JP2003108287A - 発電機構を備えたキー入力装置 - Google Patents

発電機構を備えたキー入力装置

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JP2003108287A
JP2003108287A JP2001305297A JP2001305297A JP2003108287A JP 2003108287 A JP2003108287 A JP 2003108287A JP 2001305297 A JP2001305297 A JP 2001305297A JP 2001305297 A JP2001305297 A JP 2001305297A JP 2003108287 A JP2003108287 A JP 2003108287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パーソナルコンピュータ入力用のケーブルレス
式キーボードにおいて、パーソナルコンピュータ本体に
無線送信を行うための電源として発電を行う。 【解決手段】キートップ11の押下および支持ばね12
の圧縮力により、キートップ11が上下動する。発電用
ばね15、発電用磁石14もキートップ11に従って下
降、上昇するが、拘束弁16により発電用磁石14は、
キートップ11とは少しずれた動きをする。拘束弁16
は、下降する発電用磁石14に当接して発電用ばね15
の圧縮力が一定の力になるまで発電用磁石14の下降を
一旦遮り、発電用ばね15の圧縮力が一定の力以上にな
ると発電用磁石14を通過させて、更に下降することが
できるようにするものである。しかも、拘束弁16は上
昇する発電用磁石14には小さな力しか及ぼさず、発電
用磁石14がほとんど停止することなく通過することが
できるようにするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電機構を備えた
キー入力装置に関し、特にパーソナルコンピュータ等の
入力装置として用いられ、操作者のキー入力操作によっ
て同時に発電もなされる発電機構を備えたキー入力装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パーソナルコンピュータ等にお
ける入力装置であるキーボードは、パーソナルコンピュ
ータ等の本体と1本あるいはそれ以上のケーブルで接続
されており、操作者の行うキー入力による信号はこのケ
ーブルを通してパーソナルコンピュータ等に入力される
ことになる。このときに必要な電力に関しては、前出の
ケーブルを使用してパーソナルコンピュータ等本体から
キーボードに供給されることになる。
【0003】しかし、この形態ではキーボードの設置位
置の自由度が無いため、キーボード内部に充電池のよう
な電源を備えて、キー入力内容については赤外線通信や
電波によってパーソナルコンピュータ等本体へ送信する
ようにしてケーブルレス化を実現し、キーボードの設置
位置の自由度を持たせるようになった。
【0004】このようなケーブルレスのキーボードで
は、それ自体に電源が必要であり、特開昭58ー103
015号公報には、圧電素子を用いてキー操作により発
電し、電池の交換や充電を不要にする発電気候を備えた
キー入力装置が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点は、ケー
ブルレス化されたキーボードは、そのキー入力内容をパ
ーソナルコンピュータ等へ送信/入力のためには必ず電
力が必要となり、これらはキーボーに内蔵された電池を
利用することになるが、定期的に交換あるいは充電する
必要が生じることである。
【0006】その理由は、ケーブルレス化によりキーボ
ード外部からの電力供給を行う手段がなくなるためであ
る。
【0007】第2の問題点は、特開昭58−10301
5にみられる圧電素子を使用した発電方式の場合、赤外
線通信や電波により信号をパーソナルコンピュータへ送
信するにのに十分なある程度大きな電力を得ようとする
と、機構が大きくなることである。
【0008】その理由は、現在の圧電素子の特性から、
大きな電力を得るためには積層数の増加や、圧縮力を大
きくする必要があり、このために加圧装置を複雑化する
必要が生じるためである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発電機構を備え
たキー入力装置は、下端が枠体(図1の17)に固定さ
