JP2003101059A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JP2003101059A
JP2003101059A JP2001296409A JP2001296409A JP2003101059A JP 2003101059 A JP2003101059 A JP 2003101059A JP 2001296409 A JP2001296409 A JP 2001296409A JP 2001296409 A JP2001296409 A JP 2001296409A JP 2003101059 A JP2003101059 A JP 2003101059A
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film solar
thin
thin film
light
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JP2001296409A
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Junji Hirokane
順司 広兼
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面反射光があっても、光電変換層に入射さ
れる光量を減少させないようにして、発電効率を高くす
ることができる薄膜太陽電池を提供することにある。 【解決手段】 集光反射素子200のシリンドリカル状
集光レンズ群10により集光されて、反射層12の直線
状スリット群11から薄膜太陽電池素子100に入射す
る。この入射した光が、集光反射素子200の反射層1
2と薄膜太陽電池素子100との間で多重反射される。
従って、薄膜太陽電池素子100の光電変換層に照射さ
れる光量が増大して、発電効率が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜太陽電池は、図18に示すよ
うに、pn接合による光電変換を行う薄膜多結晶Si太
陽電池や、図19に示すように、pin接合による光電
変換を行う非晶質Si太陽電池がある。
【0003】図18に示す薄膜多結晶Si太陽電池は、
支持体を兼ねた基板181上に、光反射効果を有する電
極金属層182、一つの伝導型の不純物を高濃度にドー
ピングした多結晶Si薄膜半導体層183、この多結晶
Si薄膜半導体層183と同じ型の不純物をわずかにド
ーピングした多結晶Si薄膜半導体層184、上記多結
晶Si薄膜半導体層183,184と反対の伝導型の不
純物を高濃度にドーピングした多結晶Si薄膜半導体層
185、電流を取り出すための集電電極186、及び、
効率的に光を取り込むための反射防止層187を積層し
て構成されている。上記不純物を高濃度にドーピングし
た多結晶Si薄膜半導体層183は、電極金属層182
と多結晶Si薄膜半導体層184との電気的接続を良好
にする役目をする。
【0004】また、図19に示す非晶質Si太陽電池
は、支持体を兼ねた基板191上に、光反射効果を有す
る電極金属層192、非晶質半導体からなりn型不純物
がドーピングされたn層193、非晶質半導体からなり
真性半導体であるi層194、非晶質半導体からなりp
型不純物がドーピングされたp層195、電流を取り出
すための集電電極196、及び、効率的に光を取り込む
ための反射防止層197を積層して構成されている。
【0005】また、発電効率を上げるため、図18に示
す多結晶半導体で構成したpn接合と、図19に示す非
晶質半導体で構成したpin接合とを積層したタンデム
構造薄膜太陽電池が提案されている。
【0006】これらの薄膜太陽電池以外に、図20に示
すように、基板側から光を入射させる薄膜太陽電池が提
案されている。この薄膜太陽電池は、透明基板201上
に、効率的に光を取り込むための反射防止層202、電
流を取り出すための集電電極203、非晶質半導体から
なりp型不純物がドーピングされたp層204、非晶質
半導体からなり真性半導体であるi層205、非晶質半
導体からなりn型不純物がドーピングされたn層20
6、及び、光反射効果を有する電極金属層207を積層
して構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図18、図19及び図
20に示す薄膜太陽電池においては、表面反射を極力抑
えることを目的として、光入射面側に反射防止層18
7,197,202を設けているが、表面反射を完全に
零とすることは困難である。また、上記反射防止層18
7,197,202は、一般に、波長依存性を有してお
り、設計波長中心から光波長がずれることにより、表面
反射が増大してしまうという問題がある。比較的広い波
長の光を光電変換に利用するタンデム構造薄膜太陽電池
においては、その悪影響は、さらに大きなものとなる。
また、電流を取り出すため、光入射側に設けられた集電
電極186,196,203は、確実に発電効率の低下
をもたらすこととなる。
【0008】さらに、光を吸収して電荷を発生させ、発
電を行う多結晶Si半導体層184、非晶質半導体i層
194,205は、入射した光を吸収するために十分な
膜厚が必要であるが、あまり厚くなると、電荷の走行距
離が増大して、外部に取り出すことのできる電流が減少
する。また、これらの半導体層184,194,205
の膜厚増加は、製造時間の増加、及び、材料使用量の増
加につながり、コスト低減が困難となる。
【0009】そこで、本発明の課題は、表面反射光があ
っても、光電変換層に入射される光量を減少させないよ
うにして、発電効率を高くすることができる薄膜太陽電
池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の薄膜太陽電池は、光電変換層を有する薄膜
太陽電池素子と、透明基板の一方の面に、光透過孔群を
有する反射層を設ける一方、上記透明基板の他方の面
に、上記光透過孔群に入射光を集光する曲面群を形成し
てなる集光反射素子とを備え、上記薄膜太陽電池素子の
光入射面に、上記集光反射素子の反射層側が対向させら
れて、上記薄膜太陽電池素子に集光反射素子が取り付け
られていることを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、入射光は、上記集光反
射素子の透明基板の上記他方の面である曲面群によっ
て、上記透明基板の上記一方の面に設けた反射層の光透
過孔群に集光される。そして、上記光透過孔からの光
は、上記薄膜太陽電池素子に入射して、上記薄膜太陽電
池素子の光電変換層と上記集光反射素子の反射層との間
で多重反射される。従って、上記透明基板の他方の面で
ある曲面群により入射光を集光して光透過孔を通過させ
て光透過孔を通った光を逃がさないで有効に利用する点
と、光が集光反射素子の反射層と薄膜太陽電池素子との
間で多重反射されて、光電変換層に照射される点との相
乗効果によって、上記光電変換層に照射される光の光量
が著しく増大して、発電効率が極めて高くなる。
【0012】1実施の形態では、上記集光反射素子の上
記曲面群が、上記透明基板に一体に成形されている。
【0013】上記実施の形態では、上記集光反射素子の
上記曲面群が、上記透明基板に一体に成形されているの
で、射出成形やモールド成形といった簡便な方法で、光
を集光するための曲面群を有する透明基板を形成するこ
とができ、薄膜太陽電池の低コスト化を実現することが
できる。
【0014】1実施の形態では、上記集光反射素子の上
記曲面群が、シリンドリカル状集光レンズ群の表面であ
り、上記光透過孔群が直線状スリットである。
【0015】上記実施の形態では、上記シリンドリカル
状集光レンズによって、入射光が、効率良く、上記直線
状スリットに集光される。従って、発電効率を高くする
ことができる。
【0016】1実施の形態では、上記集光反射素子と上
記薄膜太陽電池素子との間に、蛍光特性を有する透明基
板が設置されている。
【0017】上記実施の形態によれば、上記集光反射素
子の曲面群によって集光されて反射層の光透過孔を通っ
た光は、蛍光特性を有する透明基板に入射して、この蛍
光特性を有する透明基板によって、光電変換に利用でき
る波長域の光に変換されて、ランダムに放射、散乱され
