JP2003103719A - 樹脂成型体 - Google Patents

樹脂成型体

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JP2003103719A
JP2003103719A JP2001300183A JP2001300183A JP2003103719A JP 2003103719 A JP2003103719 A JP 2003103719A JP 2001300183 A JP2001300183 A JP 2001300183A JP 2001300183 A JP2001300183 A JP 2001300183A JP 2003103719 A JP2003103719 A JP 2003103719A
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resin
molding
cured
resin layer
sheet
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JP2001300183A
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English (en)
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Toshinori Machida
敏則 町田
Yoshinori Kano
美紀 鹿野
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成型加工に於いて経済性の悪い成型用樹脂自体
の着色や、成型の後加工としての塗装等をすることな
く、色調が明るく鮮やかで色ムラのない樹脂成型体の提
供。 【解決手段】樹脂シート上に硬化樹脂層および必要に応
じて印刷層が積層された積層シートを成型してなる樹脂
成型体であって、前記硬化樹脂層がイソシアネート基と
反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ば
れる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合
体(A)、2個以上のイソシアネート基を有するポリイ
ソシアネート化合物(B)、及び着色剤を含む樹脂組成
物の硬化物からなる樹脂成型体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空成型、圧空成
型等のシートの熱成型や、射出成型、ブロー成型等によ
り成型加工用積層シートを成型してなる樹脂成型体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種成型方法により得られる樹脂
成型体に様々な着色を施す場合、次のような方法が一般
的である。一つめは、材料着色と呼ばれ、成型に用いる
樹脂自体を着色してから成型加工をするもので、一般に
マスターバッチと呼ばれる各種無機系、有機系の顔料や
染料を練り込んだ着色用の樹脂を成型用の樹脂に溶融混
合して着色しそれを成型する方法である。しかし、マス
ターバッチ方式を採用する場合は、一色あたりの樹脂の
ロットサイズが大きくなり、成型体が少量多品種の場合
には無駄が多くなる傾向にありコスト的にも割高にな
る。また、成型用の樹脂には通常ワックスやフィラー等
の充填物が添加されていてベース樹脂の透明性が低いこ
とが多く、明るく鮮やかな色調を得ることが難しい。さ
らにパール、メタリックの色調のものを得ようとする場
合には樹脂中での顔料の分散が難しく、射出成型時に一
般にウエルドラインと呼ばれる溶融樹脂の流動状態によ
り顔料の粒子が不規則に配向し流れ模様のような色ムラ
が生じるといった問題点がある。
【0003】二つめは、先ず無着色の樹脂の成型加工を
行い、得られた成型体の表面にスプレーコートや、ディ
ッピング、静電塗装等の方法により塗装を施す方法であ
る。塗装を採用した場合には、塗料の調色や調整工程に
おいて、多大な時間と労力、作業者の塗料に関する専門
的知識及び熟練等が要求される。また、塗装工程におい
ても、作業者の熟練度合いにより仕上がりが左右された
り、塗装ブースその他の特別な設備を用意する必要があ
る。しかも塗装の際、有機溶剤の揮散に伴う作業者の健
康管理、安全対策、地球環境関する問題、火災の発生の
予防措置、塗装時の不良による製品の歩留まり低下とい
った問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、成型加工に於いて経済性の悪い成型用樹脂自体の着
色や、成型の後加工としての塗装等をすることなく、色
調が明るく鮮やかで色ムラのない樹脂成型体を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂シート上
に、伸張性、柔軟性と強靱性を併せ持つ特定のビニル系
重合体、ポリイソシアネート及び着色剤を含む樹脂組成
物の硬化物からなる硬化樹脂層が積層された積層シー
ト、または樹脂シート上に、伸張性、柔軟性と強靱性を
併せ持つ特定のビニル系重合体及びポリイソシアネート
を含む樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層および印
刷層が積層された積層シートを成型することにより、成
型用樹脂自体の着色や後加工をすることなく、色調が明
るく鮮やかで色ムラのない樹脂成型体が経済性よく得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、樹脂シート上に硬化
樹脂層が積層された積層シートを成型してなる樹脂成型
体であって、前記硬化樹脂層がイソシアネート基と反応
可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、
ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる
少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体
(A)、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソ
シアネート化合物(B)、及び着色剤を含む樹脂組成物
の硬化物からなる樹脂成型体に関する。
【0007】また、本発明は、樹脂シート上に硬化樹脂
層および印刷層が積層された積層シートを成型してなる
樹脂成型体であって、前記硬化樹脂層がイソシアネート
基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから
選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系
重合体(A)、及び2個以上のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネート化合物(B)を含む樹脂組成物の
硬化物からなる樹脂成型体に関する。
【0008】また、本発明は、硬化樹脂層を構成する樹
脂組成物が、更に、イソシアネート基と反応可能な官能
基を2個以上有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポ
リカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少
なくとも1種(C)を含む上記いずれかの樹脂成型体に
関する。また、本発明は、重合体(A)が、不飽和二塩
基酸とエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体と
の共重合体(a)と、カルボキシル基と反応可能な官能
基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有す
る、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、
またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
(b)との縮合反応により得られるグラフト重合体であ
る上記いずれかの樹脂成型体に関する。
【0009】また、本発明は、積層シートの樹脂シート
と硬化樹脂層との間に、接着層が積層されている上記い
ずれかの樹脂成型体に関する。また、本発明は、樹脂シ
ートがアクリル系樹脂からなり、且つ硬化樹脂層中に含
まれる重合体(A)がアクリル系樹脂であり、硬化樹脂
層の全体に対するアクリル系樹脂の比率が30〜90重
量%である上記いずれかの樹脂成型体に関する。また、
本発明は、積層シートの成型時の伸びが、101〜50
0%である上記いずれかの樹脂成型体に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂成型体は、樹脂シー
