JP2003110131A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JP2003110131A
JP2003110131A JP2001302160A JP2001302160A JP2003110131A JP 2003110131 A JP2003110131 A JP 2003110131A JP 2001302160 A JP2001302160 A JP 2001302160A JP 2001302160 A JP2001302160 A JP 2001302160A JP 2003110131 A JP2003110131 A JP 2003110131A
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film solar
thin film
light
thin
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Junji Hirokane
順司 広兼
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Sharp Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/52PV systems with concentrators

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面反射光があっても、光電変換層に入射さ
れる光量を減少させないようにして、発電効率を高くす
ることができる薄膜太陽電池を提供すること。 【解決手段】 入射光は、集光反射素子200の3角柱
14の側面の第2の反射面群12により集光されて、光
透過孔群9から薄膜太陽電池素子100に入射する。こ
の入射した光が、3角柱14の底面の第1の反射面群1
1と、薄膜太陽電池素子100との間で多重反射され
て、光電変換層に照射される光量が増大して、発電効率
が高くなる。傾き調整手段250によって、3角柱14
の傾き、つまり、第2の反射面群12の傾きを入射光の
入射方向に応じて変えて、入射光を光透過孔群9に効果
的に集光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜太陽電池としては、図16に
示すように、pn接合による光電変換を行う薄膜多結晶
Si太陽電池や、図17に示すように、pin接合によ
る光電変換を行う薄膜非晶質Si太陽電池がある。
【0003】図16に示す薄膜多結晶Si太陽電池は、
支持体を兼ねた基板161上に、光反射効果を有する電
極金属層162、一つの伝導型の不純物を高濃度にドー
ピングした多結晶Si薄膜半導体層163、この多結晶
Si薄膜半導体層163と同じ型の不純物をわずかにド
ーピングした多結晶Si薄膜半導体層164、上記多結
晶Si薄膜半導体層163,164と反対の伝導型の不
純物を高濃度にドーピングした多結晶Si薄膜半導体層
165、電流を取り出すための集電電極166、及び、
効率的に光を取り込むための反射防止層167を積層し
て構成されている。上記不純物を高濃度にドーピングし
た多結晶Si薄膜半導体層163は、上記電極金属層1
62と多結晶Si薄膜半導体層164との電気的接続を
良好にする役目をする。
【0004】また、図17に示す薄膜非晶質Si太陽電
池は、支持体を兼ねた基板171上に、光反射効果を有
する電極金属層172、非晶質半導体からなりn型不純
物がドーピングされたn層173、非晶質半導体からな
り真性半導体であるi層174、非晶質半導体からなり
p型不純物がドーピングされたp層175、電流を取り
出すための集電電極176、及び、効率的に光を取り込
むための反射防止層177を積層して構成されている。
【0005】また、発電効率を上げるため、図16に示
す多結晶半導体で構成したpn接合と、図17に示す非
晶質半導体で構成したpin接合とを積層したタンデム
構造の薄膜太陽電池が提案されている。
【0006】これらの太陽電池以外に、図18に示すよ
うに、基板側から光を入射させる薄膜太陽電池が提案さ
れている。この薄膜太陽電池は、透明基板181上に、
効率的に光を取り込むための反射防止層182、電流を
取り出すための集電電極183、非晶質半導体からなり
p型不純物がドーピングされたp層184、非晶質半導
体からなり真性半導体であるi層185、非晶質半導体
からなりn型不純物がドーピングされたn層186、及
び、光反射効果を有する電極金属層187を積層して構
成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図16、図17及び図
18に示す薄膜太陽電池においては、表面反射を極力抑
えることを目的として、光入射面に反射防止層167,
177,182を設けているが、表面反射を完全に零と
することは困難である。また、上記反射防止層167,
177,182は、一般に、波長依存性を有しており、
設計波長中心から光波長がずれることにより、表面反射
が増大してしまうという問題がある。比較的広い波長の
光を光電変換に利用するタンデム構造の薄膜太陽電池に
おいては、その悪影響は、さらに大きなものとなる。ま
た、電流を取り出すため、光入射側に設けられた集電電
極166,176,183は、確実に発電効率の低下を
もたらすこととなる。
【0008】さらに、光を吸収して電荷を発生させ、発
電を行う多結晶Si半導体層164、非晶質半導体i層
174,185は、入射した光を吸収するために十分な
膜厚が必要であるが、あまり厚くなると、電荷の走行距
離が増大して、外部に取り出すことのできる電流が減少
する。また、これらの半導体層164,174,185
の膜厚増加は、製造時間の増加、及び、材料使用量の増
加につながり、コスト低減が困難となる。
【0009】そこで、本発明の課題は、表面反射光があ
っても、光電変換層に入射される光量を減少させないよ
うにして、発電効率を高くすることができる薄膜太陽電
池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の薄膜太陽電池は、光電変換層を有する薄膜
太陽電池素子と、この薄膜太陽電池素子の光入射面に対
向する第1の反射面群、上記複数の第1の反射面の間に
存する光透過孔群、この光透過孔群に入射光を集光する
第2の反射面群、及び、この第2の反射面群の傾きを調
整する傾き調整手段を有する集光反射素子とを備えるこ
とを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、入射光は、上記集光反
射素子の第2の反射面群によって、上記光透過孔群に集
光される。そして、上記光透過孔からの光は、上記薄膜
太陽電池素子に入射して、上記薄膜太陽電池素子と上記
集光反射素子の第1の反射面群との間で多重反射され
る。従って、上記第2の反射面群により入射光を集光し
て光透過孔を通過させて光透過孔を通った光を第1の反
射面群で逃がさないで有効に利用する点と、光が集光反
射素子の第1の反射面群と薄膜太陽電池素子との間で多
重反射されて、光電変換層に照射される点との相乗効果
によって、上記光電変換層に照射される光の光量が著し
く増大して、発電効率が高くなる。
【0012】また、太陽が真上になくて、入射光が集光
反射素子に斜めから入射する場合、上記傾き調整手段に
よって第2の反射面群の傾きを入射光の入射方向に応じ
て変えて、入射光を光透過孔群に効果的に集光できる。
従って、入射光の方向に拘わらず、高い発電効率を維持
することができる。
【0013】1実施の形態では、上記集光反射素子の第
2の反射面群が、上記第1の反射面群に対して傾斜した
平面状の斜面群であると共に、上記光透過孔の両側に位
置している。
【0014】上記実施の形態では、上記集光反射素子の
第2の反射面群が、上記第1の反射面群に対して傾斜し
た平面状の斜面群であるので、曲面群である場合に比し
て構造が簡単である。また、上記第2の反射面群が上記
光透過孔の両側に位置しているので、効果的に光を集光
できる。
【0015】また、1実施の形態では、上記集光反射素
子の上記第1の反射面群は、複数の3角柱の底面に設け
られた反射膜であり、上記集光反射素子の上記第2の反
射面群は、上記複数の3角柱の両側面に設けられた反射
膜である。
【0016】上記実施の形態によれば、上記底面と両側
面に反射膜が形成された複数の3角柱を並べるといった
簡便な方法で、光を集光するための第2の反射面群と、
多重反射のための第1の反射面群と、光透過孔群を有す