れた支持ばね(図1の12)と、下面がこの支持ばねの
上端に固定されたキートップ(図1の11)と、このキ
ートップの下面に上端が固定された発電用ばね(図1の
15)と、前記枠体に固定された発電用コイル(図1の
13)と、前記発電用ばねの下端に固定され前記支持ば
ねまたは前記発電用ばねの伸縮により前記発電用コイル
の内側を上下動可能な発電用磁石(図1の14)と、前
記発電用コイルの上側に設けられ前記キートップの下降
に伴って下降してくる前記発電用磁石を前記発電用コイ
ルが一定の圧縮力を生じるまで下降しないように阻止す
る拘束弁(図1の16)とを含み、前記キートップが非
押下状態では、前記発電用磁石は前記拘束弁より上側に
位置しているが、前記キートップが押下されて下降する
過程において前記発電用磁石が前記拘束弁に下降を一旦
止められて前記発電用ばねの圧縮力が一定になった時に
前記発電用磁石が前記拘束弁の位置を通過して更に下降
することを特徴とする。
【0010】本発明の発電機構を備えたキー入力装置
は、下端が枠体(図1の17)に固定された支持ばね
(図1の12)と、下面がこの支持ばねの上端に固定さ
れたキートップ(図1の11)と、このキートップの下
面に上端が固定された発電用ばね(図1の15)と、前
記枠体に固定された発電用コイル(図1の13)と、前
記発電用ばねの下端に固定され前記支持ばねまたは前記
発電用ばねの伸縮により前記発電用コイルの内側を上下
動可能な発電用磁石(図1の14)と、前記発電用コイ
ルの上端近傍に設けられた水平軸(図5の23)に軸支
され通常状態では先端が前記発電用磁石が上下動する走
行路内に突出しているラッチ(図5の22)と、前記キ
ートップの下降に伴って下降してくる前記発電用磁石を
前記ラッチの先端が係止して一定の力まで下降しないよ
うに阻止するようにするために前記ラッチを通常状態に
保持するように前記ラッチを付勢する拘束用付勢手段
(図5の24)と、前記キートップの押下が解除された
時に前記発電用ばねの力で前記発電用磁石が上へ上昇す
るのを妨げないように前記ラッチが回転して前記ラッチ
の先端が前記走行路から退避可能な力で前記ラッチを通
常状態に保持するように付勢する復帰用付勢手段(図5
の25)とを含み、前記キートップが非押下状態では前
記発電用磁石は前記ラッチより上側に位置しているが、
前記キートップが押下されて下降する過程において前記
発電用磁石が前記ラッチの先端に下降を一旦止められて
前記発電用ばねの圧縮力が一定になった時に前記発電用
電磁石が前記ラッチの位置を通過して更に下降すること
を特徴とする。
【0011】本発明の発電機構を備えたキー入力装置
は、下端が枠体(図1の17)に固定された支持ばね
(図1の12)と、下面がこの支持ばねの上端に固定さ
れたキートップ(図1の11)と、このキートップの下
面に上端が固定された発電用ばね(図1の15)と、前
記枠体に固定された発電用コイル(図1の13)と、前
記発電用ばねの下端に固定され前記支持ばねまたは前記
発電用ばねの伸縮により前記発電用コイルの内側を上下
動可能な発電用磁石(図1の14)と、前記発電用コイ
ルの上側に設けられ上側には倒れ易く下側には倒れ難い
リップ(図8の32)を前記発電用磁石が上下動する走
行路内に突出している弾性を有する拘束弁(図8の3
1)と、前記キートップが非押下状態では前記発電用磁
石は前記拘束弁より上側に位置しているが、前記キート
ップが押されて下降する過程において前記発電用磁石が
前記拘束弁の前記リップに下降を一旦止められて前記発
電用ばねの圧縮力が一定になった時に前記発電用電磁石
が前記リップを下側に倒して前記拘束弁の位置を通過し
て更に下降し、前記キートップの押下が解除された時は
前記発電用コイルの力で前記発電用磁石が上へ上昇する
のを妨げないように前記発電用磁石に押されて前記リッ
プが上側に倒れることを特徴とする。
【0012】本発明の発電機構を備えたキー入力装置
は、下端が枠体(図1の17)に固定された支持ばね
(図1の12)と、下面がこの支持ばねの上端に固定さ
れたキートップ(図1の11)と、このキートップの下
面に上端が固定された発電用ばね(図1の15)と、前
記枠体に固定された発電用コイル(図1の13)と、前
記発電用ばねの下端に固定され前記支持ばねまたは前記
発電用ばねの伸縮により前記発電用コイルの内側を上下
動可能な発電用磁石(図1の14)と、上端(図11の
42)が前記発電用コイルの上側に位置し下端(図11
の43)が前記発電用磁石が上下動する走行路の外側に