る。この蛍光特性を有する透明基板により放射、散乱さ
れて光電変換に利用できる波長域の光に変換された光
は、上記集光反射素子の反射層と、上記薄膜太陽電池素
子の光電変換層との間で多重反射される。従って、上記
集光反射素子の曲面群により集光されて光透過孔を一度
通った光を反射層で逃がさないで有効に利用する点と、
蛍光特性を有する透明基板によって光電変換に利用でき
ない波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光に変
換される点と、光が光電変換層と反射層との間で多重反
射されて光電変換層に照射される点と、多重反射及び蛍
光特性を有する透明基板により光電変換に利用できない
波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光になって
光電変換層に照射される点との相乗効果によって、上記
光電変換層に照射される光電変換に寄与する波長域の光
の光量が著しく増大して、発電効率が極めて高くなる。
【0018】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と上記集光反射素子とが、スペーサーを介して機械的に
固定されている。
【0019】上記実施の形態によれば、上記薄膜太陽電
池素子に上記集光反射素子をスペーサーを介して機械的
に固定しているので、上記薄膜太陽電池素子に上記集光
反射素子を簡単に取り付けることができる。また、上記
薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とを簡単に分離し
て、それらの交換等をすることができる。また、上記薄
膜太陽電池素子を上記集光反射素子で保護して、薄膜太
陽電池の信頼性を向上することができる。
【0020】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と上記蛍光特性を有する透明基板と上記集光反射素子と
が、スペーサーを介して機械的に固定されている。
【0021】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光反射
素子とをスペーサを介して機械的に固定しているので、
それらを簡単に固定でき、また、それらの簡単に分解し
て、交換等をすることができる。また、上記薄膜太陽電
池素子及び上記蛍光特性を有する透明基板を上記集光反
射素子で保護して、薄膜太陽電池の信頼性を向上するこ
とができる。
【0022】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と上記蛍光特性を有する透明基板と上記集光反射素子と
が、接着剤により固定されている。
【0023】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光反射
素子とが接着剤により固定されているので、それらを簡
単かつ強固に固定できて、耐環境性に優れた信頼性の高
い薄膜太陽電池を得ることができる。また、上記接着剤
が、透明接着剤であると、はみ出しても、見映えが悪く
なることがない。
【0024】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と上記集光反射素子とが、接着剤により固定されてい
る。
【0025】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子と上記集光反射素子とが接着剤により固定されている
ので、それらを簡単かつ強固に固定できて、耐環境性に
優れた信頼性の高い薄膜太陽電池を得ることができる。
また、上記接着剤が、透明接着剤であると、はみ出して
も、見映えが悪くなることがない。
【0026】1実施の形態では、上記接着剤が蛍光特性
を有する透明接着剤である。
【0027】上記実施の形態では、上記接着剤が蛍光特
性を有する透明接着剤であるので、上記透明接着剤が、
集光反射素子と薄膜太陽素子との連結機能を有する上
に、光電変換に利用できない波長域の光を光電変換に利
用できる波長域の光に変換して光電変換効率を高める蛍
光層としての機能を有する。
【0028】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
の基板が蛍光特性を有する透明基板である。
【0029】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子の基板が蛍光層として機能するので、光透過孔群から
入射した光と、蛍光特性を有する透明基板から放射され
る光とが薄膜太陽電池素子と集光反射素子との間で多重
反射される。従って、光電変換層に照射される光電変換
に寄与する波長域の光の光量が増大し、発電効率を高く
することができる。
【0030】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
は、上記光電変換層に関して、上記光入射面と反対側に
位置する反射層を備える。
【0031】上記実施の形態では、上記薄膜太陽電池素
子の反射層と入射面との間に光電変換層が位置すること
になるので、上記薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射
素子の反射層との間に光電変換層及び蛍光層を挟んで、
太陽電池素子の反射層と集光反射素子の反射層との間
で、光が多重反射される。従って、上記光電変換層に照
射される光電変換に寄与する波長域の光の光量が著しく
増大して、発電効率を極めて高くすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄膜太陽電池を図
面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1の薄膜太陽電池の断面斜視図を示している。
【0034】上記薄膜太陽電池は、薄膜太陽電池素子1
00と集光反射素子200とからなる。
【0035】上記薄膜太陽電池素子100は、支持体を
兼ねた基板1上に、光反射効果を有する反射層としての
電極金属層2と、一つの伝導型の不純物を高濃度にドー
ピングした多結晶Si薄膜半導体層3と、この多結晶S
i薄膜半導体層3と同じ型の不純物をわずかにドーピン
グした多結晶Si薄膜半導体層4と、上記多結晶Si薄
膜半導体層3,4と反対の伝導型の不純物を高濃度にド
ーピングした多結晶Si薄膜半導体層5と、電流を取り
出すための集電電極6と、効率的に光を取り込むための
反射防止層7とを順次積層してなる。上記多結晶Si薄
膜半導体層3,4,5は光電変換層の一例を構成する。
なお、上記不純物を高濃度にドーピングした多結晶Si
薄膜半導体層3は、電極金属層2と多結晶Si薄膜半導
体層4との電気的接続を良好にする役目をする。
【0036】一方、上記集光反射素子200は、透明基
板9の一方の面に、光透過孔群の一例としての直線状ス
リット群11を有する反射層12を設ける一方、上記透
明基板9の他方の面を、シリンドリカル状集光レンズ群
10を形成する曲面群に形成してなる。この曲面群は、
透明基板9と一体に成形されていて、シリンドリカル状
集光レンズ群10の表面をなす。上記シリンドリカル状
集光レンズ群10は、光14を直線状スリット群11に
集光するようになっている。
【0037】上記薄膜太陽電池素子100の光入射面、
すなわち、反射防止層7の表面と、上記集光反射素子2
00の反射層12を対向させて、上記薄膜太陽電池素子
100に集光反射素子200を取り付けている。
【0038】上記構成の薄膜太陽電池に太陽光等の光が
照射されると、図1に示すように、入射光14は集光反
射素子200のシリンドリカル状集光レンズ群10によ
り、反射層12上に形成された直線状スリット群11へ
と集光されて、薄膜太陽電池素子100へと入射する。
この薄膜太陽電池素子100に入射した光は、反射防止
層7、多結晶Si薄膜半導体層5,4,3を透過し、反
射層としての電極金属層2により反射されて、再度、多
結晶Si薄膜半導体層5,4,3を通過する。これによ
り、多結晶Si薄膜半導体層5,4,3における光吸収
効率が高められている。
【0039】上記薄膜太陽電池は、反射防止層7、集電
電極6、及び、多結晶Si薄膜半導体層5の表面で反射
された光が、反射層12により反射され、再度、薄膜太
陽電池素子100に入射し、多結晶Si薄膜半導体層