る集光反射素子を作製することが可能となる。従って、
高効率な薄膜太陽電池の低コスト化を実現することがで
きる。
【0017】また、1実施の形態では、上記3角柱の断
面である3角形は、2等辺3角形であり、その2等辺3
角形の頂角が30度以下である。
【0018】上記実施の形態によれば、上記2等辺3角
形の頂角が30度以下であるから、太陽が真上になくて
も、第2の反射面によってより効果的に集光することが
できる。従って、上記薄膜太陽電池の光電変換層に照射
される光量がより増大して、発電効率をより高くするこ
とができる。
【0019】また、1実施の形態では、上記傾き調整手
段は、上記複数の3角柱を回転させて上記第2の反射面
群の傾きを調整する。
【0020】上記実施の形態によれば、上記傾き調整手
段は、上記複数の3角柱を回転させて上記第2の反射面
群の傾きを調整するから、上記第2の反射面群の傾きを
簡単に調整できる。
【0021】また、1実施の形態では、上記傾き調整手
段は、上記複数の3角柱を回転可能に支持する固定支持
体と、上記複数の3角柱を回転可能に支持すると共に上
記固定支持体に対して平行移動する可動支持体を備え
る。
【0022】上記実施の形態によれば、上記複数の3角
柱を回転可能に支持する固定支持体に対して、上記複数
の3角柱を回転可能に支持する可動支持体を平行移動さ
せると、上記複数の3角柱の傾きが調整されて、第2の
反射面群の傾きが調整される。また、上記傾き調整手段
は、上記固定支持体と可動支持体とで構成しているの
で、簡略な機構で、かつ、安価に製作できる。従って、
高効率で、かつ、低コストな薄膜太陽電池を実現するこ
とができる。
【0023】また、1実施の形態では、上記集光反射素
子と上記薄膜太陽電池素子との間に、蛍光特性を有する
透明基板が設置されている。
【0024】上記実施の形態によれば、上記集光反射素
子の第2の反射面群によって集光されて光透過孔を通っ
た光は、蛍光特性を有する透明基板に入射して、この蛍
光特性を有する透明基板によって、光電変換に利用でき
ない波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光に変
換されて、ランダムに放射、散乱される。この蛍光特性
を有する透明基板により放射、散乱されて光電変換に利
用できる波長域の光に変換された光は、上記集光反射素
子の上記第1の反射面群と、上記薄膜太陽電池素子との
間で多重反射される。従って、上記集光反射素子の第2
の反射面群によって集光されて光透過孔を一度通った光
を第1の反射面群で逃がさないようにして有効に利用す
る点と、蛍光特性を有する透明基板によって光電変換に
利用できない波長域の光が光電変換に利用できる波長域
の光に変換される点と、光が薄膜太陽電池素子と第1の
反射面との間で多重反射されて光電変換層に照射される
点と、多重反射及び蛍光特性を有する透明基板により光
電変換に利用できない波長域の光が光電変換に利用でき
る波長域の光になって光電変換層に照射される点との相
乗効果によって、上記光電変換層に照射される光電変換
に寄与する波長域の光の光量が著しく増大して、発電効
率が極めて高くなる。
【0025】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子の基板が蛍光特性を有する透明基板である。
【0026】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子の基板が蛍光層として機能する透明基板であるので、
光透過孔群から入射した光と、上記蛍光特性を有する透
明基板によって光電変換に利用できない波長域の光から
光電変換に利用できる波長域の光に変換された光とが、
薄膜太陽電池素子と集光反射素子の第1の反射面群との
間で多重反射される。従って、光電変換層に照射される
光電変換に寄与する波長域の光の光量が増大して、発電
効率を高くすることができる。
【0027】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子と上記集光反射素子とが、スペーサーを介して機
械的に固定されている。
【0028】上記実施の形態によれば、上記薄膜太陽電
池素子に上記集光反射素子をスペーサーを介して機械的
に固定しているので、上記薄膜太陽電池素子に上記集光
反射素子を簡単に取り付けることができる。また、従来
の薄膜太陽電池に対して、簡単に上記集光反射素子を取
り付けて、上記実施の形態の薄膜太陽電池を構成するこ
とができて、従来の薄膜太陽電池の発電効率を容易に改
善することが可能となる。また、上記薄膜太陽電池素子
と上記集光反射素子とを簡単に分離して、それらの交換
等をすることができる。
【0029】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子と上記蛍光特性を有する透明基板と上記集光反射
素子とが、スペーサーを介して機械的に固定されてい
る。
【0030】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光反射
素子とをスペーサを介して機械的に固定しているので、
それらを簡単に固定でき、また、それらを簡単に分解し
て、交換等をすることができる。また、従来の薄膜太陽
電池に対して、簡単に上記蛍光特性を有する透明基板及
び上記集光反射素子を取り付けて、上記実施の形態の薄
膜太陽電池を簡単に構成することができて、従来の薄膜
太陽電池の発電効率を容易に改善することが可能とな
る。
【0031】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子は、上記光電変換層に関して、上記光入射面と反
対側に位置する反射層を備える。
【0032】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子の反射層と入射面との間に光電変換層が位置すること
になるので、上記薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射
素子の第1の反射面との間に光電変換層及び蛍光層を挟
んで、薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射素子の第1
の反射面との間で、光が多重反射される。従って、上記
光電変換層に照射される光電変換に寄与する波長域の光
の光量が著しく増大して、発電効率を極めて高くするこ
とができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄膜太陽電池を図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の薄膜太陽電池の断面図を示しており、図2は、
本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の断面斜視図を示
している。
【0035】上記薄膜太陽電池は、薄膜太陽電池素子1
00と集光反射素子200とからなる。
【0036】上記薄膜太陽電池素子100は、支持体を
兼ねた基板1上に、光反射効果を有する反射層としての
電極金属層2と、一つの伝導型の不純物を高濃度にドー
ピングした多結晶Si薄膜半導体層3と、この多結晶S
i薄膜半導体層3と同じ型の不純物をわずかにドーピン
グした多結晶Si薄膜半導体層4と、上記多結晶Si薄
膜半導体層3,4と反対の伝導型の不純物を高濃度にド
ーピングした多結晶Si薄膜半導体層5と、電流を取り
出すための集電電極6と、効率的に光を取り込むための
反射防止層7とを順次積層してなる。上記多結晶Si薄
膜半導体層3,4,5は光電変換層の一例を構成する。
また、上記反射防止層7の表面は、薄膜太陽電池素子1
00の光入射面となる。なお、上記不純物を高濃度にド
ーピングした多結晶Si薄膜半導体層3は、上記電極金
属層2と多結晶Si薄膜半導体層4との電気的接続を良
好にする役目をする。
【0037】一方、上記集光反射素子200は、図1,
2に示すように、上記薄膜太陽電池素子100の光入射
面に対向する第1の反射面群10と、上記複数の第1の
反射面10の間に存する平行な直線状の光透過孔群9
と、この光透過孔群9に入射光11を集光するための第
2の反射面群12と、この第2反射面群2の傾きを調整
するための傾き調整手段250を備える。
【0038】上記第1の反射面群10は、3角柱群14
の底面に形成した反射膜からなり、上記第2の反射面群
12は、上記3角柱群14の両側面に形成した反射膜か
らなる。上記3角柱14は、断面が2等辺3角形をな
