JP2003108375A - 対話型エキスパートシステム及びプログラム - Google Patents

対話型エキスパートシステム及びプログラム

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JP2003108375A
JP2003108375A JP2001303225A JP2001303225A JP2003108375A JP 2003108375 A JP2003108375 A JP 2003108375A JP 2001303225 A JP2001303225 A JP 2001303225A JP 2001303225 A JP2001303225 A JP 2001303225A JP 2003108375 A JP2003108375 A JP 2003108375A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対話型のエキスパートシステムにおいて推論
エンジンが推論するための質問と回答は、順次一つずつ
入力されており、利用者に、推論エンジンが想定する入
力方法を強いていた。 【解決手段】 質問がディスプレイ130に出力され、
これに対する回答が入力装置140から自然言語により
入力されると、この入力を、解析装置150により解析
する。解析は、形態素解析や句構造解析などであり、解
析装置150は、回答に含まれる推論のルールに対する
回答を取得する。この回答に従って、推論エンジン11
0は、一連の質問の順序によらずに、回答を受け付け
る。この結果、利用者は、回答の形式を強制されること
が少なくなり、推論に要する時間も短縮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者との対話に
よって情報を収集し、該収集した情報と知識ベースに蓄
積された知識データとから推論エンジンにて推論を行な
うことで推論結果を出力する対話型エキスパートシステ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、専門家の知識などをデータベ
ース化して、誰でもこれを利用できるようにしようとす
るエキスパートシステムの構築が試みられてきた。当初
こうしたエキスパートシステムは、回答が「YES」か
「NO」になるような単純なルールの組合わせによって
必要な情報を収集するため、利用者はこの単純な質問に
順次回答しなければなず、情報の取得には、大きな手間
を要した。
【0003】そこで、特許第2809136号公報に開
示されるように、利用者の入力した文章を形態素解析、
構文解析及び意味解析し、入力した文章から必要な情報
を得る技術が提案されている。また、この特許発明で
は、利用者が入力した文章では必要とする情報が欠如し
ているとき、その欠如している情報の入力を利用者に促
す問い合わせの技術も提案されている。更に、特開平1
0−124086号公報には、上述した対話型エキスパ
ートシステムに音声認識と音声合成の技術を組み合わ
せ、利用者と対話型エキスパートシステムとのインター
フェイスを音声により実現するシステムが提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たエキスパートシステムでも、人間から必要な情報を得
る手法は硬直的なものであり、未だ人間に対してフラス
トレーションを与えることがあった。また、必要な情報
を得るために、既に回答済みと見なせる質問を再度出力
することがあるという課題も指摘されていた。
【0005】例えば、特許第2809136号公報で
は、ある特殊な命題、例えばコンピュータのデータであ
るファイルをコピーする場合に必要となる情報(操作の
対象となるファイル名、そのファイルが保存されるリソ
ース名、コピーの形態、そのファイルのコピー先である
リソース名等)を利用者の入力文章から得る技術及びこ
れらの情報が不足する際の問い合わせの技術が提案され
ているに過ぎない。しかし、エキスパートシステムに要
求されていることは、この様に単純なファイルコピーに
対する解決を得ることではなく、通常の人間では解決で
きない専門家の知識を必要とする場合に対処することで
ある。すなわち、この技術に沿った例を挙げるならば、
ファイルコピーが必要となる一般的な場面は「このデー
タは重要であるから、例え停電が発生してもデータを保
護したい」というものである。この種の解決は、停電に
対処するためにバックアップ電源を用意する方法、常に
ファイルを複数のリソースに保存する方法、定期的にフ
ァイルのバックアップを取る方法、これらの方法を組み
合わせた方法など、その解決方法は複数であって、単純
にファイルコピーを行なうことが最適の解決ではない。
こうした技術は、通常の人間が直面する問題に対して、
膨大な人間側の前処理を前提として成立する単純なエキ
スパートシステムに過ぎなかった。
【0006】また、特開平10−124086号に開示
された技術は、利用者とエキスパートシステムとのイン
ターフェイスを音声により行なう技術に過ぎない。人間
の情報伝達手段の中で最たるものが音声であり、音声を
媒介としたエキスパートシステムが命題を解決するため
に必要な情報を得る方法として最適であることは容易に
理解される。しかし、この後者の技術は、音声によって
必要な情報を入手することが開示されているのみであ
り、その音声から推論を押し進めて、その推論結果を出
力するのに必要な情報を効率よく得る手法については何
ら開示されていない。この技術で開示されている技術で
は、予め用意されたエキスパートシステムが解決の方法
を得ることが出来なかったとき、その情報をシステムサ
ポータと呼ばれる人間を介在させて、これによって利用
者とのコミニュケーションを円滑に行なおうとするのみ
である。
【0007】本発明は、こうした問題を解決し、人間の
情報伝達手段として最適な自然言語を用いて、かつ、事
前の膨大な前処理を必要とすることなく、推論結果を出
力する対話型エキスパートシステムを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決する本発明の対話型エキスパートシステム
は、利用者との対話によって情報を収集し、該収集した
