JP2003101373A - 弾性表面波素子および弾性表面波装置 - Google Patents
弾性表面波素子および弾性表面波装置Info
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Abstract
高域化に伴う素子特性の劣化を防止する。 【解決手段】 圧電基板上において第1の膜厚T1 で
相互に入り組んだ一対の櫛の歯状に形成され、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金で形成されて圧電基板に弾
性表面波を生成または圧電基板の弾性表面波を電気信号
に変換する励振電極部15と、励振電極部15に対する
電気信号が入出力される端子電極部と、少なくとも一部
が第1の膜厚T1 よりも厚い第2の膜厚T2 で圧電基
板上に形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合金
で形成されて励振電極部15と端子電極部および励振電
極部15相互間を電気的に接続する配線部19とを有す
る弾性表面波素子とする。
Description
よび弾性表面波装置に関するものである。
通信端末機が急速に発展している。この端末機は、持ち
運びの便利さから、特に小型且つ軽量であることが望ま
れている。端末機の小型軽量化を達成するには、そこに
使われる電子部品も小型軽量であることが必須であり、
このため、端末機の高周波部や中間周波部には、複数の
弾性表面波共振器(SAW共振子)が圧電基板上に形成
された弾性表面波素子を用いた弾性表面波装置が多用さ
れている。
して、挿入損失が低く通過帯域周波数外の減衰量が大き
いことが挙げられる。挿入損失は、機器の消費電力に影
響し、低損失であるほどバッテリの寿命が延びるためバ
ッテリの容量を削減することができ小型軽量化に貢献す
る。また、一つの装置で高帯域外減衰を得ることができ
れば、機器の小型軽量化に貢献する。
んだ一対の櫛の歯状の励振電極部が圧電基板上に形成さ
れており、励振電極部への電圧印加による電界で圧電基
板に弾性表面波を生成したり、あるいは生成された弾性
表面波を励振電極部で電気信号に変換している。
数決定の重要なパラメータになっており、たとえば通過
帯域周波数を1GHzから2GHzへと高域化するため
には、1GHz時の膜厚0.4μmを、その半分の0.
2μmにしなければならない。
されると、必然的に導電パターンの断面積が小さくな
り、電気抵抗値が増大することになる。
通過帯域周波数外における減衰量が十分に得られなくな
り、素子特性が劣化することになる。
化に伴う素子特性の劣化を防止することのできる弾性表
面波素子に関する技術を提供することを目的とする。
め、本発明に係る弾性表面波素子は、圧電基板と、圧電
基板上において第1の膜厚で相互に入り組んだ一対の櫛
の歯状に形成され、アルミニウムまたはアルミニウム合
金で形成されて圧電基板に弾性表面波を生成または圧電
基板の弾性表面波を電気信号に変換する励振電極部と、
励振電極部に対する電気信号が入出力される端子電極部
と、少なくとも一部が第1の膜厚よりも厚い第2の膜厚
で圧電基板上に形成され、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金で形成されて励振電極部と端子電極部および励
振電極部相互間を電気的に接続する配線部とを有するこ
とを特徴とする。
膜厚を励振電極部の第1の膜厚よりも厚く形成している
ので、励振電極部の薄膜化に伴う配線部の電気抵抗値の
増大が抑制され、通過帯域周波数の高域化に伴う素子特
性の劣化を防止することが可能になる。
面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付
図面において同一の部材には同一の符号を付しており、
また、重複した説明は省略されている。なお、発明の実
施の形態は、本発明が実施される特に有用な形態として
のものであり、本発明がその実施の形態に限定されるも
のではない。
面波素子がパッケージ化された弾性表面波装置を示す断
面図、図2は本発明の一実施の形態である弾性表面波素
子の回路を示す概略図、図3は図2の弾性表面波素子に
おける要部を示す平面図、図4は図3のIV−IV線に沿っ
た断面図、図5は配線部の膜厚KHが0.2μmの場合
と1.2μmの場合における弾性表面波素子の帯域周波
数に対する挿入損失の関係を示すグラフ、図6は配線部
の膜厚に対するインピーダンス実部と減衰量との関係を
示すグラフ、図7は図2の弾性表面波素子の導電パター
ンの形成プロセスの一例を連続して示す断面図、図8は
図2の弾性表面波素子の導電パターンの形成プロセスの
他の一例を連続して示す断面図、図9は図2の弾性表面
