JP2003098151A - Maldi−tof質量分析法のためのマトリックス - Google Patents
Maldi−tof質量分析法のためのマトリックスInfo
- Publication number
- JP2003098151A JP2003098151A JP2001291540A JP2001291540A JP2003098151A JP 2003098151 A JP2003098151 A JP 2003098151A JP 2001291540 A JP2001291540 A JP 2001291540A JP 2001291540 A JP2001291540 A JP 2001291540A JP 2003098151 A JP2003098151 A JP 2003098151A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- matrix
- mass spectrometry
- sample
- solution
- maldi
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、マトリックス支援レーザー脱離イ
オン化−飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF/
MS)のための新規なマトリックスを開発し、提供する
ことを目的とする。 【解決手段】本発明は、p−ニトロフェノールを含む、
マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質
量分析法のためのマトリックスに関する。本発明は、マ
トリックスとしてp−ニトロフェノールを用いた、マト
リックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分
析法による質量分析法にも関する。
オン化−飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF/
MS)のための新規なマトリックスを開発し、提供する
ことを目的とする。 【解決手段】本発明は、p−ニトロフェノールを含む、
マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質
量分析法のためのマトリックスに関する。本発明は、マ
トリックスとしてp−ニトロフェノールを用いた、マト
リックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分
析法による質量分析法にも関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックス支援
レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法(MAL
DI−TOF/MS)のための新規なマトリックスに関
する。
レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法(MAL
DI−TOF/MS)のための新規なマトリックスに関
する。
【0002】
【従来の技術】質量分析法(MS)は分子量を測定する
方法であり、微量の試料をイオン化し、次いで該イオン
化したイオンを質量と電荷とイオンの比に応じて分析す
る方法である。該質量分析法は、イオン化の違いによ
り、電子イオン化法(EI法)、化学イオン化法(CI
法)、高速電子衝撃法(FAB法)、エレクトロスプレ
ーイオン化法(ESI法)、大気圧化学イオン化法(A
PCI法)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン
化法(MALDI法)などに分類される。
方法であり、微量の試料をイオン化し、次いで該イオン
化したイオンを質量と電荷とイオンの比に応じて分析す
る方法である。該質量分析法は、イオン化の違いによ
り、電子イオン化法(EI法)、化学イオン化法(CI
法)、高速電子衝撃法(FAB法)、エレクトロスプレ
ーイオン化法(ESI法)、大気圧化学イオン化法(A
PCI法)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン
化法(MALDI法)などに分類される。
【0003】質量分析法により、試料の正確な質量を決
定でき、元素構成および構造を決定することができる。
質量分析法は質量分析計を用いて分析を行ない、該質量
分析計は、通常、1)分子をイオン化する装置(イオン
源)、2)電場や磁場を利用して質量分離する装置(質
量分離装置)、3)分離されたイオンを検出する装置
(イオン検出器)および4)真空装置等から構成され
る。
定でき、元素構成および構造を決定することができる。
質量分析法は質量分析計を用いて分析を行ない、該質量
分析計は、通常、1)分子をイオン化する装置(イオン
源)、2)電場や磁場を利用して質量分離する装置(質
量分離装置)、3)分離されたイオンを検出する装置
(イオン検出器)および4)真空装置等から構成され
る。
【0004】MALDI−TOF/MSとは、特定の波
長のレーザーエネルギーを吸収し、イオン化の補助をす
るマトリックスと呼ばれる物質と試料とを適量比で混合
させたものを分析試料とし、その分析試料をレーザーに
よりイオン化させるMALDI法と、電場によって与え
られた初期エネルギーが物質の質量によって異なるた
め、真空中を飛行して検出器にイオンが到達するのに要
する時間が異なるのを利用して質量分離を行うTOF装
置とを組み合わせた質量分析法である。
長のレーザーエネルギーを吸収し、イオン化の補助をす
るマトリックスと呼ばれる物質と試料とを適量比で混合
させたものを分析試料とし、その分析試料をレーザーに
よりイオン化させるMALDI法と、電場によって与え
られた初期エネルギーが物質の質量によって異なるた
め、真空中を飛行して検出器にイオンが到達するのに要
する時間が異なるのを利用して質量分離を行うTOF装
置とを組み合わせた質量分析法である。
【0005】該MALDI−TOF/MSにより、理論
的には数百ダルトンの低分子量の試料から数万ダルトン
の高分子量の試料の質量分析が可能である。しかしなが
ら、分析する試料の純度、およびそのイオン化のされ易
さなどの問題が存在するために高分子量の試料の質量分
析は困難である。更に、高分子量の物質では同位体を有
する元素の数が多いために各同位体イオンのピーク強度
は増大し、かつ同位体イオンのピークの本数も増加する
ために、質量分析を行なうことはより困難である。
的には数百ダルトンの低分子量の試料から数万ダルトン
の高分子量の試料の質量分析が可能である。しかしなが
ら、分析する試料の純度、およびそのイオン化のされ易
さなどの問題が存在するために高分子量の試料の質量分
析は困難である。更に、高分子量の物質では同位体を有
する元素の数が多いために各同位体イオンのピーク強度
は増大し、かつ同位体イオンのピークの本数も増加する
ために、質量分析を行なうことはより困難である。
【0006】MALDI法では、被験試料にパルスレー
ザーを照射して試料をイオン化する。レーザーとしては
様々な波長(UV 266、337、355nm;IR
2.79、2.94および10.6μm)およびパル
ス寿命(0.5〜200ns)を有するものが使用され
ており、例えば、波長337nmの窒素レーザー、波長
266nmのNd−YAGレーザーを含むが、337n
