JP2003113467A - 多元素薄膜の形成方法および装置 - Google Patents

多元素薄膜の形成方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多元素薄膜に要求される所望の膜組成の薄膜
を基板面上に正確かつ能率良く製造しうる多元素薄膜の
形成方法および装置を提供する。 【解決手段】 真空チャンバ2内にガスを供給しつつ排
気し、真空チャンバ2内を所定の圧力に保持しながら、
基板8を載置する基板ホルダ9と、ターゲット3が配置
されるスパッタリング電極4a〜4dの双方に電力を印
加するとともに、前記基板ホルダ9を回転させながら基
板8を処理する多元素薄膜の形成方法であって、前記タ
ーゲット3は複数あり、互いに組成又は組成比の異なる
化合物或いは混合物からなり、前記基板ホルダ9と前記
スパッタリング電極4a〜4dに印加する電力を各ター
ゲット3ごとに独立に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜電子デバイス
分野で使用される光学薄膜や磁性薄膜、誘電体膜、絶縁
膜、導電性膜等を製造する多元素薄膜の形成方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル技術、IT技術の急速な発展に
伴い、それらを支える基幹パーツである電子デバイスに
おいては益々、高性能化や小型化、低価格化が加速され
る一方である。
【0003】これら電子デバイスの製造には真空技術を
応用した薄膜加工技術が不可欠であり、日夜、活発な開
発競争が行なわれている。
【0004】なかでも、デバイスの特性を左右する機能
薄膜の開発は、その材料の選定から実験、実証を経て、
如何に量産規模で安定したモノづくりができるかが重要
である。
【0005】一方、これら機能薄膜の作成方法として
は、真空技術を用いた蒸着法やスパッタリング法が主流
であり、なかでもスパッタリング法は、形成される薄膜
の原材料であるターゲットの組成を調整することで、比
較的容易に所望の組成を有する薄膜が、広範囲にわたっ
て得られるため、現在最も一般的に用いられている薄膜
形成技術である。
【0006】以下、従来の一般的なスパッタリング装置
を用いた薄膜の形成方法について、図7を参照して説明
する。
【0007】図7は一般的なスパッタリング装置の正面
断面図である。図7において、真空排気システム101
が接続された真空チャンバ102の内壁にはスパッタリ
ングターゲット103を有するスパッタリング電極10
4が、絶縁材105を介して配設され、マッチング回路
106(高周波スパッタリングの場合)を介して、スパ
ッタリング用電源107が接続される。
【0008】真空チャンバ102内には薄膜を形成する
基板108を設置する基板ホルダ109が配設され、必
要に応じては回転できるように、モータ等の回転機構1
16が接続される。
【0009】また、スパッタリング電極104に設置さ
れたターゲット103と基板ホルダ109に設置された
基板108との間には、放電安定待ち時間やターゲット
クリーニングのための放電(プリスパッタ)中に、基板
108にスパッタ粒子が到達することを防ぐためのシャ
ッタ117が配設され、薄膜形成時には開くことができ
るようにモータ等の駆動機構(図示せず)が接続され
る。
【0010】更に、通常はArガスが封入されるスパッ
タリングガス用ボンベ110と、O 2やN2ガスが封入さ
れ反応性スパッタリングの必要に応じて用いられる反応
ガス用ボンベ112がそれぞれ独立した流量調整器11
1と113を介して真空チャンバ102に接続されてお
り、また圧力調整バルブ114が真空チャンバ102と
真空排気システム101との間に接続される。
【0011】以上のように構成されたスパッタリング装
置について、その動作原理を説明する。
【0012】薄膜の形成を行うには、真空チャンバ10
2を真空ポンプ等を有した排気システム101にて10
-5Pa程度の高真空まで排気し、スパッタリングガス用
ボンベ110と必要に応じて反応ガス用ボンベ112を
それぞれのガス流量調整器111および113を通じて
Arガス、O2ガス、N2ガスを導入し、圧力調整バルブ
114を調整して真空チャンバ102内を0.1〜1P
a程度の圧力に保つ。
【0013】この時、複合材ターゲット等によるスパッ
タリングで、基板ホルダ109を回転させる必要がある
時は回転機構116により回転をスタートさせる。
【0014】次に、ターゲット103を取付けたスパッ
タリング電極104に、直流あるいは交流のスパッタリ
ング電源107により負の電圧を印加することで放電が
起こり、真空チャンバ102にプラズマが発生すること
で、ターゲット103がスパッタされる。