位置し通常は前記上端が前記発電用コイルの走行路内に
突出し前記下端から前記上端までの中間部分(図11の
44)が垂直線と小さい角度で傾き前記上端の前記発電
用磁石と対向する部分が垂直線と大きな角度で前記発電
用コイルから外側に行くほど高くなるように傾いている
か前期発電用磁石の下面の外側ほど高くなるように垂直
線と大きな角度で傾いている面に前記上端が対向してい
るかのいずれかである板ばね(図11の41)とを含
み、前記発電用コイルが非押下状態では、前記発電用磁
石は前記板ばねの前記上端より上側に位置しているが、
前記キートップが押されて下降する過程において前記発
電用電磁石が前記板ばねの前記上端に下降を一旦止めら
れて前記発電用ばねの圧縮力が一定になった時に前記上
端が前記走行路から退避して前記発電用磁石が前記上端
の位置を通過して更に下降し、前記キートップの押下が
解除された時には前記発電用ばねの力で上昇する発電用
磁石に前記板ばねが押されて前記走行路から退避するこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の発電機構を備えたキー入力装置
は、下端が枠体(図1の17)に固定された支持ばね
(図1の12)と、下面がこの支持ばねの上端に固定さ
れたキートップ(図1の11)と、このキートップの下
面に上端が固定された発電用ばね(図1の15)と、前
記枠体に固定された発電用コイル(図1の13)と、前
記発電用ばねの下端に固定され前記支持ばねまたは前記
発電用ばねの伸縮により前記発電用コイルの内側を上下
動可能な発電用磁石(図1の14)と、前記発電用コイ
ルの上端近傍に設けられた水平軸(図12の52)に軸
支され通常は先端(図12の53)を前記発電用磁石が
上下動する走行路内に突出させている板ばね(図12の
51)と、この板ばねを下面が前記水平軸より前記発電
用磁石の走行路側でしかもこの走行路から外側に離隔し
た位置で固定支点(図12の発電用コイル13の上面)
に当接するように付勢する復帰用付勢手段(図12の5
4)とを含み、前記キートップが非押下状態では、前記
発電用磁石は前記板ばねより上側に位置しているが、前
記キートップが押されて下降する過程において前記発電
用磁石が前記板ばねの先端に下降を一旦止められて前記
発電用ばねの圧縮力が一定になった時に前記発電用磁石
が前記板ばねの先端を下側にたわませて前記板ばねの位
置を通過して更に下降し、前記キートップの押下が解除
された時には前記発電用ばねの力で上昇する発電用磁石
に前記板ばねが押されて前記復帰用付勢手段の力に抗し
て上側に回転して前記走行路から退避することを特徴と
する。
【0014】本発明の発電機構を備えたキー入力装置
は、下端が枠体(図1の17)に固定された支持ばね
(図1の12)と、下面がこの支持ばねの上端に固定さ
れたキートップ(図1の11)と、このキートップの下
面に上端が固定された発電用ばね(図1の15)と、前
記枠体に固定された発電用コイル(図1の13)と、前
記発電用ばねの下端に固定され前記支持ばねまたは前記
発電用ばねの伸縮により前記発電用コイルの内側を上下
動可能な発電用磁石(図1の14)と、後端が前記発電
用コイルの上端近傍に固定され通常は先端を前記発電用
電磁石が上下動する走行路内に突出させた板ばねと、前
記発電用電磁石により先端が下向きに押されて撓む前記
板ばねの下面を前記発電用磁石の走行路から外側に離隔
した位置で支持する固定支点とを含み、前記キートップ
が非押下状態では、前記発電用磁石は前記板ばねより上
側に位置しているが、前記キートップが押されて下降す
る過程において前記発電用磁石が前記板ばねの先端に下
降を一旦止められて前記発電用磁石が前記板ばねの前記
固定支点から先端側を十分に撓ませる力を前記発電用ば
ねから受けるようになったときに前記板ばねの位置を超
えて下降し、前記キートップの押下が解除された時には
前記発電用ばねの力で上昇する発電用磁石が前記板ばね
の後端から先端までの全体を上側へ撓ませて前記板ばね
の先端を前記走行路から退避させることを特徴とする。
【0015】上述の発電機構を備えたキー入力装置を用
いたキーボードは、前記発電用磁石の上下動により前記
発電用コイルに生じる電力を用いてキー入力の内容を無
線信号により外部へ送出する用にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の実施の形態の発電機構を
備えたキー入力装置の縦断面図である。
【0018】キートップ11は、下面が支持ばね12の