情報と知識ベースに蓄積された知識データとから推論エ
ンジンにて推論を行なうことで推論結果を出力する対話
型エキスパートシステムであって、前記推論を行なうた
めの一連の質問を、前記利用者が認識可能に出力する質
問出力手段と、該出力された質問に対して、前記利用者
から自然言語による情報を入力する情報入力手段と、該
入力された前記自然言語の情報を解析する言語解析手段
と、該解析された前記自然言語の情報から、前記推論結
果の出力に必要な情報を、前記一連の質問の順序に拘わ
らずに取得する情報取得手段とを備えたことを要旨とし
ている。
【0009】すなわち本発明の対話型エキスパートシス
テムは、推論を行なうための一連の質問を利用者が認識
可能に出力し、この質問に対して、利用者から自然言語
による情報を入力し、入力した自然言語の情報を解析す
る。その際、解析された自然言語の情報から、推論結果
の出力必要な情報を一連の質問の順序に拘わらずに取得
する。この結果、利用者が、一つの質問に直接答える以
上の情報を入力した場合、本発明の対話型エキスパート
システムは、入力した情報から、一連の質問の順序に関
わらず情報を取得して、推論を行なうことができる。こ
のため、利用者が既に答えた事項について、エキスパー
トシステム側から再度質問を行なう必要がない。
【0010】また、こうした対話型エキスパートシステ
ムによれば、推論結果の出力に必要な情報は、「はい」
「いいえ」という単純な質問への回答ではなく、人間が
情報伝達のために用いている自然言語を媒介とすること
が可能となる。このため利用者は、フラストレーション
を感じることなく情報を入力し、対話型エキスパートシ
ステムを利用することができる。しかも、その自然言語
により取得することができる情報が、推論結果の出力に
必要となる一連の質問に対する回答と一致する物でなか
った場合、例えば先の質問に対する答えを飛ばした次の
質問に対する回答であった場合であっても、これを取得
することができる。これにより利用者は、本発明の対話
型エキスパートシステムが必要としている情報をいちい
ち想定する必要がなく、自然な言語によるコミニュケー
ションに基づいて情報を効率的に入力することができ
る。このため、エキスパートシステムと利用者との情報
のやりとりがスムースにでき、推論自体を短期間に完了
することができる。
【0011】本発明は、上記の対話型エキスパートシス
テムをコンピュータにより実現するプログラムとして提
供することができる。即ち、コンピュータによって実行
されることにより、利用者との対話によって情報を収集
し、該収集した情報と知識ベースに蓄積された知識デー
タとから推論エンジンにて推論を行なうことで推論結果
を出力する対話型エキスパートシステムを実現するプロ
グラムであって、前記推論を行なうための一連の質問
を、前記利用者が認識できる形態で出力する機能と、該
出力された質問に対して、前記利用者から自然言語によ
る情報を入力すると、該入力された前記自然言語の情報
を解析する機能と、該解析された前記自然言語の情報か
ら、前記推論結果の出力に必要な情報を、前記一連の質
問の順序に拘わらずに取得する機能とを前記コンピュー
タにて実現するプログラムを要旨とする。
【0012】かかるプログラムによれば、前述したよう
に、利用者はフラストレーションを感じることなく情報
を入力することができる対話型エキスパートシステムを
実現することができる。また、利用者は、質問の意図な
どを想定して情報を入力する必要はなく、自然な言語に
よるコミニュケーションに基づいて推論結果を得ること
ができる。
【0013】
【発明の他の態様】なお、この発明は、こうしたプログ
ラムを記録した記録媒体としての発明として、把握する
こともできる。また、ディスクリートな回路構成より実
現するものであっても良い。また、プログラムは、C言
語やパスカル、フォートラン、コボル、BASIC、等
の周知のプログラム言語が採用可能であり、オブジェク
ト指向のプログラム言語、あるいはJavaScrip
t(登録商標)等の言語などを利用することも可能であ
る。プログラムの記録媒体としては、フレキシブルディ
スク,CD−ROM,DVD−ROM,半導体メモリ
(ROM,PROM,EEPROM,フラッシュメモリ
等)など、種々の記録媒体を用いることができる。もと
より、インターネットなどのネットワーク上に置かれた
サーバにこれらのプログラムを記憶しておき、クライア
ントのコンピュータにダウンロードして利用することも
可能である。また、ネットワーク上のサーバとして上記
装置を設置し、あるいはサーバにプログラムを実行させ
ることで、離隔した利用者に対して命題の解決を教授す
ることもできる。本願発明は、こうしたプログラムをサ
ーバ上におき、ネットワークを介してこれを利用する形
態などで実現することも可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。図1は、本発明の一つの実施形態である対話
型エキスパートシステム100の概略構成を示すブロッ
ク図である。図示するように、この対話型エキスパート
システム100は、Lispなどの言語により記述され
た推論エンジン110、推論エンジン110が推論に必
要なデータを蓄えた知識データベース120、利用者に
質問を提示するディスプレイ130、利用者からの自然
言語により入力を受け付けるキーボードなどの入力装置
140、入力装置140から受け取った自然言語の文字
列を解析し推論エンジン110に受け渡す解析装置15
0などから構成されている。
【0015】この実施の形態では、対話型エキスパート
システム100は、コンピュータのビルト・イン・オー
ダ(BTO)を行なうシステムであり、利用者との対話
を通じて、利用者が求めるコンピュータの構成を決定
し、これを推論結果として出力するシステムである。こ
うしたシステムは、インターネットなどのネットワーク
を介して直接メーカが利用者のオーダを受け付け、利用
者のニーズに最適の製品を短期間に余剰の在庫を持たず
に届けることができるものとして、近年広く利用されて
いる。
【0016】かかる対話型エキスパートシステム100
において、知識データベース120は、コンピュータの