5,4,3を通過する。このように、上記直線状スリッ
ト群11から入射した光が、集光反射素子200の反射
層12と薄膜太陽電池素子100との間で多重反射する
ことにより、さらに高い光吸収効率が実現される。
【0040】また、本薄膜太陽電池においては、集光反
射素子200の反射層12と薄膜太陽電池素子100の
反射層としての電極金属層2との間で多重反射が実現す
ることにより、多結晶Si薄膜半導体層4,5を薄くし
た場合においても、入射した光が十分に吸収されて、か
つ、電荷の走行距離が短くて、外部に取り出すことが可
能な電流を大きくすることができる。
【0041】(実施の形態2)図1においては、薄膜太
陽電池素子100として、図18に示すような多結晶S
i半導体層を用いた場合について説明を行っているが、
図19に示すような非晶質Si半導体層を用いた薄膜太
陽電池素子、及び、多結晶Si半導体層と非晶質Si半
導体層の両方を用いたタンデム構造の薄膜太陽電池素子
の場合においても同様な多重反射を実現して、光吸収効
率を高めることができる。
【0042】図2は、実施の形態2の薄膜太陽電池の断
面斜視図である。この実施の形態2の薄膜太陽電池は、
図1に示す実施の形態1の集光反射素子200と同じ集
光反射素子200を備え、薄膜太陽電池素子300の構
成のみが、図1に示す薄膜太陽電池素子100と異な
る。従って、図2において、図1の実施の形態1の構成
要素と同一構成要素については、図1の構成要素と同じ
参照番号を付して詳しい説明は省略する。
【0043】上記薄膜太陽電池素子300は、透明基板
15上に、効率的に光を取り込むための反射防止層1
6、電流を取り出すための集電電極17、非晶質半導体
からなりp型不純物がドーピングされたp層18、非晶
質半導体からなり真性半導体であるi層19、非晶質半
導体からなりn型不純物がドーピングされたn層20、
及び、光反射効果を有する反射層としての電極金属層2
1を順次積層して構成している。上記p層18、i層1
9、n層20は、光電変換層の一例を構成する。
【0044】図2に示すように、上記集光反射素子20
0と薄膜太陽電池素子300とを配置することにより、
図1の場合と同様に、反射防止層16、集電電極17、
非晶質Si薄膜半導体層18、及び、電極金属層21の
表面で反射された光が、集光反射素子200の反射層1
2により反射されて、再度、薄膜太陽電池素子300に
入射し、非晶質Si薄膜半導体層18,19,20に入
射する。このように、直線状スリット群11から入射し
た光が、集光反射素子200の反射層12と薄膜太陽電
池素子300の反射層としての電極金属層21との間で
多重反射することにより、さらに高い光吸収効率が実現
される。
【0045】
【実施例1】図3から図5に示すプロセスに従って、図
1に示す本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の反射集
光素子200を作成した。
【0046】まず、図3に示すように、光を集光するた
めの曲面群を形成するシリンドリカル状集光レンズ群1
0に対応した表面形状23を有する第1金型24と、平
面状に鏡面研磨された第2金型25とを平行に配置し、
ポリカーボネート樹脂の射出成形を行い、図4に示すよ
うに、透明基板9の一方の面を、シリンドリカル状集光
レンズ群10によって形成される光を集光するための曲
面群とし、上記透明基板9の他方の面を平面26とする
ことができる。次に、図5に示すように、上記透明基板
9の平面26に対して、光透過孔群の一例としての直線
状スリット群11に対応する位置に金属マスクを配置し
た状態で膜厚100nmのAl0.95Ti0.05から
なる反射層12をスパッタリングにより形成する。これ
により、上記透明基板9の一方の面に、光を集光するた
めの曲面群(シリンドリカル状集光レンズ群10の表
面)を有し、かつ、上記透明基板9の他方の面に、光透
過孔群である直線状スリット群11を有する反射層12
を有する集光反射素子200が製作される。
【0047】本実施例1においては、透明基板9の材料
として射出成形したポリカーボネート樹脂を用いたが、
光が透過可能であれば良く、これに限られるものではな
い。例えば、透明基板として,モールド成形したガラス
基板等を用いることにより、耐候性に優れた薄膜太陽電
池を得ることができる。
【0048】また、上記反射層12としてAlTiスパ
ッタ膜を用いたが、反射率の高い金属膜であれば良く、
AlTi以外に、Al、Ag、Au、Ti等の金属膜、
及び、それらの金属で構成される合金膜を用いることが
できる。また、上記反射膜12の膜厚は、光がほぼ完全
に反射される40nm以上であることが望ましい。しか
し、上記反射膜12の膜厚が厚くなり過ぎると、成膜時
間の増加や材料コストの増加を招くため、150nm以
下であることが望ましい。
【0049】また、上記金属マスクを用いたスパッタリ
ングにより、直線状スリット11を形成したが、反射膜
を形成した後、フォトプロセスやスクリーン印刷技術を
用いて樹脂パターンを形成し、エッチング等の剥離プロ
セスとにより、直線状スリット11を形成しても良い。
【0050】一方、図1に示す薄膜太陽電池素子100
は、従来と同様な方法により作製した。すなわち、支持
体を兼ねたステンレス基板1上に、反射層としての役目
をする光反射効果を有する膜厚100nmのAl
0.95Ti0.05電極金属層2をスパッタリングによ
り形成した後、一つの伝導型の不純物を高濃度にドーピ
ングした多結晶Si薄膜半導体層3、多結晶Si薄膜半
導体層3と同じ型の不純物をわずかにドーピングした多
結晶Si薄膜半導体層4、多結晶Si薄膜半導体層3,
4と反対の伝導型の不純物を高濃度にドーピングした多
結晶Si薄膜半導体層5をプラズマCVD(化学的気相
成長)装置により順次形成した。上記不純物を高濃度に
ドーピングした多結晶Si薄膜半導体層3は、電極金属
層2と多結晶Si薄膜半導体層4との電気的接続を良好
にするために設けられたものである。
【0051】より詳しくは、上記多結晶Si薄膜半導体
層3は、基板温度250℃の条件で、SiHガス、H
ガス、PHガスの混合比を最適化した混合ガスをC
VD装置に導入し、ガス圧20Paとして、100Wの
高周波電力を投入することにより形成した。こうして、
上記電極金属層2上に、Pが高濃度にドープされた膜厚
30nmの多結晶Si薄膜半導体膜3を堆積した。
【0052】次に、上記多結晶Si薄膜半導体層4は、
基板温度550℃の条件で、SiH ガス、Hガス、
PHガスの混合比を最適化した混合ガスをCVD装置
に導入し、ガス圧50Paとして、350Wの高周波電
力を投入することにより形成した。こうして、上記多結
晶Si薄膜半導体層3上に、Pがわずかにドーピングさ
れた膜厚150nmのn型の多結晶Si薄膜半導体層4
を堆積した。
【0053】上記多結晶Si薄膜半導体層4は、光を吸
収し、電荷を発生させ、発電を行う層であり、十分に光
を吸収させるため、通常その厚さを1000nm以上5
0000nm以下に設定されるが、本実施例1において
は、直線状スリット11から入射光が多重反射するた
め、多結晶Si薄膜半導体層4を薄くすることが可能で
あり、その膜厚を100nm以上2000nm以下にす
るのが望ましい。
【0054】次に、上記多結晶Si薄膜半導体層5は、
基板温度350℃の条件で、SiH ガス、Hガス、
BFガスの混合比を最適化した混合ガスをCVD装置
に導入し、ガス圧50Paとして、100Wの高周波電
力を投入することにより形成した。こうして、上記多結
晶Si薄膜半導体層4上に、Bがドーピングされた膜厚
15nmのp型の多結晶Si薄膜半導体膜5を堆積し
た。上記多結晶Si薄膜半導体層4,5は、pn接合を
形成する。
【0055】次に、このように多結晶Siのpn接合を
形成した基板1をスパッタリング装置に取り付け、遮蔽
マスクを基板1上の多結晶Si薄膜半導体層5表面に装
着した状態で、AlTi合金ターゲットを用いて膜厚1
00nmのAl0.95Ti 0.05からなる幅0.1m
m、間隔5mmのくし型集電電極6を形成した。
【0056】次に、Inターゲットを用い、酸素
雰囲気中で反応性スパッタリングを行うことにより、上
記多結晶Si薄膜半導体層5及びくし型集電電極6上
に、膜厚65nmの反射防止層7を形成した。