mの窒素レーザーが使用されることが多い。
ザーを照射して試料をイオン化する。レーザーとしては
様々な波長(UV 266、337、355nm;IR
2.79、2.94および10.6μm)およびパル
ス寿命(0.5〜200ns)を有するものが使用され
ており、例えば、波長337nmの窒素レーザー、波長
266nmのNd−YAGレーザーを含むが、337n
mの窒素レーザーが使用されることが多い。
【0007】マトリックスは、使用するレーザーおよび
被験試料の化学的性質によって選択されるが、被験試料
が十分にイオン化されるためには試料とマトリックスと
の化学的性質が重要であるので使用可能なマトリックス
は限定される。337nmの窒素レーザーによるMAL
DI法において、従来のマトリックスとしては、被験物
質がポリペプチドおよびタンパク質の場合には桂皮酸誘
導体(例えば、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂
皮酸(シナピン酸、SAと略す)、α−シアノ−4−ヒ
ドロキシ桂皮酸(CHCAと略す)、トランス−4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシ桂皮酸(フェルラ酸、FAと略
す)を含む))が知られており、被験物質が糖類の場合
には、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA、また
はゲンチシン酸(GAと略す))が知られている。一
方、被験物質が核酸の場合については、3−ヒドロキシ
ピコリン酸(3−HPAと略す)(G.R.Parrらによる
Rapid Communications in Mass Spectrometry,6,3
69−372(1992))および、無機酸または有機
酸のアンモニウム塩とヒドロキシ置換フェノンとの組み
合わせ(チバガイギー・アクチエンゲゼルシャフトによ
る特開平6−322274号、1994年11月22日
公開)が提案されているが、その例は少ない。
被験試料の化学的性質によって選択されるが、被験試料
が十分にイオン化されるためには試料とマトリックスと
の化学的性質が重要であるので使用可能なマトリックス
は限定される。337nmの窒素レーザーによるMAL
DI法において、従来のマトリックスとしては、被験物
質がポリペプチドおよびタンパク質の場合には桂皮酸誘
導体(例えば、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂
皮酸(シナピン酸、SAと略す)、α−シアノ−4−ヒ
ドロキシ桂皮酸(CHCAと略す)、トランス−4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシ桂皮酸(フェルラ酸、FAと略
す)を含む))が知られており、被験物質が糖類の場合
には、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA、また
はゲンチシン酸(GAと略す))が知られている。一
方、被験物質が核酸の場合については、3−ヒドロキシ
ピコリン酸(3−HPAと略す)(G.R.Parrらによる
Rapid Communications in Mass Spectrometry,6,3
69−372(1992))および、無機酸または有機
酸のアンモニウム塩とヒドロキシ置換フェノンとの組み
合わせ(チバガイギー・アクチエンゲゼルシャフトによ
る特開平6−322274号、1994年11月22日
公開)が提案されているが、その例は少ない。
【0008】被験物質が核酸である場合の問題点は、試
料に混在するアルカリ金属イオン(Na+およびK+を
含む)とその核酸とが親和性を有するので多数の付加体
が形成することによって多数の質量ピークが観察される
ために、分析前に被験試料を十分に精製することが必要
とされることである。分子量の大きな核酸の場合では、
更に分解能が低いことにより幅広いピークが観察される
ために、正確な質量分析を行なうのがより困難である。
従って、従来のマトリックスの場合には、比較的大きな
長鎖DNA(塩基数が200以上)の分析は困難であ
り、且つ分解能の面においても塩基数が50以上のDN
Aについては良好な結果が得られなかった。従って、核
酸関連物質、特に長鎖DNAのMALDI−TOF/M
Sのための新規なマトリックスを開発することが望まれ
ている。
料に混在するアルカリ金属イオン(Na+およびK+を
含む)とその核酸とが親和性を有するので多数の付加体
が形成することによって多数の質量ピークが観察される
ために、分析前に被験試料を十分に精製することが必要
とされることである。分子量の大きな核酸の場合では、
更に分解能が低いことにより幅広いピークが観察される
ために、正確な質量分析を行なうのがより困難である。
従って、従来のマトリックスの場合には、比較的大きな
長鎖DNA(塩基数が200以上)の分析は困難であ
り、且つ分解能の面においても塩基数が50以上のDN
Aについては良好な結果が得られなかった。従って、核
酸関連物質、特に長鎖DNAのMALDI−TOF/M
Sのための新規なマトリックスを開発することが望まれ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マトリック
ス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法
(MALDI−TOF/MS)のための新規なマトリッ
クスを開発し、提供することを目的とする。
ス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法
(MALDI−TOF/MS)のための新規なマトリッ
クスを開発し、提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、p−ニトロフ
ェノールを含む、マトリックス支援レーザー脱離イオン
化−飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF/M
S)のためのマトリックスに関する。本発明は、マトリ
ックスとしてp−ニトロフェノールを用いた、マトリッ
クス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法
による質量分析法にも関する。
ェノールを含む、マトリックス支援レーザー脱離イオン
化−飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF/M
S)のためのマトリックスに関する。本発明は、マトリ
ックスとしてp−ニトロフェノールを用いた、マトリッ
クス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法
による質量分析法にも関する。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に記載する。
本明細書における用語「マトリックス」とはそれ自体が
イオン化されやすい、被験試料のイオン化を促進する物
質を意味する。被験物質はマトリックスを介してイオン
化を達成することができる。
本明細書における用語「マトリックス」とはそれ自体が
イオン化されやすい、被験試料のイオン化を促進する物
質を意味する。被験物質はマトリックスを介してイオン
化を達成することができる。
