JP2003097674A - ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法 - Google Patents

ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法

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JP2003097674A JP2001288207A JP2001288207A JP2003097674A JP 2003097674 A JP2003097674 A JP 2003097674A JP 2001288207 A JP2001288207 A JP 2001288207A JP 2001288207 A JP2001288207 A JP 2001288207A JP 2003097674 A JP2003097674 A JP 2003097674A
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Hiroshi Aida
博 相田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性及び信頼性を有し、しかも組立
作業を容易にする。 【解決手段】 ローラクラッチ10aを構成するクラッ
チ用保持器28aの軸方向の変位を抑える。そして、こ
のクラッチ用保持器28aの一部が従動プーリ7aと共
に回転する部分と擦れ合う事を防止して、オーバラン時
の発熱を抑える。これにより、グリースの劣化を防止し
て、耐久性及び信頼性の向上を図る。組立時には、複数
のローラ26の内径側に上記クラッチ用内輪21を途中
まで挿入した状態で、上記クラッチ用保持器28aとク
ラッチ用内輪21とを相対回転させる。この作業によ
り、上記各ローラ26を押圧する複数のばねを同時に圧
縮しつつ、上記クラッチ用内輪21を最後まで挿入す
る。これにより、これら各ローラ26の円周方向位置を
適正にしつつ、これら各ローラ26の内径側に上記クラ
ッチ用内輪21を組み付け易くして、組立作業の容易化
を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用発
電機であるオルタネータの回転軸の端部に固定する従動
プーリ、或は自動車用エンジンのクランクシャフトの端
部に固定する駆動プーリとして使用する、エンジンの補
機駆動用のローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の走行用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図1は、この公報に記載されたオルタネータ1を
示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の
転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。こ
の回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設け
ている。又、この回転軸3の一端部(図1の右端部)で
上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7
を固定している。エンジンへの組み付け状態では、この
従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクラ
ンクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とす
る。
【0003】上記従動プーリ7として従来一般的には、
単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用してい
た。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若
しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸
への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低
下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回
転を自在とする、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各
種提案され、一部で使用されている。例えば、特開平1
0−213207号公報、同10−285873号公
報、同11−22753号公報、同11−63026号
公報等に、上述の様な機能を有する一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置が記載されている。又、一方向クラッチと
して、ローラクラッチを使用する事も、上記各公報等に
記載された様に、従来から知られている。
【0004】図2〜6は、これら各公報に記載される等
により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プー
リ装置を示している。このローラクラッチ内蔵型プーリ
装置は、オルタネータ1の回転軸3(図1参照)に外嵌
固定自在な、特許請求の範囲に記載した軸部材(回転軸
部材)であるスリーブ8を有する。又、このスリーブ8
の周囲に、特許請求の範囲に記載したプーリ部材である
従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配置してい
る。そして、これらスリーブ8の外周面と従動プーリ7
aの内周面との間に、1対の玉軸受9、9と、ローラク
ラッチ10とを設けている。
【0005】上記スリーブ8は、全体を略円筒状に形成
しており、上記オルタネータ1の回転軸3の端部に外嵌
固定して、この回転軸3と共に回転自在である。この為
に図示の例では、上記スリーブ8の内周面中間部にねじ
孔部11を形成し、このねじ孔部11と上記回転軸3の
先端部外周面に設けた雄ねじ部とを螺合自在としてい
る。又、上記スリーブ8の内周面先端部(図2の左端
部)に、断面形状が六角形である係止孔部12を形成し
て、この係止孔部12に、六角レンチ等の工具の先端部
を係止自在としている。更に、上記スリーブ8の内周面
基端部(図2の右端部)は、上記回転軸3の先端部中間
寄り部分とがたつきなく嵌合自在な円孔部13としてい
る。尚、上記スリーブ8と回転軸3とを相対回転しない
様に組み合わせる構造は、スプライン係合、非円形嵌
合、キー係合等、他の構造を採用しても良い。又、上記
スリーブ8の外周面中央部は、他の部分よりも直径寸法
の大きな大径部14としている。
【0006】一方、上記従動プーリ7aの外周面先半部
は、幅方向に亙る断面形状を波形として、ポリVベルト
と呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としてい
る。そして、上記スリーブ8の外周面と上記従動プーリ
7aの内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に上
記ローラクラッチ10を、同じくこの空間の軸方向両端
寄り部でこのローラクラッチ10を軸方向両側から挟む
位置に上記玉軸受9、9を、それぞれ配置している。
【0007】このうちの玉軸受9、9は、上記従動プー
リ7aに加わるラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承
しつつ、この従動プーリ7aと上記スリーブ8との相対
回転を自在とする。上記各玉軸受9、9は、それぞれの
内周面に深溝型の外輪軌道15、15を有する外輪1