ト上に着色剤を含む硬化性樹脂層が積層された積層シー
ト、または樹脂シート上に硬化性樹脂層および印刷層が
積層された積層シートを成型してなるものであり、積層
シートの樹脂シートと硬化樹脂層との間には必要に応じ
て接着層が積層される。
【0011】積層シートのベースとなる樹脂シートを構
成する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂,ポリカ
ーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。樹
脂シートは硬化性樹脂層を積層したのち成型されるの
で、シートを構成する樹脂の軟化温度は40〜200℃
であることが好ましく、80〜150℃であることがよ
り好ましい。また、リサイクルの観点からは、アクリル
系樹脂からなる樹脂シートが最も好ましい。アクリル系
樹脂からなる樹脂シートには、全く無色透明なクリアな
ものと、乳白色のものがあり、どちらも使用可能であ
る。アクリル系樹脂として具体的には、ポリメチルメタ
アクリレート、エチレン−メチルメタアクリレート共重
合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。
【0012】樹脂シートには、一般的にフィルムやシー
トと呼称される比較的薄手のものから、板と呼称される
厚手のものまで含まれ、10μm〜10mmの厚さの樹
脂シートを使用することができる。真空成型後にインサ
ートインジェクションして成型体を製造する場合には、
厚さ20〜100μm程度のシートが好適に使用され、
真空成型のみにより成型体を製造する場合には、厚さ3
〜6mm程度の板が好適に使用される。意匠性によって
は、樹脂シートに薄い着色を施したり、樹脂シートの表
面にエンボス加工を施したりしてもよい。また、硬化樹
脂層との接着を目的として、樹脂シートの表面に金属や
金属酸化物、金属化合物を真空蒸着またはスパッタリン
グしてもよい。
【0013】樹脂シート上に積層される硬化樹脂層は、
イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリ
ブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に
有するビニル系重合体(A)、2個以上のイソシアネー
ト基を有するポリイソシアネート化合物(B)、必要に
応じてイソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上
有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
(C)、及び着色剤を含む樹脂組成物の硬化物からなる
ものである。
【0014】ビニル系重合体(A)は、エチレン性不飽
和二重結合を有する単量体を重合させて得られるビニル
系共重合体の主鎖に、イソシアネート基と反応可能な官
能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカー
ボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくと
も1種の構造を側鎖として導入した、ポリエーテル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエン
グラフトビニル系重合体である。イソシアネート基と反
応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキ
シメチル基等が挙げられるが、反応性および得られる積
層シートの成型加工性の点で水酸基が好適である。
【0015】側鎖の導入方法は、特に限定されることは
ないが、例えば、不飽和二塩基酸とエチレン性不飽和二
重結合を有する他の単量体との共重合体(a)を合成
し、共重合体(a)のカルボン酸または無水カルボン酸
部分と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシ
アネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエーテ
ル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタ
ジエンから選ばれる少なくとも1種(b)のカルボキシ
ル基と反応可能な官能基とを縮合反応させることにより
導入することができる。
【0016】共重合体(a)の合成に使用可能な不飽和
二塩基酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、ジフェニルメタン−ジ−γ−ケトクロトン酸
等が挙げられる。不飽和二塩基酸は、要求性能に応じ
て、1種、または2種以上を混合して用いることができ
る。また、共重合体(a)中の不飽和二塩基酸の割合
は、好ましくは0.01〜30重量%、更に好ましくは
0.05〜10重量%である。不飽和二塩基酸の割合が
30重量%を越えた場合には得られる重合体(A)の安
定性が低下し、0.01重量%未満の場合には硬化樹脂
層の伸張性、柔軟性が不充分となる。
【0017】エチレン性不飽和二重結合を有する他の単
量体としては、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニ
ル単量体、オレフィン系炭化水素単量体、ビニルエーテ
ル単量体等を用いることができるが、リサイクルの点か
ら(メタ)アクリル系単量体が好ましい。他の単量体
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、
N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等の官能基
を有していてもよい。水酸基を有する(メタ)アクリル
系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0018】アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量
体としては、メチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、tブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のモノアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ
(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。カルボキ
シル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。エポキシ基を
有する(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】N−メチロール基を有する(メタ)アクリ
ル系単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド等が挙げられる。N−アルコキシメチル基を有す
る(メタ)アクリル系単量体としては、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド等のN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)
(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルコキシメチ
ル基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0020】上記以外の(メタ)アクリル系単量体とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン、メチル
スチレン、エチルスチレン、ヒドロキシスチレン等が挙
げられる。オレフィン系炭化水素単量体としては、エチ
レン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプ
レン、1,4−ペンタジエン等が挙げられる。ビニルエ
ーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテルが挙
げられる。エチレン性不飽和二重結合を有する他の単量
体は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合
して用いることができる。
【0021】共重合体(a)は、公知の方法、例えば、
溶液重合で得ることができる。溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチ
ルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶
剤は2種以上を混合して使用してもよい。
【0022】合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80
重量%が好ましい。重合開始剤としては、過酸化物また
はアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブ
チルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエー
ト、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペ
ルオキシド等を使用することができ、重合温度は、50
〜200℃、特に70〜140℃が好ましい。
【0023】共重合体(a)のポリスチレン換算の重量
平均分子量は、好ましくは5,000〜500,00
0、更に好ましくは10,000〜100,000であ
る。共重合体(a)の重量平均分子量が500,000
を越える場合には硬化樹脂層の伸張性が低下し、5,0
00未満の場合には硬化樹脂層の強靱性、耐薬品性が低
くなる。共重合体(a)のガラス転移温度は、好ましく
は0〜150℃、更に好ましくは10〜100℃であ
る。共重合体(a)のガラス転移温度が150℃を越え
る場合には硬化樹脂層の伸張性が低下し、0℃未満の場
合には硬化樹脂層の耐薬品性、表面硬度が低下する。
【0024】化合物(b)としては、例えば、直鎖の末
端または分岐した末端に、カルボキシル基と反応可能な
官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とをそ
れぞれ1個以上ずつ有するポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネ−ト、またはポリブタジエンを用いる
ことができる。中でも、硬化樹脂層の伸張性、強靱性の
バランスおよび成型加工性の点からポリエステルが好適
である。化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官
能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシ
アネート基等が挙げられるが、反応性および硬化樹脂層
の成型加工性の点で水酸基が好適である。また、化合物
(b)のイソシアネート基と反応可能な官能基として
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、
N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙げら
れるが、反応性および硬化樹脂層の成型加工性の点で水
酸基が好適である。化合物(b)のカルボキシル基と反
応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能
基とは、同一の官能基でも構わないし、異なる官能基で
も構わない。
【0025】ポリエステルの例としては、ジカルボン酸
の少なくとも1種と、多価アルコール、多価フェノー
ル、またはこれらのアルコキシ変性物等のポリオールの
少なくとも1種とをエステル化して得られる末端水酸基
含有エステル化合物、及び末端の水酸基をアミノ基、カ
ルボキシル基、エポキシ基、N−メチロール基、または
N−アルコキシメチル基に変性したエステル化合物など
が挙げられる。ジカルボン酸の例としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタル
酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシ)安息香
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、アゼライ酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
【0026】多価アルコールの例としては、1,3−プ
ロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブ
タンジオール、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジオ
ール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−
エチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3
−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタ
ンジオール、2−メチル−1,7−ヘプタンジオール、
3−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、2−メチル1,8−オクタンジオール、2−エチル
−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,8−オ
クタンジオール、4−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ト
リメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールプ
ロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリトー
ル、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙
げられる。
【0027】多価フェノールの例としては、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、
トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が
挙げられる。市販の水酸基を2個以上有するポリエステ
ル(ポリエステルポリオール)としては、例えば、株式
会社クラレ製のクラレポリオールP−510、P−10
10、P−1510、P−2010、P−3010、P
−4010、P−5010、P−6010、P−201
1、P−2013、P−520、P−1020、P−2
020、P−1012、P−2012、P−530、P
−1030、P−2030、PMHC−2050、PM
HC−2050R、PMHC−2070、PMHC−2
090、PMSA−1000、PMSA−2000、P
MSA−3000、PMSA−4000、F−201
0、F−3010、N−2010、PNOA−101
0、PNOA−2014、O−2010、住友バイエル
ウレタン株式会社製のデスモフェン650MPA、65
1MPA/X、670、670BA、680X、680
MPA、800、800MPA、850、1100、1
140、1145、1150、1155、1200、1
300X、1652、1700、1800、RD18
1、RD181X、C200、東洋紡績株式会社製のバ
イロン200、560、600、GK130、GK86
0、GK870、290、GK590、GK780、G
K790等が挙げられる。
【0028】また、ポリエーテルの例としては、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エ
ポキシ基、N−メチロール基またはN−アルコキシメチ
ル基に変性したエーテル化合物が挙げられる。市販の水
酸基を2個以上有するポリエーテル(ポリエーテルポリ
オール)としては、例えば、住友バイエルウレタン株式
会社製のデスモフェン250U、550U、1600
U、1900U、1915U、1920D等が挙げられ
る。
【0029】また、ポリカーボネートの例としては、下
記一般式で表されるポリカーボネートジオール、及び末
端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、
N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基に変性
したカーボネート化合物が挙げられる。 H−(O−R−OCO−)nR−OH (R:アルキレン鎖、またはジエチレングリコール等の
アルキレングリコール鎖n:正の整数) 市販の水酸基を2個以上有するポリカーボネートとして
は、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPN
OC−1000、PNOC−2000、PMHC−20
50、PMHC−2050R、PMHC−2070、P
MHC−2070R、PMHC−2090R、C−20
90等が挙げられる。
【0030】また、ポリブタジエンの例としては、α,
ω−ポリブタジエングリコール、α、β−ポリブタジエ
ングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキ
シル基、エポキシ基、N−メチロール基またはN−アル
コキシメチル基に変性したブタジエン化合物が挙げられ
る。市販の水酸基を2個以上有するポリブタジエンとし
ては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB
G−1000、G−2000、G−3000、GI−
1000、GI−2000、GI−3000、GQ−1
000、GQ−2000等が挙げられる。市販のエポキ
シ基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例え
ば、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BF−1
000、EPB−13、EPB−1054等が挙げられ
る。
【0031】化合物(b)のポリスチレン換算の重量平
均分子量は、好ましくは500〜25,000、更に好
ましくは1,000〜10,000である。化合物
(b)の重量平均分子量が25,000を越える場合に
は、溶剤への溶解性、共重合体(a)との相溶性、共重
合体(a)との反応性が低下し、また硬化樹脂層の強靱
性が低下する。また、500未満の場合には、硬化樹脂
層に充分な伸張性、柔軟性を付与することができない。
【0032】重合体(A)は、共重合体(a)のカルボ
ン酸、もしくは無水カルボン酸部分と、化合物(b)の
カルボキシル基と反応可能な官能基とを、公知の方法、
例えば、化合物(b)のカルボキシル基と反応可能な官
能基が水酸基、エポキシ基の場合はエステル化、アミノ
基の場合はアミド化、イソシアネート基の場合はイミド
化して得ることができる。溶剤としては、共重合体
(a)合成時の溶媒をそのまま用いることができ、更
に、合成時の条件、塗工時の条件などに応じて、他の溶
媒を加えたり、脱溶媒したりしても構わない。反応触媒
としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノール
アミン、エチレンジアミンなどの3級アミンなどが用い
られ、反応温度は、50〜300℃が好ましい。
【0033】共重合体(a)と化合物(b)との反応比
率は、共重合体(a)のカルボン酸または無水カルボン
酸1モルに対して、化合物(b)のカルボキシル基と反
応可能な官能基が0.2〜5モルとなるのが好ましく、
0.5〜2モルとなるのが更に好ましい。化合物(b)
の反応比率が5モルを越える場合には、樹脂組成物の塗
工性、硬化樹脂層の強靱性が損なわれ、0.2未満の場
合には、硬化樹脂層の伸張性、柔軟性が低下する。ま
た、共重合体(a)、化合物(b)は、それぞれ1種類
ずつを用いてもよく、目的、必要物性に応じて、それぞ
れ複数種を用いても構わない。
【0034】重合体(A)が水酸基を有する場合、その
水酸基価は、固形分換算で好ましくは1〜300KOH
mg/g、更に好ましくは10〜100KOHmg/g
である。重合体(A)の水酸基価が300KOHmg/
gを越える場合には重合体(A)の保存安定性が低下
し、1KOHmg/g未満の場合には顔料分散性、硬化
樹脂層の強靱性、伸張性、耐薬品性が低くなる。また、
重合体(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、
好ましくは5,000〜500,000、更に好ましく
は10,000〜100,000である。重合体(A)
の重量平均分子量が500,000を越える場合には、
溶剤への溶解性、硬化樹脂層の伸張性が低下し、5,0
00未満の場合には、硬化樹脂層の強靱性、耐薬品性が
低下する。
【0035】硬化樹脂層を構成する樹脂組成物に含まれ
る、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート化合物(B)は、重合体(A)と重合体(A)、
さらに後述の化合物(C)を用いる場合には重合体
(A)と化合物(C)および/または化合物(C)と化
合物(C)を架橋させ、強靱で且つ伸張性、柔軟性、成
型加工性、耐薬品性を有する硬化樹脂層を積層するため
に用いられる。得られる樹脂成型体を外装用途に用いる
場合には、硬化樹脂層が経時で黄色から褐色に変色する
ことを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを
用いることが好ましい。
【0036】脂環族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレ
ンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメタン
ジイソシアネートなどが挙げられる。脂肪族ポリイソシ
アネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0037】芳香族ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トル
イレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソ
シアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシ
レンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチ
レンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。ポ
リイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコ
ール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダ
クト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を
用いても構わない。
【0038】特に、ポリイソシアネート化合物(B)が
イソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有
トリイソシアネートを含む場合には、より強靱、且つ伸
張性を有する硬化樹脂層を得ることができるため好まし
い。イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして
具体的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシ
アネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製の
デスモジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘ
キサメチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエル
ウレタン株式会社製のスミジュールン3300)、イソ
シアヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例え
ば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールF
L−2、FL−3、FL−4、HL BA)が挙げられ
る。
【0039】また、上記ポリイソシアネート化合物のイ
ソシアネート基を、例えば、メタノール、エタノール、
n−ペンタノール、エチレンクロルヒドリン、イソプロ
ピルアルコール、フェノール、p−ニトロフェノール、
m−クレゾール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチ
ル、ε−カプロラクタムなどのブロック剤と反応させて
ブロック化した、ブロック変性体を用いても構わない。
【0040】更に、ポリイソシアネート化合物(B)と
して、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上
有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
(c)と両末端にイソシアネート基を有するジイソシア
ネート化合物(d)とを反応させてなる、両末端イソシ
アネートプレポリマーを用いても構わない。化合物
(B)が上記両末端イソシアネートプレポリマーを含む
場合には、少量で伸張性が得られ、硬化樹脂層の強靱性
も損なわれない。
【0041】化合物(c)としては、化合物(b)と同
様の化合物を用いることができる。化合物(d)として
は、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン
−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4' −ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレ
ンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、水添4,4' −ジフェニルメ
タンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート
等が挙げられる。
【0042】両末端イソシアネートプレポリマーは、化
合物(c)のイソシアネート基と反応可能な官能基1モ
ルに対して、化合物(d)のイソシアネート基が1モル
より大きくなるような比率で化合物(c)と化合物
(d)を混合し、加熱撹拌して反応させることにより得
られる。プレポリマーのポリスチレン換算の重量平均分
子量は、好ましくは1,000〜50,000、更に好
ましくは1,000〜10,000である。プレポリマ
ーの重量平均分子量が50,000を越える場合には溶
剤への溶解性、他成分との相溶性が低下し、1,000
未満の場合には、硬化樹脂層の強靱性、及び伸張性が不
足する。
【0043】ポリイソシアネート化合物(B)は、要求
性能に応じて、重合体(A)のイソシアネート基と反応
可能な官能基の総数に対して、イソシアネート基の総数
が、好ましくは0.1倍〜5.0倍、更に好ましくは
0.5倍〜3.0倍となるような比率で、1種、または
2種以上を混合して用いることができる。
【0044】硬化樹脂層を構成する樹脂組成物には、硬
化樹脂層の柔軟性、伸張性、強靱性をより向上させるた
めに、また、樹脂組成物が着色剤として後述の顔料を含
む場合には顔料分散性を向上させるために、イソシアネ
ート基と反応可能な官能基を2個以上有する、ポリエス
テル、ポリエーテル、ポリカーボネ−ト、またはポリブ
タジエンから選ばれる少なくとも1種(C)を含有させ
ることが好ましい。(C)は、例えば直鎖の末端または
分岐した末端にイソシアネート基と反応可能な官能基を
2個以上有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカー
ボネ−ト、またはポリブタジエンである。中でも、硬化
樹脂層の伸張性、強靱性のバランスおよび成型加工性の
点からポリエステルが好適である。
【0045】イソシアネート基と反応可能な官能基とし
ては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基等が挙
げられるが、反応性および硬化樹脂層の成型加工性の点
で水酸基が好適である。また、イソシアネート基と反応
可能な官能基数は、2個の場合と比べて少量で伸張性が
得られ、硬化樹脂層の強靱性も損なわれないため、3個
が特に好ましい。
【0046】化合物(C)としては、上記化合物(b)
と同様の化合物を用いることができる。化合物(C)の
ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは50
0〜25,000、更に好ましくは1,000〜10,
000である。化合物(C)の重量平均分子量が25,
000を越える場合には、溶剤への溶解性が低下し、ま
た得られる硬化樹脂層の伸張性が低下する。また、50
0未満の場合には、他の成分との相溶性が低下し、均一
かつ平滑な硬化樹脂層の作成が困難となり、また得られ
る硬化樹脂層の強靱性が低下する。化合物(C)は、要
求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用い
ることができる。得られる樹脂成型体を外装用途に用い
る場合には、硬化樹脂層が経時で黄色から褐色に変色す
ることを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみ
を用いることが好ましい。
【0047】重合体(A)と化合物(C)との混合比
(重量比)は、好ましくは(A):(C)=100:0
〜10:90、更に好ましくは(A):(C)=95:
5〜30:70、特に好ましくは(A):(C)=9
5:5〜50:50である。重合体(A)の比率が上記
範囲より少ない場合には、得られる硬化樹脂層の強靱
性、耐薬品性が低くなる。また、化合物(C)を用いる
場合、ポリイソシアネート化合物(C)は、要求性能に
応じて、重合体(A)の官能基と化合物(C)の官能基
との総数に対して、イソシアネート基の総数が、好まし
くは0.1倍〜5.0倍、更に好ましくは0.5倍〜
3.0倍となるような比率で、1種、または2種以上を
混合して用いることができる。なお、上記化合物(B)
と化合物(C)とは、あらかじめ反応させて末端イソシ
アネートプレポリマーとしてもよい。この場合、樹脂組
成物は、上記重合体(A)、及び化合物(B)と化合物
(C)とを反応させてなる末端イソシアネートプレポリ
マーを含む組成物となる。
【0048】硬化樹脂層を構成する樹脂組成物には、重
合体(A)及び必要に応じて用いられる化合物(C)
と、化合物(B)との架橋反応を促進させるために、そ
れぞれの官能基に応じて、種々の架橋触媒を含有させる
ことができる。代表的な架橋触媒としては、有機金属化
合物、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、
多価金属塩、アミン類、有機過酸化物などが挙げられ
る。有機金属化合物として具体的には、酢酸ナトリウ
ム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバル
ト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン
酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートジブチル
錫ジ(2−エチルヘキソエート)、ジエチル亜鉛、テト
ラ(n−ブトキシ)チタンなどが挙げられる。
【0049】酸として具体的には、トリクロロ酢酸、リ
ン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステ
ル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸、p−
トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸
などが挙げられる。アミン類として具体的には、ジシク
ロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチ
ルベンジルアミン、N,N,N' ,N' −テトラメチル
−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどが
挙げられる。
【0050】有機過酸化物としては、ヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシ
ド、ジアセチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシ−2-エチルヘキサノエート、
t−ブチルペルオキシラウレートなどが挙げられる。
【0051】これらの架橋触媒の中で、重合体(A)な
いし化合物(C)の官能基が水酸基の場合は、酸及びそ
れらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩など
の使用が好ましい。アミノ基の場合は、有機過酸化物、
酸無水物、カルボン酸、酸化亜鉛−マグネシウムなどの
使用が好ましい。カルボキシル基の場合は、酸及びそれ
らのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの
使用が好ましい。エポキシ基の場合は、有機金属化合
物、アミン類などの使用が好ましい。N−メチロール基
または、N−アルコキシメチル基の場合は、酸、そのア
ンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が
好ましい。これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよ
く、その総使用量は重合体(A)、化合物(B)及び化
合物(C)を含む場合には化合物(C)の総量100重
量%に対して、好ましくは0.01〜10重量%、更に
好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0052】着色剤としては、従来公知の顔料や染料を
用いることができる。顔料は、耐光性、耐候性の高いも
のが好ましい。顔料として具体的には、例えば、キナク
リドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン
系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮
合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性
アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピ
リミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾ
ロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキ
サジン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有
機顔料や、ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチン
イエロー等の金属錯体、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛
等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの
金属塩、カーボンブラック、アルミニウム、雲母などの
無機顔料、アルミニウムなどの金属微粉やマイカ微粉等
が挙げられる。
【0053】染料としては、例えば、アゾ系、キノリン
系、スチルベン系、チアゾール系、インジゴイド系、ア
ントラキノン系、オキサジン系等が挙げられる。着色剤
は、粉体をそのまま用いても構わないし、あらかじめ着
色ペースト、着色ペレット等に加工してから用いても構
わない。着色剤の含有量は、樹脂組成物の全量を基準と
して、好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは
1〜40重量%の範囲である。
【0054】また、樹脂組成物には、硬化樹脂層の強度
を上げるために、本発明の効果を妨げない範囲で、重合
体(A)及び化合物(C)以外の各種の熱可塑性樹脂を
含有させてもよい。かかる熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、
アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール、ポリエステル等が挙げられ
る。
【0055】重合体(A)及び化合物(C)以外の熱可
塑性樹脂の添加量は、重合体(A)及び化合物(C)の
合計重量の50重量%以下が好ましく、30重量%以下
が更に好ましい。この上限を越えると、他成分との相溶
性が低下する場合がある。また、樹脂組成物には、必要
に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、紫外線
吸収剤、紫外線安定剤、ラジカル補足剤、チクソトロピ
ー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃
剤、熱伝導性改良剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺
菌剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、硬
化剤、増粘剤、シランカップリング剤、安定剤(金属石
鹸、フォスファィト、フェノール系、有機錫系)、可塑
剤(ジオクチルフタレート、ポリエステル系、トリメリ
ット酸系)、光安定剤(ヒンダードアミン系)、炭酸カ
ルシウム等の充填剤、分散剤(界面活性剤)等の各種の
添加剤を添加してもよい。
【0056】硬化樹脂層を構成する樹脂組成物は、重合
体(A)、化合物(B)、着色剤、必要に応じて化合物
(C)、架橋触媒、添加剤、及び溶剤を混合して得られ
る。溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエ
チレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から樹
脂組成物の組成に応じ適当なものを使用する。溶剤は2
種以上用いてもよい。
【0057】混合方法に特に限定はないが、通常は、重
合体(A)の重合時に得られる重合体溶液に、化合物
(B)、化合物(C)及び他の成分を混合し、攪拌羽
根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。
また、サンドミル、3本ロール、2本ロールなどを用い
て混合してもよい。塗工性などの向上のために、さらに
溶剤を追加したり、濃縮してもよい。
【0058】また、着色剤として顔料を添加する場合
は、まず、顔料、分散樹脂、必要に応じて分散剤、及び
溶剤を混合した顔料ペーストを作成した後、他の成分と
混合するのが好ましい。分散樹脂としては、化合物
(C)を用いるのが好ましいが、特に限定はなく、顔料
分散性に優れた極性基、例えば水酸基、カルボキシル
基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等を有
する、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹
脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。分散剤
としては、例えば、顔料誘導体、アニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、チタンカ
ップリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、金属キレート、樹脂コートなどにより、顔料表面
の改質を行うこともできる。
【0059】本発明の樹脂成型体の製造に使用される積
層シートは、こうして得られた樹脂組成物を剥離シート
上に塗布し、硬化して成膜させてなる硬化樹脂層と樹脂
シートとを積層することにより、あるいは樹脂シート上
に樹脂組成物を塗布し、硬化して硬化樹脂層を積層する
ことにより製造することができる。剥離シートとして
は、例えば、紙、またはポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、セルロースアセテート等のプラスチ
ックフィルムや、アルミ、ステンレスなどの金属箔等を
用いることができ、厚みが10〜250μm のものが好
適に使用される。
【0060】樹脂組成物の塗布は、従来公知の方法、例
えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコー
ト方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレー
ドコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、
カーテンコート方式、スロットオリフィス方式、スプレ
ーコート方式、バーコート方式等により行うことができ
る。樹脂組成物は、数回に分けて塗布してもよいし、1
回で塗布してもよい。また、異なる方式を複数組み合わ
せてもよい。
【0061】硬化樹脂層の膜厚は、通常、10〜200
μm 程度であるが、この範囲内に限定されるものではな
く、用途、要求性能に適した膜厚となるように塗布すれ
ばよい。樹脂組成物の硬化は、樹脂組成物の種類、樹脂
シートおよび剥離シートの種類、膜厚、及び用途に応じ
た温度、時間で行えばよく、通常、室温〜350℃で行
われるが、硬化の効率化および生産性の向上の点から、
30〜350℃に加熱して行うことが好ましい。
【0062】本発明において、硬化樹脂層は、樹脂シー
トに直接積層しても良いし、粘着剤または接着剤からな
る接着層を介して積層しても構わない。接着層は、粘着
剤または接着剤の種類、塗工適性に応じ、従来公知の方
法で、樹脂シートまたは硬化樹脂層の上に粘着剤または
接着剤を直接塗工して樹脂シートと硬化樹脂層との間に
積層させてもよいし、一旦工程紙上に塗工した粘着剤ま
たは接着剤からなる接着層を、樹脂シートまたは硬化性
樹脂層上にラミネートして積層させてもよい。
【0063】粘着剤としては、例えば、一般的な天然ゴ
ム、合成イソプレンゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレン
−スチレンゴム等を主成分とするゴム系粘着剤や、(メ
タ)アクリル酸エステル(C2〜C12)を主体にアク
リル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル、
スチレン等の単量体を共重合した重合体を主成分とする
アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着
剤等を用いることができるが、リサイクルの点からアク
リル系粘着剤が好ましい。
【0064】接着剤としては、アクリル系接着剤や、ド
ライラミネート等に使用される2液硬化のウレタン系接
着剤で代表されるウレタン系接着剤等が挙げられるが、