上端に固定され、支持ばね11の下端は枠体17に固定
されている。キー11の下面には発電用磁石14が発電
用ばね15を介して取り付けられている。枠体17の支
持ばね12の内側に発電用コイル13が固定され、発電
用コイル13の上面に拘束弁16が固定されている。図
1は、キートップ11が非押下の状態を示し、発電用磁
石14が拘束弁16より上側に位置している。
【0019】指でキートップ11を押し下げることによ
り支持ばね12が圧縮され、キートップ11から指を離
せばキートップ11は支持ばね12の力で上昇する。発
電用ばね15、発電用磁石14もキートップ11に従っ
て下降、上昇するが、拘束弁16の作用により発電用磁
石14は、キートップ11とは少しずれた動きをする。
【0020】拘束弁16は、下降する発電用磁石14に
当接して発電用ばね15の圧縮力が一定の力になるまで
発電用磁石14の下降を一旦遮り、発電用ばね15の圧
縮力が一定の力以上になると発電用磁石14を通過させ
て、更に下降することができるようにするものである。
しかも、拘束弁16は上昇する発電用磁石14には小さ
な力しか及ぼさず、発電用磁石14がほとんど停止する
ことなく通過することができるようにするものである。
【0021】図5は、拘束弁16の詳細を示す断面図で
ある。
【0022】発電用コイル13の上面の少なくとも2個
所以上の等配された位置に固定されたケース21に設け
られた水平な軸23にラッチ22が軸支され、ラッチ2
2の後端はケース21との間に設けられた拘束用ばね2
4および復帰用ばね25とで挟まれ、通常はラッチ22
は水平で先端を発電用磁石14が上下動する走行路内に
突出している。拘束用ばね24は、以下に述べるように
大きな力のばねとし、復帰用ばね25は小さな力のばね
とする。
【0023】図6に示すように発電用磁石14が下降
し、ラッチ22の先端に当接しても拘束用ばね24の力
でラッチ22の回転が妨げられ、発電用磁石14は一旦
停止し、その後のキートップ11の下降により発電用ば
ね15の圧縮力が一定以上になった時にラッチ22が図
6における右回りに十分に回転してラッチ22の先端が
走行路から退避して発電用磁石14をさらに下降させ
る。
【0024】一方、図7に示すように発電用磁石14が
上昇する時は、発電用磁石14がラッチ22の先端に下
側から当接してラッチ22を図7における左回りに回転
させる。この時は、復帰用ばね25が圧縮させられラッ
チ22に反力を及ぼすが、復帰用ばね25の力は小さい
ので発電用磁石14はほとんど停止することなく上昇す
る。
【0025】キートップ11が図1に示す非押下状態か
ら指で押し下げられ、発電用磁石14も少しだけ下降し
たが拘束弁16に下降を止められた状態を図2に示す。
この後、キートップ11がさらに押し下げられると、支
持ばね12とともに発電用ばね15も、より大きく圧縮
されていき、圧縮力が一定(拘束用ばね24のばね力に
対応する力)に達した時点で図3に示すように発電用磁
石14が拘束弁16の位置を通過して更に下降する。キ
ートップ11が拘束弁16の上面に当接しても発電用磁
石14は、発電用ばね15のばね力および慣性力によ
り、下降を続け図4に示す状態になる。
【0026】キートップ11から指を離し、押下を解除
すると、キートップ11は支持ばね12の力で上昇し、
発電用磁石14も発電用ばね15と共に上昇し、図1の
状態に戻る。
【0027】キートップ11の押下により発電用磁石1
4が拘束弁16の位置を通過すると発電用磁石14は発
電用コイル13内を下降することとなり、発電用コイル
13に起電力が生じる。この発電用磁石14が拘束弁1
6の位置を通過したときの発電用ばね15の圧縮力は常
に一定の値となっており、しかも発電用磁石14は、停
止した状態から発電用ばね15に押されて下降し始める
ので、キートップ11の押下を繰り返しても発電用磁石
14の速度および加速度の変化状態が常に同一となる再
現性があり、発電用コイル13で常に同じレベルの発電
が行われることとなる。
【0028】操作者がキートップ11から指を離すこと
により、支持ばね12の反発力でキー11、発電用ばね
15、発電用磁石14が上昇する時も、発電用コイル1
3に再び磁束変化による電流が発生する。
【0029】操作者のキートップ11の押し下げおよび
離す動作によって交流電流が得られるので、必要に応じ
て整流する。本実施の形態の発電機構を備えたキー入力
装置を複数並べ、ケーブルレスキーボードに用い、キー
入力による信号をパーソナルコンピュータの本体等に送