6、16と、それぞれの外周面に深溝型の内輪軌道1
7、17を有する内輪18、18と、上記外輪軌道1
5、15と内輪軌道17、17との間にそれぞれ複数個
ずつ転動自在に設けた玉19、19とから成る。そし
て、上記外輪16、16を上記従動プーリ7aの両端寄
り部内周面に、上記内輪18、18を上記スリーブ8の
両端寄り部外周面に、それぞれ嵌合固定している。又、
この状態で上記各内輪18、18の軸方向片面を、それ
ぞれ上記大径部14の軸方向両端面(段差面)に当接さ
せている。又、上記各外輪16、16の両端部内周面と
上記各内輪18、18の両端部外周面との間に、それぞ
れシールリング20、20を設ける事により、上記各玉
19、19を設置した空間の両端開口部を塞いでいる。
【0008】又、前記ローラクラッチ10は、上記従動
プーリ7aが上記スリーブ8に対して所定方向に相対回
転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ7aと
スリーブ8との間での回転力の伝達を自在とする。この
様なローラクラッチ10を構成する為、上記スリーブ8
の大径部14にクラッチ用内輪21を、締まり嵌めによ
り外嵌固定している。このクラッチ用内輪21は、浸炭
鋼等の鋼板にプレス加工等の塑性加工を施して全体を円
筒状に形成しており、外周面にカム面22を形成してい
る。即ち、上記クラッチ用内輪21の外周面に、図3、
5に示す様に、ランプ部と呼ばれる複数の凹部23、2
3を、円周方向に関して等間隔に形成する事により、上
記外周面を上記カム面22としている。尚、図示の例で
は、上記クラッチ用内輪21の内周面の一端部(図2の
左端部)に円すい凹面状の面取り24を形成し、この面
取り24を、上記クラッチ用内輪21を上記大径部14
の外周面に圧入する際の案内面としている。
【0009】これに対して、上記従動プーリ7aの内周
面中間部に締まり嵌めにより内嵌固定したクラッチ用外
輪25の内周面のうち、少なくとも次述するローラ26
と当接する軸方向中間部は、単なる円筒面としている。
この様なクラッチ用外輪25は、やはり浸炭鋼等の鋼板
にプレス加工等の塑性加工を施して全体を円筒状に形成
しており、軸方向両端部に、それぞれ内向フランジ状の
鍔部27a、27bを形成している。尚、上記両鍔部2
7a、27bのうち、一方(図2の左方)の鍔部27a
は、上記クラッチ用外輪25の製造時に予め形成してお
く為、このクラッチ用外輪25の円筒部と同等の肉厚に
している。これに対して、他方(図2の右方)の鍔部2
7bは、このクラッチ用外輪25の直径方向内側に、次
述するローラ26やクラッチ用保持器28を組み込んで
から形成する為、薄肉にしている。
【0010】又、上記クラッチ用内輪21及び上記クラ
ッチ用外輪25と共に上記ローラクラッチ10を構成す
る複数個のローラ26は、上記クラッチ用内輪21にこ
のクラッチ用内輪21に対する回転を不能として外嵌し
たクラッチ用保持器28に、転動及び円周方向に関する
若干の変位自在に支持されている。このクラッチ用保持
器28は、合成樹脂(例えば、ポリアミド66、ポリア
ミド46、ポリフェニレンサルファイド等の合成樹脂に
ガラス繊維を20%程度混入したもの)により全体を籠
型円筒状に形成しており、図4にその一部を示す様に、
それぞれが円環状である1対のリム部29、29と、こ
れら両リム部29、29同士を連結する複数の柱部3
0、30とを備える。
【0011】そして、上記各リム部29、29の内側面
と各柱部30、30の円周方向側面とにより四周を囲ま
れた部分を、それぞれ上記各ローラ26を転動並びに円
周方向に亙る若干の変位自在に保持する為の、ポケット
31、31としている。そして、上記各リム部29、2
9の内周面複数個所に形成した係合突起32、32を、
図5に示す様に、上記クラッチ用内輪21の外周面に形
成した凹部23、23に係合させる事により、上記クラ
ッチ用保持器28を上記クラッチ用内輪21に、このク
ラッチ用内輪21に対する相対回転を不能に装着してい
る。
【0012】又、この様なクラッチ用保持器28を構成
する柱部30、30の円周方向片側面には、それぞれ図
6に示す様に、ばね33を装着している。これら各柱部
30、30毎に設けたばね33は、上記各ポケット3
1、31内に保持した上記ローラ26を、前記カム面2
2の外周面と前記クラッチ用外輪25の中間部内周面
(円筒面)との間に形成される略円筒状の隙間の寸法の
うち、直径方向の幅が狭くなった部分に向け、上記クラ
ッチ用保持器28の円周方向に関して同方向(図5の右
方=時計方向)に、弾性的に押圧している。尚、図示の
例では、上記ばね33として、ばね鋼板を大略「ム」字
形に折り曲げて成る板ばねを使用しているが、クラッチ
用保持器28と一体の合成樹脂ばねを使用する事もでき
る。
【0013】又、上述の様なクラッチ用保持器28の軸
方向両端面は、前記クラッチ用外輪25を構成する両鍔
部27a、27bの内側面と近接対向させて、このクラ
ッチ用保持器28が軸方向に変位する事を阻止してい
る。但し、クラッチ用保持器の軸方向の変位を抑える為
の構造としては、この他にも、スリーブ等の軸部材の外
周面に形成した複数の段部とクラッチ用保持器の一部と
を係合させる構造が、例えば特開平11−22753号
公報、特開2001−165201号公報等に記載され
て従来から知られている。
【0014】上述の図1〜6に示した従来構造の第1例
の場合には、クラッチ用内輪21とクラッチ用保持器2
8との相対回転を、このクラッチ用内輪21の外周面に
設けた前記凹部23、23と、上記クラッチ用保持器2
8の内周面に設けた前記係合突起32、32との係合に
より阻止している。これに対して、前記特開平11−2
2753号公報には、図7〜8に示す様な構造により、
クラッチ用内輪21とクラッチ用保持器28との相対回
転を阻止する構造が記載されている。この図7〜8に示
した構造の場合には、上記クラッチ用保持器28の端部
から径方向内方に折れ曲がった係止突片37、37と、
上記クラッチ用内輪21の軸方向端部に形成した係止切
り欠き38、38とを係合させている。
【0015】上述の様に構成する各ローラクラッチ内蔵
型プーリ装置の使用時、前記従動プーリ7aと前記スリ
ーブ8とが所定方向に相対回転する傾向となった場合、
即ち、スリーブ8に対し従動プーリ7aが、前記ばね3
3が前記各ローラ26を押圧している方向(図5の右方
=時計方向)に相対回転する傾向になった場合には、上
記各ローラ26が前記略円筒状の隙間の直径方向の幅の
狭い部分に食い込む。そして、上記従動プーリ7aと上
記スリーブ8との相対回転が不能(ロック状態)とな
る。一方、これら従動プーリ7aとスリーブ8とが上記
所定方向とは反対方向、即ち、スリーブ8に対し従動プ
ーリ7aが、前記ばね33が前記各ローラ26を押圧し
ているのと反対方向(図5の左方=反時計方向)に相対
回転する傾向になった場合には、上記各ローラ26が上
記各ばね33の弾力に抗して上記略円筒状の隙間の直径
方向の幅の広い部分に退避し、上記従動プーリ7aと上
記スリーブ8との相対回転が自在(オーバラン状態)と
なる。
【0016】上述の様な構成を有するローラクラッチ内
蔵型プーリ装置をオルタネータに使用する理由は、次の
2通りである。先ず、第一の理由は、無端ベルトの寿命
を延長する為である。例えば、上記駆動用エンジンがデ
ィーゼルエンジンや直噴式のガソリンエンジンであった
場合、アイドリング時等の低回転時には、クランクシャ
フトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記
駆動プーリに掛け渡した無端ベルトの走行速度も細かく
変動する事になる。一方、この無端ベルトにより従動プ
ーリを介して回転駆動されるオルタネータの回転軸3