【0012】本発明において、マトリックスとして、3
37nmの吸収を有し、且つ置換基としてニトロ基を有
する化合物を用いる。好ましくは、p−ニトロフェノー
ルである。ニトロフェノールにはp−ニトロフェノール
の位置異性体であるo−およびm−体が存在し得るが、
それらは337nmの吸収を有しないために本発明の実
施には適さない。
37nmの吸収を有し、且つ置換基としてニトロ基を有
する化合物を用いる。好ましくは、p−ニトロフェノー
ルである。ニトロフェノールにはp−ニトロフェノール
の位置異性体であるo−およびm−体が存在し得るが、
それらは337nmの吸収を有しないために本発明の実
施には適さない。
【0013】本願の発明における分析物は、低分子量物
質、ポリペプチドおよび核酸関連物質を含むが、核酸関
連物質が好ましい。その核酸関連物質としては比較的に
低分子量のプライマーから高分子量の長鎖DNAを含
む。その核酸関連物質の例としては、約500merま
での合成およびPCR増幅オリゴヌクレオチドを含み、
約50merまでの合成およびPCR増幅オリゴヌクレ
オチドが特に好ましい。
質、ポリペプチドおよび核酸関連物質を含むが、核酸関
連物質が好ましい。その核酸関連物質としては比較的に
低分子量のプライマーから高分子量の長鎖DNAを含
む。その核酸関連物質の例としては、約500merま
での合成およびPCR増幅オリゴヌクレオチドを含み、
約50merまでの合成およびPCR増幅オリゴヌクレ
オチドが特に好ましい。
【0014】本発明では、予め調製した被験試料溶液お
よび予め調製したマトリックス溶液を混合し、その混合
溶液を乾燥することによって溶媒を蒸発し、分析試料で
ある混晶を調製する。
よび予め調製したマトリックス溶液を混合し、その混合
溶液を乾燥することによって溶媒を蒸発し、分析試料で
ある混晶を調製する。
【0015】上に記載の被験試料溶液とマトリックス溶
液との混合溶液は、十分なイオン化を達成するために均
一であることが望ましい。本発明におけるマトリックス
自体は水に難溶であり、有機溶媒に可溶であるために、
水溶液である被験試料溶液と、水と有機溶媒の混合溶媒
からなるマトリックス溶液とを混合することが好まし
い。
液との混合溶液は、十分なイオン化を達成するために均
一であることが望ましい。本発明におけるマトリックス
自体は水に難溶であり、有機溶媒に可溶であるために、
水溶液である被験試料溶液と、水と有機溶媒の混合溶媒
からなるマトリックス溶液とを混合することが好まし
い。
【0016】被験試料溶液の調製では、脱塩処理を行な
ってもよい。例えば、上に記載の核酸関連物質の試料を
脱塩装置(例えば、精製スピンカラム(キアゲン社
製))を用いて脱塩処理を行なうことができる。
ってもよい。例えば、上に記載の核酸関連物質の試料を
脱塩装置(例えば、精製スピンカラム(キアゲン社
製))を用いて脱塩処理を行なうことができる。
【0017】また、試料のPCR増幅量が少ない場合に
は、濃縮するために一旦エタノールを用いて処理するこ
とによってその被験試料を沈降させ、次いでその沈殿物
に水(50μL以下が好ましい)を加えて試料を再溶解
させる。
は、濃縮するために一旦エタノールを用いて処理するこ
とによってその被験試料を沈降させ、次いでその沈殿物
に水(50μL以下が好ましい)を加えて試料を再溶解
させる。
【0018】マトリックス溶液は、水と有機溶媒との混
合溶媒を用いて調製する。その有機溶媒は、水と混和性
であり、且つ乾燥させることによって容易に蒸発させる
ことができる低沸点の揮発性の溶媒である。例えば、ア
ルコール性有機溶媒(特に、メタノール、エタノールが
好ましい)、アセトニトリル、アセトンを含む。場合に
より、ある緩衝液を一定の割合でそれらの混合溶液に加
えることができる。その緩衝液としては、当該分野で知
られている緩衝液を含み、例えば有機酸または無機酸の
アンモニウム塩(例えば、0.1M クエン酸ジアンモ
ニウム水溶液)を含む。該緩衝液を、水:有機溶媒:緩
衝液を1:1:2の割合で混合することができる。ま
た、マトリックス溶液の濃度は、p−ニトロフェノール
の濃度が0.1〜1.0Mとなるように調製することが
好ましい。具体的には、p−ニトロフェノール(5.5
6mg〜55.6mg)を水(100μL)、メタノー
ル(100μL)、0.1M クエン酸ジアンモニウム
水溶液(200μL)に溶解することによって調製する
ことができる。
合溶媒を用いて調製する。その有機溶媒は、水と混和性
であり、且つ乾燥させることによって容易に蒸発させる
ことができる低沸点の揮発性の溶媒である。例えば、ア
ルコール性有機溶媒(特に、メタノール、エタノールが
好ましい)、アセトニトリル、アセトンを含む。場合に
より、ある緩衝液を一定の割合でそれらの混合溶液に加
えることができる。その緩衝液としては、当該分野で知
られている緩衝液を含み、例えば有機酸または無機酸の
アンモニウム塩(例えば、0.1M クエン酸ジアンモ
ニウム水溶液)を含む。該緩衝液を、水:有機溶媒:緩
衝液を1:1:2の割合で混合することができる。ま
た、マトリックス溶液の濃度は、p−ニトロフェノール
の濃度が0.1〜1.0Mとなるように調製することが
好ましい。具体的には、p−ニトロフェノール(5.5
6mg〜55.6mg)を水(100μL)、メタノー
ル(100μL)、0.1M クエン酸ジアンモニウム
水溶液(200μL)に溶解することによって調製する
ことができる。
【0019】次いで、上記の被験試料溶液とマトリック
ス溶液とを混合し、その得られた溶液を乾燥することに
よって溶媒を蒸発させ、分析試料の混晶を調製する。具
体的には、先ず上記の被験試料溶液とマトリックス溶液
とを一定の割合で混合する。該割合は、約1:1〜約
1:約50の範囲が可能であり、1:1、1:4、1:
9および1:19が好ましく、1:9および1:19が
特に好ましい。次いで、得られたその混合溶液の少量
(例えば、1μL)をサンプルプレート上に添加した
後、大気圧下または真空中で乾燥させて徐々に溶媒を蒸
発させて、目的の分析試料の混晶を得る。
ス溶液とを混合し、その得られた溶液を乾燥することに
よって溶媒を蒸発させ、分析試料の混晶を調製する。具
体的には、先ず上記の被験試料溶液とマトリックス溶液
とを一定の割合で混合する。該割合は、約1:1〜約
1:約50の範囲が可能であり、1:1、1:4、1:
9および1:19が好ましく、1:9および1:19が
特に好ましい。次いで、得られたその混合溶液の少量
(例えば、1μL)をサンプルプレート上に添加した
後、大気圧下または真空中で乾燥させて徐々に溶媒を蒸
発させて、目的の分析試料の混晶を得る。
【0020】或いは、サンプルプレート上で直接的に試
料溶液とマトリックス溶液とを混合させて、混晶を得る
こともできる。すなわち、上記の試料溶液およびマトリ
ックス溶液とを一定の割合で(該割合は、約1:1〜約
1:50の範囲が可能であり、1:1、1:2、1:
4、1:9および1:19が好ましく、1:1および
1:2が特に好ましい)混合させた後、大気圧下または
真空中で乾燥することによって徐々に蒸発させて混晶を
得ることができる。
料溶液とマトリックス溶液とを混合させて、混晶を得る
こともできる。すなわち、上記の試料溶液およびマトリ
ックス溶液とを一定の割合で(該割合は、約1:1〜約
1:50の範囲が可能であり、1:1、1:2、1:
4、1:9および1:19が好ましく、1:1および