【0057】以上のようにして作製した集光反射素子2
00と薄膜太陽電池素子100とを、図6に示すよう
に、弾性を有する樹脂製スペーサー27を介して、固定
金具28により機械的に固定し、実施例1の薄膜太陽電
池を完成した。
【0058】また、上記薄膜太陽電池素子100の多結
晶Si薄膜半導体膜4の膜厚を従来の薄膜太陽電池と同
じ10000nmとした薄膜太陽電池素子を作製し、こ
の薄膜太陽電池素子に、集光反射素子を取り付けていな
い状態のものを比較例1の太陽電池とした。
【0059】上記実施例1の薄膜太陽電池と比較例1の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例1の薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太
陽電池に比べて、開放電圧が5%程度小さく、短絡電流
が75%程度大きくなっていることが確認された。従っ
て、実施例1の薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電
池に比べて、光電変換効率が66%程度高くなっている
ことが分った。
【0060】本実施例1においては、光電変換層として
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を用いたが、非晶質
Si半導体からなるpin接合を光電変換層として用い
ることも可能である。また、多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層が一組のみ形成された薄
膜太陽電池について記載しているが、本実施例1におい
ては、多重反射により光の利用効率が改善されており、
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を薄くすることが可
能である。従って、これらの多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層を複数組積み重ねてタン
デム構造とすることにより、また、非晶質Si半導体層
によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接合
とを複数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、
さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0061】
【実施例2】図7に示すように、実施例1において作製
した集光反射素子200と、粒径5μmのYS:
Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20体積%含有し
た板厚1mmの蛍光ガラス基板29と、実施例1におい
て作製した薄膜太陽電池素子100とを、弾性を有する
樹脂製スペーサー27,27を介して、固定金具28に
より機械的に固定し、実施例2の薄膜太陽電池を完成し
た。
【0062】従来より、薄膜太陽電池素子の光入射面に
蛍光特性を有する基板または膜を配置し、光電変換に利
用されない波長400nm近傍の光を、光電変換に利用
される波長600nm近傍の光に変換し、発電効率の改
善を実現することが提案されているが、入射光が蛍光特
性を有する基板または膜により散乱されて、薄膜太陽電
池素子への入射光量が低下して、大幅な光電変換効率の
改善が実現しないと言う問題があった。さらに、蛍光特
性を有する基板または膜から放出される波長600nm
近傍の光の放射方向がランダムであるため、蛍光特性を
有する基板または膜から放出される波長600nm近傍
の光の半分は、薄膜太陽電池素子と反対方向へと放射さ
れ、光電変換に寄与しないといった問題があった。
【0063】そこで、図7に示すように、上記蛍光ガラ
ス基板29を、上記集光反射素子200と薄膜太陽電池
素子100との間に設けることにより、蛍光ガラス基板
29内の蛍光性粒子により散乱された光、及び、蛍光性
粒子から放出された光は、集光反射素子200の反射層
12と、薄膜太陽電池素子100との間で多重反射され
て、入射した光と蛍光性粒子から放出された光のほとん
どが薄膜太陽電池素子100へと入射し、薄膜太陽電池
の光電変換効率を高めることが可能となる。
【0064】上記実施例2の薄膜太陽電池と上記比較例
1の薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーター
で100mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定
したところ、実施例2の薄膜太陽電池は、比較例1の薄
膜太陽電池に比べて、開放電圧が5%程度大きく、短絡
電流が80%程度大きくなっていることが確認された。
従って、実施例1の薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太
陽電池に比べて、光電変換効率が89%程度高くなって
いることが分った。
【0065】本実施例2においては、光電変換層として
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を用いたが、非晶質
Si半導体層からなるpin接合を光電変換層として用
いることも可能である。また、多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層が一組のみ形成された薄
膜太陽電池について記載しているが、本実施例2におい
ては、多重反射により光の利用効率が改善されており、
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を薄くすることが可
能である。従って、これらの多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層を複数組積み重ねてタン
デム構造とすることにより、また、非晶質Si半導体層
によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接合
とを複数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、
さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0066】また、本実施例2においては、蛍光粒子と
して粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光
性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではない。
【0067】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0068】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0069】
【実施例3】図8に実施例3の薄膜太陽電池の断面図を
示す。
【0070】実施例3においては、実施例1において作
製した薄膜太陽電池素子100と、反射集光素子200
とを、アクリル系透明接着剤30により張り合わせた構
成となっている。ここで、アクリル系透明接着剤30の
厚さを0.1mmとした。このような構成とすることに
より、耐環境性を改善することができる。
【0071】実施例1及び実施例3の薄膜太陽電池に対
して、80℃、相対湿度80%で2ヶ月の環境試験を行
ったところ、実施例1の薄膜太陽電池においては、樹脂
製スペーサー27の部分から、高湿度の大気が、集光反
射素子200と薄膜太陽電池素子100との間に進入
し、薄膜太陽電池素子100の腐食が始まり、発電効率
が20%低下した。これに対して、アクリル系透明接着
剤30により張り合わせた実施例3の薄膜太陽電池は、
外観上の変化も発電効率の低下も起こらず、耐環境性に
優れていることを確認した。
【0072】
【実施例4】図9に実施例4の薄膜太陽電池の断面図を
示す。
【0073】実施例4においては、実施例2において使
用した薄膜太陽電池素子100と、板厚1mmの蛍光ガ
ラス基板29と、反射集光素子200とを、アクリル系
透明接着剤30,30により張り合わせた構成となって
いる。ここで、アクリル系透明接着剤30の厚さを0.
