JP2003098318A - マイクロレンズの製造方法 - Google Patents

マイクロレンズの製造方法

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JP2003098318A JP2001289128A JP2001289128A JP2003098318A JP 2003098318 A JP2003098318 A JP 2003098318A JP 2001289128 A JP2001289128 A JP 2001289128A JP 2001289128 A JP2001289128 A JP 2001289128A JP 2003098318 A JP2003098318 A JP 2003098318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程や高価な装置を必要とせず、均一
で微細なマイクロレンズを容易に製造することができ、
赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデータに
基づき基材上に任意の直径のレンズのパターンを容易に
形成し得る、応用範囲の広いマイクロレンズの製造方法
を提供する。 【解決手段】 支持体上に、熱、酸または輻射線により
親疎水性が変化する官能基を有る受容パターン形成層を
設けたパターン形成材料に、円形に加熱、酸の供給また
は輻射線の照射を行って、該層の親疎水性を変化させる
受容パターン形成工程と、該円形の受容パターン上に該
受容パターンと親和性を有するマイクロレンズ原料流動
体を付着させて吸着層を形成する吸着層形成工程と、該
吸着層を硬化させる硬化工程と、を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は種々の応用が可能な
マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの製造方法に
関し、特に、微細で、任意の直径、焦点距離を有する均
一な形状のマイクロレンズを容易に形成することができ
るマイクロレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているレンズのなかで
も、近年、微小な凸レンズであるマイクロレンズ、或い
は、これらのマイクロレンズを規則的に配列したマイク
ロレンズアレイへの需要が高まっている。マイクロレン
ズアレイは、液晶ディスプレイを構成する部品として、
例えば、発光素子や受光素子などの複数の光半導体素子
を配列してなる光半導体アレイと、複数の光ファイバを
配列してなる光ファイバアレイとを光学的に結合する目
的などに使用され、レンズ間のばらつきが小さく製造が
容易なマイクロレンズアレイが要望されている。従来の
マイクロレンズの製造方法として、イオン拡散法を用い
て、多成分ガラスからなる基板上の複数箇所を高屈折率
化して、複数のレンズ(凸レンズ)を形成する方法が知
られている。この方法で得られたレンズは、焦点距離な
どの品質のばらつきが大きく、イオン拡散装置等の大規
模な製造装置が必要とされ、製造が容易でないという問
題があった。
【0003】複雑な装置を必要としないマイクロレンズ
の製造方法としては、例えば、特開平2−165932
号公報には、透明基板上にレンズ原料を微細な液滴とし
て吐出させ、それを硬化させる方法が、特開平5−16
4904号公報には、マスクを介してレンズ原料となる
樹脂層をエッチングしてレンズ要素を製造し、それを加
熱してレンズ形状に変形させる方法が、また、特開平8
−201793号公報にはガラス基板にフォトレジスト
とガラスエッチングによりレンズ形状の凹部を形成し、
そこにレンズ形成材料を充填する方法が、それぞれ記載
されている。これらの方法は、大規模な装置を使用しな
いものの、第1方法は、レンズの形状がレンジ原料と基
材との接触角により決まるため、材料の選択に制限があ
り、焦点距離の制御が困難であった。第2の方法では、
レンズ原料となる樹脂層のエッチングが等方向であるな
どの理由から微細なレンズの形成が困難であった。ま
た、第3の方法では、ガラスエッチング工程における形
状の制御が煩雑で、得られるレンズの屈折率にも制限が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の欠点
を考慮してなされた本発明の目的は、複雑な工程や高価
な装置を必要とせず、均一で微細なマイクロレンズを容
易に製造することができ、且つ、赤外線レーザ等を操作
することによりデジタルデータに基づき基材上に任意の
直径のレンズのパターンを容易に形成し得る、応用範囲
の広いマイクロレンズの製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、露光、加熱、赤外線レーザの照射により極性
変換する官能基を有する高分子化合物を用い、極性変換
領域に局所的にレンズ原料流動体を適用して吸着させる
ことで上記目的が達成されることを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明のマイクロレンズ
の製造方法は、支持体上に、熱、酸または輻射線により
親疎水性が変化する官能基を有る受容パターン形成層を
設けたパターン形成材料に、円形に加熱、酸の供給また
は輻射線の照射を行って、該層の親疎水性を変化させる
受容パターン形成工程と、該円形の受容パターン上に該
受容パターンと親和性を有するマイクロレンズ原料流動
体を付着させて吸着層を形成する吸着層形成工程と、該
吸着層を硬化させる硬化工程と、を有することを特徴と
する。ここで、熱、酸または輻射線により親疎水性が変
化する官能基を有する高分子化合物は、熱、酸または輻
射線により親疎水性が変化する官能基を側鎖に有する高
分子化合物であることが好ましく、この高分子化合物
が、高分子鎖の末端で直接共有結合により該支持体表面
に結合されている直鎖状高分子化合物、高分子鎖の末端
で幹高分子化合物を介して共有結合により該支持体表面
に結合されている直鎖状高分子化合物などの如く、支持
体上に直接結合した表面グラフト重合体であることが好
ましい態様である。
【0006】本発明のマイクロレンズの製造方法におい
ては、その表面に、熱、酸または輻射線により親疎水性
が変化する官能基(以下、適宜、極性変換基と称する)
を有する高分子化合物の表面の極性に応じて、アナログ
やデジタルの露光を含む輻射線照射領域、加熱領域に円
形のレンズ受容パターンを形成し、そこに流動状態のレ
ンズ原料樹脂を適用して吸着させ、レンズを形成する吸
着層の形成を行うため、例えば、デジタルデータに基づ
く高解像度の円形パターン即ち任意の直径を有する微細
レンズ及び、任意の微細レンズの配列を有するマイクロ
レンズアレイを容易に得ることができる。パターン形成
材料の受容パターン形成層に用いられる極性変換基を有
する高分子化合物は、例えば、その末端で直接または幹
高分子化合物を介して支持体に結合しており、そこに流
動体が極性に応じてイオン的に強固に吸着するため、吸
着層が形成された部分が高い強度と耐磨耗性を示すこと
になり、基材上に直接形成される複数のマイクロレンズ
を有するマイクロレンズアレイもまた、高耐久性とな
る。
【0007】さらに、本発明においては、マイクロレン
ズ原料流動体との相互作用による吸着能を有する極性変
換基は、運動性の高いグラフト鎖構造を有するため、一
般的な架橋高分子膜に樹脂流動体を吸着させる場合に比
較して、吸着速度が極めて早く、単位面積当たりに吸着
しうる流動体の量が多くなるという特徴を有する。この
ため、円形の受容パターンにレンズの製造に充分な量の
原料を吸着させることができ、流動体の物性を制御する
ことで任意の焦点距離を有するマイクロレンズを容易に
形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明のマイクロレンズの
製造方法について詳細に説明する。本発明のマイクロレ
ンズの製造方法に用いるパターン形成材料の特徴であ
る、親疎水性が変化する官能基を有する高分子鎖の末端
が直接もしくは幹高分子を介して支持体表面に化学的に
結合された受容パターン形成層を作成するための手段に
ついて説明する。 〔表面グラフト重合〕本発明に係る受容パターン形成層
は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段をもちい
て作成される。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活
性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を
さらに重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する
方法で、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を
形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