波素子の導電パターンの形成プロセスのさらに他の一例
を連続して示す断面図、図10は図2の弾性表面波素子
の導電パターンの形成プロセスのさらに他の一例を連続
して示す断面図、図11は図2の弾性表面波素子の導電
パターンの形成プロセスのさらに他の一例を連続して示
す断面図である。
板上に所定の導電パターンが形成された弾性表面波素子
11が、単層あるいは複数層からなり所定の配線パター
ンや回路パターンの形成されたセラミック製や樹脂製の
実装基板12に搭載されたものである。
素子形成面は実装基板12と対向配置されており、弾性
表面波素子11と実装基板12とはバンプ13を介して
フリップチップ接続されている。なお、両者はワイヤボ
ンディングによりワイヤ接続してもよい。
TaO3 や水晶などの圧電単結晶、あるいはチタン酸ジ
ルコン酸鉛系圧電セラミックスのような圧電性セラミッ
クスにより形成されている。但し、絶縁基板上にZnO
薄膜などの圧電薄膜を形成したものを圧電基板として用
いてもよい。
子11を包囲するようにしてキャップ14が接着されて
おり、弾性表面波素子11を塵埃や機械的衝撃などから
保護している。
た弾性表面波素子11の圧電基板上には、図2に示すよ
うに、所定周波数の弾性表面波に共振する励振電極部1
5が形成されている。この励振電極部15には、励振電
極部15と実装基板12とを電気的に接続し、励振電極
部15に対する電気信号が入出力される入力電極(端子
電極部)16、出力電極(端子電極部)17および接地
電極(端子電極部)18が配線部19を介して電気的に
接続されている。そして、配線部19は励振電極部15
と電極16,17,18、および励振電極部15相互間
を電気的に接続する。そして、励振電極部15および配
線部19はアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成
されている。但し、アルミニウムまたはアルミニウム合
金以外の部材が含まれていてもよい。
2とは、これらに図1に示す突起電極13を形成し、超
音波によりバンプ接続される。あるいは、ワイヤボンデ
ィングによりワイヤ接続される。そして、バンプ接続の
場合には、ワイヤ接続とは反対に、素子形成面が実装基
板12と対向配置される。
うに、相互に入り組んだ一対の櫛の歯状に形成されてい
る。そして、入力側の励振電極部15に電圧を印加して
電界をかけると、圧電基板には圧電効果により弾性表面
波が発生する。また、このようにして生成された弾性表
面波による機械的歪みが電界を生じさせ、出力側の励振
電極部15で電気信号に変換される。
反射する反射器20が配置されている。
力電極17との間の配線部19を直列腕とし、この直列
腕と接地電極18との間に複数の配線部19である並列
腕を構成し、直列腕および並列腕に励振電極部15を配
置したラダー型回路を構成しているが、本発明はラダー
型回路以外であってもよい。
の膜厚T1 となっており、この励振電極部15と連続
する配線部19は、励振電極部15の第1の膜厚T1
よりも厚い膜厚である第2の膜厚T2 となっている。
具体的には、本実施の形態では、通過帯域周波数を2G
Hzとするために励振電極部15の第1の膜厚T1は
0.2μmとなっており、一方、配線部19の第2の膜
厚T2 は1.0μmとなっている。
厚T2 を励振電極部15の第1の膜厚T1 よりも厚く
形成しているので、たとえば通過帯域周波数を高域化す
るために励振電極部15が薄膜化しても、配線部19の
断面積が小さくなって電気抵抗値が増大することがな
い。したがって、挿入損失が悪化したり、通過帯域周波
数外における減衰量が十分に得られなくなることなく、
通過帯域周波数の高域化に伴う素子特性の劣化が防止さ
れる。
よりも厚くなっていればよく、好ましくは弾性表面波素
子としての挿入損失が所定レベル内にあり、通過帯域周
波数外における減衰量が所望レベル得られる程度に厚く
なっていればよく、必ずしも第2の膜厚T2 が1.0
μmでなくてもよい。
部15の膜厚よりも厚くなっている必要はなく、一部の
配線部19のみを厚く形成してもよい。
厚T1 で形成しても、あるいは第2の膜厚T2 で形成
しても、さらには第1の膜厚T1 および第2の膜厚T
2とは異なる膜厚で形成してもよい。
mの場合と1.2μmの場合における弾性表面波素子の
帯域周波数に対する挿入損失の関係を図5に、配線部1
9の膜厚に対するインピーダンス実部と減衰量との関係
を図6に示す。
は1μmに至るまでは厚さに比例して特性が急峻に良
好になるが、1μm以上の場合には鈍化する。したがっ
て、第2の膜厚T2 は望ましくは1μm以下であるこ
とが、より望ましくは1μmであることがよい。但し、
1〜2μmの範囲でも特性が依然として良くなっている
ことから、第2の膜厚T2 は2μm以下で作成しても