製品構成に関する様々なルールをデータベースの形態で
記憶している。こうしたルールは、条件とその結果必要
な要素の組合わせとして記憶されている。例えば、条件
「動画を取り扱う」ならば、必要な要素「メモリは25
6メガバイト以上必要」とか、条件「パソコンで音楽を
聴く」ならば、要素「サウンドカードが必要」などであ
る。もとより、条件と製品の構成要素がすべて一対一に
対応しているわけではなく、階層的な構造を持った条件
と要素の構成も記憶されている。例えば、「パソコンで
音楽を聴く」ならば、「サウンドカードが必要」、「最
高の音質が指定された」ならば、「サウンドカードは製
品Aが必要」、「中程度の音質が指定された」ならば、
「サウンドカードは製品Bが必要」「最低レベルの音質
が指定された」ならば、「サウンドカードは製品Cが必
要」などである。この例では、「パソコンで音楽を聴
く」か否かの質問と、「音楽を聴く音質の程度は」とい
う質問が組み合わされないと、最終的に選択されるサウ
ンドカードの製品名までは決定できない。
【0017】対話型エキスパートシステム100は、図
2に示すように、利用者からのアクセスが開始されると
(ステップS200)、推論エンジン110を起動す
る。推論エンジン110は、まずディスプレイ130
に、「パソコンの注文をしますか」から始まる一連の質
問を順次出力する(ステップS210)。この質問に対
する利用者からの回答を、入力装置140を介した自然
言語により受け付け(ステップS220)、次に、これ
を解析装置150により解析する(ステップS23
0)。解析は、日本語がキーボードなどを介して入力さ
れている場合には、逆引き辞書などを用いた形態素解析
をまず行ない、入力した文字列を構成する文節を特定
し、その文節の関係を句構造解析などにより行なうこと
で進められる。解析結果に基づいて、推論の条件を抽出
する処理を行なう(ステップS240)。条件の抽出
は、質問が「パソコンで音楽を聴きますか」といった
「はい」「いいえ」で答えられるものである場合には、
「聴く」(回答が「はい」の場合)、「聴かない」(回
答が「いいえ」の場合)のように、二つの状態のいずれ
か一方として抽出される場合もあるし、回答が「高音質
で聴きたい」というものであり、解析と抽出から、「聴
く」と「高音質」という二つの条件が抽出される場合も
あり得る。
【0018】こうして条件を抽出した後、抽出した条件
を用いて、テーブルTBの形式で用意した一連の質問に
対する回答欄を埋める処理を行なう(ステップS25
0)。抽出した条件がパソコンで音楽を「聴く」であれ
ば、サウンド欄の「カード要」という欄をオンに設定す
る。パソコンで音楽を「高音質」で「聴く」であれば、
「カード要」という欄と「製品A」の欄をオンに設定す
る。こうしてテーブルTBを埋める処理を行ないつつ、
必要な総ての質問についての回答が終わったかを確認し
(ステップS260)、終わっていなければ、次の質問
を決定する処理を行なう(ステップS270)。この例
では、質問に対する答えは「はい」「いいえ」などに制
限していないので、一つの質問について、一つの回答欄
を埋め、質問を一つ進める場合もあるし、複数の回答欄
を埋めて、質問をその分だけ進めて設定する場合も存在
する。その後、ステップS210の質問の出力に戻っ
て、上記の処理を繰り返す。やがて質問がすべて完了す
れば(ステップS260)、ここまでの質問とその回答
から得られた推論結果を出力する処理を行なう(ステッ
プS280)。この例では、推論結果は、「あなたの希
望するパソコンの使用は次の通りです。CPU−ペンテ
ィアム4、動作周波数1GHz、主記憶256メガバイ
ト、・・・・サウンドカードは製品A、・・・」(「ペ
ンティアム」はインテル社の商標)、といった形に整理
され、ディスプレイ130に表示される。なお、図1で
はプリンタは図示していないが、利用者が必要とすれ
ば、推論結果をプリントアウトすることもできる。もと
より、この実施の形態では、BTOを想定しているの
で、利用者はディスプレイ130を見ながら、ディスプ
レイ130に表示された「注文する」というボタンをク
リックして、推論の結果として得られた仕様のパソコン
を注文してもよい。
【0019】以上説明した実施の形態によれば、対話型
エキスパートシステム100は予め用意した一連の質問
を利用者にディスプレイ130を介して認識可能に出力
し、利用者がこれに対して入力装置140を介して自然
言語による回答を入力すると、解析装置150によりこ
れを解析し、一連の質問に対する回答として、一連の質
問の順序によらずに、条件設定用のテーブルTBを埋め
ていくことができる。また、このテーブルTBの状態に
基づいて、次の質問を出力していく。従って、利用者
は、自分の分かっている事項については、推論エンジン
110からの「はい」「いいえ」で答えることを想定し
た質問に対して、退屈な「はい」「いい」タイプの回答
を繰り返すよう強要されることがなく、自然言語で自由
に答えていくことができる。しかも、既に答えた事項に
ついて、再度聞かれて徒労感を味わうということもな
い。このため、BTOの注文に付随する注文しようとす
るパソコンの仕様の決定を短期間に行なうことができ
る。
【0020】この対話型エキスパートシステム100の
実施の形態では、一連の質問の順序に関わらず、情報を
取得できるが、これは、一連の質問に対応する回答例を
予め記憶しておき、記憶しておいた回答例に照らし合わ
せることにより、解析された自然言語の情報から、質問
に対する直接の回答以外の一連の質問に対する回答を取
得するという手法をとっているからである。一連の質問
の順序にこだわらずに製品仕様の条件を決定できるの
は、テーブルTBを参照して設定を進めていることも与
っている。エキスパートシステム100は、予め一連の
質問に対する回答例を用意しているので、利用者の回答
がこれらの質問に当てはまる場合には、その時点で行な
った質問に対する回答以外の情報であっても、テーブル
TBを用いてこれを容易に取り込むことができるのであ
る。
【0021】もとより、利用者の回答が「はい」「いい
え」などの定型的な回答ではなく、自然言語により表現
されている場合には、回答例を一つ記憶しておいても、
