JP2003107385A - 反射型走査光学系 - Google Patents

反射型走査光学系

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JP2003107385A
JP2003107385A JP2001306086A JP2001306086A JP2003107385A JP 2003107385 A JP2003107385 A JP 2003107385A JP 2001306086 A JP2001306086 A JP 2001306086A JP 2001306086 A JP2001306086 A JP 2001306086A JP 2003107385 A JP2003107385 A JP 2003107385A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンドリカルレンズの入出射面で反射を繰り
返すことにより射出される描画に不要な光を描画用のレ
ーザー光束とは異なる方向に向けさせ得る反射型走査光
学系を、提供する。 【解決手段】反射型走査光学系10は、レーザー光源1
とコリメートレンズ2とシリンドリカルレンズ3とポリ
ゴンミラー4とfθミラー5とを備える。シリンドリカ
ルレンズ3は、平面3aがシリンドリカル面3bの母線
と平行な方向から傾けられることによって、構成され
る。シリンドリカルレンズ3のシリンドリカル面3bと
平面3aとによって繰り返し反射されてポリゴンミラー
4側に射出される迷光Gは、平面3aとシリンドリカル
面3bとが傾いていることにより、描画用のレーザー光
束とは異なる方向に偏向されるので、ポリゴンミラー3
の周囲を通り抜けて走査対象面に達することがない。ま
た、迷光Gの光路上に遮蔽部材12を配置できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転多面鏡で偏向
したレーザー光束を曲面状の反射面を有する光学素子で
反射して走査対象面上を走査する反射型走査光学系に、
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、走査光学系は、多角柱状の回転
多面鏡をその中心軸周りに回転させ、その回転多面鏡の
各側面にてレーザー光束を動的に偏向することによっ
て、走査対象面上でレーザー光束を走査する。また、走
査対象面上でレーザー光束が走査される方向(主走査方
向)と直交する方向(副走査方向)に、この走査対象面
自体が移動されると、走査対象面上には複数の線状の軌
跡(走査線)が一定の間隔で形成されるので、レーザー
光束が画像情報に従ってオンオフ変調されていれば、走
査対象面上には二次元状の画像が形成される。
【0003】従来の走査光学系は、等角速度で回転する
回転多面鏡にて偏向されたレーザー光束を走査対象面上
において等速度で走査させるために、回転多面鏡と走査
対象面との間に走査速度補正用のfθレンズを備えてい
た。また、回転多面鏡の有するいわゆる面倒れ誤差を補
正するために、副走査方向においてレーザー光束を回転
多面鏡の反射面上で一旦集束させるシリンドリカルレン
ズも備えていた。そして、当該反射面と走査対象面とが
fθレンズにより副走査方向において共役関係となるよ
うに、fθレンズの副走査方向における収束パワーが設
定されていた。
【0004】最近では、fθレンズの代わりに曲面反射
鏡を採用することによって色収差の低減や折り返しによ
る小型化が期待できる反射型走査光学系が、提案されて
いる。その曲面反射鏡は、回転多面鏡により反射された
レーザー光束を走査対象面に向けて更に反射する反射鏡
であり、その反射面は、回転多面鏡の中心軸を含む仮想
平面を対称面とすると、その対称面を挟む両側が面対称
となるアナモフィックな面形状に形成されている。ま
た、この曲面反射鏡は、従来のfθレンズと同様に、走
査対象面上での走査速度の補正機能,主走査方向の像面
湾曲補正機能,副走査方向の像面湾曲補正機能,及び、
回転多面鏡の面倒れ誤差補正機能を有している。そし
て、反射型走査光学系では、曲面反射鏡の反射面による
収差を防止するために、回転多面鏡に入射するレーザー