リサイクルの点からアクリル系接着剤が好ましい。粘着
剤の塗工は、例えば、キスコート方式、ダイコート方
式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコ
ート方式、バーコート方式、グラビア方式等の種々の方
式により行うことができる。また、接着剤の塗工は、例
えば、キスコート方式、ダイコート方式、ブレードコー
ト方式、バーコート方式、グラビア方式等の種々の方式
により行うことができる。
【0065】また、硬化樹脂層の上には、意匠性を付与
するために、印刷層を積層することもできる。印刷層
は、シルクスクリーンインキやグラビアインキ,フレキ
ソインキ,感熱転写インキ,インクジェットインキ等の
種々の印刷インキを用いて形成される。硬化樹脂層の上
に印刷層が積層された積層シートを用いる場合には、硬
化樹脂層に着色剤が含有されていなくてもよく、樹脂シ
ート上に着色剤を含まない硬化樹脂層および印刷層が積
層された積層シートを用いる場合にも、色調が明るく鮮
やかで色むらのない着色樹脂成型体を製造することがで
きる。
【0066】本発明においては、硬化樹脂層を事前に剥
離することなく、樹脂シート及び硬化樹脂層を一体とし
てリサイクルする観点から、樹脂シートがアクリル系樹
脂からなることが好ましく、硬化樹脂層を構成する樹脂
組成物中に含まれる重合体(A)がアクリル系樹脂であ
ることが好ましい。なお、アクリル系樹脂のリサイクル
は、熱分解により原料のモノマーへ還元する方法により
行うことができる。また、重合体(A)が共重合体
(a)と化合物(b)との縮合反応により得られるグラ
フト重合体である場合には、重合体(A)を構成する共
重合体(a)がアクリル系樹脂であることが好ましい。
また、樹脂シートと硬化樹脂層との間に接着層を積層す
る場合には、接着層もアクリル系樹脂からなることが好
ましい。
【0067】特に、硬化樹脂層の全体に対するアクリル
系樹脂の比率は、リサイクルの観点から、30〜90重
量%であることが好ましく、特に40〜80重量%であ
ることが好ましい。アクリル系樹脂の比率が30重量%
未満の場合は、アクリルとしてリサイクルする場合に他
化合物成分が多くなり、効率が悪く、90重量%を越え
る場合は、積層シートの柔軟性が得られない。重合体
(A)が共重合体(a)と化合物(b)との縮合反応に
より得られるグラフト重合体である場合には、以下の式
によりアクリル系樹脂の比率を算出する。
【0068】本発明の樹脂成形体は、樹脂シート上に、
必要に応じて接着層を介して硬化樹脂層および必要に応
じて印刷層が積層された上記積層シート成型してなるも
のである。積層シートを成型する時の積層シートの延び
は、101〜500%であることが好ましい。100%
(つまり未延伸)では意味がないし、500%を越える
と積層シートが破断してしまい、成型の延びに耐えられ
ない。積層シートの成型は、特に限定されるものではな
く、一般に公知の成型方法、例えば、インサートインジ
ェクション成型法、インモールド(金型内)成型法、押
し出し成型、真空・圧空成型法、ブロー(吹き込み)成
型法、プレス成型法等により行うことができる。以下
に、それぞれの成型方法について詳細に述べる。
【0069】インサートインジェクション法・インジェ
クションブロー成型法の場合は、成型に使用する樹脂と
同種の樹脂シートベースとする積層シートを予備真空成
型しておき、トリムカットして余分なバリを取り除き、
この予備真空成型された積層シートを金型内に装着後、
射出成型を行う。この状態で射出成型すると、樹脂シー
トと成型用樹脂が熱融着し、着色された成型物が得られ
る。インモールド成型法の場合は、ロール状で金型内に
積層シートを送り込み、そのまま金型を閉じて、射出成
型を行う。
【0070】押し出し(エクストルージョン)成型法の
場合は、予め所定の幅にスリットされた樹脂シートをベ
ースとする積層シートをその押し出しダイス内、又はダ
イス出口で、押し出されてきた樹脂の余熱を利用して融
着させる方法である。この方法でつくられた成型物は端
末を熱プレス成型等で成型加工を施す必要がある。真空
・圧空成型法の場合は、まず成型用の樹脂板の全面また
は一部に、粘着加工された積層シートをラミネータ等に
より貼付しておく。この積層シートを貼付した板を、成
型機の所定の位置に設置し、加熱軟化させ、木型または
金型を下から送り込み、真空に引いて型に密着させ、樹
脂板を冷却後型からはずして成型物を得る。
【0071】インジェクション等に使用できる成型用樹
脂としてとしては、一般に公知の樹脂が使用でき、特に
限定されるものではないが、樹脂シートと熱融着するよ
うな同種の樹脂でなくてはならない。成型用樹脂として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソ
プチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリクロロ
プレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、AS樹
脂、ABS樹脂、FRP等を挙げることができる。この
中でもリサイクルの点からポリアクリレート樹脂が好ま
しい。
【0072】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の部および%は、すべて重量部およ
び重量%を示している。また、得られた重合体等のポリ
スチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミネーショ
ンクロマトグラフィー装置を用いて測定した。 (合成例a1〜a3)冷却管、撹拌装置、温度計、窒素
導入管を備えた4つ口フラスコに、表1に示す不飽和二
塩基酸、エチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体
および溶媒を表1に示す配合比(重量比)に基づいて仕
込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、
アゾビスイソブチロニトリルを表1に示す配合比の70
%加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブ
チロニトリルを表1に示す配合比(重量比)の15%加
えてさらに2時間重合反応を行い、更にアゾビスイソブ
チロニトリルを表1に示す配合比(重量比)の15%加
えてさらに2時間重合反応を行い共重合体(a)の溶液
を得た。得られた共重合体(a)の重量平均分子量(M
w)、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
【0073】
【表1】 MAH:無水マレイン酸 ST:スチレン MMA:メチルメタクリレート BMA:n-ブチルメタクリレート Tol:トルエン BuAc:酢酸ブチル AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
【0074】(合成例A1〜A3)共重合体(a)を重
合した後、共重合体(a)を重合したフラスコに、表2
に示す化合物(b)を表2に示す配合比(固形分重量
比)となるよう添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら8
0℃まで昇温し、トリエチルアミンを表2に示す配合比
に基づいて加え、6時間加熱撹拌を行い、重合体(A)
溶液を得た。得られた重合体(A)の重量平均分子量
(Mw)、水酸基価(OHV)、官能基の含量%(OH
含量)を表2に示す。
【0075】
【表2】 P-3010:ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製
「クラレポリオールP-3010」、Mw=3000) TEA:トリエチルアミン
【0076】(実施例1〜5、比較例1)表3に示す重
合体(A)、化合物(B)、及び化合物(C)を、固形
分換算で表3に示す割合となるように混合し、トルエン
/酢酸ブチル=50/50(重量比)の混合溶媒で固形
分濃度が60%となるよう希釈して樹脂組成物を作成し
た。また、それぞれの樹脂組成物に、表4に示す種類お
よび配合量の着色ペースト(東洋インキ製造株式会社製
NTVカラー)を混合して、着色した。なお、着色ペ
ーストの配合量は、重合体(A)、化合物(B)、及び
化合物(C)の合計乾燥重量100重量部としたときの
着色ペーストの重量部で示した。
【0077】
【表3】 当量比:[化合物(B)中のイソシアネート基のモル
数]/([重合体(A)中の官能基のモル数]+[重合
体(C)中の官能基のモル数]) F-3010:ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製
「クラレポリオールF-3010」、Mw=3000 水酸基含量=1.