出するための赤外線や電波等の送信機を機能させる目的
に発電用コイル13に生じた電流を利用できる。
【0030】ケーブルレスキーボードに蓄電池を備え、
発電用コイル13に生じた電流を整流し、その電流で蓄
電池を充電し、蓄電池を電源として赤外線や電波等の送
信機を動作させることもできる。
【0031】また、本発明の発電機構を備えたキー入力
装置は、ケーブルレスキーボードに限らず、携帯用電子
機器等においても用いることができ、発電用コイル13
に生じた電流でその電子機器の回路を動作させるように
することもできる。
【0032】図8は、他の拘束弁の詳細を示す断面図で
ある。
【0033】図8において拘束弁31は、弾性を有する
シリコンゴム等で成形され、全体としては環状をなし、
発電用コイル13の上面に沿って固定されている。拘束
弁31の内面に沿って縁が斜め上に向き、発電用磁石1
4の走行路内に突出したリップ32が設けられている。
【0034】キートップ11の押下時に発電用磁石14
が下降するときは、図9に示すように発電用磁石14が
リップ32に当たり、リップ32を縁が下向きに倒れる
ように大きく弾性変形させなければならなくて、大きな
抵抗力を受け、この大きな抵抗力に等しい圧縮力が発電
用ばね15が圧縮されるまで発電用磁石14は拘束弁3
1の位置で一旦停止することとなる。
【0035】一方、キートップ11の押下の解除によ
り、発電用磁石14が上昇する時は、図10に示すよう
に、発電用磁石14がリップ32に当たっても縁を更に
上向きになるように少しだけ弾性変形させればよいので
小さな抵抗力しか受けないで拘束弁31の位置を通過す
る。
【0036】なお、拘束弁31は、環状のものでなくて
も、発電用コイル13の上面の等配した位置に複数の分
離したものを配置するようにすることもできる。また
は、環状の拘束弁31の内面にリップ32のみを切れ切
れに分離して配置するようにしてもよい。
【0037】図11は、さらに他の拘束弁を示す断面図
である。
【0038】図11において、発電用コイル13の内周
を等分する位置に配置された縦方向に長い複数の板ばね
41が拘束弁を構成する。板ばね41の下端43が発電
用コイル13の下側の発電用磁石14の走行路の外側の
位置で枠体17に固定され、通常は、上端42が内側が
発電用磁石14の走行路内に突出し、上端42と下端4
3の間の中間部44は垂直線に対し小さな角度で傾いて
いる。また、板ばね41の上端42は、外側ほど高くな
るように垂直線と大きな角度をなすように折り曲げられ
ている。
【0039】キートップ11の押下時に発電用磁石14
が下降するときは、図9に示すように発電用磁石14が
板ばね41の上端42に当たり、上端42が傾いている
ために上端42を外側へ押し出して発電用磁石14は上
端42の位置を通過することになるが、上端42の垂直
線に対する傾きが大きいので発電用磁石14は大きな抵
抗力を受け、この大きな抵抗力に等しい圧縮力が発電用
ばね15が圧縮されるまで発電用磁石14は拘束弁31
の位置で一旦停止することとなる。
【0040】一方、キートップ11の押下の解除によ
り、発電用磁石14が上昇する時は、発電用磁石14が
板ばね41の中間部44に当たっても中間部44が垂直
線に対し少ししか傾いていないの小さな抵抗力しか受け
ないで板ばね41の位置を通過する。
【0041】なお、発電用電磁石14の板ばね41の上
端42が当たる部分が外側ほど高くなるように傾いてい
る用にして、板ばね41の上端42に傾きを設けないよ
うにすることもできる。
【0042】図12は、さらに他の拘束弁を示す断面図
である。
【0043】図12において、発電用コイル13の上面
の外周に等配された位置に設けられた複数の水平な軸5
2に軸支された複数の板ばね51が拘束弁を構成する。
板ばね51は、発電用コイル13後端と枠体17との間
に設けられた圧縮ばね54により図12における右回り
の回転力を付加されて、通常は下面を発電用コイル13
の上面に当接させて水平な状態にあり、先端53を発電
用磁石14の走行路に突出させている。ただし、圧縮ば
ね54の力は弱く設定しておく。
【0044】キートップ11の押下時に発電用磁石14
が下降するときは、発電用磁石14が板ばね51の先端
53に当たり、先端53を下側へ押し曲げて先端53を
走行路から退避させて発電用磁石14は板ばね51の位
置を通過することになるが、このときは板ばね51の発
電用コイル13の上面からはみ出た短い部分の曲げのみ
で先端53を走行路から退避させなければならないた