【0015】ここで、放電が安定し、ターゲット表面の
汚染が充分クリーニングされたことを確認した後、基板
ホルダ109とターゲット103の間に配設されたシャ
ッタ117をシャッタ開閉機構(図示せず)により開く
ことで、ターゲット103から飛び出したスパッタ粒子
が、基板ホルダ109に設置した基板108上に堆積さ
れ、薄膜が形成される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冒頭で述べた
ように、近年の電子デバイスの進歩に伴う薄膜化の流れ
は、とどまるところを知らず、機能薄膜においてもその
特性向上の目的から、薄膜の多元素化が急速に進んでい
る。
【0017】さらに、デバイスの基本特性を満足させる
材料開発に加え、そのデバイスの信頼性や耐久性向上の
目的として、薄膜材料自体の耐食性や耐湿性等の改善が
求められている。この対策には、基本特性を有する機能
薄膜に、さらに数%程度の添加材料が有効であり、結果
として4〜5元素から成る材料が当たり前となってきて
いる。しかも、これらの添加材料は多すぎると、機能薄
膜が持つ本来の特性を悪化させる原因となるため、その
バラツキを1%程度あるいはそれ以下に制御しなければ
ならない。
【0018】これらの具体的一例としては、磁気ヘッド
等に使用されるFe系窒化膜のひとつであるFe−Ta
−N軟磁性膜へのZn添加が上げられる。
【0019】磁気記録の分野においては、高密度記録実
現に不可欠な高飽和磁束密度を有する軟磁性膜の必要性
から、Feを主成分とした軟磁性膜が主流となる反面、
Feを使用することによるデバイスへの信頼性の問題が
クローズアップされてきている。
【0020】そこで、Fe系磁性膜の信頼性を向上させ
るため、さらに第4、第5の元素を数%加えたFe系磁
性膜が開発されている。Fe−Ta−N磁性膜にZnを
数%加えたFe−Ta−Zn−N磁性膜もそのひとつ
で、磁性膜の耐食性、信頼性の向上に効果があることが
確認されている。
【0021】しかし、これら4〜5元素以上の多元素薄
膜を1%程度以下の組成バラツキに抑制しながら安定
に、かつ量産レベルで形成するには従来例の方法では不
可能である。
【0022】仮にスパッタリングターゲットの使用初期
レベルでは組成制御が可能であったとしても、ターゲッ
トの経時変化に伴うスパッタ速度やスパッタ粒子の飛来
方向の変化が膜組成のバラツキを誘発する原因となる。
【0023】また、現実問題として、作成する多元素薄
膜と使用するターゲットの組成比は必ずしも1対1に対
応せず通常、薄膜形成を行うと組成ずれを起こすため、
所望の組成比を有する薄膜を得るためには予備検討とし
て、数種類の組成比を有するターゲットを準備するか、
あるいは組成比の決まったターゲットと変化させたい元
素のチップを準備してターゲット上に配置するチップの
大きさや量を変化させる等、試行錯誤の実験を多数回行
なう必要があり、コストと時間に大きなロスが生じる。
【0024】したがって本発明の目的は上記の問題点を
解決し、多元素薄膜に要求される所望の膜組成を能率よ
く製造する多元素薄膜の形成方法および装置を提供する
ものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気
し、真空チャンバ内を所定の圧力に保持しながら、基板
を載置する基板ホルダと、ターゲットが配置されるスパ
ッタリング電極の双方に電力を印加するとともに、前記
基板ホルダを回転させながら基板を処理する多元素薄膜
の形成方法であって、前記ターゲットは複数あり、互い
に組成又は組成比の異なる化合物或いは混合物からな
り、前記基板ホルダと前記スパッタリング電極に印加す
る電力を独立に調整することを特徴とする。
【0026】本発明によれば、互いに組成又は組成比の
異なる化合物或いは混合物からなるターゲットに対して
印加する電力を各ターゲットごとに調整することによ
り、所望の膜組成を有する多元素薄膜を能率良く形成で
きる。
【0027】また、別の発明は、真空チャンバ内にガス
を供給しつつ排気し、真空チャンバ内を所定の圧力に保
持しながら、基板を載置する基板ホルダと、ターゲット
が配置されるスパッタリング電極の双方に電力を印加す
るとともに、前記基板ホルダを回転させながら基板を処
理する多元素薄膜の形成方法であって、前記ターゲット
は互いに元素又は元素組成の異なる複数のピースで構成
され、前記ターゲットの表面をシャッタ機構で調整する
ことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、シャッタの開度等を調整
することで、ターゲットの各ピースの露出面積割り合い
を増減させることとなり、これにより所望の膜組成を有
する多元素薄膜を能率良く製造できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態1、