し、この2等辺3角形の頂角20は30度以下にして、
より多くの入射光11を光透過孔群9へと集光するよう
にしている。すなわち、より多くの入射光11を光透過
孔群9へと集光するためには、上記第2の反射面群12
である平面状の斜面群は薄膜太陽電池素子100の光入
射面に対してできるだけ急傾斜面であることが望まし
く、上記第2の反射面群12である平面状の斜面群の傾
き角度は75度以上であることが望ましいため、上記3
角柱14の断面の2等辺3角形の頂角20を30度以下
にしているのである。もっとも、上記断面が2等辺3角
形の3角柱14に代えて、断面が不等辺3角形の3角柱
を用いてもよく、あるいは、底角の1つが鈍角となる3
角柱を用いてもよい。
【0039】一方、上記傾き調整手段250は、上記3
角柱群14を回転可能に支持する固定支持体15及び可
動支持体16と、この固定支持体15及び可動支持体1
6に両端が回転自在に連結された連結棒19とからなっ
ている。上記3角柱群14の端面に、それぞれ、第1の
受け孔17と第2の受け孔18とを設け、この第1の受
け孔17に対して、固定支持体15に設けられた突起
(図示せず)を回転可能に嵌め込むと共に、上記第2の
受け孔18に対して、上記可動支持体16に設けられた
突起(図示せず)を回転可能に嵌め込んでいる。上記固
定支持体15と可動支持体16と連結棒19とは平行リ
ンクを構成していて、上記可動支持体16を固定支持体
15に対して図1において左右に移動すると、3角柱群
14は第1の受け孔17を中心として回転して傾きを変
えることになる。
【0040】なお、図示しないが、上記可動支持体16
は、例えば、ステッピングモータで駆動されるラックピ
ニオン機構、電磁比例ソレノイド等の駆動手段によって
駆動するようにしている。
【0041】上記構成の太陽電池に、図1に示すよう
に、太陽光等の入射光11が垂直に照射されると、入射
光11は第2の反射面群12により反射されて、光透過
孔群9へと入射する。ここで、上記3角柱14の断面で
ある2等辺3角形に頂角20は30度以下で、つまり、
第2の反射面群12である平面状の斜面群が薄膜太陽電
池素子100の光入射面に対して75度以上傾いている
ため、より多くの入射光11を光透過孔群9へと集光す
ることができる。
【0042】このようにして光透過孔群9へと集光され
た入射光11は、薄膜太陽電池素子100へと入射す
る。上記薄膜太陽電池素子100に入射した光は、反射
防止層7、多結晶Si薄膜半導体層5,4,3を透過
し、反射層としての電極金属層2により反射され、再
度、多結晶Si薄膜半導体層5,4,3を通過すること
により、多結晶Si薄膜半導体層4,5における光吸収
効率が高められる。
【0043】上記薄膜太陽電池は、反射防止層7、集電
電極6、及び、多結晶Si薄膜半導体層5の表面で反射
された光が、第1の反射面群10により反射されて、再
度、薄膜太陽電池素子100に入射し、多結晶Si薄膜
半導体層5,4,3を通過する。このように、上記光透
過孔群9から入射した光が、集光反射素子200の第1
の反射面群10と薄膜太陽電池素子100との間で多重
反射することにより、さらに高い光吸収効率が実現され
る。
【0044】また、本薄膜太陽電池においては、集光反
射素子200の第1の反射面群10と薄膜太陽電池素子
100との間で多重反射が実現することにより、多結晶
Si薄膜半導体層4を薄くした場合においても、入射し
た光が十分に吸収されて、電荷の走行距離を短くして外
部に取り出すことが可能な電流を大きくすることができ
る。
【0045】また、本薄膜太陽電池は、集光反射素子2
00の第2の反射面群12の傾き角度、すなわち、第1
の反射面群10と第2の反射面群12が形成された3角
柱群14の傾き角度を、傾き調整手段250によって,
入射光11の入射角度に対応して変えることにより、よ
り効率的な集光特性を実現することができる。従って、
入射光の入射角度に拘わらず、発電効率を高くすること
ができる。
【0046】例えば、上記3角柱群14が図3及び図4
に示すような角度で固定されていると、図3に示すよう
に、入射光が薄膜太陽電池素子100に対して垂直に入
射している場合、光透過孔群9の左右に位置する第2の
反射面群12で反射された入射光11は、光透過孔群9
へと集光されるが、図4に示すように、入射光11が右
斜め上または左斜め上から入射した場合、第2の反射面
群12で反射された入射光11は、光透過孔9を挟んで
対向する位置の第2の反射面群12において再度反射さ
れ、薄膜太陽電池素子100と反対の方向へと放射され
て、入射光11が光透過孔群9へと集光されなくなって
しまう。
【0047】図5は、入射光11が右斜め上45度から
入射する場合に、第1の受け孔17を中心として、3角
柱群14を右に45度傾けたときの入射光11の反射状
態を示している。また、図6は、入射光11が左斜め上
45度から入射した際に、第1の受け孔17を中心とし
て、3角柱群14を左に45度傾けたときの入射光11
の反射状態を示している。図5および図6から、入射光
11の入射角度に対応して、3角柱群14の角度を変え
ることによって、傾いて入射してくる入射光も効率良く
光透過孔群9へと集光できて、薄膜太陽電池素子100
と集光反射素子200との間での光の多重反射による発
電効率の向上を実現できることが分る。
【0048】図1においては、薄膜太陽電池素子100
として、図16に示すような多結晶Si半導体層を用い
た場合について説明を行っているが、図17に示すよう
な非晶質Si半導体層を用いた薄膜太陽電池素子、及
び、多結晶Si半導体層と非晶質Si半導体層の両方を
用いたタンデム構造の薄膜太陽電池素子の場合において
も同様な多重反射を実現して、光吸収効率を高めること
ができる。
【0049】(実施の形態2)図7は、実施の形態2の
薄膜太陽電池の断面斜視図である。この実施の形態2の
薄膜太陽電池は、図1に示す実施の形態1の集光反射素
子200と同じ集光反射素子200を備え、透明基板側
から光を入射するタイプの薄膜太陽電池素子300の構
成のみが、図1に示す薄膜太陽電池素子100と異な
る。従って、図3において、図1の実施の形態1の構成
要素と同一構成要素については、図1の構成要素と同じ
参照番号を付して詳しい説明は省略する。
【0050】上記薄膜太陽電池素子300は、ガラス基
板からなる透明基板22上に、透明導電層23、電流を
取り出すための集電電極24、非晶質Si薄膜半導体層
からなりp型不純物がドーピングされたp層25、非晶
質Si薄膜半導体層からなり真性半導体であるi層2
6、非晶質Si薄膜半導体層からなりn型不純物がドー
ピングされたn層27、光反射効果を有する反射層とし
ての電極金属層28を順次積層してなる。上記p層2
5、i層26及びn層27は、光電変換層の一例を構成
する。
【0051】図7に示すように、上記集光反射素子20
0と薄膜太陽電池素子300とを配置することにより、
図1の場合と同様に、透明導電層23、集電電極24、
非晶質Si薄膜半導体層25、及び、電極金属層28の
表面で反射された光が、集光反射素子200の第1の反
射面群10により反射されて、再度、薄膜太陽電池素子
300に入射して、非晶質Si薄膜半導体層25に入射
する。このように、光透過孔群9から入射した光が、集
光反射素子200と薄膜太陽電池素子300との間で多
重反射することにより、さらに高い光吸収効率が実現さ
れる。
【0052】また、図1の場合と同様に、上記集光反射
素子200の第2の反射面群12の傾き角度、すなわ
ち、第1に反射面10及び第2の反射面12となる反射
膜が表面に形成された3角柱群14の傾き角度を、傾き
調整手段250よって、入射光11の入射角度に対応し
て変えることにより、入射光11が斜めから入射して
も、より効率的な集光特性を維持することができる。。
【0053】
【実施例1】図8から図10に示すプロセスに従って、
図1に示す本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の集光
反射素子200を作成した。
【0054】まず、図8に示すように、断面において頂
角20が30度の2等辺3角形であるポリカーボネート
樹脂製の3角柱14を押し出し成形法により作製し、こ
の3角柱14の両端面に第1の受け孔17と第2の受け
孔18とを形成した。次に、図9に示すように、上記3
角柱14に、膜厚100nmのAl0.95Ti0.0
からなる反射膜をスパッタリングにより形成して、第1
の反射面10と第2の反射面12を形成した。次に、図
10に示すように、上記複数の第1の受け孔17に、固