これに当てはまる情報が得られるとは限らない。上記の
事例では「高音質で聴きたい」の代わりに「高音質で聞
きたい」(用字の相違)や「良い音質で聴きたい」(修
飾語の相違)など、多様な表現で入力される場合があり
える。そこで、エキスパートシステム100が扱う推論
の範囲を考えて、想定されるあらゆる回答例を用意して
もよいし、システムの汎用性に考慮して、次の構成をと
ることも現実的である。
【0022】一つは、利用者が入力した回答を構成して
いる自然言語を解析し、これを標準化する構成である。
標準化とは、文字選択に関わる文字の標準化や、表記の
ゆれを予め定めた一の表記に置き換える表記の標準化
や、使用している単語の整合を計る用語の標準化、更に
は「です・ます」体などの文体の統一や受動形を能動形
に書き直す文型の標準化などの様々な標準化を想定する
ことができる。こうした標準化を行なえば、例えば、
「パソコンで聞く音楽の品質は?」という質問に対し
て、「とびっきりのええ音で聞きてぇ」という入力があ
っても、標準化により「大変高音質で聴きたい」とする
事ができる。
【0023】また、対話型エキスパートシステム100
側で、予め想定している回答例に関して、同意語及び/
または類義語を用意して対応する手法も有用である。即
ち、利用者の入力した自然言語を解析した後、同意語お
よび/または類義語辞書を参照して、回答例の同意語や
類義語の範囲に、回答が入っているかを検証するのであ
る。対話型エキスパートシステム100が取り扱う質問
の範囲が限定的な場合には、この手法で、利用者の自然
言語による入力を解釈した方が、システムの容量などを
小さくすることができ、有用なことも多い。汎用性を追
求すると、システム全体が大きくなり、動作も遅くなる
場合が考えられるからである。
【0024】いずれの手法にせよ、利用者にとって自然
な言語、例えば社内のみで通用する専門語、特定地域で
のみ通用する方言、日本語をネイティブとする人間にと
って冗長な外来語の省略形の造語などを用いた情報など
が強要されるので、予め用意した回答例との異同を容易
に判断することができる。なお、この様な標準化を行な
うユニットや同意語及び/または類義語の辞書は、対話
型エキスパートシステム100内に一体的に用意する必
要はなく、入力した利用者の自然言語による回答に対し
て実質的に作用するよう構成できればよい。例えば、公
知の検索エンジンを用いてインターネットなどの公開さ
れている情報にアクセスすることで同意語、類義語、専
門用語、流行語、俗語などを参酌する構成とすることが
できる。こうすれば、辞書の更新が容易になるばかり
か、既存の広範な情報をステムの一部として利用するこ
とができる。
【0025】また、対話型エキスパートシステム100
は、取得した情報と推論結果の出力に必要な情報とから
不足する情報を特定し、不足する情報を利用者から取得
するための質問を自然言語により生成する構成とするこ
とが有用である。例えば、一連の質問の連鎖関係が複雑
であって、複数条件の成立があって次の質問に進める場
合に、自然の言語により入力がその条件の一部にしか対
応しない場合がある。このとき、残りの条件のみを得る
ための質問を生成することで、利用者が既に入力した情
報を再入力することを促す冗長な質問を回避し、短時間
で必要としている命題の解決を得ることができる。
【0026】ここで、質問に対する入力には、様々な手
法が考えられるが、上記の例のようにキーボードなどの
入力装置140から自然言語からなる文を入力するもの
とすることができる。自然言語からなる文を受け付けた
場合には、この文を構成する単語を、例えば形態素解
析、構文解析、意味解析などにより必要な情報を取得す
ることができる。この他、利用者の音声を入力するもの
としり、特定の方言や言語を対話型エキスパートシステ
ムが理解できる情報に翻訳したり、ノイズカットフィル
タを用いるなどの一般的な音声入力技術を組み合わせて
も良い。
【0027】
【実施例】以下、上記の実施の形態をより具体的に、実
施例を挙げて説明する。図3は、実施例としての対話型
エキスパートシステム20のハードウェア構成を示すブ
ロック図である。この実施例では、インターネットのよ
うなネットワーク10に接続されたサーバコンピュータ
にプログラムをインストールし、このプログラムを実行
することで対話型エキスパートシステム20が具現化さ
れている。対話型エキスパートシステム20は、それ自
身スタンドアロンの対話型エキスパートシステムとして
使用可能であるが、以下で説明するように、サーバとし
て他のクライアントから利用することが可能である。す
なわち、ネットワーク10に接続された多数のコンピュ
ータ30の利用者が、ネットワーク10を介して対話型
エキスパートシステム20にアクセスすることで、特定
の命題に対する解決の教授を受けることができる。入力
部分については、対話型エキスパートシステム20とコ
ンピュータ30は共に同じなので、以下、対話型エキス
パートシステム20を例として説明を行なう。なお、エ
キスパートシステムとしては、どのようなものでも適用
可能であるが、以下の説明では、オーダーメイドによる
コンピュータを受注する対話型エキスパートシステムを
例として説明する。
【0028】対話型エキスパートシステム20の内部構
成を図3に基づいて説明する。対話型エキスパートシス
テム20は、モデムやルータ18を介してネットワーク
10とのデータのやり取りを制御するネットワークイン
タフェース(NT−I/F)21、処理を行なうCPU
22、処理プログラムや固定的なデータを記憶するRO
M23、ワークエリアとしてのRAM24、時間を管理
するタイマ25、モニタ29への表示を司る表示回路2
6、テキストデータをデータベースとして蓄積している
ハードディスク(HD)27、キーボード11,マウス
12,マイク13とのインタフェースを司る入力インタ
フェース(I/F)28等を備える。なお、ハードディ
スク27は、固定式のものとして記載したが、着脱式の
ものでも良いし、着脱式の記憶装置(例えばCD−RO
M、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−
RAM、フレキシブルディスクなど)を併用することも