2を図1〜6および表1、2に基づいて詳細に説明す
る。 (実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1につい
て、図面を参照して説明する。
【0030】まず、本実施の形態におけるスパッタリン
グ装置について、図1を参照して説明する。
【0031】図1の(a)はスパッタリング装置の正面
断面図、(b)はその平面断面図である。
【0032】図1において、真空排気系1が接続された
真空チャンバ2の内壁にはターゲット3を設置したスパ
ッタリング電極4a〜4dが絶縁材5を介して配設さ
れ、マッチング回路6a〜6d(高周波スパッタリング
の場合)を介して、スパッタリング用電源7a〜7dが
接続される。このスパッタリング電極4a〜4dは、図
1(b)に示すように、複数の基板8載置する基板ホル
ダ9の側周面と対向して、複数(図の例では4基)配置
されている。また、各スパッタリング電極4a〜4dに
はそれぞれにスパッタリング用電源7a〜7dが接続さ
れるため、各電極4a〜4dごとに独立したスパッタ電
力制御が可能となる。具体的には、スパッタリング電極
4aにはマッチング回路6aを介してスパッタリング用
電源7aが接続され、スパッタリング電極4bにはマッ
チング回路6bを介してスパッタリング用電源7bが接
続され、スパッタリング電極4cにはマッチング回路6
cを介してスパッタリング用電源7cが接続され、スパ
ッタリング電極4dにはマッチング回路6dを介してス
パッタリング用電源7dが接続される。
【0033】真空チャンバ2内には側周面上に複数の基
板8を設置できる円筒形の基板ホルダ9が配設され、基
板ホルダ9は、対抗するターゲット3の表面に対する垂
線のうち、その中心線の交点を中心に回転、すなわち基
板ホルダ9の中心軸15を中心に自転できるように、モ
ータ等の回転機構16が接続される。なお、ターゲット
3としては後述する化合物或いは混合物からなり、各ス
パッタリング電極4a〜4dに配置される各ターゲット
3は互いに組成又は組成比の異なるものが用いられる。
【0034】また、Arガスが封入されるスパッタリン
グガス用ボンベ10の導入系11に加え、必要に応じて
2やN2ガスが封入される反応ガス用ボンベ12および
該導入系13が接続される。
【0035】さらに、スパッタリング電極4a〜4dに
設置されたターゲット3と基板ホルダ9に設置された基
板8との間には、放電安定待ち時間やターゲットクリー
ニングのための放電(プリスパッタ)中に、基板にスパ
ッタ粒子が到達することを防ぐためのシャッタ機構17
が配設され、薄膜形成時には開くことができるようにモ
ータ等の駆動機構(図示せず)が接続されている。
【0036】以上の装置でスパッタリングを行なうに
は、まず真空チャンバ2内を真空ポンプ等の真空排気系
1により10-5Pa程度の高真空まで排気し、スパッタ
リングガス用ボンベ10からのAr等のスパッタリング
ガスをガス流量調整器11を調整して真空チャンバ2内
に導入し、圧力調整バルブ14を調整して真空チャンバ
2内の圧力を0.1〜1Pa程度に保つ。なお、製造す
る薄膜がスパッタリングガスとの化合物の場合には、ス
パッタリングガスと同時に反応ガス用ボンベ12からの
反応性スパッタリングガスを導入し、前記スパッタリン
グガスと同様にガス流量調整器13により、両ガスの割
合を調整する。
【0037】ここで、基板8を取付けた基板ホルダ9を
自転させると共に、ターゲット3を取付けたスパッタリ
ング電極4a〜4dに直流あるいは交流のスパッタリン
グ用電源7により負の電圧を印加することでプラズマが
発生し、ターゲット3がスパッタされる。
【0038】ここで、放電が安定し、ターゲット3の表
面の汚染が充分クリーニングされたことを確認した後、
基板ホルダ9とターゲット3の間に配設されたシャッタ
17をシャッタ開閉機構(図示せず)により開くこと
で、ターゲット3から飛び出したスパッタ粒子が、基板
ホルダ9に設置した基板8上に堆積され、薄膜が形成さ
れる。
【0039】次に具体例として、以上のようなスパッタ
リング装置を用いて、4元素(A、B、C、Dと称
す。)からなる多元素薄膜「70%A−20%B−8%
C−2%D」の製造方法について図2および表1を参照
して説明する。尚、この多元素薄膜は元素Aを主成分と
し、添加材元素B、C、Dよりなり、特に元素Dの組成
比制御が重要と仮定する。
【0040】図2は本実施の形態のスパッタリング装置
の概略平面図である。
【0041】スパッタリング電極を4基(電極〜電極
)使用する場合、ターゲット3には、成膜する膜組成
比と同じものを1枚、組成および組成比を変化させたも
のを3枚使用する。各ターゲットの詳細組成比を表1に