【0009】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に
は表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズ
マ照射グラフト重合法、が記載されている。また、吸着
技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発
行、p203,p695には、γ線、電子線などの放射
線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重
合法の具体的方法としては特開平10−296895号
公報および特開平11−119413号公報に記載の方
法を使用することができる。
【0010】高分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結
合された表面グラフト層を作成するための手段としては
これらの他、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシ
リル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボ
キシル基などの反応性官能基を付与し、これと支持体表
面に存在する官能基とのカップリング反応により形成す
ることもできる。なお、本発明における支持体表面と
は、その表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末
端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合す
る機能を有する表面を示すものであり、支持体自体がこ
のような表面特性を有するものであってもよく、また該
支持体上に別途中間層を設け、該中間層がこのような特
性を有するものであってもよい。
【0011】また、極性変換基を有する高分子化合物鎖
の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表
面を作成するための手段としては、支持体表面官能基と
カップリング反応しうる官能基を幹高分子高分子の側鎖
に付与し、グラフト鎖として親疎水性が変化する官能基
を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト高分子化
合物を合成し、この高分子と下層表面官能基とのカップ
リング反応により形成することもできる。
【0012】〔親疎水性が変化する官能基〕次に、本発
明の平版印刷版用原版の特徴の一つである、熱、酸また
は輻射線により親疎水性が変化する官能基(極性変換
基)について説明する。極性変換基としては、疎水性か
ら親水性に変化する官能基と、親水性から疎水性に変化
する官能基の2種類がある。
【0013】(疎水性から親水性に変化する官能基)疎
水性から親水性に変化する官能基としては、文献記載の
公知の官能基を挙げることができる。これらの官能基の
有用な例は、特開平10−282672号公報に記載の
アルキルスルホン酸エステル、ジスルホン、スルホンイ
ミド、EP0652483、WO92/9934記載の
アルコキシアルキルエステル、H.Itoら著、Macror
nolecules, vol.21, pp.1477記載のt−ブチルエステ
ル、その他、シリルエステル、ビニルエステルなどの文
献記載の酸分解性基で保護されたカルボン酸エステルな
どを挙げることができる。
【0014】また、角岡正弘著、「表面」vol.133(199
5), pp.374記載のイミノスルホネート基、角岡正弘著、
Polymer preprints,Japan vol.46(1997), pp.2045記載
のβケトンスルホン酸エステル類、山岡亜夫著、特開昭
63−257750号のニトロベンジルスルホネート化
合物も挙げることができるが、これらの官能基に限定さ
れる訳ではない。これらのうち、特に優れているのは下
記に示される2級のアルキルスルホン酸エステル基、3
級のカルボン酸エステル基、および下記に示されるアル
コキシアルキルエステル基である。
【0015】本発明において、疎水性から親水性に変化
する官能基として特に優れている2級のアルキルスルホ
ン酸エステル基としては、下記一般式(1)で表される
ものである。
【0016】
【化1】
【0017】(一般式(1)式中、Lはポリマー骨格に
連結するのに必要な多価の非金属原子から成る有機基を
表し、R1、R2は置換もしくは非置換アルキル基を表
す。また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子
(CH)と共に環を形成してもよい。)
【0018】前記一般式(1)のR1、R2は置換もしく
は非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール基を表
し、また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子
(CH)と共に環を形成してもよい。R1、R2が置換も
しくは非置換アルキル基を表すとき、アルキル基として
はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分岐状もしくは環
状のアルキル基が挙げられ、炭素数1から25までのも
のが好適に用いられる。R1、R2が置換もしくは非置換
アリール基を表すとき、アリール基には炭素環式アリー
ル基と複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリー
ル基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル
基、ピレニル基など炭素数6から19のものが用いられ
る。また、複素環式アリール基としてはピリジル基、フ
リル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベン
ゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの
炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用い
られる。
【0019】R1、R2が置換アルキル基、置換アリール
基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ基
などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフル
オロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置
換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−ク
ロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15
までのアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカ
ルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシ
ルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基など
のカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチル
オキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;ア
ミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モル
フォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のア
ミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエー
テル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニ
トロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基などのアシル基;フェニル基、ナフチル基のような
アリール基;ピリジル基のようなヘテロアリール基等を
挙げることができる。また、R1、R2が置換アリール基
であるとき、置換基としては、前述したものの他にもメ
チル基、エチル基などのアルキル基を用いることができ
る。
【0020】上記のR1、R2としては、感材の保存安定
性に優れる点で、置換、非置換のアルキル基が好まし
く、経時安定性の点で、アルコキシ基,カルボニル基,
アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基などの
電子吸引性基で置換されたアルキル基、もしくはシクロ
ヘキシル基、ノルボルニル基などのアルキル基が特に好
ましい。物性値としては、重クロロホルム中、プロトン
NMRにおける2級メチン水素のケミカルシフトが4.
4ppmよりも低磁場に現れる化合物が好ましく、4.
