JP2003100520A - 油入変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】据え付け面積の縮小化が可能でさらに騒音を低
減することのできるデッキ方式変電所向けの油入変圧器
を提供する。 【解決手段】デッキ３の下層階に配置した油入変圧器本
体２と、該油入変圧器本体２の冷却装置４とを備え、前
記油入変圧器本体２に発生した熱を冷却装置４を介して
放熱して冷却する油入変圧器において、前記冷却装置４
を前記デッキの上層階に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は油入変圧器にかか
り、特にデッキの下層階に油入変圧器本体を配置した、
例えばデッキ方式変電所に採用するに好適な油入変圧器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】変電所に設置する変圧器あるいは遮断器
等の電力機器は、変電所敷地内に平面的に配置される。
しかし、平面的に配置すると、電力機器を設置するため
に必要な敷地面積が広くなり、用地獲得費、および敷地
整備面積の拡大等により変電所の建設費および維持費が
増大する。

【０００３】図４は、従来の油入変圧器を示す図であ
る。図において、１は変電所の地表面、２は油入変圧器
本体、５ａ、５ｂは油入変圧器本体２と後述する垂直型
冷却装置８をそれぞれ接続する冷却油導配管、７はコン
サベータ、８は前記油入変圧器本体２の冷却油を冷却す
る垂直型冷却装置である。前述のように、前記油入変圧
器本体２に付属する風冷式の前記垂直型冷却装置８は前
記油入変圧器本体２と同一床面に配置される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、変電所用敷
地面積を縮小するため、電力機器を立体的に配置する方
法が知られている。例えば、デッキ方式変電所では、重
量機器である変圧器や超高圧遮断器などを変電所の地上
面である一階層に設置し、比較的軽量な低圧遮断器や制
御盤を上層階に設置して、変電所のコンパクト化を図っ
ている。

【０００５】このような従来の油入変圧器を、図５に示
すようなデッキ３を備えるデッキ方式変電所に適用する
場合、該変電所のデッキ高さＨ１は、通常、デッキの外
部で油入変圧器本体２に付属品を組み立て、この組み立
てた状態の変圧器をコロ曳き作業でデッキの下層階に引
き込むに必要な最低スペースＨ２(例えば540mm程度)を
確保できる程度の高さとなっている。このため図５に示
すように、最小限の高さとなっているデッキ高さＨ１よ
りも高い垂直型冷却装置８はデッキの下層階に引き込む
ことはできない。

【０００６】同様にデッキ高さＨ１が充分でないため、
機器の低騒音化が必要な場合、騒音低減に効果のある防
音パネルを変圧器本体の周囲に設置することができな
い、このため油入変圧器本体２が発生する騒音を有効に
遮蔽することができず、油入変圧器本体２と同一床面に
配置された垂直型冷却装置８の冷却扇（図示せず）から
発生する騒音と、変圧器本体２から発生する騒音とによ
る機器の合成騒音を低減することが困難である。

【０００７】また、特開昭５６−１０７５０７号公報に
は、建屋の下層階に変圧器本体を配置し、建屋の上層階
に冷却装置を配置したガス封入式の変圧器が示されてい
る。しかし、建屋を利用する場合は、建屋建設のため多
大の費用を要する。さらに前記変圧器は、冷却器地上高
さに相当する油圧が変圧器タンクに加わることを防止す
るため、冷却媒体としてガスを使用している。

【０００８】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、据え付け面積の縮小化が可能でさらに騒音を低減す
ることのできるデッキ方式変電所向けの簡易な構成の油
入変圧器を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために次のような手段を採用した。

【００１０】デッキの下層階に配置した油入変圧器本体
と、該油入変圧器本体の冷却装置とを備え、前記油入変
圧器本体に発生した熱を冷却装置を介して放熱して冷却
する油入変圧器において、前記冷却装置を前記デッキの
上層階に配置した。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態にかか
るデッキ方式変電所向け油入変圧器の一実施例を示す。
該図において、１はデッキ方式変電所の地表面、２は油
入変圧器本体、３はデッキ方式変電所の上層階を構成す
るデッキであり、該デッキ３は鉄骨構造のフレームおよ
び該フレームにフロアを構成する網目状の床板等を張り
付けることにより構成することができる。４は前記油入
変圧器本体２の冷却油を冷却する水平型冷却装置であ
り、この水平型の冷却装置４は２つの冷却扇４ａ、４
ｂ、放熱器４ｃおよび風洞４ｄから構成される。すなわ
ち、水平型冷却装置４は、略水平に配置した水平型の放
熱器４ｃと該放熱器４ｃに冷却風を上方に送風する冷却
扇４ａ，４ｂを備える。前記水平型冷却装置４を構成す
る放熱器４ｃとしては、アルミ製の熱交換器を利用する
ことができる。

