JP2003095751A - 非鉛圧電性セラミック粉末 - Google Patents

非鉛圧電性セラミック粉末

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JP2003095751A
JP2003095751A JP2001290830A JP2001290830A JP2003095751A JP 2003095751 A JP2003095751 A JP 2003095751A JP 2001290830 A JP2001290830 A JP 2001290830A JP 2001290830 A JP2001290830 A JP 2001290830A JP 2003095751 A JP2003095751 A JP 2003095751A
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piezoelectric ceramic
ceramic powder
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Nobuhiro Kumada
伸弘 熊田
Takahiro Takei
貴弘 武井
Choichi Kinomura
暢一 木野村
Susumu Miyazaki
進 宮崎
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常圧焼結により高密度焼結体が得られるPbを
含まない圧電性セラミック粉末を提供する。 【解決手段】平均粒径が0.1〜3μmであることを特
徴とするPbを含まない圧電性セラミック粉末。Nb、
Taからなる群より選ばれる1種以上の元素を含む上記
記載の圧電性セラミック粉末。圧電性セラミックを構成
する金属元素の化合物と、Li、NaおよびKからなる
群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む1種以上の
化合物を水ととともに水熱条件下、加熱することにより
得られる上記のいずれかに記載の圧電性セラミック粉
末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPbを含まない圧電
性セラミック粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電性セラミック粉末は焼結して圧電素
子として用いられている。圧電素子は、電圧を加えると
変形するので、電気信号を物理的動きや力に変換するア
クチュエータとして用いられている。例えば、精密工作
機械における位置決め装置、光学装置の光路長制御装
置、流量制御用バルブ等に圧電素子を用いて成るアクチ
ュエータが用いられており、さらに圧電素子は、超音波
モータ、あるいは自動車のブレーキ装置等への応用がな
されている。圧電素子の材料である圧電性セラミックス
粉末としては、圧電性に優れるという点からチタン酸ジ
ルコン酸鉛(組成式Pb(Zr1-xTix)O3で表され
PZTと略称される。)の粉末が最も幅広く利用されて
きた。しかしながら、鉛を含んだ廃棄物が酸性雨等に晒
されると鉛が溶出し、環境に悪影響を与えることが最近
問題となってきたことから、約60重量%の割合で鉛を
含むPZTと同等の圧電性を示す圧電素子が得られ、か
つ鉛を含まない圧電性セラミック粉末が求められてい
る。鉛を含有しない圧電性セラミックス粉末としては、
LiNbO3、NaNbO3、KNbO3、KNbO3−N
aNbO3−LiNbO3固溶体、BNT(チタン酸ビス
マスナトリウム)、LiTaO3等の粉末が検討されて
いる。
【0003】しかしながら、鉛を含まない従来の圧電性
セラミック粉末は、焼結性に極めて劣っており、圧電素
子を製造するために焼結体とするには、ホットプレス等
の焼結方法が必要であり、工業的生産上に有利な常圧焼
結では、実用となる圧電特性を示す高密度焼結体(相対
密度90%以上)が得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常圧
焼結により高密度焼結体が得られるPbを含まない圧電
性セラミック粉末を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況下、上記の課題を解決すべく、鉛を含まない圧電性セ
ラミック粉末について鋭意研究を重ねた結果、平均粒径
が0.1〜3μmであるPbを含まない圧電性セラミッ
ク粉末により上記課題を解決できることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は、平均粒径が
0.1〜3μmであるPbを含まない圧電性セラミック
粉末を提供する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
圧電性セラミック粉末は、Pbを含まない圧電性セラミ
ックであれば特に限定されないが、LiNbO3、Na
NbO3、KNbO3、KNbO3−NaNbO3−LiN
bO3固溶体、LiTaO3、Bi4Ti312、SrBi
2Ta29、BaBi4Ti415、Bi3TiNbO9
BNT等が挙げられる。Nb、Taからなる群より選ば
れる1種以上の元素を含むものが好ましく、具体的に
は、LiNbO3、NaNbO3、KNbO3、KNbO3
−NaNbO3−LiNbO3固溶体、LiTaO3、S
rBi2Ta29、Bi3TiNbO9等が挙げられ、こ
れらはPbを含まない圧電性セラミックの中では電圧を
物理的動きや力に変換する能力が高いのでさらに好まし
い。
【0007】本発明の圧電性セラミック粉末は、平均粒
径が0.1〜3μmである。平均粒径が0.1μm未満
であるかまたは、3μmを超えると、常圧焼結によって
90%以上の相対密度を有する焼結体を得ることは困難
となる。Pbを含まない圧電性セラミックの従来の粉末
としては、平均粒径が5μm以上のものが用いられてお
り、本発明者らは、平均粒径を0.1〜3μmとするこ
とにより常圧焼結による焼結体の相対密度が90%以上
に上昇することを見出したのである。本発明の圧電性セ
ラミック粉末は、累積粒度分布の微粒側から累積10
%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D90とした
とき、D90/D10が10以下である粒度分布を有す
ることが、高い密度の焼結体を製造するためには好まし
く、D90/D10は7以下がさらに好ましい。
【0008】本発明の圧電性セラミック粉末は、該圧電
性セラミックを構成する金属元素の化合物と、Li、N
aおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元
素を含む化合物とを、水とともに100℃以上に加熱す
る水熱処理を行うことにより製造されたものが好まし
い。本発明において、該圧電性セラミックを構成する金
属元素の化合物で原料として用いるものは、酸化物、水
酸化物、塩化物、硝酸塩などが挙げられる。また、L
i、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1
種の元素を含む化合物としては、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。それ
らの原料を所定の組成となるように秤量し、オートクレ
ーブに入れ、Li、NaおよびKからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の元素を含む化合物を、該圧電性セラ
ミックを構成する金属元素の化合物の全モル数の5〜1
00倍モル加え、さらに水を前記金属元素の化合物の重
量の20〜100倍量を加え、オートクレーブの蓋を閉
めて100〜300℃の温度範囲で、好ましくは100
〜200℃の温度範囲で、1時間〜48時間加熱し、加
熱後冷却した生成物をろ過し、純水による洗浄を繰り返
した後、例えば50〜100℃で乾燥して製造されたも
のが、本発明の圧電性セラミック粉末としてさらに好ま
しい。粒径が大き過ぎた場合は、この後、乾式ボールミ
ル、湿式ボールミルあるいはジェットミルなど、工業的
に通常用いられる方法による粉砕を行うことができる。
【0009】本発明のPbを含まない圧電性セラミック
粉末は、常圧焼結により密度の高い焼結体が得られ、得
られた焼結体は各種アクチュエータ、超音波モーター、
自動車のブレーキ装置、センサーに好適に用いることが
でき、しかもPbを含まないので、各種用途に使用した
のち廃棄した場合にPb溶出の問題が発生しないのであ
る。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0011】実施例1 フッ素樹脂でライニングされたオートクレーブ(内容積
70ml)に酸化ニオブ(関東化学製、試薬特級)5
g、水酸化カリウム(関東化学製、試薬特級)52.8
gおよび蒸留水50gを入れ密閉し、130℃で12時
間加熱した。容器から取り出したスラリーろ過して粉末
を分離したのち、蒸留水100gで5回、洗浄、ろ過を
行い、さらに50℃で12時間乾燥し、粉末を得た。得
られた粉末は、粉末X線回折によりKNbO3の単一相
であることが確認できた。また、得られた粉末の平均粒
径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製
SALD−2000A)により測定した結果、0.86
μmであり、累積粒度分布の微粒側から累積10%、累
積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたとき、
D90が1.97μm、D10が0.37μmであり、
D90/D10が5.3であった。
【0012】得られたKNbO3粉末2gをゴムチュー
ブに入れ、CIP(冷間性水圧プレス)を用いて300
MPa(3ton/cm2)の圧力にて成形した。得ら
れた成形体を常圧の空気雰囲気中において1000℃に
て12時間焼結し、常圧焼結を行ったところ、相対密度
93.9%の高い密度の焼結体が得られた。
【0013】
【発明の効果】本発明のPbを含まない圧電性セラミッ
ク粉末は、常圧焼結により密度の高い焼結体が得られ、
得られた焼結体は各種アクチュエータ、超音波モータ
ー、自動車のブレーキ装置、センサーに好適に用いるこ
とができ、しかもPbを含まないので、各種用途に使用
したのち廃棄した場合にPb溶出の問題が発生しないの
で、工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 進 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4G030 AA02 AA03 AA04 AA20 AA21 BA10 CA04 GA01 GA11 GA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.1〜3μmであることを特
    徴とするPbを含まない圧電性セラミック粉末。
  2. 【請求項2】Nb、Taからなる群より選ばれる1種以
    上の元素を含む請求項1記載の圧電性セラミック粉末。
  3. 【請求項3】累積粒度分布の微粒側から累積10%、累
    積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたとき、
    D90/D10が10以下である粒度分布を有する請求
    項1または2に記載の圧電性セラミック微粉末。
  4. 【請求項4】圧電性セラミックを構成する金属元素の化
    合物と、Li、NaおよびKからなる群より選ばれる少
    なくとも1種の元素を含む1種以上の化合物を水ととと
    もに水熱条件下、加熱することにより得られる請求項1
    〜3のいずれかに記載の圧電性セラミック粉末。
  5. 【請求項5】圧電性セラミックを構成する金属元素の化
    合物がNbおよびTaからなる群より選ばれる少なくと
    も1種の元素を含む1種以上の化合物である請求項4記
    載の圧電性セラミック粉末。
  6. 【請求項6】NbおよびTaからなる群より選ばれる少
    なくとも1種の元素を含む1種以上の化合物が酸化ニオ
    ブおよび酸化タンタルである請求項5に記載の圧電性セ
    ラミック粉末。
  7. 【請求項7】加熱温度が100℃以上200℃以下であ
    る請求項4〜6のいずれかに記載の圧電性セラミック粉
    末。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007088022A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Kyocera Corp 積層圧電体
JP2011184288A (ja) * 2010-02-10 2011-09-22 Canon Inc 配向性酸化物セラミックスの製造方法、配向性酸化物セラミックス、圧電素子、液体吐出ヘッド、超音波モータおよび塵埃除去装置
CN106431399A (zh) * 2016-08-10 2017-02-22 湖南文理学院 无铅压电陶瓷粉体及其制备方法

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