6ppmよりも低磁場に現れる化合物がより好ましい。
このように、電子吸引性基で置換されたアルキル基が特
に好ましいのは、熱分解反応時に中間体として生成して
いると思われるカルボカチオンが電子吸引性基により不
安定化し、分解が抑制されるためであると考えられる。
具体的には、−CHR12の構造としては、下記式で表
される構造が特に好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】また、前記一般式(1)のLで表される非
金属原子からなる多価の連結基とは、1から60個まで
の炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から
50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原
子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つも
のである。より具体的な連結基としては下記の構造単位
が組み合わさって構成されるものを挙げることができ
る。
【0023】
【化3】
【0024】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6
から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、
スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキ
シ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのア
ルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネ
ートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0025】本発明において、疎水性から親水性に変化
する官能基として特に優れているアルコキシアルキルエ
ステル基としては、下記一般式(2)で表されるもので
ある。
【0026】
【化4】
【0027】式中R3は水素原子を表し、R4は水素原子
または炭素数18個以下のアルキル基を表し、R5は炭
素数18個以下のアルキル基を表す。また、R3、R4
よびR5の内の2つが結合して間を形成してもよい。特
に、R4およびR5が結合して5または6員環を形成する
ことが好ましい。
【0028】以上、本発明における疎水性から親水性に
変化する官能基としては、一般式(1)で表される2級
のアルキルスルホン酸エステル基が特に好ましい。前記
一般式(1)〜(2)で表される官能基〔官能基(1)
〜(13)〕の具体例を以下に示す。
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】(親水性から疎水性に変化する官能基)本
発明において、熱、酸または輻射線により親水性から疎
水性に変化する官能基としては、公知の官能基、例え
ば、特開平10−296895号及び米国特許第6,1
90,830号に記載のオニウム塩基を含むポリマー、
特にアンモニウム塩を含むポリマーを挙げることができ
る。具体的なものとして、(メタ)アクリロルオキシア
ルキルトリメチルアンモニウムなどを挙げることができ
る。また、下記一般式(3)で示されるカルボン酸基お
よびカルボン酸塩基が好適なものとして挙げられるが、
これらの例示に特に限定されるものではない。
【0032】
【化7】
【0033】(式中、Xは−O−、−S−、−Se−、
−NR8−、−CO−、−SO−、−SO2−、−PO
−、−SiR89−、−CS−を表し、R6、R7
8、R9は各々独立して1価の基を表し、Mは陽電荷を
有するイオンを表す。)R6、R7、R8、R9の具体例と
しては、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−
10、−OR10、−OCOR10、−OCOOR10、−O
CONR1011、−OSO210、−COR10、−CO
OR10、−CONR1014、−NR1011、−NR10
COR11、−NR10−COOR11、−NR10−CONR
1112、−SR10、−SOR10、−SO210、−SO3
10等が挙げられる。R10、R11、R12は、それぞれ水
素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又は
アルキニル基を表す。
【0034】これらのうち、R6、R7、R8、R9として
好ましいのは、具体的には、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルキニル基、アルケニル基である。Mの具
体例としては、前述のような陽電荷を有するイオンが挙
げられる。前記一般式(3)で表される官能基の具体例
〔官能基(14)〜(31)〕を以下に示す。
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】本発明における極性変換基を有する高分子
化合物は、上記のような官能基を有するモノマー1種の
単独重合体であっても、2種以上の共重合体であっても
良い。また、本発明の効果を損なわない限り、他のモノ
マーとの共重合体であっても良い。なお、上記のような
官能基を有するモノマーの具体例を以下に示す。(前記
一般式(1)〜(2)で表される官能基を有するモノマ
ーの具体例〔例示モノマー(M−1)〜(M−1
5)〕)
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】(前記一般式(3)で表される官能基を有
するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−16)〜
(M−33)〕)
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】また、熱、酸または輻射線により親疎水性
が変化する官能基として、酸により親疎水性が変化する
官能基について、述べる。この酸によって親疎水性が変
化する官能基を導入した化合物に光酸発生剤を併用する
ことで、直接酸を付与しなくても、加熱或いは赤外線レ
ーザなどの輻射線の照射により、光酸発生剤から酸が発
生し、その酸により親疎水性が変化することになる。
【0044】〔酸により親疎水性が変化する官能基〕酸
により親疎水性が変化する官能基としては、 疎水性か
ら親水性に変化する官能基もしくは親水性から疎水性に
変化する官能基があるが本発明においては合成的に疎水
性から親水性に変化する官能基を利用する方が有利であ
る。疎水性から親水性に変化する官能基としては、文献
記載の公知の官能基を挙げることができる。具体的には
Protective Group in Organic Synthesis , T.W.Greene
著、AWiley-Interscience Publication (1981) に記載
の酸分解性基で保護された水酸基,フェノール性水酸
基,アミノ基,カルボキシル基,を挙げることができ
る。これらの官能基の特に有用な例は、EP06524
83、WO92/9934記載のアルコキシアルキルエ
ステル、H.Itoら著、Macrornolecules, vol.21,p
p.1477記載のt−ブチルエステル、その他、シリルエス
テル、ビニルエステルなどの文献記載の酸分解性基で保
護されたカルボン酸エステルなどを挙げることができ
る。ただし、これらの官能基に限定される訳ではない。
これらの内、特に優れているのは3級のカルボン酸エス
テル基、および、先に疎水性から親水性に変化する官能
基として特に優れているアルコキシアルキルエステル基
としては述べた前記一般式(2)で表されるものであ
る。また、酸により疎水性から親水性に変化する官能基
の好ましい具体例としては、前記一般式(2)で表され
る官能基の具体例として挙げた具体例のうち、〔官能基
(11)〜官能基(13)〕が挙げられる。
【0045】(光酸発生剤)前記酸により親疎水性が変
換する官能基が導入された受容パターン形成層には、光
により酸を発生する光酸発生剤を併用することが好まし
い。このような化合物としては、一般的には、光カチオ
ン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類
の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用され
ている公知の光により酸を発生する化合物及びそれらの
混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択して使
用することができる。例えば、S.I.Schlesinger, Photo