め、発電用磁石14は大きな抵抗力を受け、この大きな
抵抗力に等しい圧縮力が発電用ばね15が圧縮されるま
で発電用磁石14は板ばね51の位置で停止することと
なる。
【0045】一方、キートップ11の押下の解除によ
り、発電用磁石14が上昇する時は、発電用磁石14が
板ばね51の先端53に当たると板ばね51は軸52を
中心に図12における左回りに回転し、圧縮ばね54に
よる小さな抵抗力しか受けないで発電用磁石14は板ば
ね51の位置を通過する。
【0046】なお、板ばね51の材質、厚さおよび幅を
適当に選ぶほか、先端53をある程度下に傾けた形状に
しておくとか、発電用磁石14の先端53が当たる部分
に傾斜を設ける等して発電用磁石14が先端53を下向
きに曲げるときに受ける抵抗力を適当に調節することも
できる。また、板ばね51の発電用コイル13の上面に
接する部分の長さと、接していない先端部分の長さとの
比を変えることによっても発電用磁石14が受ける抵抗
力を調整することができる。
【0047】また、図12において、板ばね51を軸5
2に軸支させることなく、後端を固定し、先端を自由端
とした片持ち梁状に支持した板ばね(以下の説明で片持
ちばねと称す)でさらに他の拘束弁を構成することもで
きる。ただし、この場合も片持ちばねは上側には自由に
曲げられるように空間を設けておき、通常の状態におい
ては片持ちばねの先端は発電用磁石14の走行路内に突
出し、片持ちばねの下面の先端部分を除く他の部分は発
電用コイル13の上面に接しているようにする。
【0048】キートップ11の押下時に発電用磁石14
が下降するときは、発電用磁石14が片持ちばねの先端
に当たり、先端を下側へ押し曲げて先端を走行路から退
避させて発電用磁石14は片持ちばねの位置を通過する
ことになるが、このときは片持ちばねの発電用コイル1
3の上面からはみ出た短い部分の曲げのみで先端を走行
路から退避させなければならないため、発電用磁石14
は大きな抵抗力を受け、この大きな抵抗力に等しい圧縮
力が生じるように発電用ばね15が圧縮されるまで発電
用磁石14は片持ちばねの位置で一旦停止することとな
る。
【0049】一方、キートップ11の押下の解除によ
り、発電用磁石14が上昇する時は、発電用磁石14が
片持ちばねの先端に当たると片持ちばねの全体が上側に
撓んで先端を発電用磁石14の走行路から退避させるこ
とができるため、片持ちばねから小さな抵抗力しか受け
ないで発電用磁石14は片持ちばねの位置を通過する。
【0050】なお、通常の状態において片持ちばねの下
面を発電用コイル13の上面に密着させないで少しの隙
間を設けておけば、発電用磁石14が下降する際に先端
に当たって片持ちばねを下側に撓ませるときに、片持ち
ばねは、まず全体で少し撓んで下面が発電用コイル13
の上面に当接してから先端部分のみを撓ませることとな
るので発電用磁石14が片持ちばねから受ける抵抗力を
少し小さくなるように調整することができる。
【0051】
【発明の効果】第1の効果は、操作者のキー入力操作に
よるキートップの押し下げ速度に依存することのない一
様な発電が常に可能となることである。
【0052】その理由は、発電用磁石の下降時に拘束弁
により、発電用磁石を発電用ばねが一定の圧縮力を生じ
るまで停止させることにより、発電用磁石の発電用コイ
ル内を上下動作が常に一様になるようにし、発電用コイ
ルが常に同じレベルの発電を行えるようにしているから
である。
【0053】第2の効果は、ケーブルレス式キーボード
等に用いることにより、必要な内蔵電源の機能を果た
し、他の内蔵電源を不要とすることができることであ
る。あるいはケーブルレス式キーボード等の内蔵電源と
しての電池を充電することにより、この電池の使用時間
の延長が可能となることである。
【0054】その理由は、電力を必要とするキー入力場
面で操作者のキー入力操作を元に発電が行われるためで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の発電機構を備えたキー入
力装置のキートップ11の非押下状態の断面図である。
【図2】図1の発電機構を備えたキー入力装置のキート
ップ11を押し下げていて発電用磁石14が拘束弁16
に停止させられた状態の断面図である。
【図3】図1の発電機構を備えたキー入力装置のキート
ップ11を押し下げていて発電用磁石14が拘束弁16
の位置を通過した状態の断面図である。
【図4】図1の発電機構を備えたキー入力装置のキート