可能である。また、この実施例では、対話型エキスパー
トシステム20の処理プログラムは、ROM23内に記
憶されているものとしたが、ハードディスク27に記憶
しておき、起動時にRAM24上に展開して実行するも
のとしても良い。あるいは、上述した着脱式の記録媒体
から読み込むものとしても良い。更には、ネットワーク
10を介して、他のサーバから読み込んで実行するもの
としても良い。同様に、以下に説明するように、ハード
ディスク27に必要なデータの総てが記憶されている必
要はなく、ネットワーク10により接続される他のサー
バに膨大なデータを分散して記憶、更新、管理する構成
としても良い。
【0029】ハードディスク27には、後述する形態素
解析用の逆引き辞書IDCが記憶されている。この逆引
き辞書IDCは、後述する回答文を解析するのに用いら
れる。そのため、この辞書IDCには、所定の単語につ
いて、見出し語、読みの他、その口語体や同意語、類義
語、省略語等が関連付けられて記憶されており、解析す
るかな文字列が口語体の自然言語であっても正確に解析
できるように配慮されている。もとよりこれらのデータ
は、全ての単語について付与されている訳ではなく、多
用される可能性のある単語についてのみ付与されている
ものとしても良い。
【0030】また、ハードディスク27には、対話型エ
キスパートシステムの知識ベースが蓄積されている。本
実施例では、オーダーメイドによるコンピュータを受注
するに必要な知識ベースの基本情報として、各種ハード
ウェアのそれぞれの処理能力、ハードウェア相互の相性
や互換性、ドライバソフトとオペレーティングシステム
との相性などが記憶されている。また、コンピュータを
組み立てる際に必要となる多数の知識ベースのルールが
相互に連鎖的に、そしてこれらのルールに対する回答例
が記憶されている。例えば、下記のルール2は、ルール
1においてサウンドカードが必要であると判定されたと
きに適用されるルールである。すなわち、ルール2は、
ルール1に従属している。
【0031】ルール1 IF パソコンで音楽を聴く then サウンドカードが必要,スピーカが必要 ルール2 IF サウンドカードが必要 and パソコンで聴く音楽は音質は良い音 then サウンドカードは製品A
【0032】上記ルールに対する回答例としては、 変数1(ルール1の回答例) パソコンで音楽を聴く はい/いいえ 変数2(ルール2の回答例) パソコンで聴く音楽の音質 最低限/それなり/
良い音/最音質 などがあるが、この回答例に関して用いられる単語につ
いては、前述のように、その同意語、類義語、省略語な
どが関連付けられて逆引き辞書IDCに記憶されている
ため、正確に回答例と同一の単語を使用しなくとも対話
型エキスパートシステム20はこれを認識することがで
きる。
【0033】以上説明したハード構成及び後述するエキ
スパートプログラムをCPU22が処理することで、本
実施例の対話型エキスパートシステム20は、図4の機
能ブロック図に示すようなエキスパートシステムとして
機能する。図示するように、このエキスパートシステム
は、知識ベースAB、推論エンジンAN、質問生成部A
S、応答解析部AE、質問出力部AO、応答入力部AI
などから構成され、キーボード11やネットワーク10
を介して入力されるコンピュータ30からの自然言語の
文字列を処理し、不足する情報を得るために質問出力部
AOから入力があったリソースに対して質問を出力す
る。質問は利用者が認識できる形態で出力されればよ
く、モニタ29に表示しても良いし、図示しないスピー
カから音声により出力しても良い。
【0034】知識ベースABは上述した連鎖的に記憶さ
れるルールの集合体であり、推論エンジンANはこの知
識ベースABに記憶されるルールを用いて推論を行なう
ものである。推論は、応答入力部AIに入力された自然
言語を解析し、必要とされる回答を抽出する応答解析部
AEからの入力に基づいて行なわれる。質問生成部AS
は、推論エンジンANが不足していると判断した情報を
得るための質問を生成する機能部であり、ここで生成さ
れた質問内容は、その質問への応答を解析する応答解析
部AEとその質問を利用者が理解できる形式へ変換する
質問出力部AOへ出力される。質問出力部AOは、質問
生成部から入力された質問を利用者が理解できる形式、
すなわち質問内容を自然言語に変換して出力する。
【0035】次に、本実施例において、CPU22にて
実行されるエキスパートプログラムの処理について説明
する。図5は、エキスパートプログラムを示すフローチ
ャートである。図示するように、このプログラムは、コ
ンピュータ30や対話型エキスパートシステム20の利
用者から対話型エキスパートシステム20に対して特定
の命題、本実施例ではオーダーメイドのコンピュータを
決定する命題が与えられたときに、実行される。この処
理が起動されると、まず推論エンジンANによる推論
(ステップS300)が行なわれ、特定の命題の解決が
実行される。すなわち、推論エンジンANに与えられて
いる情報と知識ベースABに記憶されているルールへの
回答とを比較し、未だに不足している情報が判断され
る。
【0036】処理の開始直後などでは、当然、推論によ
り未だに命題の解決に不足する情報があるから、こうし
た場合には、その情報を得るための質問の生成、その生
成した質問を利用者へ出力する問い合わせ処理(ステッ
プS310)が実行される。すなわち、推論エンジンA
Nから未だに不足する情報があることが入力された質問
生成部ASは、その不足する情報を得るための質問を生
成し、生成された質問を質問出力部AOへ出力し、質問
出力部AOから利用者に対して自然言語による質問が行
なわれる。このとき、どの様な質問が生成されたかを連
絡するため、応答解析部AEにも同様の質問内容が入力
される。
【0037】質問出力部AOからの自然言語による質問
に対して、利用者が回答文を入力すると、この応答は、
返答入力処理(ステップS320)により受け付けられ
る。これは、キーボード11やネットワーク10を介し
て対話型エキスパートシステム20に入力される利用者
からの自然言語による回答を、応答入力部AIが入力す
る処理に相当する。
【0038】こうして応答入力部AIに入力された応答