は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ
等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従
って、上記従動プーリを回転軸に対し単に固定した場合
には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上
記無端ベルトと従動プーリとが両方向に擦れ合う傾向と
なる。この結果、この従動プーリと擦れ合う無端ベルト
に、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベ
ルトと従動プーリとの間に滑りが発生し易くなったり、
或はこの無端ベルトの寿命が短くなったりする原因とな
る。
【0017】そこで、この様な従動プーリとして、上記
ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、
上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にあ
る場合には、上記従動プーリから回転軸3への回転力の
伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低
下傾向にある場合には、これら従動プーリと回転軸3と
の相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルトの走行
速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリの回転
角速度を上記回転軸の回転角速度よりも遅くして、上記
無端ベルトと従動プーリとの当接部が強く擦れ合う事を
防止する。この様にして、従動プーリと無端ベルトとの
擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端
ベルトと従動プーリとの間に滑りが発生したり、或はこ
の無端ベルトの寿命が低下する事を防止する。
【0018】第二の理由は、オルタネータの発電効率を
向上させる為である。オルタネータのロータを固定した
回転軸3は、自動車の駆動用エンジンにより、無端ベル
トと従動プーリとを介して回転駆動する。固定式の従動
プーリを使用すると、上記駆動用エンジンの回転速度が
急激に低下した場合に、上記ロータの回転速度も急激に
低下して、上記オルタネータによる発電量も急激に減少
する。これに対して、上記オルタネータに付属の従動プ
ーリとして、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置を使
用すれば、上記駆動用エンジンの回転速度が急激に低下
した場合でも、上記ロータの回転速度が慣性力により徐
々に低下して、その間も発電を続ける。この結果、固定
式の従動プーリを使用した場合に比べ、上記回転軸及び
ロータの運動エネルギを有効に利用して、オルタネータ
の発電量の増大を図れる。尚、上述の説明は、ローラク
ラッチ内蔵型プーリ装置を従動プーリ側に設置した場合
に就いて行なったが、同様の構成を有するローラクラッ
チ内蔵型プーリ装置を、駆動側であるクランクシャフト
の端部に設置しても、同様の作用・効果を得られる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来構造を含
め、従来からローラクラッチ内蔵型プーリ装置に就いて
記載した各種文献には、このローラクラッチ内蔵型プー
リ装置の耐久性及び信頼性を確保できる構造で、このロ
ーラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立作業を能率良く行
なう為の方法に就いては、特に記載されていなかった。
本発明は、この様な事情に鑑みて、十分な耐久性及び信
頼性を確保でき、しかも組立作業を容易に行なえるロー
ラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法を実現すべく発
明したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の組立方法の対象
となるローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、プーリ部材
と、軸部材である回転軸部材と、ローラクラッチと、第
一の玉軸受と、第二の玉軸受とを備える。このうちのプ
ーリ部材は、外周面に無端ベルトを掛け渡し自在とした
略円筒状である。又、上記回転軸部材は、上記プーリ部
材の内径側にこのプーリ部材と同心に配置されている。
又、上記ローラクラッチは、これらプーリ部材の軸方向
中間部内周部と回転軸部材の軸方向中間部外周部との間
に設けられて、これらプーリ部材と回転軸部材との間で
一方向の回転力のみを伝達する、即ち、回転方向の一方
向でロックし、他方向でアンロックするものである。こ
の様なローラクラッチは、外径部であるクラッチ用外輪
相当部分と、内径部であるクラッチ用内輪相当部分と、
保持器と、複数個のローラと、複数個のばねと、脱落防
止手段と、第一、第二の係合部とを備える。このうちの
クラッチ用外輪相当部分は、上記プーリ部材の軸方向中
間部内周部に設けられている。又、上記クラッチ用内輪
相当部分は、上記回転軸部材の軸方向中間部外周部に設
けられ、その外周面を円周方向に関する凹凸である、カ
ム部に相当するカム面としたものである。又、上記保持
器は、上記クラッチ用内輪相当部分の外周面と上記クラ
ッチ用外輪相当部分の内周面との間に設けられたもの
で、複数個のポケットを有する。又、上記各ローラは、
上記保持器の各ポケット内に転動並びにこの保持器の円
周方向に変位自在に保持されている。又、上記各ばね
は、上記各ローラと保持器との間に設けられて、即ち、
保持器に係合して、上記各ローラをこの保持器の円周方
向に関して同方向に押圧するものである。又、上記脱落
防止手段は、上記保持器の一部に設けられて、上記各ポ
ケット内に保持された上記各ローラがこれら各ポケット
内から上記保持器の径方向内側に脱落する事を防止する
ものである。上記第一、第二の係合部のうちの第一の係
合部は、上記保持器に設けられたもので、上記クラッチ
用内輪相当部分に設けられた第二の係合部と係合する事
により、このクラッチ用内輪相当部分に対する上記保持
器の相対回転を阻止するものである。又、前記第一の玉
軸受は、上記プーリ部材の軸方向一端部内周部と回転軸
部材の軸方向一端部外周部との間に設けられて、これら
プーリ部材と回転軸部材との間に加わるラジアル荷重及
びアキシアル荷重を支承するものである。この様な第一
の玉軸受の外径部は、上記プーリ部材の軸方向一端部内
周部にあってその内周面に第一の外輪軌道を有する。
又、上記第一の玉軸受の内径部は、上記回転軸部材の軸
方向一端部外周部にあってその外周面に第一の内輪軌道
を有する。そして、この第一の内輪軌道と上記第一の外
輪軌道との間に、複数個の第一の玉を転動自在に設けて
いる。又、前記第二の玉軸受は、上記プーリ部材の軸方
向他端部内周面と上記回転軸部材の軸方向他端部外周面
との間に設けられて、これらプーリ部材と回転軸部材と
の間に加わるラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承す
るものである。この様な第二の玉軸受は、上記プーリ部
材の軸方向他端部の内周面に内嵌した軸受用外輪の内周
面に形成した第二の外輪軌道と、上記回転軸部材の軸方
向他端部の外周面に外嵌した軸受用の内輪の外周面に形
成した第二の内輪軌道との間に、複数個の第二の玉を転
動自在に設けたものである。そして、上記回転軸部材と
上記軸受用の内輪とで、軸部材ユニットである回転軸ユ
ニットを構成している。又、この回転軸ユニットは、外
周面に複数の段部を有する。そして、このうちの2つの