gr. Sci. Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polym
er, 21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特
許第4,069,055号、同4,069,056号、
特開平3−140,140号等に記載のアンモニウム
塩、D.C.Necker et al., Macromolecules, 17,2468(198
4)、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing A
SIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 、米国特許第4,06
9,055号、同4,069,056号等に記載のホス
ホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules, 10
(6),1307(1977)、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(19
88) 、欧州特許第104,143号、米国特許第33
9,049号、同第410,201号、特開平2−15
0,848号、特開平2−296,514号等に記載の
ヨードニウム塩、
【0046】J.V.Crivello et al., Polymer J. 17, 73
(1985)、J.V.Crivello et al., J.Org. Chem., 43,3055
(1978)、W.R.Watt et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 22, 1789(1984)、J.V.Crivello et al., Pol
ymer Bull., 14,279(1985)、J.V.Crivelloet al., Macr
omolecules, 14(5), 1141(1981)、J.V.Crivello et a
l., J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17,2877(197
9) 、欧州特許第370,693号、米国特許第3,9
02,114号、欧州特許第233,567号、同29
7,443号、同297,442号、米国特許第4,9
33,377号、同410,201号、同339,04
9号、同4,760,013号、同4,734,444
号、同2,833,827号、独国特許第2,904,
626号、同3,604,580号、同3,604,5
81号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et a
l., Macromolecules, 10(6), 1307(1977)、J.V.Crivell
o et al., J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17,10
47(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al.,
Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, O
ct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、
【0047】米国特許第3,905,815号、特公昭
46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭
55−32070号、特開昭60−239736号、特
開昭61−169835号、特開昭61−169837
号、特開昭62−58241号、特開昭62−2124
01号、特開昭63−70243号、特開昭63−29
8339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et
al., J.Rad. Curing, 13(4),26(1986) 、T.P.Gill et
al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、D.Astruc,Acc. Ch
em. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2−16144
5号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
【0048】S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,75
3(1987) 、E.Reichman et al., J.Polymer Sci., Poliy
mer Chem. Ed., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Phot
ochem., 36, 85, 39, 317(1987) 、B.Amit et al., Tet
rahedron Lett., (24)2205(1973)、D.H.R.Barton et a
l., J.Chem. Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins et al.,
J.Chem. Soc., Perkin I,1695(1975) 、M. Rudinstein
et al., Tetrahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Wa
lker et al., J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.
C.Busman et al., J. Imaging Technol., 11(4),(198
5)、H.M.Houlihan et al., Macromolecules, 21,2001(1
988)、P.M.Collins et al., J.Chem. Soc.,Chem. Commu
n., 532(1972)、S.Hayase et al., Macromolecules, 1
8,1799(1985), E.Reichmanis etal., J.Electrochem. S
oc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F.M.Houlih
an et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特許
第0290,750号、同046,083号、同15
6,535号、同271,851号、同0,388,3
43号、米国特許第3,901,710号、同4,18
1,531号、特開昭60−198538号、特開昭5
3−133022号等に記載の0-ニトロベンジル型保護
基を有する光酸発生剤、TUNOOKA et al., PolymerPrepr
ints Japan, 35(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing,
13(4) 、W.J.Mijset al., Coating Technol., 55(69
7), 45(1983), Akzo、H.Adachi et al., Polymer Prepr
ints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、
同84515号、同199,672号、同044,11
5号、同0101,122号、米国特許第4,618,
554号、同4,371,605号、同4,431,7
74号、特開昭64−18143号、特開平2−245
756号、特開平3−140109号等に記載のイミノ
スルホネート等に代表される光分解してスルホン酸を発
生する化合物、特開昭61−166544号等に記載の
ジスルホン化合物を挙げることができる。
【0049】また、酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖
に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et a
l., J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. RapidCommun., 9,625(1988) 、
Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(197
2) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer
Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,
137号、独国特許第3914407号、特開昭63−
26653号、特開昭55−164824号、特開昭6
2−69263号、特開昭63−14603号、特開昭
63−163452号、特開昭62−153853号、
特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いる
ことができる。さらに、V.N.R.Pillai, Synthesis,
(1),1(1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett., (4
7)4555(1971) 、D.H.R.Barton et al., J.Chem. Soc.,
(C), 329(1970) 、米国特許第3,779,778号、
欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発
生する化合物も使用することができる。受容パターン形
成層における光酸発生剤の添加量は、層の全固形分に対
し、通常0.001〜40重量%程度であり、0.01
〜20重量%が好ましく、0.1〜5重量%がさらに好
ましい。
【0050】〔支持体表面〕本発明のマイクロレンズの
製造方法に用いられるパターン形成材料は、前述の極性
変換基を有する高分子化合物の末端が直接または幹高分
子化合物を介して化学的に結合した表面グラフト層と該
高分子化合物の末端が直接または幹高分子化合物を介し
て化学的に結合できるような支持体表面を有するもので
ある。先に述べたように、支持体の表面自体がこのよう
な特性を有していてもよく、このような特性を有する中
間層を支持体表面に設けてもよい。
【0051】(支持体表面或いは中間層)このような支
持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設
けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層の
いずれでもよい。また本発明においては、薄層の高分子
化合物からなるパターン形成層により親疎水性の変化を
発現するため表面の極性は問題ではなく、親水性であっ
ても、また、疎水性であってもよい。このような中間層
においては、特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グ
ラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により本発明
の薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する
層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層である
ことが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ス
チレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂など
の合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプ
ンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、
光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射
線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有
機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が
引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用する
ことが、特に製造適性の点で好ましい。このような中間
層は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、また
必要に応じて支持体上に設けられた中間層であってもか
まわない。
【0052】また、本発明に係るパターン形成材料にお
いては、受容パターン形成層の形成性、受容パターン形
成層との密着性の観点から、前記高分子化合物が直接化
学結合している支持体として、その表面が粗面化されて
いるものを用いることもできる。粗面化した支持体を用
いる場合には、その表面性状は以下の条件を満たすもの
であることが好ましい。粗面化された支持体の好ましい
状態としては、2次元粗さパラメータの中心線平均粗さ
(Ra)が0.1〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜1
0μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の
平均間隔(Sm)が5〜80μm、局部山頂の平均間隔
(S)が5〜80μm、最大高さ(Rt)が1〜10μ
m、中心線山高さ(Rp)が1〜10μm、中心線谷深
さ(Rv)が1〜10μmの範囲が挙げられ、これらの
ひとつ以上の条件を満たすものが好ましく、全てを満た
すことがより好ましい。
【0053】上記2次元粗さパラメータは以下の定義に
基づくものである。 中心線平均粗さ(Ra):粗さ曲線から中心線の方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取りの中心線と
粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値。 最大高さ(Ry):粗さ曲線からその平均線の方向に基
準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底
線の間隔を、粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値。 十点平均粗さ(Rz):粗さ曲線からその平均値の方向
に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線か
ら縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目ま
での山頂の標高(YP)の絶対値の平均値と、最も低い
谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平
均値との和をマイクロメートル(μm)で表した値。 凹凸の平均間隔(Sm):粗さ曲線からその平均線の方
向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において
一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線
の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマイ
クロメートル(μm)で表した値。
【0054】局部山頂の平均間隔(S):粗さ曲線から
その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取
り部分において隣り合う局部山頂間に対応する平均線の
長さを求め、この多数の局部山頂の間隔の算術平均値を
マイクロメートル(μm)で表した値。 最大高さ(Rt):粗さ曲線から基準長さだけ抜き取っ
た部分の中心線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだ
ときの2直線の間隔の値。 中心線高さ(Rp):粗さ曲線からその中心線方向に測
定長さLを抜き取り、この抜き取り部分の中心線に平行
で最高の山頂を通る直線との間隔の値。 中心線谷深さ(Rv):粗さ曲線からその中心線方向に
測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心
線に平行で最深の谷底を通る直線との間隔の値。
【0055】(光熱変換物質)なお、本発明のパターン
形成材料をIRレーザーなどで画像記録する場合には、
該光エネルギーを熱エネルギーに変換するための光熱変
換物質をパターン形成材料のどこかに含有させておくこ
とが好ましい。光熱変換物質を含有させておく部分とし
ては、例えば、受容パターン形成層、中間層、支持体基
板のいずれでもよく、さらには、中間層と支持体基板と
の間に光熱変換剤層を設け、そこに添加してもよい。
【0056】本発明のパターン形成材料に用い得る光熱
変換物質としては、紫外線、可視光線、赤外線、白色光