定支持体15に設けた突起群(図示せず)を回転可能に
嵌め込むと共に、第2の受け孔18に、可動支持体16
に設けた突起群(図示せず)を回転可能に嵌め込んだ。
上記固定支持体15と可動支持体16とは平行に配置す
る。そして、上記固定支持体15と可動支持体16の端
部分に、連結棒19の両端を図示しないピンにより回動
自在に連結した。上記固定支持体15に対して可動支持
体16を図10において左右に駆動すると、それぞれの
3角柱群14は、第1の受け孔17を中心として傾きを
変えることになる。
【0055】ここで、上記3角柱14の断面形状は、2
等辺3角形であり、第1の反射面群10となる側面の長
さが10.0mmであり、第2の反射面群となる側面の
長さが19.3mmである。また、上記3角柱14を、
光透過孔群9の幅が2.0mmの帯状になるように、固
定支持体15及び可動支持体16に取り付けている。ま
た、第1の受け孔17と第2の受け孔18とを、それぞ
れ、直径2mm、深さ2mmの円柱状の孔とし、固定支
持体15と可動支持体16とに設けた突起群は、第1の
受け孔17と第2の受け孔18とに対して、回転可能と
するため、直径1.95mm、高さ1.95mmの円柱
状の突起群とした。
【0056】本実施例1においては、AlTiスパッタ
膜を第1の反射面群10及び第2の反射面群12を構成
する反射膜として用いたが、反射率の高い金属膜であれ
ば良く、AlTi以外に、Al、Ag、Au、Ti等の
金属膜、及び、それらの金属で構成される合金膜を用い
ることができる。また、反射膜の膜厚は、光がほぼ完全
に反射される40nm以上であることが望ましい。しか
し、反射膜が厚くなり過ぎると、成膜時間の増加や材料
コストの増加を招くため、150nm以下であることが
望ましい。また、本実施例1においては、スパッタリン
グにより反射膜を形成したが、真空蒸着等の成膜方法を
用いることも可能である。さらに、無電界メッキ法等の
電鋳技術を用いて金属反射膜を形成することにより、集
光反射素子形成のための真空プロセスが不要となり、薄
膜太陽電池の低価格化を実現することが可能となる。
【0057】一方、図1に示す薄膜太陽電池素子100
は、従来と同様な方法により作製した。すなわち、支持
体を兼ねたステンレス基板1上に、光反射効果を有する
膜厚100nmのAl0.95Ti0.05電極金属層2
をスパッタリングにより形成した後、電極金属層2と半
導体層4との電気的接触を良好にするために設けた一つ
の伝導型の不純物を高濃度にドーピングした多結晶Si
薄膜半導体層3、多結晶Si薄膜半導体層3と同じ型の
不純物をわずかにドーピングした多結晶Si薄膜半導体
層4、この多結晶Si薄膜半導体層3,4と反対の伝導
型の不純物を高濃度にドーピングした多結晶Si薄膜半
導体層5をプラズマCVD(化学的気相成長)装置によ
り順次形成した。
【0058】より詳しくは、上記多結晶Si薄膜半導体
層3は、基板温度250℃の条件で、SiHガス、H
ガス、PHガスの混合比を最適化した混合ガスをC
VD装置に導入し、ガス圧20Paとして、100Wの
高周波電力を投入することにより形成した。こうして,
上記電極金属層2上には、Pが高濃度にドープされた膜
厚30nmの多結晶Si薄膜半導体膜3を堆積した。
【0059】次に、上記多結晶Si薄膜半導体層4は、
基板温度550℃の条件で、SiH ガス、Hガス、
PHガスの混合比を最適化した混合ガスをCVD装置
に導入し、ガス圧50Paとして、350Wの高周波電
力を投入することにより形成した。こうして、上記多結
晶Si薄膜半導体層3上には、Pがわずかにドーピング
された膜厚150nmの多結晶Si薄膜半導体膜4を堆
積した。
【0060】上記多結晶Si薄膜半導体膜4は、光を吸
収し、電荷を発生させ、発電を行う層であり、十分に光
を吸収させるため、通常その厚さを1000nm以上5
0000nm以下に設定されるが、本実施例1において
は、直線状の光透過孔群10から入射光が多重反射する
ため、多結晶Si薄膜半導体膜4を薄くすることが可能
であり、その膜厚を100nm以上2000nm以下に
することが望ましい。
【0061】次に、上記多結晶Si薄膜半導体層5は、
基板温度350℃の条件で、SiH ガス、Hガス、
BFガスの混合比を最適化した混合ガスをCVD装置
に導入し、ガス圧50Paとして、100Wの高周波電
力を投入することにより形成した。こうして、上記多結
晶Si薄膜半導体層4上には、Bがドーピングされた膜
厚15nmのp型の多結晶Si薄膜半導体膜5を堆積し
た。上記多結晶Si薄膜半導体層4,5は,pn接合を
形成する。
【0062】次に、このように多結晶Siのpn接合を
形成した基板1をスパッタリング装置に取り付け、遮蔽
マスクを基板1の半導体膜表面に装着した状態で、Al
Ti合金ターゲットを用いて膜厚100nmのAl
0.95Ti0.05からなる幅0.1mm、間隔5mm
のくし型集電電極6を形成した。
【0063】次に、Inターゲットを用い、酸素
雰囲気中で反応性スパッタリングを行うことにより、上
記多結晶Si薄膜半導体膜5及びくし型集電電極6上
に、膜厚65nmの反射防止層7を形成した。
【0064】以上のようにして作製した集光反射素子2
00の固定支持体15と薄膜太陽電池素子100とを、
図11に示すように、弾性を有する樹脂製スペーサー2
9を介して、固定金具30により機械的に固定し、実施
例1の薄膜太陽電池を完成した。
【0065】このように、上記薄膜太陽電池素子100
に集光反射素子200を樹脂製スペーサー29を介して
固定金具30により機械的に固定しているので、上記薄
膜太陽電池素子100に集光反射素子200を簡単に取
り付けることができる。また、上記薄膜太陽電池素子1
00と集光反射素子200とを簡単に分離して、それら
の交換等をすることができる。
【0066】次に、上記薄膜太陽電池素子100の多結
晶Si薄膜半導体膜4の膜厚を従来の薄膜太陽電池と同
じ10000nmとした薄膜太陽電池素子を作製し、こ
の薄膜太陽電池素子のみからなって集光反射素子を有さ
ない薄膜太陽電池を比較例1の薄膜太陽電池とした。
【0067】上記実施例1の薄膜太陽電池の集光反射素
子200の3角柱群14を図3に示すような角度で固定
し、実施例1と比較例1の薄膜太陽電池に対して、AM
1.5シミュレーターで100mW/cmの光を真上
から照射し、I−V特性を測定したところ、実施例1の
薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電池に比べて、開
放電圧が5%程度小さく、短絡電流が50%程度大きく
なっていることが確認された。従って、実施例1の薄膜
太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電池に比べて、光電変
換効率が43%程度高くなっていることが分った。
【0068】次に、実施例1の薄膜太陽電池の集光反射
素子200における3角柱群14の角度を図3の状態と
して、AM1.5シミュレーターで100mW/cm
の光を斜め上45度から入射した場合、実施例1の薄膜
太陽電池に光を真上から照射した場合に比べて、開放電
圧が60%程度小さく、短絡電流が70%程度小さくな
っていることが確認されて、光電変換効率は88%程度
低下してしまった。しかし、実施例1の薄膜太陽電池に
おける3角柱群14の角度を図5に示すように、45度
傾けた場合、図3に示す状態の実施例1の薄膜太陽電池
に光を真上から照射した場合に比べて、開放電圧が5%
程度小さく、短絡電流が10%程度小さくなっているこ
とが確認され、光電変換効率の低下を15%程度に抑え
ることができた。
【0069】本実施例1においては、光電変換層として
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を用いたが、非晶質
Si半導体からなるpin接合を光電変換層として用い
ることも可能である。また、多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層が一組のみ形成された薄
膜太陽電池について記載しているが、本実施例1におい
ては、多重反射により光の利用効率が改善されており、
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を薄くすることが可
能である。従って、これらの多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層を複数組積み重ねてタン
デム構造とすることにより、また、非晶質Si半導体層
によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接合
とを複数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、
さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0070】
【実施例2】図12に示すように、実施例1における集
光反射素子200と、粒径5μmのYS:Eu,
Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20体積%含有した板厚
1mmの蛍光ガラス基板31と、実施例1における薄膜
太陽電池素子100とを、弾性を有する樹脂製スペーサ
ー29を介して、固定金具30により機械的に固定し、
実施例2の薄膜太陽電池を完成した。
【0071】従来より、薄膜太陽電池素子の光入射面に
蛍光特性を有する基板または膜を配置し、光電変換に利
用されない波長400nm近傍の光を、光電変換に利用
される波長600nm近傍の光に変換し、発電効率の改
善を実現することが提案されているが、入射光が蛍光特
性を有する基板または膜により散乱されて、薄膜太陽電
池素子への入射光量が低下して、大幅な光電変換効率の
改善が実現しないと言う問題があった。さらに、蛍光特
性を有する基板または膜から放出される波長600nm
近傍の光の放射方向がランダムであるため、蛍光特性を
有する基板または膜から放出される波長600nm近傍
の光の半分は、薄膜太陽電池素子と反対方向へと放射さ
れ、光電変換に寄与しないといった問題があった。
【0072】そこで、図12に示すように、上記蛍光ガ
ラス基板31を、集光反射素子200と薄膜太陽電池素
子100との間に設けることにより、蛍光ガラス基板3
1内の蛍光性粒子により散乱された光、及び、蛍光性粒
子から放出された光は、集光反射素子200の第1の反
射面群10と、薄膜太陽電池素子100との間で多重反
射されて、入射した光と蛍光性粒子から放出された光の
ほとんどが薄膜太陽電池素子100へと入射し、薄膜太
陽電池の光電変換効率を高めることが可能となる。
【0073】上記実施例2の薄膜太陽電池の集光反射素
子200の3角柱群14を図3に示すような角度で固定
し、実施例2と比較例1の薄膜太陽電池に対して、AM
1.5シミュレーターで100mW/cmの光を真上
から照射し、I−V特性を測定したところ、実施例2の
薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電池に比べて、開
放電圧が5%程度大きく、短絡電流が70%程度大きく
なっていることが確認された。従って、実施例2の薄膜
太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電池に比べて、光電変
換効率が79%程度高くなっていることが分った。
【0074】次に、実施例2の薄膜太陽電池の集光反射
素子200における3角柱群14の角度を図3の状態と
して、AM1.5シミュレーターで100mW/cm
の光を斜め上45度から入射した場合、実施例2の薄膜
太陽電池に光を真上から照射した場合に比べて、開放電
圧が65%程度小さく、短絡電流が65%程度小さくな
っていることが確認され、光電変換効率は88%程度低
下してしまった。しかし、実施例2の薄膜太陽電池にお
ける3角柱群14の角度を図5に示すように、45度傾
けた場合、図3に示す状態の実施例2の薄膜太陽電池に
光を真上から照射した場合に比べて、開放電圧が4%程
度小さく、短絡電流が8%程度小さくなっていることが
確認され、光電変換効率の低下を12%程度に抑えるこ
とができた。
【0075】本実施例2においては、光電変換層として
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を用いたが、非晶質
Si半導体からなるpin接合を光電変換層として用い
ることも可能である。また、多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層が一組のみ形成された薄
膜太陽電池について記載しているが、本実施例2におい
ては、多重反射により光の利用効率が改善されており、
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を薄くすることが可
能である。従って、これらの多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層を複数組積み重ねてタン
デム構造とすることにより、また、非晶質Si半導体層
によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接合
とを複数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、
さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0076】また、本実施例2においては、蛍光粒子と
して粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光
性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではない。
【0077】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0078】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0079】
【実施例3】図13に実施例3の薄膜太陽電池の断面図
を示す。本実施例3は、図7に示す実施の形態2の薄膜
太陽電池に係る実施例である。図13における集光反射
素子200と薄膜太陽電池素子300は、図7に示す実
施の形態2の集光反射素子200と薄膜太陽電池素子3
00と同じ構成を有する。
【0080】上記薄膜太陽電池素子300は、図7に示
すように、ガラス基板22上に、膜厚30nmのSnO
透明導電層23を反応性スパッタリングにより形成し
た後、ガラス基板22をスパッタリング装置に取り付
け、遮蔽マスクを基板22の透明導電層23表面に装着
した状態で、AlTi合金ターゲットを用いて膜厚10
0nmのAl0.95Ti0.05からなる幅0.1m
m、間隔5mmのくし型集電電極24を形成した。
【0081】次に、p型不純物ドープ半導体層であるp
層25、真性半導体であるi層26、n型不純物ドープ
層であるn層27がこの順に積層された光電変換層をプ
ラズマCVD装置による気相成長法で形成した。この各
半導体層25,26,27は、それぞれ、SiHガス
・Hガス・CHガス・Bガスの混合ガスを用
いて気相成長した膜厚15nmのa−SiC:Hのp層
25、SiHガス・Hガスの混合ガスを用いて気相
成長した膜厚100nmのa−Si:Hのi層26、S
iHガス・Hガス・PHガスの混合ガスを用いて
気相成長した膜厚15nmのa−Si:Hのn層27と
した。上記光電変換層25,26,27を形成した後、
膜厚100nmのAlからなる光反射効果を有する反射
層としての電極金属層28をスパッタリングにより形成
した。
【0082】上記集光反射素子200と薄膜太陽電池素
子300とを、図13に示すように、弾性を有する樹脂
製スペーサー29を介して、固定金具30により機械的
に固定し、実施例3の薄膜太陽電池を完成した。
【0083】また、比較のため、上記薄膜太陽電池素子
300のみの薄膜太陽電池であり(図7を援用す
る。)、SnO透明導電層23の膜厚を100nmと
し、i層の膜厚を300nmとした従来の構成の薄膜太
陽電池を比較例2として同時に作製した。ここで、Sn
透明導電層23の膜厚を100nmとした理由は、
透明導電層23による反射防止効果により、従来の薄膜
太陽電池における光電変換効率を最大とするためであ
る。
【0084】上記実施例3の薄膜太陽電池の集光反射素
子200の3角柱群14を図3に示すような角度で固定
し、実施例3と比較例2の薄膜太陽電池に対して、AM
1.5シミュレーターで100mW/cmの光を真上
から照射し、I−V特性を測定したところ、実施例3の
薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽電池に比べて、開
放電圧がほぼ等しく、短絡電流が55%程度大きくなっ
ていることが確認された。従って、実施例3の薄膜太陽
電池は、比較例2の薄膜太陽電池に比べて、光電変換効
率が55%程度高くなっていることが分った。