よい。
および第2の膜厚T2 を有する配線部19を備えた弾
性表面波素子の導電パターンは、種々の薄膜形成技術に
より形成される。
例を説明する。なお、以下において、薄膜形成にはスパ
ッタリング法や真空蒸着法等が用いられる。また、薄膜
のパターニングには、ウェットエッチング法やドライエ
ッチング法等が用いられる。
に示すものである。
基板21上に、まず、第1の導電膜22を形成する。次
に、図7(b)に示すように、これをパターニングし
て、励振電極部15と配線部19の下層部19aとを同
時に形成する。そして、図7(c)に示すように、この
上にフォトレジスト膜23を形成し、配線部19の下層
部19aに相当する領域を開口する。次に、図7(d)
に示すように、フォトレジスト膜23とこのフォトレジ
スト膜23から露出した下層部19aとの上に第2の導
電膜24を形成する。最後に、フォトレジスト膜23を
除去すると、第2の導電膜24は下層部19a上のみに
残って配線部19の上層部19bとなり、図7(e)に
示すように、励振電極部15よりも厚い配線部19が形
成される。
ず、圧電基板21上に、第1の導電膜22を形成し、こ
れをパターニングして、図8(b)に示すように、配線
部19の下層部19aを形成する。次に、図8(c)に
示すように、この上に第2の導電膜24を形成する。そ
して、フォト工程、エッチング工程等により第2の導電
膜24をパターニングすると、図8(d)に示すよう
に、励振電極部15および配線部19の上層部19bが
形成される。
基板21上に第1の導電膜22を形成する。次に、図9
(b)に示すように、これをパターニングして、励振電
極部15と配線部19の下層部19aとを同時に形成す
る。そして、図9(c)に示すように、この上に第2の
導電膜24と第3の導電膜25を順次形成する。
5の例を含め、第2の導電膜24はたとえばクロムによ
り、第3の導電膜25はアルミニウムにより、それぞれ
形成されている。あるいは、第2の導電膜24と第3の
導電膜25は相互に添加物材料の異なるアルミニウム合
金により形成されている。
ト膜23を形成してこれをパターニングし、図9(d)
に示すように、配線部19の下層部19aに相当する領
域だけを残す。そして、この状態で第3の導電膜25の
エッチングを行い、図9(e)に示すように、フォトレ
ジスト膜23の下に存在する領域だけを残して第3の導
電膜25を除去し、配線部19の上層部19bを形成す
る。次に、第2の導電膜24のエッチングを行い、図9
(f)に示すように、上層部19bと同じ領域だけを残
して第2の導電膜24を除去し、配線部19の中層部1
9cを形成する。最後に、フォトレジスト膜23を除去
すると、図9(g)に示すように、励振電極部15より
も厚い配線部19が形成される。
電基板21上に第1の導電膜22を形成する。次に、図
10(b)に示すように、これをパターニングして、励
振電極部15を形成する。そして、図10(c)に示す
ように、この上に第2の導電膜24および第3の導電膜
25を順次形成する。次に、第3の導電膜25上にフォ
トレジスト膜23を形成してこれをパターニングし、図
10(d)に示すように、配線部19に相当する領域だ
けを残す。そして、この状態で第3の導電膜25のエッ
チングを行い、図10(e)に示すように、フォトレジ
スト膜23の下に存在する領域だけを残して第3の導電
膜25を除去し、配線部19の上層部19bを形成す
る。次に、第2の導電膜24のエッチングを行い、図1
0(f)に示すように、上層部19bと同じ領域だけを
残して第2の導電膜24を除去し、配線部19の下層部
19aを形成する。これにより、下層部19aと上層部
19bとからなり、励振電極部15よりも厚い配線部1
9が形成される。最後に、図10(g)に示すように、
フォトレジスト膜23を除去する。
電基板21上に、第1の導電膜22、第2の導電膜24
および第3の導電膜25を順次形成し、図11(b)に
示すように、これらの導電膜22,24,25を励振電
極部15と配線部19とに対応するパターンに形成す
る。次に、第3の導電膜25上にフォトレジスト膜23
を形成してこれをパターニングし、図11(c)に示す
ように、配線部19に相当する領域だけを残す。そし
て、この状態で第3の導電膜25のエッチングを行い、
図11(d)に示すように、フォトレジスト膜23の下
に存在する領域だけを残して第3の導電膜25を除去
し、配線部19の上層部19bを形成する。さらに、図
11(e)に示すように、これに続いて第3の導電膜2
5の下に存在する領域だけを残して第2の導電膜24を
除去し、配線部19の中層部19cを形成する。最後
に、フォトレジスト膜23を除去すると、図11(g)
に示すように、励振電極部15よりも厚い配線部19が