段部と上記保持器の一部とを係合させる事により、この
保持器の軸方向の変位を抑えている。
【0021】更に、請求項1に記載したローラクラッチ
内蔵型プーリ装置の組立方法は、上述した様なローラク
ラッチ内蔵型プーリ装置を組み立てるのに、先ず、ロー
ラクラッチを構成する保持器に設けた各ポケット内にそ
れぞれローラを保持し、これら各ローラをばねによりこ
れら各ポケットの円周方向一端側に押し付けた状態で、
これら各ローラと上記保持器とをクラッチ用外輪相当部
分の内径側に組み付けて組立体とする。その後、上記保
持器に保持された上記各ローラ及び上記各ばねの内径側
に上記ローラクラッチを構成するクラッチ用内輪相当部
分を組み付けるべく、上記ローラクラッチの内径部のカ
ム部と上記組立体の複数のローラの位相とを合わせて、
これら各ローラの下(各ローラの内径側部分)まで上記
ローラクラッチの内径部を挿入する。その後、上記組立
体を構成するローラクラッチの保持器とローラクラッチ
の内径部とのうちの何れか一方を治具により固定して他
方を回転させながら、上記複数のばねを同時に圧縮し
て、上記各ローラを、上記クラッチ用内輪相当部分の外
周面に設けたカム部の凹部の外径が小さくなった部分に
移動させる。そして、この状態で、上記保持器と上記ク
ラッチ用内輪相当部分とを軸方向に相対変位させる事に
より、前記第一の係合部と上記第二の係合部とを係合さ
せて、上記ローラクラッチとする。この様にして組み立
てたローラクラッチを、前記プーリ部材の軸方向中間部
内周部と回転軸部材の軸方向中間部外周部との間に組み
付けた後、上記プーリ部材の軸方向他端部内周面と上記
回転軸部材の軸方向他端部外周面との間に、前記第二の
玉軸受を組み付ける。前記第一の玉軸受は、上記第二の
玉軸受の組み付け作業に先立って、上記プーリ部材の軸
方向一端部内周部と上記回転軸部材の軸方向一端部外周
部との間に組み付ける。上記第一の玉軸受の組み付け作
業と上記ローラクラッチの組み付け作業との前後は問わ
ない。尚、上記プーリ部材の軸方向他端部内周面と上記
回転軸部材の軸方向他端部外周面との間部分に組み付け
た上記第二の玉軸受をこの間部分に固定する作業は、圧
入、かしめ、溶接、接着のうちから選択される何れかの
方法により行なう。
【0022】又、請求項2に記載したローラクラッチ内
蔵型プーリ装置の組立方法の場合には、前記第一の係合
部と前記第二の係合部とのうちの少なくとも一方に面取
りを設けている。この面取りは、前記クラッチ用保持器
と前記クラッチ用内輪相当部分とを軸方向に互いに近づ
けて、上記第一、第二の係合部同士を係合させる事に伴
って上記クラッチ用保持器を上記クラッチ用内輪相当部
分に対し相対回転させながら、前記複数個のばねを同時
に圧縮する方向に設けている。この様な面取りを設けた
構造を組み立てる、請求項2に記載したローラクラッチ
内蔵型プーリ装置の組立方法の場合には、上述した請求
項1に記載した組立方法と同様にして組立体を構成した
後、上記クラッチ用内輪相当部分の外周面に形成したカ
ム部の凹部と上記組立体を構成する上記各ローラとの円
周方向に関する位相を合わせた状態で、クラッチ用内輪
相当部分をこの組立体の複数のローラの下、即ち内径側
まで挿入する。そして、そのまま挿入作業を継続する事
により、上記面取りを利用して上記第一の係合部と上記
第二の係合部とを係合させながら上記複数個のばねを同
時に圧縮し、上記ローラクラッチの内径部を上記組立体
の内径側に配置して、ローラクラッチとする。その後、
再び、上述した請求項1に記載した組立方法と同様に、
前記プーリ部材の軸方向他端部内周面と前記回転軸部材
の軸方向他端部外周面との間に、前記第二の玉軸受を組
み付ける。
【0023】
【作用】前述の様に構成する、本発明のローラクラッチ
内蔵型プーリ装置の組立方法によれば、十分な耐久性及
び信頼性を確保でき、しかも組立作業を容易に行なえ
る。先ず、十分な耐久性及び信頼性を確保できる作用・
効果は、回転軸ユニットの外周面に形成した複数の段部
と保持器の一部とを係合させる事で、この保持器の軸方
向の変位を抑える事により得られる。即ち、上記各段部
と保持器の一部との係合によりこの保持器の軸方向変位
を抑えている為、この保持器の軸方向端面と、クラッチ
用外輪の一部等、プーリ部材と共に回転する部分とが当
接する事がない。上記保持器は、回転軸部材の外周面に
固設されたクラッチ用内輪相当部分に対し、相対回転を
阻止した状態で組み付けられている。従って、上記プー
リ部材と上記保持器とは、ローラクラッチのオーバラン
時(接続が断たれた際)に相対回転する。この為、上記
保持器の軸方向端面と、クラッチ用外輪の一部等、プー
リ部材と共に回転する部分とが当接すると、オーバラン
時に当接部が擦れ合う事に基づく摩擦熱により、上記ロ
ーラクラッチの温度が上昇する。そして、この温度上昇
が著しくなると、このローラクラッチ内に封入したグリ
ースが劣化し、耐焼き付き性が損なわれる等、十分な耐
久性を得る事が難しくなる。
【0024】これに対して本発明の組立方法により組み
立てられるローラクラッチ内蔵型プーリ装置の場合に
は、オーバラン時にも相対回転する事のない保持器と回
転軸ユニットとの間でこの保持器の軸方向変位を阻止し
ているので、オーバラン時に保持器が上記クラッチ用外
輪の一部等の相手面と強く擦れ合う事を防止して、オー
バラン時に発生する摩擦熱を抑え、グリースの劣化を防
止して、耐久性の確保を図れる。又、保持器とクラッチ
用内輪相当部分との軸方向変位を効果的に防止できるの
で、この保持器に保持された各ローラの転動面が上記ク
ラッチ用内輪相当部分の外周面に形成したカム面から軸
方向に外れる事を確実に防止できる。この為、上記各ロ
ーラの転動面の一部が上記カム面の軸方向端縁部に当接
する事に伴ってこの転動面にエッジロードが加わる事を
確実に防止して、この転動面の転がり疲れ寿命の低下を
防止し、この面からも耐久性向上を図れる。
【0025】又、組立作業の容易化は、脱落防止手段
と、複数のばねを同時に圧縮する事とより図られる。先
ず第一に、このうちの脱落防止手段が、上記保持器の各
ポケット内に保持した各ローラがこの保持器の径方向内
側に脱落する事を防止する為、予め保持器の各ポケット
内に保持したローラの内径側にクラッチ用内輪相当部分
を挿入する作業を容易に行なえる。即ち、上記脱落防止
手段がないと、上記各ポケット内に保持した各ローラの
全部又は一部が上記保持器の内径側に大きく突出若しく
は脱落し、この保持器の内径側に上記クラッチ用内輪相
当部分を挿入しにくくなる。これに対して本発明の場合
には、上記脱落防止手段を設ける事に伴い、上記クラッ
チ用内輪相当部分の挿入作業時に上記各ローラが上記保
持器の内径側に大きく突出若しくは脱落する事を防止し
て、この挿入作業を容易に行なえる様にできる。即ち、
本発明を構成するローラクラッチ用の保持器は、単一の
保持器に、組立時に上記各ローラがこの保持器の内径側
に大きく突出若しくは脱落する事を防止する事と、使用
時に保持器自身が軸方向に変位する事を防止する事と
の、2通りの位置制御機能を持たせる事で、上記組立作
業の容易化と前記耐久性及び信頼性の確保とを図れる様
にしている。
【0026】第二に、上記クラッチ用外輪相当部分の内
径側に配置した上記各ローラに前記クラッチ用内輪相当
部分を内嵌し、更に上記保持器とクラッチ用内輪相当部
分とにそれぞれ設けた第一、第二の係合部同士を係合さ
せる作業は、これら各ローラを押圧している複数のばね
を同時に圧縮する事により、容易に行なえる様にでき
る。即ち、請求項1に記載した発明の場合にはクラッチ
用内輪相当部分とクラッチ用保持器とを相対回転させな
がら、請求項2に記載した発明の場合には面取りを利用
して第一、第二の係合部同士を係合させながら、上記複
数のばねを同時に圧縮する事ができる。