【0085】次に、実施例3の薄膜太陽電池の集光反射
素子200における3角柱群14の角度を図3の状態と
して、AM1.5シミュレーターで100mW/cm
の光を斜め上45度から入射した場合、実施例3の薄膜
太陽電池に光を真上から照射した場合に比べて、開放電
圧が70%程度小さく、短絡電流が80%程度小さくな
っていることが確認されて、光電変換効率は94%程度
低下してしまった。しかし、実施例3の薄膜太陽電池に
おける3角柱群14の角度を図5に示すように、45度
傾けた場合、図3に示す状態の実施例3の薄膜太陽電池
に光を真上から照射した場合に比べて、開放電圧が5%
程度小さく、短絡電流が9%程度小さくなっていること
が確認され、光電変換効率の低下を14%程度に抑える
ことができた。
【0086】本実施例3においては、光電変換層として
非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を用いたが、
多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層として
用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半導体
層25,26,27からなる光電変換層が一組のみ形成
された薄膜太陽電池について記載しているが、本実施例
3においては、多重反射により光の利用効率が改善され
ており、非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を薄
くすることが可能である。従って、これらの非晶質Si
薄膜半導体層25,26,27からなる光電変換層を複
数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、また、
非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶Si半導
体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデム構造
とすることにより、さらに開放電圧を向上させることが
可能である。
【0087】
【実施例4】図14に示すように、実施例3において使
用した集光反射素子200と、粒径5μmのY
S:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20体積%
含有した板厚1mmの蛍光ガラス基板31と、実施例3
において使用した薄膜太陽電池素子300とを、弾性を
有する樹脂製スペーサー29,29を介して、固定金具
30により機械的に固定し、実施例4の薄膜太陽電池を
完成した。
【0088】実施例4においては、実施例2の場合と同
様に、蛍光ガラス基板31を、集光反射素子200と薄
膜太陽電池素子300との間に設けることにより、蛍光
ガラス基板31内の蛍光性粒子により散乱された光、及
び、蛍光性粒子から放出された光は、集光反射素子20
0の第1の反射面群10と、薄膜太陽電池素子300と
の間で多重反射されて、入射した光と蛍光性粒子から放
出された光のほとんどが薄膜太陽電池素子300へと入
射し、薄膜太陽電池の光電変換効率を高めることができ
る。
【0089】上記実施例4の薄膜太陽電池の集光反射素
子200の3角柱群14を図3に示すような角度で固定
し、実施例4の薄膜太陽電池と比較例2の薄膜太陽電池
に対して、AM1.5シミュレーターで100mW/c
の光を真上から照射し、I−V特性を測定したとこ
ろ、実施例4の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽電
池に比べて、開放電圧が9%程度大きく、短絡電流が7
2%程度大きくなっていることが確認された。従って、
実施例4の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽電池に
比べて、光電変換効率が87%程度高くなっていること
が分った。
【0090】次に、実施例4の薄膜太陽電池の集光反射
素子200における3角柱群14の角度を図3の状態と
して、AM1.5シミュレーターで100mW/cm
の光を斜め上45度から入射した場合、実施例4の薄膜
太陽電池に光を真上から照射した場合に比べて、開放電
圧が75%程度小さく、短絡電流が60%程度小さくな
っていることが確認されて、光電変換効率は90%程度
低下してしまった。しかし、実施例4の薄膜太陽電池に
おける3角柱群14の角度を図5に示すように、45度
傾けた場合、図3に示す状態の実施例4の薄膜太陽電池
に光を真上から照射した場合に比べて、開放電圧が5%
程度小さく、短絡電流が6%程度小さくなっていること
が確認されて、光電変換効率の低下を11%程度に抑え
ることができた。
【0091】本実施例4においては、光電変換層として
非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を用いたが、
多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層として
用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半導体
層25,26,27からなる光電変換層が一組のみ形成
された薄膜太陽電池について記載しているが、本実施例
4においては、多重反射により光の利用効率が改善され
ており、非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を薄
くすることが可能である。従って、これらの非晶質Si
薄膜半導体層25,26,27からなる光電変換層を複
数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、また、
非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶Si半導
体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデム構造
とすることにより、さらに開放電圧を向上させることが
可能である。
【0092】また、本実施例4においては、蛍光粒子と
して粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光
性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではない。
【0093】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0094】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0095】
【実施例5】図15に実施例5の薄膜太陽電池の断面図
を示す。
【0096】本実施例5は、図13に示す実施例3に記
載した薄膜太陽電池素子300のガラス基板22(図7
参照)の代わりに、蛍光ガラス基板32を用いた構成と
なっている。他の点については、実施例5の薄膜太陽電
池素子400と実施例3の薄膜太陽電池素子300とは
同じ構成を有する。また、実施例5の集光反射素子20
0は、実施例1の集光反射素子200と同じ構成を有す
るので、同一参照番号を付して、説明を省略する。
【0097】上記蛍光ガラス基板32は、粒径5μmの
S:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20
体積%含有した板厚2mmの蛍光ガラス基板である。
【0098】上記蛍光ガラス基板32を基板とした薄膜
太陽電池素子400と上記集光反射素子200とを、図
15に示すように、弾性を有する樹脂製スペーサー29
を介して、固定金具30により機械的に固定し、実施例
5の薄膜太陽電池を完成した。
【0099】上記実施例5の薄膜太陽電池と比較例2の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例5の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太
陽電池に比べて、開放電圧が12%程度大きく、短絡電
流が65%程度大きくなっていることが確認された。従
って、実施例5の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽
電池に比べて、光電変換効率が85%程度高くなってい
ることがわかった。
【0100】次に、実施例5の薄膜太陽電池の集光反射
素子200における3角柱群14の角度を図3の状態と