【００１２】５ａ、５ｂは油入変圧器本体２と前記水平
型冷却装置４をそれぞれ接続する冷却油導配管、７はコ
ンサベータである。

【００１３】本実施形態によれば、前記放熱器４ｃとし
てアルミを採用することにより水平型冷却装置４の軽量
化を図り、さらに前記油入変圧器本体２をデッキ３の下
層階に配置し、水平型冷却装置４を前記デッキ３の上層
階に配置するので、変電所の敷地面積を全体として縮小
化することができる。

【００１４】また、風冷式の冷却装置は放熱器に冷却風
を供給する冷却扇の回転により騒音が発生する。この騒
音は主として冷却風の吹き出し方向に放射される。

【００１５】本実施形態によれば、水平型冷却装置４
は、略水平に配置した水平型の放熱器４ｃと該放熱器４
ｃに冷却風を上方に送風する冷却扇４ａ，４ｂを備えて
いるため、冷却扇４ａ，４ｂの回転に伴って発生する騒
音は、主として油入変圧器本体２の上方に拡散される。
このため、油入変圧器本体２の側方に垂直型冷却装置を
配置する従来の油入変圧器の騒音に比して、冷却装置が
発生する分の騒音を低減することができる。

【００１６】図２は、デッキ方式変電所向けの油入変圧
器の他の例を示す図である。なお、図において図１に示
される部分と同一部分については同一符号を付してその
説明を省略する。図において、６は制振鋼板等で構成し
た遮音板、９は変圧器タンクを補強するためのステーで
ある。前記遮音板６は前記ステー９等を介して前記変圧
器タンクに取り付けられ、変圧器タンク表面から放射す
る騒音を遮蔽する。

【００１７】本実施形態によれば、デッキ方式変電所に
設置される変圧器、特に風冷式油入変圧器において、ア
ルミ製放熱器を使用した水平型冷却装置を採用し、該水
平型冷却装置を油入変圧器本体上方のデッキ上に配置す
ることにより、油入変圧器全体の据付面積縮小化が可能
となる。また、図１に示す実施形態で説明したように冷
却装置が発生する分の騒音を低減でき、且つ変圧器本体
に遮音板を取付けることで低騒音化が必要な場合でも防
音パネルを省略することができる。

【００１８】図３は、水平型冷却装置４の例を示す図で
ある。図において、４ａ、４ｂは水平型冷却装置４の冷
却扇、４ｃは放熱器、４ｄは風洞であり、冷却騒音を低
減することができる。水平型冷却装置の冷却扇４ａ，４
ｂを駆動すると、冷却扇４ａ，４ｂは、冷却風を放熱器
４ｃの下部から吸入して上方に放出する。なお、水平型
冷却装置４は図示しない冷却油の入口および出口を備
え、入口および出口はそれぞれ冷却配管５ａ、５ｂと接
続される。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、据
え付け面積の縮小化が可能でさらに騒音を低減すること
のできるデッキ方式変電所向けに好適な変圧器を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態にかかるデッキ方式変電所向
けの油入変圧器の一実施例を示す図である。

【図２】デッキ方式変電所向けの油入変圧器の他の例を
示す図である。

【図３】冷却装置の例を示す図である。

【図４】従来の油入変圧器の例を示す図である。

【図５】従来の油入変圧器とデッキの位置関係の例を示
す図である。

【符号の説明】

１ 変電所地表面 ２ 油入変圧器本体 ３ デッキ ４ 水平型冷却装置 ４ａ，４ｂ 冷却扇 ４ｃ 放熱器 ４ｄ 風洞 ５ａ，５ｂ 冷却油導配管 ６ 遮音板 ７ コンサベータ ８ 垂直型冷却装置 ９ ステー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 デッキの下層階に配置した油入変圧器本
   体と、該油入変圧器本体の冷却装置とを備え、前記油入
   変圧器本体に発生した熱を冷却装置を介して放熱して冷
   却する油入変圧器において、 前記冷却装置を前記デッキの上層階に配置したことを特
   徴とする油入変圧器。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記冷却装置は、略
   水平に配置した水平型の放熱器と、該放熱器に冷却風を
   上方に送風する冷却扇とを備えていることを特徴とする
   油入変圧器。
3. 【請求項３】 請求項２において、前記放熱器はアルミ
   製であることを特徴とする油入変圧器。
4. 【請求項４】 請求項１ないし請求項３の何れか１にお
   いて、 前記油入変圧器本体は、変圧器タンクにステーを介して
   取り付けた遮音板を備えていることを特徴とする油入変
   圧器。