1:2が特に好ましい)混合させた後、大気圧下または
真空中で乾燥することによって徐々に蒸発させて混晶を
得ることができる。
【0021】次いで、上で得られた混晶について質量分
析を行なう。MALDI−TOF/MSによる質量分析
法は当業者にとって周知である(例えば、上記のG.R.
ParrらによるRapid Communications in Mass Spectrome
try,6,369−372(1992)を参照)。具体
的には、MALDI−TOF/MS装置のサンプルプレ
ートに、上記の通り得られた混晶を挿入する。次いで、
337nm波長のレーザーを照射することによって、マ
トリックスを励起させる。得られたピーク[M−H]−
について、MALDI質量分析法を用いて解析する。質
量値の決定は、該装置に付属の解析ソフト上でワンボタ
ン一括入力によって達成する。
析を行なう。MALDI−TOF/MSによる質量分析
法は当業者にとって周知である(例えば、上記のG.R.
ParrらによるRapid Communications in Mass Spectrome
try,6,369−372(1992)を参照)。具体
的には、MALDI−TOF/MS装置のサンプルプレ
ートに、上記の通り得られた混晶を挿入する。次いで、
337nm波長のレーザーを照射することによって、マ
トリックスを励起させる。得られたピーク[M−H]−
について、MALDI質量分析法を用いて解析する。質
量値の決定は、該装置に付属の解析ソフト上でワンボタ
ン一括入力によって達成する。
【0022】試料の分析前に、予め試料分析時と同じ条
件で標準物質を用いて質量校正を行なう。具体的には、
上記同一プレート上にシナピン酸をマトリックスとして
用いて混晶を形成させ、MALDI−TOF/MS法に
より解析後、その質量値を解析ソフトに登録している値
と比較して質量校正を行なう。分析試料が低分子量物質
の場合には、標準物質としてシナピン酸(MW=22
4.22)およびウシインスリン(MW=5733.5
9)を用いて2点補正を行なうことにより、質量校正を
行なう。一方で、分析試料が高分子物質の場合には、標
準物質としてシナピン酸およびウシ血清アルブミン(M
W=66430)を用いて2点補正を行なうことによ
り、質量校正を行なう。
件で標準物質を用いて質量校正を行なう。具体的には、
上記同一プレート上にシナピン酸をマトリックスとして
用いて混晶を形成させ、MALDI−TOF/MS法に
より解析後、その質量値を解析ソフトに登録している値
と比較して質量校正を行なう。分析試料が低分子量物質
の場合には、標準物質としてシナピン酸(MW=22
4.22)およびウシインスリン(MW=5733.5
9)を用いて2点補正を行なうことにより、質量校正を
行なう。一方で、分析試料が高分子物質の場合には、標
準物質としてシナピン酸およびウシ血清アルブミン(M
W=66430)を用いて2点補正を行なうことによ
り、質量校正を行なう。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ないことは無論である。本発明における質量分析計は、
MALDI−TOF/MS計(Voyager-DE PRO(Applie
d Biosystems社製)を使用した。
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ないことは無論である。本発明における質量分析計は、
MALDI−TOF/MS計(Voyager-DE PRO(Applie
d Biosystems社製)を使用した。
【0024】実施例1.被験試料がλDNAの500塩
基数部位である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、λDNAの500塩基数部位(配列
番号1に示す通り、5’末端より7131〜7630位
まで)をPCR増幅した試料(このものは、センス側お
よびアンチセンス側の両方を含有するために、分子量は
153695.6または155288である)を用い
た。このものをスピンカラムにより脱塩精製することに
よって得られた溶液を、被験試料溶液として使用した。
マトリックス溶液は、p−ニトロフェノール(30m
g)を水(100μL)、メタノール(100μL)、
0.1M クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μ
L)に溶解することによって調製した。これら被験試料
溶液およびマトリックス溶液の各々1μLずつを、サン
プルプレート上で直接に混合した。次いで、そのサンプ
ルプレートを真空中で乾燥させて溶媒を徐々に蒸発させ
ることによって、混晶を形成させた。この混晶をMAL
DI−TOF/MS装置のサンプルプレートに挿入し、
波長337nmのレーザーを照射し、質量分析および解
析を行なった。その結果、m/z=153533に主ピ
ーク、m/z=76939.5に二次ピークおよびm/
z=51280.2に三次ピークを観察した(図1を参
照)。ここで、主ピークは、1価の電荷を有する該λD
NAの500塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イ
オンピークであり、二次ピークは2価の電荷を有する分
子イオンピークに相当し、三次ピークは3価の電荷を有
する分子イオンピークに相当する。この結果から明らか
な通り、被験試料の分子量の理論値(153695.6
または155288)と分析値(MW=153533)
とは当該分野で許容される誤差の範囲内で一致した。
基数部位である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、λDNAの500塩基数部位(配列
番号1に示す通り、5’末端より7131〜7630位
まで)をPCR増幅した試料(このものは、センス側お
よびアンチセンス側の両方を含有するために、分子量は
153695.6または155288である)を用い
た。このものをスピンカラムにより脱塩精製することに
よって得られた溶液を、被験試料溶液として使用した。
マトリックス溶液は、p−ニトロフェノール(30m
g)を水(100μL)、メタノール(100μL)、
0.1M クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μ
L)に溶解することによって調製した。これら被験試料
溶液およびマトリックス溶液の各々1μLずつを、サン
プルプレート上で直接に混合した。次いで、そのサンプ
ルプレートを真空中で乾燥させて溶媒を徐々に蒸発させ
ることによって、混晶を形成させた。この混晶をMAL
DI−TOF/MS装置のサンプルプレートに挿入し、
波長337nmのレーザーを照射し、質量分析および解
析を行なった。その結果、m/z=153533に主ピ
ーク、m/z=76939.5に二次ピークおよびm/
z=51280.2に三次ピークを観察した(図1を参
照)。ここで、主ピークは、1価の電荷を有する該λD
NAの500塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イ
オンピークであり、二次ピークは2価の電荷を有する分
子イオンピークに相当し、三次ピークは3価の電荷を有
する分子イオンピークに相当する。この結果から明らか
な通り、被験試料の分子量の理論値(153695.6
または155288)と分析値(MW=153533)