光束が上記の仮想平面に沿って進行し、且つ、上記の仮
想平面と走査対象面とが直交するように、光源と回転多
面鏡と曲面反射鏡が、配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したシ
リンドリカルレンズの内部では、以下に説明するような
現象が生じている。即ち、光源側及び回転多面鏡側のレ
ンズ面を夫々第1面及び第2面とすると、光源から発せ
られて第1面より入射したレーザー光束のうちの大部分
は第2面を透過して外部に射出されるとともに、レーザ
ー光束のごく一部分は第2面において反射される。第2
面において反射された光のうちの大部分は第1面を透過
して外部に射出されるとともに、その光のごく一部分は
第1面において更に反射される。そして、第1面におい
て反射された光の大部分は第2面を透過して外部に射出
される。
【0006】このようにして第2面から射出された光
は、主走査方向においては、ほぼ平行光束として回転多
面鏡側へ進行するが、副走査方向においては、シリンド
リカル面により2度収束されているために、シリンドリ
カルレンズと回転多面鏡との間で一旦収束した後に、回
転多面鏡側に向かって拡散する。
【0007】このように副走査方向に拡散する光のうち
の一部は、回転多面鏡によって動的に偏向され、シリン
ドリカルレンズ内を一度に透過した描画用のレーザー光
束と同じように、走査対象面上で走査される。このよう
にして走査対象面に達した光は、走査対象面上の同じ箇
所ばかりを露光することもなく、また、元々その強度も
極めて小さいので、描画品質に著しい影響を及ぼすこと
もない。
【0008】しかしながら、最近の回転多面鏡は軽量化
のために扁平に形成されているので、副走査方向に拡散
する光の大部分は、回転多面鏡の周囲を通り抜ける。こ
のとき、回転多面鏡への入射方向が走査対象側に向いて
いる反射型走査光学系であった場合には、回転多面鏡の
周囲を通り抜けた光が、走査対象面に達することとな
る。このようにして走査対象面に達した光は、その強度
は極めて弱いが、回転多面鏡によって偏向されることな
く走査対象面上の同じ箇所ばかりを露光し続けるので、
走査対象面上の画像内にゴースト像を生じさせ、描画品
質を著しく低下させる。
【0009】本発明は、上述したような従来技術の有す
る問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、シ
リンドリカルレンズの入出射面において反射を繰り返す
ことにより射出される描画に不要な光を描画用のレーザ
ー光束とは異なる方向に向けさせ得る反射型走査光学系
を、提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに構成された本発明の反射型走査光学系は、レーザー
光束を発する光源と、中心軸周りに等角速度に回転する
ことにより前記光源から発せられるレーザー光束をその
外周面に配置された複数の反射面において偏向する回転
多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されたレーザー光
束を走査対象面へ向けて反射させるとともにスポット光
として集束させて前記走査対象面上で主走査方向に沿っ
て等速度に走査させる曲面を反射面として有する光学素
子と、前記走査対象面上で前記主走査方向に直交する副
走査方向において前記光源からのレーザー光束を前記回
転多面鏡の反射面近傍に集束させるシリンドリカル面,
及び、前記レーザー光束のビーム軸を前記主走査方向に
偏向させる平面を有するシリンドリカルレンズとを備え
たことを、特徴とする。
【0011】このように、本発明は、シリンドリカルレ
ンズの平面によってレーザー光束を屈折させる構成とな
っているので、光源から発せられてシリンドリカルレン
ズ内部においてシリンドリカル面と平面とによって繰り
返し反射されて回転多面鏡側に射出された光は、シリン
ドリカルレンズ内を反射されずに透過して回転多面鏡に
向かって進行する描画用のレーザー光束の光路からずれ
た向きへ偏向される。
【0012】従って、シリンドリカルレンズの入出射面
で反射を繰り返して射出された光は、回転多面鏡に向か