ップ11を押し下げ発電用コイル13の上面に当接した
状態の断面図である。
【図5】図1中の拘束弁16の詳細を示す断面図であ
る。
【図6】図5の拘束弁16のラッチ22の先端が発電用
磁石14により下側に押された状態の断面図である。
【図7】図5の拘束弁16のラッチ22の先端が発電用
磁石14により上側に押された状態の断面図である。
【図8】図1中の拘束弁16の他の例を示す断面図であ
る。
【図9】図8に示す拘束弁31のリップ32が発電用磁
石14により下側に押された状態の断面図である。
【図10】図8に示す拘束弁31のリップ32が発電用
磁石14により上側に押された状態の断面図である。
【図11】図1中の拘束弁16のさらに他の例を示す断
面図である。
【図12】図1中の拘束弁16のさらに他の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
11 キートップ 12 支持ばね 13 発電用コイル 14 発電用磁石 15 発電用ばね 16 拘束弁 17 枠体 21 ケース 22 ラッチ 23 軸 24 拘束用ばね 25 復帰用ばね 31 拘束弁 32 リップ 41 板ばね 42 上端 43 下端 44 中間部 51 板ばね 52 軸 53 先端 54 圧縮ばね

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、前記発電用コイルの上側に設けられ前記キー
    トップの下降に伴って下降してくる前記発電用磁石を前
    記発電用コイルが一定の圧縮力を生じるまで下降しない
    ように阻止する拘束弁とを含み、前記キートップが非押
    下状態では、前記発電用磁石は前記拘束弁より上側に位
    置しているが、前記キートップが押下されて下降する過
    程において前記発電用磁石が前記拘束弁に下降を一旦止
    められて前記発電用ばねの圧縮力が一定になった時に前
    記発電用磁石が前記拘束弁の位置を通過して更に下降す
    ることを特徴とする発電機構を備えたキー入力装置。
  2. 【請求項2】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、前記発電用コイルの上端近傍に設けられた水
    平軸に軸支され通常状態では先端が前記発電用磁石が上
    下動する走行路内に突出しているラッチと、前記キート
    ップの下降に伴って下降してくる前記発電用磁石を前記
    ラッチの先端が係止して一定の力まで下降しないように
    阻止するようにするために前記ラッチを通常状態に保持
    するように前記ラッチを付勢する拘束用付勢手段と、前
    記キートップの押下が解除された時に前記発電用ばねの
    力で前記発電用磁石が上へ上昇するのを妨げないように
    前記ラッチが回転して前記ラッチの先端が前記走行路か
    ら退避可能な力で前記ラッチを通常状態に保持するよう
    に付勢する復帰用付勢手段とを含み、前記キートップが
    非押下状態では前記発電用磁石は前記ラッチより上側に
    位置しているが、前記キートップが押下されて下降する
    過程において前記発電用磁石が前記ラッチの先端に下降
    を一旦止められて前記発電用ばねの圧縮力が一定になっ
    た時に前記発電用電磁石が前記ラッチの位置を通過して
    更に下降することを特徴とする発電機構を備えたキー入
    力装置。
  3. 【請求項3】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、前記発電用コイルの上側に設けられ上側には
    倒れ易く下側には倒れ難いリップを前記発電用磁石が上
    下動する走行路内に突出している弾性を有する拘束弁
    と、前記キートップが非押下状態では前記発電用磁石は
    前記拘束弁より上側に位置しているが、前記キートップ
    が押されて下降する過程において前記発電用磁石が前記
    拘束弁の前記リップに下降を一旦止められて前記発電用
    ばねの圧縮力が一定になった時に前記発電用電磁石が前
    記リップを下側に倒して前記拘束弁の位置を通過して更
    に下降し、前記キートップの押下が解除された時は前記
    発電用コイルの力で前記発電用磁石が上へ上昇するのを
    妨げないように前記発電用磁石に押されて前記リップが
    上側に倒れることを特徴とする発電機構を備えたキー入
    力装置。