【0027】上記第一、第二の係合部同士を係合させる
以前の状態では、上記各ばねにより押圧された複数のロ
ーラと上記クラッチ用内輪相当部分の外周面に形成した
カム部の複数の凹部との位相を合わせる事ができ、更に
ローラの脱落防止手段があるので、上記各ローラの内径
側に上記各クラッチ用内輪相当部分を挿入する作業は、
特に問題なく行なえる。即ち、前記クラッチ用外輪相当
部分の内径側に、上記保持器と、上記各ローラと、各ば
ねとを組み付けて組立体としてから、上記各ローラと上
記各凹部との位相を合わせた状態で、上記クラッチ用内
輪相当部分を上記各ローラの内径側に挿入する作業は、
ローラの脱落防止手段があるので、特に問題なく行なえ
る。本発明では、この後、上記相対回転(請求項1の場
合)或は面取り(請求項2の場合)を利用して、上記第
一、第二の係合部同士を係合させる。これら一連の作業
により、上記各ローラを、上記クラッチ用外輪相当部分
の内周面と上記クラッチ用内輪相当部分の外周面との間
で円周方向の所定位置(例えば、カム面を構成する凹部
の外径寄り部分で、上記クラッチ用外輪相当部分の内周
面と上記クラッチ用内輪相当部分の外周面とに同時に当
接する部分)に移動させて、前記ローラクラッチとする
事ができる。
【0028】以上に述べた様に本発明のローラクラッチ
内蔵型プーリの組立方法によれば、上記各ローラを上記
各ばねの弾力に抗して所定位置に移動させる作業を、総
てのローラに関して同時に行なえる為、ローラクラッチ
の組立作業を容易に行なえる。この様に、上記各ローラ
を上記カム面により上記各ばねの弾力に抗して円周方向
に同時に移動させる事は、上述の様に上記各ローラを、
上記クラッチ用外輪相当部分の内周面と上記クラッチ用
内輪相当部分の外周面との間で円周方向の所定位置に移
動させる事を意味する。又、上記各ローラを上記両周面
同士の間の所定位置に移動させる事により、初めて、上
記クラッチ用外輪相当部分と上記クラッチ用内輪相当部
分との間で回転力の伝達を自在にできる。
【0029】要するに本発明の場合には、前記脱落防止
手段により、上記保持器への組み付け状態で、上記各ロ
ーラが上記保持器の内径側に大きく突出若しくは脱落す
る事を防止して、これら各ローラの内径側に上記クラッ
チ用内輪相当部分を挿入する作業を行ない易くしてい
る。これと共に、クラッチ用保持器とクラッチ用内輪相
当部分との相対回転(請求項1の場合)或は第一、第二
の係合部に設けた面取り(請求項2の場合)により、上
記各ローラの内径側部分への上記クラッチ用内輪相当部
分の挿入作業の際に、これら各ローラを同時にこのクラ
ッチ用内輪相当部分の円周方向に変位させて、これら各
ローラを所定位置に移動させる様にしている。この為、
複数のローラ及びばねを組み込んだ構造を組み立てる場
合にも、個々のばねを独立して圧縮させる様な面倒な作
業が不要になり、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組
立作業を容易且つ能率良く行なえる。
【0030】繰り返し述べると、本発明の場合には、上
記ローラクラッチを構成する保持器に設けた脱落防止手
段の働きにより、この保持器の内径側への上記各ローラ
の変位を抑えて、この保持器の内径側部分に上記クラッ
チ用内輪相当部分を挿入し易くしている。そして、上記
各ばねを同時に圧縮しつつ、これら各ローラを同時に上
記所定位置に移動させる様にしている。この為、多数の
ローラ及びばねが存在する事から従来は面倒であった、
これら各ローラを上記各ばねの弾力に抗して所定位置に
移動させる作業を容易に行なえる。即ち、上記保持器、
上記各ローラ、上記各ばね及び上記クラッチ用内輪相当
部分の組み付けに関して、上記各ばねを同時に圧縮しつ
つ上記各ローラを所定位置に移動させる作業を容易に行
なえる。
【0031】
【発明の実施の形態】図9〜12は、請求項1に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本
発明の特徴は、オーバラン時に、クラッチ用保持器28
aと、従動プーリ7aと共に回転する部分とが擦れ合う
事を防止し、摩擦熱に基づく温度上昇を抑えて耐久性の
向上を図ると共に、上記従動プーリ7aの内径側へのロ
ーラクラッチ10aの組み付け作業の容易化を図る点に
ある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図2〜6
に示した従来構造の場合と同様であるから、同等部分に
は同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、本発
明の特徴部分及び上記従来構造と異なる部分を中心に説
明する。尚、本例の実施に使用するクラッチ用保持器2
8aの場合には、軸方向両端に設けた1対のリム部29
a、29bのうち、組み付け作業時に挿入方向後側とな
る一方(図9の右方)のリム部29bの内周面にのみ、
係止突起32(図2〜6参照)を設ける。挿入方向前側
となる他方(図9の左方)のリム部29aには、係止突
起は設けない。
【0032】先ず、上記温度上昇を抑える為に、上記ク
ラッチ用保持器28aの軸方向の変位を抑える部分の構
造に就いて説明する。このクラッチ用保持器28aは、
十分な弾性を有する合成樹脂を射出成形する事により形
成されており、軸方向一端部(図9の右端部)に内向フ
ランジ状の係止鍔部34を全周に亙って、或は周方向に
関して間欠的に形成している。これに対して上記クラッ
チ用保持器28aの軸方向他端部に径方向内方に突出す
る1乃至は複数の係止突片35を、周方向に関して間欠
的に形成している。これら各係止突片35の内周側面
は、先端に向う程径方向外方に向かう方向に傾斜した、
ガイド傾斜面36としている。一方、回転軸部材である
スリーブ8の中間部外周面に締り嵌めで外嵌固定した、
上記ローラクラッチ10aを構成するクラッチ用内輪2
1の軸方向両端面を、請求項1に記載した複数の段部と
している。そして、このクラッチ用内輪21の軸方向両
端面と、上記係止鍔部34及び上記各係止突片35の互
いに対向する面とを係合させる事により、上記クラッチ
用保持器28aの軸方向の変位を抑えている。
【0033】次に、各ローラ26がこのクラッチ用保持
器28aに設けたポケット31から、このクラッチ用保
持器28aの径方向内側に脱落する事を防止する脱落防
止手段に就いて、図10により説明する。上記各ローラ
26は、図10に示す様に、クラッチ用保持器28aに
設けた各ポケット31内に、転動並びにこのクラッチ用
保持器28aの周方向に関する変位自在に保持されてい
る。但し、上記各ポケット31の開口部のうち、上記ク
ラッチ用保持器28aの内径側開口の周方向に関する幅
31は、上記各ローラ26の直径D26よりも小さく(W
31<D26)している。従って、これら各ローラ26が上
記内径側開口を通過する事はできず、これら各ローラ2
6が上記クラッチ用保持器28aの径方向内側に脱落す
る事はない。
【0034】構成各部を上述の様に構成した本例のロー
ラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立作業は、例えば図1
1に示す様に行なう。先ず、図11(A)に示す様に、
上記クラッチ用保持器28aに前記各ばね33(図6参
照)を装着すると共に、このクラッチ用保持器28a設
けた各ポケット31内にそれぞれローラ26を保持す
る。この状態でこれら各ローラ26は、上記各ばね33
により上記各ポケット31の円周方向一端側に押し付け
られた状態となる。又、この状態では、前述の図10に
示した様な脱落防止手段により、上記各ローラ26が上
記クラッチ用保持器28aの径方向内側に脱落する事は
ない。そこで、上記各ローラ26と上記各ばね33と上
記クラッチ用保持器28aとを、図11(B)に示す様