示す。なおターゲット3としては、2種以上の元素を組
成分とする化合物あるいは混合物からなるターゲットを
用いている。
【0042】
【表1】 以上のターゲットを図2のように、各スパッタリング電
極4a〜4dに配設し、前述の手順にてスパッタリング
を行い、70%A−20%B−8%C−2%D膜を作成
する。
【0043】スパッタリング装置による薄膜形成におい
ては、各スパッタリング電極4a〜4dとも一様のスパ
ッタ電力を印加することが一般的ではあるが、本実施の
形態において、もし、作成した4元素薄膜(A−B−C
−D膜)に組成ずれが発生した場合には、以下に述べる
スパッタリング電力の設定変更という簡単な対策による
組成制御で最適組成比を有する多元素薄膜を実現でき
る。
【0044】まず、所望の多元素薄膜の組成比が「70
%A−20%B−8%C−2%D」であるのに対し、作
成した多元素薄膜が「D<2%」の場合には、スパッタ
リング電極4c(電極)に印加するスパッタ電力を増
加させればよい。
【0045】これによりスパッタリング電極4a(電極
)〜スパッタリング電極4d(電極)に設置したタ
ーゲットの内元素Dを一番多く含有しているスパッタリ
ング電極4c(電極)のターゲット「70%A−15
%B−5%C−10%D」から放出されるスパッタ粒子
を、他の電極、、より放出されるものに比べ、大
量にすることができ、最適組成比を有する多元素薄膜を
作成できる。
【0046】逆にD>2%の場合には、スパッタリング
電極4c(電極)に印加するスパッタ電力を減少させ
ればよい。
【0047】また、CやDの組成ずれに対しては、スパ
ッタリング電極4b(電極)、スパッタリング電極4
d(電極)に印加するスパッタ電力の増減で膜組成比
の最適化が可能となる。
【0048】さらには、ターゲットの経時変化による組
成ずれに対しても、スパッタロット間において前述と同
様のスパッタ電力の制御を行なうことで膜組成の最適化
が可能となる。
【0049】加えて、1ロットのスパッタ中に、前述の
スパッタ電力制御を時間の経過に伴い変化させるように
して行なうことで、膜深さ方向に組成の傾斜を持った多
元素薄膜の作成も可能となる。
【0050】以上のように膜組成比の異なるターゲット
を配設し、このターゲットに印加するスパッタ電力を調
整することで所望の膜組成比による基板への成膜が可能
となる。 (実施の形態2)以下、本発明の実施の形態2につい
て、図面を参照して説明する。
【0051】本実施の形態の特徴は、実施の形態1の説
明で用いた図1において、ターゲット3と基板8の間に
配設されたシャッタ17が、前記ターゲット3を完全に
覆う位置から完全に露出する位置までの任意の位置に停
止できるように駆動系を制御するところにある。
【0052】図3に本実施の形態のターゲット21およ
び基板8とシャッタ駆動機構(図示せず)によるシャッ
タ17の停止位置との関係を示す。同図(a)は完全に
シャッタ17が閉じてターゲット21が覆われた状態、
同図(b)は完全にシャッタ17が開いてターゲット2
1が露出した状態、同図(c)はその中間の位置に駆動
系を制御して停止させた状態であり、シャッタ17を任
意の位置に停止させることができる。前記ターゲット2
1は、元素または元素組成の異なる複数のピースをバッ
キングプレートに貼り合わせてなる複合ターゲット(タ
ーゲット)を用いる。
【0053】本実施の形態においては、図4に示すよう
な元素αのピース21αと元素βのピース21βを、1
枚のバッキングプレート20に、貼り合わせてなる複合
ターゲットであって、前記ピースの分割方向が図1の基
板ホルダ9の中心軸15に平行であるように作成したタ
ーゲット21を使用している。本実施の形態では、1基
または複数基のスパッタリング電極4で多元素薄膜を作
成することができる。
【0054】図4の元素αと元素βを貼り合わせたター
ゲット21を用いてスパッタリングを行なうとき、図5
の(a)、(b)、(c)に示すように、シャッタ17
の制御機構により元素βの露出面積割り合いを調整する
ことで、元素αと元素βの組成比を制御しながら薄膜作
成を行なうことが可能となる。
【0055】次に具体例として、以上のようなシャッタ
17を有し、かつ、何らかの要因でスパッタリング電極
が1基しか搭載できない(例えば、他のユニットが配設
されている、あるいは、他元素材料との多層膜化が必
要、等)スパッタリング装置を用いて、3元素からなる
多元素薄膜「75%E−20%F−5%G」の製造方法
について図6および表2を参照して説明する。尚、多元
素薄膜は元素Eを主成分とし、添加材元素F、Gよりな
り、特に元素Gの組成比制御が重要であるとする。
【0056】図6は本実施の形態の、スパッタリング装
置の概略平面図である。
【0057】スパッタリング電極4を1基使用する場