は、応答解析部AEによって処理・解析される。処理・
解析は、多岐にわたり、この実施例では、形態素解析お
よび句構造解析処理(ステップS330)、標準化処理
(ステップS340ないしS350)、等を行なう。こ
れらの処理について順次説明する。
【0039】まず、形態素解析および句構造解析処理
(ステップS330)について説明する。この処理は、
ハードディスク27に記憶された形態素解析用の逆引き
辞書IDCを参照して、回答文を構成する単語を形態素
解析により定める。既に説明したように、逆引き辞書I
DCには、漢字を見出しとして、その読み、文法情報、
類義語などが登録されている。従って、例えば「学校」
という文字列から「がっこう」という読みと名詞という
文法情報などを取り出すことができる。
【0040】形態素解析処理が開始されると、図6に示
したように、まず識別番号をつけた一つの文が、解析の
対象として特定され、この文の先頭からM文字目(M=
1,2,・・・・)からL文字分(L=1,2,・・
・)を取り出して逆引き辞書IDCを引く処理を行なう
(ステップS312)。Mは、着目している文字列の先
頭位置を、Lは、取り出す文字数を、それぞれ示してい
ることになる。逆引き辞書の参照の手法は、まずM=
1、即ち先頭位置から、L=1、即ち1文字分の文字を
取り出し、辞書を参照して該当語を取り出す処理から開
始する。Lを順次インクリメントしながら辞書IDCを
参照し、該当する見出し語がなくなれば、着目する文字
列の先頭位置Mをインクリメントし、再度文字数Lを1
に戻して、辞書の検索を行なう。こうして着目する文字
の位置か、解析しようとする文の文字数を超えたところ
で、辞書の参照をうち切る。
【0041】例えば、「良い音質で聞きたい」という文
章に対して、逆引き辞書IDCを参照すると、「良い」
「音質で」「音質」「音」「質」「質で」「で」「聞き
たい」「聞き」「きたい」「たい」「た」「い」といっ
た語を切り出すことができる。ここで、「で」などの仮
名一音も、語として切り出しているのは、口語的な接続
詞「で」などが、文中に現れる可能性があるからであ
る。
【0042】逆引き辞書IDCには、これらの語がその
文法情報と共に記憶されている。そこで、切り出した語
を次に文法情報に従って並べて、破綻しない配列を見い
出す処理を行なう。かかる解析は、例えば複数文節最長
一致法や最小コスト法といった手法が知られており、所
定の語の組合わせのうちどれが最も日本語としてもっと
もらしいかを検定するのである。本実施例では、最小コ
スト法を採用しているので、こうして得られた多数の文
字列を対象として、次にコスト計算を行なう(ステップ
S314)。コスト計算とは、文字列の配列に対して、
日本語らしい配列ほど点数が低くなるように予め用意さ
れた文字列のコストを計算する処理である。その規則は
大まかに言えば、自立語はコスト2、これに付属語が付
属する場合はコスト0、といったものである。例えば、
「音質で」を例にとると、「音質」+「で」ではあれ
ば、自立語+付属語(助詞)の結びつきとなって、コス
ト2、「音」+「質」+「で」であれば、自立語+自立
語+付属語(助詞)となってコストは4となるのであ
る。最小コスト法のルールは、現実の日本語にあわせて
チューニングされており、「まったく」+「ない」など
の共起関係にある単語が文中に生じる場合は、コスト
「−1」など、様々な規則が用意されている。
【0043】こうして、逆引き辞書の参照により得られ
た全ての単語について、上記のコストを計算し、そのう
ちで最小のコストになる文を特定する処理を行なう(ス
テップS315)。上記の例では、「音」(自立語・名
詞)+「質」(自立語・名詞)+「で」(自立語・助
詞)よりも、「音質」(自立語・名詞)+「で」(付属
語・助詞)の方が、日本語として確からしいと判断する
のである。もとより、この計算は、少なくとも文を単位
として行なわれ、文全体で、コストが最小になるような
単語の配列を選択する。従って、例えば共起関係による
コストの低減などがあれば、異なる組合わせが選択され
る場合も存在する。
【0044】こうして最小コスト法による形態素解析が
完了すると、次に文構造の解析処理を行なう(ステップ
S316)。この処理は、文を構成している単語の結び
つき方を、解析する処理である。日本語の場合、語順の
自由度が比較的高いので、本実施例では、述語を中心に
格文法を用いて構文解析する。この構文解析の処理につ
いて図7を参照して説明する。文構造解析を開始する
と、まず形態素解析処理で得られた総ての単語を、配列
T[t]に、その文法情報と共に格納する(ステップS
412)。その後、全配列T[t]について、文節を特
定して文節の配列B[b]を特定する(ステップS41
4)。文節は、隣接する単語(通常は自立語と付属語)
とから形成されるから、文節の配列B[b]は、この文
節に含まれる単語の配列T[t]を特定したテーブルを
形成することにより簡単に行なうことができる。次に、
この文節群の中から、文全体の述語を形成している文節
を検索し(ステップS416)、これを文構造を示す配
列S[s]の先頭S[0]に格納する(ステップS41
8)。述語は、用言を含み、文末に存在する文節として
特定することができる。
【0045】次に、この述語を示す文節を起点として、
係り受けの検定を行ない(ステップS420)、総ての
文節にいての処理が終わるまで、各文節同士の関係を配
列S[s]に格納していく(ステップS422、S42
4、S426)。以上の処理を行なうことにより、「良
い音質で聞きたい」という文であれば、図8に示したよ
うに、「聞きたい」を述部S[0]として、「良い」→
「音質で」、「良い音質で」→「聞きたい」という構文
が解析される。以上の処理を行なった後、形態素解析さ
れ、構文解析されたデータを出力する処理を行なう(ス
テップS318)。データは、そのまま次の標準化処理
に渡されても良いし、一旦ハードディスク27に識別コ
ード付きで保存されるものとしても良い。
【0046】こうして形態素解析され構文解析された文
に対して、 ・文字の標準化処理(ステップS340) ・表記の統一処理(ステップS350) ・自立語の統一処理(ステップS350) という3つの標準化処理が行なわれる。