線等の光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全て使用
でき、例えば、カーボンブラック、カーボングラファイ
ト、顔料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸
化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化ク
ロム等が挙げられる。本発明において特に好ましいの
は、書き込みに使用する赤外線レーザの露光波長である
760nmから1200nmに極大吸収波長を有する染
料、顔料または金属微粒子である。
【0057】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0058】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。
【0059】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。
【0060】これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含
有層全固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.
1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜1
0重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量
%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加
量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また
50重量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱
くなる。
【0061】(支持体基板)本発明に係るパターン形成
材料に使用され、その表面に前記特性を備えた支持体表
面を有する支持体(基板)は寸度的に安定な板状物であ
ることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミ
ネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィ
ルム、ガラス、セラミックなどの無機基板等が含まれ
る。なかでも、ポリエステルフィルムやアルミニウム板
が好ましい。具体的には、例えば、本発明のマイクロレ
ンズの製造方法をブラズマディスプレイや反射型液晶デ
ィスプレイなどの反射型の用途に使用する場合には、ア
ルミニウム板支持体やアルミニウムの薄膜を付設した支
持体を使用することができる。本発明の方法をマイクロ
レンズアレイの製造に適用する場合には、支持体基板に
マイクロレンズを所定の間隔で複数配列した状態でマイ
クロレンズアレイとして使用することが好ましいため、
目的とするアレイに適合した光透過性、強度、厚みなど
を有する基板を選択することが好ましい。マイクロレン
ズアレイを構成する場合、表面に形成されたマイクロレ
ンズと支持体との高い密着性を発現し得る樹脂基板を好
適に用いることができ、例えば、前記中間層を兼ねるこ
とができるポリエステルフィルムが特に好ましく挙げら
れる。本発明の方法によれば、支持体の特性に係わら
ず、前記中間層を形成することで、その表面に所望の形
状のマイクロレンズを任意に形成することができるた
め、支持体基板の選択の幅がひろく、必要な支持体上に
自由にマイクロレンズアレイを形成することができると
いう利点をも有するものである。
【0062】支持体基板としてアルミニウム板を使用す
る場合には必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理など
の公知の表面処理を行なってもよい。また、他の好まし
い態様であるポリエステルフィルム等のプラスチックフ
ィルムを用いる場合にも、親水性表面の形成性、密着性
の観点から、粗面化処理を施したものを用いることもで
きる。
【0063】なお、本発明の方法においてパターン形成
材料に使用される支持体が、前記中間層を兼ねる場合
は、前記中間層において詳述した樹脂材料からなるフィ
ルムそのものを用いることができ、この場合には、前記
のようにパターン形成層を構成する高分子化合物が直接
化学結合している支持体表面が粗面化されていることが
好ましい。
【0064】〔マイクロレンズの製造方法〕つぎに前記
パターン形成材料を用いた本発明のマイクロレンズの製
造方法について説明する。前記パターン形成材料のパタ
ーン形成機構では、前記受容パターン形成層中の高分子
化合物の極性変換基が加熱、または輻射線照射領域にお
いて極性変換し、正又は負の電荷を有するようになる。
この領域に、イオン的に結合し得るマイクロレンズ原料
流動体を適用して吸着させることで、該樹脂吸着領域が
マイクロレンズが形成される領域となる。また、非加熱
領域、または輻射線未照射領域においては、受容パター
ン形成層がそのままの表面状態で残存することになり、
マイクロレンズ原料流動体は吸着せず、複数のマイクロ
レンズ間の空隙領域となる。また、極性変換して得られ
た親水性領域に親水性のマイクロレンズ原料流動体を吸
着させたり、疎水性領域に疎水性のマイクロレンズ原料
流動体を直接吸着させて吸着層を形成することもでき
る。
【0065】マイクロレンズアレイの製造を具体的に説
明すれば、紫外光から可視光によるパターン露光、赤外
線レーザー光、或いは、局所的な加熱によって受容パタ
ーン形成層表面の極性変換が生じ、マイクロレンズ原料
流動体に対する親和性が変化する基板を、前記パターン
露光して円形の受容パターンを形成し、そこに、マイク
ロレンズ原料流動体を付着させる。付着させる方法とし
ては、マイクロレンズ原料流動体を満たした液槽内に受
容パターンを形成した支持体を浸漬してもよく、また、
インクジェット装置などにより流動体の液滴を局所的に
適用して付着させてもよい。付着したマイクロレンズ原
料流動体は表面張力により拡がろうとする挙動を見せ、
円形の受容パターン領域には容易に広がるが、隔壁物質
がないにもかかわらず流動体に非親和性の領域には拡が
ることができず、形成された受容パターン領域のみに吸
着し、露光(加熱)パターンに応じた半球形のマイクロ
レンズ原料流動体液滴が形成される。
【0066】この流動体の吸着を、先に例示したよう
に、局所的に行わせることで、例えば、複数の色の異な
るマイクロレンズを順次形成するといったような、パタ
ーンに従って特性の異なる材料を規則正しく吸着させる
必要のあるアレイの製造に適用する場合には、繰り返し
行われる異種の流動体への物理的、化学的な影響を抑制
するため、流動体の受容パターンを露光によって形成し
た後、その領域を選択しながら、局所的に吸着させるべ
き流動体を、例えば、インクジェット吐出装置などを用
いて供給することにより、簡便な方法で、且つ、少量の
流動体材料のみを用いて、複数の異なる流動体吸着領域
を同一基板上に形成する場合でも、お互いに影響を与え
る懸念なく、異なる特性を持つマイクロレンズを同一の
マイクロレンズアレイ内に形成し得ることから非常に有
益である。
【0067】(書き込み)本発明のマイクロレンズの製
造方法における画像様のパターンの書き込みは、光など
の輻射線の照射或いは加熱により行われる。また、光照
射の一態様として、前記光熱変換材料を併用するタイプ
であれば、赤外線領域のレーザー光等の走査露光による
加熱により、パターン形成することも可能である。パタ
ーン形成に用いる方法としては、加熱、露光等の輻射線
照射により書き込みを行う方法が挙げられる。例えば、
赤外線レーザ、紫外線ランプ、可視光線などによる光照
射、γ線などの電子線照射、サーマルヘッドによる熱的
な記録などが可能である。これらの光源としては、例え
ば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、
ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線と
しては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などが
ある。また、高密度エネルギービーム(レーザービー
ム)なども使用される。一般的に用いられる具体的な態
様としては、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤
外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照