合、ターゲット21には、元素Eと元素Fの化合物ある
いは混合物からなるピース21αと元素Gのピース21
βを図4と同様、一枚のバッキングプレート20に、ス
パッタリング装置の中心軸に平行に分割して貼り合わせ
たものを使用する。本ターゲット21の詳細組成比を表
2に示す。
【0058】
【表2】 以上の複合ターゲット21をスパッタリング電極4に設
置してスパッタリングを行い、75%E−20%F−5
%G膜を作成するが、基本的なスパッタリングの手順と
しては、実施の形態1と何ら変わるところが無いのでそ
の説明は省略する。
【0059】通常、スパッタリング装置による薄膜形成
においては、完全にシャッタ17が開いてターゲット2
1が露出した状態で薄膜形成を行うことが一般的であ
る。しかし、本実施の形態においてはシャッタ17が所
定の位置で停止することで、元素Gのピース21βが、
シャッタ17に一部覆われた状態でスパッタリングを行
い、もし、作成した3元素薄膜(E−F−G膜)に組成
ずれが発生した場合には、以下に述べるシャッタ17の
停止位置の設定変更という簡単な対策による駆動系制御
で最適組成比を有する多元素薄膜を実現できる。
【0060】まず、所望の多元素薄膜の組成比が「75
%E−20%F−5%G」であるのに対し、作成した多
元素薄膜が「G<5%」の場合には、シャッタの開度を
大きくし、元素Gのピース21βの露出面積割り合いを
増加させればよい。
【0061】逆に「G>5%」の場合には開度を小さく
し、元素Gのピース21βの露出面積割り合いを減少さ
せればよい。
【0062】さらには、ターゲットの経時変化による組
成ずれに対しても、スパッタロット間において前述と同
様のシャッタ停止位置の制御を行なうことで膜組成の最
適化が可能となる。
【0063】加えて、1ロットのスパッタ中に、シャッ
タ停止位置の時間的変化の制御を行なうことで、膜深さ
方向に組成の傾斜を持った多元素薄膜の作成も可能とな
る。
【0064】なお、実施の形態1、2において、スパッ
タリング電極4の数をそれぞれ4基および1基とした
が、何基であっても構わない。また、多元素薄膜の元素
数を4種または3種にしたが、2種以上であれば何の元
素であっても構わない。
【0065】以上のように、ターゲットと基板の間に配
設されたシャッタ開度を調整することで所望の膜組成比
による基板への成膜が可能となる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、多元素薄膜に要求され
る所望の膜組成をもった薄膜を基板上に正確にかつ能率
良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスパッタリング
装置を示し、(a)はその正面断面図であり、(b)は
その平面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるスパッタリング
装置の概略平面図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるターゲットおよ
び基板とシャッタ機構によるシャッタ停止位置との関係
を示し、(a)はその閉状態であり、(b)はその開状
態であり、(c)はシャッタが任意の位置に停止した状
態を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態2に使用するターゲットの
斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2における多元素薄膜の組
成比制御方法の手順を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるスパッタリング
装置の概略平面図である。
【図7】従来の一般的なスパッタリング装置の正面断面
図である。
【符号の説明】
2 真空チャンバ 3 ターゲット 4、4a〜4d スパッタリング電極 8 基板 9 基板ホルダ 17 シャッタ 21 複合ターゲット(ターゲット) 21α ピース 21β ピース
フロントページの続き (72)発明者 村岡 俊作 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA26 BA58 BC06 BD04 BD11 CA05 CA06 DA12 DC15 DC16 DC33 EA09 JA02 5D112 AA05 FA04 FB21 5E049 AA01 AA09 BA12 GC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気
    し、真空チャンバ内を所定の圧力に保持しながら、基板
    を載置する基板ホルダと、ターゲットが配置されるスパ