とは当該分野で許容される誤差の範囲内で一致した。
【0025】実施例2.被験試料がヒトゲノムDNAの
205塩基数部位である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、ヒトゲノムDNAの205塩基数部
位(配列番号2に示す通り、β−グロビン領域中の5’
末端より62055〜62259位まで)をPCR増幅
した試料(このものは、センス側およびアンチセンス側
の両方を含有するために、分子量は63083または6
3595である)を用いた。このものをスピンカラムに
より精製することによって得られた溶液を、被験試料溶
液として使用した。マトリックス溶液は、p−ニトロフ
ェノール(30mg)を水(100μL)、メタノール
(100μL)、0.1M クエン酸ジアンモニウム水
溶液(200μL)に溶解することによって調製した。
これら被験試料溶液およびマトリックス溶液の各々1μ
Lずつを、サンプルプレート上で直接に混合した。次い
で、そのサンプルプレートを真空中で乾燥させて溶媒を
徐々に蒸発させることによって、混晶を形成させた。こ
の混晶をMALDI−TOF/MS装置のサンプルプレ
ートに挿入し、波長337nmのレーザーを照射し、質
量分析および解析を行なった。その結果、m/z=63
253.3に主ピークを観察した(図2を参照)。該主
ピークは、1価の電荷を有する該ヒトゲノムDNAの2
05塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イオンピー
クである。この結果から明らかな通り、被験試料の分子
量の理論値(63083および63595)と分析値
(MW=63253.3)とは当該分野で許容される誤
差の範囲内で一致した。
205塩基数部位である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、ヒトゲノムDNAの205塩基数部
位(配列番号2に示す通り、β−グロビン領域中の5’
末端より62055〜62259位まで)をPCR増幅
した試料(このものは、センス側およびアンチセンス側
の両方を含有するために、分子量は63083または6
3595である)を用いた。このものをスピンカラムに
より精製することによって得られた溶液を、被験試料溶
液として使用した。マトリックス溶液は、p−ニトロフ
ェノール(30mg)を水(100μL)、メタノール
(100μL)、0.1M クエン酸ジアンモニウム水
溶液(200μL)に溶解することによって調製した。
これら被験試料溶液およびマトリックス溶液の各々1μ
Lずつを、サンプルプレート上で直接に混合した。次い
で、そのサンプルプレートを真空中で乾燥させて溶媒を
徐々に蒸発させることによって、混晶を形成させた。こ
の混晶をMALDI−TOF/MS装置のサンプルプレ
ートに挿入し、波長337nmのレーザーを照射し、質
量分析および解析を行なった。その結果、m/z=63
253.3に主ピークを観察した(図2を参照)。該主
ピークは、1価の電荷を有する該ヒトゲノムDNAの2
05塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イオンピー
クである。この結果から明らかな通り、被験試料の分子
量の理論値(63083および63595)と分析値
(MW=63253.3)とは当該分野で許容される誤
差の範囲内で一致した。
【0026】実施例3.被験分析試料が、合成プライマ
ー:5'−CTAAAACGATCCTGAGACTT
CC−3'である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、5'−CTAAAACGATCCT
GAGACTTCC−3'(配列番号3)の塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドである合成プライマー(分子
量は6660である)を用いた。該合成プライマーの1
00μM水溶液を被験試料溶液として使用した。マトリ
ックス溶液は、p−ニトロフェノール(30mg)を水
(100μL)、メタノール(100μL)、0.1M
クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μL)に溶解
することによって調製した。これら被験試料溶液および
マトリックス溶液の各々1μLずつを、サンプルプレー
ト上で直接に混合した。次いで、そのサンプルプレート
を真空中で乾燥させて溶媒を徐々に蒸発させることによ
って、混晶を形成させた。この混晶をMALDI−TO
F/MS装置のサンプルプレートに挿入し、波長337
nmのレーザーを照射し、質量分析および解析を行なっ
た。その結果、m/z=6659.59に主ピークおよ
びm/z=3330.91に二次ピークを観察した(図
3を参照)。ここで、主ピークは、1価の電荷を有する
該合成プライマーの分子イオンピークであり、二次ピー
クは2価の電荷を有する分子イオンピークに相当する。
この結果から明らかな通り、被験試料の分子量の理論値
(6660)と分析値(MW=6659.59)とは一
致した。
ー:5'−CTAAAACGATCCTGAGACTT
CC−3'である場合の質量分析の結果 被験試料DNAは、5'−CTAAAACGATCCT
GAGACTTCC−3'(配列番号3)の塩基配列を
有するオリゴヌクレオチドである合成プライマー(分子
量は6660である)を用いた。該合成プライマーの1
00μM水溶液を被験試料溶液として使用した。マトリ
ックス溶液は、p−ニトロフェノール(30mg)を水
(100μL)、メタノール(100μL)、0.1M
クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μL)に溶解
することによって調製した。これら被験試料溶液および
マトリックス溶液の各々1μLずつを、サンプルプレー
ト上で直接に混合した。次いで、そのサンプルプレート
を真空中で乾燥させて溶媒を徐々に蒸発させることによ
って、混晶を形成させた。この混晶をMALDI−TO
F/MS装置のサンプルプレートに挿入し、波長337
nmのレーザーを照射し、質量分析および解析を行なっ
た。その結果、m/z=6659.59に主ピークおよ
びm/z=3330.91に二次ピークを観察した(図
3を参照)。ここで、主ピークは、1価の電荷を有する
該合成プライマーの分子イオンピークであり、二次ピー
クは2価の電荷を有する分子イオンピークに相当する。
この結果から明らかな通り、被験試料の分子量の理論値
(6660)と分析値(MW=6659.59)とは一
致した。
【0027】比較例.従来のマトリックスである3−ヒ
ドロキシピコリン酸(3−HPA)を用いた場合の比較
実験 上記の実験例1と同一の被験試料について比較実験を行
なった。マトリックス溶液は、3−HPA(20mg)
を水(100μL)、エタノール(100μL)および
0.1M クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μ
L)に溶解することによって調製した。これら被験試料
溶液およびマトリックス溶液の各々1μLずつを直接に
サンプルプレート上で混合した。次いで、真空中で乾燥
させて溶媒を徐々に蒸発させて混晶を形成させた。この
混晶に波長337nmのレーザーを照射し、MALDI
−TOF/MS質量分析計を用いて分析および解析を行