1mmとした。このような構成とすることにより、耐環
境性を改善することができる。
【0074】実施例2及び実施例4の薄膜太陽電池に対
して、80℃、相対湿度80%で2ヶ月の環境試験を行
ったところ、実施例2の薄膜太陽電池においては、樹脂
製スペーサー27の部分から、高湿度の大気が、集光反
射素子200と蛍光ガラス基板29と薄膜太陽電池素子
100との間に進入し、薄膜太陽電池素子の腐食が始ま
り、発電効率が25%低下した。これに対して、アクリ
ル系透明接着剤30により張り合わせた実施例4の薄膜
太陽電池は、外観上の変化も発電効率の低下も起こら
ず、耐環境性に優れていることを確認した。
【0075】
【実施例5】図10に実施例5の薄膜太陽電池の断面図
を示す。
【0076】実施例5においては、実施例1において作
製した薄膜太陽電池素子100と、反射集光素子200
とを、粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄
光性蛍光粒子を20体積%含有した蛍光性アクリル系透
明接着剤31により張り合わせた構成となっている。こ
こで、蛍光性アクリル系透明接着剤31の厚さを0.5
mmとした。実施例5の構成においても、蛍光粒子を含
有した蛍光性アクリル系透明接着剤31が、実施例2及
び実施例4において示した蛍光ガラス基板29と同様
に、光電変換に利用されない波長400nm近傍の光
を、光電変換に利用される波長600nm近傍の光に変
換して、発電効率の改善が実現する。
【0077】上記実施例5の薄膜太陽電池と比較例1の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例5の薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太
陽電池に比べて、開放電圧が5%程度小さく、短絡電流
が75%程度大きくなっていることが確認された。従っ
て、実施例5の薄膜太陽電池は、比較例1の薄膜太陽電
池に比べて、光電変換効率が66%程度高くなっている
ことが分った。
【0078】本実施例5においては、光電変換層として
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を用いたが、非晶質
Si半導体からなるpin接合を光電変換層として用い
ることも可能である。また、多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層が一組のみ形成された薄
膜太陽電池について記載しているが、本実施例5におい
ては、多重反射により光の利用効率が改善されており、
多結晶Si薄膜半導体層3,4,5を薄くすることが可
能である。従って、これらの多結晶Si薄膜半導体層
3,4,5からなる光電変換層を複数組積み重ねてタン
デム構造とすることにより、また、非晶質Si半導体層
によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接合
とを複数組積み重ねたタンデム構造とすることにより、
さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0079】
【実施例6】図11に実施例6の薄膜太陽電池の断面図
を示す。
【0080】本実施例6は、図2に示す実施の形態2の
薄膜太陽電池に係る実施例である。図11における集光
反射素子200と薄膜太陽電池素子300は、図2に示
す実施の形態2の集光反射素子200と薄膜太陽電池素
子300と同じ構成を有する。
【0081】上記薄膜太陽電池素子300は、図2に示
すように、ガラス基板15上に、膜厚30nmのSnO
透明導電層16を反応性スパッタリングにより形成し
た後、基板15をスパッタリング装置に取り付け、遮蔽
マスクを基板15の上のSnO透明導電層16の表面
に装着した状態で、AlTi合金ターゲットを用いて膜
厚100nmのAl0.95Ti0.05からなる幅0.
1mm、間隔5mmのくし型集電電極17を形成した。
【0082】次に、p型不純物ドープ半導体層であるp
層18、真性半導体であるi層19、n型不純物ドープ
層であるn層20がこの順に積層された光電変換層をプ
ラズマCVD装置による気相成長法で形成した。この各
半導体層18,19,20は、それぞれ、SiHガス
・Hガス・CHガス・Bガスの混合ガスを用
いて気相成長した膜厚15nmのa−SiC:Hのp層
18、SiHガス・Hガスの混合ガスを用いて気相
成長した膜厚100nmのa−Si:Hのi層19、及
び、SiHガス・Hガス・PHガスの混合ガスを
用いて気相成長した膜厚15nmのa−Si:Hのn層
20である。上記光電変換層18,19,20を形成し
た後、膜厚100nmのAlからなる光反射効果を有す
る反射層としての電極金属層21をスパッタリングによ
り形成した。
【0083】上記集光反射素子200と薄膜太陽電池素
子300とを、図11に示すように、弾性を有する樹脂
製スペーサー27を介して、固定金具28により機械的
に固定し、実施例6の薄膜太陽電池を完成した。
【0084】また、本実施例6と比較のため、上記薄膜
太陽電池素子300のみの薄膜太陽電池であり(図2を
援用する。)、SnO透明導電層16の膜厚を100
nmとし、i層19の膜厚を300nmとした従来の構
成の薄膜太陽電池300を比較例2として作製した。こ
こで、SnO透明導電層16の膜厚を100nmとし
た理由は、透明導電層16による反射防止効果により、
従来の薄膜太陽電池における光電変換効率を最大とする
ためである。
【0085】上記実施例6の薄膜太陽電池と比較例2の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例6の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太
陽電池に比べて、開放電圧が10%程度大きく、短絡電
流が50%程度大きくなっていることが確認された。従
って、実施例6の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽
電池に比べて、光電変換効率が65%程度高くなってい
ることが分った。
【0086】本実施例6においては、光電変換層として
非晶質Si薄膜半導体層18,19,20を用いたが、
多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層として
用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半導体
層18,19,20からなる光電変換層が一組のみ形成
された薄膜太陽電池について記載しているが、本実施例
6においては、多重反射により光の利用効率が改善され
ており、非晶質Si薄膜半導体層18、19、20を薄
くすることが可能である。従って、これらの非晶質Si
薄膜半導体層18、19、20からなる光電変換層を複
数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、また、
非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶Si半導
体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデム構造
とすることにより、さらに開放電圧を向上させることが
可能である。
【0087】
【実施例7】図12に示すように、実施例6において使
用した集光反射素子200と、粒径5μmのY
S:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20体積%
含有した板厚1mmの蛍光ガラス基板29と、薄膜太陽
電池素子300とを、弾性を有する樹脂製スペーサー2
7,27を介して、固定金具28により機械的に固定
し、実施例7の薄膜太陽電池を完成した。
【0088】実施例7においては、実施例2の場合と同
様に、蛍光ガラス基板29を、集光反射素子200と薄
膜太陽電池素子300との間に設けることにより、蛍光
ガラス基板29内の蛍光性粒子により散乱された光、及
び、蛍光性粒子から放出された光は、集光反射素子20
