮力分離部、851A…平板(多孔性平板)、
851B…折り曲げ板、852…分離流通路、853…
ネジ棒部、854…ナット部、855…取り付け板、8
55a…円弧部、855b…取付部、860…整流部

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質膜によって陽極側と陰極側と
    に隔離された水電解装置を有し、前記水電解装置に純水
    を供給して前記陰極側および陽極側の少なくとも一方か
    らガスを発生させるガス発生システムであって、 前記水電解装置と前記発生ガス使用箇所との間に、前記
    発生ガスと純水との混合流体の気液分離を行う気液分離
    装置が設けられており、 前記気液分離装置が、衝突分離部と、前記気液分離装置
    内の液面をほぼ静止状態に維持可能な水位調整手段とを
    有することを特徴とするガス発生システム。
  2. 【請求項2】 前記衝突分離部が、多孔性部材を用いて
    構成されている請求項1に記載のガス発生システム。
  3. 【請求項3】 前記多孔性部材として、多孔板およびス
    チールワイヤの少なくとも一方が用いられる請求項2に
    記載のガス発生システム。
  4. 【請求項4】 固体電解質膜によって陽極側と陰極側と
    に隔離された水電解装置を有し、前記水電解装置に純水
    を供給して前記陰極側および陽極側の少なくとも一方か
    らガスを発生させるガス発生システムであって、 前記水電解装置と前記発生ガス使用箇所との間に、前記
    発生ガスと純水との混合流体の気液分離を行う気液分離
    装置が設けられており、 前記気液分離装置が、前記混合流体中のガスを付着させ
    て分離させ得る浮力分離部を有することを特徴とするガ
    ス発生システム。
  5. 【請求項5】 前記浮力分離部が、前記混合流体を略水
    平方向に流通させ得る、複数の分離流通路を有する請求
    項4に記載のガス発生システム。
  6. 【請求項6】 前記浮力分離部が、平板と折り曲げ板と
    を交互に積層して構成されており、前記平板と前記折り
    曲げ板との間で形成される複数の空間が前記複数の分離
    流通路を成し、前記平板および前記折り曲げ板の少なく
    とも一方に複数の孔部が穿孔されている請求項5に記載
    のガス発生システム。
  7. 【請求項7】 前記各分離流通路の重力作用方向の高さ
    が、前記混合流体が前記分離流通路を通過するまでの間
    に、前記混合流体中のガスが浮力によって前記分離流通
    路の下面部から上面部に達する程度の高さである請求項
    5または6に記載のガス発生システム。
  8. 【請求項8】 前記分離流通路を形成する上面部の少な
    くとも一部が、水平面に対して所定の角度を有している
    請求項5から7のいずれか1項に記載のガス発生システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記分離流通路の所定箇所に、空隙部が
    設けられている請求項5から8のいずれか1項に記載の
    ガス発生システム。
  10. 【請求項10】 前記気液分離装置が、前記気液分離装
    置内の液面をほぼ静止状態に維持し、前記気液分離装置
    内面と前記液面との間に所定の間隔を有すべく、前記液
    面を調整可能な水位調整手段を有する請求項4から9の
    いずれか1項に記載のガス発生システム。
  11. 【請求項11】 前記水位調整手段が、磁歪式または静
    電容量式の水位計を用いて構成されている請求項1から
    3のいずれか1項、または請求項10に記載のガス発生
    システム。
  12. 【請求項12】 前記混合流体を流入させる流入口が、
    前記気液分離装置の液相部に設けられている請求項1か
    ら11のいずれか1項に記載のガス発生システム。
  13. 【請求項13】 固体電解質膜によって陽極側と陰極側
    とに隔離された水電解装置に純水を供給して発生するガ
    スと、前記純水とから成る混合流体の気液分離を行う気
    液分離装置であって、 衝突分離部と、前記気液分離装置内の液面をほぼ静止状
    態に維持可能な水位調整手段とを有することを特徴とす
    る気液分離装置。
  14. 【請求項14】 前記衝突分離部が、多孔性部材を用い
    て構成されている請求項13に記載の気液分離装置。
  15. 【請求項15】 前記多孔性部材として、多孔板および
    スチールワイヤの少なくとも一方が用いられる請求項1
    4に記載の気液分離装置。
  16. 【請求項16】 固体電解質膜によって陽極側と陰極側
    とに隔離された水電解装置に純水を供給して発生するガ
    スと、前記純水とから成る混合流体の気液分離を行う気
    液分離装置であって、 前記混合流体中のガスを付着させて分離させ得る浮力分
    離部を有することを特徴とする気液分離装置。
  17. 【請求項17】 前記浮力分離部が、前記混合流体を略
    水平方向に流通させ得る、複数の分離流通路を有する請
    求項16に記載の気液分離装置。
  18. 【請求項18】 前記浮力分離部が、平板と折り曲げ板
    とを交互に積層して構成されており、前記平板と前記折
    り曲げ板との間で形成される複数の空間が前記複数の分
    離流通路を成し、前記平板および前記折り曲げ板の少な
    くとも一方に複数の孔部が穿孔されている請求項17に
    記載の気液分離装置。
  19. 【請求項19】 前記各分離流通路の重力作用方向の高
    さが、前記混合流体が前記分離流通路を通過するまでの
    間に、前記混合流体中のガスが浮力によって前記分離流
    通路の下面部から上面部に達する程度の高さである請求
    項17または18に記載の気液分離装置。
  20. 【請求項20】 前記分離流通路を形成する上面部の少
    なくとも一部が、水平面に対して所定の角度を有してい
    る請求項17から19のいずれか1項に記載の気液分離
    装置。
  21. 【請求項21】 前記分離流通路の所定箇所に、空隙部
    が設けられている請求項17から20のいずれか1項に
    記載の気液分離装置。
  22. 【請求項22】 前記気液分離装置内の液面をほぼ静止
    状態に維持し、前記気液分離装置内面と前記液面との間
    に所定の間隔を有すべく、前記液面を調整可能な水位調
    整手段が設けられている請求項16から21のいずれか
    1項に記載の気液分離装置。
  23. 【請求項23】 前記水位調整手段が、磁歪式または静
    電容量式の水位計を用いて構成されている請求項13か
    ら15のいずれか1項、または請求項22に記載の気液
    分離装置。
  24. 【請求項24】 前記混合流体を流入させる流入口が、
    気液分離装置の液相部に設けられている請求項13から
    23のいずれか1項に記載の気液分離装置。
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