して、AM1.5シミュレーターで100mW/cm
の光を斜め上45度から入射した場合、実施例5の薄膜
太陽電池に光を真上から照射した場合に比べて、開放電
圧が70%程度小さく、短絡電流が65%程度小さくな
っていることが確認されて、光電変換効率は89%程度
低下してしまった。しかし、実施例5の薄膜太陽電池に
おける3角柱群14の角度を図5に示すように、45度
傾けた場合、図3に示す状態の実施例5の薄膜太陽電池
に光を真上から照射した場合に比べて、開放電圧が3%
程度小さく、短絡電流が4%程度小さくなっていること
が確認されて、光電変換効率の低下を7%程度に抑える
ことができた。
【0101】本実施例5においては、光電変換層として
非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を用いたが、
多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層として
用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半導体
層25,26,27からなる光電変換層が一組のみ形成
された薄膜太陽電池について記載しているが、本実施例
5においては、多重反射により光の利用効率が改善され
ており、非晶質Si薄膜半導体層25,26,27を薄
くすることが可能である。従って、これらの非晶質Si
薄膜半導体層25,26,27からなる光電変換層を複
数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、また、
非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶Si半導
体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデム構造
とすることにより、さらに開放電圧を向上させることが
可能である。
【0102】また、本実施例5においては、蛍光粒子と
して粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光
性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではない。
【0103】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0104】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0105】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の薄膜
太陽電池によれば、入射光は、集光反射素子の第2の反
射面群によって、光透過孔群に集光されて、その光透過
孔からの光は、薄膜太陽電池素子に入射して、上記薄膜
太陽電池素子と上記集光反射素子の第1の反射面群との
間で多重反射される。従って、本発明によれば、上記第
2の反射面群により入射光を集光して光透過孔を通過さ
せて光透過孔を通った光を第1の反射面群で逃がさない
で有効に利用する点と、光が集光反射素子の第1の反射
面群と薄膜太陽電池素子との間で多重反射されて、光電
変換層に照射される点との相乗効果によって、上記光電
変換層に照射される光の光量を著しく増大して、発電効
率を高くすることができる。
【0106】さらに、本発明の薄膜太陽電池によれば、
上記第2の反射面群の傾きを調整する傾き調整手段を備
えるので、太陽が真上になくて、入射光が集光反射素子
に斜めから入射する場合であっても、上記傾き調整手段
によって第2の反射面群の傾きを入射光の入射方向に応
じて変えて、入射光を光透過孔群に効果的に集光するこ
とができ、従って、入射光の方向に拘わらず、高い発電
効率を維持することができる。
【0107】1実施の形態では、上記集光反射素子の第
2の反射面群が、上記第1の反射面群に対して傾斜した
平面状の斜面群であるので、曲面群である場合に比して
構造が簡単である。また、上記第2の反射面群が上記光
透過孔の両側に位置しているので、効果的に光を集光で
きる。
【0108】また、1実施の形態では、上記集光反射素
子の上記第1の反射面群は、複数の3角柱の底面に設け
られた反射膜であり、上記集光反射素子の上記第2の反
射面群は、上記複数の3角柱の両側面に設けられた反射
膜であるので、上記底面と両側面に反射膜が形成された
複数の3角柱を並べるといった簡便な方法で、光を集光
するための第2の反射面群と、多重反射のための第1の
反射面群と、光透過孔群を有する集光反射素子を作製す
ることが可能となる。従って、高効率な薄膜太陽電池の
低コスト化を実現することができる。
【0109】また、1実施の形態では、上記3角柱の断
面である3角形は、2等辺3角形であり、その2等辺3
角形の頂角が30度以下であるので、太陽が真上になく
ても、第2の反射面によってより効果的に集光すること
ができる。従って、上記薄膜太陽電池の光電変換層に照
射される光量がより増大して、発電効率をより高くする
ことができる。
【0110】また、1実施の形態によれば、上記傾き調
整手段は、上記複数の3角柱を回転させて上記第2の反
射面群の傾きを調整するから、上記第2の反射面群の傾
きを簡単に調整できる。
【0111】また、1実施の形態では、上記傾き調整手
段は、上記複数の3角柱を回転可能に支持する固定支持
体と、上記複数の3角柱を回転可能に支持すると共に上
記固定支持体に対して平行移動する可動支持体を備える
ので、上記複数の3角柱を回転可能に支持する固定支持
体に対して、上記複数の3角柱を回転可能に支持する可
動支持体を平行移動させるだけで、上記複数の3角柱の
傾きを調整して、第2の反射面群の傾きを簡単に調整す
ることができる。また、上記傾き調整手段は、上記固定
支持体と可動支持体とで構成しているので、簡略な機構
で、かつ、安価に製作できる。従って、高効率で、か
つ、低コストな薄膜太陽電池を実現することができる。
【0112】また、1実施の形態では、上記集光反射素
子と上記薄膜太陽電池素子との間に、蛍光特性を有する
透明基板を設置しているので、上記集光反射素子の第2
の反射面群によって集光されて光透過孔を通った光は、
蛍光特性を有する透明基板に入射して、この蛍光特性を
有する透明基板によって、光電変換に利用できない波長
域の光が光電変換に利用できる波長域の光に変換され
て、ランダムに放射、散乱されて、上記集光反射素子の
上記第1の反射面群と、上記薄膜太陽電池素子との間で
多重反射される。従って、上記集光反射素子の第2の反
射面群により集光されて光透過孔を一度通った光を第1
の反射面群で逃がさないようにして有効に利用する点
と、蛍光特性を有する透明基板によって光電変換に利用
できない波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光
に変換される点と、光が薄膜太陽電池素子と第1の反射
面との間で多重反射されて光電変換層に照射される点
と、多重反射及び蛍光特性を有する透明基板により光電
変換に利用できない波長域の光が光電変換に利用できる
波長域の光になって光電変換層に照射される点との相乗
効果によって、上記光電変換層に照射される光電変換に
寄与する波長域の光の光量を著しく増大して、発電効率
を極めて高くすることができる。
【0113】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子の基板が蛍光特性を有する透明基板であるので、
光透過孔群から入射した光と、上記蛍光特性を有する透
明基板によって光電変換に利用できない波長域の光から
光電変換に利用できる波長域の光に変換された光とを、
薄膜太陽電池素子と集光反射素子の第1の反射面群との
間で多重反射して、光電変換層に照射される光電変換に
寄与する波長域の光の光量を増大でき、従って、発電効
率を高くすることができる。
【0114】また、1実施の形態によれば、上記薄膜太
陽電池素子に上記集光反射素子をスペーサーを介して機
械的に固定しているので、上記薄膜太陽電池素子に上記
集光反射素子を簡単に取り付けることができる。また、
従来の薄膜太陽電池に対して、簡単に上記集光反射素子
を取り付けて、上記実施の形態の薄膜太陽電池を構成す
ることができて、従来の薄膜太陽電池の発電効率を容易
に改善することが可能となる。また、上記薄膜太陽電池
素子と上記集光反射素子とを簡単に分離して、それらの
交換等をすることができる。
【0115】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光