って進行しないので、回転多面鏡の周囲を通り抜けて走
査対象面に達することがない。また、描画用のレーザー
光束の光路以外の位置に遮蔽部材を配置しておけば、シ
リンドリカルレンズの入出射面で反射を繰り返して射出
される光を遮ることができ、この光に因るゴースト像の
発生をより完全に抑制することもできる。
【0013】なお、シリンドリカルレンズは、その平面
が光源側に向けられていても良いし、その平面が回転多
面鏡側に向けられていても良いが、描画用のレーザー光
束の断面形状をできるだけ円形に保つことを考慮するな
らば、平面が光源側に向けられている方が望ましい。
【0014】シリンドリカルレンズの平面は、回転多面
鏡に入射するレーザー光束のビーム軸に直交する平面か
ら、少なくとも主走査方向へ傾いていれば良く、副走査
方向へは傾いていても良いし、傾いていなくても良い。
何れの場合も、平面の傾き方向及び傾き量に応じて、回
転多面鏡に入射するレーザー光束のビーム軸に対して、
光源からのレーザー光束のビーム軸を傾ける必要があ
る。
【0015】さらに、本発明によるシリンドリカルレン
ズは、シリンドリカル面とシリンドリカル面の母線に平
行な平面とからなるシリンドリカルレンズに楔形プリズ
ムを貼り付けることによって構成されていても良いし、
これらのように別体ではなく一体形成されたものであっ
ても良い。なお、シリンドリカルレンズと楔形プリズム
とを貼り合わせた別体構成の場合、シリンドリカルレン
ズと楔形プリズムとが同じ材質であれば、界面となる貼
り合わせ面での光の反射を殆ど無視することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る反射型走査光
学系の実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。本実施形態の反射型走査光学系の光学構成を、図1
に示す。
【0017】図1に示すように、本実施形態の反射型走
査光学系10は、レーザー光源1,コリメートレンズ
2,シリンドリカルレンズ3,レーザー光束を偏向する
偏向器としてのポリゴンミラー4,及び、ポリゴンミラ
ー4により偏向された光束を走査対象面上に集束させる
結像光学系としてのfθミラー5を、備える。
【0018】レーザー光源1は、レーザー光束を発振す
る半導体レーザーである。コリメートレンズ2は、レー
ザー光源1から発散光として発せられるレーザー光束を
平行光束に変換するレンズである。シリンドリカルレン
ズ3は、各レンズ面が夫々平面3a及びシリンドリカル
面3bとして形成されたレンズである。ポリゴンミラー
4は、扁平な正六角柱状に形成されており、その各側面
は反射面として構成されている。また、ポリゴンミラー
4は、その中心軸4a周りに等角速度で回転駆動される
ようになっている。fθミラー5は、ポリゴンミラー4
の中心軸4aを含む仮想平面(図示略)を対称面とする
と、その対称面を挟む両側が互いに面対称であるアナモ
フィックな面形状の曲面反射鏡である。なお、本実施形
態の反射型走査光学系10では、円柱状の感光ドラム1
1の外周面が走査対象面となっている。この感光ドラム
11は、その中心軸が上記の仮想平面と直交し且つその
仮想平面により等分に分割される位置に、配置されてい
る。
【0019】そして、レーザー光源1から発せられるレ
ーザー光束は、コリメートレンズ2により平行光束とさ
れた後、シリンドリカルレンズ3の平面3aから入射す
るとともにそのシリンドリカル面3bから射出され、そ
のビーム軸Axが上記の仮想平面に沿うように進行して、
ポリゴンミラー4の反射面に入射する。この反射面で反
射されたレーザー光束は、fθミラー5によって反射さ
れることにより、感光ドラム11の外周面上を露光する
スポット光として集束される。このとき、ポリゴンミラ
ー4に入射するレーザー光束は、ポリゴンミラー4の回
転に伴って各反射面で動的に偏向されるので、スポット
光は、感光ドラム11の外周面上を主走査方向に沿って
走査する。
【0020】なお、この反射型走査光学系10をポリゴ
ンミラー4の中心軸4aの延長線上から見ると、fθミ
ラー5は、シリンドリカルレンズ3とポリゴンミラー4