【0047】文字の標準化を例示すると、 (A)括弧:『』と「」の置き換えを行なうなど、
(B)引用符:“”と””の置き換えを行なうなど、
(C)一般記号:種々の記号(例えば「:,?!」な
ど)について、半角/全角の置き換えを行なうなど、
(D)カタカナや英数字:全角/半角や大文字/小文字
の置き換えを行なうなど、(E)句点・読点:句点、読
点を「、」「。」に統一するなど、(F)名前の繋文
字:「クイーン=エリザベス」を「クイーン・エリザベ
ス」に置き換えるなど、がある。
【0048】これらの規則を用いて、各文字を変更する
処理を行なう。その後、表記のゆれを統一する表記の標
準化処理を行なう(図5、ステップS350)。表記の
ゆれとは、日本語における表記の曖昧さ、許容幅を言
い、例えば、 長音記号のゆれ:例、ウィンドウズ(登録商標)、ウ
ィンドーズ、 送り仮名のゆれ:例、売上げ、売り上げ、 拗音表記のゆれ:例、ウィザード、ウイザード、 複合語のかな表記のゆれ:例、売り上げ、売りあげ、 外来語表記のゆれ:エンゼル、エンジェル、 繰り返し文字のゆれ:例、正正堂堂、正々堂々、 などを挙げることができる。
【0049】更に、標準化辞書DICを参照することに
より、自立語の統一処理が行なわれる(ステップS36
0)。自立語の統一処理としては、 (イ)修飾語:すごく、最高の、一番の、高い、など (ロ)名詞:サウンドカード、音声ボード、音源カー
ド、など (ハ)動詞:聴く、聞く、視聴する、楽しむ、など などを例示することができる。
【0050】こうした形態素解析や標準化の処理が行な
われた後、処理後の情報を用いて、推論に必要な情報を
取得する回答取得処理(ステップS370)が実行され
る。ここで、回答取得処理とは、知識ベースABに記憶
されているルールの連鎖関係を考慮して行なわれる処理
であり、応答入力部AIに入力された自然言語による応
答が、前記問い合わせ処理(ステップS310)による
質問に対する直接的な回答でなくても、命題の解決に必
要な情報を取得し、かつ、解決に必要な回答を推論す
る。具体的には、問い合わせ処理による質問が前出のル
ール1「パソコンで音楽を聴きますか?」というもので
あり、返答入力処理(ステップS320)により得られ
た返答が「はい、ものすごく良い音で」というものであ
った場合を説明する。このとき、回答取得処理(ステッ
プS370)では、「はい、ものすごく良い音で」とい
う自然言語を処理し、まず形態素解析で、「はい」「も
のすごく」「良い」「音で」などの文節を取り出す。次
に、これを句構造解析し、この文から、二つの構造「は
い」と「ものすごく良い音で」を取り出す。更に、標準
化の処理を行なうことで、「はい」と「高音質で」とい
う二つの回答と理解するのである。この結果、一度にル
ール1とルール2の回答を得ることができる。なお、回
答が「ものすごく良い音で」だけであれば、「高音質
で」という回答、即ちルール2だけが、ルール1の質問
に対する応答として得られることになるが、ルール1に
従属するルール2に対する回答が得られたと言うこと
は、ルール1についても、「はい」という回答が得られ
たと判断する。すなわち、ここで得られた情報が、従属
する下位のルールへの回答であったとき、その上位のル
ールに対する回答として「はい聴きます」という回答を
推論し、一連のルールの回答に矛盾が無いように上位ル
ールへの回答を推論するのである。返答入力処理(ステ
ップS320)の回答が「はい」「聴きます」などの通
常のものであるときは、その回答をルール1の変数とし
て取得することは勿論である。
【0051】こうした高度の回答取得処理の後に、推論
過程を示すテーブルに、取得した情報を記録し(ステッ
プS380)、このテーブルを参照して、推論結果の出
力に必要な総ての情報が得られたか否かを判断する(ス
テップS390)。未だに情報が不足しているときには
再度前記した推論(ステップS300)へと戻る。一
方、推論結果の出力に十分な情報が得られたと判定され
たときは、それらの情報に基づいた推論結果を利用者に
出力する結果出力処理(ステップS400)が処理さ
れ、本プログラムを終了する。
【0052】以上説明した本実施例の対話型エキスパー
トシステム20によれば、キーボード11あるいはコン
ピュータ30からネットワーク10を介して入力する情
報は、命題の解決のために必要な質問に対する「はい」
「いいえ」という単純な回答でなくてもよく、より自然
な自然言語をキーボード11やコンピュータ30から行
なうことで達成され、利用者はフラストレーションを感
じることなく情報を入力し、対話型エキスパートシステ
ム20を利用することができる。しかも、その自然言語
により取得することができる情報が、現在の質問に対す
る回答と一致する物でなかった場合であっても、これを
理解し、従属する質問への回答を取得することができ
る。これにより利用者は、対話型エキスパートシステム
20が必要としている情報が何であるかをいちいち考え
て回答する必要がなくなり、自然な言語によるコミニュ
ケーションに基づいて命題の解決を得ることができる。
また、一連の質問の従属する質問に対する回答が得られ
た場合には、その回答が得られた質問の上位に位置する
質問への回答が類推されるため、利用者が当然であると
考える回答を得るための、いわゆる冗長な質問が生成さ
れることが回避され、効率的、短時間に推論の結果を得
ることができる。
【0053】なお、上記実施例では、キーボード11あ
るいはコンピュータ30から文字情報が入力される例に
ついて説明したが、マイク13やコンピュータ30を介
して音声によって必要な情報を入力するシステムとして
構築しても良い。この様な場合には、応答の入力部とし
てノイズをカットするアクティブフィルタ、音声認識
部、音声理解部などを用意し、質問の出力部として音声
合成部、抑揚部などを付加することで、対話型エキスパ
ートシステムが構成される。
【0054】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の態様
により具現化されることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として対話型エキスパート