反射素子とをスペーサを介して機械的に固定しているの
で、それらを簡単に固定でき、また、それらを簡単に分
解して、交換等をすることができる。また、従来の薄膜
太陽電池に対して、簡単に上記蛍光特性を有する透明基
板及び上記集光反射素子を取り付けて、上記実施の形態
の薄膜太陽電池を簡単に構成することができて、従来の
薄膜太陽電池の発電効率を容易に改善することが可能と
なる。
【0116】また、1実施の形態では、上記薄膜太陽電
池素子の反射層と入射面との間に光電変換層が位置する
ので、上記薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射素子の
第1の反射面との間に光電変換層及び蛍光層を挟んで、
薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射素子の第1の反射
面との間で、光が多重反射される。従って、上記光電変
換層に照射される光電変換に寄与する波長域の光の光量
を著しく増大して、発電効率を極めて高くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の断面
図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図3】 本発明の薄膜太陽電池の集光作用を説明する
断面図である。
【図4】 本発明の薄膜太陽電池の集光作用を説明する
断面図である。
【図5】 本発明の薄膜太陽電池の集光作用を説明する
断面図である。
【図6】 本発明の薄膜太陽電池の集光作用を説明する
断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の薄膜太陽電池の断面
図である。
【図8】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反射
素子の製造方法を説明する図である。
【図9】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反射
素子の製造方法を説明する図である。
【図10】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反
射素子の製造方法を説明する図である。
【図11】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図12】 本発明の実施例2の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図13】 本発明の実施例3の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図14】 本発明の実施例4の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図15】 本発明の実施例5の薄膜太陽電池の断面図
である。
【図16】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【図17】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【図18】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【符号の説明】
1 支持体を兼ねた基板 2,28 電極金属層 3,4,5 多結晶Si半導体層 6,24 集電電極 9 光透過孔群 10 第1の反射面群 12 第2の反射面群 14 3角柱 15 固定支持体 16 可動支持体 17 第1の受け孔 18 第2の受け孔 19 連結棒 22 透明基板 25,26,27 非晶質Si半導体層 29 樹脂製スペーサ 30 固定金具 31,32 蛍光ガラス基板 100,300,400 薄膜太陽電池素子 200 集光反射素子 250 傾き調整手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換層を有する薄膜太陽電池素子
    と、 この薄膜太陽電池素子の光入射面に対向する第1の反射
    面群、上記複数の第1の反射面の間に存する光透過孔
    群、この光透過孔群に入射光を集光する第2の反射面
    群、及び、この第2の反射面群の傾きを調整する傾き調
    整手段を有する集光反射素子とを備えることを特徴とす
    る薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記集光反射素子の第2の反射面群が、上記第1の反射
    面群に対して傾斜した平面状の斜面群であると共に、上
    記光透過孔の両側に位置していることを特徴とする薄膜
    太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の薄膜太陽電池
    において、 上記集光反射素子の上記第1の反射面群は、複数の3角
    柱の底面に設けられた反射膜であり、上記集光反射素子
    の上記第2の反射面群は、上記複数の3角柱の両側面に
    設けられた反射膜であることを特徴とする薄膜太陽電
    池。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記3角柱の断面である3角形は、2等辺3角形であ
    り、その2等辺3角形の頂角が30度以下であることを
    特徴とする薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の薄膜太陽電池
    において、 上記傾き調整手段は、上記複数の3角柱を回転させて上
    記第2の反射面群の傾きを調整することを特徴とする薄
    膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記傾き調整手段は、上記複数の3角柱を回転可能に支
    持する固定支持体と、上記複数の3角柱を回転可能に支
    持すると共に上記固定支持体に対して平行移動する可動
    支持体を備えることを特徴とする薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    薄膜太陽電池において、 上記集光反射素子と上記薄膜太陽電池素子との間に、蛍
    光特性を有する透明基板が設置されていることを特徴と
    する薄膜太陽電池。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    薄膜太陽電池において、 上記薄膜太陽電池素子の基板が蛍光特性を有する透明基
    板であることを特徴とする薄膜太陽電池。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6及び8のいずれか1つに
    記載の薄膜太陽電池において、 上記薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とが、スペー
    サーを介して機械的に固定されていることを特徴とする
    薄膜太陽電池。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子と上記蛍光特性を有する透明基板
    と上記集光反射素子とが、スペーサーを介して機械的に
    固定されていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1つに記
    載の薄膜太陽電池において、 上記薄膜太陽電池素子は、上記光電変換層に関して、上
    記光入射面と反対側に位置する反射層を備えることを特
    徴とする薄膜太陽電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004111742A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Sharp Corp 太陽電池
JP2004111453A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Sharp Corp 太陽電池
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KR20220065322A (ko) * 2020-11-13 2022-05-20 한국광기술원 구멍을 포함하는 태양전지 모듈 및 그를 제조하는 방법

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