なった。その結果、被験試料であるλDNAの500塩
基数部位についての分子イオンに相当するピークは検出
されなかった。
ドロキシピコリン酸(3−HPA)を用いた場合の比較
実験 上記の実験例1と同一の被験試料について比較実験を行
なった。マトリックス溶液は、3−HPA(20mg)
を水(100μL)、エタノール(100μL)および
0.1M クエン酸ジアンモニウム水溶液(200μ
L)に溶解することによって調製した。これら被験試料
溶液およびマトリックス溶液の各々1μLずつを直接に
サンプルプレート上で混合した。次いで、真空中で乾燥
させて溶媒を徐々に蒸発させて混晶を形成させた。この
混晶に波長337nmのレーザーを照射し、MALDI
−TOF/MS質量分析計を用いて分析および解析を行
なった。その結果、被験試料であるλDNAの500塩
基数部位についての分子イオンに相当するピークは検出
されなかった。
【0028】
【本発明の効果】従来のマトリックスでは、塩基数が2
00以上の核酸については、質量分析の分析および検出
が極めて困難であったが、本発明に記載のマトリックス
であるp−ニトロフェノールを用いることにより、塩基
数が200以上の高分子量の核酸についても容易に質量
を分析し、検出することが可能である。従って、本発明
のマトリックスを用いた質量分析法により、核酸関連物
質、特に長鎖DNAについて質量分析を行なうことが可
能である。
00以上の核酸については、質量分析の分析および検出
が極めて困難であったが、本発明に記載のマトリックス
であるp−ニトロフェノールを用いることにより、塩基
数が200以上の高分子量の核酸についても容易に質量
を分析し、検出することが可能である。従って、本発明
のマトリックスを用いた質量分析法により、核酸関連物
質、特に長鎖DNAについて質量分析を行なうことが可
能である。
【0029】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> NIHON PARKERIZING HIROSHIMA CO., LTD
<120> MALDI-TOF質量分析法のためのマトリックス
<130> 179399
<160> 3
<210> 1
<211> 500
<212> DNA
<213> λphage
<400> 1
gatgagttcg tgtccgtaca actggcgtaa tcatggccct tcggggccat tgtttctctg 60
tggaggagtc catgacgaaa gatgaactga ttgcccgtct ccgctcgctg ggtgaacaac 120
tgaaccgtga tgtcagcctg acggggacga aagaagaact ggcgctccgt gtggcagagc 180
tgaaagagga gcttgatgac acggatgaaa ctgccggtca ggacacccct ctcagccggg 240
aaaatgtgct gaccggacat gaaaatgagg tgggatcagc gcagccggat accgtgattc 300
tggatacgtc tgaactggtc acggtcgtgg cactggtgaa gctgcatact gatgcacttc 360
acgccacgcg ggatgaacct gtggcatttg tgctgccggg aacggcgttt cgtgtctctg 420
ccggtgtggc agccgaaatg acagagcgcg gcctggccag aatgcaataa cgggaggcgc 480
tgtggctgat ttcgataacc 500
<210> 2
<211> 205
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 2
ggttggccaa tctactccca ggagcaggga gggcaggagc cagggctggg cataaaagtc 60
agggcagagc catctattgc ttacatttgc ttctgacaca actgtgttca ctagcaacct 120
caaacagaca ccatggtgca cctgactcct gaggagaagt ctgccgttac tgccctgtgg 180
ggcaaggtga acgtggatga agttg 205
<210> 3
<211> 22
<212> DNA
<213> Unknown
<220>
<221> promoter
<400> 3
ctaaaacgat cctgagactt cc 22
【図1】 図1は、マトリックスとしてp−ニトロフェ
ノールを用い、被験試料としてλDNAの500塩基数
部位(その塩基配列を配列番号1に示す)をPCR増幅
した試料を用いて、MALDI−TOF/MSによる質
量分析を行なった場合の結果を示す図である。図1中、
主ピークは1価の電荷を有する該λDNAの500塩基
数部位(一本鎖として検出)の分子イオンピークであ
り、二次ピークは2価の電荷を有する分子イオンピーク
に相当し、三次ピークは3価の電荷を有する分子イオン
ピークに相当する。
ノールを用い、被験試料としてλDNAの500塩基数
部位(その塩基配列を配列番号1に示す)をPCR増幅
した試料を用いて、MALDI−TOF/MSによる質
量分析を行なった場合の結果を示す図である。図1中、
主ピークは1価の電荷を有する該λDNAの500塩基
数部位(一本鎖として検出)の分子イオンピークであ
り、二次ピークは2価の電荷を有する分子イオンピーク
に相当し、三次ピークは3価の電荷を有する分子イオン
ピークに相当する。
【図2】 図2は、マトリックスとしてp−ニトロフェ
ノールを用い、被験試料としてヒトゲノムDNAの20
5塩基数部位(その塩基配列を配列番号2に示す)をP
CR増幅した試料を用いて、MALDI−TOF/MS
による質量分析を行なった場合の結果を示す図である。
図2中、主ピークは1価の電荷を有する該ヒトゲノムD
NAの205塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イ
オンピークである。
ノールを用い、被験試料としてヒトゲノムDNAの20
5塩基数部位(その塩基配列を配列番号2に示す)をP
CR増幅した試料を用いて、MALDI−TOF/MS
による質量分析を行なった場合の結果を示す図である。
図2中、主ピークは1価の電荷を有する該ヒトゲノムD
NAの205塩基数部位(一本鎖として検出)の分子イ
オンピークである。
【図3】 図3は、マトリックスとしてp−ニトロフェ
ノールを用い、被験試料として合成プライマー(その塩
基配列を配列番号3に示す)を用いて、MALDI−T
OF/MSによる質量分析を行なった場合の結果を示す
図である。図3中、主ピークは1価の電荷を有する該合
成プライマーの分子イオンピークであり、二次ピークは
2価の電荷を有する分子イオンピークに相当する。
ノールを用い、被験試料として合成プライマー(その塩
基配列を配列番号3に示す)を用いて、MALDI−T
OF/MSによる質量分析を行なった場合の結果を示す
図である。図3中、主ピークは1価の電荷を有する該合
成プライマーの分子イオンピークであり、二次ピークは
2価の電荷を有する分子イオンピークに相当する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中島 龍生
広島県広島市中区大手町2丁目8番4号