に、クラッチ用外輪25の内径側に組み付けて、請求項
に記載した組立体とする。
【0035】その後、図11(C)に示す様に、上記各
ローラ26の内径側にクラッチ用内輪21を組み付け
る。このクラッチ用内輪21の組み付け作業時には、上
記組立体を構成するクラッチ用保持器28aと、上記ク
ラッチ用内輪21とのうちの何れか一方を治具により固
定して他方を回転させながら、上記各ばね33を同時に
圧縮する。即ち、単に上記各ローラ26と上記各ばね3
3と上記クラッチ用保持器28aとを上記クラッチ用外
輪25の内径側に組み付けただけの状態では、図12
(A)に示す様に、上記各ローラ26が上記各ばね33
に押されて、円周方向に変位した状態となる。この状態
では、図12(A)に示す様に、上記各ローラ26と上
記クラッチ用内輪21の外周面のカム面22を構成する
凹部23との位相を一致させる事により、このクラッチ
用内輪21を上記各ローラ26の内径側に前記係止突片
35を弾性変形させつつ、或る程度挿入する事はでき
る。但し、このクラッチ用内輪21を上記各ローラ26
の内径側に最後まで挿入して、上記クラッチ用保持器2
8aのリム部29aの内周面に設けた係合突起32と上
記クラッチ用内輪21外周面のカム面22を構成する凹
部23とを係合させる事はできない。
【0036】そこで本例の場合には、図12(B)に示
す様に、上記クラッチ用内輪21を上記各ローラ26の
内径側に或る程度(途中まで)挿入した状態で、このク
ラッチ用内輪21と上記クラッチ用保持器28aとを相
対回転させて、上記各ばね33を圧縮する。即ち、上記
クラッチ用内輪21と上記クラッチ用保持器28aとの
うちの何れか一方の部材21(又は28a)を治具によ
り固定した状態で、他方の部材28a(又は21)を回
転させる。この状態では、上記各ローラ26と上記カム
面22とが係合しているので、これら各ローラ26が上
記各ばね33を同時に圧縮する。そこで、上記係合突起
32と上記凹部23との位相が一致する状態まで、上記
両部材21、28aを相対回転させた後、上記クラッチ
用内輪21を上記各ローラ26の内径側に更に挿入し
て、第一の係合部である上記係合突起32と第二の係合
部である上記凹部23とを係合させる。この状態で、ロ
ーラクラッチ10a自体の組立は終了する。
【0037】この様にして組み立てたローラクラッチ1
0aは、図11(D)に示す様に、上記クラッチ用外輪
25を従動プーリ7aに締り嵌めで内嵌する事により、
この従動プーリ7aの軸方向中間部内周面に組み付け
る。その後、図11(E)に示す様に、上記クラッチ用
内輪21をスリーブ8に締り嵌めで外嵌する事により、
このスリーブ8の軸方向中間部外周面に組み付ける。こ
の状態で上記ローラクラッチ10aが、上記従動プーリ
7aの中間部内周面と上記スリーブ8の中間部外周面と
の間に組み付けられる。
【0038】そして、最後に、図11(F)に示す様
に、上記従動プーリ7aの軸方向両端部内周面と上記ス
リーブ8の両端部外周面との間で上記ローラクラッチ1
0aを軸方向両側から挟む部分に、第一、第二の玉軸受
9、9を組み付ける。この状態で、前述の図9に示す様
なローラクラッチ内蔵型プーリ装置が完成する。尚、本
発明の組立方法の特徴は、上記ローラクラッチ10aを
組み立てるべく、予めクラッチ用外輪25の内径側に組
み付けたクラッチ用保持器28aとローラ26とばね3
3との内径側にクラッチ用内輪21を組み付ける工程に
ある。その他の工程に就いては、図11に示した順番に
限らず、適宜変更実施する事もできる。例えば、予め従
動プーリ7aの内周面軸方向中間部に内嵌固定した上記
クラッチ用外輪25の内径側に、上記クラッチ用保持器
28aとローラ26とばね33と上記クラッチ用内輪2
1とを組み付ける事もできる。更に、上記1対の玉軸受
9、9のうち、一方の玉軸受9は、上記ローラクラッチ
10aの組み付けに先立って、上記従動プーリ7aの内
周面と上記スリーブ8の外周面との間に組み付けておく
事もできる。
【0039】次に、図13〜14は、本発明の実施の形
態の第2例を示している。本例の場合には、ローラクラ
ッチ10aを構成する為のクラッチ用外輪相当部分40
を従動プーリ7aと一体に、クラッチ用内輪相当部分4
1をスリーブ8と一体に、それぞれ設けている。この様
な本例の構造を組み立てる場合には、図14(A)に示
す様にクラッチ用保持器28aに各ローラ26とばねと
を組み付けた後、これら各部材を図14(B)に示す様
に上記プーリ7aの内径側に組み付ける。次いで、図1
4(C)に示す様に上記クラッチ用内輪相当部分41を
上記各ローラ26の内径側部分に組み付けて上記ローラ
クラッチ10aとしてから、図14(D)に示す様に、
このローラクラッチ10aの両側に1対の玉軸受9、9
を組み付ける。その他の部分の構成及び作用は、上述し
た第1例の場合と同様であるから、重複する図示並びに
説明は省略する。
【0040】次に、図15〜18は、本発明の実施の形
態の第3〜6例として、本発明の組立作業の対象となる
構造の別の4例を示している。先ず、図15に示した第
3例の場合には、従動プーリ7aの内周面軸方向中間部
にクラッチ用外輪25を内嵌固定し、スリーブ8の外周
面軸方向中間部に、クラッチ用内輪相当部分41を一体
に形成している。次に、図16に示した第4例の場合に
は、スリーブ8の外周面軸方向中間部にクラッチ用内輪
21を外嵌固定し、従動プーリ7aの内周面軸方向中間
部にクラッチ用外輪相当部分40を一体に形成してい
る。次に、図17に示した第5例の場合には、第一の玉
軸受に相当する玉軸受9aを構成する内輪に相当する部
分をスリーブ8と一体に、同じく外輪に相当する部分を
従動プーリ7aと一体に、それぞれ形成している。更
に、図18に示した第6例の場合には、ローラクラッチ
10aを構成する為のクラッチ用外輪相当部分40を従
動プーリ7aと一体に、クラッチ用内輪相当部分41を
スリーブ8と一体に、それぞれ設けると共に、第一の玉
軸受に相当する玉軸受9aを構成する内輪に相当する部
分をスリーブ8と一体に、同じく外輪に相当する部分を
従動プーリ7aと一体に、それぞれ形成している。これ
ら図15〜18に示した第3〜6例のその他の部分の構
成及び作用、並びに組立手順に就いては、前述した第1
〜2例と同様であるから、重複する図示並びに説明は省
略する。
【0041】次に、回転軸部材8に少なくとも一方の玉
軸受9(9a)の内輪18を外嵌固定、或は一体に形成
して成る回転軸ユニット52の外周面に設けた複数の段
部53、53とクラッチ用保持器28aの一部とを係合
させる事により、このクラッチ用保持器28aの軸方向
の変位を抑える部分の構造の別例に就いて、図19〜2
1により説明する。尚、回転軸ユニット52の外周面に
設けた段部53とは、この回転軸ユニット52の外周面
に突出する状態で一体に形成した段部53{例えば図1
9(A)}は勿論、この回転軸部材8の外周面に形成し
た凹溝55の側面53{例えば図19(C)}、この回
転軸部材8に外嵌固定したクラッチ用内輪21(クラッ
チ用内輪相当部41)や玉軸受9(9a)を構成する軸
受用内輪18の軸方向端面{例えば図19(B)}も含
まれる。この様な段部53を使用して上記クラッチ用保
持器28aの軸方向の変位を抑える為の構造のうち、図
19(A)〜(L)は、このクラッチ用保持器28aの
軸方向一端部から径方向内方に折れ曲がった係止部54
を1対の段部53、53同士の間に位置させたもの、図
20(A)〜(M)は、クラッチ用保持器28aの軸方
向両端部(この端部から径方向内方に折れ曲がった係止
部54を含む)を1対の段部53、53同士の間に位置
させたもの、図21(A)〜(F)は、クラッチ用保持
器28aの軸方向両端部から径方向内方に折れ曲がった
1対の係止部54、54により、1対の段部53、53