との間に配置され、感光ドラム11は、ポリゴンミラー
4を挟んでfθミラー5とは反対側に配置されている。
また、上記の仮想平面に直交する方向(即ち、主走査方
向)に視線を向けて見ると、fθミラー5は、ポリゴン
ミラー4に入射するレーザー光束のビーム軸Axに対して
上方に配置され、感光ドラム11は、fθミラー5で反
射されてポリゴンミラー4の近傍を通過するレーザー光
束が入射可能な位置に配置されている。そして、ポリゴ
ンミラー4の何れかの反射面が上記の仮想平面と直交す
る位置にある場合、シリンドリカルレンズ3を透過した
レーザー光束のビーム軸Axは、ポリゴンミラー4により
上記の仮想平面内で折り曲げられた後、更にfθミラー
5により上記の仮想平面内で折り曲げられ、感光ドラム
11の外周面に達する。従って、主走査方向に視線を向
けてこの反射型走査光学系10を見ると、上記の仮想平
面内を進行するビーム軸Axは、略Z字状に進行している
ように見える。
【0021】ところで、シリンドリカルレンズ3を透過
したレーザー光束は、主走査方向においては、平行光束
のままポリゴンミラー4で反射され、fθミラー5の収
束パワーによって走査対象面上にて収束されるが、副走
査方向(走査対象面内で主走査方向に直交する方向)に
おいては、ポリゴンミラー4の反射面近傍で一旦収束さ
れ、発散光としてfθミラー5に入射し、fθミラー5
の収束パワーによって再び走査対象面上に収束される。
このとき、fθミラー5によってポリゴンミラー4の反
射面と感光ドラム11の外周面(走査対象面)とが共役
関係となっているために、ポリゴンミラー4の各反射面
の僅かな傾き(いわゆる「面倒れ」)による走査位置の
副走査方向へのずれが、補正される。このため、レーザ
ー光束は、ポリゴンミラー4のどの反射面によって反射
されても、走査対象面における同一線上を走査する。
【0022】なお、スポット光は、走査対象面上に線状
の軌跡(走査線)を描くが、感光ドラム11がその中心
軸周りに等速度で回転されるので、感光ドラム11の外
周面(走査対象面)上には、複数の走査線が等間隔に形
成される。また、このように走査対象面上で繰り返し走
査されるレーザー光束は、画像情報に従ってオンオフ変
調されているので、走査対象面上には、画像情報に基づ
く画像が描画される。
【0023】上述した構成を有する本実施形態の反射型
走査光学系10では、シリンドリカルレンズ3は、その
シリンドリカル面3bの母線と平行な方向(即ち、主走
査方向)に対してその平面3aが傾いている形状に、形
成されている。また、シリンドリカルレンズ3を透過し
た後のレーザー光束のビーム軸Axが、シリンドリカルレ
ンズ3の平面3aが傾いていない場合のそれと同軸とな
るように、平面3aの傾き角度に合わせて、シリンドリ
カルレンズ3に入射するレーザー光束のビーム軸Axが傾
けられている。本実施形態の反射型走査光学系10がこ
のように構成されているのは、以下の理由による。な
お、主走査方向に視線を向けて見た場合における光の光
路の概略を図2(a)に、ポリゴンミラー4の中心軸4a
の延長線上から見た場合におけるその光路の概略を図2
(b)に、夫々示す。但し、図2に示す光路は、説明のた
めに、若干誇張されている。
【0024】即ち、コリメートレンズ2を透過すること
によって平行光束とされたレーザー光束は、シリンドリ
カルレンズ3の平面3aから内部に入射すると、そのう
ちの大部分は、シリンドリカルレンズ3のシリンドリカ
ル面3bを透過して描画用のレーザー光束としてポリゴ
ンミラー4に入射するが、残りの部分は、シリンドリカ
ル面3bにおいて反射される。また、シリンドリカル面
3bにおいて反射された光のうち、大部分は、平面3a
を透過してコリメートレンズ2へ向かうが、残りの部分
は、平面3aにおいて再度反射される。そして、平面3
aにおいて反射された光のうちの大部分は、シリンドリ
カル面3bを透過して、ポリゴンミラー4側へ進行す
る。
【0025】このようにしてポリゴンミラー4へ進行す
る迷光Gは、シリンドリカル面3bにより2度収束され
ているために、図2(a)に示すように、シリンドリカル
レンズ3とポリゴンミラー4との間で一旦収束した後、
ポリゴンミラー4及び感光ドラム11に向かって拡散す