形成される。
は一例であり、これ以外の方法によって形成することも
できる。
素子11が一個搭載された弾性表面波装置10が示され
ているが、たとえば相互に異なる帯域中心周波数を有す
る2つの弾性表面波素子を搭載して分波器とするなど、
本発明の弾性表面波素子は種々の形態の弾性表面波装置
に適用することが可能である。
によれば以下の効果を奏することができる。
部の第1の膜厚よりも厚く形成しているので、励振電極
部の薄膜化に伴う配線部の電気抵抗値の増大が抑制さ
れ、通過帯域周波数の高域化に伴う素子特性の劣化を防
止することが可能になる。
パッケージ化された弾性表面波装置を示す断面図であ
る。
回路を示す概略図である。
図である。
μmの場合における弾性表面波素子の帯域周波数に対す
る挿入損失の関係を示すグラフである。
衰量との関係を示すグラフである。
ロセスの一例を連続して示す断面図である。
ロセスの他の一例を連続して示す断面図である。
ロセスのさらに他の一例を連続して示す断面図である。
プロセスのさらに他の一例を連続して示す断面図であ
る。
プロセスのさらに他の一例を連続して示す断面図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 圧電基板と、 前記圧電基板上において第1の膜厚で相互に入り組んだ
一対の櫛の歯状に形成され、少なくともアルミニウムま
たはアルミニウム合金で形成されて前記圧電基板に弾性
表面波を生成または前記圧電基板の前記弾性表面波を電
気信号に変換する励振電極部と、 前記励振電極部に対する電気信号が入出力される端子電
極部と、 少なくとも一部が前記第1の膜厚よりも厚い第2の膜厚
で前記圧電基板上に形成され、少なくともアルミニウム
またはアルミニウム合金で形成されて前記励振電極部と
前記端子電極部および前記励振電極部相互間を電気的に
接続する配線部とを備えたことを特徴とする弾性表面波
素子。 - 【請求項2】 前記第2の膜厚は2μm以下であること
を特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子。 - 【請求項3】 前記第2の膜厚は1μm以下であること
を特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の弾性
表面波素子が搭載されていることを特徴とする弾性表面
波装置。 - 【請求項5】 前記弾性表面波装置は、相互に異なる帯
域中心周波数を有する2つの前記弾性表面波素子が搭載
された分波器であることを特徴とする請求項4記載の弾
性表面波装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP2001292471A JP2003101373A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 弾性表面波素子および弾性表面波装置 |
US10/253,988 US20030062969A1 (en) | 2001-09-25 | 2002-09-25 | Saw element and saw device |
EP02021468.0A EP1296454B1 (en) | 2001-09-25 | 2002-09-25 | SAW element and SAW device |
US10/699,779 US7116187B2 (en) | 2001-09-25 | 2003-11-04 | Saw element and saw device |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003101373A true JP2003101373A (ja) | 2003-04-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001292471A Pending JP2003101373A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 弾性表面波素子および弾性表面波装置 |
Country Status (1)
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Cited By (4)
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-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001292471A patent/JP2003101373A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070608 |