67%) Z4470 :イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネ
ート(住友バイエルウレタン株式会社製「デスモジュー
ル Z4470」、イソシアネート基含量=16.9%) N3300 :イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシ
アネート(住友バイエルウレタン株式会社製「スミジュ
ール N3300」、イソシアネート基含量=21.8%)
【0078】
【表4】
【0079】得られた樹脂組成物を、膜厚100μm の
剥離シート(リンテック株式会社製「PET100
X」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時の膜厚が
約80μm となるように塗布し、150℃のガスオーブ
ン中で2分間加熱して乾燥、硬化させ、硬化樹脂層を作
成した。次に、粘着剤溶液(2液硬化型アクリル系粘着
剤/硬化剤=100/8.7)を、膜厚100μm の剥
離シート(カイト化学株式会社製「TSM−110
K」)上に、コンマコーターを用いて、乾燥時の膜厚が
約30μm となるように塗布し、80℃のガスオーブン
中で2分間加熱して乾燥、硬化させ接着層を作成した。
【0080】作成した接着層と硬化樹脂層とをラミネー
ト接着して、接着層と硬化樹脂層とからなる積層シート
を作成した。得られた積層シートの接着層面を厚さ5m
mの無色透明なアクリル板(三菱レイヨン株式会社製
「アクリライトE」)に貼合し、成型加工用積層シート
を得た。得られた成型加工用積層シートを、真空成型機
(成光産業株式会社製「FORMECH300X」)を
用いて、熱板温度200℃でピラミッド型に真空成型
し、着色樹脂成型体を得た。
【0081】(実施例6)着色ペーストを混合しない以
外は、実施例1と同様にして無色の樹脂組成物を作成
し、これを用いて硬化樹脂層を作成した後、該硬化樹脂
層上に、シルクスクリーンインキ(東洋インキ製造株式
会社製「SSマーク611白」)を230メッシュのシ
ルク版で印刷し、その後60℃で2時間乾燥し、印刷層
を積層した。得られた印刷層と硬化樹脂層とからなる積
層シートの硬化樹脂層と実施例1と同様に得られた接着
層とを貼合したのち、実施例1と同様にして接着層面を
アクリル板に貼合して成型加工用積層シートを作成し、
その後成型を行った。
【0082】(実施例7)実施例1と同様の樹脂組成物
を、厚さ25μmのアクリル系樹脂フィルム(三菱レイ
ヨン株式会社製「アクリプレンHBS」)に、乾燥時の
膜厚が30μmとなるように塗布し70℃で24時間乾
燥、硬化させて硬化樹脂層を作成した。この硬化樹脂層
上に、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤を
乾燥時の膜厚が2.5g/m2となるように塗布し、厚さ
100μmのポリプロピレンフィルム(昭和電工製「シ
ョーアロマーAT」)とラミネートして成型加工用積層
シートを作成し、実施例1と同様にしてその後成型を行
った。
【0083】(比較例2)塩化ビニル樹脂に着色剤を混
合し加熱製膜した着色塩化ビニル樹脂シートの片面に接
着層を積層した着色粘着シート(東洋インキ製造株式会
社製「ダイナカル」)の接着層面を厚さ5mmの無色透
明なアクリル板(三菱レイヨン株式会社製「アクリライ
トE」)に貼合して成型加工用積層シートを作成した。
【0084】得られた樹脂成型体について、以下の方法
で成型加工性試験及びリサイクル性試験を行った。結果
を表5に示す。なお、成型加工用積層シートには、成型
加工前に長さスケールを記入しておいた。 成型加工性試験:予め記入したスケールを基準に、成型
した後のピラミッド型で一番伸長率の高い部分の長さを
測定し、下記の式に則り成型時の伸びを算出した。更
に、同一の成型時の伸びにおける樹脂成型体の外観を目
視で評価した。また、予め同条件でつくっておいた未成
型の樹脂シートの色調と、成型後の一番伸びた部分の色
調を目視にて見比べ、色ムラを評価した。 成型時の伸び=(成型後の長さ)/(基準長さ)×10
【0085】リサイクル性試験:特開平11−1064
27号公報に記載された、2軸押し出し機にアクリル樹
脂のスクラップを供給し、該スクラップを加熱して熱分
解し、押し出し機の先端部から吐出される分解ガスを残
査タンクを介してクーラーで生じる負圧効果と真空ポン
プの負圧で吸引し、該クーラーで分解ガスを濃縮するア
クリル成型板のリサイクル方法を実施し、モノマー回収
設備の状態を目視で評価した。なお、分解ゾーンの熱分
解温度は500℃とした。
【表5】
【0086】
【発明の効果】本発明により、成型伸長性が良好で、鮮
やかで色ムラのない着色樹脂成型体が得られるようにな
った。また、本発明の樹脂成型体は、樹脂シートおよび
硬化性樹脂層を構成する樹脂をアクリル系樹脂にするこ
とにより、一体リサイクルが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK25A AK25B AK29B AK29J AK41B AK41J AK45B AK45J AK51B AK54B AK54J AL04B AL05B BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CA02 CA13B EJ24 EJ42 HB31C JB12B JL02 JL11D YY00B 4J034 AA01 BA07 DA01 DA03 DA05 DA08 DF01 DF02 DG01 DP19 DQ13 DQ18 DQ19 DQ22 HA01 HA07 HB08 HC01 HC03 HC11 HC17 HC18 HC22 HC35 HC46 HC53 HC61 HC67 HC71 QB11 QB14 QC03 RA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂シート上に硬化樹脂層が積層された積
    層シートを成型してなる樹脂成型体であって、前記硬化
    樹脂層がイソシアネート基と反応可能な官能基を有す
    る、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、
    またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構
    造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、2個以上のイ
    ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物
    (B)、及び着色剤を含む樹脂組成物の硬化物からなる
    ことを特徴とする樹脂成型体。
  2. 【請求項2】樹脂シート上に硬化樹脂層および印刷層が
    積層された積層シートを成型してなる樹脂成型体であっ
    て、前記硬化樹脂層がイソシアネート基と反応可能な官
    能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカー
    ボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくと
    も1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体(A)、及
    び2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネ
    ート化合物(B)を含む樹脂組成物の硬化物からなるこ
    とを特徴とする樹脂成型体。
  3. 【請求項3】硬化樹脂層を構成する樹脂組成物が、更
    に、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有
    する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネー
    ト、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種
    (C)を含むことを特徴とする請求項1または2記載の
    樹脂成型体。
  4. 【請求項4】重合体(A)が、不飽和二塩基酸とエチレ
    ン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体
    (a)と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソ
    シアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエー
    テル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブ
    タジエンから選ばれる少なくとも1種(b)との縮合反
    応により得られるグラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項1ないし3いずれか記載の樹脂成型体。
  5. 【請求項5】積層シートの樹脂シートと硬化樹脂層との
    間に、接着層が積層されていることを特徴とする請求項
    1ないし4いずれか記載の樹脂成型体。
  6. 【請求項6】樹脂シートがアクリル系樹脂からなり、且
    つ硬化樹脂層中に含まれる重合体(A)がアクリル系樹
    脂であり、硬化樹脂層の全体に対するアクリル系樹脂の
    比率が30〜90重量%であることを特徴とする請求項
    1ないし5いずれか記載の樹脂成型体。
  7. 【請求項7】積層シートの成型時の伸びが、101〜5
    00%であることを特徴とする請求項1ないし6いずれ
    か記載の樹脂成型体。
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