る。
【0026】しかし、図2(b)に示すように、平面3a
は、ビーム軸Axに直交する方向から主走査方向に傾いて
いるために、平面3aにおいて反射された迷光Gは、描
画用のレーザー光束の光路から主走査方向にずれた方向
へ向かって進行する。なお、この迷光Gが描画用のレー
ザー光束の光路からずれる向きは、平面3aがビーム軸
Axに直交する方向から傾くのと同じ向きであり、このず
れ量は、平面3aのビーム軸Axに直交する方向からの傾
き角度に依存する。従って、平面3aの傾き方向及び傾
き量を適宜設定すれば、この迷光Gを描画用のレーザー
光束から分離できる。
【0027】また、描画用のレーザー光束の光路を遮ら
ないでこの迷光Gのみを遮蔽する遮蔽部材12をこの迷
光Gの光路上に配置すれば、走査対象面上に描画された
画像内でのこの迷光Gに因るゴースト像の発生を、ほぼ
完全に防止できる。
【0028】ところで、図2に示したfθミラー5は、
前面から入射したレーザー光束を後面で反射して前面か
ら射出する裏面反射タイプの光学素子として示されてい
るが、前面で直接反射する表面反射タイプの光学素子で
あっても良い。何れの場合でも、ビーム軸Axに直交する
方向から平面3aが傾いていれば、迷光Gが描画用のレ
ーザー光束から分離され得ることにかわりはない。な
お、前者のような裏面反射タイプの光学素子の具体例
は、本出願人が先にした特許出願(特開平11-242178
号)において開示されている。また、後者のような表面
反射タイプの光学素子の具体例は、本出願人が先にした
特許出願(特開平11-30710号)において開示されてい
る。
【0029】以下、実施例を示す。次に示す表1は、本
実施形態の反射型走査光学系10におけるシリンドリカ
ルレンズ3よりポリゴンミラー4の反射面に至るまでの
近軸における具体的な数値構成を示したものである。こ
の表1において、記号NOは、シリンドリカルレンズ3の
入射側のレンズ面(平面3a)を1番としてこのレンズ
面より射出側に向かって昇順に各レンズ面に付された面
番号である。また、記号Ryは、レンズ面の主走査方向の
曲率半径(単位は[mm])であり、記号Rzは、副走査方向
の曲率半径(単位は[mm])であり、記号dは、次の面ま
での光軸上での距離(単位は[mm])であり、記号nは、
設計波長780nmでの各レンズの屈折率である。
【0030】
【表1】 NO Ry Rz d n 1 ∞ ∞ 4.000 1.48617 2 ∞ -52.424 114.000 -
【0031】また、ポリゴンミラー4の中心軸4aの延
長線上から見たときのシリンドリカルレンズ3からポリ
ゴンミラー4までの具体的な光の進行状態を、図3に示
す。なお、図3に示す光束の進行方向は、図2のそれと
は逆である。図3に示すように、シリンドリカルレンズ
3の平面3aは、描画用のレーザー光束のビーム軸Axに
直交する方向から、ビーム軸Ax方向へ4.0°(プリズム
量)だけ傾けられている。また、シリンドリカルレンズ
3に入射するレーザー光束の光束径は、4.0mmである。
さらに、シリンドリカルレンズ3に入射するレーザー光
束のビーム軸Ax’は、当該レンズ3を透過した後の描画
用のレーザー光束のビーム軸Ax方向から、ビーム軸Axに
直交する方向へ2.0°(=sin-1[1.48617×sin4°]-4°)だ
け傾けられている。なお、ビーム軸Ax方向からビーム軸
Ax’が傾けられる方向は、ビーム軸Axに直交する方向か
ら平面3aが傾けられる方向とは、逆方向である。
【0032】このように構成されていると、第1面(平
面3a)で反射した迷光Gのビーム軸Axに対する分解角
(偏向角)は、『2×プリズム量×屈折率=分解角』か
ら求められるように、11.9°となる。そして、迷光G
は、第2面(シリンドリカル面3b)からビーム軸Ax方
向へ向かって57.0mmの位置においては、ビーム軸Axから
この軸Axに直交する方向へ10.6mm離れた地点から14.6mm
離れた地点までの間を、通過する。
【0033】従って、シリンドリカルレンズ3とポリゴ
ンミラー4との中間位置(第1面から57.0mm離れた位
置)では、描画用のレーザー光束と迷光Gとが互いに8.