株式会社日本パーカーライジング広島工場
内
(72)発明者 高橋 浩二郎
広島県広島市南区宇品御幸1丁目9番26号
Fターム(参考) 5C038 EE02
Claims (4)
- 【請求項1】 p−ニトロフェノールを含む、マトリッ
クス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量分析法
(MALDI−TOF/MS)のためのマトリックス。 - 【請求項2】 分析物はDNAである、請求項1に記載
のマトリックス。 - 【請求項3】 マトリックスとしてp−ニトロフェノー
ルを用いた、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−
飛行時間型質量分析法による質量分析法。 - 【請求項4】 分析物はDNAである、請求項3に記載
の質量分析法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291540A JP2003098151A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | Maldi−tof質量分析法のためのマトリックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291540A JP2003098151A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | Maldi−tof質量分析法のためのマトリックス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003098151A true JP2003098151A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19113668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001291540A Pending JP2003098151A (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | Maldi−tof質量分析法のためのマトリックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003098151A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004340971A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Becton Dickinson & Co | 生物学的サンプルを精製および脱塩する方法並びに装置 |
WO2005100975A1 (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Shimadzu Corporation | 質量分析を用いる物質の測定方法及びキット |
US7354996B2 (en) | 2004-09-07 | 2008-04-08 | Shimadzu Corporation | Method and kit for quantitative analysis of protein |
JP2013130570A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-07-04 | Yokohama City Univ | タンパク質とリン酸化ペプチドのペプチド主鎖のN−Cα結合又はCα−C結合の特異的切断方法 |
CN105203623A (zh) * | 2015-08-31 | 2015-12-30 | 陕西师范大学 | 六叔丁基-六己氧基-六苯并[ab,de,lm,op,rs,uv]晕蒄作为MALDI-TOF MS基质在小分子检测中的应用 |
CN105929015A (zh) * | 2016-04-18 | 2016-09-07 | 东南大学 | 一种木质素液相解聚产物中低聚物分子结构判定的方法 |
KR20200118765A (ko) * | 2019-04-08 | 2020-10-16 | 주식회사 엘지화학 | Maldi 질량분석을 이용한 고분자의 상대적 정량분석방법 |
-
2001
- 2001-09-25 JP JP2001291540A patent/JP2003098151A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004340971A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Becton Dickinson & Co | 生物学的サンプルを精製および脱塩する方法並びに装置 |
JP4575708B2 (ja) * | 2003-05-13 | 2010-11-04 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー | 生物学的サンプルを精製および脱塩する方法並びに装置 |
WO2005100975A1 (ja) * | 2004-04-13 | 2005-10-27 | Shimadzu Corporation | 質量分析を用いる物質の測定方法及びキット |
US7354996B2 (en) | 2004-09-07 | 2008-04-08 | Shimadzu Corporation | Method and kit for quantitative analysis of protein |
JP2013130570A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-07-04 | Yokohama City Univ | タンパク質とリン酸化ペプチドのペプチド主鎖のN−Cα結合又はCα−C結合の特異的切断方法 |
CN105203623A (zh) * | 2015-08-31 | 2015-12-30 | 陕西师范大学 | 六叔丁基-六己氧基-六苯并[ab,de,lm,op,rs,uv]晕蒄作为MALDI-TOF MS基质在小分子检测中的应用 |
CN105929015A (zh) * | 2016-04-18 | 2016-09-07 | 东南大学 | 一种木质素液相解聚产物中低聚物分子结构判定的方法 |
CN105929015B (zh) * | 2016-04-18 | 2019-07-12 | 东南大学 | 一种木质素液相解聚产物中低聚物分子结构判定的方法 |
KR20200118765A (ko) * | 2019-04-08 | 2020-10-16 | 주식회사 엘지화학 | Maldi 질량분석을 이용한 고분자의 상대적 정량분석방법 |
KR102362170B1 (ko) | 2019-04-08 | 2022-02-11 | 주식회사 엘지화학 | Maldi 질량분석을 이용한 고분자의 상대적 정량분석방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6265716B1 (en) | Volatile matrices for matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry | |
Carda‐Broch et al. | Ionic matrices for matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight detection of DNA oligomers | |
Spengler et al. | Molecular weight determination of underivatized oligodeoxyribonucleotides by positive‐ion matrix‐assisted ultraviolet laser‐desorption mass spectrometry | |
Huth‐Fehre et al. | Matrix‐assisted laser desorption mass spectrometry of oligodeoxythmidylic acids | |
Gusev et al. | Thin-layer chromatography combined with matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry | |
Kang et al. | Quantitation of low molecular mass substrates and products of enzyme catalyzed reactions using matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight mass spectrometry | |
US6723564B2 (en) | IR MALDI mass spectrometry of nucleic acids using liquid matrices | |
Zhu et al. | The study of 2, 3, 4‐trihydroxyacetophenone and 2, 4, 6‐trihydroxyacetophenone as matrices for DNA detection in matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight mass spectrometry | |
Bai et al. | Matrix‐assisted laser desorption/ionization mass sectrometry of restriction enzyme‐digested plasmid DNA using an active nafion substrate | |
Zhu et al. | The effect of ammonium salt and matrix in the detection of DNA by matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight mass spectrometry | |
Sarracino et al. | Quantitative MALDI-TOF MS of oligonucleotides and a nuclease assay | |
Murgasova et al. | MALDI of synthetic polymers—an update | |
Cornett et al. | Liquid mixtures for matrix-assisted laser desorption | |
Hosseini et al. | Principles and mechanism of MALDI-ToF-MS analysis | |
Zhang et al. | Matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry methods for oligodeoxynucleotides: improvements in matrix, detection limits, quantification, and sequencing | |
Doktycz et al. | Analysis of polymerase chain reaction-amplified DNA products by mass spectrometry using matrix-assisted laser desorption and electrospray: current status | |
WO1998054751A1 (en) | Volatile matrices for matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry | |
Langley et al. | Simplified sample preparation for the analysis of oligonucleotides by matrix‐assisted laser desorption/ionisation time‐of‐flight mass spectrometry | |
JP2003098151A (ja) | Maldi−tof質量分析法のためのマトリックス | |
Hofstadler et al. | The use of a stable internal mass standard for accurate mass measurements of oligonucleotide fragment ions using electrospray ionization Fourier transform ion cyclotron resonance mass spectrometry with infrared multiphoton dissociation | |
JP3548769B2 (ja) | 微細で均一な結晶を形成するためのカーボン製支持板及びその応用 | |
Stemmler et al. | The structural characterization of polycyclic aromatic hydrocarbon dihydrodiol epoxide DNA adducts using matrix-assisted laser desorption/ionization Fourier transform mass spectrometry | |
Vandell et al. | Polyamine co‐matrices for matrix‐assisted laser desorption/Ionization mass spectrometry of oligonucleotides | |
Weidner et al. | Infrared‐matrix‐assisted laser desorption/ionization and infrared‐laser desorption/ionization investigations of synthetic polymers | |
Dai et al. | Accurate mass measurement of oligonucleotides using a time‐lag focusing matrix‐assisted laser desorption/ionization time‐of‐flight mass spectrometer |