0の反射層12と、薄膜太陽電池素子300との間で多
重反射されて、入射した光と蛍光性粒子から放出された
光のほとんどが薄膜太陽電池素子300へと入射し、薄
膜太陽電池の光電変換効率を高めることができる。
【0089】上記実施例7の薄膜太陽電池と比較例2の
薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで1
00mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定した
ところ、実施例7の薄膜太陽電池は、比較例2のの薄膜
太陽電池に比べて、開放電圧が2%程度大きく、短絡電
流が75%程度大きくなっていることが確認された。従
って、実施例7の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜太陽
電池に比べて、光電変換効率が79%程度高くなってい
ることが分った。
【0090】本実施例7においては、光電変換層として
非晶質Si薄膜半導体層18,19,20を用いたが、
多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層として
用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半導体
層18,19,20からなる光電変換層が一組のみ形成
された薄膜太陽電池について記載しているが、本実施例
7においては、多重反射により光の利用効率が改善され
ており、非晶質Si薄膜半導体層18,19,20を薄
くすることが可能である。従って、これらの非晶質Si
薄膜半導体層18,19,20からなる光電変換層を複
数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、また、
非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶Si半導
体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデム構造
とすることにより、さらに開放電圧を向上させることが
可能である。
【0091】また、本実施例7においては、蛍光粒子と
して粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光
性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではない。
【0092】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0093】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0094】
【実施例8】図13に実施例8の薄膜太陽電池の断面図
を示す。
【0095】実施例8においては、実施例6において使
用した薄膜太陽電池素子300と、反射集光素子200
とを、アクリル系透明接着剤30により張り合わせた構
成となっている。ここで、アクリル系透明接着剤30の
厚さを0.1mmとした。このような構成とすることに
より、耐環境性を改善することができる。
【0096】実施例6及び実施例8の薄膜太陽電池に対
して、80℃、相対湿度80%で2ヶ月の環境試験を行
ったところ、実施例6の薄膜太陽電池においては、樹脂
製スペーサー27の部分から、高湿度の大気が、集光反
射素子200と薄膜太陽電池素子300との間に進入
し、反射層12の反射率低下を伴う腐食、及び、透明ガ
ラス基板15の表面変質が発生し、発電効率が8%低下
した。これに対して、アクリル系透明接着剤30により
張り合わせた実施例8の薄膜太陽電池は、外観上の変化
も発電効率の低下も起こらず、耐環境性に優れているこ
とを確認した。
【0097】
【実施例9】図14に実施例9の薄膜太陽電池の断面図
を示す。
【0098】実施例9においては、実施例7において使
用した薄膜太陽電池素子300と、板厚1mmの蛍光ガ
ラス基板29と、反射集光素子200とを、アクリル系
透明接着剤30により張り合わせた構成となっている。
ここで、アクリル系透明接着剤30の厚さを0.1mm
とした。このような構成とすることにより、耐環境性を
改善することができる。
【0099】実施例7及び実施例9の薄膜太陽電池に対
して、80℃、相対湿度80%で2ヶ月の環境試験を行
ったところ、実施例7の薄膜太陽電池においては、樹脂
製スペーサー27の部分から、高湿度の大気が、集光反
射素子200と蛍光ガラス基板29と薄膜太陽電池素子
300との間に進入し、反射層12の反射率低下を伴う
腐食、及び、透明ガラス基板15の表面変質が発生し、
発電効率が6%低下した。これに対して、アクリル系透
明接着剤30により張り合わせた実施例9の薄膜太陽電
池は、外観上の変化も発電効率の低下も起こらず、耐環
境性に優れていることを確認した。
【0100】
【実施例10】図15に実施例10の薄膜太陽電池の断
面図を示す。
【0101】実施例10においては、図11に示した実
施例6において使用した薄膜太陽電池素子300と、反
射集光素子200とを、粒径5μmのYS:E
u,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を20体積%含有した
蛍光性アクリル系透明接着剤31により張り合わせた構
成となっている。ここで、アクリル系透明接着剤31の
厚さを0.5mmとした。実施例10の構成において
も、蛍光粒子を含有した蛍光性アクリル系透明接着剤3
1が、図12の実施例7及び図14の実施例9において
示した蛍光ガラス基板29と同様に、光電変換に利用さ
れない波長400nm近傍の光を、光電変換に利用され
る波長600nm近傍の光に変換し、発電効率の改善が
実現する。
【0102】上記実施例10の薄膜太陽電池と比較例2
の薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで
100mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定し
たところ、実施例10の薄膜太陽電池は、比較例2の薄
膜太陽電池に比べて、開放電圧が5%程度小さく、短絡
電流が70%程度大きくなっていることが確認された。
従って、実施例10の薄膜太陽電池は、比較例2の薄膜
太陽電池に比べて、光電変換効率が62%程度高くなっ
ていることが分った。
【0103】本実施例10においては、光電変換層とし
て図12に示す非晶質Si薄膜半導体層18,19,2
0を用いたが、多結晶Si半導体からなるpn接合を光
電変換層として用いることも可能である。また、非晶質
Si薄膜半導体層18,19,20からなる光電変換層
が一組のみ形成された薄膜太陽電池について記載してい
るが、本実施例10においては、多重反射により光の利
用効率が改善されており、非晶質Si薄膜半導体層1
8,19,20を薄くすることが可能である。従って、
これらの非晶質Si薄膜半導体層18,19,20から
なる光電変換層を複数組積み重ねてタンデム構造とする
ことにより、また、非晶質Si半導体層18,19,2
0によるpin接合と多結晶Si半導体層によるpn接
合とを複数組積み重ねてタンデム構造とすることによ
り、さらに開放電圧を向上させることが可能である。
【0104】
【実施例11】図16に実施例11の薄膜太陽電池の断
面図を示す。
【0105】実施例11の薄膜太陽電池は、図11に示
した実施例6の集光反射素子200と同じ集光反射素子
200を使用し、薄膜太陽電池素子400が図11の実
施例6の薄膜太陽電池素子300と異なる。実施例11
の薄膜太陽電池素子400は、図11に示した実施例6
の薄膜太陽電池素子300のガラス基板15の替わり
に、蛍光ガラス基板32を用いた構成となっている。
【0106】上記蛍光ガラス基板32としては、粒径5
μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子
を20体積%含有した板厚2mmの蛍光ガラス基板32
を用いた。
【0107】上記蛍光ガラス基板32を使用した薄膜太
陽電池素子400と上記集光反射素子200とを、図1