    ッタリング電極の双方に電力を印加するとともに、前記
    基板ホルダを回転させながら基板を処理する多元素薄膜
    の形成方法であって、 前記ターゲットは複数あり、互いに組成又は組成比の異
    なる化合物或いは混合物からなり、前記基板ホルダと前
    記スパッタリング電極に印加する電力を各ターゲットご
    とに独立に調整することを特徴とする多元素薄膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 基板ホルダは、対抗するターゲットの表
    面に対する垂線のうち、その中心線の交点を中心に回転
    することを特徴とする請求項1記載の多元素薄膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 基板ホルダに設置される基板は複数ある
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多元素薄膜の
    形成方法。
  4. 【請求項4】 複数のターゲットのうち、少なくとも1
    つのターゲットを基板に成膜する膜組成比と同一にし、
    残りのターゲットを組成又は組成比を変化させたもので
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    多元素薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 複数のスパッタリング電極に印加する電
    力を時間の経過とともに独立に調整することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の多元素薄膜の形成方
    法。
  6. 【請求項6】 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気
    し、真空チャンバ内を所定の圧力に保持しながら、基板
    を載置する基板ホルダと、ターゲットが配置されるスパ
    ッタリング電極の双方に電力を印加するとともに、前記
    基板ホルダを回転させながら基板を処理する多元素薄膜
    の形成方法であって、 前記ターゲットは互いに元素又は元素組成の異なる複数
    のピースで構成され、前記ターゲットの表面をシャッタ
    機構で調整することを特徴とする多元素薄膜の形成方
    法。
  7. 【請求項7】 基板ホルダは、対抗するターゲットの表
    面に対する垂線のうち、その中心線の交点を中心に回転
    することを特徴とする請求項6記載の多元素薄膜の形成
    方法。
  8. 【請求項8】 前記シャッタ機構の停止位置を時間の経
    過とともに調整することを特徴とする請求項6又は7記
    載の多元素薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 側周面上に基板を設置するとともに、中
    心軸を中心に回転する筒形の基板ホルダと、基板ホルダ
    の側周面に対向する位置に配置されると共に、電力を独
    立に調整する複数のスパッタリング電極とを備える多元
    素薄膜の形成装置であって、複数のスパッタリング電極
    には2種類以上の元素を組成分とする化合物あるいは混
    合物からなるターゲットが設置され、この複数ターゲッ
    トは互いに組成又は組成比の異なるものであることを特
    徴とする多元素薄膜の形成装置。
  10. 【請求項10】 側周面上に基板を設置するとともに、
    中心軸を中心に回転する筒形の基板ホルダと、基板ホル
    ダの側周面に対向する位置に配されると共に、互いに元
    素または元素組成の異なる複数のピースからなるターゲ
    ットを設置したスパッタリング電極と、前記基板ホルダ
    と前記スパッタリング電極との間に配したシャッタ機構
    とを備え、このシャッタ機構が前記複合ターゲットの各
    ピースの露出面積割り合いを任意に設置しうるように構
    成されたことを特徴とする多元素薄膜の形成装置。
  11. 【請求項11】 前記ターゲットにおいて、前記ピース
    の分割方向が前記基板ホルダの中心軸に平行である請求
    項10記載の多元素薄膜の形成装置。
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EP2484800A1 (en) 2011-02-03 2012-08-08 Canon Kabushiki Kaisha Film-forming apparatus and film-forming method
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