度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げ
られる。
【0068】コンピュータのデジタルデータによるダイ
レクトパターン形成を行うためには、レーザ露光により
極性変換を生起させる方法が好ましい。レーザとして
は、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/
Neレーザ、He/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レ
ーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YA
Gレーザ等の固体レーザ、GaAs/GaAlAs、I
nGaAsレーザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、X
eClレーザ、XeFレーザ、Ar2等のエキシマレー
ザ等を使用することができる。なかでも、波長700〜
1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAG
レーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適で
ある。
【0069】(マイクロレンズ原料流動体)次に、マイ
クロレンズ形成のために吸着層に導入されるマイクロレ
ンズ原料流動体について説明する。このマイクロレンズ
原料流動体としては、必要なマイクロレンズの特性に応
じて種々の材料を用いることができる。本発明におい
て、流動体とは、常温(25℃)において、50cp以
下の粘度を有し、好ましくは、インクジェット装置のイ
ンク吐出ノズルより吐出可能な流動性を有するもので
る。通常は、マイクロレンズの原料をそれぞれの原料に
適合する溶剤に溶解させた溶液を用いるが、硬化工程
で、例えば加熱処理などにより均一層を形成しうるもの
であれば、無機微粒子、樹脂微粒子、ラテックスなどの
分散液であってもよい。また、変性アルキルシリケート
のような流動体を用いてゾルゲル法によりレンズを形成
することもできる。
【0070】マイクロレンズの原料となる樹脂は、溶媒
を除去して硬化させるタイプ、特定の開始剤を含むモノ
マーやオリゴマーの溶液、分散液であって、加熱或いは
露光により重合、架橋反応により硬化させるタイプなど
を目的に応じて選択することができる。具体的には、例
えば、エステルアクリレート樹脂の如き水溶性紫外線硬
化樹脂、アクリル系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリ
ビニルアルコール系などの比較的耐熱性の高い樹脂に感
光性の官能基或いは重合性不飽和結合などを導入した光
硬化性の樹脂、さらに、変性アルキルシリケートなどの
ケイ素系有機材料などを挙げることができる。無機材料
としては、SiO2を含有するアモルファス無機材料な
どが挙げられる。
【0071】また、このマイクロレンズ原料流動体に
は、形成されるマイクロレンズの目的に応じて、染料、
顔料などの着色材、紫外線吸収剤などの機能を付与する
ための添加剤や、流動体の物性を制御するための界面活
性剤、増粘剤、分散剤などの添加剤を適宜用いることが
できる。ここで、前記マイクロレンズ原料流動体に着色
剤を添加し、異なる色相のマイクロレンズを同一基板上
に有するマイクロレンズアレイとすることで、カラーフ
ィルターとしての機能を有することになり、液晶パネル
などを構成する際に、別のカラーフィルターを必要とし
なくなるため、一層の構成の簡素化を図ることができ
る。また、流動体に適切なドーパントを導入すること
で、マイクロレンズの屈折率の制御を図ることもでき、
簡易な製造方法で幅広い機能を有するマイクロレンズ、
マイクロレンズアレイを得ることができる。流動体に含
有させる機能性の成分は1種のみならず、必要に応じて
複数種を併用することができる。また、所望の特性を得
るため、予め複数の材料を混合して用いることもでき
る。
【0072】(表面グラフト重合の極性と流動体との関
係)例えば、流動体として、例えば、水溶性樹脂などの
水系のものを用いる場合には、露光後のパターンで親水
性となった領域に流動体を供給して吸着させ、油性のも
のを用いる場合には、露光後のパターンで親油性となっ
た領域に流動体を供給して吸着させればよい。また、極
性変換基を正負の電荷でとらえる場合について説明すれ
ば、先に具体的に例示した一般式(1)で表されるアル
キルスルホン酸エステル基などの如きアニオングラフト
極性変換官能基を有するパターン形成層では、露光領域
のみが選択的に負の電荷を有するようになり、ここに正
の電荷を有するようなマイクロレンズ原料流動体を吸着
させることでその領域にマイクロレンズが形成される。
このようなパターン形成機構を用いる場合には、露光部
のみが極性変換して導電材料吸着能を有するようになる
ため、単一の基板(支持体)上に複数の異なる特性のマ
イクロレンズを順次形成することもできる。
【0073】即ち、パターン形成材料を円形状に露光し
て、第1の露光領域に1種のマイクロレンズ原料流動体
をインクジェット装置により供給して吸着させ、溶剤を
除去して硬化させ、基板上に密着した第1のマイクロレ
ンズを形成する。このとき、未露光部の極性変換基は影
響を受けていないため、同じパターン形成材料に対し
て、再度、円形状の露光を行って極性変換を生じさせ、
新たな露光領域に、例えば、異なる色相を有するといっ
た、他のマイクロレンズ原料流動体を局所的に供給して
吸着させて第2のマイクロレンズを形成することができ
る。このように、段階的な像様露光により複数の異なる
特性を有するマイクロレンズを同一基板上に形成してマ
イクロレンズアレイを得ることが可能となるものであ
る。
【0074】他のパターン形成機構として、例えば、特
開平10−296895号公報に記載のアンモニウム基
などの如きカチオングラフト極性変換官能基を有するパ
ターン形成層では、もともとのパターン形成層材料表面
が正の電荷を有しており、露光領域のみが電荷を消失す
るようになる。ここに負電荷を有するマイクロレンズ原
料流動体を吸着させてマイクロレンズが形成される。こ
のようなパターン形成機構を用いる場合には、未露光部
のみに導電材料が吸着するため、単一の特性のマイクロ
レンズを複数個、広い面積の領域に形成するアレイなど
に適するマイクロレンズの製造方法となる。
【0075】流動体として固体微粒子の分散液を用いる
場合、微粒子の粒径は0.1nmから1000nmの範
囲であることが好ましく、1nmから100nmの範囲
であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよりも
小さくなると、均一分散が困難となり、1000nmよ
りも大きくなると、極性変換された官能基と相互作用し
て結合する接触面積が小さくなるため親水性表面と粒子
との密着が低下し、吸着層の強度が劣化する傾向があ
る。
【0076】マイクロレンズ原料流動体を極性変換させ
た部分に吸着させる方法としては、特定の荷電を有する
マイクロレンズ原料流動体を露光などにより円形状に極
性変換された支持体表面に塗布する方法、及び、これら
の溶液又は分散液中に円形に極性変換された支持体表面
を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸漬のいずれ
の場合にも、極性変換基との間に十分なイオン結合によ
る導入がなされるために、マイクロレンズ原料流動体と
支持体表面との接触時間は、10秒から180分程度で
あることが好ましく、1分から100分程度であること
がさらに好ましい。
【0077】また、流動体を極性変換させた領域に適用
して吸着させる方法としては、局所的な吸着方法も好ま
しく挙げられる。この場合には、例えば、オン−オフ可
能なコーター、インクジェット装置、プロッター装置な
どの、局所的に固体表面上に流動体を適用する方法をい
ずれも用いることができる。なかでも、所定の領域への
供給精度、供給量の制御性などから、インクジェット装
置を用いてインクジェットヘッドから吐出させる方法が
好ましい。
【0078】この液滴状の流動体を所定の方法で硬化さ
せることでマイクロレンズが形成される。硬化工程は、
流動体の特性に応じて公知の方法で適宜行われる。例え
ば、樹脂溶液を用いた場合、加熱、乾燥或いは減圧条件
下で溶媒を除去すればよく、光硬化性、紫外線硬化性樹
脂を用いた場合には、それぞれの波長に応じた輻射線を
照射すればよい。いずれの硬化工程をとるにしろ、液滴
により形成された所望のレンズ形状に影響を与えない条
件を選択するべきである。
【0079】これら流動体及びそこに含まれるマイクロ
レンズ原料の種類や使用量は、形成されるの目的やパタ