6mm(=10.6mm-4.0mm/2)も離れているので、遮蔽部材12
を配置することが十分可能である。
【0034】なお、遮蔽部材12は、レーザー光束を透
過させない材質から製造されていれば何でも良い。ま
た、遮蔽部材12は、反射型走査光学系10を内蔵する
走査ユニットの筐体と別体であっても良いし、その筐体
の一部として一体に形成されたものであっても良い。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の反射型
走査光学系によれば、シリンドリカルレンズの入出射面
において反射を繰り返すことにより射出される描画に不
要な光を、描画用のレーザー光束とは異なる方向に向け
させることができる。これにより、不要な光が走査対象
面に到達しないので、画像内にゴースト像を生じさせる
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施の形態である反射型走査光
学系の光学構成図
【図2】 反射型走査光学系のシリンドリカルレンズの
入出射面で反射した光の光路を示し、(a)主走査方向
に視線を向けて見た状態、及び(b)ポリゴンミラーの
中心軸の延長線上から見た状態の説明図
【図3】 シリンドリカルレンズからポリゴンミラーま
での光の進行状態を示す光路図
【符号の説明】
1 レーザー光源 2 コリメートレンズ 3 シリンドリカルレンズ 3a 平面 3b シリンドリカル面 4 ポリゴンミラー 5 fθミラー 10 反射型走査光学系 11 感光ドラム 12 遮蔽部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 BA04 BA84 BB04 2H045 AA01 BA02 CA03 CA62 CB63 2H087 KA08 KA19 LA22 LA25 RA07 RA08 TA03 TA06 5C051 AA02 CA07 DB22 DB24 DB30 DC04 FA01 5C072 AA03 BA15 HA02 HA09 HA13 HB08 HB10 XA01 XA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光束を発する光源と、 中心軸周りに等角速度に回転することにより前記光源か
    ら発せられるレーザー光束をその外周面に配置された複
    数の反射面において偏向する回転多面鏡と、 前記回転多面鏡により偏向されたレーザー光束を走査対
    象面へ向けて反射させるとともにスポット光として集束
    させて前記走査対象面上で主走査方向に沿って等速度に
    走査させる曲面を反射面として有する光学素子と、 前記走査対象面上で前記主走査方向に直交する副走査方
    向において前記光源からのレーザー光束を前記回転多面
    鏡の反射面近傍に集束させるシリンドリカル面,及び、
    前記レーザー光束のビーム軸を前記主走査方向に偏向さ
    せる平面を有するシリンドリカルレンズとを備えたこと
    を特徴とする反射型走査光学系。
  2. 【請求項2】前記回転多面鏡に入射するレーザー光束の
    ビーム軸は、前記回転多面鏡の前記中心軸を含む仮想平
    面内にあり、前記中心軸に対して傾いていることを特徴
    とする請求項1記載の反射型走査光学系。
  3. 【請求項3】前記光学素子における前記回転多面鏡に対
    向する面とは反対側の面が、前記反射面として作用する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の反射型走査光学
    系。
  4. 【請求項4】前記シリンドリカルレンズの前記平面は、
    前記レーザー光束のビーム軸を、前記回転多面鏡の中心
    軸に直交する仮想平面内においてのみ屈折させることを
    特徴とする請求項1,2又は3記載の反射型走査光学
    系。
  5. 【請求項5】前記シリンドリカルレンズは、前記シリン
    ドリカル面が前記回転多面鏡側に向けられた状態で、配
    置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    に記載の反射型走査光学系。
  6. 【請求項6】前記シリンドリカルレンズの入出射面にお
    いて繰り返し反射されて前記回転多面鏡側に射出される
    光の光路上に、この光を遮蔽するための遮蔽部材を、更
    に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記
    載の反射型走査光学系。
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