  4. 【請求項4】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、上端が前記発電用コイルの上側に位置し下端
    が前記発電用磁石が上下動する走行路の外側に位置し通
    常は前記上端が前記発電用コイルの走行路内に突出し前
    記下端から前記上端までの中間部分が垂直線と小さい角
    度で傾き前記上端の前記発電用磁石と対向する部分が垂
    直線と大きな角度で前記発電用コイルから外側に行くほ
    ど高くなるように傾いているか前期発電用磁石の下面の
    外側ほど高くなるように垂直線と大きな角度で傾いてい
    る面に前記上端が対向しているかのいずれかである板ば
    ねとを含み、前記発電用コイルが非押下状態では、前記
    発電用磁石は前記板ばねの前記上端より上側に位置して
    いるが、前記キートップが押されて下降する過程におい
    て前記発電用電磁石が前記板ばねの前記上端に下降を一
    旦止められて前記発電用ばねの圧縮力が一定になった時
    に前記上端が前記走行路から退避して前記発電用磁石が
    前記上端の位置を通過して更に下降し、前記キートップ
    の押下が解除された時には前記発電用ばねの力で上昇す
    る発電用磁石に前記板ばねが押されて前記走行路から退
    避することを特徴とする発電機構を備えたキー入力装
    置。
  5. 【請求項5】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、前記発電用コイルの上端近傍に設けられた水
    平軸に軸支され通常は先端を前記発電用磁石が上下動す
    る走行路内に突出させている板ばねと、この板ばねを下
    面が前記水平軸より前記発電用磁石の走行路側でしかも
    この走行路から外側に離隔した位置で固定支点に当接す
    るように付勢する復帰用付勢手段とを含み、前記キート
    ップが非押下状態では、前記発電用磁石は前記板ばねよ
    り上側に位置しているが、前記キートップが押されて下
    降する過程において前記発電用磁石が前記板ばねの先端
    に下降を一旦止められて前記発電用ばねの圧縮力が一定
    になった時に前記発電用磁石が前記板ばねの先端を下側
    にたわませて前記板ばねの位置を通過して更に下降し、
    前記キートップの押下が解除された時には前記発電用ば
    ねの力で上昇する発電用磁石に前記板ばねが押されて前
    記復帰用付勢手段の力に抗して上側に回転して前記走行
    路から退避することを特徴とする発電機構を備えたキー
    入力装置。
  6. 【請求項6】 下端が枠体に固定された支持ばねと、下
    面がこの支持ばねの上端に固定されたキートップと、こ
    のキートップの下面に上端が固定された発電用ばねと、
    前記枠体に固定された発電用コイルと、前記発電用ばね
    の下端に固定され前記支持ばねまたは前記発電用ばねの
    伸縮により前記発電用コイルの内側を上下動可能な発電
    用磁石と、後端が前記発電用コイルの上端近傍に固定さ
    れ通常は先端を前記発電用電磁石が上下動する走行路内
    に突出させた板ばねと、前記発電用電磁石により先端が
    下向きに押されて撓む前記板ばねの下面を前記発電用磁
    石の走行路から外側に離隔した位置で支持する固定支点
    とを含み、前記キートップが非押下状態では、前記発電
    用磁石は前記板ばねより上側に位置しているが、前記キ
    ートップが押されて下降する過程において前記発電用磁
    石が前記板ばねの先端に下降を一旦止められて前記板ば
    ねの前記固定支点から先端側を十分に撓ませる力を前記
    発電用ばねから受けるようになったときに前記板ばねの
    位置を超えて下降し、前記キートップの押下が解除され
    た時には前記発電用ばねの力で上昇する発電用磁石が前
    記板ばねの後端から先端までの全体を上側へ撓ませて前
    記板ばねの先端を前記走行路から退避させることを特徴
    とする発電機構を備えたキー入力装置。
  7. 【請求項7】 前記発電用磁石の上下動により前記発電
    用コイルに生じる電力を用いてキー入力の内容を無線信
    号により外部へ送出する請求項1〜6のいずれかに記載
    の発電機構を備えたキー入力装置を用いたキーボード。
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