ーン形成機構により適宜選択することができるが、イオ
ン性の吸着により親水性表面に、密な状態で均一に導入
されるため、一般的なパターン形成に用いる機能性材料
の使用量に比較して、少量で、効率的なマイクロレンズ
の製造をすることができ、微細なマイクロレンズアレイ
を必要とする回路や素子にも適用し得る高鮮鋭度のマイ
クロレンズを形成することができる。本発明のマイクロ
レンズの製造方法によれば、流動体に用いる機能性成分
を選択することで、種々の機能を有するマイクロレンズ
アレイを形成することができるため、広い用途が期待さ
れる。さらに、支持体にPETなどの透明フィルムを使
用した場合には、液晶ディスプレイに好適なマイクロレ
ンズアレイとなり、さらに、複数の着色剤を併用したマ
イクロレンズを形成することで、カラーフィルターの機
能を兼ねたマイクロレンズアレイとして使用することが
でき、広範な用とに適用し得る。
【0080】
〔実施例1〕
(パターン形成材料の作製)188μmのコロナ処理さ
れたポリエチレンテレフタレートフィルム(A410
0、東洋紡(株)製)を支持体として用い、グロー処理
として平版マグネトロンスパックリング装置(東芝エレ
テック製CFS−10−EP70)を使用し、下記の条
件でアルゴングロー処理を行った。 (アルゴングロー処理) 初期真空 :1.2x10‐3Pa アルゴン圧力 :0.9Pa RFグロー :1.5kW 処理時間 :60sec 次に、グロー処理したフィルムを窒素バブルした2−エ
トキシエチルアクリレート(A−EE、中村化学製)の
メチルエチルケトンの溶液(10%)に50℃で7時間
浸漬して表面グラフトを行わせた。次に、得られた膜を
アセトンにて8時間浸漬千条してグラフトされていない
ポリマーを取り除くことにより、2‐エトキシエチルア
クリレートが表面にグラフトポリマー化された受容パタ
ーン形成層を設けた。さらに、光発生剤として、2,6
−ビストリクロロメチル−4−(p−(N,N−ジ(エ
トキシカルボニルメチル)アミノ)フェニル)−トリア
ジンの10wt%のメチルエチルケトン溶液に5分間浸
漬して基板を作成した。
【0081】(露光)上記のようにして得られた基板
に、発信波長400nm InGaN系半導体レーザー
を使用し、基板表面でのビーム径40μm、露光エネル
ギー密度0.2mJ/cm2となる条件で、直径50μ
mの円を3μmおきに直線状に配列するように露光を行
った。
【0082】(マイクロレンズの形成) (マイクロレンズ原料流動体の付着)露光後のパターン
形成材料基板を水溶性紫外線硬化性樹脂(エステルアク
リレート樹脂、AQ−9(商品名)、荒川化学工業製)
の水溶液(硬化開始剤として、AQ−9 100重量部
に対して、イルガキュア−9(チバスペシャリティケミ
カルズ製)5重量部及び溶媒として蒸留水12.5重量
部を含む)中に浸漬し、引き上げたところ、円形の露光
部分のみに水溶液は付着し、未露光部との界面より外側
には付着しなかった。 (マイクロレンズ原料流動体の硬化)円形の露光部に吸
着したマイクロレンズ原料流動体は、支持体表面で半球
形の形状を形成していた。これを水銀ランプにより70
mW/cm2の照度で5秒間露光して硬化させ、支持体
基板上に直径50μm、焦点距離1mmのマイクロレン
ズが複数形成されたマイクロレンズアレイを得た。
【0083】〔実施例2〕200μmのコロナ処理され
たポリイミド(無水ピロメリット酸・m−フェニレンジ
アミン共重合物)フィルムを支持体として用い、その表
面に下記の組成をワイヤーロッド10番の塗布バーを使
用して塗布し、100℃で1分乾燥し、膜厚1.6μm
の赤外線吸収剤を含有する中間層を作成した。
【0084】 (中間層塗布液) ・エポキシ樹脂(エピコート, Yuka-shell Co,Ltd.) 2 g ・赤外線吸収剤(IR125 和光純薬剤) 0.2g ・1−メトキシ−2−プロパノール 9 g ・メチルエチルケトン 9 g
【0085】中間層を形成した支持体表面を次の条件に
てプラズマ処理して表面グラフト重合による受容パター
ン形成層の形成を行った。島津製作所製LCVD−01
型プラズマ処理装置を用いて0.04toorのアルゴンガ
ス雰囲気下にて10秒間処理後、空気に曝し、中間層表
面にパーオキシド基を導入した。この膜を10wt%の
α(スチレン−4−スルホニル)酢酸Na塩水溶液に浸
漬し、15分間アルゴンガスをバブルしたのち、7時間
60℃に加温することによってグラフト重合を行った。
グラフト重合後膜を3000mlのイオン交換水中につ
け、グラフト重合以外のホモポリマーを除去することに
よりプラズマ処理により表面にグラフトされたパターン
形成層を備えた基板を得た。
【0086】(露光)上記のようにして得られた基板
に、波長830nmの赤外光を発する赤外線レーザ(ビ
ーム径25μm)にて、直径50μmの円形の未露光部
が3μmおきに直線状に配列されるように走査露光を行
った。
【0087】(マイクロレンズの形成)露光後のパター
ン形成材料を用い、実施例1と全く同様の工程を行うこ
とで、円形の未露光部のみにマイクロレンズ原料流動体
が付着し、支持体基板上に直径50μm、焦点距離1m
mのマイクロレンズが複数形成されたマイクロレンズア
レイを得た。本実施例2においては、マイクロレンズ原
料流動体は、未露光部のみに吸着し、露光部との界面で
流動体の吸着が停止しており、露光部には付着は認めら
れず、設計通りのマイクロレンズアレイが形成された。
【0088】〔実施例3〕実施例1で使用したとまった
く同じパターン形成材料を用いた。この表面に、3μm
おきに直径50μmの円形が直線状に配列されたパター
ンを有する焼き付け用フイルム、さらに平坦な透明石英
ガラスを重ねて、その上30cmの位置から200ワッ
ト高圧水銀灯で30秒間露光した。露光後のパターン形
成材料を用い、実施例1と全く同様の工程を行うこと
で、円形の露光部のみにマイクロレンズ原料流動体が付
着し、支持体基板上に直径50μm、焦点距離1mmの
マイクロレンズが複数形成されたマイクロレンズアレイ
を得た。本実施例3においても、実施例1と同様に、マ
イクロレンズ原料流動体は、露光部のみに吸着し、未露
光部との界面で流動体の吸着が停止しており、未露光部
には付着は認められず、設計通りのマイクロレンズアレ
イが形成された。
【0089】
【発明の効果】本発明のマイクロレンズの製造方法によ
れば、複雑な工程や高価な装置を必要とせず、均一で微
細なマイクロレンズを容易に製造することができ、且
つ、赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデー
タに基づき基材上に任意の直径のレンズのパターンを容
易に形成することができ、広範な用途が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA29X FA29Y FA29Z FB02 FB03 FB04 FB11 FB12 FB13 FC22 FC23 4F213 AA21 AA44 AB03 AD08 AG03 AH75 WA32 WA38 WA53 WA86 WA87 WB22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、熱、酸または輻射線により
    親疎水性が変化する官能基を有る受容パターン形成層を
    設けたパターン形成材料に、円形に加熱、酸の供給また
    は輻射線の照射を行って、該層の親疎水性を変化させる
    受容パターン形成工程と、 該円形の受容パターン上に該受容パターンと親和性を有
    するマイクロレンズ原料流動体を付着させて吸着層を形
    成する吸着層形成工程と、 該吸着層を硬化させる硬化工程と、 を有することを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱、酸または輻射線により親疎水性
    が変化する官能基を有する高分子化合物が、熱、酸また
    は輻射線により親疎水性が変化する官能基を側鎖に有す
    る高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    のマイクロレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱、酸または輻射線により親疎水性
    が変化する官能基を有する高分子化合物が、支持体上に
    直接結合した表面グラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載のマイクロレンズの製造
    方法。
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