を挟んだもの、図22(A)(B)は、クラッチ用保持
器28aの軸方向一端部に径方向内方に突出する状態で
形成した1対の係止部54、54により段部53、53
を挟んだものである。
【0042】次に、クラッチ用保持器28aの各ポケッ
ト31内に保持された各ローラ26がこれら各ポケット
31内からこのクラッチ用保持器28aの径方向内側に
脱落する事を防止する為の脱落防止手段の構造の別例に
就いて、図23〜29により説明する。先ず、図23
は、ばね33によりローラ26を、ポケット31の内面
を構成する傾斜面42に押し付け、このローラ26にク
ラッチ用保持器28aの径方向外方に向かう弾力を付与
したものである。又、図24は、ポケット31の内径側
開口部に爪片43、43を突出形成し、これら各爪片4
3、43の先端同士の間隔をローラ26の直径よりも小
さくしたものである。又、図25は、クラッチ用保持器
28aの内径寄り部分でポケット31を軸方向に横切る
フィラメント状の線材44を設け、この線材44と上記
ポケット31の相手面との間隔を、ローラ26の直径よ
りも小さくしたものである。又、図26は、クラッチ用
保持器28aの両端部内周面にワイヤリング45を装着
すると共に、ローラ26の両端部に突起46を設け、こ
れらワイヤリング45と突起46との係合に基づき、上
記ローラ26の上記クラッチ用保持器28aの径方向内
方への変位を抑えたものである。又、図27は、ローラ
26の径方向端部に設けた突起46と係合するフィラメ
ント状の線材47を、クラッチ用保持器28aの軸方向
端部に埋設したものである。又、図28は、上記図26
の例で、ワイヤリング45と突起46との間にばね48
を設けて、ローラ26にクラッチ用保持器28aの径方
向外方に向く弾力を付与したものである。更に、図29
は、クラッチ用保持器28aに設けたポケット31のう
ちで軸方向両端側内面に凹部49、49を形成し、これ
ら各凹部49、49内に、尖らせたローラ26の軸方向
両端部を係合させたものである。
【0043】次に、図30〜31は、請求項2に対応す
る、本発明の実施の形態の第7例を示している。尚、本
例により組み立てる構造の全体構成に就いては、前述の
図7〜8に示した従来構造の第2例の場合と同様である
から、この従来構造と同等部分に関する図示並びに説明
は省略し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
前述した第1例の場合、組立体を構成する各ローラの内
径側にクラッチ用内輪を挿入する作業の最終段階で、こ
のクラッチ用内輪とクラッチ用保持器とのうちの一方の
部材を治具により固定した状態で、他方の部材を回転さ
せる様にしていた。これに対して本例の場合には、組立
体を構成する各ローラの内径側にクラッチ用内輪21を
挿入する作業の最終段階で互いに係合する、第二の係合
部である係止突片37と、第一の係合部である係止切り
欠き38との少なくとも一方(図示の場合には双方)に
面取り39a、39bを形成し、これら各面取り39
a、39bを利用する事により、上記挿入作業の最終段
階で、上記係止突片37と係止切り欠き38とを係合さ
せつつ、上記各ローラを押圧している複数のばねを同時
に圧縮できる様にしている。
【0044】即ち、本例の場合には、上記クラッチ用内
輪21の外周面のカム面22を構成する凹部23と、各
ローラ26との位相を一致させた状態{図12(A)参
照}で、これら各ローラ26の内径側に上記クラッチ用
内輪21を挿入すると、この挿入作業の最終段階で、上
記係止突片37が上記係止切り欠き38内に、上記面取
り39a、39bに案内されつつ入り込む(係合す
る)。そして。この際に、上記クラッチ用内輪21がク
ラッチ用保持器28bに対し相対回転しつつ、上記各ば
ねを同時に圧縮する。そして、上記係止突片37が上記
係止切り欠き38内に完全に入り込んだ状態では、上記
各ローラ26が、上記カム面22とクラッチ用外輪21
の内周面との間の所定位置に移動させられる。この状態
で、ローラクラッチとして完成するので、その後は、前
述した第1例の場合と同様にして、第一、第二の玉軸受
等と共に従動プーリの内周面とスリーブの外周面との間
等に組み付け、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置とす
る。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、十分な耐久性及び信頼性を確保でき、しか
も組立作業を容易に行なえるローラクラッチ内蔵型プー
リの組立方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来から知られているオルタネータの1例を示
す断面図。
【図2】従来構造の第1例を示す半部断面図。
【図3】クラッチ用内輪の部分斜視図。
【図4】クラッチ用保持器の部分斜視図。
【図5】クラッチ用内輪及びクラッチ用保持器のみを取
り出して示す部分側面図。
【図6】クラッチ用保持器に装着したばねの1例を示す
斜視図。
【図7】従来構造の第2例を示す半部断面図。
【図8】ローラクラッチのみを取り出して図7の右方か
ら見た図。
【図9】本発明の実施の形態の第1例を示す、ローラク
ラッチ内蔵型プーリ装置の半部断面図。
【図10】クラッチ用保持器のポケットからローラが径
方向内方に抜け出るのを防止する為の脱落防止手段の第
1例を示す断面図。
【図11】実施の形態の第1例の組立工程の1例を示す
略断面図。
【図12】各ローラの内径側にクラッチ用内輪を挿入す
る工程を示しており、(A)は初期段階を、(B)は最
終段階を、それぞれ示す、図9の拡大イ−イ断面図。
【図13】本発明の実施の形態の第2例を示す、ローラ
クラッチ内蔵型プーリ装置の半部断面図。
【図14】実施の形態の第2例の組立工程の1例を示す
略断面図。
【図15】本発明の実施の形態の第3例を示す、ローラ
クラッチ内蔵型プーリ装置の半部断面図。
【図16】同第4例を示す半部断面図。
【図17】同第5例を示す半部断面図。
【図18】同第6例を示す半部断面図。
【図19】クラッチ用保持器の軸方向の変位を抑える部
分の構造の別の12例を示す略断面図。
【図20】更に別の13例を示す略断面図。
【図21】更に別の6例を示す略断面図。
【図22】更に別の2例を示す略断面図。
【図23】クラッチ用保持器のポケットからローラが径
方向内方に抜け出るのを防止する為の脱落防止手段の第
2例を示す略断面図。
【図24】同第3例を示す略断面図。
【図25】同第4例を示しており、(A)は略断面図。
(B)はローラを省略して(A)の下方から見た状態で
示す図。
【図26】同第5例を示しており、(A)は略断面図。
(B)は(A)のロ−ロ断面図。
【図27】同第6例を示す略断面図。
【図28】同第7例を示す略断面図。
【図29】同第8例を示す略断面図。
【図30】本発明の実施の形態の第7例を示す、クラッ
チ用保持器とクラッチ用内輪との部分略断面図。
【図31】図30のハ矢視図。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a 従動プーリ 8 スリーブ(回転軸部材) 9、9a 玉軸受 10、10a ローラクラッチ 11 ねじ孔部 12 係止孔部 13 円孔部 14 大径部 15 外輪軌道 16 外輪 17 内輪軌道 18 内輪 19 玉 20 シールリング 21 クラッチ用内輪 22 カム面 23 凹部 24 面取り 25 クラッチ用外輪 26 ローラ 27a、27b 鍔部 28、28a、28b クラッチ用保持器 29、29a、29b リム部 30 柱部 31 ポケット 32 係合突起 33 ばね 34 係止鍔部 35 係止突片 36 ガイド傾斜面 37 係止突片 38 係止切り欠き 39a、39b 面取り 40 クラッチ用外輪相当部分 41 クラッチ用内輪相当部分 42 傾斜面 43 爪片 44 線材 45 ワイヤリング 46 突起 47 線材 48 ばね 49 凹部 50a、50b、50c 治具 51 押圧片 52 回転軸ユニット 53 段部 54 係止部 55 凹溝 56 ロッド 57 ホルダ 58 押圧ロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、エ