システム100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】対話型エキスパートシステム100において実
行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】実施例としての対話型エキスパートシステム2
0のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】実施例の対話型エキスパートシステム20の機
能ブロック図である。
【図5】実施例の対話型エキスパートシステム20にて
処理されるエキスパートプログラムのフローチャートで
ある。
【図6】形態素解析および文構造解析処理の概要を示す
フローチャートである。
【図7】文構造解析の一例を示すフローチャートであ
る。
【図8】例文を文構造解析した結果を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10…ネットワーク 11…キーボード 12…マウス 13…マイク 18…ルータ 20…対話型エキスパートシステム 22…CPU 23…ROM 24…RAM 25…タイマ 26…表示回路 27…ハードディスク 29…モニタ 30…コンピュータ 100…対話型エキスパートシステム 110…推論エンジン 120…知識データベース 130…ディスプレイ 140…入力装置 150…解析装置 AB…知識ベース AE…応答解析部 AI…応答入力部 AN…推論エンジン AO…質問出力部 AS…質問生成部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利用者との対話によって情報を収集し、
    該収集した情報と知識ベースに蓄積された知識データと
    から推論エンジンにて推論を行なうことで推論結果を出
    力する対話型エキスパートシステムであって、 前記推論を行なうための一連の質問を、前記利用者が認
    識可能に出力する質問出力手段と、 該出力された質問に対して、前記利用者から自然言語に
    よる情報を入力する情報入力手段と、 該入力された前記自然言語の情報を解析する言語解析手
    段と、 該解析された前記自然言語の情報から、前記推論結果の
    出力に必要な情報を、前記一連の質問の順序に拘わらず
    に取得する情報取得手段とを備える対話型のエキスパー
    トシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の対話型エキスパートシス
    テムであって、 前記一連の質問に対応する回答例を記憶する回答例記憶
    手段を備え、 前記情報取得手段は、当該記憶した回答例に照らし合わ
    せることにより、前記解析された自然言語の情報から、
    前記出力された質問に対する回答以外の一連の質問の回
    答を取得する手段を有する対話型エキスパートシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の対話型エキスパートシス
    テムであって、 前記言語解析手段は、利用者が入力した自然言語を標準
    化する標準化手段を備え、 前記情報取得手段は、前記標準化された後の自然言語を
    用いて、前記回答例記憶手段が記憶している回答例との
    前記照らしあわせを行なう手段を備える対話型エキスパ
    ートシステム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の対話型エキスパートシス
    テムであって、 前記情報取得手段は、前記回答例記憶手段に記憶される
    回答例に関する同意語及び/または類義語の辞書を備
    え、該辞書を参照して前記推論結果の出力に必要な情報
    を取得する辞書参照部を備える対話型エキスパートシス
    テム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の対話型エキスパートシステムであって、 前記情報取得手段は、予め記憶した一連の質問の連鎖関
    係に基づいて前記推論結果の出力に必要な情報を推測す
    る情報推測部を備える対話型エキスパートシステム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    対話型エキスパートシステムであって、 前記情報取得手段は、該取得した情報と推論結果の出力
    に必要な情報とから不足する情報を特定し、該不足する
    情報を利用者から取得するための質問を自然言語により
    生成する質問生成部を備える対話型エキスパートシステ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか記載
    の対話型エキスパートシステムであって、 前記情報入力手段は、利用者の音声を入力する手段であ
    り、 前記言語解析手段は、前記入力した音声を認識すると共
    に、該認識した音声から前記自然言語の情報を取り出す
    手段である対話型エキスパートシステム。
  8. 【請求項8】 コンピュータによって実行されることに
    より、利用者との対話によって情報を収集し、該収集し
    た情報と知識ベースに蓄積された知識データとから推論
    エンジンにて推論を行なうことで推論結果を出力する対
    話型エキスパートシステムを実現するプログラムであっ
    て、 前記推論を行なうための一連の質問を、前記利用者が認
    識できる形態で出力する機能と、 該出力された質問に対して、前記利用者から自然言語に
    よる情報を入力すると、該入力された前記自然言語の情
    報を解析する機能と、 該解析された前記自然言語の情報から、前記推論結果の
    出力に必要な情報を、前記一連の質問の順序に拘わらず
    に取得する機能とをコンピュータにて実現するプログラ
    ム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のプログラムを記録した記
    録媒体。
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