6に示すように、弾性を有する樹脂製スペーサー27を
介して、固定金具28により機械的に固定し、実施例1
1の薄膜太陽電池を完成した。
【0108】上記実施例11の薄膜太陽電池と比較例2
の薄膜太陽電池に対して、AM1.5シミュレーターで
100mW/cmの光を照射し、I−V特性を測定し
たところ、実施例11の薄膜太陽電池は、比較例2の薄
膜太陽電池に比べて、開放電圧が15%程度大きく、短
絡電流が65%程度大きくなっていることが確認され
た。従って、実施例11の薄膜太陽電池は、比較例2の
薄膜太陽電池に比べて、光電変換効率が90%程度高く
なっていることが分った。
【0109】本実施例11においては、光電変換層とし
て非晶質Si薄膜半導体層18,19,20を用いた
が、多結晶Si半導体からなるpn接合を光電変換層と
して用いることも可能である。また、非晶質Si薄膜半
導体層18,19,20からなる光電変換層が一組のみ
形成された薄膜太陽電池について記載しているが、本実
施例11においては、多重反射により光の利用効率が改
善されており、非晶質Si薄膜半導体層18,19,2
0を薄くすることが可能である。従って、これらの非晶
質Si薄膜半導体層18,19,20からなる光電変換
層を複数組積み重ねてタンデム構造とすることにより、
また、非晶質Si半導体層によるpin接合と多結晶S
i半導体層によるpn接合とを複数組積み重ねてタンデ
ム構造とすることにより、さらに開放電圧を向上させる
ことが可能である。
【0110】また、本実施例11においては、蛍光粒子
として粒径5μmのYS:Eu,Mg,Tiの蓄
光性蛍光粒子を用いたが、これに限られるものではな
い。
【0111】例えば、蛍光粒子として、粒径2〜20μ
mのYS:Eu,Mg,Tiの蓄光性蛍光粒子を
使用することにより、200〜450nmの波長の光を
吸収し、625nmの波長の光を放射させることが可能
である。また、Er3+イオンを含有した酸化フッ化物
系結晶化ガラスを用いることにより、800nm近傍の
波長の光を吸収し、550〜660nmの波長の光を放
射させることが可能である。
【0112】また、これら以外の蛍光材料として、酸化
ストロンチウムと酸化アルミニウムからなる化合物に希
土類元素のユウロピウム(Eu)とジスプロシウム(D
y)を添加したSrAl:Eu,Dyや、Sr
Al1425:Eu,Dyや、CaAl:E
u,Dyや、ZnS:Cu等の蛍光材料を用いることが
可能である。
【0113】
【実施例12】図17に実施例12の薄膜太陽電池の断
面図を示す。
【0114】実施例12は、実施例11に記載した集光
反射素子200と、蛍光ガラス基板32を用いた薄膜太
陽電池素子400とを、アクリル系透明接着剤30によ
り張り合わせた構成となっている。ここで、アクリル系
透明接着剤30の厚さを0.1mmとした。このような
構成とすることにより、耐環境性を改善することができ
る。
【0115】実施例11及び実施例12の薄膜太陽電池
に対して、80℃、相対湿度80%で2ヶ月の環境試験
を行ったところ、実施例11の薄膜太陽電池において
は、樹脂製スペーサー27の部分から、高湿度の大気
が、集光反射素子200と薄膜太陽電池素子300との
間に進入し、反射層12の反射率低下を伴う腐食、及
び、蛍光ガラス基板32の表面変質が発生し、発電効率
が5%低下した。これに対して、アクリル系透明接着剤
30により張り合わせた実施例12の薄膜太陽電池は、
外観上の変化も発電効率の低下も起こらず、耐環境性に
優れていることを確認した。
【0116】上記実施例では、集光反射素子200の入
射光を集光する曲面群を、シリンドリカル状集光レンズ
群の表面により形成したが、半球状集光レンズ群の表面
により上記曲面群を形成し、光透過孔群を円形ピンホー
ル群により形成してもよい。
【0117】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の薄膜
太陽電池によれば、入射光は、集光反射素子の透明基板
の曲面群によって、上記透明基板の一方の面に設けた反
射層の光透過孔に集光されて、その光透過孔からの光
は、薄膜太陽電池素子に入射して、その薄膜太陽電池素
子の光電変換層と上記集光反射素子の反射層との間で多
重反射されので、上記曲面群により入射光を集光して光
透過孔を通過させて光透過孔を通った光を逃がさないで
有効に利用する点と、光が集光反射素子の反射層と薄膜
太陽電池素子との間で多重反射されて、光電変換層に照
射される点との相乗効果によって、上記光電変換層に照
射される光の光量が著しく増大して、発電効率が極めて
高くなる。
【0118】1実施の形態では、上記集光反射素子の上
記曲面群が、上記透明基板上に一体的に成形されている
ので、射出成形やモールド成形といった簡便な方法で、
光を集光するための曲面群を有する透明基板を形成する
ことができ、薄膜太陽電池の低コスト化を実現すること
ができる。
【0119】1実施の形態では、上記集光反射素子の上
記曲面群が、シリンドリカル状集光レンズ群の表面であ
るので、り、上記光透過孔群が直線状スリットであるの
で、上記シリンドリカル状集光レンズによって、入射光
を、効率良く、上記直線状スリットに集光して、発電効
率を高くすることができる。
【0120】1実施の形態では、上記集光反射素子と上
記薄膜太陽電池素子との間に、蛍光特性を有する透明基
板が設置しているので、上記集光反射素子の曲面群によ
って集光されて反射層の光透過孔を通った光は、蛍光特
性を有する透明基板に入射して、この蛍光特性を有する
透明基板によって、光電変換に利用できる波長域の光に
変換された光は、上記集光反射素子の反射層と、上記薄
膜太陽電池素子の光電変換層との間で多重反射される。
従って、上記集光反射素子の曲面群により入射光を集光
して反射層の光透過孔を通過させ、この光透過孔を一度
通った光を反射層で逃がさないで有効に利用する点と、
蛍光特性を有する透明基板によって光電変換に利用でき
ない波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光に変
換される点と、光が光電変換層と反射層との間で多重反
射されて光電変換層に照射される点と、多重反射及び蛍
光特性を有する透明基板により光電変換に利用できない
波長域の光が光電変換に利用できる波長域の光になって
光電変換層に照射される点との相乗効果によって、上記
光電変換層に照射される光電変換に寄与する波長域の光
の光量が著しく増大して、発電効率が極めて高くなる。
【0121】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
に上記集光反射素子をスペーサーを介して機械的に固定
しているので、上記薄膜太陽電池素子に上記集光反射素
子を簡単に取り付けることができる。また、上記薄膜太
陽電池素子と上記集光反射素子とを簡単に分離して、そ
れらの交換等をすることができる。また、上記薄膜太陽
電池素子を上記集光反射素子で保護して、薄膜太陽電池
の信頼性を向上することができる。
【0122】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光反射素
子とをスペーサを介して機械的に固定しているので、そ
れらを簡単に固定でき、また、それらの簡単に分解し
て、交換等をすることができる。また、上記薄膜太陽電
池素子及び上記蛍光特性を有する透明基板を上記集光反
射素子で保護して、薄膜太陽電池の信頼性を向上するこ
とができる。
【0123】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と、上記蛍光特性を有する透明基板と、上記集光反射素
子とを接着剤により固定しているので、それらを簡単か
つ強固に固定できて、耐環境性に優れた信頼性の高い薄
膜太陽電池を得ることができる。また、上記接着剤が、
透明接着剤であると、はみ出しても、見映えが悪くなる
ことがない。
【0124】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
と上記集光反射素子とを接着剤により固定しているの
で、それらを簡単かつ強固に固定できて、耐環境性に優