    ンジン用補機のベルト伝動装置用であって、 プーリ部材と、 このプーリ部材の内径側に配置された軸部材と、 これらプーリ部材の軸方向一方と軸部材の軸方向一方と
    の間に設けられた第一の玉軸受と、 上記プーリ部材の軸方向他方と上記軸部材の軸方向他方
    との間に設けられた第二の玉軸受と、 上記プーリ部材と軸部材との間に設けられたローラクラ
    ッチとを備えたものであり、 a. 上記第一の玉軸受は、 上記プーリ部材の内周部にあって、内周面に第一の外輪
    軌道を有する外径部と、 上記軸部材の外周部にあって、外周面に第一の内輪軌道
    を有する内径部と、 この第一の内輪軌道と上記第一の外輪軌道との間に設け
    られた第一の玉とを備えたものであり、 b. 上記第二の玉軸受は、 上記プーリ部材とは別体でこのプーリ部材の内周面に嵌
    っていて、内周面に第二の外輪軌道を有する外輪と、 上記軸部材の外周面に嵌っていて、この軸部材とで軸部
    材ユニットを構成する、外周面に第二の内輪軌道を有す
    る内輪と、 この第二の内輪軌道と上記第二の外輪軌道との間に設け
    られた第二の玉とを備えたものであり、 c. 上記ローラクラッチは、 回転方向の一方向でロックし、他方向でアンロックする
    ものであって、 上記プーリ部材の内周部に設けられた外径部と、 上記軸部材の外周部に設けられ、その外周面にカム部を
    設けた内径部と、 この内径部の外周面と上記外径部の内周面との間に設け
    られた複数のローラと、 上記外径部と内径部との間に設けられ、それぞれの内側
    に上記各ローラを保持する複数のポケットを有する保持
    器と、 この保持器に係合していて上記各ローラを押圧する複数
    のばねとを備えたものであり、 d. 上記ローラクラッチの内径部は、上記ローラクラッ
    チの保持器に設けた第一の係合部と係合する第二の係合
    部を備え、 e. 上記ローラクラッチの保持器は、上記第一の係合部
    に加えて、上記ローラの脱落防止手段を備え、 f. 上記軸部材ユニットは、複数の段部を有し、このう
    ちの2つの段部で上記ローラクラッチの保持器の軸方向
    の変位を規制する手段を構成するものであり、 g. 上記ローラクラッチの保持器に設けた複数のポケッ
    ト内に上記各ローラを保持すると共に、このローラをそ
    れぞれこの保持器に係合している上記各ばねにより押し
    た状態として、この保持器を上記ローラクラッチの外径
    部の内径側に組み付けて組立体とした後、 h. 上記ローラクラッチの内径部のカム部と上記組立体
    の複数のローラの位相とを合わせて、これら各ローラの
    下まで上記ローラクラッチの内径部を挿入し、 i. その後、上記組立体を構成するローラクラッチの保
    持器とローラクラッチの内径部とのうちの何れか一方を
    治具により固定して、他方を回転させながら、上記ばね
    を同時に圧縮し、 j. その後、上記ローラクラッチの保持器と上記ローラ
    クラッチの内径部とを軸方向に相対変位させて、上記第
    一の係合部と上記第二の係合部とを係合させた後、 k. 前記第二の玉軸受を前記プーリ部材の内周面と前記
    軸部材の外周面との間に組み付ける、 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法。
  2. 【請求項2】 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、エ
    ンジン用補機のベルト伝動装置用であって、 プーリ部材と、 このプーリ部材の内径側に配置された軸部材と、 これらプーリ部材の軸方向一方と軸部材の軸方向一方と
    の間に設けられた第一の玉軸受と、 上記プーリ部材の軸方向他方と上記軸部材の軸方向他方
    との間に設けられた第二の玉軸受と、 上記プーリ部材と軸部材との間に設けられたローラクラ
    ッチとを備えたものであり、 a. 上記第一の玉軸受は、 上記プーリ部材の内周部にあって、内周面に第一の外輪
    軌道を有する外径部と、 上記軸部材の外周部にあって、外周面に第一の内輪軌道
    を有する内径部と、 この第一の内輪軌道と上記第一の外輪軌道との間に設け
    られた第一の玉とを備えたものであり、 b. 上記第二の玉軸受は、 上記プーリ部材とは別体でこのプーリ部材の内周面に嵌
    っていて、内周面に第二の外輪軌道を有する外輪と、 上記軸部材の外周面に嵌っていて、この軸部材とで軸部
    材ユニットを構成する、外周面に第二の内輪軌道を有す
    る内輪と、 この第二の内輪軌道と上記第二の外輪軌道との間に設け
    られた第二の玉とを備えたものであり、 c. 上記ローラクラッチは、 回転方向の一方向でロックし、他方向でアンロックする
    ものであって、 上記プーリ部材の内周部に設けられた外径部と、 上記軸部材の外周部に設けられ、その外周面にカム部を
    設けた内径部と、 この内径部の外周面と上記外径部の内周面との間に設け
    られた複数のローラと、 上記外径部と内径部との間に設けられ、それぞれの内側
    に上記各ローラを保持した複数のポケットを有する保持
    器と、 この保持器に係合して上記各ローラを押圧する複数のば
    ねとを備えたものであり、 d. 上記ローラクラッチの内径部は、上記ローラクラッ
    チの保持器に設けた第一の係合部と係合する第二の係合
    部を備え、 e. 上記ローラクラッチの保持器は、上記第一の係合部
    に加えて、上記ローラの脱落防止手段を備え、 f. 上記軸部材ユニットは、複数の段部を有し、このう
    ちの2つの段部で上記ローラクラッチの保持器の軸方向
    の変位を規制する手段を構成するものであり、 g. 上記第一の係合部と上記第二の係合部とのうちの少
    なくとも一方に、これら両係合部の係合に伴って上記ロ
    ーラクラッチの保持器を、上記ローラクラッチの内径部
    に対し相対回転させる事により、上記各ばねを同時に圧
    縮する為の面取りが設けられており、 h. 上記ローラクラッチの保持器に設けたポケット内に
    上記各ローラを保持すると共に、このローラをそれぞれ
    この保持器に係合している上記各ばねにより押した状態
    として、この保持器を上記ローラクラッチの外径部の内
    径側に組み付けて組立体とした後、 i. 上記ローラクラッチの内径部の外周面に形成したカ
    ム部の凹部と上記組立体を構成する上記各ローラとの円
    周方向に関する位相を合わせた状態で、上記ローラクラ
    ッチの内径部をこの組立体の複数のローラの下まで挿入
    してから、 上記面取りを利用して上記第一の係合部と上記第二の係
    合部とを係合させながら上記各ばねを同時に圧縮して、
    上記ローラクラッチの内径部を上記組立体の内径側に配
    置した後、 j. 前記第二の玉軸受を前記プーリ部材の内周面と前記
    軸部材の外周面との間に組み付ける、 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の組立方法。
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