れた信頼性の高い薄膜太陽電池を得ることができる。ま
た、上記接着剤が、透明接着剤であると、はみ出して
も、見映えが悪くなることがない。
【0125】1実施の形態では、上記接着剤が蛍光特性
を有する透明接着剤であるので、この蛍光特性を有する
透明接着剤によって、上記集光反射素子と薄膜太陽素子
とを連結できる上に、光電変換に利用できない波長域の
光を光電変換に利用できる波長域の光に変換して光電変
換効率を高めることができる。
【0126】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
の基板が蛍光特性を有する透明基板であるので、上記薄
膜太陽電池素子の基板が蛍光層として機能して、集光反
射素子の反射層の光透過孔群から入射した光と、上記蛍
光特性を有する透明基板から放射される光とが薄膜太陽
電池素子と集光反射素子との間で多重反射されて、光電
変換層に照射される光電変換に寄与する波長域の光の光
量が増大し、発電効率を高くすることができる。
【0127】1実施の形態では、上記薄膜太陽電池素子
は、上記光電変換層に関して、上記光入射面と反対側に
位置する反射層を備えるので、上記薄膜太陽電池素子の
反射層と入射面との間に光電変換層が位置することにな
って、上記薄膜太陽電池素子の反射層と集光反射素子の
反射層との間に光電変換層及び蛍光層を挟んで、太陽電
池素子の反射層と集光反射素子の反射層との間で、光が
多重反射される。従って、上記光電変換層に照射される
光電変換に寄与する波長域の光の光量が著しく増大し
て、発電効率を極めて高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態2の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図3】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反射
素子の製造方法を示す図である。
【図4】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反射
素子の製造方法を示す図である。
【図5】 発明の実施例1の薄膜太陽電池の集光反射素
子の製造方法を示す図である。
【図6】 本発明の実施例1の薄膜太陽電池の断面図で
ある。
【図7】 本発明の実施例2の薄膜太陽電池の断面図で
ある。
【図8】 本発明の実施例3の薄膜太陽電池の断面斜視
図である。
【図9】 本発明の実施例4の薄膜太陽電池の断面斜視
図である。
【図10】 本発明の実施例5の薄膜太陽電池の断面斜
視図である。
【図11】 本発明の実施例6の薄膜太陽電池の断面斜
視図である。
【図12】 本発明の実施例7の薄膜太陽電池の断面斜
視図である。
【図13】 本発明の実施例8の薄膜太陽電池の断面斜
視図である。
【図14】 本発明の実施例9の薄膜太陽電池の断面斜
視図である。
【図15】 本発明の実施例10の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図16】 本発明の実施例11の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図17】 本発明の実施例12の薄膜太陽電池の断面
斜視図である。
【図18】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【図19】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【図20】 従来の薄膜太陽電池の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電極金属層 3,4,5 多結晶Si半導体層 6 集電電極 7 反射防止層 9 透明基板 10 シリンドリカル状集光レンズ群 11 直線状スリット群 12 反射層 14 入射光 15 透明基板 16 反射防止層 17 集電電極 18 非晶質Si半導体p層 19 非晶質Si半導体i層 20 非晶質Si半導体n層 21 電極金属層 27 樹脂製スペーサー 28 固定金具 29 蛍光ガラス基板 30 アクリル系透明接着剤 31 蛍光性アクリル系透明接着剤 32 蛍光ガラス基板 100,300,400 薄膜太陽電池素子 200 集光反射素子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換層を有する薄膜太陽電池素子
    と、 透明基板の一方の面に、光透過孔群を有する反射層を設
    ける一方、上記透明基板の他方の面に、上記光透過孔群
    に入射光を集光する曲面群を形成してなる集光反射素子
    とを備え、 上記薄膜太陽電池素子の光入射面に、上記集光反射素子
    の反射層側が対向させられて、上記薄膜太陽電池素子に
    集光反射素子が取り付けられていることを特徴とする薄
    膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記集光反射素子の上記曲面群が、上記透明基板に一体
    に成形されていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記集光反射素子の上記曲面群が、シリンドリカル状集
    光レンズ群の表面であり、上記光透過孔群が直線状スリ
    ットであることを特徴とする薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記集光反射素子と上記薄膜太陽電池素子との間に、蛍
    光特性を有する透明基板が設置されていることを特徴と
    する薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とが、スペー
    サーを介して機械的に固定されていることを特徴とする
    薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子と上記蛍光特性を有する透明基板
    と上記集光反射素子とが、スペーサーを介して機械的に
    固定されていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子と上記蛍光特性を有する透明基板
    と上記集光反射素子とが、接着剤により固定されている
    ことを特徴とする薄膜太陽電池。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とが、接着剤
    により固定されていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記接着剤が蛍光特性を有する透明接着剤であることを
    特徴とする薄膜太陽電池。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の薄膜太陽電池におい
    て、 上記薄膜太陽電池素子の基板が蛍光特性を有する透明基
    板であることを特徴とする薄膜太陽電池。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の薄膜太陽電池にお
    いて、 上記薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とが、スペー
    サーを介して機械的に固定されていることを特徴とする
    薄膜太陽電池。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の薄膜太陽電池にお
    いて、 上記薄膜太陽電池素子と上記集光反射素子とが、接着剤
    により固定されていることを特徴とする薄膜太陽電池。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか1つに記
    載の薄膜太陽電池において、 上記薄膜太陽電池素子は、上記光電変換層に関して、上
    記光入射面と反対側に位置する反射層を備えることを特
    徴とする薄膜太陽電池。
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